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Patients Safety と薬剤研究会
2004年9月11日 札幌コンベンションセンター Patients Safety と薬剤研究会 e 日本療養病床協会 薬剤研究会 鳴門山上病院 薬剤科 賀勢 泰子 日本療養病床協会薬剤研究会の歩み e ・他職種の参加するワークショップ開催 ・実技をマスターする実務研修会開催 ・各種調査研究:アンケート実施他 医 師 看護師 介護士 薬剤師 チーム医療の実践 リハビリテーション スタッフ MSW ワークショップ・研修会開催 ☆高齢者の薬物療法を探るⅠ∼Ⅴ e 第1回千葉大会 ・高齢者の服薬指導 ・高齢者にふさわしい薬剤開発 第2回徳島大会 ・向精神薬について 第3回山口大会 ・医療施設における感染症と予防対策 第4回新潟大会 ・ネタ切れ知らずの服薬指導 ・在宅医療における服薬管理の工夫 第5回東京大会 ・オーストラリアの医療福祉事情 - 海外のメディケーションエラー− ・薬物療法におけるリスクマネジメント ☆研修会開催 第6回東京大会 ご存じですか?「簡易縣濁法」 ワークショップ開催 e • ワークショップ高齢者の薬物療法を探るⅠ∼Ⅲ 第1回千葉大会 高齢者の服薬指導 介護保険制度ー薬剤師のかかわりー 高齢者にふさわしい薬剤開発&薬物療法 第2回徳島大会 向精神薬について • 第3回山口大会 医療施設における感染症と予防対策 ワークショップ・研修会開催 e • ワークショップ高齢者の薬物療法を探るⅣ∼Ⅴ • 第4回新潟大会 ネタ切れ知らずの服薬指導 在宅医療における服薬管理の工夫 • 第5回東京大会 オーストラリアの医療福祉事情 - 海外のメディケーションエラー − 薬物療法におけるリスクマネジメント • 研修会開催 • 第6回東京大会 • ご存じですか?「簡易縣濁法」 薬剤師業務アンケート調査 e • 薬剤管理指導業務実施率・実施件数の推移 250 件数 200 150 100 50 0 回答施設数 請求件数 (1月100床あたり) 薬剤管理実施率 H 8年 200 28.0 H 9年 219.0 16.8 36.9 40.6 回答施設数 H 10年 H 12年 H 16年 229.0 117.0 198.0 58.5 124.0 111.7 48.0 62.4 請求件数 (1月100床あたり) 80 比率(%) 70 60 50 40 30 20 10 0 61.0 薬剤管理実施率 薬剤研究会の目標と成果 e • 高齢者の適切な薬物療法を支援 • 療養病床における薬剤情報の共有支援 • 療養病床のネットワーク作り Patients Safetyに貢献。 ワークショップ高齢者にふさわしい薬物療法Ⅱ 適切な向精神薬の使用とPatient Safety e 高齢者の向精神薬使用の一般的注意 • 副作用出現率が高い(ふらつき等) • 使用量が少なくても効果が出やすい • 代謝が遅く蓄積効果がでる。 • 投与量は、成人の10∼20% • 投与量の増減はメリハリをもって ふらつき・転倒のリスク軽減に投与量の管理! 青梅慶友病院 院長 神定 守先生 ワークショップ高齢者にふさわしい薬物療法Ⅳ ネタ切れ知らずの服薬指導 e ・患者様とのコミュニケーションと服薬指導 • 高齢者では理解力低下等によるコンプライ アンス不良や副作用が起きやすい。 • 効果的なコミュニケーションで、患者自身の 気づきから情報を早期にキャッチし、自分 自身の意欲をも引き出す。 • 情報をスタッフ間で共有し、対策を実施。 情報収集と共有で副作用のリスク軽減! 薬剤研修会実務研修会開催 ご存じですか?簡易懸濁法。 e 経管栄養チューブによる与薬に際し 錠剤を粉砕し溶解するのではなく、 そのまま専用のシリンジに入れ、 温湯(55℃)で溶解懸濁し チューブより投与する方法。 参考資料: 「内服薬 経管投与ハンドブック 」 出版:じほう社 著者:昭和大学藤が丘病院 倉田なおみ薬剤部長 簡易懸濁法とPatients Safety e • 薬剤を粉砕せず、水溶液として投与するので 投与直前まで、薬剤の鑑別が可能・・・ 与薬の過誤防止 • 溶解性・通過性・配合変化等を個々にチェック した後に与薬するので・・・・ 経管栄養チューブの閉塞防止 • 簡易懸濁法と経済的効果 e • 錠剤粉砕は、粉砕・分割分包時に約15∼20% の薬剤ロスが生じる 錠剤そのまま溶解するので薬剤ロスは解消! • 錠剤粉砕の場合は、処方変更時には、すべて の薬剤を廃棄して、新たに調剤・・・ 処方変更には柔軟に対応可能なので 薬剤費のロスがない! • 粉砕調剤では、投与不可能な薬剤がある。 •簡易懸濁法では治療薬の選択肢が増加する! e 簡易懸濁法の実践 閉塞知らず過誤知らずの薬剤経管投与 • 鳴門山上病院の事例紹介 日本医療機能評価認定病院 総合リハビリテーション施設 簡易懸濁法とは? 経管栄養チューブを使用する場合 e なぜ「つぶす」の? 「 ・・・・・・・・・!」 粒径を小さくして水に懸濁しやすくするため 水に入れて崩壊・懸濁するなら 『つぶす』 必要はない!! 平成10年に用時溶解法としてスタート。 粉砕調剤時の問題点 1.物理・化学的安定性に対する影響 倉田先生資料抜粋 ・光に対する安定性(酸化分解など) ・温度、湿度に対する安定性(吸湿による湿潤など) ・着色、配合変化 e 2.薬物動態、薬効・副作用に対する影響 ・腸溶性および徐放性の破壊 ・吸収・バイオアベイラビリティの変化 3.感覚器への影響 ・味、臭い(苦味、酸味、不快臭など) ・刺激感、しびれ感、収斂性 4.調剤上の影響 ・粉砕・分割分包によるロス(粉砕機や乳鉢への付着) ・混和、混合による配合変化(賦形剤、他剤との配合変化) 5.調剤者への影響 ・接触、吸入などによる健康被害 6.調剤業務の煩雑化、調剤時間の増大、過誤の危険性 簡易懸濁法の導入 e 平成10年 35品目で実験 薬剤の用時溶解適応表の作成 ↓ 順次品目を拡大 ↓ 平成12年 簡易懸濁法導入 55℃の温湯使用 脱カプセルを廃止 薬剤の用時溶解適応表 当院における簡易懸濁法の導入 e 平成10年 35品目で実験 薬剤の用時溶解適応表の作成 ↓ 順次品目を拡大 ↓ 平成12年 簡易懸濁法導入 55℃の温湯使用 脱カプセルを廃止 薬剤の用時溶解適応表 簡易懸濁法に必要な器材 e • • • • • 経管投与専用シリンジ シリンジキャップ 55℃の温湯 温度計 経管投与専用チューブ ニプロカテーテル用シリンジ 20ml オーラルディスペンサー20ml(Baxa社) テルモカテーテルチップシリンジ20ml シリンジに薬剤を充填し55℃で溶解 e • お湯と水を2:1で混合 55℃ 1 1.シリンジに薬剤を充填する。 2 2.55℃のお湯を吸い上げる 脱カプセルも不要! 10分間静置した後に90°横転混和 e 3 3. 55℃お湯に溶解し10分静置。 4 4. 転倒混和して、溶解を確認する。 レビンに接続・注入完了 e 5 5.シリンジに接続する。 6.薬剤を注入する。 6 ※作業を開始してから、チューブに注入まで約15分間 重質酸化マグネシウムは・・・? 