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デルの統合型データ保護 : DR4100とNetVault

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デルの統合型データ保護 : DR4100とNetVault
ESG ラボ レビュー
デルの統合型データ保護 : DR4100とNetVault
⽇ 付: 2013年9⽉
執筆者: ケニー・ドーラン、ラボ アナリスト(Kenny Dolan, Lab Analyst)
ヴィニー・チョインスキー、シニア ラボ アナリスト(Vinny Choinski, Senior Lab Analyst)
概要:この ESG ラボ レビューは、Dell DR4100 ディスク バックアップ アプライアンスと Dell NetVault バックアップ ソフトウェアを組
み合わせた統合ソリューションのハンズオンテストの結果をまとめたものです。本書では、この統合型ソリューションを活⽤した場合
の、使いやすさ、パフォーマンス、容量の節約などの⾯におけるエンドユーザやビジネスへの利点を詳細に説明します。
課題
ESG の調査では、回答者から報告された IT に関する最も重要な項⽬のリストの先頭に、3 つの課題が継続的にランクインしています。
IT プロフェッショナルは 4 年連続で、バックアップとリカバリの改善、サーバ仮想化の増加、データ増加の管理を最も優先順位の⾼い項⽬
として挙げています(図 1 参照)。IT 関係者にとって望ましいことではないですが、このような個別の課題はひとつの⼤きな課題となって、頭
痛の種となることがあります。組織が、増⼤する物理的および仮想化データをどのように保護するのかの決断を迫られていながらも、サー
バの仮想化は、バックアップとリカバリを複雑にしています。また、データ量が増⼤すると、バックアップとリカバリのシステムはそれに追いつくの
に悪戦苦闘しています 1。
図1 2013年、ITにおける最重要課題トップ5
今後12か⽉間で、あなたの所属する組織のITにとって次のうちどれが最重要の課題ですか?
(回答者のパーセント、N=540、10個まで回答可)
情報セキュリティについての取り組み
29%
データのバックアップとリカバリの改善
27%
サーバ仮想化の増加
26%
増加するデータの管理
25%
データセンターの統合
24%
0%
5%
10%
15%
20%
25%
30%
35%
出典: Enterprise Strategy Group, 2013
1
出典: ESG Research Report, 2013 IT Spending Intentions Survey, January 2013 (ESG 調査レポート「2013 年 IT 関連⽀出⽬的調査」、2013 年 1 ⽉)
ESG ラボ レポートが⽬標とするのは、IT プロフェッショナルに、あらゆる分野と規模の企業向けのデータセンター技術製品について理解していただくことです。ESG ラボ レポー
トは、購買決定の前に実施すべき評価のプロセスに代わるものではなく、新しい技術についての理解を深めていただくことを意図しています。私たちの⽬的は、製品の従来
よりも価値のある特性や機能を検討し、お客様が実際に直⾯している問題解決にどのように利⽤できるか、また改善が必要な部分は何かを⽰すことです。ESG ラボの第
三者的なエキスパートとしての観点は、当社独⾃のテストや運⽤環境でこれらの製品を使⽤しているお客様へのインタビューに基づいています。この ESG ラボ レポートは、
デルが後援しています。
© 2013 by The Enterprise Strategy Group, Inc. All Rights Reserved.
