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合併号 - 杏林大学
8月・9月 合併号 平成17年 No. 347 会報 2005杏林大学オープンキャンパス・入試説明会 www.kyorin-u.ac.jp/ 学部改革 平成17年度事業計画として各学部が取り組む教育改革について、あんず6・7月号(No.346)で紹介し ていますが、今回はその内容について各学部長の報告を掲載します。 カリキュラム改革はゴールではない 外国語学部長 鳥尾 克二 2006年4月外国語学部は3学科6専門コース体制に再 点を補完・補強する応用教育です。そのため全面的に 編成されます。1988年の設置以来、学部のDNAは 見直され、充実・再編・整備されたカリキュラムや留 「徹底した外国語教育を受けた実務的人材の育成」で 学、インターンシップ、ボランテイア等制度が適宜用 ありました。新体制においては従来以上に「徹底した 意されます。 外国語教育」と「実務的人材の育成教育」双方を可能 一連のカリキュラム改革はより良い学部形成に向け とするカリキュラムとFDを充実させていく必要があ た重要なステップではありますが、そのままでゴール ります。90年代のバブル崩壊以降、社会はほぼあらゆ を意味するものではありません。学部改革の本物の成 る分野で苦難に満ちた構造改革に取り組んできまし 果は、主眼とする3点の辛抱強い達成プロセスの延長 た。教育分野も例外では在り得ず、変革の潮流はまず にのみもたらされる性格のものであり、そのため第2 国立大学を直撃し、その大きなうねりが全ての私学に ステップとしてFDへの本格的取り組みが重要と考え 及んでいます。8月14日の新聞報道は日本の人口は ます。その一環として①ITプログラムを授業に活かす 2006年にもピークを迎え始め、2030年時点では対2000 ②常置・新規委員会を活性化する③授業評価を継続す 年比5%のマイナスが予測されると伝えております。 る④GP,COEに積極的に取り組むこと等によって 社会を離れて大学教育は存立し得ません。語られて 教育と研究面での学部のパワーアップを目指していく きた大学改革の必要性は今や身近な現実そのものであ ことが必要です。この歩みは地味で困難な作業を伴い り、私達は変化しないでいること自体が退歩に繋がる ますが、学部の組織や個人ともに避けて通ることはで 厳しい事実に直面しております。変革をためらうこと きません。学生諸君や受験生に選択され支持されるカ は即後退あるいは退場を意味する。この時代認識のも リキュラムや授業の成否は教職員のこれからの日々に とに第1ステップとして八王子キャンパスの学部カリ かかっています。左に傾かず、右に走ることなく現実 キュラム改革と学科再編成が行われました。今回の外 の正面を見据えてあせらず、たゆまぬ一歩を積み重ね 国語学部カリキュラム改革の主眼は主として3点に集 ていくことが大切と考えます。文科省への手続きが完 約されます。第1点は全学生の実践的語学力と人間力 了し、この夏、学部改革は本番に向けて大きな一歩を 修得を目標とした基盤教育、第2点は卒業後のキャリ 踏み出しました。今後ともより良い学部を目指して教 ア形成を意識したコース毎の専門教育、第3点は前2 職員の皆さまとともに努力いたしたく存じます。 総合政策学部のさらなる発展・充実をめざして 総合政策学部長 学部改革のポイントとして提示してきた5つの項目 を援用しつつ、本学部のさらなる発展・充実をめざす べく、具体的な取り組みとして、つぎのような四つの 項目を検討・実施してゆくこととした。 千葉 洋 成のためのキャリア取得プログラムの完全遂行を第1 及び第2セメスター次に図るということである。 これには1グループ8人という少人数のプレゼミナ ールを完全実施することにより専門教育に必要な基礎 そのまず第一は、大学生・社会人として要求される 学力向上のための教育を徹底的に行うとともに、生活 基礎知識・国語力・計算力等を習得するための基礎教 指導及び卒業後の進路についての指導も併せ行うこと 育プログラムおよびそれぞれの学生が設定する目標達 によりこうした目的を完全にクリアすることとしたい。 ― 2 ― ついで第二は、第2年次から4年次の卒業研究に至 ある重点高校[指定校]157校に対して、学部全教員 るゼミナールでの一貫教育を通して学問への道標を呈 が8月と9月の2回訪問するとともに、一般入試・セ 示するとともに、キャリアサポートセンターによるそ ンター入試に向けて、重点地域予備校・塾を夏休みと れぞれのゼミナールへの出前指導等の協力のもと、徹 11月の2回訪問する。くわえていわゆる戻り葉書等 底した進路指導・就職指導を、ゼミナール担当教員自 で関わりのとれている受験生に対しては繰り返し学部 身の責任で実施するということである。 及び受験情報を提供する。そのための広報ツールとし 第三は、本学部に相応したより質の高いレベルの受 験生を獲得するための具体的なプランを検討・実施す ての学部リーフレット、ビラ等を配布時期・目的に応 じて早急に作成することとする。 最後の第四の項目は女子学生の在学生に占める割合 ることである。 そのために受験生の受験校決定プロセスに合致した [現在約2割]を4割程度にまで増やすことを目標に掲 入試種別ごとの戦略策定と、学部創設以来の入試結果 げ、そのための設備の充実と広報活動を実施すること 分析にもとづいた重点高校及び重点地域の予備校・塾 である。 とを念頭に置いた受験生獲得のための戦略を考えるこ これは昨今の大学をとりまく社会情勢に対応するた めのもので、この試みは結果として偏差値の向上にも とにしたい。 具体的には、推薦入試に向けた活動として、実績の 繋がると期待している。 保健学部改革構想について 保健学部長 藤原 隆明 平成16年9月21日付で「杏林大学八王子キャンパス の発足を目指して鋭意準備の真最中である。既にこの の将来構想に関する提言」 (以下、 「提言」 )なる報告 6月末までに開設にあたって必要な諸手続きを完了し 書が、そのほぼ1年前に発足した大学改革プロジェク たところである。許認可が下りれば都内で初の4年制 ト委員会から本学園理事会に提出され、その方針に従 の臨床工学技士養成機関となる筈である。 って、医学部を除く八王子3学部のそれぞれにおいて なおこれと並行して、従来からある臨床検査技術学 は、これに盛られている各事項に対する速やかな対応 科では同じく平成18年度より定員を10名ずつ増員し各 が迫られてきた。 (同報告書第章90頁) 。 学年とも55名から65名に変更する。 保健学部は、生命誕生からその最後の瞬間まで、人 (2) 「臨床検査技術学科、保健学科の両学科で取得可 間のライフステージ全てを対象とした健康問題に関わ 能な臨床検査技師と救急救命士の資格を、臨床検査技 る実践家、および健康文化を創る実践家を養成するこ 師は臨床検査技術学科、救急救命士は保健学科に限定 とを目的としている(同第2章16頁) 。この目的に向か する。 」 (同4・18頁) って今、日々の改革への営みが為されている。現時点 これに付言として、 「異なるカリキュラムで同一資 までの保健学部および保健学研究科に対する「提言」 格取得希望者を養成する矛盾」が解消され、本来の の中の各事項への対応としての保健学部における具体 「大学における資格教育」を基盤としたカリキュラム の再構築が容易となる。また、 「両学科の違いが明確 的な取組みの現状について述べる。 (1) 「新規資格として、臨床工学技士課程を臨床検査 技術学科に設定する。 」 (同4頁) になり受験生にわかりやすい」とある。しかしこの 「提言」の実現化とともに派生してくると予想される、 現代医療において人工心肺装置や血液浄化装置をは 両学科への併願者(平成17年度までのここ3年間の調 じめとする生命維持管理装置を操作する臨床工学技士 査では、両学科ともそれぞれへの志願者数のほぼ1/3、 への需要はなお増しており、現時点で本学医学部付属 すなわち32∼35%にのぼる)へのさまざまな影響、ま 病院にも約20名の同技士が就業している。今回その養 た、いずれかの学科に入学した後に生じた進路変更の 成課程を本学部内に、しかも「提言」のごとき1学科 希望者に対して従来行ってきた転学科試験の取り扱い 内での「養成課程」ではなく、保健学部を構成する4 (拡大など)の問題、などがある。従ってこれへの対 番目の「科」すなわち「臨床工学科」 (各学年定員40 応策として、一般入試および入学後の転学科試験の実 名)として新たに開設することになり、平成18年4月 施方法についての十分な検討が必要と考えている。い ― 3 ― わば「資格取得に関する学科限定」であるが、平成19 これらのボランティア活動を学修単位として認定する 年度からの実施を目指している。 ことにつき引き続き検討を行っている。 (3) 「看護学科カリキュラムの抜本的見直しを行う」 (7) 「保健学の今日的意義を再確認し、コース編成や (同)本事項については学部内で早期から取り組んで 学位授与に反映させる。