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平成20年度水田奨学生課題レポート

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平成20年度水田奨学生課題レポート
平成20年度水田奨学生課題レポート
課
題
社会が「医療人としての薬剤師」に求めていることはどのようなことだと捉
えていますか。
そして自分が将来薬剤師としてそれを実現するためには、在学中に自分自身
をどのように変えてゆく必要があると感じていますか。
PC2005-017
向後
咲友未
私が自分の目指す「医療人としての薬剤師」になるためには、薬剤の知識、コミュニ
ケーション能力として患者の気持ちを聞きだす力とそれを受け止める包容力、医療人と
しての倫理観、しっかりとした自分の考えを持つことが必要だと思います。
まず、薬剤の知識は「薬剤師」という資格を持つ人には最低限なくてはならない知識
であるからです。大学では化学や生理学といった基礎から薬理学や薬物動態学といった
専門科目まで、さまざまな分野を通して薬の知識と理解を深めることができました。し
かし四年生になり実際に病院や薬局で実習することで、ただ単に自分の中で知識を蓄え
ておくのではなく、その知識を患者さんや他の医療スタッフにわかりやすく伝えること
が何より重要なのだと気づきました。患者さんに本人の病気や治療について理解しても
らうことは、治療に対する不安を取り除き、より治療に対して積極的な姿勢になってい
ただくことができます。また病院・薬局スタッフが持っている情報や考えをお互いに知
っておくことで治療がより円滑に進められるという点で非常に重要です。
それに付随して大切となるものが、次に挙げるコミュニケーション能力です。薬剤師
が薬に関する幅広い知識を持つという能力を活かすためには、それを伝える能力、更に
は患者さんに必要な情報が何かを知るために「患者の気持ちを聞きだす能力」「患者を
受容してあげることで心の内を曝け出しやすい環境を作る能力」が必要になると思いま
す。気持ちを吐き出させてあげることで患者さんの不満や不安を知ることができるとい
うだけでなく、患者さん自身も不安が軽減し、薬剤師と患者さんとの間により強固な信
頼関係を築くことができるのではないかと考えています。これもより円滑な治療を進め
るためには非常に重要なことだと思います。
また薬剤師の活躍の場として、主に病院や薬局、ドラッグストアなどが挙げられます
が、そのうち薬局やドラッグストアでは経営が関わり、利益を上げる能力も必要になり
ます。私自身、一年間ドラッグストアでアルバイトしていました。お客さんに気軽に話
しかけていただいたり、お勧めの商品を紹介することはとても喜びを感じていましたが、
徐々に利益を上げるということに囚われて、あるとき自分でも確信が持てぬまま、より
利益の高い商品を勧めてしまっている自分に気がつきました。そのとき「店員として自
分が本当に大切にすべきものは、利益でなくお客さんなのだ。」と深く反省しました。
- 130 -
そして「自分が将来薬剤師として社会に出たら、本当にお客さんに必要だと思われる薬
をお勧めする薬剤師になろう。
」と決意しました。利益を追求する企業に属していても、
薬剤師としての本来の役割である国民の健康増進に寄与することを大切にしたいです。
これが疎かになってしまわぬように、常に医療人としての倫理観を根底に持っていなく
てはならないと思いました。
そして最後に「自分の考えをしっかり持つこと。」私はこれが一番大切だと考えてい
ます。私の将来の夢は「人々の元気で明るい健康的な生活に寄与できる薬剤師になる。
」
ということです。私は「健康」とは身体に不具合がないというだけでなく、心も生き生
きと輝いている状態だと考えています。しかし人の生活は一人ひとりそれぞれ違い、不
安や喜びを与える要因も実にさまざまです。そんなたくさんの方々の話を聞きだし、的
確なアドバイスをするためには、まずは自分のしっかりとした考え方や人間としての思
いやりを持ち、自己を確立していなければならないと思いました。私は他者を認めるた
めにはまず自己を認めることが必要なのではないかと考えています。自分という基盤が
しっかりしていれば、より深く相手の考え方を受け入れ、理解することができるのでは
ないかと思います。更には、頷きや肯定で相手を認めるだけでなく、それを自分の中で
消化して、アドバイスとして自分なりの考えを述べることができる人になりたいです。
これらのことを身につけるには授業で先生方が教えてくださる勉強だけでなく、友人
や先生方とのコミュニケーションを通しての人間形成が最も重要なことだと思います。
将来、社会人としてのマナーが大切だというのはもちろんのことと思いますが、まずは
日常で関わる人たちとの交流が、相手を気遣ったり、気持ちを汲み取ったりという自然
な能力を身につけるために必要なことなのではないかと思います。医療人として、より
も人間としての基盤づくりがより根底にある大切なことだと思います。
早いもので四年生になり半年が過ぎ、大学生活も残りわずか、あとは卒業と国家試験
を控えるという状況になりました。私はこの四年間でたくさんの友人や先生方と出会い、
色々な考え方を聞くことができ、また、ゼミ活動やフルマラソン部や HP 編集委員会な
ど・・・さまざまな経験をすることができました。入学する前から決意していた「大学
では勉強だけでなく何でも積極的に取り組もう。」という目標どおり、充実した毎日を
過ごすことができたような気がします。それは楽しいことばかりではなく、悩んだり、
失敗したり、怒られたりと、日々泣いたり笑ったりの繰り返しでしたが、確実に四年前
の自分とは違う自分がいると確信しています。それは家族をはじめ、この大学で出会っ
た先生方や友人たちの協力や支えがあったからこそです。本当に感謝しています。
