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JICA中国事務所ニュース 2012年8月号PDF版

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JICA中国事務所ニュース 2012年8月号PDF版
JICA中国事務所ニュース
☆ 中国事務所ウェブサイト
☆ ボランティア活動
☆ サーチナJICAページ
http://www.jica.go.jp/china/office/index.html
http://j.people.com.cn/99005/index.html
http://searchina.ne.jp/jica
2012年8月号
目次
■ トピックス
◎ 日中少年野球交流
…2
■ ニュース
◎ 都市防災計画に関するワークショップを南京で開催
…3
◎ 中国下水道講演会を東京で開催
…3
◎ 家庭からの生ごみの再利用に向けた分別回収調査をスタート
…4
◎ 「陝西省・河南省日中林業協力研修」と
「黄土高原日中林業協力セミナー」を開催
…4
◎ 「独禁法立法及び執行プロジェクト」第1回セミナーを開催
…5
◎ 「行政訴訟法・行政関連法」第1回訪日研修を実施
…5
◎ 日中環境教育セミナーの開催
…6
◎ 青年海外協力隊員による日中国交正常化40周年記念イベント …6
■ 寄稿
…7
JICAの乳製品加工研修に参加して
(新疆ウイグル自治区牧畜科学院牧畜科学研究所 王鉄男さん)
■ CHINA COOL
…8
個性的なトイレ
■ 帰任者紹介
…8
■ 9月の予定
…8
独立行政法人国際協力機構
中華人民共和国事務所
北京市朝陽区東三環北路5号 北京発展大厦400号室
郵便番号:100004
電話:+86‐10‐6590‐9250、FAX:+86‐10‐6590‐9260
***ニュースレターに関するお問い合わせは、こちらまで***
編集担当: [email protected]
皆様からのご感想やコメントをお待ちしております。
トピックス
⽇中少年野球交流
JICAボランティアによる草の根交流
◇JICAボランティア事業
JICAのボランティア事業をご存知でしょうか。「開発途上国の経済・社会の発展、復
興への寄与」、「友好親善・相互理解の深化」などを⽬的に実施しているもので、国際
協⼒の志を持つボランティアが、現地の⼈々と共に⽣活し、異なる⽂化・習慣に溶け込
み、相互理解を深めながら、彼らの⾃助努⼒を促進させる形で、その国が抱える課題
の解決に草の根レベルで貢献するという、⼈と⼈とのつながりを中⼼にした事業です。
1965年に5名がラオスへ派遣されて以降、現在までに累計で約41,000⼈が派遣さ
れ、現在も約80ヶ国で約3,000⼈が活動中です。中国では、1986年に4名が派遣
されたのを⽪切りに、これまでに約800⼈が派遣され、現在も37⼈が中国各地で現地
の⼈々と共に汗を流しています。
◇⽇中少年野球交流
7⽉下旬、河北省⽯家庄市において、「⽇中少年野球交流」が⽇中国交正常化
40周年記念事業として開催されました。河北師範⼤学付属⼩学校のチームと、福岡
県能古島のチームが、野球を通じた交流を⾏いました。
河北省でJICAボランティアとして活動する豊岡孝章隊員は、河北師範⼤学⼩学校
の野球チームを指導しています。昨年夏、豊岡隊員は、その⼦ども達を連れて、約1週
間の福岡遠征を⾏いました。豊岡隊員が指導する⼦どもたちは、⽇々野球を楽しみな
がら、少しでも上⼿にプレーできるようにと⼀⽣懸命練習に取り組んでいますが、近隣に