また講義担当教員の再配置な おり、今回の「提言」に沿って改正案を再度見直し、 どによって授業内容の充実を図る」(保健学研究科、 最終的な改正カリキュラム案が完成しつつある。過密 同7頁)大学院保健学研究科では近年の入学志望者の なカリキュラムを改正し、あくまでも「コア重視」を 減少傾向に触発されて、平成16年3月に特別委員会を 再確認するものである。また、長期間かつ頻回に検討 発足させて対応策の検討を重ね、同年6月にその答申 してきた他の2学科(臨床検査技術学科と保健学科) がなされたところである。それによる改革案の骨子は、 のそれぞれのカリキュラムについても再度見直しを行 a)研究科授業内容の充実 平成16年度からは、研究科 い、時宣に則した最終カリキュラム案を作成し実行に 委員ではなくとも、専任の助教授・講師のうちから保 移す。 健学研究科の活性化に必要であると判断された科目に (4) 「実験技術、調査技法取得の基礎科目を新設し、 ついては授業ができる教員を講義担当教員として採用 1年次に開講する」 (同4・19頁)すでに保健学科にお してきているが、これが研究科の活発化に貢献してお いては保健学基礎実習が必修とされている。看護学科、 り、かつまた結果として他の休講科目をも減らす副次 臨床検査技術学科カリキュラム作成においても保健学 的効果も醸し出してきている。引き続き継続していく。 科との調整を行い、3学科間で基本的な教育目標の合 b)履修上の便宜性 主として社会人を対象に、平成 意を図ることにしている。平成18年度から実施する。 17年度より懸案であった平日夜間ならびに土曜日開講 (5) 「インターンシップ制度を導入する」 (同4・20頁) や連日の集中講義などを開始している。この場合、 本学部における臨床検査技師、看護師、保健師、社会 「社会人」についてはこれを広く定義し、各自の研究 福祉士、養護教諭のそれぞれの養成課程では、比較的 遂行への便宜を図るように努力している。 容易にこの制度にのせることが可能である。学生にと c)教員の研究の活性化 教員の研究活動をより一層 っても実社会の現状と課題を把握するよい機会でもあ 高める目的で、平成16年度から若手∼中堅研究者によ るので大いに推進したい。既にこの2月末に近隣の加 る教室単位での研究発表会を開催している。今年度以 住小学校からインターン(シップ)派遣(理由は保健 降もその一層の充実を期して、昇任した教員・新規採 室登校生、不登校生への対応のためなど)の正式依頼 用の教員についても逐次研究発表をして貰い、学部内 も来ており、母子保健学研究室・養護教育学研究室を における自他の研究内容を広く流布把握することを図 中心に活動中である。またこれに先立つこと数年前か っていきたい。また時宜を得たテーマ・講師による特 ら毎年度、夏期都立病院看護学生インターンシップへ 別講義も定期的に行いそれぞれの研究室における研究 の参加を申し入れており、5日間の看護体験が認めら の活性化を図っていく。 れている。今年も8月22日から同26日まで都立府中病 d)広報活動の活性化 保健学研究科の活動内容や現 院にて行うことになっている。順次拡大していきたい。 況を、保健学部在学生とその父兄・保健学研究科卒業 (6) 「ボランティア活動科目の創設」 (同4・21頁)3 生に対して、あんず会報・杏里会報・ホームページ・ 学科ともに現状では比較的過密なカリキュラムのもと 就職説明会などを通じて周知徹底させ、また各研究室 で授業が行われているが、そのような中で、自らの意 単位での大学院への入学の勧誘などを従来以上に積極 思でボランティア活動に積極的に参加している学生も 的に促進して行くことを申し合わせる、などしている。 少なくはない。この方面での教員と学生との関わり方 なお以上のような努力の総集の結果として、平成17 は従来はやや個別的なものに留まっていたが、各学部 年度から本研究科への入学志願者数は徐々に回復の兆 そして3学部全体としての体系的かつ適切な指導が出 しを見せている。今回の「提言」に盛られた課題はこ 来る窓口が準備されつつある。近年は同じく近隣の加 の他なお多岐に渉るが、今回はそれらの中でも保健学 住中学校などからの需要もある。内容は、バドミント 部ならびに保健学研究科として直ちに取り組まねばな ン部の部活外部指導員、数学・英語のモーニングスク らぬ喫緊の課題についてのみ述べた。引き続き全学的 ール講師、保健室・心理療法教室への訪問ボランティ な杏林大学改革構想が種々練られつつある中、それら ア、保健学部3∼4年生による健康診断補助への派遣依 と関わりつつ保健学部の更なる改革構想が存するわけ 頼などである。なお「提言」にも盛られているように、 であるが、次の機会にその具体案をお示ししたい。 ― 4 ― 総合情報センターの発足に当たって 総合情報センター長 笈川 博一 杏林学園のIT化を総合的にかつ組織的に推進する ために新しく「総合情報センター」を発足させること が、7月25日に開かれた理事会で承認され、 「センター」 は8月1日に正式にスタートした。遅ればせながらでは あるが平成17年度は杏林学園にとってのIT元年で あり、今年から本格的な学園の情報化が始まる。医学 部、看護専門学校はその特殊性のゆえに今進めようと 8月1日総合情報センター発足式の様子 している計画からははずれ、当面は保健学部、総合政 策学部、外国語学部を擁する八王子キャンパスがその 学から必要な情報を受け取る。掲示板のIT化と言え メイン・ターゲットとなる。 るかもしれない。 IT化は事務系、教育系と二つの側面からなる。 現行システムに情報が登録されている在学生が新し い制度に移行するには少し時間がかかる。現行システ 事務系のIT化 ムから情報を読み出して、それを新しいシステムに移 事務のIT化はルーティンの仕事を軽減する方向に し替えなければならないからである。19年度初めには 向かうだろう。学生にとっても職員にとっても悪夢だ 全学生が新しいシステムのメリットを享受できる方向 った履修登録の行列はなくなるし、成績処理も教員が で努力している。 最終資料を打ち込むことになり、事務職員が神経をす 数年はかかるプロジェクトではあるが、入試からキ り減らす必要はなくなる。そこから生み出される余裕 ャリア・サポートまで一貫しての情報管理が可能にな は、細かい指導を必要とする学生に対する親身な対面 れば、そこからくみ取ることの出来る情報は我々に大 サービスの向上に振り替えられる。事務のIT化は事 きな示唆を与えるだろう。数種類ある形式の入試とそ 務職員のためにあるものではなく、学生サービス向上 の後の成功・挫折度との関係、受験科目とその成績は の一部ととらえるべきである。 その後のパフォーマンスと相関するのか、授業の取り 事務のIT化に関してはすでに数年前からその必要 方は就職の成功度を上げるのかなどが明らかになれ 性が感じられ、事務各部門でそれに向けての検討が断 ば、経験と勘に頼って手探りで進めてきた改革を変化 続的になされてきたが、残念ながら図書館、入学セン させるだろう。 ターを除いて実行に至ることはなかった。しかし18年 教育系のIT化とも相まって、学生がITを無視す 度に八王子3学部のすべてで広範な学部改組が行われ れば、不利益でないまでもかなりの不便をこうむるこ ることが事務IT化に大きなプッシュとなった。それ とになる。しかし卒業後の職業生活はもちろん、単に は、手直ししつつ平成3年以来使ってきた汎用コンピ 就職だけを考えてみても、昨今ではITなしには就職 ュータによる現行システムが今回の大きな改組に耐え 活動そのものが始まらないことを考えると、こうした られなくなってしまったためである。現行システムの 刺激は必要であろう。 度重なる手直しが、それぞれは妥当でも、合計すると かなりの金額に上ったという事情もある。またこれま 教育系のIT化 でのシステムが一世代前の硬直したもので、現場では 教育面でも学生サービスの一環としてIT化を進め 細かい手直しも出来ず、いちいちメーカーに依頼しな たい。しかしそれは事務系のIT化のようなコンセン ければならなかった不自由さも理由の一つに数えられ サスを得ているわけではなく、手探りの状況である。 よう。 1)シラバスを現在よりきめ細かいものにし、学期途 18年度初めには新入生が新しいシステムに登録され る。その結果、彼らはウェブ履修登録が可能となる。 中でも進行に合わせて手直しすること、 2)授業で配るハンドアウト、課題図書・論文などを また彼らはポータル・サイトを通じてそれぞれの時間 学生がいつでも参照できるようにネット上に掲載 割に即した休講情報、奨学金の報知・呼び出しなど大 すること、 ― 5 ― 3)授業中に反応しない学生に発言させるためのバー らだ。学生はもちろん、事務職員にとっても単純では ないが、特に教員の一部に強いアレルギーを引き起こ チャル・フォーラム設置、 4)ITを使ってクイズ、アンケートを実行して、リ すことが、他大学の例からも予想される。それを克服 アル・タイムで学生の授業理解度を認識すること するためには、 “学園・学部を挙げての努力”を示す などは教員の手間が増える以外に反対の理由はないだ ろう。