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成人学習の基礎を 身に付ける

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成人学習の基礎を 身に付ける
研修医教育の展望 ることを求められます。専門教育
た医療従事者は常に勉強し続け
研修医だけでなく医師を含め
う か 、と 思 い を 馳 せ ま す 。感 染 症
か、投与すべき抗生剤はどれだろ
だろうか、原因微生物は何だろう
1.永遠の医学生としての医師
医師は、医学部を卒業したとき
診療は非常に奥が深く、それ故に
られます。
課程を修了しても、臨床実地で経
に つ け て い き ま す 。例 え ば 、医 療
感染症の基礎知識を習得するた
か ら 、自 分 が「 永 遠 の 学 生 」で あ
ザイクが永遠に未完成であるこ
従事者が学会で発表する、研究会
めに、
京 都 に ある 洛 和 会 音 羽 病 院
奥深い議論には基礎知識が求め
と を 知 っ て い る 。こ の 自 覚 は 、医
に参加するのは常に自己研鑽が
感染症科医長青島先生をお招きし
験を積みながら知識と技術を身
師を興奮させると同時に不安に
必要であるからです。特に研修医
て2014年
り、その知識と経験が織りなすモ
する。前者の感覚は患者に応用で
は、目の前の患者さんを診療する
月に第一回感染症
きる知識を増やし続けることに
由 来 し て お り 、後 者 の 感 覚 は 、自
ます。
上で、たくさんの疑問を抱えてい
した。青 島 先 生は研 修 医 教 育で有
セミナー
(通称青島塾)
を開催しま
アテンディング
(最も教育的な活動
名な音羽病院の”
2012年ベスト・
2.
第一回青島塾
をした指導医に贈られる賞)を獲
“
得した、
大変教え上手な先生です。
ことのすべてを学び尽くせない
怒涛の反復を繰り返し、正しい
ことに由来している。医師に出来
るのはただ、後者の感覚をエネル
講 義 形 式は参 加型で、まるで小
規 模 学 習 塾の よ う な 様 相 で し た 。
知識を記憶する努力が必要
ための原動力とし、医師としての
は、医師であることと不可分な関
多 い 。し か し 、生 涯 学 習 へ の 努 力
い臨床家には困難であることが
ら れ た 義 務 で あ る 。こ れ は 、忙 し
い知識を得ることは医師に課せ
インターネットを利用して新し
講 習 会 に 出 席 し 、同 僚 に 相 談 し 、
る。この点で、文献を読み、学会や
も救急でも入院中でも患者さん
題は感染症についてです。外来で
研修医が最も多く遭遇する問
れなければいけません。
に合わせた学習が適切に提供さ
合った学習が、研修医には研修医
識 が 必 要 で す 。学 生 に は 学 生 に
は、基礎体力ともいうべき基礎知
病棟・外来で能力を発揮するに
に反復練習を徹底して行うことが
陰山先生の
「陰山メソッド」
のよう
市土堂小学校で校長をされていた
す。
さらに何度も印刷すれば、
尾道
とに、どんどん 枠 を 埋めていき ま
青島先生との軽妙なやりとりをも
、第 1 選 択 で あ る も の を ◎ 、と
×
順々に 埋めていき ま す 。研 修 医 と
書 かれ、絶 対に 効 果 がないものを
剤の名前、
横に細菌の種類・名前が
「百ます 計 算 」
のように、縦に抗 生
係 に あ り 、最 優 先 事 項 な の で あ
に発熱があれば、原因は感染症だ
可能性を実現することだけであ
る。
版)
可 能 で す 。ま た 、横 軸 の 細 菌 の 種
(西伊豆病院院長 仲田和正先生)
ギーに変えて自分を向上させる
あるいは知っておく必要がある
分が知りたいと思っていること、
11
ろうか、感染している臓器はどこ
(ハリソン内科学 第
3
おおたしげる
太田 茂
内科 医長
成人学習の基礎を
身に付ける
10
ばら 2015 JANUARY
研修医教育の展望
類・名前は学習者の到達度によって
種類と
変更可能で、
初期研修医であれば
種類、
後期研修医であれば
目 標 を 上 げ て 学 習 を 発 展 さ せるこ
とが可能です。
資料だけではありが
たみ が 伝 わ り に くい 点 が 残 念 で あ
青島塾 板書
ります。
研修医以外にも指導医陣にも多
数ご参加頂きました。アンケートで
は次回講義の内容要望で
「過去は〇
〇という 治療でよかったが、今は ×
に
×変 わっている、といった感 染 症
診療の変化を教えて欲しい」
など、
指
ばら 2015 JANUARY
11
導医の先生からも大きな興 味を
青島塾 スクリーン前が青島先生
12
持 っ て 頂 い て い ま す 。次 回 は
青島塾 資料
22
2015年 月に予定しています。
1
て 力 に な る 」教 育 内 容 を 考 え る 。そ
研 修 医 に と っ て 、「 楽 し い 、そ し
研修医のための勉強会
3.