残りの大学生活では友人たちとの交流も大切にしつつ、国家試験に向けての戦友とし
て共に勉強を頑張っていきたいです。そして卒業後は薬剤師として、ドラッグストアで
健康な生活づくりを応援するという夢を叶えていきたいと思っています。多くの方々が
訪れるドラッグストアで、人間としての思いやりと医療人としての倫理観を持って、た
くさんの人と信頼関係を築いていける薬剤師になりたいです。そしてゼミや部活、授業
を通して学んだ「病気になる前に予防する」一次予防の大切さを伝えていけたら、と思
っています。
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PC2005-062
小田桐
典子
薬剤師に求められていることは、率直に考えて「患者から信頼される薬剤師」だと思
います。そして患者から信頼される薬剤師になるためには、勉学し必要な知識を身につ
けることが大切なことだと思います。当たり前のことですが、これが最も基本的なこと
であると私は思います。なぜならば、薬剤師という職業は、人の命に関わる重要な仕事
で、一生勉強し続けることが必要であり、そうでなければ命に関わる仕事だと言えない
と思ったからです。実際に、病院実習での経験から、薬剤師には薬の高度な専門知識が
要求されており、調剤だけでは無く、患者への服薬説明や病態についての知識など、現
場で求められていることは幅広くある様に感じました。チーム医療の重要性が叫ばれて
いるなか、薬の専門家として果たすべき多くの役割があると強く感じました。
しかし、勉学することだけで患者から信頼される薬剤師になれるか?というと、それ
だけでは足りないと思います。私が患者の立場なら、薬剤師のどこを見るか?また薬剤
師に何をしてほしいか?を考えました。まず、病院でも薬局でも薬剤師の気づかいや挨
拶が患者側にとって嬉しいと思いました。一言共感する言葉を掛けてもらうことで安心
感が生まれます。実際に、私が風邪をひいて薬局に行ったときにも薬剤師の明るい笑顔
と挨拶にホッとした覚えがあります。病気になり辛いときだからこそ、ただ単に薬の説
明をされるだけでなく、薬剤師の共感する姿勢や心づかいで安心感がわいたり、気にか
けてくれることに嬉しく思うという経験は私だけでなないと思います。
また、薬局実習を経験してみて、病気だけではなく患者本人を診ている薬剤師の先生
にとても感銘を受けました。患者さんへの的確なアドバイス、病気ではなく患者さんの
心を汲み取り接する事、こういったことが患者にとってはとても心強いことだと感じま
した。
さらに薬の知識だけではなく、患者個人とのコミュニケーション能力や状況に合わせ
た適切な判断力が必要だと思います。
私は今現在、薬学部生ですが自分自身に足りないもの、課題がいくつかあります。ま
ず1つ目に、人見知りをしてしまう点です。人見知りしてしまう為に初めて会った人と
上手くコミュニケーションをとることができない所が問題だと考えています。病院や薬
局に来る患者は、小さな子供から高齢者に至るまで様々な方々が来ます。話しが合う人
や、同年代の人と接することには抵抗はありませんが、年が離れれば離れるほどにコミ
ュニケーションの取り方が分からなくなります。どのように接するべきなのか、会話の
とりかたなどまだまだ自分には足りない所や、コミュニケーションの仕方など問題点は
多くあります。そのため自分自身を成長させるため、多くの人との関わりが必要だと思
います。また、常に笑顔でいられる様な心がけも大切であると思います。
2つ目に、医療領域における深い知識です。単元で覚えるのではなく総括して理解す
ること、医師と同等に話し合うためには幅広い知識が必要であると思います。処方箋に
従って調剤することは誰でもできます。それ以上に処方箋を診て、疑問点を発見できる
能力、処方箋を読みとれる能力が必要だと思います。病院実習期間中に、処方箋に記載
されていた医薬品を取り揃えこれで完璧と思っていたら、高齢者に対しては用量が多い
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という間違いに気付かないことがあり、自分の勉強不足や未熟さを痛感しました。自分
への課題として、医薬品に限らず幅広い知識を習得することを目標としこれから先も頑
張っていきたいです。
今、薬剤師国家試験のことばかり頭にありますが今一度、入学時期の 4 月の気持ちを
もう一度確認したいです。国家試験に合格することが薬剤師になる最初の一歩ですが、
自分が何故薬剤師を目指したのか?という初心を忘れてはいけないと思います。さらに、
ここで学んだことを最大限に発揮し、命への慈しみと命の尊さを大切にできる薬剤師を
目指したいと思います。
PC2005-091
吹田
奈緒
友人がある量販店内にある薬局でステロイドの口腔内パッチを購入した際の話であ
る。そのときに薬剤師から「ステロイドなので感染症とかに気をつけてください」との説
明があった。そこで薬剤師に「風邪とかに気をつければ良いんですね?」と質問したとこ
ろ、一枚の紙を渡され、「とにかくこれを読んでおいて下さい」、と言われたとのことで
あった。
これを聞いてどう思っただろうか。私は非常にショックを受けた。紙を渡して読んで
おいてください、というのは 1 つの情報提供としては有効な手段であるがあまりにも無
責任だと私は感じる。このような薬剤師が薬を販売しているという現状、そしてそうい
う薬剤師でも必要とされていることを考えると私は憤りを感じた。
これからの社会が求めている薬剤師、医療人としての薬剤師とはどういうものであろ
うか。少なくとも、前述のような薬剤師が理想ではないと私は考える。ましてや、今年
から登録販売者という新しい有資格者が第二類までの医薬品を扱うようになる。私は、
この現状を見て危機感をはっきりと感じている。まず、薬剤師は今まで以上に給料、そ
して国家資格に見合った活動を行っていかなければならない。そうしなければ、新しく