これらの方法は授業の補助手段として有効であ 以外にない。 投資さえすればハード面でのインフラ構築は可能 だ。しかしそれを有効に活用するソフト面での解決が ると考えられる。 異論が出るのは、長年なじんできた板書方式からの なければ、なんの役にも立たず、投資が無駄になるの 変化、授業をビデオ撮影し、資料とともにネット上に は明らかである。そのソフトの要が教員の決意にあり、 掲載して学生が繰り返し見ることが出来るようにする それを指導・牽引するのが学部三役であると考える。 ことなど、より積極的な使用法だろう。前者は、17年 17年度秋学期からコンテンツ化した授業をネット掲 度春学期に3学部のいくつかの授業で実験した結果、 載したパイロット版を出発させる。またハンドアウト プロジェクター利用で学生に板書をより見やすい形で や授業で使う資料のデジタル化もそれに含まれる。本 提供することが可能であり、学生の反応も良好である 学教員が三鷹、八王子で行っている市民講座、オープ ことが分かった。後者は、保健学部にあるような国家 ン・キャンパスでの模擬授業などは、その性質上、イ 試験合格準備のために特化した授業には非常に有効で ンターネットを通じて一般に公開するが、授業のコン あることが他校で実証されている。しかし総合、外語 テンツ受信は当面学内者のみの閲覧に限る。 のような文系学部ではその有効性が問われるかもしれ こうした目的達成のために「総合情報センター」を 設け、学園におけるIT化の実現を一元化する。また ない。 それでもなお授業のIT化が学生サービスになると 学長を委員長とする「情報化委員会」を発足させ、学 すれば、各学部を指導する学部長、教務部長、学生部 園のIT化に向けての組織的、総合的な取り組みを推 長の授業をデジタル・コンテンツ化することから行動 進していく所存である。しかしこうした改革が教職員 を開始すべきだろう。学部の責任者の参加を最初に行 各位の協力なしには実現不可能であることは言を待た うのは、IT導入が当初はつらいものと感じられるか ない。教職員各位の協力をお願いする。 理事長・学長が八王子3学部教授会でメッセージ テレビ会議システムを活用 松田博青理事長と長澤俊彦学長は7月20日、八王子 キャンパスの3学部教授会で全教員に向けてメッセー ジを送りました。これは全学のITプロジェクトが本格 的にスタートしたことに際して、外国語学部の教授会 から学内LAN上のテレビ会議システムを使って保健 学部と総合政策学部の教授会にも同時にスクリーンに 映し出された映像と音声でメッセージを送ったもので す。 まず松田理事長は、今後3年くらいの計画で全体を 完成させるITプロジェクトについて方針を説明し、ま た政府が進める産学連携における知的財産の問題・観 光事業に総括的に係わる人材の育成、医療機関の管理 言及し、全教員の理解と協力を求めました。 松田理事長と長澤学長のメッセージのあと、各学部 教授会に出席の教員から出された6件の質問に対し 者の養成等について解説を行いました。 ついで長澤学長は、学部改革・学部FD(授業評 て、理事長・学長・笈川教授・堀広報・企画調査室長 価・「成長するティップス先生」の感想)について報 が逐一返答し、3学部教授会を学内LANで繋いだ双 告し、次に認証評価・入試体制・研究費等についても 方向のテレビ会議の試みは成功裏に終了しました。 ― 6 ― 三鷹市自衛消防訓練発表会で女子隊が優勝 男子隊は3位を獲得 審査は、大地震により冷蔵庫の下敷きとなった怪我 人の救出、応急手当、消火器・屋内消火栓による初期 消火、避難誘導要領等、地震及び火災発生時の一連の 自衛消防活動要領について行われ各隊とも優勝を目指 して気迫あふれる機敏な操法を展開しました。 その結果、女子隊は抜群なチームワークときびきび とした確実な演技で、過去7回優勝の富士重工業自衛 消防隊を抑えて見事9年ぶり3度目の優勝を成し遂げ ました。また、男子隊は3年連続優勝を目指して日ご 三鷹消防署主催の平成17年度自衛消防訓練発表会 が7月6日(水)、三鷹市役所構内において、三鷹市内 の4病院を含む23事業所30隊(男子隊25隊・女 ろの訓練成果を十分発揮しましたが惜しくも3位とな りました。 この発表会を通して当学園自衛消防隊は、安全安心 な医療機関の一翼を担う自衛消防隊員として高く評価 子隊5隊)が参加して行われました。 学園からは今年は杏林大学付属病院自衛消防隊とし され大いにアピールすることが出来ました。これも忙 て男子隊(指揮者・芝田学、1番員・若狭大樹、2番 しい勤務のかたわら訓練に励んだ各隊員の皆さん、そ 員・嶌崎陽介)ともに警備室勤務及び女子隊(指揮者・加 して訓練をサポートして頂いた各職場の皆さんの賜で 藤祥子(薬剤部) 、1番員・清水梓(医事課) 、 2番員・今美 あり感謝をいたします。 (総務部 福田 功) 佳(医療安全管理室) )の2隊6名が参加しました。 八王子市自衛消防審査会で入賞 練習を始めた頃は、何をすれば良いのか分からない 状態でしたが、練習を重ねるごとに自分たちの演技に 自信がもてるようになりました。当日はそれぞれが緊 張し、ミスもありましたが審査に集中することができ ました。 これまで、私たちを根気強く指導して下さった施設 課の森谷光由さん、練習以外でも審査会のために道具 の準備、手配など細かいところまで気を配って下さり、 7月21日(木) 、八王子市の創価大学グランドで、自 本当に感謝の思いで一杯です。 また、以前に消防審査会に参加された方々にも通常 衛消防審査会が行われました。 審査会は八王子市内の企業、保育園、病院などの各 業務の時間を割いて手伝っていただき、各部署の方々 事業所で組織されている自衛消防隊が、火災通報・消 にもいろいろな面で支えられながら今回の審査会に出 火器と屋内消火栓での初期消火・避難誘導などを競い 場することができました。皆さんのご支援、ご協力に 安全面・迅速さ・正確さ・規律などが審査されます。 感謝申し上げます。 今年は、八王子市内の事業所から、男子隊29隊が出 審査の結果、5位に入賞することができました。こ 場しました。八王子キャンパスからは男子隊Cグルー の審査会の審査対象であった安全面・迅速さ・正確 プに入学センターから梅澤和弘(指揮者) 、教務課か さ・規律は、形は違えども日常業務などにも活かせる ら山内善正(1番員) 、キャリアサポートセンターか ものとして考え、頑張っていきます。 (入学センター 梅澤 和弘) ら阿部隆太郎(2番員)の3人が出場しました。 ― 7 ― 八王子だより 平成17年7月 別科修了式 式には塚本尋センター長をはじめ、多数の教職員 が参列されました。先生方からは「この1年間は、 いろいろな方に支えられて過ごすことが出来たとい う感謝の気持ちを忘れないように」 「別科修了は第一 歩、これからの頑張りが将来を決めます」等、励ま しの言葉をいただきました。励ましを胸に新たな出 発へ向けて頑張っていくことでしょう。 式終了後の懇親会は和やかな雰囲気の中で行われ 暑さ厳しい7月27日(水)、平成17年7月国際交 ました。多くの修了生は、総合政策学部、外国語学 流センター付属別科日本語研修課程修了式が行われ 部へ進学する予定です。引き続き杏林の学び舎にて、 ました。 実り多き留学生活を送れることを期待しています。 (別科事務係) 昨年秋より日本語を学んできた22名のうち、16名 が修了証書を手にすることができました。 2005年 留学生を励ます会 毎年恒例の「留学生を励ます会」が、6月29日八王 子キャンパス食堂「ガーデン丘」で開かれました。 今回は留学生102名、日本人学生64名、教職員37名の 合計203名が参加しました。 集いではまず学園代表として長澤俊彦学長が「 『百 聞は一見に如かず』という諺にあるように、日本に いるうちに日本文化にたくさん触れてください。ま た、世界のどこへ行っても必要な言葉である英語を、 「こんにちは」 「ありがとう」を母国語で披露 日本語と同じように頑張って勉強してください。み なさん方が日本で楽しい留学生活を送られることを さんが、留学生を代表して「ことばや習慣に馴れず 祈ります。 」と留学生を励ましました。 に辛い思いをしていますが、大学のみなさまが私た つづいて中国からの留学生で外国語学部3年の曹華 ち留学生を激励してくださり、感謝しています。お 保健学部特別講義 熱帯地域の人々の生活と異文化交流を紹介 堤 可厚医学部客員教授が「熱帯地域(特にアフリカ)の医療の現状と海外旅行の セルフコントロール」について、7月28日(木) 三鷹キャンパス医学部第1講堂で特 別講義を行いました。この特別講義は保健学部保健学科で医動物学実習を行う学生 に対して行われたのもです。 堤先生は長年にわたりアフリカで医療・教育施設の整備や孤児院施設などで生活 支援活動をしています。この日は現地で撮影したスライドを使い、熱帯地域が抱え るさまざまな問題やこれらの地域を訪れる際の注意点のなど約2時間に渡って熱心 な講義が続きました。 最後に堤先生から「私たちは謙虚な気持ちで、自然と共に生きていかなくてはい けません。