ESG ラボ レビュー デルの統合型データ保護 : DR4100 と NetVault
2 デルの統合型データ保護: Dell DR4100とNetVaultバックアップ ソフトウェア
⽬的特化型バックアップ アプライアンスのDR4100
Dell DR4100 は、インライン⽅式の重複排除と圧縮機能を内蔵した⾼性能ディスクベース バックアップおよびディザスタ リカバリ アプライア
ンスです。どのようなバックアップ ワークフローにも簡単に統合されるように設計されていて、Dell Software、CommVault、EMC、
Symantec、IBM、Veeam 等の主要のバックアップ アプリケーションの多くをサポートしています。形状も⼩型でインストールが簡単なので、
エンタープライズや⼩規模オフィス環境に最適です。必要なライセンスが全て含まれていますので、追加コスト無しで現在から将来に渡り
最適の機能性を確保できます。グラフィカルな表⽰によって、容量の節約やスループットの詳細等のシステム情報が⼀⽬でわかり、管理
者は、システムの正常性とステータスを 1 つのコンソールから監視・管理することができます。サポートにかかるコストの削減を⽬指すデルの
取り組みの⼀環として、お客様はこれによって、サポートを受けることなくより多くのタスクを管理することが可能になります。
DR4100 は、ラック搭載可能な 2U の、冗⻑電源とファンが付いた Intel ベースの Dell 12g サーバ プラットフォームで構成されています。
構成オプションは RAID 6 構成で 2.7TB、5.4TB、9TB、18TB、27TB があり、論理容量は 405TB まで対応できます。さらに⼤きいバック
アップ ストレージが必要な場合は、オプションの拡張ユニットを設置して論理容量 1.2PB まで対応可能です。DR4100 は、NFS、CIFS、
OST、および Rapid Data Access(RDA)プロトコールをサポートし、6-port 1GbE (base-T)、2-port 10GbE (base-T)、あるいは 2port 10GbE (SFP+)のネットワーク接続で構成することができます。
容量削減
内蔵の重複排除および圧縮技術によって、お客様は⼀般的なデータ削減レベルである 15:1(場合によっては最⼤ 32:1)を達成し、同じ
設置⾯積でより多くのバックアップ データをより⻑期間保持することができるようになります。DR4100 は、⾼速で信頼性の⾼いバックアップ
とリカバリ機能を提供しながら、必要なストレージ容量、ネットワーク帯域幅、そして電⼒/冷却要求を軽減します。ビジネスにクリティカル
な情報をより⻑期間オンラインに残すことで、より短い⽬標復旧時間(RTO)と⽬標復旧時点(RPO)を達成し、資本と運⽤コストの両⽅
を削減します。
DR4100 は、標準的な重複排除と圧縮のタスクを CPU やメモリなどのクライアントあるいはメディア サーバのリソースに影響を与えないで
実⾏します。重複排除と圧縮は、データがバックアップされている間に⾏われ、容量要求を低く抑えます。データ取り込みバッファは、⾼速
の不揮発性 RAM(NVRAM)にあります。データは取り込まれる時にアプリケーションの形式別に可変⻑のチャンクに分割され、データ辞書と
照合されます。データが⼀致しない場合は保存され、⼀致した場合はデータが破棄されてからブロック/オブジェクト マップが更新され、参
照カウントが増えます(図 2 参照)。データ送信を最⼩限に抑えるリモートサイトの障害保護を実現する、重複排除に対応したレプリケー
ション機能等もあります。
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3 図2 Dell DR4100のアーキテクチャ
NetVault バックアップ ソフトウェア
DR4100 は、デルの NetVault バックアップ ソフトウェアとシームレスに統合できます。NetVault は 1 つの直観的なコンソールから操作でき
る、物理的および仮想環境のクロス プラットフォームのバックアップとリカバリを提供し、幅広いバックアップ ターゲットとビジネス クリティカルな
アプリケーションをサポートします。DR4100 は、ベア メタル リカバリ、エンタープライズ全体の制御、スケーラビリティ、そして柔軟性のある暗
号化などを実現できます。
Dell DR4100 Rapid Data Access(RDA)ソフトウェア プラグイン(容量ベースの NetVault ライセンスには無償で含まれています)は、さら
に緊密な統合を可能にし、NetVault によるエンドツーエンドの保護タスクの制御を可能にします。このプラグインにより、NetVault はバッ
クアップとレプリケーションのタスクのすべてを管理し、DR4100 は、ストレージ管理を担当します。DR4100/NetVault/RDA のソリューション
は、以下を実現します:

