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資産運用戦略 - 東京海上ホールディングス
株主・投資家の皆様へ 資産運用戦略 2003年11月27日 東京海上火災保険株式会社 常務取締役 岩間 陽一郎 I.資産運用戦略の取り組み 資産運用戦略① 資産運用戦略(全体像) ROEの向上を目指す資産運用戦略。具体的には、資産の特性に応じた以下の戦略を展開。 ROEの向上を目指す資産運用戦略。具体的には、資産の特性に応じた以下の戦略を展開。 種類別資産構成比推移 種類別資産構成比推移 分野別資産構成比推移 分野別資産構成比推移 政策投融資 ALM運用 純投融資 不動産 その他(短資他) 2002/3末 2003/3末 2003/9末 39% 38% 5% 4% 13% 31% 46% 7% 4% 12% 35% 43% 6% 4% 12% (東京海上と日動火災の合算ベース) 政策投融資分野 政策投融資分野 2002/3末 内国債券 内国株式 外国債券 外国株式 貸付金 不動産 その他 合計 18,909 (23%) 31,173 (37%) 5,007 (6%) 2,179 (3%) 8,276 (10%) 3,547 (4%) 14,640 (17%) 83,731 (100%) 単位:億円( 2003/3末 25,646 (33%) 22,631 (29%) 3,946 (5%) 2,053 (3%) 7,909 (10%) 3,308 (4%) 12,286 (16%) 77,779 (100%) 積立保険等負債対応分野 積立保険等負債対応分野 厳格な資産・負債総合管理(ALM/Asset Liability Management)を通じた金利リスクコントロールを実施 → 時価ベースでの剰余価値(=資産価値―負債価値)の安定的コントロールを目指す 市場リスク運用からオルタナティブ運用まで幅広い投資対象に分散投資し、ROEを向上 → リスク・アロケーション手法の高度化 2003/9末 23,718 (29%) 26,912 (33%) 3,714 (5%) 1,786 (2%) 7,613 (9%) 3,246 (4%) 14,491 (18%) 81,479 (100%) (東京海上と日動火災の合算ベース) 保険事業も含む総合的な収益判断に基づく運営 → 資本の効率化に向け、今後05年度末までに1割程度の政策株式の売却を実施 純投融資分野 純投融資分野 )内は構成比 資産運用戦略② 政策投融資の取り組み • ミレアグループでは、昨年度の東京海上におけるETFを活用した大規模流 動化等も含め、継続的に政策株式の圧縮に努めている。今後、2005年度 末までに1割程度の政策株式の売却を実施する計画である。 < 政 策 株 式 売 却 実 績 と計 画 > (単 位 :億 円 ) 2002年 度 実績 東京海上+日動火災 約 2,600 2003年 度 上期実績 約 600 2005年 度 末 まで 計画 1割 程 度 の 政 策 株 式 を売却 資産運用戦略③ ALM(資産・負債総合管理)の取り組み(1) •• •• 積立保険においては、運用資産価値と保険負債価値の差である「剰余価値」の安定的な 積立保険においては、運用資産価値と保険負債価値の差である「剰余価値」の安定的な コントロールが重要。 コントロールが重要。 積立保険負債の価値を変動させる主要リスクは円金利の市場変動であり、剰余価値の 積立保険負債の価値を変動させる主要リスクは円金利の市場変動であり、剰余価値の 安定的なコントロールのためには、資産と負債とのバランスを総合的に勘案した金利リス 安定的なコントロールのためには、資産と負債とのバランスを総合的に勘案した金利リス クのコントロールが必要となる。これが、ALM(資産・負債総合管理)である。 クのコントロールが必要となる。これが、ALM(資産・負債総合管理)である。 