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労働力の送出・受入れについて
台湾(調査大項目 5:労働力の送出・受入れについて) 作成年月日:2009 年 12 月 27 日 5.1 関係法令及び制度の概要 台湾が受け入れる外国人は、大きく 2 つのカテゴリーに分類することができる。その 1 つは専門職及び技術者、熟練労働者である。それは雇用サービス法第 46 条第 1 項の 1~7 で規定されているグループである。もう 1 つは非熟練労働者、又は非熟練労働者と呼ばれ、 同法第 46 条第 1 項の 8~11 で規定されているグループである。多くの国々と同様、台湾 はグローバル化する世界において競争力を強化したいと願っている。非熟練労働者の受け 入れについては、議論の余地の多い問題である。しかしながら、台湾は、1989 年 10 月か ら非熟練外国人労働者に対して職業市場の門戸を開いた。そして、特別に明示のない限り、 外国人労働者の問題と範囲は、多くの場合と多くの報告において、狭い意味で非熟練外国 人労働者を指すものであるということに注意すべきである。とりわけ雇用サービス法は、 台湾での就業を希望する外国人のための関連法の核となっている。したがって、雇用サー ビス法が 1992 年に施行されたのは画期的な出来事であった。なお、海外で働く台湾人は 多数おり、特に中国大陸で働いている台湾人が多いが、労働力の送出に関する法やシステ ムはない。 外国人労働者に関する関連の法及び規制は以下のように分類される。 (1) 雇用の権利 (a) 雇用サービス法 (b) 雇用サービス法の実施規則 (c) 外国人労働者の就労許可と管理に関する規制 (d) 民間雇用サービス機関の認可と監督に関する規制 (e) 民間雇用サービス機関の登録料と料金徴収 (2) 労働条件 (a) 労働基準法 (b) 労働基準法の実施規則 (c) 労働者の休暇取得規則 (d) 雇用法における男女の平等 (3) 労働保険 (a) 労働保険法 (b) 労働保険法の実施規則 (c) 労働保険争議の解決に関する規則 (d) 勤務中の傷害、又は職業病に関する被保険者調査のガイドライン (e)レイオフされた被保険者の労働保険の継続と給付金に関する規則 (f) 労働保険において職業病保険を実施する対策 (g) 労働保険における職業病予防のための身体検査に関する規制 (h) 労働保険における職業病の一覧リスト (i) 労働保険における傷害給付金基準 (4) 労働争議 (a) 労働争議法による解決 (5) 職業安全と健康 (a) 労働安全及び健康法 1 台湾(調査大項目 5:労働力の送出・受入れについて) 作成年月日:2009 年 12 月 27 日 (1)雇用サービス法第 5 章概要 雇用サービス法の第 5 章には外国人労働者の雇用と管理に関わっている。第 5 章には第 42 条~第 62 条まで全部で 21 条がある。主な条項を以下に要約・説明する。 第 43 条 外国人は申請により許可証を得ない限り台湾で就労してはならない。 第 46 条 以下の 11 の職種で外国人の雇用が認められている。ただし、8~10 の仕事に従事する外 国人労働者を雇用する雇用主は、一定期間でのみ労働契約を結ぶものとする。 1) 専門的、又は技術的な仕事 2) 海外華僑又は外国人が投資、又は設立した企業の役員・管理職・部長 3) 以下の学校の教師 a) 公立、又は認可された私立単科大学/総合大学、又は特に外国人居住者のた めに設立された学校 b) 公立、又は認可された私立高校以下の学校で外国語のコースを教える教師 c) 公立、又は認可された私立高校の実験的なバイリンガル部門、又はバイリン ガルの学校でコースを教える教師 4) 補助教育法により補助教育として登録された短期コースのクラスで外国語コー スを担当する教師 5) スポーツのコーチ及び運動選手 6) 宗教、芸術、及びショービジネスに関する仕事 7) 商船、一般船舶、及び交通通信省が許可した特別船舶の乗組員 8) 海洋漁業・網漁 9) 家事手伝い 10) 国家主要建設プロジェクト、又は経済/社会開発の必要性に対応するために中 央管轄当局が指定した仕事 11) その他、中央管轄当局が認可した特別の仕事で、その仕事の専門家が国内の 雇用市場では得られず、ビジネスの必要性から専門家のサービスを必要とする 場合。 第 47 条 第 46 条の第 1 項の 8~11 で言及されている仕事に従事する外国人労働者の雇用に関して は、雇用主は、まず妥当な労働条件で国内雇用ができないか検討しなければならない 1 。国 内雇用では事業の必要性を満たすために十分な数の従業員を確保できないときに限り、雇 用主はその不足分を補う目的で外国人を雇用するための許可申請をすることができる。 第 48 条 雇用主は就業する外国人を雇う前に、関連の書類を付けて雇用許可証を取るために中央管 1 重要な労働条件の 1 つに月間賃金がある。そして非熟練労働者の妥当な賃金は 2,007 年 6 月 22 日制定 の基本賃金 17,280 新台湾ドルを下回ってはならない。そして熟練労働者のそれは 2005 年 11 月 14 日 発効の 47,971 新台湾ドル となっている。 2 台湾(調査大項目 5:労働力の送出・受入れについて) 作成年月日:2009 年 12 月 27 日 轄当局に申請しなければならない。しかしながら、以下の外国人は申請を免除される。 1) 政府、又はその付属機関である学問的調査機関のコンサルタント又は研究者と して雇われる外国人 2) 登録済みの永久居住権を持つ台湾人と結婚した外国人労働者で滞在を許可され ている者 3) 公立、又は認可された私立単科大学・総合大学で教育部(教育省)が認める講 義コース又は学問研究の分野で 6 カ月以内の期間で雇われる外国人 第 52 条 第 46 条第 1 項の 1~7 で言及されている仕事に外国人労働者が雇われるときは、許可証の 期間は 3 年を超えないものとする。許可期限が切れた場合には、雇用主は延長を申請する ことができる。第 46 条の 1 項の 8~10 で言及されている仕事に外国人労働者が雇われる ときは許可証の期限は 2 年を超えないものとする。許可期限が切れた場合には、雇用主は 一度だけ延長を申請することができる。その延長期間は 1 年を超えないものとする。ある 重大で特別な事情が起きた場合には、雇用主は更に延長を申請することができる。第 46 条の 1 項の 8~10 で言及されている仕事に就いている外国人の場合には、再入国はその者 がいったん出国した翌日からできるが、そのような仕事に就いている外国人の滞在合計期 間は 9 年を超えてはならない。 