より⾼速なバックアップとリカバリによって、バックアップの時間短縮と⽬標復旧時間を簡単に達成できます。

ソースまたはターゲットでの重複排除の選択。ソースの重複排除ではハッシングがクライアント側で⾏われ、DR4100 にハッ
シュ値のみが送信されます。その後、DR4100 はまだ保存されていないチャンクのみを要求します。これによってデータ送信
量が削減され、帯域幅に制約がある環境や複数のバックアップを同時に⾏う環境では、特にバックアップ時間が短縮されま
す。

NetVault が管理する DR4100 アプライアンス間で重複排除されたバックアップのレプリケーションを最適化します。レプリ
ケーションが完了すると、NetVault は新しいリカバリ ポイントを⾃動的に認識します。これは、カタログから簡単に選択する
ことができます。

バックアップをテープにオフロードすることができます。リモートオフィスを持つお客様は中央の DR システムにバックアップを
送り、それをテープにオフロードすることができます。この機能によってデータ損失のリスクを最⼩化し、リモートオフィスのデータ
保護の複雑性を軽減できます。
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4 ESG ラボのテスト ベッドを図 3 に⽰します。10GbE ネットワーク スイッチをメインハブとし、複数のバックアップ クライアントを接続して、ジャン
ボ パケットを有効にした⼆重結合の 10GbE インターフェイスを使⽤しました。クライアントは RDA プラグインで設定しました。
スイッチはさらに、2 台の Dell DR4100 アプライアンスと 1 台の NetVault 9.2 サーバに接続されました。上部に、NetVault のメイン ダッ
シュボードを⽰しています。
図3 ESGラボ テスト ベッド
ESGラボによるテスト
ESG ラボはテキサス州オースティン市にあるデルの施設からリモート テストを⾏い、また、以前に⾏われたテストの結果を検査しました。テス
トで焦点を当てたのは使いやすさ、パフォーマンス、内蔵した重複排除、そして圧縮機能によって実現された容量節約です。
使いやすさ
テストは Dell DR4100 アプライアンスと NetVault バックアップ ソフトウェア(バージョン 9.2)を使⽤して⾏いました。ESG ラボは、デルのソ
リューションが全体として⼤変扱いやすいことを理解しました。テストでは設定/接続済みの NetVault バックアップ サーバを使⽤しました。
RDA ソフトウェアは DR4100 の⼀部として含まれていて、RDA プラグインはバックアップ クライアントに内包されていて別途インストールする
必要はありませんでした。
バックアップを開始するには、バックアップ アプリケーションのマウント ポイントとして DR4100 にデータ コンテナを作成する必要があります。
ESG ラボは最初に、DR4100 のウェブベースの管理ユーティリティを開き、ダッシュボードから Containers のリンクを選択しました。Create
New Container の画⾯に rda_esg_target という名称を⼊⼒した後、RDA で接続することにし、Connection Type (接続のタイプ)
に RDS を選択しました(図 4 を参照)。Create a New Container(新コンテナを作成)画⾯で Finish(終了)をクリックすると、コンテナが
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5 使えるようになりました。また、2 台の DR4100 アプライアンス間の最適化されたレプリケーションのテストで使⽤する DR4100 コンテナも
(rda_esg_source)作成しました。
図4 DR4100で新しいコンテナの作成
次に、バックアップ サーバ R320-SYS-12 の NetVault GUI を開いて、複数の Dell DR4100 を RDA デバイスとしてバックアップ アプリケー
ションに追加しました。ダッシュボードで Device Management(デバイス管理)アイコンをクリックし、Add ドロップダウン メニューで Add
Dell RDA Device(デル RDA デバイスを追加)を選択しました。プライマリ バックアップ ターゲットとして swsys-234 というホストネームの
DR4100 を選択し、NetVault のユーザネームとパスワードを⼊⼒した後、コンテナ名 rda_esg_source を⼊⼒しました。コンテナが正常
に追加され、使⽤可能であることを⽰すメッセージが表⽰されました(図 5 参照)。同じプロセスを繰り返すことで rda_esg_target コンテ
ナを NetVault バックアップ サーバに追加しました。
図5 DR4100ターゲットをNetVaultバックアップ サーバに追加
