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多変量解析による天然材料分析と依頼試験への応用(PDF:879KB)

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多変量解析による天然材料分析と依頼試験への応用(PDF:879KB)
平成24年度 研究成果発表会
多変量解析による天然材料分析と依頼試験への応用
○ 宇 井 剛 * 1)
1 . はじめに
「 人に環 境に優しい 」をキーワードとした商品づくりが 積 極 的になってきている 。特に天 然 材 料
は 、触 感・風合い等 、人に優しい高 機 能 性 が 求められるとともに 、再 生可能なカーボンニュートラル
な材料として期待されている 。しかし 、天然材料は似たような材料が 多く 、品質を保証するために必
要な素材を鑑 別するには 、長年の経 験と熟 練 が 必 要で 、この習熟 者 が 不足するとともに鑑 別に時間
とコストが か か る 。そこで 多 変 量 解 析 の 主 成 分 分 析( P C A )とフーリエ 変 換 赤 外 分 光 光 度 計
( F T-I R )を利用した天然材料の鑑 別と 、依 頼試 験 への応用について検 討した 。
2. 実験方法
2 .1 実 験 試 料
天然材料として 、未 精 練の亜 麻と苧麻ソーピングして用いた 。
2 . 2 主成分 分析条件の決定
標準試 料をK Br 錠剤法で10回測定し、前処理として1次微分(差分法)を行い、主成分数を3として、
80 0cm -1∼180 0cm -1の波長範囲の主成分分析(PCA)を行った。その結果850cm -1∼1150cm -1の付近
の範囲が、第一主成分、第二主成分、第三主成分共にスコアーが高いことがわかった。このとき第三主
成分に亜 麻と苧麻の差が 現れることがわかった。波長別主成分スコアーを図1、第一主成分−第三主
成分スコアーを図2に記す。
2 .3 精 錬による影 響
精 練条件を変えて影 響を調べた 。結果 、精 練を行うと解 析結果が異なることがわかった 。しかし 、
解 析 条 件を変 えることにより主 成 分 分 析を行うことが できた 。水 酸 化 ナトリウム( 4 % o w f )、時 間
( 30 分 )、温 度( 9 0℃以 上 )で 精 錬した試 料を 、解 析条 件を変えて( 9 70 c m -1∼ 9 9 0 c m -1 )解 析した結
果の第一主成分−第三主 成分スコアーを図3に記す 。
図1 . 8 5 0 c m - 1 ~1 1 5 0 c m - 1
波長別主成分スコアー
図2. 第一主成分
-第三主成分スコアー
図3. 精錬後第一主成分
-第三主成分スコアー
3 . まとめ
主成分 分析( PCA )とフーリエ変 換赤外分 光 光度計( F T-I R )を依 頼試 験に利用する場 合 、以下の
ような方法が考えられる 。
・工 場 、事 業 所 が 受け入 れている原 材 料を母 集 団とした 、その工 場 、事 業 所のオーダーメードデー
ターベースの構築 。
・オーダーメードデーターベースを元に 、受け入れ 検 査スクリーニング 。
以 上二つの依 頼試 験 が考えられる 。
* 1 )城 東 支 所
H23.4 ∼ H24.3 多変量解析と赤外分光分析装置による天然材料の鑑別
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