他の野球チームがないため 、練習試合をすることが難しい環境にあります。この遠征
は、そんな⼦どもたちに、思う存分に野球をし、また⽇本の野球少年たちと交流してもら
いたいという豊岡隊員の思いから企画され、⽇本側関係者はもちろん、河北師範⼤学
⼩学校の先⽣⽅や保護者等の多くの協⼒を得て実現したものでした。 地元福岡の少
年野球チームとの試合や合同練習、プロ野球観戦、元プロ野球選⼿による野球指導
練習後の挨拶。礼儀も⼤切にしています。 教室など盛りだくさんの内容は、⼦どもたちにとって、忘れられない思い出、この上なく良
い経験となりました。
■中国事務所ボランティアページ
(中⽂)
http://www.jica.go.jp/china/c
hinese/office/activities/volunte
er/index.html
■⼈⺠網(⽇⽂)
http://j.people.com.cn/99005/
index.html
■報道記事
http://jp.takungpao.com/lastin
fo/2012-08-07/1114535.html
(⼤公網)
この時に合同練習をしたチームの⼀つが、今回⽯家庄へ遠征に来た能古島のチーム
でした。メンバーは4⼈、試合をするのに必要な9⼈にも満たないチームですが、野球が
⼤好きだという点は河北師範⼤学⼩学校の⼦どもたちと同じです。約⼀年ぶりの再会
に、最初は硬い表情だった⼦どもたちも、徐々に打ち解け、冗談を交わすようになるほど
雰囲気がよくなりました。⼤⼈や⾼校⽣のチームを相⼿にした試合では、河北省と能古
島の合同チームが2戦2勝し、抜群のチームワークを⾒せてくれました。豊岡隊員も、⼦
どもたちの⾼い順応性に驚かされたと⾔います。
豊岡隊員は、「⽇中の⼦どもたちが、野球というスポーツを通じ、このような交流の機
会を持てたことをとても嬉しく思う。こういった草の根の交流こそが、より良い⽇中関係を
築いていく基礎になっていくのではないかと思う。今後、このような交流がより多く⾏われ
ることを期待している」と話してくれました。これからも両チームは交流を続けていきます。
チームには新しい⼦どもたちも加わり、より多くの⼦どもたちが野球を通して交流していくこ
とでしょう。豊岡隊員は、約2年間の任期を終えて帰国しますが、彼が育てた⽇中友好
の芽はこれから⼤きくなっていきます。
(⻲⽥春雄)
2
ニュース
都市防災計画に関するワークショップを南京で開催
7⽉16〜17⽇、江蘇省南京市で、都市総合防災計画と典型都市防災設計に関
するワークショップを開催しました。これはJICAが中国建築設計研究院、建築標準設
計研究院とともに実施している「耐震建築⼈材育成プロジェクト」の⼀環として実施した
もので、本プロジェクトの関係者のほか、中国側からは、都市防災計画に関係する学識
経験者や⾏政担当者等が19名参加し、⽇本側からは、⽇本⼤使館の関係者や東
京⼤学の⼩出治教授と加藤孝明准教授が参加しました。
本プロジェクトは耐震建築技術普及のための体制作りを⽬的とし、構造技術者及び
政府関係者の⼈材育成に取り組んでいますが、今回のワークショップでは、⽇中双⽅か
ら都市防災計画(まちづくり防災計画)及び避難地の現状と基準について報告が⾏
われたほか、延焼遮断帯の効果、歴史的市街地の防災対策、CBD(中⼼業務地
区)での防災対策、防災公園の維持管理、計画の実現担保性等をテーマに意⾒交
換を⾏いました。また、中国の災害時避難所の実例として、2010年に災害時避難所