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6 ESG ラボは次に、ローカル クライアントから⼀意のデータで構成される 10GB のファイルのバックアップを開始しました。3 つ⽬の DR4100
RDA コンテナ(esg_test)を作成した後、使⽤可能な NetVault マシンの⼀覧に掲載されているホストを右クリックし、Add As Client(ク
ライアントして追加)を選択して、バックアップ データを選択しました(図 6 参照)。次に、NetVault ダッシュボードの Target(ターゲット)タブ
から esg_test を選択し、標準的なフルバックアップを開始しました。
注:バックアップは RDA による重複排除を使⽤して実⾏されるため、NetVault GUI の重複排除チェックボックスの選択は解除
しました。RDA は、複数のクライアントやコンテナを含む RDA プール全体に渡ってグローバルな重複排除を提供します。
ESG ラボは Job Monitor(ジョブ監視)ビューで、300MB/秒のスループットを観測し、バックアップは、数分で完了しました。そして、私たち
は同じ 10GB ファイルのバックアップを再度、⾏いました。2 回⽬のバックアップでは、重複をチェックする為にローカル デバイスからデータを
読み取る 36 秒しか必要としませんでした。すべてのデータが重複していたので、データが転送されなかったのです。
図6 バックアップ クライアントの追加
ESG ラボはさらに、NetVault アプリケーションと RDA を使⽤して、最適化されたレプリケーションを 2 台の DR4100 アプライアンス間で実⾏
しました。NetVault GUI の Advanced Options(⾼度のオプション)タブで、ソースの DR4100 (rda-esg-source)からターゲットの
DR4100 (rda-esg-target)へのバックアップが⾏われた直後に、NetVault が最適化されたレプリケーションで 2 つ⽬のコピーを作成する
ように設定しました(図 7 参照)。これにより、2 台の DR4100 アプライアンス間での重複排除されたバックアップ データセットの直接的なレ
プリケーションが可能になりました。これに対し、DR4100 アプライアンスを使わないで標準のレプリケーションを⾏った場合は、すべてのデー
タブロックをネットワーク経由で転送することが必要になります。ESG ラボは、重複排除の機能を実証するために同じレプリケーション作業
を 2 回実施しました。データ送信が無かったので、2 回⽬のレプリケーション作業はほんの数秒しかかかりませんでした。
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7 図7 バックアップ後への最適化されたレプリケーションの追加
これがなぜ重要なのか
バックアップを簡素化すると、運⽤コストを削減し、バックアップ作業を担当していた IT スタッフが他のタスクを担当できるようになりま
す。多くの組織にとって、機器や⼈員を多く必要とするディザスタ リカバリは経済的にも運⽤的にも⼿が届きません。
ESG ラボは、DR4100 が簡単かつ直観的に管理することができ、RDA プラグインを通じて NetVault バックアップ ソフトウェアとシームレ
スに統合されることを確認しました。バックアップの開始は簡単かつ迅速で、2 回⽬のバックアップの実施は重複排除処理の速さを実
証しました。さらに、このソリューションだとディザスタ リカバリをバックアップ アプリケーションおよびワークフローに追加することが可能で(別
の管理アプリケーションやプロセスは必要ありません)、マウスを数回クリックするだけで展開できます。ESG ラボは、最適化されたレプリ
ケーション機能を使⽤し、NetVault で管理している DR4100 アプライアンス間での重複排除を⾏うレプリケーション作業を直接設定
し、実⾏しました。レプリケート先のバックアップ データからもリカバリを簡単に⾏えるように、リカバリ ポイントはカタログに記録されまし
た。
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8 効率性
効率的な運⽤は、企業の収益に貢献します。DR4100 アプライアンスと NetVault バックアップ ソフトウェアを使⽤したデルのソリューション
は、バックアップとリカバリ タスクを管理するための効率的な⼿段を提供する⼀⽅で、ストレージ容量を削減し、パフォーマンスを向上させ
ます。これによって資本と運⽤コストが削減され、最適化した運⽤が可能になります。
容量削減
Dell DR4100 は、ターゲット ベースでインラインの重複排除および圧縮を実⾏することでバックアップ データ量を削減します。NetVault と
RDA プラグインの組み合わせはソース ベースの重複排除が選択肢のひとつにし、バックアップに使⽤するネットワーク帯域幅を最⼩にする
ことのプライオリティが⾼い場合など、多くの状況で使⽤することができます。容量の削減はバックアップ プロセスの⼀部として実⾏されるた