第 54 条 第 46 条の第 1 項の 8~11 で言及されている仕事に就いている外国人労働者の雇用 に関して、以下の事態が起きるか、存在した場合には、中央管轄当局は採用、雇用、 又は延長に関する許可証を発行することはできない。採用に関する許可証が既に発 行されている場合には、中央管轄当局は外国人の入国を停止することができる。な お、以下 3~15 で言及されている事態は申請日に先立つ 2 年以内に起きたか、存在 したものに限られる。中央管轄当局は本条第 1 章 3 項で言及されている人数、又は 割合を公表する。 1) 雇われた外国人労働者が仕事に従事するように指定された職場が法的なストラ イキ、又は労働ストライキになった場合 2) 国内採用のときに、公共雇用サービス機関が勧めた労働者、又は自由意志で応 募してきた者を雇うことを不当に拒否した場合 3) 居住場所が不明な外国人労働者、又は雇用主が意図的に隠している外国人労働 者の数が、中央管轄当局が指定する一定の数、又はパーセントに達した場合 4) 雇用主が、就業する外国人労働者を非合法に雇っていた場合 5) 雇用主が、台湾人労働者を非合法にレイオフ、又は解雇した場合 6) 地方管轄当局の調査により、外国人労働者の雇用が、台湾人労働者の雇用契約 における労働条件を悪化させていることが判明した場合 7) 雇用された外国人労働者が地域社会の公序良俗を乱し、かつ、社会秩序維持法 に従って判定、罰則を受けた場合 8) 雇用主が外国人労働者のパスポート/居住許可証を非合法に保留、又は外国人労 働者の所有物を横領した場合 9) 雇用主が、雇った外国人を台湾から出国させるのに必要な旅費、又は出国前に 3 台湾(調査大項目 5:労働力の送出・受入れについて) 作成年月日:2009 年 12 月 27 日 台湾に留めるために必要な経費を、指定された期間内に支払わなかった場合 10) 外国人労働者の採用を民間の雇用サービス機関に委託する際に、雇用主がその ような機関から不当な利益を要求したり、後で支払われることに同意したり、 受け取った場合 11) 雇用主が、外国人労働者の雇用申請に当たり、採用、紹介、管理に関する誤っ た情報、又は誤った事物を提出した場合 12) 雇用主が偽りの採用広告を出した場合 13) 雇用主の申請が必要条件に従ってなされず、雇用主が指定の期間内に必要な補 足、及び/あるいは訂正をしなかった場合 14) 雇用主が、現行法の条項、あるいは、第 48 条の第 2 項又は第 3 項により、あ るいは、第 49 条により公表されている規制について違反した場合 15) 上記以外で、雇用主が労働者保護の適用法、及び規制について重大な違反をし た場合 第 55 条 第 46 条第 1 項の 8~10 で言及されている仕事に就く外国人労働者を雇用する場合に、雇 用主は中央管轄当局が設立した雇用安定基金のための特定の口座宛に雇用安定料を支払う ものとする。その基金は台湾人の雇用の促進、労働福祉の向上、外国人労働者の雇用、及 び管理を目的とした活動などに利用される。雇用安定料金は表 5‐1 に示す通りである。 指定の期間内に雇用安定料金を支払わない雇用主に対しては、期間後 30 日の延長が認 められる。雇用主がこの猶予期間内にその料金を支払い終えない場合は、猶予期間の終了 日から完済日の前日まで、1 日につき、未払い料金の 1%が支払遅延の罰金として課され る。しかし、その罰金の総額は未払い雇用安定労金の全額を超えることはないものとする。 もし、第 55 条の 4 項に定められた遅延支払の罰金が課されてから 30 日後までに、雇用主 がその料金を完済しない場合には、中央管轄当局は、遅延支払の罰金で未払分だけでなく、 その時点で未払の料金を回収するために、法的な強制的な手続を取るものとし、更に雇用 許可証の全部又は一部を無効なものとする。 第 56 条 もし、雇用されている外国人労働者が正当な理由無く、会社を休み、連続で 3 日間連絡を しない場合、又は、外国人労働者の雇用が終了した場合には、雇用主は、地方管轄当局、 及び警察署に対し、このことがあってから 3 日以内に文書で通知しなければならない。 第 57 条によれば、外国人労働者の雇用に当たっては、雇用主は以下のことを行ってはな らない。 1) 許可証無しに、あるいは許可期限終了後に外国人労働者を雇うこと、また、同 時期に第三者に雇われる許可証を持った外国人労働者を雇うこと 2) 外国人労働者を雇用主の名前で雇いながら、実際には外国人労働者を第三者の ために働かせること 3) 雇った外国人労働者を許可証の範囲外の仕事に就かせること 4) 第 46 条 1 項の 8~10 にある職のために雇った外国人に対して、その仕事の場 所を変更するように許可なく命じること 5) 雇った外国人労働者の健康診断をするための手配をしないこと、又は適用法と 4 台湾(調査大項目 5:労働力の送出・受入れについて) 作成年月日:2009 年 12 月 27 日 規則に従って管轄の衛生当局に対して健康診断の結果を報告しないこと 6) 雇用主が外国人労働者を雇った結果、台湾人労働者を解雇、又はレイオフする こと 7) 外国人労働者に対して、彼らの自由意志に反した仕事に就くようにするために、 強制、脅迫、その他の非合法な手段を取ること 8) 外国人労働者のパスポート、居住許可証を非合法に差し抑えたり、又は外国人 労働者の所持品を横領したりすること 9) 上記以外に、現行法、又は現行法に従って公表されている規則に違反すること 表 5‐1 雇用サービス法第 46 条第 1 項の 8~10 に規制されている雇用安定料金改定 (2007 年 11 月 28 日施行) (単位:新台湾ドル) 月間料金(又は 1 日料金) 仕事の種類 1,900 (又は 63 /日) 台湾人に適用 5,000 ( 167 /日) 外国人に適用 10,000 ( 333 /日) 非ハイテク製造業 2,000 ( 67 /日) ハイテク製造業 2,400 ( 80 /日) 建設一般 1,900 ( 63 /日) 2,000 ( 67 /日) 3,000 ( 100 /日) 2,000 ( 67 /日) 600 ( 20 /日) 低・中所得層、高齢者に適用 1,200 ( 40 /日) 上記 2 種以外に適用 2,000 ( 67 /日) 漁業 家事サービス 製造業 2001 年 5 月 16 日 建設業 建設大手 より前のケース 2001 年 5 月 16 日 以降のケース 養老院・老人介護 低所得世帯に適用 家事の手伝い *出典:Council of Labor Affairs, The Amount of Employment Security Fees. (1996, November 28). http://laws.cla.gov.tw/Chi/DownLoad.asp?msgid=1339&FileId. (2)外国人労働者(非熟練労働者)受け入れに際する諸申請について (a)入国ビザの申請 外国人の入国ビザ申請を行う雇用主は、外国人の(台湾)到着前に労働送出国の中華民国 の代理事務所に以下の書類を提出しなければならない。 