としての機能を追加・整備した南京市の国防園を視察しました。
災害時にはトイレに転⽤されるベンチ
(南京市国防園)
今回のワークショップを通じ、⽇中の「避難」に関する考え⽅の相違や、中国における
防災計画策定に関する課題が浮き彫りになりました。この成果が、今後の国内研修へ
反映され、より広い関係者の資質向上に繋がることが期待されます。
(⾼島亜紗)
■耐震建築⼈材育成プロジェクト
http://www.jica.go.jp/china/acti
vities/project/24.html
中国下⽔道講演会を東京で開催
JICAは、7⽉18⽇〜8⽉3⽇、「汚⽔処理場のグレードアップ改造と運営改善プロ
ジェクト」の活動として、中国建設部をはじめ、国家都市給⽔排⽔⼯程技術センター、
北京排⽔集団、昆明デン池投資有限責任公司等、汚⽔処理整備に携わる関係者
20名を対象に、下⽔⾼度処理、汚泥処理、省エネを主要テーマとした訪⽇研修を実
施しました。
本研修の⼀環で8⽉1⽇に東京で開催した講演会には、⽇本側から国⼟交通省、
下⽔道技術推進機構、⽇本下⽔道協会、京都⼤学や、地⽅⾃治体、各企業から
約30名が参加し、中国側の研修参加者と交流しました。
講演会では、中国における現在の汚⽔処理政策や技術的課題に対して、⽇本の下
⽔道技術がどのように貢献できるのか率直な情報交換や討論を⾏いました。北京市市
■汚⽔処理場のグレードアップ改造と 政⼯程設計研究総院の杭世珺顧問は講演の中で、第12次5ヶ年計画期間中の⽅
運営改善プロジェクト
針として、①汚⽔処理場と管網の整備を同時に推進して⾏くこと、②汚泥処理と汚⽔
http://www.jica.go.jp/china/acti 処理の双⽅を重視すること、 ③⽔の再⽣利⽤を促進することを強調しました。JICAは
vities/project/05.html
このような情報交換の機会を通じて、汚⽔処理分野における⽇中協⼒の推進を図ると
ともに、⽇本企業の中国におけるビジネス展開を後押ししていきます。
(⻩涛)
3
家庭からの⽣ごみの再利⽤に向けた分別回収調査をスタート
都市廃棄物循環利⽤推進プロジェクト
7⽉31⽇、JICAは、⻘海省⻄寧市において、家庭からの⽣ごみの再利⽤に向けた
分別回収調査の起動式を⾏いました。起動式には、⽇中双⽅の関係者や住⺠が
100名以上参加し、家庭ゴミの排出デモンストレーション、住⺠代表による調査参加へ
の決意表明等が⾏なわれました。
家庭ごみの排出デモンストレーション
■都市廃棄物循環利⽤推進プロジェ
クト
http://www.jica.go.jp/china/act
ivities/project/30.html
今回の調査は、JICAが国家発展改⾰委員会と実施している「都市廃棄物循環利
⽤推進プロジェクト」の⼀環として実施するものです。本プロジェクトでは、都市廃棄物の
循環利⽤に関する国家レベルの政策研究、地⽅4都市における循環利⽤体系の策定
や、パイロット事業の実施等に取り組んでいます。
⻄寧市では、現段階では家庭からの⽣ごみを埋め⽴て処分しており、再資源化は⾏
われていません。今回の調査では、対象となるコミュニティー(社区)の約300世帯に、
6⽉間にわたって分別回収実験に参加してもらい、家庭からの⽣ごみの分別回収システ
ムの検討や回収された⽣ごみの成分評価を⾏う予定です。この調査結果は⽣ごみの
飼料化⼯場における利⽤の検討や、今後同市が建設を予定されているメタン発酵循
環利⽤施設の設計に活⽤されます。この分別回収実験を通じて、対象住⺠に、⽇本
の分別回収の事例や経験を共有することで廃棄物の循環利⽤に対する住⺠の意識