皆さんは智恵を働かせて21世紀を歩んでください」というメッセージが 受講者に送られました。 ― 8 ― 陰様で日本人学生と交流を深め、先生方にも親しく ラン・スリランカ・マレーシアからの留学生が母国 話すことができて大変嬉しいです。これから勉強に の挨拶を言葉と文字で紹介し、参加者全員が大きな 励み、充実した留学生活を送りたいと思います。 」と 声で唱和するといった催しもあり、日頃日本語の勉 お礼の言葉を述べました。 強で苦労している留学生たちも日本人学生や教職員 このあと塚本尋国際交流センター長の発声で乾杯 を交えた会合で楽しいひと時を過ごしました。 をして歓談となりましたが、中国・台湾・韓国・イ 多摩高進・多摩16大学合同研究会開催される 平成17年度の多摩地区高等学校進路指導協議会(多 摩高進)と東京多摩私立大学広報連絡会(多摩16大学) の合同研究会が6月10日(金)八王子キャンパスD棟 201教室で行われました。今回で10回目を迎えた研究 会には高校側と16大学関係者を合わせ約100名の参加 者があり、盛況の中で実施されました。 はじめに多摩16大学世話人である桜美林大学の後藤 彰寛氏の開会挨拶と多摩高進の青梅地区会長である青 梅東高等学校の佐々木正文先生、さらに会場校代表と して本学の藤原隆明保健学部長より挨拶がありました。 さらに、4つのグループで行われた分科会では、A 続いて、 (株)ベネッセコーポレーション東京事務 O入試における高校での指導と入学後の状況といった 所 大学情報室長である榊原広幸氏より「平成におけ 入試に関するテーマの他、短大生の進路状況の多様化 る大学入試の変遷」というテーマで基調講演が行われ に対する就職指導、大学でのキャリア教育の現状など、 ました。講演では、今年度の入試結果全体を振り返っ 現在大学・短大全体が直面している学生の就職問題 たのち、平成に入ってからの大学・短大志願者数、セ や、幼稚園・保育園一元化による養成機関での課題な ンター試験利用、AO入試実施状況や大学難易度の推 ど資格に関連したテーマも取り上げられ高校、大学両 移、志望系統の変化など幅広い視点から大学入試の変 方の立場から活発かつ有意義な意見交換が行われまし 遷について話がありました。講演後の質疑応答にも丁 た。 (入学センター) 寧に応じていただきました。 古森客員教授が大学院で夏季集中講義 大学院国際協力研究科に今年4月に就任した、古森義久客員教授が8月1日から8月4 日まで八王子キャンパスで院生や学部生に対して集中講義を行いました。 古森先生は現在、産経新聞ワシントン駐在編集特別委員として活躍されています。 集中講義は「現代アメリカ特論A」としてブッシュ政権下のアメリカが目指す外交、 内政についてワシントン駐在の記者の視点から解説されました。集中講義は秋学期 にも予定されており、引き続きアメリカの現状と今後を対外政策に焦点をしぼり解 説していただくことになっています。 ― 9 ― 健康週間イベントを終了して を得て避妊・性病・月経痛予防についても分かりやす く説明してもらいました。 動体視力、骨量、握力測定には興味を示す学生が多 く、列をつくり順番を待つ姿がありました。握力測定 は男女共、平均値以下の学生が多く、動体視力も問題 ありの判定者が約半数を占めました。また性病・避妊 のコーナーでも熱心に話を聞く学生の姿が多数見受け られました。 骨量測定について説明を受ける学生 終了後のアンケートには予想以上に面白かった・時 6月29、30日の二日間保健センター主催で第6回健 間帯をもっと広げて欲しい・一人では聞きづらい事も 康週間イベントが、ホール杏の三省堂書店前で行われ 聞けてよかった・楽しかった、等々好意的な意見が多 ました。今年は「自分の身体を知ろう」のテーマのも 数ありました。 とに、毎回行っている身長・体重・体脂肪・血圧測定 の他に骨量・握力・動体視力測定・視力回復トレーニ 次回も学生達がワクワク・ドキドキして参加しても らえる様な企画を考えて行きたいと思います。 ング等を行いました。保健学部母子看護学教室の協力 (八王子保健センター師長 土田 よし子) 三鷹だより 医学部病理学教室 坂本穆彦教授が日本臨床細胞学会「学会賞」を受賞 医学部病理学教室、坂本穆彦教授は、平成17年5月 26−28日に福岡で開催された第46回日本臨床細胞学 会で平成17年度日本臨床細胞学会『学会賞』を受賞 しました。 この賞は臨床細胞学会の学会賞選考規則に基づい て「臨床細胞学の進歩並びに法人(学会)の発展に 著しく貢献された会員に授与される」ものです。こ の学会は細胞診に関する研究、医療、教育、啓発を 行う学術団体で日本医学会にも加盟しています。坂 本教授は『細胞診を学ぶ人のために』 (医学書院)な 洞察のもと種々の提言をされ、活動されています。 ど細胞診関連の著書も多数あり、日本臨床細胞学会 平成17年6月17日には受賞祝賀会が開かれ、本学医 では国際学術交流関係の委員会の委員長をされ、韓 学部の学生も参加し120名ほどの病理医、細胞検査士 国、中国、タイなどのアジアの国々との学術交流を の参加のもと賑やかに行われました。 活発に進めております。さらに日本病理学会では副 坂本教授は平成18年(2006年)には第95回日本病 理事長であり、その立場からも日本病理学会と日本 理学会総会会長を務められます。今後とも広い視野 臨床細胞学会などとの連携を通じ、日本における細 にたった御活躍を続けられることをお祈り申し上げ 胞診断学・病理診断学の現状と将来について、深い ます。 ― 10 ― (病理学教室助教授 飯原 久仁子) 薬理学専攻の大学院生、学会の学術年会優秀賞受賞 平成17年6月29日−7月1日東京江戸川区のタワーホ ール船堀で開催された「第32回日本トキシコロジー学 会学術年会」において、医学部薬理学教室Rafiqul Islam大学院生が優秀研究発表賞を授与された。 本学術年会は毎年一回開催され、全国の施設から応 募のあった演題のうち厳選された37題のみが口演発表 され、審査の対象となった。 「上皮型アミノ酸輸送系B0のによるメチル水銀輸送 の検討」と題するIslam氏の研究は、長年不明であっ ると期待される基礎研究である。 本研究発表は、1.新規性と論理性に優れている、 た水俣病の起因物質であるメチル水銀の消化管吸収の 2.英語での発表でハンディーがあったが、プレゼン 分子機序を明らかにしたものである。メチル水銀は、 テーションが簡潔にまとまっていた、3.口演ととも 魚肉等の摂取により体内に吸収されて病態を惹起する に発表されたポスターが非常によくまとまっていたな が、生体内でアミノ酸であるシステインと結合し、ア どの点も高く評価され、本受賞となった。 ミノ酸トランスポーターを介して消化管から吸収され Islam氏は、バングラデシュからの私費留学生であ るとされてきた。Islam氏の研究は、このメチル水銀 り、平成15年10月に本学大学院医学研究科生理系分子 の消化管吸収を担うアミノ酸トランスポーターを同定 細胞薬理学専攻に入学し、研究に励んでいる。 したものであり、将来的には吸収阻害薬の開発に繋が (薬理学教室教授 金井 好克) 医学部 感染症学講座 神谷 茂教授 第15回国際無菌生物学シンポジウム開催 平成17年6月20日より24日の5日間、江戸東京博物 館ホールにて神谷 茂会長の下、第15回国際無菌生 物学シンポジウムが開催されました。国際無菌生物 学シンポジウムは、日本無菌生物ノートバイオロジ ー 学 会 、 米 国 を 中 心 と す る Association for Gnotobiotics、 お よ び European Gnotobiotics Associationの3学会より構成される国際シンポジウム であり、3年に1度、世界各地で開催されております。 第15回国際無菌生物学シンポジウムでは、 「発熱性 好中球減少症」 「新興感染症update」の2つの特別講 Industrial Fields」 「Nutritional Gnotobiology」 「Oral 演と、 「Application of Gnotobiology Techniques to Infectious Diseases and Biofilm」「 Infectious 新外科病棟建設の地鎮祭 杏林大学病院では30年にわたり外科系病棟や手術室などの役割を果たしてきた第3 病棟が老朽化し手狭になってきたため、新外科病棟を建設することになり、7月1日 (金)地鎮祭が行われました。式は新外科病棟の建設予定地である「いこいの広場」 で行われ、松田理事長、長澤学長、石井病院長ほか学園関係者と建設関係者が出席 し、これからの建設工事での無事を祈りました。 新外科病棟は地下2階、地上8階で一般病室のほか、集中治療室(HCU)栄養科厨 房などで構成されています。また、特色として個室・特別室、外来棟に続いてMRI 設備を整えた放射線部門などが計画されており、平成19年3月に完成する予定です。 ― 11 ― Complication in Cord Blood Transplantation」 だきました。 