導入された登録販売者と薬剤師の違いを顕在化させていくのは難しいと感じる。一歩踏
み出した活動、具体的にはどのようなことをしていけばいいのか、現時点では思い浮か
ばないが、そのような活動が求められていることは確かといえるのではないだろうか。
また、薬剤師が職能を発揮するべきことであろうものとして、これからは後発医薬品
に関して薬剤師は薬学的知識を最大限に活かしてデータの信頼性や安全性についての
判断をしていかなければならないと感じる。これは、患者側からだけでなく、医師とい
った医療従事者から薬の専門家としての意見を求められる機会が当然増えていくと思
われ、そこで意見を出すと言うことが 1 つの大きな求められている役割と言えるのでは
ないだろうか。そして、情報提供の際には、なぜ後発医薬品を進めるのか、メリット・
デメリット、そして数あるうちのなぜその銘柄を選択したのか、それらの情報を相手の
レベルに合わせて提供出来なくてはならない。自己満足の情報提供ではなく、相手に伝
わる有益な情報提供を行うには会話のスキル、コミュニケーションスキルが重要となっ
てくる。従って、今もこれからも、これらのスキルは薬剤師が常に求められていくもの
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だと考える。また、治療は医療の提供だけでは成り立たないと私は思っている。医療を
提供する側は最適な治療を施すという視点だけでなく、必ず患者側に立った視点を持つ
ことができる、ということが求められていると感じる。それは、身近な例で言えば、患
者にとって病気による苦痛もそうだが、治療費による負担というものがのしかかってく
る。患者にとっては死活問題につながる大きなイベントであり、医療従事者は費用も含
めた治療を考えられるとより好ましいのではないだろうか。私は、一度診療の際、治療
にかかる費用について、医師に尋ねたことがある。いくつかの選択肢が提示され、かつ
費用も大体ではあるが、助言されることで 1 つはっきりと感じ取ったことがあった。そ
れは、治療の選択において、治療費というものが選択を左右する大きな影響を与えうる、
ということである。当然のことかも知れないが、実際に自分で経験するのと、頭で考え
るのとでは全く異なっていたというのが感想である。従って、薬剤師は、費用対効果と
いう医療経済に関する知識も学んでいくべき事の 1 つであり、その情報を患者に提供で
きるようになるべきではないだろうか。私はこのようなことも、社会から求められてい
る医療人としての薬剤師の姿だと考える。
これまで、求められている医療人としての薬剤師、について考えを述べてきたが、実
際に私が在学中、そのようになるためには自分自身をどのように変えてゆく必要がある
かを考えてみると、以下のことが思い浮かんだ。
まず、1 日 24 時間という時間の限りがある中で、1 日のスケジュール管理とするべ
き事の把握、そして達成できたか、達成できなかった場合の原因追及と対処など、毎日
の行動に自ら規制をかけること、つまり簡単に言えばメリハリをつけるということだろ
うか、これらを毎日継続的に実行することが必要だと私は感じている。また、現時点で
自身が考えていた「社会が求める医療人としての薬剤師」がもし世の中の流れと違って
いたとしても、日頃から世の中のニーズと自分の取っている行動との間にずれがないか
意識することで、そのずれを最小限にすることが出来るかもしれないと私は思っている。
今の私では、ニーズを読み取る手段として、メディアやインターネット、書籍といった
もの、また、潜在的なものを自分で発見するということしか思い浮かばないが、簡単な
ことではないという感覚は今の時点でも十分に感じている。しかし、今回のこの課題で
整理した自分の考えを忘れずに、少しでも近づけるよう努力していくという意識を持ち
続けていきたいと思う。
PC2006-053
石坂
茉莉
薬学部が4年制から6年制へと変わったということは、薬剤師が今まで以上に重要視
されていることを意味するのではないだろうか。2年間多く学ぶ機会があるため、実務
実習期間が長く、また1科目にかける時間も増えてより深く学べるなどといった利点が
多い。
そのため、6年制には 4 年制より高度な技術・豊富な知識だけでなく、コミュニケー
ション能力も上回っていることが求められる。
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私達6年制が卒業し、実際に現場に出た時、周囲からは4年制卒より優れている所が
あるだろうと大きな期待を持たれるのではないだろうか。それが私には大きなプレッシ
ャーであると共に、6年制第一期生としてここで期待に応え、6年制の意義を証明した
いというやる気にもなっている。
気がつくともう3学年になり、折り返し地点にさしかかろうとしている。この学年ま
でくると全科目が専門分野になり、また実習では実際用いられている医薬品を使っての
計量や調剤など、より実践に近づき薬学部であることを一番実感している。
医療現場では現在、『チーム医療』ということで、医師・看護師・薬剤師などの様々
な職種の人達が立場関係なく連携する形になっている。そのことから自身の職種につい
てだけでなく、協調していく上で他の職種についての知識も少なからず必要である。本
学は総合大学であるため他学部との連携により、福祉系・経営などを学ぶことができる
という大きな利点がある。ここで学んだことが将来チーム医療に参加する上で大きな武
器になるだろう。しかし、授業が始まり、チーム医療についての話を聞いた時に驚きと
ショックを受けた。現在、チーム医療という言葉をよく耳にするが実際はまだ浸透して
おらず、行っているのはほんのわずかであるとのこと。また、薬-薬連携が一番できて
いないとも聞いたことがある。医療現場のつながりが悪いのでは医療の向上は難しいの
ではないだろうか。連携を改善していくという新しい試みを6年制が中心となって行っ