向上を期待しています。
(⾼島亜紗)
「陝⻄省・河南省⽇中林業協⼒研修」と
「⻩⼟⾼原⽇中林業協⼒セミナー」を開催
陝⻄省研修会
河南省研修会場外におけるパネル展⽰
JICAは、7⽉12⽇、13⽇と16⽇に、「⻩⼟⾼原林業新技術推進普及プロジェクト」
の⼀環で、それぞれ陝⻄省⻄安市、河南省鄭州市、内蒙古⾃治区フフホト市におい
て、陝⻄省・河南省⽇中林業協⼒研修と⻩⼟⾼原⽇中林業協⼒セミナーを実施しま
した。いずれも⽇中国交正常化40周年記念⾏事として⾏われ、陝⻄省、河南省及び
⻩⼟⾼原各省・⾃治区の林業関係者に対して、⻩⼟⾼原におけるこれまでの⽇中林
業協⼒の成果が紹介されました。
「⻩⼟⾼原林業新技術推進普及プロジェクト」は、⻩⼟⾼原におけるこれまでの⽇中
の林業協⼒の成果を基に、⻩⼟⾼原各地に適した林業技術・管理⽅法を整理・改
善・普及することを⽬的に、5年間のプロジェクトとして、2010年度に開始しました。⻩
⼟⾼原の各省・⾃治区間の交流会や各省・⾃治区における研修会を通じて、⻩⼟⾼
原における植林地の保育管理体制の強化を⽬指し、将来的には⻩⼟⾼原の⽣態環
境の回復に寄与します。今年度は陝⻄・河南省の研修と内蒙古⾃治区でのセミナーに
続き、⽢粛、寧夏、⻘海と内蒙古でも研修やセミナーを実施予定です。
■⻩⼟⾼原林業新技術推進普及プロ
(⾜⽴佳菜⼦)
ジェクト
http://www.jica.go.jp/china/acti
vities/project/32.html
4
「独禁法⽴法及び執⾏プロジェクト」第1回セミナーを開催
〜⽇本の独禁法の発展過程に学ぶ〜
7⽉18⽇、JICAと商務部は、北京で、「独禁法⽴法及び執⾏プロジェクト」の最初の
セミナーを開催しました。
中国は経済発展⽅式の転換期を迎えており、市場の公平な競争の促進のため、
2008年に制定した独禁法の公正かつ透明な執⾏の強化に対する期待が⾼まっていま
す。特に、独禁法の執⾏を所管する商務部、発展改⾰委員会、⼯商⾏政管理総局
の能⼒の強化と、産業政策を担当する部⾨の独禁法・競争政策に対する理解の促進
が求められています。
こうした背景の下、今回のセミナーは、「経済発展過程における⽇本の独禁法・競争
政策の役割と経験」をテーマとして開催され、公正取引委員会の杉⼭幸成国際課⻑
が現在の⽇本の競争政策の概要を、慶応義塾⼤学の⽯岡克俊准教授が独禁法・競
争政策の歴史的経緯を説明しました。⽇本では、戦後の財閥解体とともに独禁法が
導⼊されたものの、⾼度成⻑時代は競争政策よりも産業政策が重視される時期が続
きました。しかし70年代の経済構造転換期に、市場の競争秩序や消費者の保護の観
点から、競争政策や独禁法執⾏が強化され、現在に⾄っています。このような⽇本の
独禁法・競争政策の発展の過程は、構造転換期にある現在の中国においても参考に
なる点が少なくありません。今回のセミナーには、独禁法執⾏部⾨だけでなく、産業政策
担当部⾨の関係者も参加し、両講師の説明を熱⼼に聞いていました。
本プロジェクトでは、本年8⽉に商務部独禁局⻑を団⻑とする15名のハイレベル訪⽇
団を派遣するとともに、⽇本の独禁法・競争政策の発展過程に関するテーマ研究を⾏
います。本プロジェクトを通じて中国の関係者に⽇本の独禁法の発展過程の理解を深
める機会を提供し、中国での競争政策の発展に寄与しています。
(張苑/⽵原成悦)
「⾏政訴訟法・⾏政関連法」第1回訪⽇研修を実施
〜23年ぶりの⾏政訴訟法改正に向けて〜
「依法治国(法に依って国を治める)」をスローガンに法治国家建設を⽬標として掲