「Bacteria-Bacteria, Bacteria-Host Cross-Talk」 シンポジウム開催までには多くの困難がありまし 「Probiotics」の6つのシンポジウムをはじめとして、 たが、世界14ヶ国より延べ約400名の研究者が集い、 Free Paper、Round Table Discussion、ポスター発 活発な討論と発表の機会を得、有意義な国際シンポ 表などが行われました。また、6月21日に開催された ジウムを行うことができました。 懇親会では本学の松田博青理事長、長澤俊彦学長よ (医学部感染症学講座助教授 田口 晴彦) り当該シンポジウムの成功を祈念したお言葉をいた 救急隊の技術、技能向上のため救急医学 山口助教授が直接指導 三鷹消防署で6月26日(日)に開かれた救急隊員の 技能審査会に救急医学の山口芳裕助教授が招かれ、 救急隊員に救急の技術指導を行いました。 三鷹消防署では救急隊が3隊あり、各隊とも三交 代制で救急活動を行っており、平成16年には、9,746 件の出場がありました。こうした救急活動に当たる 隊員の技術、技能向上を図るため三鷹消防署では毎 年隊員の技能審査会を行っています。 今年初めて救急隊員の技能審査会に招かれた山口 訓練終了後、海藤芳和署長は「医師を招いての訓 助教授は、救急活動事例の多い中から「乗用車とオ 練は初めてであり、わかり易いアドバイスを参考に ートバイの交通事故で、はね飛ばされたオートバイ して、今後の現場活動に生かすとともに、救急活動 運転手の応急処置」 「狭心症の救急患者に自動体外式 技術の向上に努めたい」と話していました。 除細動器(AED)を活用しての処置」 「精神的疾患 後日海藤消防署長が松田理事長にお会いになり、 により、包丁で胸や腹を刺した患者の応急処置」の 来年についても支援の協力を要望され、理事長も了 三つのケースを想定して、2時間にわたって訓練や 承されました。 検討会を行い、隊員を直接指導しました。 (総務部副部長 鈴木 芳男) 中学生が医学部感染症学教室で職場体験学習 三鷹第四中学校の2年生7名が6月24日(金)感染症学教室・寄生虫学の松井利博助 教授の研究室で職場体験の学習を行いました。 松井先生は用意した資料に沿って、授業と研究、身近な寄生虫の話などをしました。 生徒からは「研究で心掛けていることは何ですか」 「マラリアってどのような病気で すか」といった質問が出され松井先生は一つ一つ丁寧に答えていました。 ― 12 ― 看 護 週 間 6月13日から16日の4日間、外来棟の入り口で看護の 日にちなんだ看護週間の企画を実施しました。 今年度は昨年好評であった、アロマテラピー認定看 護師によるアロマハンドマッサージ、介護用品の展示、 健康相談に加え、AEDのデモンストレーションを行 いました。健康相談は管理栄養士による栄養相談、薬 剤師による薬の相談、臨床検査技師による検査に関す る相談を受けました。また、看護相談は糖尿病療養指 導士、退院支援ナースなど、専門的な知識と経験が豊 障害をもって社会生活を送られている患者様やご家族 富な看護師が相談に応じました。 の相談に応じることができたと思います。 今年度の看護週間の特徴は、専門的な資格や経験を 今後は、入院、外来患者様だけでなく、地域にも貢 持つ看護師が、マッサージやデモンストレーション、 献できるような企画が行えたらと考えています。最後 相談に応じていることです。そのために、患者様のさ にお忙しい中、ご協力いただきました関係部署の皆様 まざまなニーズに応えることができる企画であったと に感謝いたします。 考えています。また、介護用品の展示では、身体的な (看護部 横田 由佳) 医学生が普通救命講習 学生は、東京救急協会の奥山指導員と三鷹消防署員 から応急手当の重要性について講義を受けたあと、9 グループに分かれ救急隊員の指導により止血、異物除 去、意識確認、人工呼吸、心臓マッサージなどの実習 を受けました。 今年度は、AED(自動体外式除細動器)が2004年7 月から救命のためであれば一般市民でも使用出来るよ うになったことから、AEDについての講義・実習も 加わりました。AEDは本学付属病院外来棟や公共施 設に設置されており、万一の場合学生でもすぐに使え 医学生が早い段階から医師への意識を持ち、不慮の るようにと講習に取り入れたものです。 出来事にも即座に対応できるようにと、医学部1年生 最後に、 「緊急の事態に遭遇した場合、早期の救命 を対象とした普通救命講習が6月29日(水) 、行われま 措置の重要性と何よりも適切な手当てを行う勇気が必 した。医学部でこの講習を取り入れて今年で3年目と 要です」と指導員に励まされ、学生達は、修了証を受 なり、今年度からは「医療科学」の授業の中に正式に け取って3時間におよぶ講習を無事終えました。 (医学部事務部) 組み入れました。 岡山の高校生が付属病院を見学 薬剤師と臨床検査技師を目指す岡山県大安寺高校の2年生二人が7月12日(火) 、付属病院の 薬剤部や検査部、救命センターなどを永井茂薬剤部長の案内で見学しました。 二人はこの日、3泊4日の修学旅行で東京に到着したばかりでしたが、総合学習の一環とし て進路希望先である薬剤師や検査技師の働く現場を見学するため、事前にインターネットで 検索していた本院を訪問しました。見学を終えた二人は、「検査機械の多さに驚いた」「全て の業務がコンピュータで管理されていた」と話していました。 ― 13 ― 文化・スポーツ ソフトボール部2度目の全国大会出場へ 今年は軟式野球部に続いての快挙 回戦が日本大学に9−2、2回戦は東京大学に5−3、 決勝戦では明治大学に3−1で勝ち、全国大会出場が 決まりました。 私は2年前も出場し全国の強さを知りました。実際、 今のままでは勝てる実力はありません。しかし、部員 全員が一生懸命練習しているので、目標である“一回 戦突破” 、 “ベスト16”が1歩ずつ近づいてきた感じ がします。 私たちソフトボール部は全日本大学選手権の予選で第 これから夏休みに入り、練習を強化していくので目 5代表のトーナメント優勝を果たし、9月2日から群馬 標を達成して帰ってきたいです。これからも応援よろ 県安中市で行われる全国大会の切符を手に入れました。 しくお願い致します。 5月に行われた全日本大学選手権東京予選では、1 (ソフトボール部主将 外国語学部3年 石丸 紘介) 保健学部学生が特別養護老人ホームで七夕コンサート 杏林大学吹奏楽団所属の保健学部有志が7月3日 (日) 、特別養護老人ホーム 浅川ホーム(八王子市) で慰問演奏を行いました。学生の中では、以前からア ンサンブルを地域社会でという思いがあり、今回初め て浅川ホームの協力を得て実現しました。 参加したメンバーは御園亜希子(臨床3年・Bass) 、 岩堀朋美(保健3年・Perc) 、吉澤渓子(臨床3年・ Fl) 、島津絢美(保健3年・Tb) 、佐藤晴香(保健2 年・Tp)坂下陽子(看護2年・Cl) 、酒井優子(保健 になりました」と素直な感想を述べています。 地域社会には実に様々な人々が暮らしており、 「医 3年・司会)の7名で「夕焼け小焼け」、「ふるさと」 療・保健・福祉職」を目指す学生にとって、今回の経 など7曲を演奏しました。 験は自分たちの将来にとって実に有意義な体験になっ 杏林大学吹奏楽団はこれまでに定期演奏会、コンク ールなどを主な活動としてきましたが、慰問演奏は今 回が初めてで、参加した学生は「演奏を聴きながら口 ずさんでいらしたお年よりの笑顔が印象的でいい経験 学長が学生と懇談会 たものと思われます。 (保健学部母子保健学教授 加藤 英世) ●演奏曲/明日があるさ、早春賦、夕焼け小焼け、もみじ、ふ るさと、川の流れのように、マツケンサンバ ●アンコール曲/明日があるさ、ふるさと 6月29日(水)午後5時から午後6時まで、八王子キャンパス外国語学部会議室で17 名の学生(保健4名、総合政策5名、外国語7名、大学院1名)と長澤学長の懇談 会が学生部長など関係者を交えて開かれました。学生の様々な質問や要望に学長が 率直に回答されるなど、活発な意見交換が行われました。 ◆学生からの声 窓口対応の改善 ●IT化の推進 ●コピー機など備品の充実 ●キ ● ャンパス内の施設整備(図書館・構内照明・駐輪場の屋根・冷房) ●食堂の充実 (営業時間・メニュー・価格)●学生寮 ●カリキュラム改善 ●三鷹校舎と八王子校 舎での講義や実習の合理化 など ― 14 ― 保健学部救急救命士課程の学生が 心肺蘇生法(AED導入)普及ビデオに出演 生法を行う場面を東京法令出版社の社内でと、計2ヶ 所で行われました。撮影には保健学部救急救命士課程 (和田貴子教授)の学生3名(4年生の廣瀬一将さんが バイスタンダー役、4年生の神保奈津美さんと3年生の 高野かづきさんが救命センターの看護師役)も参加し ました。 事前の打ち合わせもなく、当日いきなりの撮影であ ったため、医師役も看護師役もせりふや動きが不自然 で、急遽和田教授が演技指導を行ない何度か駄目出し の末、ようやく納得の行く撮影になりました。 