ていかなければならないと思う。
薬と言ったら薬剤師が一番豊富な知識を持ち、医療スタッフの中で一番プロフェッシ
ョナルであるので、薬に関しては医師や看護師などの他の医療人に勝り、助言や間違い
を訂正できなければいけない。医療人だけでなく、患者さんや社会から薬=薬剤師とい
う認識が強いことから、薬剤師の重要性が感じられる。周りからの期待に応えられるよ
うに、学ぶことを怠ってはいけないと身にしみて感じている。これらのことから、薬は
薬剤師の武器ともいえるのではないだろうか。
しかし、薬剤師の調剤ひとつでヒトに有効なクスリともなるが、毒というリスクとな
ることを忘れてはいけない。常に緊張感と責任感を持って職を全うしていく必要がある。
ダイエットに関しては常に注目の的となっているが、最近ではメタボが注目をあびて
いる。薬剤師としてこれらのことを一番相談される機会が多いのは薬局ではないだろう
か。その時、その情報のこういったところが間違っているからこうするべきであるなど
の指摘や的確なアドバイスができるか否かでその薬剤師に対する信頼が変わる。常に巷
で何が注目されているのか、それに対しての意見・知識を持っている必要がある。
現在では、昔のように出された薬をただ飲むだけでなく、薬についての知識を持って
いる方が増えていると思う。それだけ薬の注目度が高まっていることを示しているので
はないだろうか。このことから今後の薬剤師は患者さんのどのような質問にも答えられ
るように、より分かりやすい説明力と知識が必要である。また、無愛想でただ与えられ
た業務をこなす機械のような人ではなく、親しみを持ってもらえるように心掛けるべき
ではないだろうか。一度訪れて嫌な思いをしたなら二度と足を運ばないだろう。特に薬
局や調剤薬局ではこのようなコミュニケーション力が大切であると思う。地方であれば
ある程その地域の住民との関係が深いので、私のような将来薬局を経営したいという夢
を持つ者にとっては重要なことである。しかし、私はコミュニケーションを取ることが
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少し苦手で、現在オープンキャンパスのスタッフとして多くの高校生や保護者の方と接
する中で克服しようと心掛けている。まだ、人前では緊張してしまうが、以前に比べ少
しずつ克服できていると思うので、この調子で在学中に克服できるように努めていきた
い。
私は将来地元で薬局を経営することで育ってきた村に貢献したいというのが夢であ
り、それに向けて日々努力をしてきた。しかし、3学年に進級した頃にその夢を実現す
ることができるのか、夢のままで終わってしまうのではないかと不安になり、それを引
きずったまま大学生活を送っていた。そんなある日、先生に私の夢を話す機会があり、
その中で良きアドバイスをいただいた。これをきっかけにまた頑張ろうと言う気持ちが
持て、またそのアドバイスを活かして夢を現実のものとしていきたいという意欲にもな
った。先生と知り合うということがとても大切であると改めて知った。これからも将来
に向けて多くの情報を得ていきたい。
私の好きな言葉である『良い薬剤師である前に良い人であれ』から自分なりにこの言
葉がどういった人を現しているのかを考え、そのことを常に念頭におき、これからも勉
学に励んでいきたいと思う。
PC2006-068
毛塚
綾乃
社会が医療人としての薬剤師に求めていることは、薬を扱うプロとして、また人間と
して「信頼できる薬剤師であること」だと考えています。
これに応えられる薬剤師は、まず薬のプロとして日々進歩している医薬品の情報をいち
早くキャッチし、理解してそれを適正に使用できる薬剤師でなければなりません。また、
人間として患者さんの身体の痛みだけではなく、心の痛みや不安、疑問を読み取り、そ
れを少しでも取り除いてあげられる薬剤師でなければなりません。
この2つの薬剤師像を自分の中に取り入れ、将来これを実現するために残りの3年間
自分自身をどのように変えていくべきか考えました。
まず、世界レベルで進歩している医薬品の情報をいち早く取り入れるために英語は必
須になってきます。しかし私は英語があまり得意ではなく、苦手意識からなかなか英語
を勉強しようという気持ちになることができませんでした。また、機械も苦手なので世
界の情報の収集源であるインターネットの活用の仕方も理解しようとしていませんで
した。両方とも苦手意識から拒絶反応を起こし自分から歩み寄ることができないでいる
ので、まずはその苦手意識を消していきたいと考えています。これは日常生活のいろい
ろな場面で問題になることだと思うので、新しい取り組みは「できないかも」などと考
えずまずは行動に移すようにし、今まで苦手だと思っていたことには積極的にぶつかっ
ていけるような努力をして知識や経験の豊かな人間になりたいと思っています。
また、新しく出てきた医薬品をきちんと理解し適正に使用するためには従来の医薬品
はもちろんのこと、もっと基礎的な薬理学や薬物動態学といった薬学をしっかり理解し
て頭の中で整理されていなければなりません。今の私は各分野がそれぞれ個別でただ頭
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の中に詰め込まれているだけで、学習内容を思い出すとき頭の中のどの引き出しにしま
ったかわからず最初から覚え直しという学習方法をしていました。しかしこれからは今
まで学習した内容をきちんと関連付けて整理し、これから学習する内容もコツコツ整理
された引き出しの中に入れられるような理解しながら暗記する学習方法に変えていき
たいと思っています。
患者さんの心の中の不安や疑問に感じたことを読み取れるようになるためには、まず
患者さんは自分の病気を知りどう感じているのか、薬のことをどう思っているのかなど
患者さんの気持ち・考えを少しでも知っておく必要があると考えています。そのために