め、バックアップのパフォーマンスの向上と、ストレージおよびネットワーク帯域幅の要求削減を実現できます。重複排除と圧縮は、既存の
ワークフローに対して透過的に⾏われます。
ESG ラボは、5 か⽉間より少し⻑い期間のデータ保存(1 週間毎に実施される標準のフルバックアップ ワークフローを想定)に相当する 21
回のフルバックアップを含むバックアップ サイクルのシミュレーションを⾏う、デルによる RDA プラグインと NetVault の重複排除のテストを検
査しました。バックアップ⽤のバイナリおよびテスト ファイル データは⾃社のデータ⽣成ツールで作成しました。テストのパラメータを下記の表
1 に⽰します。
図 8 は、このテストで実現できたストレージ容量の削減を⽰しています。最初のフルバックアップは、20GB のストレージ容量を消費しまし
た。従来のストレージだと、後に続くバックアップの度に変更のあるデータをすべて保存されます。その結果、21 回のフルバックアップを⾏った
後、20GB のデータセット 1 つが 503GB の容量を消費するようになりました(図 8 の⻘い部分がそれを⽰しています)。重複排除と圧縮機
能を持つ Dell DR4100/NetVault ソリューションを使⽤した場合に必要になる容量は、⻩⾊で⽰しています。初回のバックアップは
20GB ですが、その後は⼀意の変更だけが保存されます。21 週間後、消費された総ストレージはわずか 42GB で、91.53%の容量削減
を実現しています。
図8 容量削減
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9 表1 テストパラメータ
容量削減テスト
バックアップ回数:
21
バックアップ アプリケーション:
NetVault 9.2 と RDA
初回のバックアップの容量:
20GB、バイナリファイルおよびテストファイル
ファイルサイズの範囲:
数 KB から 1GB
バックアップ間の変更率:
5%〜10% 追加/削除/変更されたファイル
DR4100 ダッシュボードは、他のソリューションの多くを上回る GUI ベースのモニタリングおよび管理ツールを提供します。メインのダッシュボー
ド画⾯では、容量のステータス、ストレージの削減、そしてストレージについての詳細を分かりやすいグラフで表⽰します。(他のソリューショ
ンの多くは詳細を CLI だけで表⽰します。)管理者は、使⽤済みまたは未使⽤のストレージ容量の他、ストレージ容量の節約とスループッ
トを簡単に把握することができます。システム全体およびハードウェアのステータス、アラート、そしてイベントは上部に表⽰され、ソフトウェア
のバージョン、コンテナおよびファイルの数、そしてストレージの節約率などのシステムの詳細は下部に表⽰されます。左側のナビゲーション
バーを使うとストレージとプロテクションの詳細へドリルダウンすることでそれらの管理と監視することができます。図 9 は、21 回のフルバック
アップが完了した後のダッシュボードです。
図9 DR4100のダッシュボード
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10 パフォーマンス
ESG ラボは次に、RDA 対応の DR4100/NetVault によるバックアップおよびレプリケーションのタスクのパフォーマンス テストを検査しました。
このテストでは、10GbE ネットワーク上で NetVault バックアップ サーバにより管理された 8 台の Dell PowerEdge R310 クライアントが使
⽤されました。クライアントは Intel Xeon 3440 プロセッサ、16GB の RAM、4x1TB SAS ドライブで構成され、OS は Windows 2008 か
RHEL 5.7 でした。
各クライアントには 128GB の⼀意のデータが保存されていました。最初のフルバックアップの後、全 8 台のクライアントのバックアップが並⾏
して⾏われました。これが完了すると、データの 10%が変更され、再度、全 8 台のクライアントのバックアップが⾏われました。重複排除が
⾏われた並⾏ストリームの総スループットは、3 種類のタスク、ソース側で重複排除を⾏うバックアップ、ターゲット側で重複排除を⾏うバッ
クアップ、そして DR4100 のターゲット間で最適化されたレプリケーションにおいて⽐較されました (図 10 参照)。
図10 総スループット パフォーマンス
数字が何を意味するか

10%のデータを変更したそれぞれ 128GB のデータのバックアップ ジョブを 8 つ同時に実⾏した場合、ターゲット側の重複排
除の総スループットは 3.9TB/時間でした。

10%のデータを変更したそれぞれ 128GB のデータのバックアップ ジョブを 8 つ同時に実⾏した場合、ソース側の重複排除
の総スループットは 7.5TB/時間でした。