げている中国では、訴訟制度の基本的ルールを定める刑事訴訟法や⺠事訴訟法の改
■⾏政訴訟法及び⾏政関連法
正と並⾏して、⾏政訴訟法の改正準備作業が進んでいます。JICAは、法務省法務総
http://gwweb.jica.go.jp/km/Proj
合研究所と連携し、全⼈代法制⼯作委員会⾏政法室に対し、23年ぶりの⾏政訴訟
ectView.nsf/4f3700b697729bb6
法改正に向けた協⼒を開始しました(「⾏政訴訟法及び⾏政関連法」プロジェクト)。
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nDocument
本プロジェクトでは、7⽉10〜18⽇、第1回⽬となる訪⽇研修を東京及び⼤阪にお
いて実施しました。中国側の問題意識に応じて、村上敬⼀元同志社⼤学教授(弁
護⼠)、市橋克哉名古屋⼤学教授,本多滝夫⿓⾕⼤学教授等の講師陣が、⽇
本の⾏政事件訴訟法の改正経緯や重要な判例を紹介するとともに、出⼊国管理法、
国税不服審査など⾏政関連法に関連する知⾒を提供しました。この他、⼤阪地⽅裁
判所⾏政部や⼤阪⼊国管理局など、法律運⽤の現場も視察しました。
かつて⽇本の⾏政事件訴訟法は、訴訟の主な対象を「⾏政処分の取消し」としてい
ましたが、2004年の改正によって、救済範囲が拡⼤し、審理の充実・促進を図り、⾏
政訴訟をより利⽤しやすく分かりやすくするための制度や仮の救済制度が整備されまし
た。今回の研修では、安定的な⾏政運営と国⺠の権利保護の双⽅を視野に⼊れ、ど
のような制度が望ましいのか、⽇中両国の関係者がともに考えを深める機会となりまし
た。
(⽵原成悦/⽩出専⾨家)
5
⽇中環境教育セミナーの開催
7⽉17〜20⽇、ハルビン市において、「循環型経済推進プロジェクト」の活動の⼀環
で、国⺠の環境意識向上に向けた環境教育セミナー(環境情報プラザ教育プログラム
設計・運営管理セミナー)を開催しました。中国の全国に設置されている環境教育拠
点の関係者を対象に、⽇本と台湾から招いた専⾨家が、教育プログラムの設計・運営
管理の経験を紹介しました。また中国側からも野外環境教育プログラム等各種活動事
例が紹介されたほか、最終⽇にはハルビン市環境教育施設を視察しました。
ミニカーを使ったゲーム形式のプログラム
を体験
■循環型経済推進プロジェクト
http://www.jica.go.jp/china/ac
tivities/project/03.html
今回のセミナーで、「京エコロジーセンター」の岩松洋専⾨家は、⾵⼒で簡単に充電で
きるモーターを使ったミニカーで⾛⾏距離を競うゲームを⾏うなど、参加型の活動事例を
紹介しました。参加者は、実際にゲーム形式の活動を体験して、⼤いに盛り上がり、労
⼒をかけた割にはミニカーの⾛⾏距離が短いことに驚くなど、普段何気なく利⽤している
電気の貴重さを実感すると同時に、このような⽅法を通じて、節電意識の向上に結びつ
けて⾏くことに関⼼を⽰しました。参加型活動を企画・実施するコツやノウハウ等について
も活発な意⾒交換が⾏われ、参加型環境教育の有効性を確認する有意義なセミナー
となりました。
(宿因)
⻘年海外協⼒隊員による
⽇中国交正常化40周年記念イベント
茶道について紹介する吉⽥隊員
吉⽥吏沙隊員(平成23年度2次隊 ⽇本語教師)が活動する遼東学院(遼寧
省丹東市の総合⼤学)において、学⽣たちが様々な⽇本⽂化に触れながら⽇本に対
する理解を深めていくことを⽬的とした「⽇本⽂化体験活動週間」(7⽉9〜7⽉20
