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小学校入学前 教育カリキュラム
第3 章 小学校入学前 教育カリキュラム 1 小学校入学前教育カリキュラム 5歳児後期から保育園・幼稚園修了までをアプローチカリキュラム、小学校第1学年入学当初 から1学期頃までをスタートカリキュラムとしました。そして、アプローチカリキュラムを含む 5歳児のカリキュラムとスタートカリキュラムをつなぐカリキュラム全体のことを、「小学校入 学前教育カリキュラム」と位置付けました。(下図参照) 小学校入学前教育カリキュラム 5歳児のカリキュラム 第 章 小学校入学前教育カリキュラム 3 アプローチカリキュラム スタートカリキュラム 5歳児前期 5歳児中期 5歳児後期 1年生入門期 (進級当初∼) (秋の運動会頃∼) (就学時健康診断∼) (入学当初∼) 年長組としての自覚を 集団の中で幼児同士 小学生になることに期 集団を意識し、自分を もち、興味をもったこ がかかわりを深めなが 待をもち、自信をもつ 表現する時期 とを試行錯誤しながら ら、自己を十分に発揮 時期 追求する時期 する時期 アプローチカリキュラムとは、幼児期の育ちと学びを小学校教育につなげるために作成する、 5歳児後期(就学時健康診断以降から修了まで)のカリキュラムです。本カリキュラムの内容は、 港区のスタンダードとして、どの保育園・幼稚園・小学校でも、どの環境においても、身に付け させたい内容であると考えています。 小学校のカリキュラムを先取りするものではなく、また、決まった活動を順序よく行うものでは ありません。幼児期に、小学校の学びの基盤となる経験ができるよう、幼児期にふさわしい内容と するため、発達の段階の違いからくる「遊びの中での学び」と「各教科など授業を通した学習」と いう学び方の違いを理解し、幼児期の教育の特徴を生かしたカリキュラムにすることが重要です。 (1)保育園・幼稚園で身に付けさせたい内容 5歳児前期から5歳児後期までの各期における保育園・幼稚園で身に付けさせたい内容を、 「三 つの力」を視点に具体化しました。 「三つの力」とは、生活する力、発見・考え・表現する力、かかわる力です。 幼児に「身に付けさせたい内容」が身に付いているかを評価し、自分の指導を振り返る指標に もなります。また、小学校との連続性を見通した指導が展開できるよう、 小学校入門期(4∼5月) も載せました。(P19 参照) 16 「育ちと学び」をつなぐ 小学校入学前教育カリキュラム (2)5 歳児のカリキュラムの作成におけるポイント 保育士や教員が活用しやすいように、前期(4月) 、中期(11 月) 、後期(2月)を例として 示しています。各園ですでにある教育課程・保育課程、年間指導計画等の見直しや具体的な指導 の内容とするための参考としてください。 作成にあたって、以下の5点をポイントとしてあげました。 5 歳 児 の カ リ キ ュ ラ ム の 作 成 に お け る ポ イ ン ト ①身に付けさせたい内容 具体的な視点を設定する。 <生活する力における具体的な視点は…> ○健康で安全な生活をする 第 章 ○体を十分に動かし、進んで運動しようとする <発見・考え・表現する力における具体的な視点は…> 3 ○好奇心や探究心をもってものとかかわる ○感じたこと・考えたことを言葉で伝える ○文字や数量などの感覚を豊かにする <かかわる力における具体的な視点は…> ○あいさつをする ○人とかかわる ○きまりや約束を守る ②家庭との連携 保護者への働きかけの内容を、「三つの力」に対応させて明確にする。 ③具体的な指導上の留意点 その時期の大切な指導のポイントを明確にする。 ④環境の構成の工夫 環境の構成の工夫について、特におさえておきたい内容を示す。 ⑤具体的な活動の例 具体的な活動がイメージできるように例示する。 (ただし、幼児の実態や、興味・関心に応じた活動となるようにすること) 第 3 章 小学校入学前教育カリキュラム 17 小学校入学前教育カリキュラム ○自分のことは自分でする 保育園・幼稚園で身に付けさせたい内容 5歳児前期 5歳児中期 年長組としての自覚をもち、興味をもった 集団の中で幼児同士がかかわりを深め ことを試行錯誤しながら追求する時期 ながら、自己を十分に発揮する時期 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 生活する力 第 章 小学校入学前教育カリキュラム ○生活の流れや準備・片付けの手順な ○一日の流れに大まかな見通しをもち、時間を意 識しながら友達と声をかけ合って生活をする どを意識して、一定の時間内に終え ○自分の所持品の整理や脱いだ服の始末を丁寧に ようとする 自分のことは自分で 行う ○着替えや持ち物の始末を自分でする する ○遊んだ後の片付けを自分から気付い ○必要性を感じて、園や学級の共同・共有の物を 片付ける て行う 健康で安全な生活を ○進んで戸外に出て多様な動きを楽し ○ルールのある遊び、集団での遊び、いろいろな する む 運動遊び(マット、鉄棒等)を楽しむ ○遊具や用具の使い方が分かり、安全 ○危険な場所が分かり、安全に気を付けて行動す 体 を 十 分 に 動 か し、 に気を付けて遊ぶ る 進んで運動しようと ○食べることの楽しさが分かり、食べ ○様々な食べ物への興味や関心をもって、進んで する 物に関心をもつ 食べようとする 3 発見・考え・表現する力 ○身近な自然に触れて遊び、日本の自 ○身近な環境に積極的にかかわり、秋の自然物等 を取り入れて遊ぶ 然の美しさや不思議さを感じる ○自然物や自然の事象を遊びや生活の ○物の仕組みに関心をもったり、試したり確かめ たりして遊ぶ 中に取り入れ、考えたり工夫したり して遊ぶ 好 奇 心 や 探 究 心 を ○思ったことや経験したことをいろい ○友達と遊びや生活の中でイメージや目的を共有 し、思いや考えを言葉で伝えようとする ろな方法で表現する もってものとかかわ ○園の仕事(誕生会の係など)を受け ○感じたことや考えたことを言葉で表現しようと る する もち、大勢の前で発表する ○先生や友達の話を注意して聞き、理解しようと 感じたこと・考えた する ことを言葉で伝える ○絵本や物語を通してイメージを膨ら ○物語や話の続きに興味をもち、学級の友達と楽 文字や数量などの感 しんで聞く ませて遊ぶ 覚を豊かにする 感動を味わったり、 ○遊びや生活に使う簡単な標識や文 ○絵本や物語の世界を楽しみ、 字、数量(大小、高低、長短、軽重等) イメージを豊かにしたりする に興味をもったり、生活や遊びに取 ○遊びや生活の中で、文字を読んだり、使ったり する り入れたりする ○順番や勝敗のある遊びを通して人数、物の数を 数えたり、物の量を比較したりする かかわる力 あいさつをする ○友達と一緒に遊ぶ楽しさを味わう ○友達と互いに考えを出し合ったり、尊重したり、 ○自分の気持ちとは異なる友達の気持 折り合いをつけたりしながら遊びや活動に取り ちに気付いたり、受け止めたりする 組む ○グループの友達と役割分担をしたり、協力した りして話し合いながら活動を進める 人とかかわる きまりや約束を守る ○友達と生活する中で、きまりの大切 ○集団の中でのきまりや約束を守り、生活する さに気付き守ろうとする 18 「育ちと学び」をつなぐ 小学校入学前教育カリキュラム 小学校へ 5歳児後期 1年生入門期 小学生になることに期待をもち、自信をもつ時期 集団を意識し、自分を表現する時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月∼ ○活動の区切りや時間を意識しながら生活する ○安全な登下校の方法を知り、通学する ○自分の所持品の準備や管理などに責任をもって生活する (登校時刻、下校時刻、放課 GO 等) ○一日の流れを理解し、時間割に沿って生活する ○授業に間に合うように、体育の着替えをしたり、特別教 室等(音楽室、体育館)へ移動したりする 第 章 3 ○冬の自然現象に関心をもってかかわり、疑問をもったり ○学習の中で発見する喜びや、できるようになった喜びを 発見したりする 味わう ○一つのことを繰り返し試したり確かめたりして、じっく ○授業中、先生や友達と対話する中で、その言葉の意味を りと取り組む 理解して、自分にはなかった気付きや発見を喜ぶ ○板書された書き言葉と補助的な絵、写真等を見て、質問 の意味をよく聞いて理解する ○自分が考えたことを自分の言葉で話す ○困った時や話したいことがある時、自分の言葉で考えて ○友達の話をよく聞き、相手に分かるように話す 自分から伝える ○その場の雰囲気や状況に合わせた言葉の使い方や表現の 仕方(声の大きさ等)が分かり、相手に分かるように筋 ○自分の名前を文字で書く 道をたてて話す ○問いに対して思ったこと、考えたことを文字で書く ○遊びや生活の中で、数の必要性や便利さに気付き、比べ ○教室内、学校内にある表示や図、文字等の意味を理解す る たり、分けたり、数えたり、読んだり、書いたりする ○文字を使うことの楽しさや意味に気付き、生活の中で文 字を使って伝える喜びを味わう ○自分から進んであいさつをする ○友達と互いのよさを生かし合い、共通の目的に向かって 取り組み、やり遂げた充実感を味わう ○学年や園全体への指示や課題を自分のこととして受け止 め、自信をもって行動する ○みんなで一緒に活動する中で、学級の一員としての力を 発揮する ○就学することを喜び、自分の成長に自信と自覚をもつと ともに、お世話になった人への感謝の気持ちをもつ ○よいことと悪いことの区別が分かり、自分で考えて行動 する ○学校にいる人たちや友達に親しみの気持ちをもってあい さつをする ○小学校の先生、学級や学年の友達、縦割り班の上級生等、 小学校のいろいろな人や、地域の方とかかわる中で、自 分は□□小学校の一員であることを自覚して行動する ○困っている友達がいたら、聞いてあげたり教えてあげた りする ○安全の約束やきまりを守って行動する ○学習に向かう規律を守ることで、気持ちよい生活が送れ るということを理解して行う 【例】・授業のはじめと終わりには礼をする ・手を挙げて発言する ・相手が話しているときはよく聞く など 第 3 章 小学校入学前教育カリキュラム 19 小学校入学前教育カリキュラム ○少し難しいことにも繰り返し挑戦し、できるようになっ ○小学校の生活の場(教室、トイレ、保健室、校庭等)に慣れ、 たことに自信をもつ 安心して過ごす ○危険な遊び方や場所に気付き、自分で判断して安全に行 ○所持品(ランドセル、算数セット、連絡帳等)や共同・ 動しようとする 共有の物(給食の白衣)の片付けの仕方を知り、丁寧に ○食事に関するきまりやマナーを守りながら、楽しく食べ 使う る ○給食の配膳を自分たちで行う ○友達と一緒に、好き嫌いなく楽しく給食をとる 5歳児前期 前期 進級当初∼ 4月 5月 6月 中期 秋の運動会頃∼ 7月 8月 9月 10月 後期 就学時健康診断∼ 11月 12月 1月 2月 1年生入門期 入学当初∼ 3月 4月 5月 6月 4月 <指導のねらい> ○新しい環境を、教員・保育士や友達と整え、安全な過ごし方を知るとともに自分たちの場となるよう にする。 ○友達と誘い合って遊んだり、学級(クラス)のみんなでかかわりを楽しめるような遊びをしたりし て、学級(クラス)のつながりを感じられるようにする。 ○他学年とのかかわりや行事等で年長児として取り組むことを通し、 自覚や自信がもてるようにする。 生活する力 第 章 小学校入学前教育カリキュラム 3 身に付けさせたい内容 家庭との連携 ○生活の流れや準備・片付けの手順などを意 識して、一定の時間内に終えようとする。 ○身の回りの始末をする姿を見守ったり、自 分でしようとする意欲や思いを認めたり し、我が子が自信をもって行動できるよう ○進んで戸外に出て多様な動きを楽しむ。 ○食べることの楽しさが分かり、食べ物に関 心をもつ。 発見・考え・表現する力 ○自然物や自然の事象を遊びや生活の中に 取り入れ、考えたり工夫したりして遊ぶ。 ○思ったことや経験したことをいろいろな方 法で表現する。 ○好き嫌いなく食べることやバランスのよい 食事をとることが体によいことを知らせ、 苦手な食材が少しでも減るようバランスの よい食事を家庭でも心がけてもらう。 ○先回りして知識や言葉等を教えるのではな く、具体的な遊びや生活の中で体験する意 味と大切さを丁寧に伝え、家庭と共有する。 ○幼児が不思議に思ったことや感じたこと、 考えたことを受け止め共感したり、一緒に ○遊びや生活に使う簡単な標識や文字、数量 (大小、高低、長短、軽重等)に興味をもった り、生活や遊びに取り入れたりする。 ○友達と一緒に遊ぶ楽しさを味わう。 かかわる力 20 なかかわりを促す。 面白がったりして、幼児の発想や知的好奇 心を大切にすることを伝える。 ○人とかかわる中での様々な感情体験を受容 的な構えで支えるよう働きかける。 ○自分の気持ちとは異なる友達の気持ちに気 付いたり、受け止めたりする。 ○人に対してしてはいけないこと、言っては ○友達と生活する中で、きまりの大切さに気 付き守ろうとする。 いけないことなど、大人が善悪の判断の基 準をしっかりと示し、園と家庭とで価値観を 共有する。 「育ちと学び」をつなぐ 小学校入学前教育カリキュラム 保 育 園 ・ 幼 稚 園 で の 指 導 例 <具体的な指導上の留意点> ○新しい場の使い方や物の配置、安全な行動の仕方、 当番活動の内容などを幼児とともに考えたり整え たりすることで、幼児が自分たちで生活をつくり 出していく意識をもてるようにする。 ○当番活動では、教員・保育士が仕事内容を決めて 幼児に提示するのではなく、自分たちでできるこ 自分たちで決めた当番活動 とや毎日の生活に必要なことを一緒に考えて、内 容を決定するようにする。 第 章 ○新たな場での安全な行動の仕方について共通に理 3 解する機会を設ける。 ○教員・保育士が友達と遊具や用具、生活に必要な 物の置き場所や使い方を決め、自分たちで場を整 え生活を進めていく構えがもてるようにする。 ボードには時間や一日の予定 ○年下の幼児の世話をしたり、かかわりをもったり する機会を生活の中で意図的に設け、うれしい気 持ち、思い通りにいかない難しさ等を味わえるよ うにする。 