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1 課酒3-16 徴管2-28 平成 28 年5月 27 日 福 岡 国 税 局 長 熊 本
課酒3-16 徴管2-28 平成 28 年5月 27 日 福 岡 国 税 局 長 殿 熊 本 国 税 局 長 国 税 庁 長 官 (官印省略 ) 平成 28 年熊本地震による被災酒類に係る酒税相当額の 還付手続等の取扱いの特例について(指示) 標題のことについては、下記のとおり取り扱うこととしたので、遺漏のないように取り扱われたい。 (理由) 平成 28 年熊本地震による酒類業者の被災状況を踏まえ、被災酒類に係る「災害被害者に対する租 税の減免、徴収猶予等に関する法律」 (昭和 22 年法律第 175 号)第7条に基づく酒税相当額の還付等 の手続について、酒類業者の事務負担の軽減を図るとともに、酒税相当額の早期支払ができるように する必要があるため。 記 第一章 総則 第1 用語の意義 1 「法」とは、 「酒税法」 (昭和 28 年法律第6号)をいう。 2 「災害減免法」とは、 「災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律」(昭和 22 年 法律第 175 号)をいう。 3 「災害減免令」とは、 「災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の施行に関す る政令」 (昭和 22 年政令第 268 号)をいう。 4 「酒類製造者」とは、酒類の製造免許を受けている者及び酒類の製造免許を受けたものとみなさ れた者をいう。 5 「酒類販売業者」とは、酒類の販売業免許を受けた者をいう。 6 「料飲業者」とは、酒場、料理店、ホテルその他酒類を専ら自己の営業場において飲用に供する ことを業としている者をいう。 7 「酒類の販売業者」とは、酒類販売業者及び料飲業者をいう。 8 「被災地域」とは、平成 28 年4月 22 日付国税庁告示第9号「熊本県における国税に関する申告 期限等を延長する件」により指定した地域をいう。 1 9 「被災酒類」とは、酒類製造者又は酒類の販売業者が販売のために所持する課税済の酒類のうち、 平成 28 年熊本地震により亡失し、滅失し、又はその本来の用途に供することができなくなったも のをいう。 10 「被災場所」とは、酒類製造者又は酒類の販売業者が販売のために所持する課税済の酒類につい て、平成 28 年熊本地震により亡失し、滅失し、又はその本来の用途に供することができない状態 になった場所をいう。 第2 他の通達との関係 被災酒類に係る酒税相当額の還付等の手続に関し、本通達に定めのない事項については、別に定 めるところによるが、災害等の実情に応じて弾力的に取り扱う。 第3 被災酒類の取扱い 災害減免法第7条に規定する被災酒類については、次により取り扱う。 1 「その本来の用途に供することができない状態になった場合」の取扱い 販売のために所持する課税済の酒類のうち、平成 28 年熊本地震により被災し、容器等の汚損又 は容器の変形等により販売に供することが困難となった酒類について、被災場所等において確実に 廃棄されることが明らかなものは、 「その本来の用途に供することができない状態になった場合」 に該当するものとして取り扱う。 2 被災酒類を製造場に戻し入れる場合の取扱い 被災酒類のうち、仕入先等に返品され、酒類製造場に戻し入れられることとなるものについては、 法第 30 条の規定に基づく戻入れ控除の対象となり、災害減免法の規定は適用されないことに留意 する。 第二章 被災酒類の確認等の手続等 第1 被災酒類の確認書の交付申請手続 災害減免令第 14 条に規定する確認書の交付申請手続等は、次による。 1 被災酒類等の確認申請 被災酒類の所持者は、別紙様式1「被災酒類の確認書交付申請書」 (以下「確認申請書」という。) 、 別紙様式1の付表「被災酒類の明細書」 (以下「明細書」という。)及び別紙様式2「被災酒類損失 補てん明細書」を被災場所の所在地の所轄税務署長にそれぞれ2通提出し、 「被災酒類の確認書」 (以 下「確認書」という。 )の交付を受ける。 