⽇)が設けられ、吉⽥隊員を中⼼に様々な催しが⾏われました。期間中、吉⽥隊員
は、同僚の中国⼈⽇本語教師と協⼒しながら、1年⽣、2年⽣の学⽣に対して、浴
⾐の着付け、茶道、⽇本料理、踊り等、⽇本の伝統的⽂化の紹介をしたほか、映画
鑑賞やパソコン⽇本語⼊⼒、⽇本⾵のメイクアップ(化粧)の仕⽅等、特に中国⼈の
若者の⼼を惹きつけるような内容も盛り込みながら、幅広い⽇本⽂化を体験してもらい
ました。この⽂化体験活動週間の最終⽇には、集⼤成として、学⽣たちがこの期間に
学んだ⽇本⽂化の発表会を⾏い、多くの学⽣が主体的に⽇本⽂化に直接触れる良い
機会となりました。
(⽮野史俊)
6
寄稿
JICAの乳製品加⼯研修に参加して
新疆ウイグル⾃治区牧畜科学院牧畜科学研究所 王鉄男
⽇中政府間の技術協⼒事業「新疆天然草地⽣態保護と牧畜⺠定住プロジェ
クト」の活動の⼀環で、北海道において研修を受けました。本プロジェクトでは、その
活動の⼀つとして、新疆ウィグル⾃治区富蘊県に⼩規模なチーズ加⼯場を建設し
ていますが、この⼯場の管理運営に必要な経験を積むことを⽬的に、乳製品加⼯
や販売⼿段に関する⽇本の経験や先進的技術について学びました。JICA北海道
とJICA中国事務所の協⼒により、私たちは研修⽬標を滞りなく達成しました。
北京から東京へ⾶⾏機で三時間半、そこからまた⼆時間の⾶⾏を経て帯広へ。
私の⽇本での初めての研修はこうしてスタートしました。⼼温まる快適な研修セン
ター、配慮の⾏き届いた親切な職員の⽅々のおかげで、私に怠け⼼が芽⽣えること
はありませんでした。 JICAの⼿配で講師として招かれた宮嶋望先⽣は、北海道
地域で名声が⾼く、私は先⽣の背景にある幅広い知識や、チーズ⽣産に関する
30年の経験、そして伝統的な加⼯プロセスに対するあくなき探究⼼に、深い感銘
を受けました。
■新疆天然草地⽣態保護と牧畜⺠定住プ
ロジェクト
http://www.jica.go.jp/project/china
/0602104/index.html
研修⼀週⽬は、緊張と充実したムードの中で講義を受けました。乳製品加⼯
分野に関するプロセスや技術に関する経緯や発展を全体的に理解するとともに、
天然チーズ製造技術の発展の変遷や、基礎原理、製造プロセス、安全管理や販
売サービスについて、より詳しい知識を得ることができました。講義を通じて学習した
内容が、新疆ウイグル⾃治区での実情が結びつくことによって、私たちがプロジェクト
を完成させる⾃信は、より確かなものになりました。
北緯43度と南緯43度は「発酵ライン」と呼ばれ、世界的に有名なワインや、多くのチーズの⽣産地はここに点在していま
す。例えばフランスのボルドーワイン、イギリスのブルーチーズ、もちろん⽇本の納⾖もその例に漏れません。本プロジェクトのモデ
ルサイトも同じく北緯43度付近に位置しています。モデルサイトであるドゥルー郷チャプラピンタイ村では、ブラウンスイス種を繁
殖しています。この種の⽜は、乳たんぱく質と脂肪球が優れており、ホルスタイン種以上にチーズの⽣産に適しています。また、
この⼟地の牧草の質は年々向上しているほか、天然の雪解け⽔や地下⽔は汚染がない上、カルシウム含有量が⾼く、良質
な原料乳の⽣産に適しています。このように、私達が建設するチーズ加⼯場は天候や地理条件に恵まれており、このことが、
知らず知らずのうちに、この研修における私の学習意欲の原動⼒となっていました。
研修カリキュラムの⼀環で、⼗勝野フロマージュチーズ⼯房や明治乳業⼗勝チーズ館、チーズ⼯房NEEDSを⾒学したこと