研修医による
ツはARCSモデルで示されていま
ほど学習効率が上がります。
そのコ
習時間でも、
学習者が能動的である
なることを目指しています。
同じ学
実 際 に 診 療 す る 際 に 役 立つ内 容 に
うな網羅的な講義は避け、
研修医が
勉 強 会 前 に 振 り 返 り・省 察 を 行
にしています。
づき、
経 験、
省 察、
実行を繰り返す形
Colbの学習サイクルに基
こと 。
な問題に対処したときに応用できる
さい。
また、
ポイントは次回同じよう
が 目 標 で 、生 涯 学 習 の 習 慣 を 身 に
修医の経験が次に活かされること
「 実 践 知 」と し て 定 着 さ せ ま す 。研
り 、新 し い 状 況 に 適 応・応 用 可 能 な
化・言 語 化 を 促 す 」こ と が 可 能 に な
Confidence やればできそう
Satisfaction やってよかった
・Helicobacter pylori除菌はどうやる?
つけることが可能になります。
の た め に は 彼 ら が 主 役 で 、教 え る
魅力的なタイトルの勉強会
う こ と で「 教 訓 を 引 き 出 す 」「 概 念
The ARCS Model Approach. John M. Keller)
す。
みなさんも参考にしてみてくだ
(ARCSモデル Motivational Design for Learning and Performance:
側 は 補 佐 役 に 回 る 。大 枠 の 学 習 コ
・決戦は金曜日!
ンテンツはこちらが握るが議論の
・イレウスどうする?
自由度は損ねず、
柔軟に対応する。
・本当は怖い内科系当直
(『志水太郎の愛され指導医に
・神石高原町での腹痛
なろうぜ』
志水太郎)
日本プライマリ・ケア連合学会 指導医養成講習会資料より
この 会 は 私 が 赴 任 す る 前 か ら 毎
・ホントに怖い背部痛や心窩部痛
週 火 曜 日 に 行 わ れ ている 勉 強 会 で
・咳がとまらない
す 。あ く まで、研 修 医 が 診 療 し 困 難
Relevance やりがい(明日から使えそう)
に感じたケースを扱い、
教科書のよ
Attention やったらおもしろそう
12
ばら 2015 JANUARY
研修医教育の展望
4.