2 確認申請書の提出期限 被災酒類の確認申請書は、災害のやんだ日から1月以内に提出させることとするが、被災状況等 の実情に応じ弾力的に取り扱うこととして差し支えない。 (注)災害のやむ日以前であっても、被災者から確認申請書を提出したい旨申出のあった場合には、 確認申請書を受理することとして差し支えない。 3 確認申請書の記載事項 確認申請書には、次の事項を記載する。 ⑴ 被災場所の所在地及び名称 ⑵ 申請者の住所並びに氏名又は名称及び代表者氏名 2 ⑶ 申請者が法人の場合には法人番号 ⑷ 酒類の品目 ⑸ アルコール分 ⑹ 容器の容量及び総個数並びに課税標準数量 税率及び税額 被害状況 (注)1 被害状況については、次の区分を記載する。 ・ 平成 28 年熊本地震により酒類容器が破びん等し、酒類が亡失し、又は滅失した(以 下「亡失等」という。 )場合には「破損」 ・ 容器が汚損等したことにより販売できないため廃棄する場合には「廃棄」 2 明細書は、第四章第1の1により同一税務署管内に有する2以上の販売場について一 括して確認を受ける場合等に、確認申請書に準じて記載する。 4 帳簿等により被災酒類の明細が明らかな場合の取扱い 帳簿等により被災酒類の品目、製造者名、アルコール分別の数量が明らかな場合については、帳 簿等に基づき明細書を記載する。 5 帳簿等の滅失等により、被災酒類の明細が明らかでない場合の取扱い 家屋の倒壊等により、帳簿等が滅失又は散逸したこと、被災酒類自体が確認できない状況にある こと等により被災酒類の明細が明らかでない場合については、原則として、確認申請書及び明細書 (以下「確認申請書等」という。 )の作成の基とした資料を添付又は提示等するよう指導する。 (注)1 被災酒類の明細が明らかでない場合には、3「確認申請書の記載事項」の以下の該当部 分の記載を省略することとして差し支えない。 ・⑸アルコール分 ・⑹のうち容器の容量及び総個数 ・ 2 税率及び税額 申請予定者から、所轄税務署に提出されている酒類の販売数量等報告書を確認申請書等 の記載の参考にしたいとして、写しの提供の求めがあった場合には、その写しを提供して 確認申請書等に添付することとして差し支えない。 第2 被災酒類の確認等 確認申請書等の提出があった場合には、申請内容について、次により確認調査等を実施する。 1 被災酒類の確認 確認申請書等の提出があった場合には、税務署長は、酒類の販売数量等報告書等に基づき、申請 内容について調査した上で、確認書を交付する。この場合、次の点に留意する。 なお、被災場所の確認については、被災者の状況に十分配意して弾力的に実施する。 ⑴ すべての酒類が亡失等した場合においては、その亡失等となった状況等について被災場所を確 認する。 なお、被災場所が被災地域内にある場合においては、被災者の状況に特に配意して実施するの であるから留意する。 ⑵ 第一章第3の1の酒類がある場合については、被災地域内にあっても、必要に応じて、当該酒 類の処分方法についての証拠書類の提出を求める等当該酒類が本来の用途に供することができ 3 ない状態であることを確認する。 ⑶ 第1の5により確認申請書等が作成された場合において、当該確認申請書等の作成の基とした 資料の提供又は合理的な説明がなされないときは、確認書は交付しないのであるから留意する。 2 確認書の交付等 調査の結果、申請のとおり亡失等又はその本来の用途に供されることができない状態である事実 を確認したときは、確認申請書の※欄に税額及び確認した旨等を記載した確認書を申請者に交付す る。 なお、税額の確認に当たっては、次の点に留意する。 ⑴ アルコール分等が明らかでない場合には、別途指示する方法により酒税相当額を算出する。 ⑵ 被災酒類の明細書のアルコール分等の記載に誤りのある場合には、正しいアルコール分等に修 正の上、法第 23 条等の規定に基づき算出した税率により酒税相当額を算出する。 ⑶ 税率については、租税特別措置法(昭和 32 年法律第 26 号)第 87 条、第 87 条の2及び第 87 条の6の適用のある酒類に留意する。 (注)確認書を交付する際に税額の算出方法等について説明するとともに、確認書記載の税額の 還付方法等についても併せて説明する。 