で、チーズ加⼯企業や⼯房に対する認識が⾼まり、プロジェクトの中で建設するチーズ加⼯場の配置や経営管理に対する考
え⽅がより具体的になりました。
22⽇間にわたる⼯場実習では、共働学舎新得農場のメンバーと寝⾷を共にしました。チーズ⼯房において、⽣産規定や
清浄化、検査、操作⽅法等の技術について⾝をもって体験しました。またチーズ品評会では、産地や品質、スタイルの異なる
⼗数種のチーズの試⾷と評価を⾏うことにより視野が広がり、この体験を通じて、新疆の⼯場で作る製品のスタイルや販売戦
略に関する計画を⼀つずつ⾒直しました。
今回の研修がこのようにスムーズに進んだことについて、JICA北海道の宮腰雅年さんと本研修の研修監理員である申延春
さんに感謝せずにはいられません。お⼆⼈の余念のないプロフェッショナルな仕事ぶりのおかげで、私は環境の変化や⾔葉の問
題を忘れてしまうほどで、その厳しい勤務姿勢には尊敬の念を抱きました。ぜひ皆さんを新疆へお招きし、美酒とブドウで歓待
させていただきたいと⼼から願っています。
7
個性的なトイレ
中国のトイレと⾔えば、仕切りのないニーハオトイレを連想する⼈もいるかも知れませんが、近年、
北京を含む都市部のオフィスやショッピングモールを中⼼に、快適な⽔洗トイレが整備されていま
す。メーカーも様々で、TOTO社製やINAX社製のほか、アメリカのKohler社製、スペインのRoca
社製のものなど、⽇本ではあまり⾒かけないような個性的なトイレもあり、トイレ好き(?)には興
味深いものがあります。
そんな個性的なトイレの⼀つとして、当事務所の近くのショッピングモールに設置されているトイレ
をご紹介します。何とこのトイレは、トイレスペースに⾜を踏み⼊れることなく、中の各個室の空き状
況が確認できるようになっているのです!この写真、⼀⾒エレベーターのように⾒えますが、トイレス
ペースの外側を撮影したものです。「空位3」とありますが、これは個室が3つ空いていることを⽰して
います。お昼時など、混雑する時間帯も、満室であることを外から確認出来るため、早い段階で
「他のフロアへ移動しよう」と決断でき、特に“緊急時”には⼤いに助かります。
中国は急速な経済発展に伴って、ハードの近代化が進んでいますが、こうしたソフト
⾯の進化も著しいものがあります。トイレも、ただ⽤を⾜すだけの「厠所」から、それ以
上のものになりつつあると⾔えるでしょう。 (那須毅寛)
帰任者紹介
⻘年海外協⼒隊
豊岡孝章
野球
河北省⽯家庄
河北師範⼤学付属⼩学
2010年6⽉〜2012年8⽉
9⽉の予定
2012年は、⽇中国交正常化40周年!
9⽉1〜2⽇
スーパー夏祭り in 北京 2012 へのブース出展 (北京市)
9⽉1〜3⽇
「都市廃棄物循環利⽤推進プロジェクト」政策検討会等(北京市)
9⽉4⽇
⽇中観光開発促進交流シンポジウム(四川省成都市)
9⽉7⽇
中国⺠訴法国際評定会(北京市)
9⽉13〜14⽇
太原理⼯⼤学でのODA写真展(⼭⻄省太原市)
9⽉17⽇〜19⽇
第2回気候変動市⺠参加セミナー(河南省鄭州市)
9⽉20〜21⽇
集体林権制度改⾰セミナー(北京市)
9⽉20〜22⽇
グリーンエキスポ2012 へのブース出展(上海市)
9⽉20〜22⽇
四川⼤地震復興⽀援 こころのケア⼈材育成プロジェクト第7回現地セミナー(⽢粛省蘭州市)
9⽉20〜22⽇
第7回リハビリテーション北京国際フォーラム(北京市)
9⽉26⽇
科学技術部との40周年記念イベント
8
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