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リスクモンスター株式会社(3768 ヘラクレス)
2005 年 2 月 22 日 セクター:情報・通信業 リスクモンスター株式会社(3768 ヘラクレス) 最終的なマーケット規模は不明だが、当面の成長ビジネスとして評価できる 与信管理情報ベンダーという類似企業の少ない事業分野で、着実に成長している。05.3 期は足元 の実績から判断すると対前期比+20%を達成できる状況である。 今後 2 年間も毎期+20%の伸びを見込むと、想定売上高は 10 億円、増分売上高の営業利益率 は足元で約 75%あるので、これを適用すると営業利益は前期 85 百万円に 280 百万円を上積みし、 約 350 百万円となる。当期利益では、税率 40%として 210 百万円の水準であり、EPS は 15,000 円 となる。この段階での更なる利益成長プレミアムを織り込んだ PER を 30 とすると、将来の成長考慮後 の適正株価は 45 万円となる。 連結データ(左肩は対前年比(%)) 決算期 営業利益(百万円) 03/3 04/3 287.4% 72.8% 95 367 633 -175.9% -212 -112 85 経常利益(百万円) -210 -111 85 60 105 -211 213 161 75.6% -98.9% -131.0% 13 -15,684 11,976 -- -113 401 348 86.8% -27.7% -32.4% 13 -8,407 25,912 -- 152 591 500 84.6% 14.3% 30.4% 13 11,328 37,240 -- 85 641 585 91.3% 9.3% 14.6% 13 6,342 43,582 -- 112 679 612 90.1% 15.4% 18.3% 13 8,331 45,571 -- 売上高(百万円) 当期利益(百万円) 総資産(百万円) 純資産(百万円) 株主資本比率(%) ROA(%、経常利益ベース) ROE(%、当期利益ベース) 発行済株式数(修正後、千株) EPS(円/株) BPS(円/株) 配当(円/株) 02/3 04/9中 04/12 3Q 359 574 60 105 本資料は証券投資の参考となる情報の提供を目的とし、証券の売買勧誘を目的としたものではありません。投資に関 する最終決定は、ご指針の判断でなさるようお願いいたします。最終ページに当資料の利用に関する重要な注意事 項を掲載していますのでご覧ください。 1 事業概要∼与信管理情報をインターネットを通じて提供 当社は、東京商工リサーチ他の企業信用情報提供会社の有する約 170 万社の企業情報データベ ースを基に、独自の審査ロジックによって会員企業向けにカスタマイズされた与信管理情報を、イン ターネットを通じて提供する事業を展開している。 事業分野は、インターネット経由で与信管理サービスを行う ASP サービスと、会員の取引先に関わ るポートフォリオの分析や金融サービス等を提案するコンサルティングサービスに大別される。ポート フォリオサービスは、取引先全体のリスク構成を分析するサービスや、与信格付けと連動した保証限 度額・保証料率等を設定する信用保証サービス・取引信用保険等の債権保全サービスである。売上 高の構成比(表 1)では、ASP サービスが約 9 割を占める主力事業となっている。 【表 1 事業分野別の売上高と構成比(百万円、%)】 04.3 期 売上高 04.9 中 構成比 売上高 構成比 ASP ライト会員向けサービス 100 15.9% 56 15.7% サービス レギュラー会員向けサービス 471 74.5% 279 77.9% コンサルティング ポートフォリオサービス 54 8.5% 17 5.0% サービス その他 6 1.1% 5 1.4% 633 -- 358 -- 合計 経営状況∼堅調な成長が見込めるビジネスモデル 当社の主力事業である ASP サービスの会員企業数は、下表の通りであり(表 2)、足元では順調に 増加している。ただ、04.3 期が対前期比+486 件の増加であったのに対して、04.9 中間期での半年 間での増加件数は 248 件となっており、05.3 通期での件数増加ペースは、前期とほぼ同等の 500 件程度になりそうな状況である。増加件数がほぼ固定とすると、伸び率は今後徐々に鈍化している 可能性がある。 【表 2 ASP サービスの会員数と売上高の推移(件、百万円)】 01.3 ライト会員 02.3 03.3 04.3 04.9 会員数 24 256 586 850 1,033 売上高 2 18 53 100 56 レギュラー 会員数 10 125 439 661 726 会員 売上高 2 69 279 471 279 本資料は証券投資の参考となる情報の提供を目的とし、証券の売買勧誘を目的としたものではありません。投資に関 する最終決定は、ご指針の判断でなさるようお願いいたします。最終ページに当資料の利用に関する重要な注意事 項を掲載していますのでご覧ください。 2 一方で、情報を分析し、インターネットで配信するというビジネスモデルを同社は採用しているため、 営業費用に占める変動費比率が小さい(表 3)。このため、売上高が増加するほどに営業費用は増 加しないので、増益幅は売上高の伸び率を超えて成長している。今後もこの費用構造を維持するこ とが出来れば、大きく利益成長するポテンシャルを持っていると言える。 【表 3 売上高と営業費用の推移(百万円)】 売上高 03.3 04.3 対 03.3 期増加額 04.12 3Q 04.3 04.12 3Q A. 売上高 367 633 574 266 207 B. 営業費用 479 548 469 69 -10 -- 86.6% 81.7% 25.9% -- C=B/A なお、累積損失によって法人税が軽減されているため、04.3 期実績・05.3 期第三四半期実績まで の当期利益は、高く出ている。 株式の状況∼ストックオプション残高は通常の水準、その他考慮が必要な事項もない 04 年 2 月時点の当社の発行済み株式数は、10,693 株であり、上場に当っての公募分が 2,000 株加わる予定である。更に、ストックオプションの未行使残高が 734 株あり、これの行使価格は 16 万 円・行使期間は 06.7 月∼14.6 月となっている。ストックオプションを全数潜在株式とみなして、上場 時点での発行済み株式数は、13,427 株とした。ストックオプションによる希薄化効果は 6%程度とな っており、ややボリュームは大きいものの、株価に決定的なインパクトを与える水準にはなっていな い。 情報開示の状況∼自社のリスクには無関心 当社HPには投資家向けの情報開示ページは既に設置されているのだが、トップページの 「Company」をクリックすると出てくるメニューリストには項目が掲載されていない。ここのメニューリスト のいずれかをクリックすると、やっとIRページがメニューバーに出現する構造になっており、大変使い づらい。 また、公表されている情報は、過年度の経営実績の推移だけで、上場関連の情報は掲載されて いない。リスク管理等をビジネスとする業種であることを考慮すると、もっと自社の情報開示に積極的 に取り組むべきであり、現時点での開示姿勢は消極的とみなさざるをえない状況である。 本資料は証券投資の参考となる情報の提供を目的とし、証券の売買勧誘を目的としたものではありません。投資に関 する最終決定は、ご指針の判断でなさるようお願いいたします。最終ページに当資料の利用に関する重要な注意事 項を掲載していますのでご覧ください。 3 本資料における個別銘柄に関する注意事項 ・ EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用い ている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過 年度を含めて修正している場合がある。 ・ 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合があ る。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目 的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券 価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能 性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資 に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当社が信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・ 完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当社の判断であり、 今後予告なしに変更されることがあります。 本資料の著作権は当社に帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 本資料は証券投資の参考となる情報の提供を目的とし、証券の売買勧誘を目的としたものではありません。投資に関 する最終決定は、ご指針の判断でなさるようお願いいたします。最終ページに当資料の利用に関する重要な注意事 項を掲載していますのでご覧ください。 4