現場に出る前のこの3年間の間でこれまであまり多く読んでこなかった患者さんが綴
った本やテレビのドキュメンタリーなどをできるだけ多く見て患者さんの思いを理解
し、将来目の前にいる患者さんと向き合ったときにその患者さんが何を思い、感じてい
るのかを計り取れる、また気配りのできる人間になっていたいと思っています。
次にその不安や疑問をうまく取り除けるようになるために、身につけなければならな
いのがずっと言われ続けているコミュニケーション能力です。現場に出て接する人は今
のように同年代の人ばかりではなく、子供や高齢者の方のほうが多いのでそれぞれに合
った接し方をして親しみを持ってもらうことで、患者さんの不安などを取り除くことが
できるのではないかと考えています。患者さん一人一人に合った接し方ができるように
なるために、今年の夏から飲食店のアルバイトを始めました。そのお店は年齢層が高く
家族連れも多いためいろいろ年代の方と触れ合う機会を持つことができるので、これを
機にコミュニケーション能力を延ばしお客さんそれぞれに合った接し方を身につけて
いきたいと思っています。同時に接客業は笑顔と心配りが基本だと聞いたので、患者さ
んを安心させることができるような柔らかな笑顔と女性らしい心配りも身につけてこ
ようと思います。
最後に私はこの課題を通して気付いたことがありました。
私はこれまで漠然と薬剤師になるという考えしか持っておらず、具体的に薬剤師の中
でもどんな職種に就きたいかなどあまり考えてきませんでした。どんな職種があるのか
調べる機会も設けた回数は数えるほどです。自分が就こうと思っている職業にそこまで
の興味を示していなかったとさえ感じます。そのため必要だと思っていることでも「あ
とででもいい」と投げ出し積極的に取り組もうとしてこなかった、意見も曖昧な意見し
か持てなかったのだと、この課題に取り組んでいるうちに気付きました。学生生活残り
の3年間を充実して過ごせるように、まず自分が就こうとしている薬剤師という職業に
対してどんな考えを持っているのか自分を見つめ直し、そこから具体的な目標を見つけ
出してその目標に向かって必要だと思ったことには積極的に取り組んでいける姿勢を
持てるような自分に変えていきたいです。また城西国際大学の中だけでなく、いろいろ
な大学の薬学生あるいは他の医療関係の学生と意見や情報交換できる場にも積極的に
参加し、しっかりした意見を持ってそれを交換し新たな考えを自分の中に取り入れられ
る、そんな自分に変えていきたいと思います。
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PC2006-116
小平
夏実
現在日本の薬剤師数は 24 万 1369 人(2004 年)で、社会的に見ても薬剤師の最低限
の需要は満たされているように思える。しかし、今後薬剤師の数はさらに増えていく傾
向にあり、もはや医師の処方箋に従って薬剤を調剤するだけの同じような薬剤師は必要
とされない。社会に貢献できる薬剤師とは、従来の仕事に加え、それぞれの専門分野の
専門的な知識・感性で問題に対処できる個性のある薬剤師であると考えている。例えば、
患者様の様々な疾患に対して専門的に診察する専門医がいるように、病院薬剤師の中で
も専門薬剤師の重要性が高まっていると思う。私は病院薬剤師に興味があり、その中で
もがん専門薬剤師や感染制御専門薬剤師などの、何か特定の分野の投薬のスペシャリス
トになりたいと考えています。病院で働く薬剤師になるためには、チーム医療の一員と
して医学用語を使って医師や看護師など他の医療従事者とコミュニケーションをとる
必要があるし、専門用語を使わずに分かりやすい服薬指導を通して患者様と的確なコミ
ュニケーションをとる必要がある。そのためには相互の信頼関係を築くことが第一であ
る。薬剤師の担う仕事はもはや調剤室にとどまらず広範囲に広がり、患者様と直接的に
接する機会が多くなった。そこで“患者様にとって本当に必要とされる薬剤師”とは、
病気や治療に対する不安感や悩みを親身になって聞いてくれる薬剤師、自分の病気に関
する正しい情報を提供してくれる信頼できる薬剤師であると考える。患者様の心情をあ
りのままに受け入れながら病気の背景にある患者様の生活習慣などを理解し、患者様の
立場になって服薬指導をすることが必要である。そして、高齢者が多い現代、薬を決ま
った時間に決められた量だけ適切に服用してもらうことは深い信頼関係があってから
こそ成立すると思う。また、特に病院薬剤師には生命倫理に関する認識が求められる。
現代は、医療技術のめざましい進歩に伴い、インフォームド・コンセント、延命治療、
尊厳死などの生命倫理の問題があり、新たな医療技術を採用する上でのリスクを患者様
に十分に説明し、患者様の自己決定権を尊重して治療に当たらなければならない。その
ためには、医療人から患者様への一方通行の情報提供ではなく、双方向のコミュニケー
ションを図りつつ、患者様のニーズに応じた必要な情報や技術を提供し、患者様自身の
自己決定権の行使を手助けする役割を果たすことが必要である。最近では患者様のDN
Aを解析して一人一人の患者様にあった薬の種類・量を設定して副作用を未然に防ぐオ
ーダーメード医療が進んでいる。また、血中治療域の小さな薬剤はTDMを行って血中
濃度をコントロールすることも必要である。これらのことは病院薬剤師が大きく関わっ
ていける分野であり、薬学部が 6 年制に移行したことからも、社会がそのような薬剤師
を求めていることが分かる。臨床で薬剤師としての視点で患者様にとって最適な治療方
法を提案し、薬物治療計画に参加できる薬剤師が求められていると考えられる。そのた
めには薬剤師としての専門知識を幅広く身につけ、医師や看護師への薬の効能や副作用
についての情報提供や患者様に適した薬の選択、使用方法に関するアドバイスなど患者
様の QOL を満たすことのできる素質を備えた薬剤師の役割は大きいと思う。