ALMを行っていない場合 (剰余価値) ALMを行っている場合 (注)長期負債を保有しているケース (剰余価値) 金利変動に拘わらず 剰余水準が安定 金利のブレ幅が 大きくなれば、 剰余水準の変 動も大きくなる ←金利下降 •• 現在の金利水準 金利上昇→ ←金利下降 現在の金利水準 金利上昇→ すなわち、ALMを通じて金利リスクを極力ヘッジすることによって、金利変動に拘わらず剰 すなわち、ALMを通じて金利リスクを極力ヘッジすることによって、金利変動に拘わらず剰 余水準が安定することを目指している。 余水準が安定することを目指している。 資産運用戦略④ ALM(資産・負債総合管理)の取り組み(2) •• 積立保険等負債対応分野では、積立保険負債の金利リスクを資産側とのバランスを 積立保険等負債対応分野では、積立保険負債の金利リスクを資産側とのバランスを 考慮してヘッジし、金利変動に対してリスク中立とすることを基本としている。 考慮してヘッジし、金利変動に対してリスク中立とすることを基本としている。 + •• その上で、国債、高格付債券を中心とした資産運用を行い、安定的な剰余の拡大を目 その上で、国債、高格付債券を中心とした資産運用を行い、安定的な剰余の拡大を目 指している。 指している。 積立保険負債に 積立保険負債に 存在するリスク 存在するリスク = = 金利リスク 金利リスク 金利変動に対して極力リスク中 金利変動に対して極力リスク中 立となることを基本とする 立となることを基本とする 資産運用に伴う 資産運用に伴う リスク リスク = = 信用リスク等 信用リスク等 国債、高格付債券中心に安定的 国債、高格付債券中心に安定的 な剰余拡大に資する な剰余拡大に資する 資産運用戦略⑤ 金利上昇の影響 ALM資産への影響 ALM資産への影響 •• 保有債券の大半はALM目的によるものであり、金利上昇によって、債券など資産側の時価評価額は低下 保有債券の大半はALM目的によるものであり、金利上昇によって、債券など資産側の時価評価額は低下 するが、保険負債側の時価評価額も合わせて低下するため、全体として金利上昇の影響は大きくない。 するが、保険負債側の時価評価額も合わせて低下するため、全体として金利上昇の影響は大きくない。 ALM以外の資産への影響 ALM以外の資産への影響 •• 金利上昇による寄与度は短期的には限定的であるが、新規購入において利回りの高い債券を購入でき、 金利上昇による寄与度は短期的には限定的であるが、新規購入において利回りの高い債券を購入でき、 また、短資運用の利回りを向上させることができるため、長期的には利鞘改善による一定のプラス効果が また、短資運用の利回りを向上させることができるため、長期的には利鞘改善による一定のプラス効果が 期待できる。 期待できる。 <参考:TOPIXと10年国債利回り推移> <公社債、株式の含み損益> 公社債 (内、含み損益) 株式 (内、含み損益) 3月末 25,646 ( 1,658 ) 22,631 ( 9,838 ) 9月末 23,718 ( 296 ) 26,912 ( 14,687 ) (単位:億円) 増減 ▲1,928 (▲1,362 ) 4,280 (+4,849 ) TOPIX株価 指数 1150 10年国債 利回り(%) 1.7 TOPIX 1050 JGB10 1.5 1.3 1.1 950 850 0.9 0.7 0.5 750 0.3 2003年3月 2003年5月 2003年6月 2003年8月 2003年10月 資産運用戦略⑥ 純投融資の取り組み • • 純投融資分野では、幅広い投資対象に分散投資を行い、 ROEの向上を目指している。 ポイントとしては、①リスク・アロケーション手法の高度化、②投資対象の拡大と継続的な新規発掘、③資産 運用の担い手の多様化である。 リスク・アロケーション リスク・アロケーション ••各投資対象のリスク分散を考慮し、リスクベースで資本配分を行う。 各投資対象のリスク分散を考慮し、リスクベースで資本配分を行う。 ••リスク対比で、より収益性の高いポートフォリオを構築し、高いROEの達成を目指 リスク対比で、より収益性の高いポートフォリオを構築し、高いROEの達成を目指 す。 す。 投資対象 投資対象 資産運用の担い手 資産運用の担い手 ••内外の資産に幅広く投資するグローバル型 内外の資産に幅広く投資するグローバル型 の運用を、オルタナティブ分野も含め展開。 