研修医による
ポートしています。
治 療 法 に な る こ と が 多 く 、研 修 医
ジャーナルクラブ」
、「年に一度のワーク
「定期的な雑誌レビュー」
、「月に一度の
討 し て い ま す 。皆 が ほ ぼ 同 じ レ ベ
解 釈 し 、批 判 的 吟 味 を 行 い 、皆 で 検
関心に基づいて医学論文を選び、
医の抄読会では担当する研修医の
退 屈 な 思 い を し て い ま し た 。研 修
行 け ず 、そ も そ も 関 心 が な い た め
ろ う か 」と い っ た 臨 床 医 が 感 じ た
の 場 合 、考 え る べ き 疾 患 は な ん だ
リ チ ン( 血 液 検 査 項 目 )が 異 常 高 値
き る の か 、除 外 で き る の か 」「 フ ェ
腎炎を造影CTでどれだけ診断で
疑 問 を 浮 か べ て い ま す 。「 急 性 腎 盂
臨床医は診療を行う度に様々な
い浮かべていると報告していま
(
参考文献
は8個の要素を上げています。
1
regarding patient care
BMJ 1999;319:358‒61
questions asked by family doctors
1 ) Ely JW et al. Analysis of
※
す 。一 方 、臨 床 上 の 疑 問 解 決 に 費 や
て い ま す( ※ )。つ ま り 、多 く の 臨
床上の疑問は残念ながら放置され
すことが出来る時間は2 分とされ
を理解した上での
た、 ITT analysis
高 度 な 質 問 が 浴 び せ ら れ ま す 。質
てしまっているのです。
研 修 医 か ら「 m o d i fi e d I T T
っ て 何 で す か ? 」と い っ
analysis
道具を役に立てず、
腰に納めて
問を聞けばその人のレベルが分か
なぜ、
医師は2分しか疑問解決に
研修医のための抄読会
死すること、
本意にあるべからず
る 、と 言 い ま す が 批 判 的 吟 味 の レ
費 や す こ と が で き な いの で し ょ う
(
『五輪書』
、
宮本武蔵)
ベ ル は 非 常 に 高 く 、誇 る べ き 物 と
か。
その原因を分析した質的研究で
EBMのさまざまな側面を、
以下
5.
浮かんだ疑問の解決
考えています。
医師は抄読会というものを行い
ま す 。医 学 論 文 を 皆 で 読 ん で 、知 識
を 共 有 し 合 う 会 で す 。「 研 修 医 に よ
ン ト で す 。多 く の 病 院・専 門 各 科 で
のような標語にしている。「その場の
る 研 修 医 の た め の 」が 大 き な ポ イ
行 わ れ て い ま す が 、専 門 科 内 で の
1分」
、「その日の
分」
、
それに加えて
抄読会はその特殊な病気の特殊な
の診療に明日から役に立つものに
ショップ」
ル で あ る た め 、関 心 は 似 通 っ て お
疑問はどう処理されているので
ワークブック 名郷 直樹)
(ステップアップEBM実践
は な り に く い こ と が 問 題 で す( 最
先端のことを勉強することはもち
ろ ん 必 要 で す が )。私 自 身 も 研 修 医
り救急や感染症関連の話題が多
し ょ う か 。あ る 論 文 で は 、臨 床 医 は
の 頃 は 、最 新 論 文 の 内 容 に つ い て
く 、批 判 的 吟 味 に つ い て は 救 命 救
毎日6〜8個の臨床上の疑問を思
ばら 2015 JANUARY
13
急センターの大熊先生と私でサ
臨床上の疑問解決を阻む要素
5
研修医教育の展望
が、世界最大の医学論文データベー
ス 」、「 情 報 源 で の 検 索 ス キ ル 」で す
例えば、
「医学情報へのアクセ
い た め 、こ の 中 か ら 自 分 の 患 者 さ
の吟味を自分で行わないとならな
る た め 習 熟 に 時 間 が か か り 、内 容
ま す 。一 方 、検 索 の 自 由 度 が 高 過 ぎ
非常に網羅的で広く用いられてい
UpToDate Anywhereを導入し、
いつ で も ど こ で も 患 者 さ ん の 問 題
当院では、
大きくなってしまいます。
が か か り 、学 習 者 の 負 担 が 非 常 に
りに情報が膨大で取捨選択に時間
な く 、自 ら の た め に 、後 輩 の た め に
た研修を受け身で享受するだけで
な く 、内 的 に 萌 芽 す る べ き も の と
習は決して押しつけられる物では
私 の 夢 で あ り 目 標 で す 。教 育 や 学
教育を病院の文化とすることは
年度を目標に
スである MEDLINで
E は約
,300万件の文献が収載され、
2
んの問題を解決することは至難の
をタ イムリ ーに 解 決 で き る よ う 目
と 併 せて 活 用 さ れ るこ と を 期
iPad
待しています。
すぐにアクセス可能
務改善のために貸与されている
ちに解決することができません。
業
で、
病棟で疑問が思い浮かんでも直
UpToDate を 利 用 す る こ と が で
き ま せんでし た 。これでは 、診 察 室
る固 定 されたパソコンだけ しか
指しています。従来の UpToDate
の施設契約では、
図書室や医局にあ
と 、研 修 医 自 ら で ア ン ケ ー ト を 作
ステムを変えるチャンスとみる
のマニュアル作りを始めていま
主 導 で 、救 急 で よ く 出 会 う 感 染 症
な 試 み が 始 ま っ て い ま す 。研 修 医
さ ら に 磨 き 上 げ る と と も に 、新 た
す 。こ れ ま で 伝 統 的 に 行 わ れ て い
的な姿勢を身につけて欲しいので
Ⓡ
な こ と で 、忙 し さ の 要 因(「 時 間 不
成 、集 計 し シ ス テ ム の 提 案 を し て
Ⓡ
6.