このように薬剤師としての責任感やコミュニケーション力、高い倫理観などを身につ
けた医療人として質の高い薬剤師が求められている。今後は、患者様の相談に応じる薬
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剤師になれるように常に問題意識を持ち、疑問に感じたことは書籍・インターネットな
どの情報ツールを活用して調べる習慣をつけていく必要がある。それは、医療技術や医
薬品、病気、健康食品や福祉などの幅広い情報を吸収し疑問を解決することで、新たな
問題に直面したときに柔軟に対処できる力が身につけられると考えるからである。また、
薬剤の相互作用による重篤な副作用を未然に防ぐためにも、薬の相互作用に対するきち
んとした知識、正しい情報の判断ができるように日々の学習に対しても自分から興味を
持って意欲的に取り組んでいきたいです。そして、薬の作用を理解するには基礎的な知
識が土台になっているので、今まで学習したことを繰り返し復習し知識を統合させてこ
れからのより高度な専門科目に取り組み、実際に臨床で対応できるような応用力をつけ
ていきたいです。そのために、普段の講義以外の活動にも積極的に参加し、グループデ
ィスカッションを通して意見を交わし合う習慣を身につけ、臨床現場で役立つコミュニ
ケーション力、問題解決力のスキルを向上させ、また、医療人としての質の高い人間性
を形成していきたいと考えています。その一つとして昨年は大学祭で研究成果を発表し
たり、今年はハーブプロジェクト、薬学未来講座で活動しています。このように在学中
に自分の興味のあることに積極的に取り組んで得意な分野や自分にあった分野を発見
していきたいです。また、人の命にかかわる仕事、薬物治療の責任者であるという自覚
と責任感をより一層高め、何でも相談できる身近な薬のスペシャリストを目指して、こ
れからも充実した学生生活を送りたいです。
PC2007-144
石川
雄生
今日の社会は(超)高齢化社会、少子化社会と呼ばれ社会的弱者が年々増加しています。
特に高齢化が進み医療、福祉の充実が求められています。また、先端医療は次のときに
はすでに過去の医療となり、チーム医療が始まり、コンビニで医薬品が売られるように
なり、ジェネリック医薬品が出回るようになったりと、医療の社会はここ数年で劇的な
転換を迎えています。このような社会的背景の中で私たち薬剤師を目指すものはどのよ
うに大学生活をおくればよいでしょうか。
医療が充実したために高齢化が進みさらには少子化により次世代の労働者が減る。し
まいには高齢者ばかりの日本になりそうですが、社会がどうなろうと薬剤師はそれに適
応しなければなりません。では、これから続々と増えていく高齢者にはどのように薬剤
師は接していけばよいでしょうか。
高齢者は病気のリスクが高まるため治療はもちろん必要ですが、やはり予防し、病気
を未然に防いだ方がいいに決まっています。そこで求められてきているのが福祉の充実
です。
福祉は看護師、ヘルパーに任せて薬剤師は医師に処方された薬を調剤していればいい
というかもしれませんが、そんな薬剤師はこれから切り捨てられていくと思います。も
ちろん、薬剤師の立場上看護師、ヘルパーが行うような体に触れる、介護は越権行為で
す。しかし実際体に触れられない薬剤師はどうでしょうか?コミュニケーションはとれ
- 139 -
るでしょうか?
薬剤師は、患者さんから情報を聞き出し医師の処方にもとづいて調剤します。少ない
情報からいかにリスクを回避するのか、もっと患者さんによい薬はないのかと創意工夫
するのが薬剤師の技量だと私は考えています。
しかし、高齢化社会が進むに伴って病院、薬局から足が遠のいてしまう方が増えてく
ると思われます。そのため在宅の薬剤師が必要になります。在宅の薬剤師の場合、ベッ
ドサイドでコミュニケーションをとるわけですが、患者さんがほとんど家の外に出られ
ないためストレスがたまっていたり、痴呆がはじまっていたりと環境がまた別のものに
なっていると思います。それにもかかわらず、薬局や病院のカウンター越しのような態
度ではコミュニケーションがうまく取れるとは思えません。少なくとも今の私には重篤
になりうるような患者さんの気が立っていたり、まったく話そうともしてくれなかった
ら話術だけで情報を聞き出すだなんて難しいとしか思えません。
そんな患者さん相手でもきちんと聞き出せるのが理想だとは思いますが、私たちはプ
ロの薬剤師になるわけです。ミスをしないのがプロなのですから、そのための努力は惜
しんではいけないと思います。そのため、私はもっと介護職の仕事に興味を持ち、取り
入れていくべきだと思います。体に触れるだけでコミュニケーションはより一層取りや
すくなるものだと考えるからです。
私の知人には看護師と薬剤師両方の資格を持っている人もいますが、そこまでしなく
ともホームヘルパー2級ならば 130 時間で取れます。これだけの時間でコミュニケー
ションの幅が広がり患者さんのリスクを減らせるならば安いものではないでしょうか。
一方、ベッドサイドでコミュニケーションをとり情報を引き出したあと、私たちはそ
の情報の中で最もいい方法を取捨選択しなくてはなりません。患者さんの生の声、看護
師、医師など患者さんを取り囲む医療従事者の意見をもとに業務を遂行します。ここで
チーム医療の必要性が出てきます。患者さん本人とのコミュニケーションも必要ですが、
取り囲む人たちとのコミュニケーションも必要なのです。
アメリカやヨーロッパ諸国では薬剤師はとても尊敬をされ、信頼されています。特に
アメリカでは聖職者や医師を差し置いて信頼のできる職業1位を長年占めています。そ
の理由は患者を第一に考え、職業倫理に基づく使命感を持っているからといわれていま
す。
そして、驚くことにアメリカでは薬剤師が処方箋を書いています。しかも、日本で言
う薬学部の学生も最終的に先生の許可が出ればかけるとのことで、薬剤師の地位の高さ