平成17年6月26日(日)、自動体外式除細動器 (automated external defibrillator :AED)の認知・普及 当日は最高気温が35℃を越える記録的な猛暑で、救 を目的とした広報ビデオが三鷹キャンパスなどで撮影 急車内で心肺蘇生を行う救急隊員が熱中症にかからな されました。このビデオは、東京法令出版が企画し、 いかと関係者をはらはらさせる一幕もあり、またカメ 東京救急協会が技術協力して、従来の心肺蘇生法に加 ラマンも監督も流れる汗に悪戦苦闘しながら撮り直し えAEDの使用方法を紹介するものです。 を重ねました。その結果、リアルな緊張感が伝わって ストーリーは、オフィスで倒れた男性に、バイスタ くる場面となり、参加した学生達は、暑さと緊張の中、 ンダー(傍に居合わせた人)である同僚が心肺蘇生法 普段の実習内容とは違う役回りに戸惑いながらも、 を行い、社内に設置されたAEDを使用したところ呼 「俳優さんは大変ですね」と、終了後は充実した笑顔 吸が再開。その後救急隊により救命救急センターに搬 を見せていました。 このビデオは今年7月下旬に東京法令出版(株)から全 送され一命をとりとめるという内容です。 撮影は、午前中は杏林大学病院のドクターカーを拝 国の消防署向けに発売され、種々の心肺蘇生法の講習 借して、車内での心肺蘇生及び男性が病院へ搬送され 会で使用されています。参加した学生達にとり、貴重 る場面と病院から退院する場面を杏林大学病院高度救 な経験を積んだ一日でした。 (保健学部救急医学研究室助手 山内 亮子) 命救急センター前で、午後はAEDを使用した心肺蘇 ヘルシーメニューはいかが 野山ゼミ、キャンパスから「健康」を発信 総合政策学部の野山修ゼミナールでは、6月∼7月 ▼責任者と打ち合わせ にかけて、学食(ホール杏)の協力を得て、学生が考 案したメニューを提供。昨年12月に続き2回目の試 みです。メニューは週替わりで、今回はゴーヤチャン プルーやサラダうどんなど夏向きのメニューを中心 ▲参考になるメニューも多い に、鰯のつみれ汁や海草サラダなどを組み合わせた文 字通りヘルシーな献立が並びました。 ヘルシーメニューは、単に身体によいものを食べさ せてくれるばかりでなく、 「座学」を「体験」に繋げ 食事を実際に提供し、好評を得ましたが今後は、お腹 る試みを通して学生が大変さとやりがいを学ぶとい にたまるこってりメニューを食べたいという男子学生 う、キャンパスがもっている大きな潜在能力にも気づ の声に応えるため、魚の竜田揚げやあんかけなども研 かせてくれました。 究中とのことです。 不足がちな魚や緑黄色野菜を含むバランスのとれた ― 15 (campus news 編集長・外国語学部教授 黒田 有子) ― 多胎児育児サークルを対象とした一次救命処置講習会 平成17年6月25日、八王子キャンパスにて八王子市 の多胎児育児サークルのご両親を対象とした、一次救 命処置(BLS)講習会が開催されました。 この講習会は、母子看護学・助産学研究室、地域看 護学研究室の先生方が後援されているジェミニクラブ (多胎児のご両親が発起人となってできた育児サーク ル)の会員に小児・成人の心肺蘇生法を習得して頂く 為のものです。今回、保健学部救急救命士課程3年の 田村浩一君が代表を務める、BLS普及サークル 「KYORIN UNIVERSITY RESCUE しさを痛感しました。初めに部員たちが作成した模造 SQUAD (以下KURS) 」 (顧問 救急医学研究室 和田貴子教授) 紙を使っての救急知識の解説、ぬいぐるみを用いた心 が助産学研究室の佐藤喜美子助教授より講習会の指導 臓マッサージの位置説明、BLS訓練用の人形を使った を依頼され、講習内容を相談しながら立案・準備しま 展示を実施し、その後、班ごとに分かれて訓練用の人 した。この「KURS」は保健学部救急救命士課程の3 形で心肺蘇生法を実施してもらいました。参加した 年生3名、臨床検査技術学科3年生4名、総合政策学部 方々の感想は、 「実際人間に行うときにこんなに押せ 総合政策学科4年生1名、外国語学部外国語学科4年生 るのか?」 「実際に倒れているこどもや道端で倒れて 1名の計9名で構成されています。今年発足したばか いる人を発見したら、落ち着くことが難しい」という りの「KURS」にとって初の講習会となったため、連 事や「大学に来ることができて楽しかった」 「消防署 日平常の授業終了後にBLSの特訓を重ね、当日は救急 の職員よりも学生さんに教わる方が親しみやすい」 救命士課程の和田教授、山内助手、島田非常勤講師が 「いざという時のために、定期的にこのような訓練を しておくことが重要だと感じた」という、嬉しいご意 バックアップをしながらの講習会でした。 ジェミニクラブ以外の多胎児育児サークルからの参 見を頂きました。初の講習会の企画と実施を体験した 加者を加え、9組の親子が参加されました。講習はI棟 部員たちは、自信を持つと同時に今後の課題を見いだ 4階の母子看護・助産学実習室にマットを敷いて講習 し、将来の夢にもつながったようです。人に教えるこ ゾーンと子どもの遊び場に分け、ご両親が自分の子ど とがいかに自分の勉強になるかという事を実感した一 もの心配をせずに講習会に集中できるよう看護学科の 日でした。また、このような講習会を通して、他学 学生ボランティアが子どもたちのお相手をつとめまし 部・他学科との交流や、学外・地域との繋がりを大切 た。途中、講習を受けている母の元に甘えに来る子や にしていきたいと思います。 (保健学部救急医学研究室助手 山内 亮子) 寂しがって泣きだす子など、一般の講習会とは違う難 ESS活動報告 今年も医学部に各国からの交換留学生 私たちESS部(部員40名)はIFMSA(欧州を中心に 世界各国に支部があり加盟国同士で交換留学を行う) に所属しています。7/2∼7/31までドイツからVerena Michaela Schreiberさんが留学して整形外科で研修を 行いました。研修中ベレーナは『教授が親切で丁寧に 教えてくれる。医療制度の違いを見て大変勉強になる』 と話していました。 日本に大変興味のあった彼女のために、お台場での 買い物&バーベキュー、吉祥寺で歓迎会を開きました。 部員たちと。今年は計14名の留学生が本学で学びます ― 16 ― そこで出されたお寿司とカラオケがとても気に入った 横浜の花火大会に行きました。 ようでした。 (ESS部長 医学部4年 坂東 若奈) 研修のない日には、浅草など東京の下町や日本庭園、 学生ボランティア活動報告 八王子キャンパスでは市内の小・中学校などに学生ボランティアを派遣しています。今回は八王子市立加住中 学校で部活動の指導を行っている学生の感想文を紹介します。 加住中学校でバドミントン指導 吉田 文則 総合政策学部総合政策学科2年 私は、現在八王子市立加住中学校のバドミントン部 の指導員として毎週火曜日に1時間30分程度、10名 ほどの生徒に技術指導をしています。 茨城県出身の私は大学のある八王子市に来て今まで は地域の人達に触れ合う機会が無く、ただ単に大学に 通うだけになってしまっていましたが、今年の4月に 同じ部活に所属している先輩たちにボランティア活動 として中学生を指導してみないかと誘われたのがきっ かけです。私自身、年下の人にバドミントンを教えた 経験余りありませんでしたが、以前からバドミントン た。部員数が10名程度なので、指導員として、効率よ を通して色々な人と交流したいと考えていたため、良 くフットワークやフォームを見ることができるのは良 い機会だと思い承諾しました。しかしその反面、不安 い点です。 や戸惑いもありました。実際に初めて中学校を訪問し 毎回練習を考えるのも、素振りやシャトル拾いなど た際にもとても緊張し、生徒との顔合わせの時もあま 基本中の基本からやることにしました。中学生は物覚 り喋れず、本当にやっていけるのだろうかと不安を感 えが早く、私たちが言ったことを素直にこなしてくれ じました。 るのでやりがいもあります。最近ではシャトルに対す 加住中学のバドミントン部は今年創部したばかりで 全員が初心者のため、1からのスタートで、女子生徒 る強弱を覚え、明らかに成長しどんどんやる気を出し てくれることがとても嬉しいです。 のみが所属しています。初めはラケットにシャトルが このボランティア活動を引き受けて地域の子供達と うまく当たらなく、シャトルに触れる機会を増やして の交流が増え、とても良い経験になっています。残り バドミントンに慣れ、楽しんでもらいたいと考えてい 2年の大学生活で勉強や部活動だけでなく、地域活動 ました。指導を重ねるうちに空振りが減るようになり、 にも積極的に参加し、社会に貢献できる広い視野を持 徐々にバドミントンというスポーツになってきまし った立派な人間になりたいと思っています。 加住中学校での指導を終えて 外国語学部外国語学科3年 石川 公佑 私は大学でバスケットボール部に所属しており、現 在も週4回練習をしていますが、今まで指導という形 でバスケットボールに関わった事がないので、今回加 住中学校で短期間ではありましたが指導を行うことが でき、とても良い経験になりました。 