病院の文化を
如何にして創るか
思想や文化は云うまでもなく自
主的なものだ。
ひとからもらったものは結局、
思想であるよりもモードにすぎ
ぬ 、思 想 と 文 化 と は 常 に 民 衆 の 自
発的なものであらざるを得ない。
(戸坂潤 昭和時代の思想家)
ろしくお願い申し上げます。
気 持 ち で 、ご 理 解・ご 協 力 の ほ ど よ
スタッフとともに一緒に育てるお
待 下 さ い 。将 来 を 担 う 医 師 を 病 院
す 。研 修 医 の 定 員 が 増 え る た め 、シ
た 研 修 医 に よ る 勉 強 会・抄 読 会 を
更によいシステムを構築する積極
足」
、「他の優先すべき疑問」
)
にも 対
く れ て い ま す 。今 後 の 発 展 に ご 期
Ⓡ
は
されているそうです。 MEDLINE
処することが可能です。
考 え て い ま す 。す で に で き あ が っ
,000〜4
,000件追加
日2
技 で す 。疑 問 ご と に 利 用 す る と 、余
2
0
1
5
(様々なエビデンス源 『病院総合医の臨床能力を鍛える本』
宮下 淳)
1
14
ばら 2015 JANUARY
手術支援ロボット
「ダヴィンチ」
導入と
放射線治療装置更新のお知らせ
当院に
「ダヴィンチSiサージカルシステム」
(米国インテュイティブサージカル社製)
が導入されました。
「ダヴィンチ」
と
は、
術者がコンソールの3Dモニターを見ながらロボットの手術器具を遠隔操作し、
内視鏡手術を行う装置です。
導入状況
国内での導入状況は2014年11月26日現在で170病院、
広島県内では、
広島大学病院、
広島市立広島市民病院が導入済み
であり、
広島県東部では初めての導入となります。
特 長
・遠近感のある鮮明な立体画像、
最高10倍の拡大機能
かんし
・人間の手と同等以上の可動域を持つ鉗子やハサミを使っての手術
・手振れ防止機能による正確な操作
・傷口が小さく、
術中の出血量が少ない
対象手術
保険適用となる前立腺悪性腫瘍手術
今後、
所定のトレーニングを行い、
年度内に初症例の実施を目指します。
放射線治療装置の更新
導入機器
「True Beam STx」
(米国バリアンメディカルシステムズ社製)
当機器の導入状況
国内導入台数は2014年11月19日現在で15台、中国四国地域においては、広島県の高精度放射線治療センター(仮称)
に導入予定です。
特 長
・高線量率での照射により、
治療時間が短縮できる
・高い照射精度と腫瘍の形状に合わせてより細かく照射野を形成することによって、
これまで以上に精密な治療ができる
・呼吸同期機能
(呼吸による臓器の動きを把握して照射する機能)
により、
呼吸制御が困難な症例にも対応できる
・1回の治療で複数箇所の脳定位照射が可能
《 2015年3月に納品、
4月から稼働準備を行い、
11月には本稼働予定です。
》
15
ばら 2015 JANUARY
緩和ケア研修会について
呼吸器外科 科長
吉岡 孝 よしおかたかし
緩和ケア研修会についてご紹介します。がん対策推進基本計画(平成19年)に盛り込まれた「すべてのがん診療に
携わる医師が、研修等により緩和ケアについての基本的な知識を習得する」という目標に沿って、平成20年より全
国で開催されています。全国のがん患者さんが均質な緩和ケアを受けられるよう、全てのがん診療連携拠点病院に
おいて毎年の開催が求められており、
当院でもこれまでに9回開催してきました。
研修は、
「 症状の評価とマネジメントを中心とした緩和ケアのための医師の継続教育プログラム」
( PEACE:
Palliative care Emphasis program on symptom management and Assessment for Continuous medical
Education)
という全国共通のプログラムに沿って行われます。