3 確認書等の送付等 税務署長の確認書の交付を受ける者に対しては、原則として次の区分に従い、それぞれの者に対 して速やかに当該確認書を送付するよう指導する。 なお、小売酒販組合又は卸売酒販組合が確認書を送付する場合には、別紙様式3「平成 28 年熊 本地震による被災酒類の確認書集計表」 (以下「集計表」という。)を作成し、所轄税務署の確認を 受けた上で併せて送付するよう指導する。 ⑴ 料飲業者 仕入先である酒類販売業者 ⑵ 酒類小売業者 販売場の所在地を含む地域を地区とする小売酒販組合(支部がある場合は支部。 以下同じ。 ) ⑶ 酒類卸売業者 販売場の所在地を含む地域を地区とする卸売酒販組合 ⑷ 小売酒販組合 所属小売酒販組合連合会 ⑸ 小売酒販組合連合会及び卸売酒販組合 指定酒類製造者(別途指定する酒類製造者をいう。以 下同じ。 ) (注)小売酒販組合連合会が指定酒類製造者に確認書を送付する場合には、小売酒販組合から送 付を受けた集計表に基づき、別紙様式4「平成 28 年熊本地震による被災酒類に係る酒税額 等内訳表」 (以下「内訳表」という。)を作成し、所轄税務署の確認を受けた上で併せて送付 するよう指導する。 第3 酒類製造者等が所持する被災酒類の確認等の手続 酒類製造者又は輸入酒類の引取者が販売するために所持する酒類が平成 28 年熊本地震により被 災した場合における被災酒類の確認等の手続は、第1及び第2の定めに準じて行うほか、次による。 1 酒類製造者の自製酒については、当該酒類製造者が災害のあった日以後に提出する酒税納税申告 書により税額控除又は還付を受けるのであるから留意する。 2 保税地域から引き取った輸入酒類については、当該被災した輸入酒類に係る納税地の所轄税関長 に還付申告を行うのであるから留意する。 4 (注)酒類製造者又は輸入酒類の引取者について、上記1及び2以外の被災酒類については、第1及 び第2の定めに基づき酒類の販売業者と同様の手続によるのであるから留意する。 第三章 被災酒類に係る酒税相当額の還付 1 被災酒類に係る酒税相当額の還付申告 確認書の送付を受けた指定酒類製造者は、災害のやんだ日から4月を経過した日の属する月の末 日までに申告期限の到来する酒税納税申告書により、集計表及び内訳表を添付して確認を受けた酒 税相当額の還付の申告を行うことになるが、この場合、酒税相当額の被災者への早期支払に資する ため、酒販組合に対して債権譲渡を行わせるよう指導する。 2 被災酒類に係る酒税相当額の還付 指定酒類製造者から還付申告を受けた税務署長は、直ちに、その内容を確認した上で、当該還付 申告に基づき所定の方法により支払決定を行う。 第四章 雑則 第1 確認書の交付申請の例外的取扱い 1 同一税務署管内に2以上の販売場を有する場合の取扱い 同一税務署管内に2以上の販売場を有し、それぞれにおいて所持する酒類が被災した場合には、 当該販売場ごとの被災酒類を一括して確認を受けることとして差し支えない。 なお、この場合、それぞれの販売場ごとに被災酒類の明細を区分するよう指導する。 2 輸送途上において被災した酒類の取扱い 輸送途上において酒類が被災した場合については、当該被災酒類の所有者である酒類製造者又は 酒類の販売業者の酒類が輸送途上の場所において被災したものとして取り扱う。 なお、この場合、確認申請書の被災場所欄には、当該輸送途上の場所を被災場所として記載する こととし、併せて当該被災酒類の所有者の製造場又は販売場の所在地及び名称を付記する。 第2 災害減免法に基づく救済措置の周知等 1 酒類製造者及び酒類販売業者への周知 酒類製造者及び酒類販売業者に対しては、災害減免法に基づく救済措置の手続等についてパンフ レットを作成・配付するなどして周知するほか、酒類業組合等を通じて一層の周知に努める。 2 料飲業者への周知 料飲業者に対しては、酒類製造者及び酒類販売業者を通じて納入業者から周知するよう指導する とともに、関係組合等に対しても周知に努める。 3 被災酒類の確認等事務の優先 被災酒類の確認等事務については、早期かつ適切に処理することとし、事務が集中すると見込ま れる税務署には、国税局から応援要員を派遣する等局署連携して処理に努めるよう配意する。 5