1) 行政院労工委員会(Council of Labor Affairs:CLA)発行の採用許可書 2) 中華民国の国家中央衛生当局により認証されている、労働送出国の病院発行の健康 診断書 3) 専門能力証明書 4) NBI 証明(フィリピン国の善良市民証明)、又は労働送出国政府発行の保証書 5 台湾(調査大項目 5:労働力の送出・受入れについて) 作成年月日:2009 年 12 月 27 日 5) 中華民国認定の外国人・人材紹介機関発行の雇用サービス料金の領収書 6) 雇用契約 7) 労働送出国所在の中華民国の代理事務所が必要とするその他の書類 (b)健康診断:(詳細は国家衛生局のウェブサイト参照) 1) 初回の健康診断 外国人の入国後 3 勤務日以内に(祝日と休業日は除く)雇用主は外国人が国家衛生 局指定の病院に行き、健康診断を受ける手配をしなければならない。入国後 15 日 以内に、外国人の就労許可証を申請するため、以下の書類を CLA に提出しなけれ ばならない。 ・ CLA 発行の採用許可書 ・ 採用外国人の名簿 ・ 入国後の健康診断の結果 2) 年に 2 回の健康診断 入国後 6 ヵ月後から、外国人が病院で年に 2 回の健康診断を受ける手配をしなけれ ばならない。健康診断を受けてから 15 日以内に、雇用主は、地元の衛生当局に以 下の書類を提出しなければならない。 ・ CLA 発行の採用許可書 ・ 入国後の必須健康診断の承認書 ・ 採用外国人の名簿 ・ 健康診断の結果 3) 再検査 もし、外国人労働者が初回、又は年に 2 回の健康診断で非感染性の病気(胃腸病) などの項目で条件を満足しない場合には、治療を受け、30 日以内に再検査しなけれ ばならない。しかしながら、外国人労働者の検査(梅毒、麻酔剤、覚せい剤)の結 果で、病院が再検査を必要とした場合には、雇用主は再検査結果が満足という結果 を受けてから 15 日後に CLA に採用許可書を申請しなければならない。 4) 健康診断結果不良による帰国 もし、外国人労働者が健康診断の条件を満たさない場合には、その雇用主は病院か ら結果を受けてから、又は CLA から採用許可書の取消し通知書を受けてから、14 日以内にその労働者を本国に送還しなければならず、また 30 日以内に送還したこ とを報告しなければならない。(もし、その外国人労働者が感染性の病気にかかっ ていることが判明した場合には、7 日以内に送還されるものとする。) 5) 別の雇用主の下で仕事を再開する場合の健康診断 当初の雇用主が手配した初回の健康診断、又は年に 2 回の健康診断を受けずに、地 方の公共雇用サービスセンターにより、別の雇用主の下で仕事を再開する場合は、 その新しい雇用主は、その労働者を引き受けた翌日から 3 勤務日以内に国家衛生局 指定の病院で健康診断を手配しなければならない。 6) その他の規制 採用された外国人が初回の健康診断に合格せず、母国で治療を受けた後に回復した 6 台湾(調査大項目 5:労働力の送出・受入れについて) 作成年月日:2009 年 12 月 27 日 場合は、台湾で働くために再入国を許される。 7) 外国人のために健康診断を行う、国家衛生局指定の病院 詳細情報は国家衛生局のウェブサイト参照 8) 料金 それぞれの病院で料金は異なる。現在、検査費用は約 1,500 新台湾ドル 2 である。 費用は外国人労働者の負担とするか、又は雇用契約で雇用主と労働者で交渉により 決めるものとする。 (c)外国人居留証(Alien Resident Certificate:ARC) 1) 初回入国の場合 入国後 15 日以内に、雇用主は CLA 発行の採用許可書、外国人労働者のパスポート、 OJT 証明書(会社印及び社長印を捺印済み)、及び写真 4 枚を地元の警察署に持込 み、ARC 申請と指紋の登録を行う。 2) ARC の延長 雇用主は、外国人労働者のパスポートと CLA 発行の採用許可書を持って現在の採 用許可書の有効期間内に ARC の延長を申請する。もし、ARC 延長をしないで、期 限を過ぎた場合にはその外国人労働者は罰金を課され、台湾から去らねばならない。 3) 別の雇用主の下で仕事を再開した外国人労働者 外国人労働者が別の雇用主の下で仕事を再開する場合には、その新しい雇用主は、 CLA 発行の承認書、外国人労働者のパスポート、及び ARC を CLA からの承認書 を入手してから 14 日以内に地元の警察署に持参し、雇用主及び勤務場所の変更の 申請を行わなければならない。 4) 料金 現在、ARC 申請費用は 1 件で 1 年 1,000 新台湾ドルとなっている。すなわち、勤 務期間が 2 年の場合の ARC 申請費用は 2,000 新台湾ドルである。費用は外国人労 働者の負担とするか、又は雇用契約で雇用主と労働者の交渉により決めるものとす るのが原則である。 (d)再入国 1) 基準 採用許可期間の間に、もし、外国人労働者が本国へ非常時に戻るか、本国で休養を 取る必要がある場合には、その雇用主、又は人材紹介機関は、本人の出発前の日に 再入国許可証を地元の警察に申請しなければならない。 2) 有効期間 再入国の有効期間は原則として 1 カ月である。しかしながら、許可期間を延長する 特別な必要があれば、雇用主と労働者は地元の警察署に書面を提出しなければなら ない。 3) 有効期間内に再入国しない場合 再入国許可証の有効期間内に中華民国に戻らない外国人労働者は CLA の許可を得 2 1 新台湾ドル=2.8259 日本円(2010 年 3 月 10 日現在) 7 台湾(調査大項目 5:労働力の送出・受入れについて) 作成年月日:2009 年 12 月 27 日 てから再入国を許されるものとする。 (e)採用許可書 1) 申請 外国人労働者の入国後 15 日以内に、雇用主は以下の書類を申請のため CLA に提出 しなければならない。(部署名及び住所:就労許可部,No 83 Section 2 YuanPing Road, 103, Taipei) ・ 申請書用紙(原本と複写 1 部) ・ CLA 発行の許可証 2) 外国人労働者入国後 3 日以内に行われた健康診断の結果 採用する外国人労働者の名簿(1 インチサイズの写真添付)の原本と複写 1 部。