今年の研修会は11月23日(日)、24日(祝)の両日、当院の医師8名、院外の医師3名、計11名の参加を得て開催されま
した(がん診療連携拠点病院である当院では、がん診療に従事する全ての医師がこの研修会を修了するよう求めら
れています)。緩和ケアに関心のある看護師2名、薬剤師1名にも見学していただきました。進行や指導は、緩和ケアや
精神医療に携わる院内外の医師8名、
緩和ケア認定看護師9名が交代で担当しました。
研修は2日間で合計13時間10分の長丁場です。内容は、身体・精神症状の評価や治療法、医師と患者のコミュニケー
ション、
地域連携等を含む広範なもので、形式も講義やグループワーク、
ロールプレイと多彩です。
講 義
グループワーク
がんに伴う強い痛みに対してオピオイド(医療用麻薬)を使うことがあります。正しい使い方をする限り大きな問
題は起きない薬なのですが、
「麻薬」という言葉に悪いイメージを抱かれる患者さんやご家族もおられ、実際の診療
では使用を拒まれることがあります。この研修会では、医師役・患者役を演じるロールプレイの形で、オピオイドを
開始する場面の模擬面談を行います。患者さんに病状を伝え、オピオイドについての正しい情報や必要性を説明す
るための大切な面談です。
もう一つのロールプレイは、
医師役・患者役になって
「進行がんの告知」
を行う模擬面談で、
相当なエネルギーが求め
られます。
面談は、
正確に事実を伝えることだけが目的ではなく、
患者さんの気持ちや希望に配慮しながら治療を進め
るために非常に重要なものです。
参加者からは、
「他の人に面談場面を見られるのは恥ずかしい」
などの声も聞かれま
すが、
「厳しい説明を受けるがん患者さんの気持ちが理解できた」
といった貴重な経験をする方もおられます。
ロールプレイ
ロールプレイ後のフィードバック
ばら 2015 JANUARY
16
参加者には相当なハードワークですが、研修修了後には「正しい知識が学べた」
「よい経験になった、今後の診療に
生かしたい」といった感想を多くいただいています。来年度からプログラムが一部更新され、より優れたものとなる
予定です。引き続き研修会を開催していきますので、より多くの医療従事者の参加をお待ちしております。
お知らせ
緩和ケア科受診の流れ
緩和ケア電話相談をしていただくことからスタートします。
①
緩和ケア
電話相談
電話相談の方法
福山市民病院
(代表)084-941-5151におかけのうえ、
緩和ケア病棟(内線1701)
に
患者さま、ご家族の方からご連絡下さい。
月曜日~金曜日 10時~16時
(30分枠で対応)
病気の経過・症状・困っていること等をお伺いします。
外来をご希望の方は、この時に予約を取っていただきます。
②
緩和ケア
外来
完全予約制
入院が必要な場合
毎週水曜日 11時~17時
紹介状・検査データ・画像データをお持ち下さい。
外来受診で症状コントロール
される方は、
通院の継続となります。
入退棟判定会議
入院
17
ばら 2015 JANUARY
※緩和ケア病棟への入院は、
患者さまとご家族が共に緩和ケアを理解し、
入院を希望していることが必要です。
ニューオリンズで開催されました。英語
まで、A S A( 米 国 麻 酔 科 学 会 )が
大学大学院に進学しておりまして、
いますが、2013年4月より岡山
私事、ご存知の方もおられると思
18
ばら 2015 JANUARY
米国麻酔科学会(ASA)
麻 酔 科・が んペイ ン ク リニック
いしいけんぞう
参加報告
石井 賢造
が苦手な私としては、
海外の学 会へ参
このデータについて同大学院医歯
科長 加することなど考えたこともなく、
他
薬 学 総 合 研 究 科 麻 酔・蘇 生 学 講 座
んでした。
の先生方の海外学会参加報告をうら
教授の森松博史先生にご相談した
日から 日
やましく 聞いている立 場でしたが、今
と こ ろ 、デ ー タ 解 析 や 結 果 の 評 価 、