最適化したレプリケーションで 8 つのジョブを同時に実⾏した場合、総スループットは 7.5TB/時間でした。

ソース側の重複排除の総スループットにはターゲット側の重複排除のそれと⽐べて、92%の改善が⾒られました。
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11 パフォーマンスを評価するもう 1 つの重要な測定基準はバックアップやレプリケーションの各ジョブが要する時間です。図 11 が⽰すように、
ターゲット側で重複排除を⾏うバックアップの平均作業時間は 15.75 分でした。その⼀⽅で、ソース側で重複排除を⾏うバックアップと最
適化したレプリケーションの平均作業時間は 8.19 分でした。
図11 平均作業時間
数字が何を意味するか

ターゲット側で重複排除を⾏うバックアップの総スループットは 3.9TB/時間(65GB/分)で、平均作業時間は 15.75 分でし
た。

ソース側で重複排除を⾏うバックアップの総スループットは 7.5TB/時間(125GB/分)で、平均作業時間は 8.19 分でした。

最適化したレプリケーションの総スループットは 7.5TB/時間(125GB/分)で、平均作業時間は 8.19 分でした。
リストア
別のデータセットを使⽤して、リストア速度と時間をテストしました。30%の重複したデータを含む 8 つの 50GB ファイルが DR4100 から 8
台のクライアントへ同時にリストアされました。総スループットは 1.98TB/時間で、作業時間は 12.12 分と測定されました。
表 2 は、スループットと作業時間のテストの概要を⽰しています。
表2 8つの並⾏したジョブの作業時間
作業のタイプ
ターゲット側の
重複排除
ソース側の重複排除
最適化した
レプリケーション
リストア
データの詳細
合計
データ量
総スループット
平均作業時間
128GB、重複率 5〜10%
1,024GB
(1TB)
3.9TB/時間
15.75 分
128GB、重複率 5〜10%
1,024GB
(1TB)
7.5TB/時間
8.19 分
128GB、重複率 5〜10%
1,024GB
(1TB)
7.5TB/時間
8.19 分
50GB、重複率 30%
400GB
1.98TB/時間
12.12 分
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12 これがなぜ重要なのか
ESG の調査によると、組織にとってデータ保護のプロセスやテクノロジーに関する課題のトップ 3 はコスト、バックアップ時間の削減、保
護すべきデータの容量に遅れをとらないことの 3 つであることを⽰しています 2。これらの課題は運⽤、そして経済性の両⽅に関係する
ものです。バックアップは容量が増加するとより多くの時間が必要になり、バックアップ ウインドウ内に完了しなくなる可能性があります。
さらに、ストレージ容量、帯域幅、床⾯積、エネルギーなどのデータセンターのリソースをより多く費やすことになります。データの重複排
除と圧縮は⼤幅な節約とデータ保護の効率の向上を可能にし、組織は、データをオンラインに使⽤可能な状態でより⻑期間保存
することができるようになります。
同様に、簡単で効率的なレプリケーションは、CPU やメモリにバックアップ イメージのコピーを処理させる必要をなくし、最⼩の帯域幅
での⾼速データ転送を可能にすることで、メディア サーバへの要求を削減します。これによって、⼩規模もしくは中規模の組織はディ
ザスタ リカバリを実現しやすくなります。また、テープの整理統合を可能にすることでテープ処理を⾏っていたリモートサイトとその作業を
担当していたスタッフの負担を軽減するのと同時にテープ ライブラリと媒体のコストを削減し、復旧時間を短縮します。
ESG ラボは、DR4100/NetVault ソリューション上で RDA 対応のソース側の重複排除と圧縮機能を使⽤した 21 回のフルバックアッ
プで 91%の容量削減を確認しました。ESG ラボはさらに、128GB のデータセットを使⽤して、重複排除を⾏う 8 つの並⾏したバック
アップとレプリケーション ストリームの総スループットが 7.5TB/時間で、平均作業時間が 8.19 分であることを確認しました。50GB の
データセットを使⽤して、重複排除を⾏う 8 つの並⾏したリカバリを⾏った場合は 1.98TB/時間で、平均作業時間は 12.12 分であ
ることを確認しました。
2
出典:ESG Research Report, Trends in Data Protection Modernization, August 2012(ESG 調査レポート「データ保護 近代化の傾向」、2012 年 8 ⽉)
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13 より⼤きな真実
データ保護は IT の最も重要な役割のひとつです。IT 部⾨が他にどんな作業を⾏っていたとしても、⽇常的な事故や深刻な災害が起き