雇 用主の署名と会社印、及び社長印捺印済みのリスト 1 枚には、外国人労働者の記載 は 5 人までとする。 (f)出国の報告 1) 採用許可書の期限満了 雇用主は採用許可書の期限満了から 7 日以内に外国人労働者を本国に送還し、CLA に対して以下の書類を 30 日以内に提出しなければならない。 ・ 申請書原本と複写 1 部 ・ CLA 発行の承認書コピー ・ 送還した外国人労働者の名前一覧の原本 ・ 外国人労働者の航空券原本(送還労働者の名前一覧が警察署によって確認さ れているか、送還労働者の名前が CLA のコンピューターシステムで書かれて いる場合には航空券原本は不要) ・ 雇用主の ID のコピー ・ 採用許可書、又は延長許可書のコピー 2) 契約の早期終了 契約が早期に終了した場合には、雇用主は 14 日以内に外国人労働者を本国に送還 し、CLA に対して以下の書類を 30 日以内に提出しなければならない。 ・ 契約終了に関して CLA に報告すべきすべての書類 ・ 契約終了同意書の原本、又は外国人労働者が働くことができない具体的な事 実の証明(雇用主と労働者の双方が署名しなければならない。また中国語の 翻訳を添付) ・ CLA 発行の採用許可書、又は延長許可書(台湾に 16 日以上入国していた者、 あるいは送還される者) 3) 健康診断の不合格 外国人労働者が健康診断の条件を満足に満たさなかった場合、雇用主は、病院から その結果、又は CLA からの採用許可の取消し書を受け取ってから 14 日以内にその 労働者を本国に送還しなければならない。(もし、その外国人労働者が感染性の病 気にかかっている場合には 7 日以内に送還される。)また、雇用主は 30 日以内に以 下の書類を提出して送還の報告をしなければならない。 8 台湾(調査大項目 5:労働力の送出・受入れについて) 作成年月日:2009 年 12 月 27 日 ・ 契約終了に関して CLA に報告すべきすべての書類 ・ 健康診断結果の原本(台湾に入国して 15 日未満の外国人労働者に対して) ・ 出国前の 6 カ月以内に、関係の衛生当局が発行した承認書、又は非承認書(台 湾に入国して 6 カ月以上の外国人労働者に対して) (g)外国人労働者行方不明の報告 外国人労働者が許可なく連続 3 日間仕事を休み、連絡が取れなくなった場合、それから 3 日以内に雇用主は以下の書類を地元の関係労働局と警察に提出して報告し、そのコピーを CLA に送るものとする。 ・ 申請書 ・ 採用許可書コピー(外国人が到着と同時に消えた場合には不要) ・ その外国人の ARC、又はパスポートのコピー ・ CLA 発行の承認書のコピー 雇用主が CLA に外国人の逃亡を通知すると同時に、CLA はその外国人の採用許可書を 取り消す。採用許可書の取消し有効日から 30 日以内にその外国人労働者が戻り、その雇 用主がその労働者を継続して雇用することに同意し、CLA に通知するならば、その取消し は無効となる。しかしながら、外国人労働者が採用許可書の取消し有効日から 30 日を過 ぎて戻った場合には、CLA は取消し無効を認めない。 (h)配属 1) 主要建設プロジェクトを受注した会社が、外国人労働者をそのプロジェクトを支援 する工場で働くよう配属する場合 CLA の規制では、主要建設プロジェクト受注の会社は雇った外国人を CLA に報告す ることなく、そのプロジェクトを支援する工場で働くよう割り当てることができる。 ただし、他のプロジェクト支援のために割り当てられる外国人の総数は CLA が規制 する数を超えてはならない。 2) 同じ法人の製造会社が外国人労働者を配属させる場合 雇用主は採用した外国人労働者を同じ雇用主の名前において、CLA の承認無く、同種 の仕事の他の合法的な工場に割り当てることができる。しかしながら、工場 B に初め からいる外国人労働者と工場 A から割り当てられた外国人労働者の合計総数は、工場 B の台湾人労働者の合計数の 30%を超えてはならない。 投資額が 2 億新台湾ドルを超える製造会社は、特別のケースとみなされ、外国人労働 者を採用許可書に記載された以外の場所で働くよう割り当ててはならない。 病院、学校、社会福祉組織のような、投資額が 2 億新台湾ドルを超える主要投資プロ ジェクトを勝ち取った契約当事者は、CLA の承認無く、同じ雇用主の名前で採用した 外国人労働者をその他の主要建設プロジェクトに割り当てることができる。しかしな がら、割り当てる外国人の総数はエンジニア経費に対する人的需要モジュールで計算 する必要人数の 50%を超えてはならない。 *出典: 労工委員会、雇用職業訓練局、外国人労働者の申請(非熟練労働者), http://www.evta.gov.tw/eng/content/content.asp?mfunc_id=99&func_id=99&type_id=0&cata_id=0&i d=9222, 9 台湾(調査大項目 5:労働力の送出・受入れについて) 作成年月日:2009 年 12 月 27 日 (3) 雇用パスカードを申請する外国人専門家のための手順指示書 より多くの外国人労働者が台湾で働くよう引き付けるために、雇用パスカードを申請す る外国人専門家のための手順指示書が制定され、内政部の法令により 2009 年 5 月 9 日に 公表されている。目的、対象となる労働者、及び手続は以下の通りである。 (a)目的 居住ビザ、就労許可証、外国人居留証、複数回入国許可証による許可を含む、外国人専 門家への雇用パスカード「フォー・イン・ワン(4 in 1)」雇用パスカードの発行を導入 するために、内政部により手順指示書が制定された。 (b)対象労働者 雇用サービス法の第46条1項の1~6、及び第48条第1項の1により中国で働く、以下に示 す職業に就いている外国人専門家は、手順指示書により雇用パスカードを申請することが できる。 1) 高度に専門的、又は技術的な分野での専門家 2) 政府の承認を得て台湾で投資している海外華僑、又は外国人、あるいは既成事業の 監督者 3) 以下の条件の学校教師 ・ 単科大学以上のレベルの公立、又は法的に登録された私立学校での授業、あるい は外国人向けの学校での授業を担当 ・ 適切な認可の下に、高校以下の公立、又は法的に認可された私立学校での外国語 コースの授業を担当 ・ 公立、又は法的に認可された私立の実験的な高校のバイリンガル部門での授業、 あるいはバイリンガル学校での授業を担当 4) 補助教育法により認可・設立された補助教育学校で働く外国語専門教師 5) コーチ、又は運動選手 6) 宗教、芸術、又は演技の分野での職業を持つ専門家 7) 政府当局の、又は付属のあらゆるレベルの学問的研究機関での研究者、又はコンサ ルタント (c)台湾外の申請者の手続 1) 外国人の専門家、雇用主、コミッション代理人は、居住ビザ、就労許可書、外国人 居住証明書、及び数次入国許可証の 4 つの申請に必要なすべての書類と料金を準備 し、海外の中華民国大使館、外交事務所、代理事務所、又はその他の外務省認定機 関(以下海外 ROC(Republic of China:中国)オフィスという)に提出する。 