月
回、
他の多くの先生方のお力添えもあ
この3名の先生方には感謝申し上
ご協力があってのことですが、特に
ることができたのは、多くの方々の
今 回 の 発 表 を( 一 応 )無 事 に 終 え
した。
この難関を突破することができま
和身中央手術部長のご協力により、
が、現在所属している麻酔科の小野
にとっては超難題であったのです
然 、全 て 英 語 で 行 う 必 要 が あ り 、私
タ ー 作 成 や 発 表 原 稿 作 成 な ど 、当
り ま し て は 、抄 録 作 成 、登 録 、ポ ス
この度のASAへの参加にあた
今後の研究の方向性などについて
人 的 感 想 )、関 連 性 は 認 め ら れ ま せ
で す が 、残 念 な こ と に( 不 適 切 な 個
かを検討した後ろ向きな研究なの
ないかという仮説が正しいかどう
日には無気肺が出来やすいのでは
高濃度の酸素を投与すると受傷翌
は、外傷患者さんに対して入院後に
使 用 し て い る も の で す 。具 体 的 に
に集めさせて頂いた研究データを
長のもと、救急科に勤務していた時
がまだ宮庄浩司救命救急センター
今回発表させて頂いた内容は、私
含めご報告させて頂きます。
りまして、
初めて海外の学会への参加と
15
ご指導を頂き、今回の発表に繋がっ
11
発表の機会を頂きました。
感謝の意を
10
たものです。
去る2014年
報 告
表します とともに、個 人 的な感 想 も
e poster
学 会
学会報告
さて、海外での学会発表は初めて
い し 、玄 関 で 記 念 写 真 を と り 、広 尾
ということで、この本に同行をお願
「持っていってもいいよね?」
に借りてきたとのこと。
照するという形で、帰国時まで使用
熟読。その後は必要な場面で度々参
島〜成田間の飛行機の中で、完全に
心者向けで記載が分かりやすく、広
シ ョ ン 、リ フ レ ッ シ ャ ー コ ー ス 等
で し た 。他 の ポ ス タ ー 発 表 や セ ッ
たらく。とても成功とは程遠い内容
返答頂いて事なきを得るという体
げる次第です。
の経験だと申しましたが、実は一度
さ は 如 何 と も し 難 く・・・。英 語 の 重
色々聞いてみましたが英語力の無
ぐインターネットで調べますが、飛
要性を再認識、英語力は今後の課題
させて頂きました。日本国内だとす
ポートすら取ったこともありませ
行機内では通信できませんし、現地
となりました。
のバス停からいざ出発となりました。
んでした。学会参加の機会を与えて
の空港、ホテルも必ずしも(無料で)
も 海 外 に は 出 た こ と が な く 、パ ス
くださった森松先生は他国の国際
「何これ?」
ることもないのですが、この本は絵
最近では中々本1冊全て読み切
の 松 崎 先 生( 次 ペ ー ジ 写 真 の 方 )に
事前にお願いしていた岡大麻酔科
な い・理 解 で き な い と い う 状 態 で 、
くれたにも関わらず、全く聞き取れ
間への冷たさも実感。
乗る予定の飛
い 加 減 さ ? )と 、英 語 が 話 せ な い 人
す が 、ア メ リ カ 人 の お お ら か さ( い
また、これもよく言われることで
容は、簡単な英語でゆっくり話して
し た と は 言 え 、原 稿 棒 読 み 、質 問 内
さてさて、とりあえず無事に発表
に育ててくれた両親にも感謝です。
にはほぼ治癒しており、丈夫な身体
邪をひいてピンチでしたが、帰国時
とは可能なんだなぁと実感。途中風
外であっても行って帰ってくるこ
がきちんとしてあれば、目的地が海
ニュアル本と飛行機、ホテルの手配
の 行 程 が ま さ に そ れ で 、簡 単 な マ
ないことは良く言われますが、今回
海外旅行に英語は必ずしも必要
んと期限内には返却致しました。
〞です。
神辺図書館
book of the year.