がうかがえます。
また、ヨーロッパでは中世の時代に伝染病が蔓延し内科医などが逃げる一方で、現地
に残り患者と共に伝染病と戦ったとされています。
薬剤師の地位向上を謳うのもいいですが、このように患者のために常に努力する姿勢
がなければ認められるものも認められないし、そのために困るのは最終的には患者さん
ではないだろうかと思います。
法律や、医療がどんなに進んでもそれを使う私たちの心がけが変わらなくては何も変
わらないのです。人間の心が環境についていけていない状態では、良くなるものも良く
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ならないと思います。
私たちは努力しなければなりません。そして、努力し身につけた知識や技能は決して
私利私欲のために使うものではなく社会にお返しし、病気の治療並びに予防のために社
会貢献しなければなりません。私たちを薬剤師にするためにたくさんの税金が使われて
いるからです。国民からの援助あってやっと薬剤師になれるのだと思います。すべては
患者さんの、必要とする人たちのために。努力を惜しまない精神を大学で学ぶことが大
事だと思います。
PC2007-057
加瀬
愛
「医療人としての薬剤師」の活躍の場は、とても広がってきている。その中でも私は
最近、特に高齢者医療・在宅医療を中心とした地域医療の大切さを実感するようになっ
た。医療技術の進歩や生活の質の向上に伴い、急速に高齢化の進む日本。またそれとは
対照的に少子化の進む日本。相対的に考えれば、高齢者を支えていくべき人の数が減っ
ていくことは間違いない。そこに生きる私たちが、薬剤師になった時に社会のためにで
きることは何か。そのひとつに高齢者のための医療があると思う。
私の住む地域には、県内有数の大きな病院がある。近隣地域の人はもちろん、遠くか
らの患者も少なくない。しかしその一方で、私にとっても身近な存在であった市立病院
の運営休止が決まった。何百人という数の患者が、一瞬にして行き場をなくした。その
中で、これからどうしていいのかわからずにただ困り果てる老夫婦の辛い思いを耳にし、
こんなにも近くに医療を必要としていながら、近くに病院がなく、行く事すらできない
人がいるのだということを、改めて強く感じた。優秀な医療スタッフのもとで、最先端
の医療を受け、病気の治療に専念できる人もいる。しかしその陰には、このような現状
があるということを決して忘れてはいけないのだと思った。また、できることなら、自
宅でいつも家族の笑顔に囲まれながらの治療を望むという人もたくさんいるという事
も知った。だからこそ私は、この先、高齢者医療・在宅医療中心の地域医療に貢献でき
る薬剤師の存在が、必要となってくると考えている。薬剤師が地域の人にとって、これ
まで以上にもっともっと身近な存在となること。一人ひとりの患者さんに対して、温か
い心を持って接し、親身になって話を聞いたり、時には励ましたり、相手に安心感や心
のゆとりを与えられるような存在になること。これは、私が目指す薬剤師であり、みん
なが望む、社会が求める薬剤師像のひとつでもあると思う。
今「医療人としての薬剤師」に求められていること、それは、病院での調剤や服薬指
導をはじめとし、医師や看護師とともにチーム医療を担う一員としての薬剤師、また福
祉・栄養関連、医薬品開発、医薬品情報担当者などの幅広い分野において、自分の持っ
ている能力を十分に発揮し、医療の現場において“薬の専門家”として、それぞれの分
野における専門家との繋がりを強め、互いに協力し合い、できるだけ多くの情報の交換
を通して、患者を中心としたよりよい医療の実現を目指すことである、と私は思う。医
療現場では、各分野の専門家の考える治療方針や考えを、お互いが理解しておかなけれ
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ばならない。そのためには、薬に関する知識の他にも、幅広い分野における専門的な知
識や技能を習得することが必要となる。普段の講義や実習でたくさんの事に興味関心を
持ち、自分の持つ好奇心旺盛な性格を最大限に生かして、自己学習を通し色々なことを
学び、吸収していきたいと思う。さらに、ひとつでも何か自分の強みとなるものを見つ
け、それを磨いていきたい。また、頭の中だけでの理解では、臨床の現場において予想
もしていなかったという事もたくさん出てくると思う。そのため、その場面ごとにどれ
だけ素早い判断で適応できるかが大切となる。それを理解したうえで、臨床の現場で壁
にぶつかった時、自己で解決策を見つけていく実践的な方法論・考え方の柔軟性を実習
やグループワークの中で養っていきたいと思う。また、薬剤師には患者さんに薬をきち
んと服用してもらえるように説明する義務がある。自分が学んだことをわかりやすい言
葉で、きちんと伝え理解してもらえるような説明ができるようになることが必要となる。
だからこそ日頃から、将来の臨床現場でのこと見据え、ただ覚えるのではなく“自分で
考え理解する”ということを心掛け実践していきたい。そして、医療人としての薬剤師
には知識や能力の習得だけではなく、その人自身の人間性もとても大切に考えられてい
る。私たちは、この6年間の学生生活の中で、薬剤師という仕事が、人の人生、時には
命と向き合う・命に寄り添う仕事であるということを十分理解し、日頃から命の大切さ
を思い生活していく必要があると思う。また、家族や友達、先輩、後輩、先生など周り
の人とのコミュニケーションを通して、ひとりの人としての成長を目指していきたい。
これからは、きちんと自分を理解し、素直な心を持つこと・一つひとつの行動や発言に
きちんと責任を持つこと・常に相手への思いやりの気持ちを忘れないこと・心の通った
温かい人間関係を築いていくこと、そして人のいいところをたくさん見つけられる、み
んなに元気を与えられる、そんな人間になれるように努力していきたいと思う。