2) 申請を受領後、海外の ROC オフィスは 1 週間以内に居住ビザ、就労許可書、外国 人居住証明書、及び数次入国許可証の関係書類と料金を関係管轄当局:行政院労工 委員会雇用職業訓練局(以下、「雇用職業訓練局」という)、及び内政部、国家移民 局(以下、「国家移民局」という)に転送する。 3) 海外 ROC オフィスの承認後、雇用職業訓練局と国家移民局は雇用パスカードを発 行し、申請者にそれを受取にくるよう通知する。もし、海外 ROC オフィス、雇用 10 台湾(調査大項目 5:労働力の送出・受入れについて) 作成年月日:2009 年 12 月 27 日 職業訓練局、及び国家移民局のすべて、又はいずれかの審査で否認された場合には 雇用パスカードは発行されず、各関係当局は申請者に通知する。 (d)台湾内の申請者の場合 1) 雇用主又は委任代理人が、居住ビザ、就労許可書、外国人居住証明書、及び数次入 国許可証の 4 つの申請に必要な書類と料金を準備して、国家移民局に提出する。し かしながら、移民法第 23 条に述べる条件に合う外国人専門家は申請書類のうち、 居住ビザを省くことができる。 2) 申請を受領後、国家移民局は 1 週間後に居住ビザ、及び就労許可書の関係書類と料 金を関係当局:外交部(外務省)の領事局(以下、 「領事局」という)及び雇用職業 訓練局に転送する。 3) 領事局と雇用職業訓練局、及び国家移民局の承認後、国家移民局は雇用パスカード を発行し、申請者にそれを受取に来るよう通知する。 *出典:National Immigrant Agency. (n.d.). Operation Directions for Foreign Professionals Applying for the Employment PASS Card. http://www.immigration.gov.tw/immig_eng/aspcode/showactsregu.asp?id=44 5.2 労働力移動の規模 (1) 熟練労働者 2009 年の 10 月末現在で、外国人専門家と技術者の有効な就労許可証の数は 25,379 で あった。職種別では、特定の専門家、技術者が 13,095 人(51.6%)、予備校でのフルタイ ム外国語教師 5,761 人(22.7%)、学校の外国人教師 2,286 人(9.0%)である。国籍別で は、日本人 6,901 人(27.2%)、米国人 4,893 人(19.3%)、カナダ人 2,064 人(8.1%)で ある。学歴レベルでは彼らのうち 18,156 人(71.5%)が学士である。(表 5‐4 参照) 表 5‐4 外国人労働者熟練労働者の内訳 (2009 年 10 月末) (単位: 人、%) 職種別 13,095 51.6 予備校でのフルタイム外国語教師 5,761 22.7 学校の外国人教師 2,286 9.0 投資プロジェクト、又は企業の役員 1,483 5.8 宗教、芸術、及び娯楽関係 1,481 5.8 船員、又は船の労働者 1,222 4.8 51 0.2 日本 6,901 27.2 米国 4,893 19.3 カナダ 2,064 8.1 特定の専門家、又は技術者 スポーツコーチ、及び運動選手 国籍別 11 台湾(調査大項目 5:労働力の送出・受入れについて) 作成年月日:2009 年 12 月 27 日 1,292 5.1 南アフリカ 806 3.2 フィリピン 580 2.3 マレーシア 1,475 5.8 ドイツ 669 2.6 韓国 931 3.7 インド 858 3.4 ロシア 159 0.6 オーストラリア 490 1.9 タイ 258 1.0 フランス 402 1.6 香港 423 1.7 シンガポール 506 2.0 インドネシア 319 1.3 80 0.3 225 0.9 2,048 8.1 博士 1,295 5.1 修士 3,034 12.0 学士 18,156 71.5 高卒 2,802 11.0 中卒以下 68 0.3 その他 24 0.1 25,379 100.0 英国 ウクライナ ニュージーランド その他 学歴別 合計 *出典:Bureau of Vocational Training and Employment. (n.d.). Council of Labor Affairs, Monthly Statistics of Foreign Labor(white collar). http://www.evta.gov.tw/content/list.asp?mfunc_id=14&func_id=58 (2)非熟練労働者 2009 年 10 月末現在で、台湾における非熟練外国人労働者の数は 347,618 人に達してい る。製造業に雇用主が 163,294 人(47.0%)、建設労働者が 4,155 人(1.2%)漁業関係労 働者 6,134 人(1.8%)、サービス業(介護関係、家事手伝い)174,035 人(50.1%)である。 一方、出身国別では以下のようになっている。:インドネシア 137,501 人(39.6%)、ベト ナム 77,957 人(22.4%)、フィリピン 70,537 人(20.3%)、タイ 61,611 人(17.7%)、マレ ーシア 10 人、モンゴル 2 人である。