初めて加住中学校のバスケットボール部を見学した 時、まず練習内容に驚きました。中学生の練習なのに ― 17 ― 私たちの練習とほぼ一緒だったからです。私は中学校 しかし中学生と私とではかなりの年齢差があるので 時代バスケットボール部に所属していましたが、しっ お互いコミュニケーションの取り方がわからない状態 かりとした練習はしていませんでした。そのため、加 でした。それでも何回か指導しているうちにいつの間 住中学の生徒がみんな必死に練習している姿を見て感 にか生徒達とコミュニケーションをとれるようにな 動したと同時にこれから真剣に指導しなくてはという り、楽しく練習ができるようになりました。 部員が少ないため、今の三年生が引退したら加住中 気持ちになりました。 初めは指導者としての私に遠慮していたのか、全く 学校のバスケットボール部は廃部となってしまいます 話しかけてもらえずとても悩みました。私は出身高校 が、最後の三年生にバスケットボールを指導できた機 の練習によく参加しますが、高校生と私は年齢差もそ 会を頂けた事をとても嬉しく思います。この体験は素 れほどないので色々な話ができます。 晴らしい事で、いつまでも心に残るはずです。 高麗大からの交換留学生、"日韓友情年"開幕式に出演 杏林大学と韓国の高麗大学校は1999年3月に協定を 結び、これまでに高麗大からはのべ10名の学生が交 換留学生として八王子キャンパスで学んでいます。 昨年秋から1年間の予定で来日した南 星燦(ナム・ ソンチャン)さんは、折りしも日韓国交正常化40周 年の今年、1月25日に代々木競技場 第2体育館行われ た"日韓友情年"の開幕式でミス・コリアの相手役に選 ばれ、韓国の伝統的な衣装を着て、外務大臣をはじ め列席した人々の喝采を浴びました。 母校で日本語を学んでいた南さんは「日本が大好 留学中は、杏林坂の下の寮で生活していますが、 き」という青年ですが、来日してからさらに視野が ここには他の国々からの留学生もいて「毎日が国際 広がり、杏林では中国語関連の科目を精力的に受講 交流」の生活にも大満足とのことでした。 し、今秋帰国後、年末からはカナダに留学する計画 (campus news 編集長・外国語学部教授 黒田 有子) を立てています。 第25回 桐朋学園学生による院内コンサート 桐朋学園大学音楽部の研究生と卒業生による院内コンサートが7月9日(土)午 後3時半から外来棟ロビーで開催され、患者様やご家族の方などが管楽器による 演奏を楽しみました。 選曲は迫力のあるクラシックから予想外の演歌まで様ざま。また今回はホルン、 トロンボーン、チューバといったなかなか間近で見ることのできない楽器につい てわかりやすく解説していただきました。 アンコールでは曲にあわせてマジックを披露していただくなど、幅広い年齢層 の観客に対して随所に心配りをしていただいた楽しいコンサートになりました。 ― 18 ― 熊川哲也氏が病院でチャリティーバレエコンサート 英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパルとして世 あり、会場を沸かせていました。熊川さんと公演会 界的に活躍した熊川哲也さんと彼が主催する“K- の進行役を勤めたアナウンサーの中村江里子さんと BALLET COMPANY”(Kバレエカンパニー)の皆さ の間で交わされたトークも公演をいっそう楽しいも んによるチャリティーバレエコンサートが7月23日 のにしてくれるなど、あっという間の1時間でした。 (土)午後 外来棟1階ロビーで開催され、集まった約 “K-BALLET COMPANY”では、このようなチャ 300人の患者様やご家族の方達が本格的なバレエを楽 リティーバレエコンサートを行うのは初めての試み しみました。 ということでしたが、ダンサーのしなやかな動きや 高いジャンプ、軽やかな足さばきを目の前で披露頂き、 このバレエコンサートは、 「欧米では広く親しまれ ているバレエが日本でももっと身近なものになって 会場からは大きな拍手や歓声が何度もあがっていまし ほしい」という熊川さんのご好意に友人である救急 た。最後に熊川さんからは患者様に対する励ましの言 医学の松田剛明講師が院内での公演を提案して実現 葉が贈られ「機会があれは再公演も考えています」と したもので、内容も杏林学園のために組んでくださ いう話もあり、患者様達にとっても大変うれしいメッ った特別プログラムでした。 セージとなりました。松田博青理事長は「忙しい公演 スケジュールの合間に、チャリティーバレエコンサー 公演はピアノの演奏にあわせて基本動作やジャン プ、回転などプロがするバレエクラスレッスンの様 トを開いていただきありがとうございます。熊川君と 子や、この春全国ツアーが終わったばかりの『白鳥 “K-BALLET COMPANY”の益々の活躍と、日本の男 の湖』の一場面などを熊川さんが自ら解説。普段は 性が多数バレエを楽しむようになることを期待しま 見られないステージとなりました。また、松田先生 す」とお礼の言葉を述べ、コンサートを終了しました。 も簡単な指導を受け、ダンサーをリフトする場面も KRだより 病院内介護ショップ、立ち寄ってみませんか? ∼ケイ・アール・ロジスティックス介護福祉用品課∼ 私どもでは平成15年7月から第2病棟D棟B1ローソ ン杏林大学病院店隣において、介護福祉用品に関わるレ ンタル及び販売ショップをオープンしております。 このお店の主な目的は、杏林大学病院の患者様が在宅 での療養に移行しやすいよう支援することや、ADL(日 常生活動作)やQOL(生活の質)を高めることであります。 また、店舗には隣接してシード薬店(一般市販薬店)を併 せ持ち薬剤師を常駐させて忙しく働く病院スタッフの皆 様や国家試験を目指す学生などが健康を維持するため、 偏りがちとなるビタミンやミネラルなどを補給出来るよ ― 19 うに栄養ドリンクやサプリメントの販売もしております。 店の内装は柔らかい色彩を使い、お洒落なビームラ イトで商品を飾って皆様をお迎えいたします。明るい ― 店内では7名の福祉用具専門相談員がこの業務にあた いうことにつながっています。 っております。特に最近では病院内という立地からか 学園職員の皆様の中にも介護保険制度をもっと知り 院内に勤務されている教職員の方が、ご家族の相談等 たい、福祉用具専門相談員に自分の家族や大切な人の で来られるケースも日々増えてきております。 ために介護・福祉のことについて相談したいという方 私たちが実際にこの業務を行って気づいたことは、 が相当数おられるのではないでしょうか。 平成12年4月より始まった介護保険制度について、ま 相談時間は平日11:00∼17:00 三鷹キャンパスから だまだ医療スタッフの方ですらよくご存知ないという 内線2099(シード薬店2098)、外線では0422-44-4908で介 ことです。介護保険とは、原則として40歳以上の方全 護ショップにダイレクトでつながります。どうぞ、ご 員が被保険者となり保険料を負担し、介護が必要と認 遠慮なくご相談ください。 定されたとき、費用の一部(自己負担1割)で介護サ 今度コンビニエンスストアの帰りにでもちょっと立 ービスを利用できる制度ですが、制度を利用出来る方 ち寄ってみませんか?親切丁寧なスタッフが皆様のご がその制度を知らないためにこれを利用されず、本来 来店を心よりお待ちいたしております。 (介護ショップ店長 野本 英子) 得られるべきより高いADLやQOLを得ていないと 秋の全国交通安全運動 9月21日(水)から9月30日(金)まで メーンスローガン「思いやり 人に車に この街に」 秋の全国交通安全運動が、9月21日(水)から9月30日 場所では、他の車を追い越したり追い抜いたりして (金)までの10日間全国一斉に実施されます。交通事故 はいけません。 の多くは道路を利用する一人ひとりが交通ルールを守 (2)進路変更するときの注意 ①みだりに進路を変更してはいけません。また、進路 り正しいマナーを実践すれば防ぐことができます。 を変更すると後ろから来る車が急ブレーや急ハンド 公務での運転はもとより、これから秋の行楽期を迎 ルで避けなければならないような場合には進路を変 え家族旅行など車を運転する機会も多くなりがちで えてはいけません。 す、この運動を機会に「思いやり 人に車に この街 ②右折、左折するときの合図は、右折、左折しょうと に」を合い言葉に一人ひとりが安全運転に努め交通事 する地点から30m手前の地点に達したときに合図を 故をなくしましょう。 開始する。 1.全国の交通事故死者は4年連続減少・事故件数・ ③同一方向に進行しながら進路を右方(左方)に変え 負傷者数は過去最多 るときの合図は、進路を変えようとするときの約3 交通安全白書によると、昨年(平成16年)の全国の 秒前に合図する。 交通事故による死者数は7,358人(前年比344人減)で、 4年連続の減少となりましたが事故発生件数952,191件 (3)交差点を通行するときの注意 交差点とその付近は最も事故が多い場所です。交差 (前年比4,198件増) 、死傷者数は119万478人(1,345人増) 点に入ろうとするときや、交差点内を通過するときは、 で、いずれも過去最悪を更新しました。