の運用を、オルタナティブ分野も含め展開。 ••自らの資産運用スキルを活かしたインハウ 自らの資産運用スキルを活かしたインハウ スマネージャーによる運用と、ファンドマネー スマネージャーによる運用と、ファンドマネー ジャー選定のスキルを活かした外部委託運 ジャー選定のスキルを活かした外部委託運 用を並列させ、運用スタイル(手法)の分散 用を並列させ、運用スタイル(手法)の分散 を図っている。 を図っている。 ••投資対象の拡大に向けて、継続的に新規運 投資対象の拡大に向けて、継続的に新規運 用の立ち上げを行う。 用の立ち上げを行う。 II.ミレアグループの金融事業の取り組み 資産運用戦略⑦ ミレアグループの金融事業 • 本体の資産運用で培ったノウハウをベースにシナジーのある分野へ進出 ノウハウのフィードバック グループ会社 • • 第三者への 資産運用サービス の提供︵金融事業︶ 本体の 資産運用 本体の人材、ノウハウ の活用、営業支援 第三者が保有する資産の運用(=アセットマネジメント事業) – 東京海上アセットマネジメント投信<投信・投資顧問事業> – 東京海上キャピタル<プライベート・エクイティ> – ミレア・リアルエステイトリスク・マネジメント<不動産投資顧問事業> デリバティブを用いたリスク・ソリューションズの提供(=デリバティブ事業) – 東京海上フィナンシャルソリューションズ証券<デリバティブ事業> 関連会社 ジャパン・リアルエステイト・アセットマネジメント<不動産投信(REIT)事業> 三菱アセットブレインズ<投信評価事業> 資産運用戦略⑧ ミレアグループの金融事業関連会社 東京海上アセットマネジメント投信 東京海上アセットマネジメント投信 <投資顧問・投信> <投資顧問・投信> 東京海上キャピタル 東京海上キャピタル <プライベートエクイティ> <プライベートエクイティ> 当初は投資顧問業としてスタート。98年に投信事業に参入。 当初は投資顧問業としてスタート。98年に投信事業に参入。 日本株アクティブマネージャーとして高い評価。 日本株アクティブマネージャーとして高い評価。 2003年10月にグローバル債券運用で高い評価を得ている英 2003年10月にグローバル債券運用で高い評価を得ている英 国運用会社ロゲー社と合弁会社(東京海上ロゲーアセットマネ 国運用会社ロゲー社と合弁会社(東京海上ロゲーアセットマネ ジメント)を設立。 ジメント)を設立。 ベンチャー企業及びバイアウト案件に投資を行うプライベートエ ベンチャー企業及びバイアウト案件に投資を行うプライベートエ クイティファンドの運営事業を展開。 クイティファンドの運営事業を展開。 国内年金 一任受託資産残高 国内年金 一任受託資産残高 1兆723億円(国内11位) 1兆723億円(国内11位) 1985年12月設立 ミレア・リアルエステイトリスク・マネジメント ミレア・リアルエステイトリスク・マネジメント <不動産関連運用> <不動産関連運用> 不動産リスク運用を対象とした投資顧問会社。 不動産リスク運用を対象とした投資顧問会社。 機関投資家や不動産会社向けに不動産投資ファンドの組成 機関投資家や不動産会社向けに不動産投資ファンドの組成 支援、運営受託業務を2003年4月よりスタート。 支援、運営受託業務を2003年4月よりスタート。 2003年2月設立 ジャパンリアルエステイトアセットマネジメント<不動産関連運用> ジャパンリアルエステイトアセットマネジメント<不動産関連運用> 三菱地所、第一生命、三井物産との不動産投資信託委託業者 三菱地所、第一生命、三井物産との不動産投資信託委託業者 JV。東証不動産投資信託証券市場に投資法人を上場。 JV。東証不動産投資信託証券市場に投資法人を上場。 不動産取得価額 約1835億円 不動産取得価額 約1835億円 (2003年3月末) (30物件) 2000年10月設立 (2003年3月末) (30物件) ファンド総額 約375億円 ファンド総額 約375億円 1991年12月設立 東京海上フィナンシャルソリューションズ証券 東京海上フィナンシャルソリューションズ証券 <デリバティブ> <デリバティブ> 旧ファーストシカゴ東京海上証券(注:社名変更は2003年2月) 旧ファーストシカゴ東京海上証券(注:社名変更は2003年2月) 2002年11月にバンク・ワンとのJV契約を解消し、100%子会 2002年11月にバンク・ワンとのJV契約を解消し、100%子会 社化。 