たことに気付いた瞬間に組織の情報を復旧する準備ができていなければいけません。⻑年に渡り、最も良いバックアップの⼿段とされてい
たのは、ディスクと⽐較してコストが低いテープでした。しかし、近年において、組織はテープのコストが、時間、運⽤に必要な労⼒、そして
リスクの⾯でビジネスにとってより⾼いものであることを理解し始めました。テープによるバックアップは複雑で、エラーが発⽣しやすく、媒体の
管理や輸送を必要とする⼿作業を中⼼としたプロセスであり、リカバリの際に信頼性が低くなる場合があります。テープの本当のコストが
明らかになるのは、機能停⽌が起きた後に何週間にも渡りデータのリカバリができなくなった時です。
管理が簡単で、データを容易に、素早く利⽤できるディスクへのバックアップは、ディスクの価格が下がるにつれて⼈気を得てきました。しか
し、ディスクとエネルギーのコストは、特に⼩規模エンタープライズにとって、いまだに⼼配の種です。データの重複排除と圧縮技術は、必要
とされるストレージ容量を⼤幅に削減することで、選択肢としてのディスクへのバックアップに現実性をもたらします。コンプライアンスへの取り
組みによって要求されるデータ保存期間が⻑くなっても、このような技術は、⼿頃な価格で、保護されたデータをより⻑期間、アクセス可
能な状態にしておくことを可能にします。重複排除率はそれぞれのお客様の環境によって変動しますが(主にデータのタイプ、増加率、変
更率、そしてワークフローに決定されます)、容量削減技術が資本と運⽤コストの削減をもたらすことに間違いはありません。
ESG ラボは、Dell DR4100/NetVault ソリューションが、⾼速で効率的なバックアップとリカバリを可能にすることを確認しました。管理が簡
単で、確⽴されたバックアップ ワークフローへ簡単に統合できます。また、⾃動的で容量効率の⾼いレプリケーションをバックアップ後のワー
クフローに追加するオプションがあるため、組織は最⼩限の費⽤でディザスタ リカバリを実現できます。ESG のテストは、ソース側とターゲッ
ト側両⽅での重複排除と圧縮の速度と効率性を確認し、21 回の完全バックアップにおける 91%の容量削減を確認しています。パ
フォーマンス テストでは、ソース側の重複排除がバックアップとレプリケーションのパフォーマンスを著しく向上させることを確認し(ESG のテス
トでは 92%の改善を記録しています)、帯域幅の節約が重要課題で、処理のオーバーヘッドがバックアップ サーバに与える影響が少ない
場合は有益であることを確認しました。IT 管理者はクライアント毎の場合でさえも、⾃らの⽬標の実現させるために最適な重複排除の
⼿段を選択することができます。
デルはこの市場への参⼊が遅れ、当初は OEM のソリューションの再販に依存していました。ESG は、デルが DR4100 アプライアンスの基
盤にするために Ocarina の業界屈指の技術と、NetVault バックアップの為に Quest の技術を取得することを決めた賢明な決断を称賛
します。デルは今まで、複数のベンダーから優れたソリューションを取得し、それを⾃社のポートフォリオに統合することで⾼い成果を収めて
きました。たとえば、EqualLogic と Compellent のストレージ ソリューションは、同社の売上に対し⼤いに貢献し続けていますが、ESG は
DR4100 と NetVault が同じようにデルの製品ラインにおいて重要な役割を果たすことを予想しています。
Dell DR4100/NetVault ソリューションは、組織に、⾼速で効率的なバックアップとリカバリとともに、実装しやすいディザスタ リカバリを提供
します。テープによるバックアップへの依存度を減らし、データをより⻑くアクセス可能な状態にしておくことに役⽴ちます。ESG は、ビジネスの
課題に正⾯から対処するために、効率的で信頼性の⾼いデータ保護サービスを確実なものにするイノベーションを⽣かせる
DR4100/NetVault ソリューションが、デルのデータ保護ソリューションのポートフォリオにぴったりの製品になると考えています。
すべての商標は各社に帰属します。本書に記載している情報は、The Enterprise Strategy Group, Inc.が信頼できると判断した情報源から⼊⼿したものですが、ESGが保証するものではありません。本書にはESGの所⾒が記
載されることがありますが、これらは変更される場合があります。本書の著作権は、The Enterprise Strategy Group, Inc.にあります。The Enterprise Strategy Group, lnc.の明⽰的な同意がない限り、本書の全体または⼀
部に関わらず、ハードコピー形式や電⼦的⽅法などの⽅法によって、受け取ることを承認されていない者のための複製や転載は⽶国著作権法の侵害であり、損害賠償の⺠事訴訟、および、該当する場合、刑事訴追の対象にな
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