(表 5‐5 参照) 12 台湾(調査大項目 5:労働力の送出・受入れについて) 作成年月日:2009 年 12 月 27 日 表 5-5 業種 台湾の外国人労働者統計 合計 インドネシア 2009 年 10 月末現在 マレーシア フィリピン (単位:人) タイ ベトナム モンゴル 合計 347,618 137,501 10 70,537 61,611 77,957 2 農業、及び製造業 173,583 17,806 10 48,028 60,284 47,455 0 6,134 4,752 0 930 19 433 0 163,294 12,998 10 46,972 56,782 46,532 0 7,454 589 0 1,646 2,480 2,739 0 19,290 1,971 2 3,493 8,010 5,814 0 衣料、服アクセサリー製造 1,572 144 0 363 406 659 0 皮革、毛皮関連製品製造 1,344 64 0 76 703 501 0 木材・竹製品製造 831 222 0 101 278 230 0 家具製造 986 165 0 111 309 401 0 パルプ、紙、紙製品製造 3,548 374 0 689 1,448 1,037 0 印刷、記録メディア再生関 係製造 1,217 117 0 177 355 568 0 化学物製造 1,668 225 0 365 722 356 0 化学製品製造 1,828 310 1 430 622 465 0 26 4 0 0 9 13 0 4,227 220 0 470 2,090 1,447 0 11,814 1,188 1 1,888 4,692 4,045 0 非金属、鉱物製品製造 6,561 730 1 945 3,071 1,814 0 地金製造 8,385 975 1 771 4,688 1,950 0 加工金属製品製造 23,540 2,216 1 3,177 10,390 7,756 0 機械、及び設備製造 12,287 981 0 2,200 4,352 4,754 0 20,375 379 0 14,111 1,887 3,998 0 16,409 499 1 11,120 2,176 2,613 0 電気製品製造 5,783 347 2 2,033 1,912 1,489 0 自動車、及び部品製造 9,629 871 0 1,360 4,748 2,650 0 医療製品製造 1,397 130 0 741 192 334 0 その他製造 3,123 277 0 705 1,242 899 0 建設 4,155 56 0 126 3,483 490 0 174,035 119,695 0 22,509 1,327 30,502 2 漁業 製造業 食品・飲料 繊維工場 石油・石炭製品製造 ゴム製品製造 プラスティック製品製造 コンピューター、エレクト ロニクス、及び光学製品製 造 エレクトロニクス部品製 造 家事サービス(家事手伝 い、家族介護、養老院手伝 い含む) *出典:Bureau of Vocational Training and Employment. (n.d.). Council of Labor Affairs, Monthly Statistics of Foreign Labor(blue Collar). http://www.evta.gov.tw/files/57/2141024.csv, 13 台湾(調査大項目 5:労働力の送出・受入れについて) 作成年月日:2009 年 12 月 27 日 5.3 労働力移動の要因 学術交流の進展と国内の研究水準向上の理由で、そして、 「学術調査と交流」の目的で、 外国人教師、国内の大学に既に雇用されている研究スタッフ、及び有効雇用許可期間内に 学術研究組織にいる研究スタッフが、臨時又は定期セミナーで専門分野に関する発表、又 は学術講演を他の機関や学校で行うために招待される場合には、招待側の組織は雇用許可 を申請する必要はない。 内政部は 2009 年 1 月 1 日、台湾に優秀な外国人を呼び寄せ、外国人の学術、又はビジ ネス専門家に対して特別待遇を与えるために学術、及びビジネス旅行カードを申請する外 国人向けの指示書を公表した。 また、非熟練外国人労働者を受け入れる構想は以下のようないくつかの理由で経済的に も社会的にも台湾の利益となっている。中小企業が、台湾での投資を維持し、より多くの 仕事の機会を提供する助けとなるだけでなく、より多くの基本的な人材需要を作り出す。 台湾が競争力を高め、公共建設事業のスピードアップを図るために世界的な人材を活用す るようにさせる。そして、生産的人材が職業市場に十分に参加できるように、必要とする 所帯には十分な介護者を提供する。 移民労働者は台湾の経済と社会全体にとって大きく貢献はしたが、彼らは言語、宗教上 の信念、家族の絆、文化、及び習慣などにおける障害のために、新しい環境に適応するの が極めて困難と感じている。従って、外国人労働者の利益を保護し、彼らの平等な権利と 機会を確保するために台湾の人々により、大きな努力が払われている。 5.4 送り出しの所管機関 資料なし 5.5 送出労働力の属性 資料なし 5.6 送出労働力の技能水準の評価制度 資料なし 5.7 受入の所管機関 労働者、専門家、雇用主、コミッション代理人などの外国人労働者は、居住ビザ、就労 許可書、外国人居住証明書、及び数次入国許可証の 4 つの申請に必要なすべての書類と料 金を準備し、海外の中華民国大使館、外交事務所、代理事務所、又はその他の外務省認定 機関に提出する。 申請を受領後、海外 ROC オフィスは 1 週間以内に就労許可書、外国人居住証明書、及 び数次入国許可証のための関係書類と料金を関係管轄当局、すなわち、行政院労工委員会、 雇用職業訓練局に転送する。 民間雇用サービス機関の許可と監督に関する規制は 2008 年 1 月 8 日に改定された。規 制の第 2 章が民間雇用サービス機関の許可、及び変更に関するものである。規制の第 11 条によれば、中華民国で働く外国人採用を支援したり、香港やマカオ又は中国大陸からの 14 台湾(調査大項目 5:労働力の送出・受入れについて) 作成年月日:2009 年 12 月 27 日 人間が台湾地域で働くのを支援したり、あるいは台湾人が台湾以外で働くのを支援するこ とに従事している営利型の雇用サービス機関は、払込資本で最低 500 万新台湾ドルを持た ねばならず、更に各支店を設立する場合には追加で 200 万新台湾ドルを積まねばならない。 ただし、払込資本の額が支店を開設するのに必要な払込資本の額に等しい場合はこの限り ではない。 また、規制の第 12 条によれば、民間雇用サービス機関、及び支店を設立する前に、そ の申請者は当該の民間雇用サービス機関の設立予定地にある管轄当局に申請をしなければ ならない。雇用サービス機関、及び支店の設立を申請する場合には、その申請者は、まず 予備許可申請のために以下の書類を準備しなければならない。 ・ 申請書 ・ 法人の定款、又は合弁契約書 ・ 営業計画書、又は営業実行計画書 ・ 料金請求項目とその金額表 ・ 非営利型の雇用サービス機関ではない場合には、払込資本額を証明する書類 ・ 管轄当局が必要とするその他の書類 規制の第 13 条によれば、雇用サービス機関、及び支店を設立する予備的な許可を得た 場合、申請者は、予備許可を得てから 3 カ月以内に関係法令に基づき、その機関を登録し、 管轄当局から設立許可とライセンスを得るために以下の書類を準備しなければならない。 ・ 申請書 ・ 従業員リスト ・ 雇用サービス専門証を持つ人とその国家身分証明書のコピー ・ 会社登記簿、営業登録証、又は組織の認定証のコピー ・ 銀行発行の保証状の原本 (ただし、支店、非営利型の雇用サービス機関、又は台湾人が台湾で働くために採用 を支援する営利型の雇用サービス機関の場合には不要である。) ・ 地元の管轄当局が、第 12 条 4 項で述べられている規制に従って検査を行ったあと発行 される、準備の事実を証明する書類 ・ 管轄当局が必要とするその他の書類 規制の第 13 条 1 項によれば、民間雇用サービス機関の評価を行うに当たり、管轄当局 が自分自身で行うか、関連の機関(研究所)、又は組織に委託することもできる。評価の等 級は ABC のランクがある。実施の方法、ランク、基準、及び前述の評価の高いものを公 に表彰する方法などは管轄当局により公表されるものとする。2008 年には 936 社の雇用 サービス機関が審査され、そのうち 193 社(20.6%)が A ランク、668 社(71.4%)が B ランク、そして 75 社(8%)が C ランクとなった。民間の雇用サービス機関で C ランクと なったものは、支店を開設できず、また、連続で C ランクとなったもの、あるいは当局に よる審査を拒否したものは、雇用サービス機関としての許可を更新されない。 15 台湾(調査大項目 5:労働力の送出・受入れについて) 作成年月日:2009 年 12 月 27 日 5.8 「5.2 5.9 受入労働力の属性 労働力移動の規模」参照。 受入労働力の技能水準の評価 雇用サービス法の第 46 条で能力レベルはある程度は分類されている。詳細は「5.2 労 働力移動の規模」を参照。 5.10 労働力送出・受入れに関する二国間・多国間協定 外国人労働者には、いくつかの制限は課されてはいるが、彼らの台湾での取扱いの平等、 労働基準、正当な権利を確保するために相当な努力がなされてきた。台湾政府は、外国人 労働者を不当に扱うことがあってはならないとして、以下の通り基本政策を定め、十分な 保護を与えている。 (1) 基本的な権利 平等と正義:移民労働者は、母国で得られるよりも多くのお金を稼ぐことを期待して出 国するのである。 (2) 雇用の権利 国家の取扱い:人権の普遍的宣言の第 7 条では「すべての人は法の下で平等であり、差 別されることなく法の下に平等に保護を受ける権利がある。」と述べている。従って、 台湾におけるすべての外国人労働者は適切な法の保護の下にある。 (3) 生活する権利 普遍原理:外国人労働者は、母国と家族を離れて慣れない社会に雇用を求めてくるので ある。そこでは彼らと現地市民との相互理解が最も重要なことである。 労働力受け入れについての二国間協定は、これまで台湾とベトナム、タイ、フィリピン の各国間で締結された。しかしこのうちベトナムとの協定は 2002 年 5 月 5 に失効してい る。 タイとの協定である、「タイ人労働者の雇用に関する協定」は 2002 年 12 月 2 日に発行 された。詳細は以下の通りである。 (1) 両者は、台湾の雇用主がタイ人労働者を両国の民間人材紹介事務所の干渉なく、直 接雇用できるプログラムを設けることに同意する。 (2) その直接雇用プログラムは、台湾の雇用主がタイ人労働者を採用する 1 つのオプシ ョンとして考えられ、民間の人材紹介期間を排除するものではない。 (3) 両者は、関連する法と規制に従って、タイ人労働者の雇用を管理・監視するだけで なく、タイ人労働者の採用を促進・支援するために協力することに同意する。 (4) 両者は、タイ人労働者が雇用に際して直面する諸問題について、彼らを支援するこ とに同意する。 (5) 両者は、タイ人労働者の雇用を促進・保護し、また台湾の雇用主を保護するために 情報交換を行うことに同意する。 (6) 両者は、本契約の目的を達成するために、両者の関係機関の間で少なくとも年に 1 16 台湾(調査大項目 5:労働力の送出・受入れについて) 作成年月日:2009 年 12 月 27 日 回、共同協議行い、相互に受け入れ可能なシステム、手続、仕組みを設立する意図 で一層協力することに同意する。 (7) 本協定は両者の署名に日に発効し、両者のいずれかが書面での通知により解除しな い限り、無期限に有効である。解除は通知 6 カ月後から有効となる。 また、フィリピンとの協定は「台湾特別雇用プログラムに関する覚書」という名で、2003 年 3 月 20 日に発効した。詳細は以下の通りである。 (1) 特別雇用プログラムは以下を含む。 a) 法人雇用主向けの専門家、熟練労働者、非熟練労働者の雇用 b) 個人名雇用として分類される家事労働者、及び世話人向けの事務処理機関 (2) 特別雇用プログラムは、両者にとって受け入れ可能で両国の現行法及び規則と矛盾 しない、特定分野の技能のために規定された雇用契約を採用する。 (3) 特別雇用機関と、人材紹介業者を通しての現行の雇用制度との間に、差別はあって はならない。 (4) 特別雇用プログラムは雇用主にとってのオプションと考えられる。従って、雇用主 が人材紹介機関を通して雇用することを妨げるものではない。 (5) 特別雇用プログラムにより雇用される労働者の経費一覧表は、両者により合意され るものであって、労働者の福祉や両国の関連法、及び規則を損なうものではない。 (6) 特別雇用プログラムは、両者の適切な当局間の定期的・継続的な協議により、実行 されるものである。その最終目的は相互に受け入れ可能な制度、手続、及び機構を 作ることである。 (7) 本覚書は、両者の署名の日から発効し、2 年間有効であり、両者の同意により延長 することもできるものとする。両者のいずれかの側も、いつでも書面で通知するこ とにより、本覚書を解除することができる。 5.11 送出労働力の技能水準に関する二国間・多国間協定 条約の調印はない。 5.12 労働力移動の問題点 熟練労働者の受け入れは、非熟練労働者の場合と比べて、それほどの問題はなく、前向 きにとらえられている。従って、外国人非熟練労働者に門戸を開く政策には 4 つの指針が 注意深く設けられている。それらは、1)台湾の非熟練労働者の不足を補い、台湾人の雇 用を守ること、2)移民とはならないこと、3)社会秩序を悪化させないこと、4)産業の 向上と経済の進展を遅らせないこと、である。熟練労働力の受入は、あくまで国内で不足 する技術の補填を目的とするよう、産業ごとにその受入数が検討されている。 熟練労働力の受け入れは、国家の人材開発政策の重要なものの一つであったし、諸制約 の緩和や受け入れ過程の合理化(雇用パスカードを申請する外国人専門家に対する手順指 示書の 2009 年 5 月 5 日の公表など)に焦点を合わせた政策が取られた。 