交通事故の悲 右折車や歩行者などに十分気を配りながら、できる限 劇は絶えません。 り安全な速度と方法で進行しなければなりません。 2.安全運転のために ①右折しようとする場合に、その交差点で直進か左折 (1)歩行者が横断しているとき をする車があるときは、自分の車が先に交差点に入 ①横断歩道のない交差点やその近くを歩行者が横断し っていても、その進行を妨げてはいけません。 ているときは、その通行を妨げてはいけません。 ② 前の車が、右左折するため進路を変えようとして ②横断歩道や自転車横断帯に近づいたときは、横断す 合図をしたときは、その車の進路の変更を妨げては る人や自転車がいないことが明らかな場合のほか いけません。 は、その手前で停止できるように速度を落として進 ③一時停止の標識があるときは停止線の直前で、停止 まなければなりません。 線がないときは交差点の直前で、一時停止をすると ③歩行者や自転車が横断しているときや横断しようと ともに、交差する道路を通行する車の進行を妨げて しているときは横断歩道や自転車横断帯の手前で一 はなりません。また、進行方向に赤の点滅信号があ 時停止をして、歩行者や自転車に道をゆずらなけれ るときも同じです。 ばなりません。 (安全運転管理者 総務部副部長 鈴木 芳男) ④横断歩道や自転車横断帯とその手前から30m以内の ― 20 ― Qustion あなたの運転知識は? 正しいものには○、誤っているものには×をつけてください。 1.( )交差点を右折しようとするときは、反対方向から直進してきた大型車が、速度を落として進 2.( )走行中の安全確認は、たびたびやるとノロノロ運転になり交通渋滞の原因となる。 3.( )夜間は、視野が狭くなるので、できるだけ手前を見つめて運転する。 4.( )ライトは、自車の存在を他の交通に知らせる役目もあるので、薄暗くなったら早めに点灯し 5.( )道路に面した場所に出入りするため歩道や路側帯を横切る時は、歩行者の有無に関係なくそ 路をゆずってくれた場合でも、徐行して十分安全を確かめる。 たほうがよい。 の直前徐行しなければならない。 ( 設問と解答・解説は交通ジャーナル「あなたの運転知識は?」より ) 1 大型車のかげから二輪車などが出てくることがあるので十分注意します。 (○) 2 安全確認の回数が多いほど、危険を予測することができます。 (○) 3 夜間は危険の発見が遅くれがちになるので視線はできるだけ先の方へ向けます。 (×) 4 薄暮時などは事故が多く発生するので、速めに点灯しましょう。 (○) 5 歩行者の有無に関係なく、その直前で一時停止しなければなりません。 (×) 学園関係著作物の紹介 消化器内科Q&A いよいよ時代は研修必須となり、多くの研修医が各 −研修医からの質問319− 科をローテーションすることとなりました。そこで 短期間で充実した消化器内科研修のため、実地臨床 編集 高橋信一 杏林大学医学部第3内科教授 出版 総合医学社 発行 2005年4月23日 定価 5,985円 頁数 260ページ で必修の41の重要項目につき、全国の実際に研修指 導に当たっておられる先生方に解説をお願いいたし ました。よく遭遇する手技についても丁寧に解説さ れており、研修医にとって、実地診療における大変 有用な内容が詰まっております。医師としてスター トし、不安と希望に満ちた研修医の方々の手助けの 一書となることを願っております。 アメリカの家庭内暴力と虐待 家族形態の多様化の中、一層深刻化するアメリカの −社会学的視点でひもとく人間関係− 家庭内暴力・虐待−。インターネットの普及などで、 ようやく日本でも注目されるようになったこれらの 著者 熊谷文枝 杏林大学外国語学部教授 出版 ミネルヴァ書房 発行 2005年8月20日 定価 3,000円+税 頁数 266ページ 問題について、四半世紀以上前から取組んできた著 者が、社会的視点での理解の重要性を改めて説く。 家族をめぐる暴力を総合的に捉えた著作。 このコーナーへの掲載については、広報・企画調査室にお問合せください。[email protected] ― 21 ― 7月の理事会 平成17年7月25日(月) 議案 ・杏林学園総合情報センターの設置並びに関連諸規程の制定及び一部改正について 1、 杏林学園総合情報センターの規程の制定について 2、 杏林学園組織及び処務規程の一部改正について 3、 杏林学園職員就業規則の一部改正について 4、 杏林大学学則の一部改正について ・杏林大学役職規程の一部改正について ・杏林大学医学部付属看護専門学校学則の一部改正について ・全自動免疫細胞解析分取装置の更新について 各種助成金 平成17年度消防防災科学技術研究推進制度 消防庁 氏 名 所属・職階 研究テーマ 17年度委託額 山口芳裕 医学部救急医学・助教授 心肺蘇生中の心電図解析に基づく抽出波形の早期 認知システムの開発 14,763,000円(直接経費) 4,428,900円(間接経費) 平成17年度 第10回ゐのはな同窓会賞学術賞 研究助成金 ゐのはな同窓会 氏 名 所属・職階 研究テーマ 助成金額 安西尚彦 薬理学教室・学内講師 ヒト腎臓尿酸トランスポーターURAT1のPDZタ ンパク質による輸送機能制御 500,000円 寄付金・物件寄付申込者 芳名 寄付金申込者芳名(平成17年6月分) 寄付金申込者芳名(平成17年7月分) 一般寄付金(教室分) 教育研究寄付金 名前のみ掲載 堀 和生様 匿名寄付 20件 金15,900,000円 (第一内科学、第三内科学、外科学、救急医学、 形成外科学、精神神経科学、皮膚科学、眼科学、 新外科病棟建設寄付金 名前のみ掲載 跡見 裕様 本林 薫様 産婦人科学、麻酔科学、放射線医学、病理学) 匿名寄付 金500,000円 一般寄付金(教室分) 匿名寄付 27件 金18,000,000円 (第一内科学、第二内科学、第三内科学、高齢医学、 総合医療学、外科学、整形外科学、眼科学、皮膚 科学、小児科学、放射線医学、病理学、感染症 学) ― 22 ― ◆物品寄付申込 者芳名 (平成17年6月1日∼7月31日) 物件名・規格など 数 設置・使用場所 寄付申込み者名 3基 八王子キャンパス H16年度外国語学部卒業生一同 様 世界時計 1式 八王子キャンパス G棟1F 杏林大学社会科学部 第18期卒業生一同 様 よむ ・き る・ 屋外用天幕(文字入り) 教職員メディア情報 新聞・雑誌・テレビなどマスコミの取材を受け、テレビに出演したあるいは 記事に掲載された教職員の皆さまを各号でご紹介します。 ・み く 6月26日 救命救急医師招き消防署で救助訓練 山口芳裕 読売新聞 三鷹消防署で救急隊員らに訓練や検討会を行う(関連記事本文12ページ) 医学部助教授 8月8日 はなまるマーケット TBSテレビ 夏の救急処置をテーマに熱中症の予防の話と予防法を解説 7月5日 正論 ブッシュ政権の台湾支持は不変:自由と民主主義擁護は政策の柱 田久保忠衛 産経新聞 軍事力増強、北朝鮮関係など中国を警戒する米国はあくまで台湾の自由を支持 杏林大学客員教授 8月13日 正論 世論を離れたのはむしろ日本外交:田中氏の所感が示す感覚のズレ 産経新聞 日本は外交・防衛等「普通の国」路線を歩んできた。元外務省田中氏所感に疑問 古森義久 7月9日 緯度 経度 テロリズムへの誤解 杏林大学客員教授 産経新聞 ロンドン同時爆破テロに寄せた主張の誤りを指摘。テロリズムの定義を再確認 長谷川誠 7月12日 歯科医の時間 医学部教授 ラジオ日経 睡眠時無呼吸症候群の診断と治療について解説。7月26日再放送 7月18日 金田一秀穂さんのお品書き 金田一秀穂 読売新聞 幼いころ食したシューマイに秘められた想い…。 外国語学部教授 8月16日 テレビ朝日 いま得! 「言葉」をテーマに日本語を多方面から考察 樋田哲夫 7月25日 医者がすすめる専門医∼ドクターズeye∼ 医学部教授 BS-i 網膜剥離のテーマで網膜硝子体治療を専門とする樋田教授が解説・インタビュー 倉田秀也 8月17日 研究会「北朝鮮」 総合政策学部教授 日本記者クラブ 1年1カ月振りに再開した6者協議の特徴や今後の展開などについて解説 このコーナーは皆さまからの情報提供により構成されています。 広報・企画調査室 [email protected] ■古代エジプトの神々と人々(全5回)10/3∼ 総合政策学部 笈川博一 教授 10月の公開講演会・公開講座 10月20日(木)午後6:30∼ ■釈迦最後の教え(全3回)10/5∼ 外国語学部 中村信幸 教授 北欧神話の旅 講師:外国語学部 伊藤 盡 助教授 会場:調布市文化会館たづくり 入場無料・申込不要 ■中国語で味わう漢詩(2) (全5回)10/26∼ 外国語学部 満江 教授 会場はいずれも八王子市学園都市センター・セミナー室 *受講料有り、申し込みが必要です ― 23 ― 発 行 平成 17 年 9 月 1 日 あんず編集委員会 東京都三鷹市新川6- 20 -2 連絡先 TEL ― 24 ― 0422 (44) 0611 広報・企画調査室