経管栄養チューブの閉塞を起こしやすい!! e 剤型による溶解・通過性の相違 e 重質酸化マグネシウム 粒子径 151.9μm マグミット 粒子径 56.0μm 粒子径は約1/3!! 懸濁性が良い!! 簡易縣濁法に適した速崩性薬剤一覧 e 一般名 メーカー 薬効 商品名 トリアゾラム エルメット-E 模範 催眠導入剤 トリアゾラムEMEC フロサイシン ブロチゾラム ベーリンガー 模範 催眠導入剤 レンドルミンD ブロメトン エチゾラム エルメット-E 精神神経用剤 エチゾラムEMEC ブロムペリドール エルメット-E 精神神経用剤 ブロムペリドールEMEC カプトプリル エルメット-E ACE阻害剤 カプトプリルEMEC ロペラミド エルメット-E 止寫剤 ロペラミドEMEC ファモチジン 山之内 H2ブロッカー ガスターD アンブロキソール 山之内 エルメット-E 去痰剤 ノクタンD 協和化学 緩下剤 重質酸化マグネシウム アンブロキソール マグミット 簡易縣濁法に適した速崩性薬剤一覧 e 一般名 メーカー 薬効 商品名 アズレングルタミン エルメット-E 消化性潰瘍用剤 アズレングルタミンEMEC オンダンセトロン GSK-三共 鎮吐剤 ゾフランザイディス4 ラモセトロン 山之内 鎮吐剤 ナゼアOD ドンペリドン エルメット-E その他消化管用剤 ドンペリドン クロルマジノン エルメット-E 合成黄体ホルモン クロルマジノンEMEC グリペンクラミド エルメット-E 糖尿病用剤 グリペンクラミドEMEC アレルギー用剤 フマル酸ケトチフェンEMEC フマル酸ケトチフェン エルメット-E アロプリノール 山之内 高尿酸血症治療剤 サイトテックD アテノロール 山之内 Βブロッカー テルボミンD 簡易懸濁法に用いる器具 鼻腔栄養手技(60点/日) 請求可能チューブを使用 e 簡易懸濁法注入セット: ・テルモシリンジ カテーテルチップ型(テルモ社) (20ml 1本 ¥70) カテーテルチップシリンジ用キャップ (1個 ¥25) クリニーシリコン胃腸カテーテル (1本¥745) 医療事故対策適合品:栄養用ファネルキャップ付き 倉田式経管投薬セット ・Exacta-Medオーラルディスペンサー(Baxa社) 自立式チップキャップ付 (20mL @75円) ・三方活栓:経口用ストップコック付三方活栓(Baxa社) @260円 医療事故対策適合品 ・フィーディングチューブ (1本¥580) 服薬に関する因子の評価と計画の流れ e 理解力 服薬拒否等 身体能力 嚥下能力 服薬介助検討 服薬指導 適切な剤形の検討 散剤 細粒剤 水剤 外用剤 注射剤 速崩壊性製剤 ゼリー製剤 経皮吸収型薬剤 簡易懸濁法 錠剤粉砕 とろみ添加 栄養補助食品 服薬補助ゼリー 水分補給ゼリー チームの協働により Patient Safetyに貢献を! e 医師 薬剤師 看護師 MSW 栄養士 介護職 検査技師 リハビリスタッフ −患者様中心のチーム医療・ケアの実践− Patient Safetyにおける 薬剤師の役割 e • 薬剤管理指導による薬物療法支援 ・ 薬歴管理による調剤過誤対策 ・ 禁忌薬の回避、副作用・相互作用の防止、 ・ 適正投与量の管理、TDMの実施 • 高齢者医療への積極的関与 • 高齢者薬物療法に関する薬剤情報の収集と発信 •患者様主体のチーム医療に参加 ・ ケアカンファレンスへの参加 •病院施設のトータルな安全管理へ貢献 ・医療安全対策委員会、感染防止委員会等への参加 ・薬剤情報の教育支援