しかしながら、非熟練労働者の受け入れについては、台湾の非熟練労働者の職業機会を 補うものではなく、代替するものとなったものがある。2009 年の 10 月末で家事サービス 労働者(家事手伝い、家族の世話、介護補助機関を含む)が 174,035 人おり、これが台湾 17 台湾(調査大項目 5:労働力の送出・受入れについて) 作成年月日:2009 年 12 月 27 日 人家事世話係りの供給の障害になるという人もいる。 また、外国人労働者の人権と労働条件の取扱いが不十分であると批判している人もお り、 「外国人労働者の雇用期間制限の除去、雇用主変更の自由、労働組合結成の権利、ブロ ーカー制度の廃止、国家間での直接雇用の導入、及び台湾人労働者は労働法により十分に 保護されるべき」と主張している。 【参考文献】 1. Bureau of Employment and Vocational Training.(n.d.). Council of Labor Affairs, Application for Foreign Worker (Blue Collar workers). http://www.evta.gov.tw/eng/content/content.asp?mfunc_id=99&func_id=99&typ e_id=0&cata_id=0&id=9222, 2. Bureau of Employment and Vocational Training.(n.d.). Council of Labor Affairs, Counseling and Service Website for Foreign Workers Working in Taiwan (Blue Collar). http://www.evta.gov.tw/eng/content/list.asp?mfunc_id=99, 3. Bureau of Employment and Vocational Training.(n.d.). Council of Labor Affairs, Foreign workers for special professionals and technicians(white collar) http://www.evta.gov.tw/eng/topicsite/content.asp?mfunc_id=123&func_id=123& cata_id=&site_id=&id=19026, 4. Bureau of Employment and Vocational Training.(n.d.). Council of Labor Affairs, Monthly Statistics of Foreign Labor (blue collar). http://www.evta.gov.tw/files/57/2141024.csv, 5. Bureau of Employment and Vocational Training.(n.d.). Council of Labor Affairs, Monthly Statistics of Foreign Labor (white collar). http://www.evta.gov.tw/content/list.asp?mfunc_id=14&func_id=58, 6. Bureau of Employment and Vocational Training.(n.d.). Council of Labor Affairs, Report on Protection of the Rights for Foreign workers in Taiwan, http://www.evta.gov.tw/eng/content/content.asp?mfunc_id=99&func_id=99&typ e_id=0&cata_id=0&id=9211 7. Lan, Ke-Jeng. (2006 January). The Policy Comparison between Import of White Collar Workers and Blue Collar Workers. www.ntpu.edu.tw/pa/news/94news/attachment/950221/2-2.pdf, 8. Lan, Ke-Jeng. (2008 November 10-11). Review and Policy Recommendation on the Recruiting of Foreign Professionals and Industrial Talents, paper presented preliminary meeting of the eighth National Science and Technology Meeting. http://www.nsc.gov.tw/pla/tc/8th/doc/2.2.2.doc, 9. National Immigrant Agency.(n.d.) Operation Directions for Foreign Professionals Applying for the Employment PASS Card. http://www.immigration.gov.tw//immig_eng/aspcode/showactsregu.asp?id=44, 10. Taiwan International Workers’ Association.(2009 April, 25). Fight racism! 18 台湾(調査大項目 5:労働力の送出・受入れについて) 作成年月日:2009 年 12 月 27 日 Equal job protection for migrant +local workers! http://www.tiwa.org.tw/index.php?itemid=285&catid=18, 11. Tasi, Ching-Lung. (2000 September). The Research on Impact of Import Unskilled workers to Local Employment. http://www.cepd.gov.tw/dn.aspx?uid=4416 12. The foundation of Chinese Labor – Management Affairs.(n.d.). The Research on Policy and Issues of Unskilled Foreign Workers, http://fclma.org/PostAttachment.aspx?PostID=2992,1 19