年長組が年少組の世話をする活動 <具体的な活動例> 年長児としての自覚 学級(クラス)の友達との つながり 入園式・誕生会・歓迎会 園外保育 自分たちで生活を 進めていく 当番活動 第 3 章 小学校入学前教育カリキュラム 21 小学校入学前教育カリキュラム <環境の構成の工夫> 5歳児中期 前期 進級当初∼ 4月 5月 6月 中期 秋の運動会頃∼ 7月 8月 9月 10月 後期 就学時健康診断∼ 11月 12月 1月 2月 1年生入門期 入学当初∼ 3月 4月 5月 6月 11月 <指導のねらい> ○一日の流れに大まかな見通しをもち、時間や集団生活のきまりを守って行動する意識をもてるよう にする。 ○友達と考えを伝え合いながら、共通の目的に向かって協力して取り組む中で、自分の力を発揮し、 充実感を味わえるようにする。 生活する力 第 章 小学校入学前教育カリキュラム 3 身に付けさせたい内容 家庭との連携 ○一日の流れに大まかな見通しをもち、時間を意識し ○時間を意識して自分なりに見通しをもって行動する ながら友達と声をかけ合って生活をする。 ことの必要性を伝え、家庭でも時間の感覚がつかめ るようなかかわりを促す。 ○ルールのある遊び、集団での遊び、いろいろな運動 遊び(マット、鉄棒等)を楽しむ。 ○子どもが「やったことがない」 「やりたくないから やらない」というのではなく多様な体の動きを親 ○様々な食べ物への興味や関心をもって、進んで食 べようとする。 子で楽しんだり、多少苦手なことにも挑戦したりで きるよう、体を動かす遊びや生活の中で体を動か す機会を大切にするよう伝える。 発見・考え・表現する力 ○物の仕組みに関心をもったり、試したり確かめたり して遊ぶ。 ○園であったできごとや心を揺さぶられたこと等を 親子で会話する時間や、絵本等を我が子に読んで 聞かせる時間を意識してつくり、親子の心の通い合 ○友達と遊びや生活の中でイメージや目的を共有 いを十分に楽しむよう働きかける。 し、思いや考えを言葉で伝えようとする。 ○遊びや生活の中で実際に体験していることが、小 ○遊びや生活の中で、文字を読んだり、使ったりする。 学校の学習や生活の基盤になっていくことを園で の具体的な姿を通して分かりやすく伝え、家庭生活 ○順番や勝敗のある遊びを通して人数、物の数を数 でも実体験を豊かにできるように促す。 えたり、物の量を比較したりする。 かかわる力 ○友達と互いに考えを出し合ったり、尊重したり、折 ○降園後の時間や個人面談等で個々の幼児の具体的 り合いをつけたりしながら遊びや活動に取り組む。 な成長や課題を共有し、幼児が自信をもって行動 できるように支えてもらう。 ○グループの友達と役割分担をしたり、協力したりし て話し合いながら活動を進める。 手の気持ちに気付いたり相手を思いやったりする ○みんなで気持ちよく一緒に生活するための、集団 の中でのきまりや約束を守り、生活する。 22 ○幼児同士の意見の相違やいざこざ等の体験が、相 「育ちと学び」をつなぐ 小学校入学前教育カリキュラム 機会となるよう、園と家庭が情報を共有し、幼児の 気持ちに寄り添ったかかわりを促す。 保 育 園 ・ 幼 稚 園 で の 指 導 例 <具体的な指導上の留意点> ○友達と共通の目的をもって取り組む場面では、話 し合う内容を明確に提示し、一人ひとりが自分の 考えを話すこと、相手の話を最後まで聞くことな ど、話し合いの仕方を伝えていく。 ○活動後には、振り返りの機会をつくり、自分の頑 友達と協力して一つのものを作る 張ったことや友達の良かったこと、一緒に活動し て困ったことなどを発表する機会をつくる。この ことで幼児同士の励まし合いや認め合いを促し、 第 章 <環境の構成の工夫> ○ルールや遊び方を考えたり、新たにつくったりし 考えを発表し合う 3 ながら、ルールを守る楽しさや自分たちで進めて いく楽しさが味わえるような遊びを取り入れ、友 達と遊ぶ場や時間を十分確保する。 ○学級(クラス)の課題や行事に向けての取組では、 話し合う内容や役割分担を各自が理解し、ある程 度の見通しをもち、グループや学級で共通に進め 自分たちでドッジボールを進める られるように、絵や文字、カレンダーなどで整理 して示す。 話し合ったことを書き記し、友達と 共有する <具体的な活動例> 自分たちでルールを 考えて遊ぶ集団遊び リレー 鬼遊び ドッジボール 友達と目的を共有して取り組む 遊び・活動 作品展のグループ活動・ 学級(クラス)での 課題活動 第 3 章 小学校入学前教育カリキュラム 23 小学校入学前教育カリキュラム それぞれの自信につなげていく。 5歳児後期 前期 進級当初∼ 4月 5月 6月 アプローチカリキュラム 中期 秋の運動会頃∼ 7月 8月 9月 10月 後期 就学時健康診断∼ 11月 12月 1月 2月 1年生入門期 入学当初∼ 3月 4月 5月 6月 2月 <指導のねらい> ○幼児が自信をもって様々なことに取り組めるような機会をつくり、成長の喜びを実感し、満足感や 達成感を味わうことができるようにする。 ○友達と共通の目的に向かって取り組む活動や生活を通して、互いのよさを認め合うことの喜びを 感じられるようにする。 身に付けさせたい内容 3 生活する力 第 章 小学校入学前教育カリキュラム ○活動の区切りや時間を意識しながら生活する。 家庭との連携 ○自分で持ち物や衣服の準備や後片付けをすること が、生活における「あたりまえ」の行動となるような ○少し難しいことにも繰り返し挑戦し、できるように かかわりを促す。 なったことに自信をもつ。 ○起床時刻、食事時間を一定にするなど、家庭でも生 ○食事に関するきまりやマナーを守りながら、楽しく 活リズムを整え、親子で実践するよう働きかける。 食べる。 発見・考え・表現する力 ○一つのことを繰り返し試したり確かめたりして、 じっくりと取り組む。 ○文字や数量への関心をとらえて、名前(ひらがな) の書き方に偏らず、鉛筆のもち方、姿勢などを意識 したかかわりや、小学校での学習に期待がもてる ○その場の雰囲気や状況に合わせた言葉の使い方や ようなかかわりを促す。 表現の仕方(声の大きさ等)が分かり、相手に分か るように筋道をたてて話す。 ○幼児が自分の言葉で伝えようとしている姿を受け 止めながら、相手に伝わるような筋道立てた話し ○遊びや生活の中で、文字や数の必要性や便利さに 方、状況に応じた言葉の使い方を確認したり、保護 気付き、比べたり、分けたり、読んだり、書いたりす 者自身も丁寧な言葉遣いを意識したりするなど、 る。 親子での実践を働きかける。 ○自分から進んであいさつをする。 ○他児と比較せずに、我が子らしい成長の姿を見付 かかわる力 けて、我が子らしさを認め、幼児にとって自信とな ○みんなで一緒に活動する中で、学級の一員として るようなかかわりを促す。 の力を発揮する。 ○多少の葛藤やつまずきがあってもいろいろな友達 ○よいことと悪いことの区別が分かり、自分で考えて 行動する。 とかかわって遊ぶことの楽しさ、自我を抑制するこ との必要性など、集団による教育のよさや体験の 価値を伝え、理解を図る。 24 「育ちと学び」をつなぐ 小学校入学前教育カリキュラム 保 育 園 ・ 幼 稚 園 で の 指 導 例 <具体的な指導上の留意点> ○あきらめずに挑戦することで上達を実感できるよ うな活動を提案し、自信になるようにする。 ○一人ひとりのよさや考えが十分に発揮される機会 をつくり、互いに認め合いながら活動を進められ こま回し るようにして、自分たちでやり遂げる喜びを味わ えるようにする。 ○小学校生活への不安も受け止めながら、 「楽しそ 小学校と綿密に打ち合わせを行い、無理のない交 めあてをもち、いろいろな技に挑戦 する 第 章 流や体験ができるようにする。 あやとり 3 <環境の構成の工夫> ○一人ひとりがめあてをもって追求できる活動を用 意し、繰り返し取り組むための場と時間を保障す る。 ○カレンダーや時計の模型、予定を記したホワイト ボードなどを活用し、幼児が生活に見通しをもち、 一人ひとりが力を発揮し、学級(ク ラス)みんなで目的に向かってや り遂げる 自分から必要なことを考えたり、取り組んだりで きるようにする。 <具体的な活動例> 小学校で給食の配膳を経験する 技能を磨ける遊び 小学校の体験授業や 体験給食 こま回し、縄跳び、竹馬 など 1年間の教育の 成果を発表する 生活発表会 第 3 章 小学校入学前教育カリキュラム 25 小学校入学前教育カリキュラム う」 「できそうだ」という期待や自信がもてるよう、 2 スタートカリキュラム スタートカリキュラムとは、幼児期の育ちと学びを小学校につなぎ、小学校に入学した子ども たちが円滑に小学校生活に適応できるように作成する小学校第 1 学年入学当初(小学校1年生1 学期)のカリキュラムのことです。 スタートカリキュラムの作成については、小学校学習指導要領解説生活編に「幼児期の教育の 成果を踏まえ、体験を重視しつつ、小学校生活に適応すること、基本的な生活習慣等を育成する こと、教科等の学習活動に円滑な接続を図ること」とされています。 入学当初、児童が新しい環境の中で、安心して過ごすためには、教師側の配慮や工夫、家庭と の連携が必要です。入学から第5週までのスタートカリキュラムの例と、その週の主な指導の実 第 章 小学校入学前教育カリキュラム 践例を載せていますので参考としてください。 3 ①時間配分の工夫 ─ はじめての給食指導 ─ 小学校教育では、国語や算数などの各教科・領域中心の授業が組み立てられ、1時間 毎にねらいを達成するための学習活動があり、授業の間に休み時間があるという生活です。 これに対して、幼児の園生活は、一日を単位として登園から降園までの生活が充実し たものとなるよう、環境を構成し、幼児の興味・関心に応じた時間配分がされています。 そこで、入学当初は、活動への見通しや少しずつ時間を意識して行動できるようにす るための、時間配分の工夫が必要です。 ②港区ならではの「国際科」 港区立小学校では、1年生から週2時間、NT(ネイティブティーチャー)と連携して、 国際科の授業を行っています。 児童が不安にならず、楽しく学習することができるよう、認め、励まし、支える担任 の存在は大きく、小学校においても、担任が一人ひとりに声をかけ、確かな信頼関係を 築くよう心がけていくことが大切です。 ③文字指導の工夫 文字への興味は、個人差が大きいため、一人ひとりのきめ細かな指導と配慮が求めら れます。幼児期に、文字を読んだり、書いたりして遊んだ経験を生かし、できたことを 認めたり、励ましたりして満足感・充実感をもって無理なく学習を進めることが大切です。 ④教科と教科の関連性を図った指導の工夫 ─ 生活科と国語科 ─ 幼児期の「遊び」を通して行う総合的な指導から、小学校の教科等の学習を中心とし た指導への円滑な移行に際し、授業づくりの工夫が必要です。教科と教科の関連性をも たせて授業を組み立てていくことが大切です。 26 「育ちと学び」をつなぐ 小学校入学前教育カリキュラム ⑤幼児期の経験を生かす配慮 ─ 特別活動の工夫 ─ 小学校教育では、子どものこれまでの育ちや学びを十分に理解した上で、教育活動を 展開することが求められます。子どもがこれまでに経験したことや身に付いていること を生かすことで、学習への意欲を高めることができます。 そのためには、小学校入学したばかりの1年生が「1年生になった」ということを自 覚し、自信をもって学校生活を送ることができるよう、子ども同士のかかわり方を工夫 することが必要です。例えば、入学当初に1年生に対して6年生が様々な場面で手伝い の機会を設定しています。「1 年生は学校では一番、年下だから」といって、必要以上 に先回りして世話をしてしまうのではなく、1 年生自身が見通しをもって自分で考えて できるよう見守り、できないことや理解していないことを支援するようなかかわりをさ せるなど、きめ細かな指導の工夫が求められます。 授業に限らず、生活上必要な生活習慣や技能、授業規律等、定着させていくことが大切 第 章 です。 3 第 3 章 小学校入学前教育カリキュラム 27 小学校入学前教育カリキュラム 1 年生の自分でやろうとする意欲をかきたてられるよう、一人ひとりの姿をよく見て、 スタート カリキュラムの例 ※◎印は単元名もしくは活動名です。 (教科書に準じて記載しています。) ・印は指導内容です。 4月 第1週 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 第1週のねらい ねらい ○学校での過ごし方や必要なきまりを少しずつ覚えながら、小学校生活に慣れる。 1 第 章 小学校入学前教育カリキュラム 3 2 道徳 (1/3 時間) 学活 (1/2 時間) 音楽 (1/2 時間) ◎たのしいがっこう ◎ピースでこんにちは ◎みんなでうたおう ・学 級 の め あ て を ・友 達 と な か よく ・友 達 と一 緒 に 楽 知る。 ゲームを楽しむ。 しく歌う。 道徳 (1/2 時間) ・友達を大切にする。 国語 (2/3 時間) 国語 (1/2 時間) ◎たのしいがっこう ◎どうぞよろしく ◎どうぞよろしく ・学 習 の 準 備 の 仕 ・ 大きな声であいさ ・大 き な 声 で 自 分 方を知る。 つや返事をする。 の名前を伝える。 生活 (1/2 時間) ◎みんななかよし ・水飲み場、トイレ の使い方を知る。 体育 (1時間) 行事 (1時間) 国語 (1/2 時間) ・靴 箱、 傘 立 ての ◎いろいろな並び方 ◎鉛筆の持ち方 ◎入学式 使い方を知る。 ・着 替 えの 仕 方 を ・姿勢ぐうぺたぴん ・○ ○ 小 の 一 員に 生活 (1/2 時間) 学ぶ。 ・運筆練習プリント な った こ と を 感 じ、式に参加する。 ◎ がっこう の こと ・背 の 順 の 並び 方 道徳 (1/2 時間) がしりたいな ◎たのしいがっこう を学ぶ。 ・帰りの 支 度 の 仕 ・休 み 時 間 の グラ 方を学ぶ。 ウンド 遊 び の 約 国語 (1/2 時間) ◎はじめてのなまえ ・姿 勢、 鉛 筆 の 持 ち 方 に気 を 付 け て、 自 分 の 名 前 を丁寧に書く。 算数 (1/2 時間) ◎ な か ま づ くりと かず ・教 科 書 の 絵 を 見 て数を数える。 国語 (1 時間) ◎学級の本を読む ・本 を 読 む 時 の 約 束を知る。 束を知る。 3 4 学級活動 (1時間) 音楽 (1/2 時間) ・担任の名前を知る。 ◎みんなでうたおう ・返事の仕方を知る。 ・友 達 と一 緒 に 楽 しく歌う。 ◇ 家 庭との 連 携を 図工 (1/2 時間) 図る。 ◎すきなも の いっ ぱい ・クレパスの使い方 を学ぶ。 ・好 きな も の の 絵 を描く。 国語 (1時間) 学年合同 ◎対面式の練習 ・ 「よろしくお願い しま す」 と 大 き な声で声を揃え て言う。 国語 (1/2 時間) ◎はる ・ 「はる」の詩を大 きな声で読む。 図工 (1/2 時間) ◎すきなも の いっ ぱい ・クレパスの使い方 を学ぶ。 ・好 きな も の の 絵 を描く。 生活 (1時間) ◎ みん なでがっこ うをあるこう ・屋 上 から順 番 に 学校を探検する。 ・校 長 室や 職 員 室 の場所を知る。 道徳 (1 時間) 生活 (1/2 時間) ◎登下校の約束を ◎ がっこう の こと 守ろう がしりたいな ・下 校 班 の 確 認、・帰りの 支 度 の 仕 帽 子 のリボ ン の 方を学ぶ。 学活 (1/2 時間) 確認 ◎楽しい給食 ・交通安全 ・給 食 当 番 の やり 方を知る。 ・お ぼ ん の 持 ち 方 を知る。 算数 (1/2 時間) ◎ な か ま づ くりと かず ・教 科 書 の 絵 を 見 て数を数える。 学活 (1/2 時間) ◎楽しい給食 ・給 食 の 配 膳 の 仕 方を知る。 ・食 事 のマ ナ ー を 知る。 国語 (1/2 時間) ◎はる ・ 「はる」の詩を大 きな声で読む。 学活 (1/2 時間) ◎楽しい給食 ・給 食 の 配 膳 の 仕 方を知る。 ・食 事 のマ ナ ー を 知る。 下校班の編成・ ならし給食 コース別学年下校 ・安 全 な 登 下 校 の (牛乳・デザート) 仕方 学年下校 給食開始 給食2日目 コース別学年下校 コース別学年下校 *「学活」とは、 「学級活動」のことです。 28 「育ちと学び」をつなぐ 小学校入学前教育カリキュラム 【実践例1】 時間配分の工夫 4月 はじめての給食指導 (特別活動・日常の指導) 実践のポイント 入学したばかりの1年生の児童は、成育暦や誕生月、生活リズム等の異なりから、食生活についても かなりの個人差が見られる。給食を楽しみにしている児童が多いと考えられるが、「食べられないもの が出たらどうしよう」「どうしても時間内に食べ終われない」などの不安を感じている児童もいる。「学 校給食と望ましい食習慣の形成」に関する指導については特別活動の学級活動に位置付けられており、 楽しい学校生活を送るために、4月には児童が食事や配膳の仕方を身に付け、給食の時間を楽しめるよ うに丁寧な給食指導が必要となる。 ねらい 〇準備や後片付けなどの当番を通じて、協力することが楽しい給食につながることが分かる。 第 章 〇友達と仲良く給食を食べることができる。 時間の配分 食べる分量の調節 〇紙芝居やパネルシアター等を使って、仕事の手順 〇元気な体をつくるためには、いろいろな食べ物を や給食の準備の順番など、小学校の配膳の仕方が 視覚的に分かるようにする。 〇入学当初は、4時間目の半分を給食指導の時間に 当て、ゆとりをもって給食の準備を行う。 〇慣れてきたら、準備や配膳が 15 分、食べる時間が 20 ∼ 25 分、 片付けを 10 分ほどで行えるようにする。 食べることが大切であることを知る。 る。 〇食べ物の働きを考え、苦手なもの でも食べようとする気持ちをもつ。 〇少なめコースを設け、配膳された 量を食べきれるようにする。食べ られたら、おかわりをする。 食事のマナーと環境 給食当番の役割 〇机を班の形にしてトイレと手洗いを済ませ、机を 〇白衣の着替え方を絵などに示して、着方が分かる ふき、テーブルクロスを敷く。 〇給食当番以外の人はトイレと手洗いを済ませた ら、自分の席で静かに座って待つ。 〇配膳は、危険のないようにおしゃべりをしないで 落ち着いて取りに行く。 〇「いただきます」をしてからしばらくの間は「も ぐもぐタイム」とし、お昼の放送(放送委員会に よる放送)を聞きながら、お話をせずに食べるよ うにする。 〇箸やスプーンを使って、皿にごはんつぶなどが残 3 ようにする。 ・白衣を着る前にきれいに手を洗う。 ・帽子はポケットに入れてしまう。白衣のボタンを きちんと留める。マスクを着ける。 〇当番の人数を増やし、お皿を持つ人、おかずを盛 る人というように分担することで、安全や清潔に、 気を付けて配膳できるようにする。 〇当番は、配膳台を用意するグループとワゴンを取 りに行くグループに分ける。 〇牛乳はおぼんに置くと重いので、机に配る。給食 らないようにきれいに食 当番の分の給食の配膳は、次の べる。 週の当番が責任をもって行う。 〇片付けは、班で協力して 〇児童がスムーズに配膳できるよ 行い、終わった人は、終 う担任が分かりやすく役割を示 わっていない班を手伝う。 す。 第 3 章 小学校入学前教育カリキュラム 29 小学校入学前教育カリキュラム 〇食事の前の手洗いや箸の使い方など、食事のマナーに関する基礎的事項を学ぶ。 4月 第2週 6日目 7日目 8日目 9日目 10日目 第2週のねらい ねらい ○学校の施設や様子を少しずつ覚えながら、小学校生活を楽しく過ごす。 第 章 小学校入学前教育カリキュラム 1 道徳 (1/2 時間) ◎週の目標について 「自分から元気よ くあ い さ つ をし よう」 ◎ 防 災 ヘ ルメット の使い方を学ぶ 生活 (1/2 時間) ◎道具箱の使い方 ・引き出しとして ・中身の入れ方 2 国語 (1時間) 国語 (2/3 時間) ◎あかるいこえで ◎ひらがなの練習 「つ」の練習をする。 ・元気なあいさつ ・ ◎ひらがなの練習 ・プリントの学習の 仕方を知る。 行事 (1/3 時間) ◎避難訓練 ・ 「お・か・し・も」 の約束を知る。 国語 (1/3 時間) 音楽 (1 時間) ◎静かに本を読む 音楽専科 行事 (2/3 時間) ◎たのしくうたおう ◎発育測定 ・校歌 ・歌「ドキドキドン 一年生」 国語 (1 時間) ◎どうぞよろしく① ・自 分を 紹 介 する 名刺を作る。 ・自 分 の 名 前 を 丁 寧に書く。 3 体育 (1 時間) 国際 (1 時間) ◎いろいろな並び NT 方(ゲーム) ◎たのしくあいさつ ・整 列 の 仕 方や 笛 ・英 語 の あ い さ つ の仕方を知る。 の合図を学ぶ。 ・グー集合、2列、・気 分を 表 す 表 現 を知る。 1列 ・笛… 1 回 気を付けで 注目 2 回 体育座りで 注目 3 回 集合 国際 (1 時間) NT ◎たのしくあいさつ ・英 語 の あ い さ つ の仕方を知る。 ・気 分を 表 す 表 現 を知る。 体育 (1 時間) ◎おにあそび ・い ろ い ろ な お に あそびをする。 ◎遊具で遊ぼう ・遊具の使い方を覚 え、安全に遊ぶ。 4 国語 (2/3 時間) 算数 (2/3 時間) 国語 (1 時間) ◎はる ◎かずとすうじ① 学年合同 ・ 「はる」の詩を元 ・算 数 に 興 味 を も ◎ 一 年生を 迎 える 気に音読する。 ち 積 極 的 に学 ぶ 会の練習 学活 (1/3 時間) 意欲をもつ。 ・歌「ドキドキドン ◎楽しい給食 ・教 科 書 の 絵 を 見 一 年生 」の 練 習 ・給 食 の 配 膳 の 仕 て数を数える。 をする。 方を身に付ける。 学活 (1/3 時間) ・呼 び か け の 練 習 ◎楽しい給食 をする。 ・給 食 の 配 膳 の 仕 方を身に付ける。 算数 (1 時間) ◎かずとすうじ② ・5ま で の 数 字 と 絵を対応させた り、 順 序 良 く 数 えたりする。 ・絵カード ・おはじき 生活 (1 時間) 学年合同 ◎ 一 年生を 迎 える 会の練習 ・歌「ドキドキドン 一 年生 」の 練 習 をする。 ・呼 び か け の 練 習 をする。 給食 コース別学年下校 給食 コース別学年下校 給食 コース別学年下校 3 30 音楽 (1 時間) 音楽専科 ◎たのしくうたおう ・校歌 ・歌「ドキドキドン 一年生」 給食 コース別学年下校 図工 (2時間) 生活 (1 時間) 学年合同 ◎ みん なでがっこ ◎消防写生会 うをあるこう ・クレパスを使って ・他 学 年 の 教 室や 黄 ボール 紙 に の 専 科 の 教 室の 場 び の びと 消 防 自 所を知る。 動車の絵を描く。 給食 コース別学年下校 「育ちと学び」をつなぐ 小学校入学前教育カリキュラム 国語 (1 時間) ◎どうぞよろしく② ・ 友達に知ってもら いたいことを考え て自己紹介する。 ◎ひらがなの練習 ・ 「く」 「し」の練習 をする。 【実践例2】 港区ならではの「国際科」 【国際科】単元名 たのしく あいさつ 4月 (8時間) 実践のポイント 習い事で英語に触れている児童もいるが、国際科の学習に不安を感じている児童も少なくない。 とにかく Good job! とほめて、自信をもたせる。また、あいさつ→うた→ゲーム→あいさつなど、 毎回の活動の流れを一定にすることで安心して活動ができる。積極的に、英語に親しむ態度を育て ていく。 ねらい 環 境 元気な声であいさつをしたり、友達と楽しみながら 英語の名札を準備する。 教師のかかわり *英語の名札を付ける。 *担任は、NT とティームティーチングで 1 あいさつ 第 章 主な学習活動等 3 児童をサポートする。 * NT…Native Teacher ○安心感をもたせるように、学級担任も ○元気よく、NTとあいさつをする。 ○自己紹介をする。 大きな声であいさつする。 ○自分の名前を言うなどの簡単な自己紹 介を毎時間繰り返し行う。 ○明るい雰囲気で活動が行えるように振 4月 りをつける。 ○NTに続いて、一緒に何度も練習をし、 Good job! とほめ、自信をもたせる。 2 みんなで歌おう ○「♪ Hello song」を歌う。 3 気分を表す表現を知る ○ How are you? Fine,thanks. And you? など 4 ゲームをする ○気分を表すカードをもって数名の友達と話す。 5 あいさつをする ○自分から進んで友達とかかわりを楽し みながらゲームをするよう声をかける。 家庭との連携 ○年度当初の保護者会で、「国際科」は、本区独自の教科であり、コミュニケーション能力の育成 を中心とした授業を実施することを伝える。 ○学年便りなどで、授業の様子を知らせたり、学校公開で参観してもらったりして、保護者の不 安を取り除く。 第 3 章 小学校入学前教育カリキュラム 31 小学校入学前教育カリキュラム ゲームをしたりする。 4月 第3週 11日目 12日目 13日目 14日目 15日目 第3週のねらい ねらい ○学校生活で必要な手順やきまり、約束を確認しながら小学校生活を楽しく過ごす。 1 第 章 小学校入学前教育カリキュラム 3 2 3 4 32 国語 (1/2 時間) 国語 (1/2 時間) 道徳 (1 時間) ◎ うたにあ わ せて ◎ うたにあ わ せて ◎「どうとく」って あいうえお① あいうえお② どん なことをす ・語のまとまりや言 ・語のまとまりや言 るのかな 葉 の 響 きに気を 葉 の 響 きに気 を ◎おはよう 付けて音読する。 付けて音読する。 ・気 持 ち の よ い あ 書写 (1/2 時間) 書写 (1/2 時間) い さ つ、 言 葉 遣 ◎じのかたち ◎じのかたち い、 動 作 な ど に ・ 字形に気を付けて ・ 字形に気を付けて 心 が けて 明 るく 過ごす 態 度 を 育 てる。 国語 (1 時間) 国際 (1 時間) ◎ふ たりでお は な NT し① ◎たのしくあいさつ ・ 絵 を 見 な が ら、・英 語 の あ い さ つ の仕方を知る。 型 に合 わ せ て 質 問 し た り、 答 え ・気 分を 表 す 表 現 たりする。 を知る。 ◎ひらがな練習 ・字 形 に 気 を 付 け て練習する 体育 (1 時間) 算数 (1 時間) ◎体つくり ◎かずとすうじ④ ・ 体を移動する運動 ・5から10の数字 遊び と 絵 を 対 応 させ じゃんけんすごろく た り、 順 序 良 く 動物歩き 数えたりする。 ・ブロック ・数字の練習 体育 (1 時間) ◎おにあそび ・い ろ い ろ な 鬼 遊 びをする。 ◎遊具であそぼう ・ 遊具の使い方を覚 え、安全に遊ぶ。 音楽 (1 時間) 音楽専科 ◎たのしくうたおう ・友 達 と一 緒 に 表 現 する 楽 し さ を 味わう。 ・曲のリズムに合わせ てスキップをする。 算数 (1 時間) ◎かずとすうじ⑥ ・5から10の数字 と 絵 を 対 応 させ た り、 順 序 良 く 数えたりする。 ・ブロック ・数字の練習 音楽 (1 時間) 音楽専科 ◎たのしくうたおう ・体 を 動 かし な が ら、楽しく歌った り聞いたりする。 ・リズム遊び 図工 (1 時間) ◎おひさまにこにこ ・好きな形や色で自 分だ け の お ひさ まを描く。 ・クレパス 国際 (1 時間) NT ◎たのしくあいさつ ・英 語 の あ い さ つ の仕方を知る。 ・気 分を 表 す 表 現 を知る。 体育 (1 時間) ◎おにあそび ・い ろ い ろ な 鬼 遊 びをする。 ◎遊具であそぼう ・ 遊具の使い方を覚 え、安全に遊ぶ。 生活(1 1/2 時間) 2 年生との交流 ◎がっこうたんけん ・ 2 年生に学 校 のこ とを教えてもらう。 ・学 校 を 探 検して 見付 け た も の を カードにかく。 算数 (1 時間) ◎かずとすうじ③ ・5から10の数字 と 絵 を 対 応 させ た り、 順 序 良 く 数えたりする。 ・ブロック ・数字の練習 生活 (1時間) 2 年生との交流 ◎がっこうたんけん ・学校を案内してく れる 2 年 生 と の 顔合わせ ・ゲームで親睦を深 める。 国語 (1 時間) 算数 (1 時間) ◎ うたにあ わ せて ◎かずとすうじ⑤ 国語 (1/2 時間) あいうえお③ ・5から10の数字 ◎ふ たりでお は な し② ・語のまとまりや言 と 絵 を 対 応 させ ・2 年生に教えても 葉 の 響 きに気 を た り、 順 序 良 く らった こ と を 友 付けて音読する。 数えたりする。 達に紹介する。 ◎ひらがな練習 ・ブロック ・ 字形に気を付けて ・数字の練習 給食 コース別学年下校 給食 コース別学年下校 給食 コース別学年下校 「育ちと学び」をつなぐ 小学校入学前教育カリキュラム 給食 コース別学年下校 給食 コース別学年下校 【実践例3】文字指導の工夫 文字の指導(国語・書写) 4月 実践のポイント 保育園や幼稚園では、お店屋さんごっこ、お手紙ごっこ、自由遊びなどで、字形が整わなくても文字 を書く経験をしてきている。また、絵本を読んだり、読み聞かせをしてもらったりして文字を読むとい う経験もしてきており、文字の学習に対する意欲をもち、期待に胸を膨らませて、入学してきている児 童が多い。その意欲を持続していくために、小学校教育では、一人ひとりの経験に違いがあることを理 解し、筆記具の正しい持ち方や姿勢を指導し、簡単な文字からだんだんと難しい文字へと平仮名学習を 進めていく。 ねらい 〇姿勢や鉛筆の持ち方に気を付けて、線をなぞったり書いたりする。 第 章 〇平仮名の字形や筆順、基本点画(とめ、はね、はらい)に気を付けて書く。 指導の順番 〇読みの指導と書きの指導を分けて考える。 〇鉛筆の正しい持ち方を指導する。 〇まっすぐな線や折れ曲がった線、曲線などをなぞ ・鉛筆は斜めに傾ける。 る運筆練習から始める。 3 鉛筆の持ち方 ・削ってあるところの少し上を持つ。 〇平仮名を指導する順番を簡単な文字から難しい文 ・人差し指と親指で丸くつまむように持つ。 字へ進める。似ている文字を連続して指導する。 〇正しい持ち方の図を教室の前に掲示する。 ・一画(つくしへて)二画(い、り、こ) ・似ている形の文字(に、た)(ち、ら、ろ、る) (ま、よ、は、ほ)(め、ぬ)(わ、れ、ね)など 姿 勢 指導の工夫 〇文字を書く正しい姿勢を指導する。 〇手本を指でなぞったり、空書きをしたりする。 ・ぐう 〇一マスを4つの部屋に分け、始 (机とお腹の間にぐう一つ分空ける) 筆、終筆を意識した指導をする。 ・ぺた (両足を揃えて床にきちんと付ける) ① ② ③ ④ ・ぴん (背筋をぴんと伸ばす) 〇「さいごをぷりん」「くるりんすう」「かくかく しゅっ」など、音で特徴をとらえさせる。 〇字形や、折れ、曲がり、腕 を大きく使って大きく空書 きをして覚える。 第 3 章 小学校入学前教育カリキュラム 33 小学校入学前教育カリキュラム 〇書くときの正しい姿勢や鉛筆の正しい持ち方を知る。 4月 第4週 16日目 17日目 18日目 19日目 第3週のねらい ねらい ○学校生活で必要な手順やきまり、約束を確認しながら小学校生活を楽しく過ごす。 1 第 章 小学校入学前教育カリキュラム 3 2 3 国語 (1 時間) 国語 (1 時間) ◎ふ たりでお は な ◎ひらが なのふく し③ しゅう ・ 絵 を 見 な が ら、・習ったひらがなを 型 に合 わ せ て 質 使 って、 言 葉 集 問 したり 答 え た めをする。 りする。 ・つくし・くに・つ ◎ひらがな練習 り ・字 形 に 気 を 付 け て練習する。 体育 (1 時間) ◎体つくり ・体を移動する運動 遊び じゃんけんすごろく 動物歩き 算数 (1 時間) ◎かずとすうじ⑧ ・10 までの数の物 を 並 べ た り、 比 べたりする。 ・手拍子を打って 数える。 ・カードで数合わ せをする。 音楽 (1 時間) 音楽専科 ◎たのしくうたおう ・友 達 と一 緒 に 表 現 する 楽 し さ を 味わう。 ・曲のリズムに合わせ てスキップをする。 図工 (1 時間) ◎粘土でつみき ・粘土を柔らかくこ ねる。 ・作ったねんどの形 か ら 何 が で きる か考える。 生活 (1 時間) ◎交通安全教室 ・安 全 な 歩 行 につ いて 警 察 の 方の 話を聞く。 ・交 差 点の 歩 行 の 仕 方 を 実 際 に歩 行し な が ら 身 に 付ける。 20日目 4 国語 (1 時間) ◎あかいことり② ・リズムや繰り返し を 意 識し な がら 音読する。 ◎ひらがな練習 ・字 形 に 気 を 付 け て練習する。 生活 (2時間) ◎あくしゅだいさく せん ・2 年生に案内して も らった こ と を 思い出す。 ・もう一度行ってみ たい場所に行き、 「よろしくねカー ド」 を 渡 し、 握 手 を し、 自 己 紹 介をする。 体育 (1 時間) 音楽 (1 時間) ・ 「あくしゅだいさ ◎かけっこ・リレー 音楽専科 くせん」を振り返 あそび ◎たのしくうたおう り、 「みつけたよ ・かけっこやリレー ・友 達 と一 緒 に 表 カード」を書く。 のやり方を知り、 現 する 楽 し さ を 味わう。 楽しむ。 ・曲のリズムに合わせ てスキップをする。 国際 (1 時間) 体育 (1 時間) NT ◎かけっこ・リレー ◎たのしくあいさつ あそび ・英 語 の あ い さ つ ・順 番 を 工 夫 して の仕方を知る。 いろいろなコー ・気 分を 表 す 表 現 スを 楽 し んで 走 を知る。 る。 国際 (1 時間) NT ◎たのしくあいさつ ・英 語 の あ い さ つ の仕方を知る。 ・気 分を 表 す 表 現 を知る。 2 3 4 34 算数 (1 時間) ◎かずとすうじ⑦ ・ ばらばらに置かれ たものの数を数え ることができる。 ・数字の練習 生活 (1/2 時間) 国語 (1 時間) ◎がっこうたんけん ◎あかいことり① ・ 「よろしくねカー ・リズムや繰り返し を 意 識し な がら ド」をつくる。 音読する。 国語 (1/2 時間) ◎ひらがな練習 ◎あかるいこえで ・字 形 に 気 を 付 け て練習する。 ・ 「よろしくねカー ド」 を 使 って 自 己 紹 介 の 練 習を する。 算数 (1 時間) ◎かずとすうじ⑨ ・10 までの数の物 を 並 べ た り、 比 べたりする。 ・手拍子を打って 数える。 ・カードで数合わ せをする。 国語 (1 時間) ◎おはなしよんで ・読 み 聞 か せ の 本 を 想 像 を 膨 らま せ て 聞 くこ と が できる。 ・図 書 室 の 約 束 を 知る。 給食 コース別学年下校 給食 コース別学年下校 給食 コース別学年下校 給食 コース別学年下校 給食 コース別学年下校 「育ちと学び」をつなぐ 小学校入学前教育カリキュラム 【実践例4】 教科と教科の関連性を図った指導の工夫 −生活科と国語科− 【生活科】大単元「さあ がっこう たんけんだ」 4月 小単元 あくしゅ だいさくせん(4時間) 実践のポイント 入学したばかりの児童の学校生活への適応を図るために生活科「学校探検」の学習を中心とし、 教科と教科の関連を図った学習を進める。幼児期の遊びや生活の経験を踏まえ、児童の思いや願い から活動を組み立てる。 教科の時間の割り振り 学校の施設を知り、利用の仕方がわかり、友達や先 <生活科4時間+国語科1/ 2時間> 生、学校を支える人々と親しみながら、安全な学校生 ・生活「がっこうたんけんをしよう」 1 1/2 時間 活を送ることができるようにする。 ・生活「よろしくねカードをつくろう」 1/2 時間 ・生活「あくしゅ だいさくせん」 1/2 時間 2 時間 主な学習活動等 教師のかかわり 1 生活「がっこうたんけんをしよう」 ○2年生にいろいろな場所を案内しても *32 ページ 15日目 参照 ( 1 1/ 2時間 ) ○2年生に案内してもらう。 ○次回の探検の計画をたてる。 第 章 ・国語「あかるい こえで」 3 らいながら学校生活に期待をもたせる。 ○「どんな部屋があったか」 「どんな人が いたか」など、もう一度行ってみたい 場所などを確認する。 2 生活「よろしくねカードを作ろう」 ○「あくしゅ だいさくせん」で渡す名刺 ( 1/ 2時間 ) 作りで、簡単に書くことができるワー ○好きなものを書く。 クシートを用意する。 わたしのなまえは、「 」です。 4月 すきな○○は△△です。 あくしゅをしてください。 3 国語「あかるいこえで」 ○以前学習した「あかるいこえで」を思 ( 1/ 2時間 ) い出しながら、一人ひとりが自信をもっ ○自己紹介の練習をする。 て、自己紹介できるように何度も練習 する。 4 生活「あくしゅ だいさくせん」 ( 2時間 ) ○作った「よろしくねカード」をもち、 ○学校を探検する。 自分の名前、好きな食べ物などを紹介 ○自己紹介をする。 する。 ○「みつけたよ カード」を書く。 ○「あくしゅ だいさくせん」を振り返り、 気付いたこと、大好きな場所、人など を伝え合う。 第 3 章 小学校入学前教育カリキュラム 35 小学校入学前教育カリキュラム ねらい 5月 第2週 1 火 国語 (1 時間) ◎はなのみち② ・第 一 の 場 面 を 読 み、 くま さ ん の 様 子と 家 の 中 の 様 子を 想 像 する ことができる。 ・挿絵・お面・視写 ◎ひらがな練習 水 木 金 国語 (1 時間) 国語 (1 時間) 道徳 (1 時間) ◎はなのみち③ ◎はなのみち④ ◎ことばのちから ・第 二 の 場 面 を 読 ・第 三の 場 面 を 読 ・人を傷つける言葉 み、 く ま と り す み、 く ま と り す を 使 わ ず、 人を の 様 子を 想 像 す の 様 子を 想 像 す う れし い 気 持 ち ることができる。 ることができる。 に さ せる言 葉 を ・挿絵・お面・視写 ・挿絵・お面 進 んで 使 う態 度 ◎ひらがな練習 ◎ひらがな練習 を育てる。 体育 (1 時間) 算数 (1 時間) 体育 (1 時間) ◎体つくり ◎なんばんめ① ◎かけっこ・リレー ・ 体を移動する運動 ・上下 左 右 前 後 に あそび 遊び 並 んだ も の の 位 ・ 順 番 を 工 夫して じゃんけんすごろく いろいろなコース 置を表す。 動物歩き を楽しんで走る。 音楽 (1 時間) 算数 (1 時間) 音楽専科 ◎なんばんめ③ ◎たのしくうたおう ・上下 左 右 前 後 に ・友 達 と一 緒 に 表 並 んだ も の の 位 現 する 楽 し さ を 置を表す。 味わう。 ・曲のリズムに合わせ てスキップをする。 音楽 (1 時間) 音楽専科 ◎たのしくうたおう ・友 達 と一 緒 に 表 現 する 楽 し さ を 味わう。 ・曲のリズムに合わせ てスキップをする。 図工 (2 時間) 国際 (1 時間) ◎ みんなでかざり NT をつくろう ◎たのしくあいさつ ・は さみ の 安 全 な ・英 語 の あ い さ つ の仕方を知る。 使い方を知る。 ・折 り 紙 を 4 つ に ・気 分を 表 す 表 現 を知る。 折り、切って飾り を作る。 ・ たこ糸、ストロー 学活 (1 時間) 算数 (1 時間) を 使って、 折り紙 ◎学級の 係を決め ◎かずとすうじ⑩ の飾りをつなげる。 よう ・10までの数の物 を 並 べ た り、 比 ・入学してから今ま べたりする。 で の 学 級 の 仕事 ・ドリル 等 で 習 熟 を振り返る。 を図る。 ・係 の 内 容 を 確 認 し、決定する。 体育 (1 時間) ◎かけっこ・リレー あそび ・ 順 番 を 工 夫して いろいろなコース を楽しんで走る。 学活 (1時間) ◎ そ うじ のしかた をおぼえよう ・雑巾の絞り方 ・ほうきの使い方 ・机の運び方 生活 (1時間) ◎アサ ガオを育 て よう ・ア サ ガ オ の 種 を 観察する。 ・ア サ ガ オ の 種 を 植える。 第 章 小学校入学前教育カリキュラム 2 月 国語 (1 時間) ◎はなのみち① ・お 話 の 大 体 の 内 容をつかむ。 ・学 習 の見 通し を もつ。 ・挿絵・お面・視写 ◎ひらがな練習 3 3 4 5 国際 (1 時間) NT ◎たのしくあいさつ ・英 語 の あ い さ つ の仕方を知る。 ・気 分を 表 す 表 現 を知る。 算数 (1 時間) 国語 (1 時間) ◎なんばんめ② ◎おはなしよんで ・ 「 前 か ら 何 番 目 」・読 み 聞 か せ の 本 「前から何人」 を 想 像 を 膨 らま ・上下 左 右 前 後 に せ て 聞 くこ と が 並 んだ も の の 位 できる。 置を表す。 ・図 書 室 の 約 束 を 守って読書する。 生活 (1時間) ◎ こうえ んで あ そ ぼう ・学 区 域 の 公 園 に ついて知ろう。 ・友 達 と仲 良 く 遊 ぼう。 クラス毎 に 方 面 別 クラス毎 に 方 面 別 クラス毎 に 方 面 別 クラス毎 に 方 面 別 クラス毎 に 方 面 別 に下校 に下校 に下校 に下校 に下校 家庭との連携 自分でできることは、自分でするようお便りで伝え、家族の一員として毎日続けられる手伝い などの役割を与えることを促す。 36 「育ちと学び」をつなぐ 小学校入学前教育カリキュラム 【実践例5】 幼児期の経験を生かす配慮 ―特別活動の工夫― 5月 【特別活動】 「学級活動」 学級の係を決めよう 実践のポイント 保育園や幼稚園での経験や、入学後1か月間で行った仕事や当番活動をもとに、学校生活に慣れ てくるこの時期に学級の係を決める。一人ひとりが自分の係に対して主体的に活動する場面も見ら れるようになる。 ねらい 学級の児童が困らずに学校生活が楽しくなるような係を、今までの経験をもとに出し合い決める。 1 今までの当番活動を振り返ってみよう ※教師側が入学後2週間目頃より意図的 ○入学してから今までの学級の仕事(活動) 第 章 教師のかかわり 3 に学級にとって必要な仕事(活動)を 児童に経験させておく。 を振り返る。 ○保育園や幼稚園での経験を思い出させ、 児童から引き出す。 2 この係があるといいな 5月 ○係を出していく。 ・黒板係 ・電気係 ・手紙係 ・ならばせ係 ・配達係 ・金魚のえさ係 ○係の名前は、児童の考えた名前にする ・体育係 など など、親しみをもたせる。 ○係の種類は、なるべく多くする。 3 係の仕事内容を確認し、決定する ○一つ一つ仕事内容を確認し、自分の係を ○一つの係の人数を少なくする。 決定する。 特別活動「学級活動」 「仲良く助け合い学級生活を楽しくする」ために、低学年の発達の段階に即した指導のめやすと して、以下の活動が考えられる。 係 活 動…当番的な活動から始め、少しずつ創意工夫できる係の活動を見付けられるようにする。 少人数で構成された係で仲良く助け合って活動し、学級生活を楽しくすることができ るようにする。 当番活動…清掃、給食、日直等→学級に貢献していることが実感できるように指導する。 第 3 章 小学校入学前教育カリキュラム 37 小学校入学前教育カリキュラム 主な学習活動等