社化。 商品デリバティブや天候デリバティブ等の保険との融合商品を 商品デリバティブや天候デリバティブ等の保険との融合商品を 開発。 開発。 1997年12月設立 三菱アセットブレインズ<投信評価会社> 三菱アセットブレインズ<投信評価会社> 東京三菱、三菱信託、明治生命とのJV。 東京三菱、三菱信託、明治生命とのJV。 300本以上の投信について評価を実施済み。 300本以上の投信について評価を実施済み。 1998年12月設立 資産運用戦略⑨ アセットマネジメント事業の取り組み グループ全体の預り資産残高を更に増やし、収益向上を図る。 • ホールセール分野の取り組み ホールセール分野の取り組み •• •• •• •• 東京海上アセットマネジメント投信が運営するプライベート・エクイティFoFの外部受託開始 東京海上アセットマネジメント投信が運営するプライベート・エクイティFoFの外部受託開始 外債運用の分野における東京海上アセットマネジメント投信と英国運用会社ロゲー社の提携など、海外投資 外債運用の分野における東京海上アセットマネジメント投信と英国運用会社ロゲー社の提携など、海外投資 の運用力強化 の運用力強化 東京海上キャピタルの次期ファンド立ち上げ 東京海上キャピタルの次期ファンド立ち上げ ミレア・リアルエステイトリスク・マネジメント社が運営する不動産投資ファンドの継続的な立ち上げ ミレア・リアルエステイトリスク・マネジメント社が運営する不動産投資ファンドの継続的な立ち上げ 積極的に事業拡大を図る。 リテール分野の取り組み リテール分野の取り組み •• •• •• お客様本位で、かつ独自性のある投信をはじめとする金融商品開発体制の強化拡充 お客様本位で、かつ独自性のある投信をはじめとする金融商品開発体制の強化拡充 地銀・証券会社等の金融機関との関係構築・深耕 地銀・証券会社等の金融機関との関係構築・深耕 保険代理店チャネルを通じた金融商品販売の強化 保険代理店チャネルを通じた金融商品販売の強化 預り資産残高の倍増を目指す。 添付資料 海外運用会社との提携による外債運用の強化 東京海上アセットマネジメント投信が英国ロゲー・グローバル・パートナーズと合弁で 「東京海上ロゲーアセットマネジメント(TMRA)」を英国に設立( 2003年10月) 提携の目的 提携の目的 •• お客様の多様化・高度化するニーズに対応した外国債券の特化型運用を提供 お客様の多様化・高度化するニーズに対応した外国債券の特化型運用を提供 ロゲー社の概要 ロゲー社の概要 •• •• 1984年設立のグローバル債券運用専門会社 1984年設立のグローバル債券運用専門会社 豊富な経験と良好な運用実績を背景として、米国を中心にカリフォルニア州公務員退職年金基金(CalPERS) 豊富な経験と良好な運用実績を背景として、米国を中心にカリフォルニア州公務員退職年金基金(CalPERS) をはじめとした公的年金や企業年金などから受託実績が多い英国の運用機関 をはじめとした公的年金や企業年金などから受託実績が多い英国の運用機関 合弁会社(TMRA)の概要 合弁会社(TMRA)の概要 •• 50%出資 &人員派遣 助言契約 50%出資 &人員兼務 ロゲー社 ︵英国︶ マーケティング 運用状況報告 等 運用再委任契約等 東京海上 ロゲー社 ︵英国︶ お客様 外国債券運用 投資一任契約 東京海上 アセット •• ロゲー社にて培われた豊富な運用ノウハウ・能力を活かし、また東京海上アセットからも運用担当者を派遣 ロゲー社にて培われた豊富な運用ノウハウ・能力を活かし、また東京海上アセットからも運用担当者を派遣 して、日本のお客様のニーズに合わせたきめ細かな外国債券運用を提供 して、日本のお客様のニーズに合わせたきめ細かな外国債券運用を提供 運用資金は東京海上アセットを通じて受託し、受託者としての業務は、東京海上アセットが担当 運用資金は東京海上アセットを通じて受託し、受託者としての業務は、東京海上アセットが担当