私が高校生の頃に読んだ「あきらめない」という本の一節に「現代医療は病気だけを
診ていて、私という患者を診ないんですね。私のなかにおけるガンを診ていて、私とい
う人間を診ていない・・」という言葉があった。すごく悲しい事だけれど、これが現代
医療の問題点のひとつであることは確かかもしれない。薬剤師には医療スタッフの一員
として、こんな風に思う患者さんを、少しでも減らすという義務と責任があるはずだ。
私は薬剤師として働くことを通して、自分の考える、心の通い合った真の医療の実現を
目指していきたいと思っている。そのために今は、支えてくれるすべての人への感謝の
気持ちを忘れず、同じ夢を持つ仲間であり最高のライバルと共に日々努力し、どんな困
難にも絶対に負けない強い心を育て、一歩ずつ確実に、自分の目指す薬剤師への道を歩
んでいきたい。
PC2007-162
清和
英里子
今、医療制度は刻々と変化を遂げている。薬学部も医学部、歯学部同様に六年制教育
となり、まさに「薬学新時代の幕開け」と称されるまでになった。法的にも社会的にも
薬剤師の医療における需要が明確になってきた。病院、製薬会社などの企業、ドラック
- 142 -
ストアなど多方面で多くの薬剤師が活躍している。医薬分業が定着し、病院で処方箋を
もらい、調剤薬局にて薬を受け取るスタイルは今や当然となった。ほんの十数年前と比
べても薬剤師の役割は変化しているし、これからも変わっていくだろう。今、社会が求
めている「薬剤師」の姿とはどんなものだろうか。
薬剤師が医療人として目指すべき目標のひとつに、「患者のQOLの向上」があると
思う。そのために求められるのが「コミュニケーション能力」だろう。これからは薬剤
師が患者と関わる機会も増えていく。患者の話しを上手に聞くことで、そこから彼らの
不安を取り去ったり、症状の発生の予防をすることができるかもしれない。患者の立場
に立ち、同じ目線で考えられることが重要だと思う。後期高齢化が進む今、高齢者の患
者はこれからますます増えるだろう。高齢患者に対する対応は特に気をつけなければい
けない。こちら側の説明が確実に伝わっているのかどうか、など細やかな注意が大切で
あるし、より親切な対応が必要だ。例えば、薬の服用量の間違いや飲み忘れを防ぐため
に、一日に服用する薬を一包化するなどの工夫も必要だろう。ただ単に調剤業務だけを
こなす薬剤師ではなく、会話のやりとりから患者の様子を察知し、臨機応変に対応でき
ることが求められているだろう。患者への気配りを忘れず、信頼関係を築くことができ
れば「かかりつけ薬局」のような存在になれる。地域に根ざしているかかりつけ薬局に
は安心を感じられる。患者との距離が近い存在であることが大切だろう。
コミュニケーションが患者との間に重要なのはもちろんであるが、医師をはじめとす
る医療スタッフとの間でも必要不可欠だろう。チーム医療が注目される今、医療スタッ
フが連携し患者を受け持ち、薬物治療を行えることが理想だと思う。チーム医療はそれ
ぞれの専門を生かし、みんなで知恵を合わせることができる。相手の仕事に敬意と理解
を示し、相互理解のもと治療を行うことができれば、より良い医療サービスを患者に提
供できる。そのためにも、薬剤師としての基本業務だけでなく、より得意な専門領域を
もつことも大切かもしれない。
また、コンピュータの普及が進む今、インターネットで簡単に情報を入手できる。患
者はそれにより、病気の名前や症状、もちろん薬に関することも知ることが可能となっ
た。自分の病気について徹底的に調べあげる患者も少なくないだろう。薬剤師は彼らの
質問に答えるためにもより深い専門性が必要になってくる。膨大な量の情報をすべて正
確に暗記しなければいけない。万が一、「分らない」と答えたら患者の不安は高まって
しまう。薬剤師である以上、薬のプロフェッショナルとしての役割を果たさなければい
けないと思う。
このように求められる薬剤師の姿を述べたが、自分が薬剤師になるために必要な心構
えはいくつもある。まずは自分で学習を続けるということだ。薬剤師は現場に出る前も
出てからも学ぶ努力を続けなければいけない。それによって、より自信を持って仕事を
遂行できる。自ら学んで得た知識は財産であるし、自分自身のキャリアアップにつなが
る。常に学び続ける姿勢を大事にしたい。
また、リーダーシップをとることも必要だ。これからは薬剤師も臨床の場に出ていく
だろうし、チーム医療においても発言していかなければならない。リーダーシップをと
るためには、良い聞き手であることが重要だと思う。周囲の意見に耳を傾け反映できる
人こそリーダーだと思う。学生生活の中でも授業でグループ討論を行う機会がある。そ
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れはこれから社会に出ていこうとしている私たちにとって、非常に意義のあることだと
思う。授業を通して、聞く能力、まとめる能力、そしてプレゼンテーション能力を高め
られるようにしたい。
そして、最も大切だと思うことは、「医療人としての自覚」を持つことである。医療
への貢献を自らの問題だと認識し生活したい。医療人たる態度、医療人たる服装、医療
人たる心構え、……挙げればきりがないが、この意識こそが大事であると思う。薬学生
であることに誇りを持ち行動したい。命の重さ、尊さ、を痛感している医療者だからこ
そ、日々の生活を大事に生きていけると思う。感謝の気持ちを常にもって行動したい。
これからは、医療供給側が主体な医療ではなく、医療受給側が主体な医療とならなけ
ればいけない。そのために薬剤師も、いかに患者の QOL の質を高められるか、自ら考
えていく必要があると思う。患者に慕われ、信頼される薬剤師になるために、今の学生
生活に励み、多くのことを吸収していきたい。
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