の方、
ありがとうございました。
きち
学会へ参加される為、同行出来ない
とのことでしたが、同じ学会に当院
より参加予定の先生が居られたの
で、日程、飛行機や宿泊その他、全て
その先生について行くことにして、
初海外を難なく乗りきる予定でし
た。しかし、非常に残念なことに、そ
の先生が急遽参加することができ
な く な り 、初 海 外 学 会 発 表・初 海 外
出張を一人で行うこととなってし
ま い ま し た 。日 程 や 飛 行 機 、ホ テ ル
の手配はして頂いていたのですが、
出張の準備や現地の下調べをして
いない状況で当日の朝を迎え、何と
か準備だけは済ませて出発という
ときに、1冊の本が目にとまりまし
た。
裏には神辺図書館のシールが張ら
が 多 く 、文 字 数 が 少 な く 、ま さ に 初
〞
初めての海外旅行
〝
れています。何やら妻が準備のため
ばら 2015 JANUARY
19
が使える訳ではありません。
Wi-Fi
いずれにしてもこの本は〝 My best
「初めての海外旅行」表紙 + 神辺図書館
学会報告
行 機 の 席 が 無 か っ た と き も 、『 あ ん
た席無いから次のヤツ乗ってね』
て 』と し か 言 わ な い の で 、仕 方 な く
てみても『レシートの番号に電話し
か 助 け て 下 さ い よ 」っ て お 願 い し
出ないの!』(想像)と言われ、「何と
の知らないわよ、あの機械はお釣り
に「 何 で ? 」っ て 聞 い た ら『 そ ん な
で買ったらおつりが出ず、改札の人
切られたり、地下鉄の切符を自販機
の ね 、じ ゃ 』( 同 じ く 想 像 )と 電 話 を
の に 、『 他 に 用 事 あ る の ? あ 、無 い
きないから何度も聞き直している
(想像)と冷たく言われたり、理解で
presentation 後の写真 松崎先生と
presentation 前
会場の様子
20
ばら 2015 JANUARY
電話すると理解できない録音の案
内が流れ・・・
全て英語ができないあなたが悪
い で し ょ 、み た い な 。事 実 で す け
ど・・・。
海外旅行によく行かれる方々は、
どのように乗り切っておられるの
でしょうか?
今後の課題と言いましたが、帰国
時 に は「 も う こ り ご り 、海 外 学 会 は
大変、もう行かん。」と素直に感じて
お り ま し た が 、教 授 に 無 事 帰 国 の
メールを送付したところ、次の海外
学会への演題登録を指示され(しか
も 締 め 切 り 間 近 ! )、慌 し く 準 備 に
追 わ れ る こ と に・・・。早 速 リ ベ ン ジ
の機会を与えて頂いたと前向きに
考 え 、デ ー タ 解 析 な ど 準 備 も で す
が、如何に英語力を補強するかもが
き苦しむ日々が続いています。
結語
・英 語 は 使 わ な い と 上 達 し な い( あ
たりまえ)
・ディスカッション出来ないと発表
したとは言えない(あたりまえ)
・アメリカで英語が出来ないとバカ
にされる(あたりまえ)
・旅行先のことはよく調べてから行
きましょう(みなさんそうしてま
すよね。)
My best picture of New Orleans 2 places.
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