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PDF 1544540 bytes - 長崎大学工学部工学科 機械工学コース
長崎大学
2010 年度
機械工学コース紹介
機械科恒例の
ソフトボール大会
毎年ソフトボール大会が開催され
ます。快晴の秋空のもと、学部の
1 年から 3 年までの学年別チームや
大学院生を含む研究室チームまで、
ソフトボール大会などのスポーツイベントは
機械科学生の組織である「歯車会」が企画して
和気藹々かつ真剣に優勝カップを
目指しました。
います。歯車会会長の強いリーダーシップ
(胴上げ写真の彼)のもと、九州内の他大学と
も交流しています。
機械システム工学科は生まれ変わります
科学の祭典をはじめいろいろ
な学外での課外活動に積極的
に参加しています。また、地元
の企業とも一緒に製品の開発
科学の祭典 in 長崎市科学館
などをやって、貢献をするとと
毎年、みんなで考えたアイデアを出
もにものを作ることの楽しさ
し合って設計し作った実験装置を子
を体験しています。
供たちに見せたり、一緒に遊んだり
して科学の面白さを伝えました。
“創造”それは夢を形にすること
“ひとを幸せに” “地球環境にやさしく”という観点に立ち、
社会に貢献するエンジニアをめざして、『機械と人間』と
『機械と環境』の二つの分野で機械工学を学びます。
今回は、
『機械と環境』を中心に、研究紹介をします。
長崎大学工学部工学科 機械工学コース
〒852-8521 長崎市文教町 1-14
TEL: (095) 819-2533 FAX: (095) 819-2534
URL: http://www.mech.nagasaki-u.ac.jp/
Email: [email protected]
平成 22 年 12 月 発行
http://www.mech.nagasaki-u.ac.jp
2010 年度
機械工学コース紹介
ナノの流れ
水素エネルギー社会の実現に向けて
〜水素の熱物性を探る〜
原子や分子の大きさ(ナノメートル)の世界では
我々の日常とは全く異なる現象が起こります.
この現象を利用し,新しい技術を開発する
内燃エンジンの問題
のが「ナノテクノロジー」で,非常に注目されています.
現在の文明社会は,石油,石炭のような化石燃料を燃やし,エネルギーと
ナノテクノロジーでは原子や分子の動きを明らかにすることが重要
して利用することで維持されています.ところが,燃料を燃やして使うと,
ですが,原子や分子は小さすぎて見ることができません.そこで,コ
燃料が持っているエネルギーのほんの一部しか有効利用できず,
ンピュータを用いて分子の動きをシミュレーションし、CG(コンピュータ
燃焼過程で二酸化炭素を出してしまいます。前者はエネルギー資源の枯渇,
グラフィック)にて表示すれば,原子の動きを見ることができます.この方法を
後者は地球環境への影響という地球規模の問題を引き起こしています.
クリーンエネルギーとしての水素
使って,環境に優しいエネルギーについて研究しています.
新
新
自
然
エ
ネ
ル
ギ
ー
新自
自然
然エ
エネ
ネル
ルギ
ギー
ー
(((海
海
と
川
の
ハ
ー
モ
ニ
ー
海と
と川
川の
のハ
ハー
ーモ
モニ
ニー
ー)))
「燃料電池」を使って水素と酸素を電気化学的に反応させれば,燃焼させるよりも高い効
21 世紀は“水の世紀”
率で,直接電気を取り出すことができます.また,この反応過程で生成されるのは水だけ
生物が生きていくためには“水”が必要ですが,21 世紀中に
で,二酸化炭素を排出しません.水素にエネルギーを運ばせて,燃料電池で電気に変換す
人類が利用できる真水は不足するといわれています.海水から
れば,使うときの効率が高く,使う所で二酸化炭素やその他の有害な物質を出さないので
真水をつくる装置,海水と真水から発電する装置を開発する研
す.ガソリンや灯油などの代わりに水素を燃料として利用し,高いエネルギー効率で利用
究を行っています.海水から真水を作るには大量のエネルギー
するのが水素エネルギー社会です.
海水の分子モデル
水 分 子 (H2O) の 中 で の
●Na+と●Cl-の動き
を必要とします.そのエネルギーを海水の浸透圧を利用した新しい浸透圧発電に
よって、エコで環境への負荷が小さい装置を目指します.長崎の企業や東京工業
水素エネルギー社会の実現と大学の役割
大学などと共同で,世界初の浸透圧発電の実現を進めています.
水素エネルギー社会の実現には,水素の生成,貯蔵,輸送,使用に際して,解決しなければならない多く
学コースでは,産業技術総合研究所や九州大学と協力して,水素の性質を高精度で測定するとともに,水
素データベースの開発を行なっています.人類の将来,地球の未来のために,機械工学コースで最先端の
Shroud
High
人に優しく自然にやさしいファンの開発
Velocity
の課題があります.それを解決していくのが,研究教育機関である大学の大きな役割の一つです.機械工
ファンは、工場やオフィスの空調、送風、自動車や飛行機、
エアコンからコンピュータまで私たちの周りで非常に多く
研究をしてみませんか?
Low
Hub
シロッコファンの流動解析
利用されています.そのため、省エネルギーで環境にやさしく、
人にも快適なファンの開発が望まれています.空気は見えないために、流
流れがらせん状になり、混合 れや性能の見える化を行い高性能なファンを開発してます.
が進んでいる様子がわかる
水素物性データ
新天然ガスディーゼル
エンジン
ベース Web 版
エンジン、燃焼の解明
自動車,船舶,航空機あるいは発電機などを動かすために用いられる
水素物性データベース
エンジンについて,低燃費で低公害を目標に,省エネルギー,排ガス浄化
を通して住みよい地球の創成に寄与する研究をしています.
・天然ガスディーゼルエンジンの開発
:
エンジンの中で最高のエネル
ギー転換効率を示すディーゼルエンジンの排ガス中の窒素酸化物および
排気微粒子の低減のための研究を行っています.
・ノズルからの噴霧ジェットの解析
:
エンジンやボイラの中では、制
御された燃焼が必要です.ノズルからの燃料の噴霧を制御し、効率の
水素音速高精度測定セル(音速測定装置心臓部)
良い燃焼をさまざまな条件で行うための研究をしています。また、高圧で
水素を有効に利用するために、さまざまな条件下で音速な
の多段噴射の性質を解明するため、新しい噴霧ジェットの高速かつ高密度
どの性質を高精度で測定しています.
水素分子の鉄表面での動き
な速度と霧のサイズを計測するシステムを独自に開発しました.
新計測システムを利用した噴
霧ジェットの実験と解析
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