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オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lの

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オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lの
Oracleホワイト・ペーパー
オラクルのSun Server X4-2およびSun
Server X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
はじめに .......................................................... 3
Sun Server X4-2 ................................................... 4
Sun Server X4-2L .................................................. 5
Sun Server X4-2とSun Server X4-2Lの比較 ........................... 6
オペレーティング・システムと仮想環境の選択 ....................... 10
インテルXeonプロセッサE5-2600 v2製品ファミリーの利点 ............. 10
Sun Server X4-2とSun Server X4-2Lのアーキテクチャ ................ 11
システム・レベルのアーキテクチャ:4台の2.5インチ・ディスクと
DVDを搭載したSun Server X4-2 .................................. 12
4台の2.5インチ・ディスクとDVDを搭載したSun Server X4-2の概 .... 12
システム・レベルのアーキテクチャ:8台の2.5インチ・ディスクを
搭載したSun Server X4-2 ....................................... 13
8台の2.5インチ・ディスクを搭載したSun Server X4-2の概要 ....... 13
Sun Server X4-2エンクロージャの概要 ........................... 13
システム・レベルのアーキテクチャ:8台の2.5インチ・ディスクとDVDを
搭載したSun Server X4-2L ...................................... 16
8台の2.5インチ・ディスクとDVDを搭載したSun Server X4-2Lの概要 . 17
システム・レベルのアーキテクチャ:24台の2.5インチ・ディスクを
搭載したSun Server X4-2L ...................................... 17
24台の2.5インチ・ディスクを搭載したSun Server X4-2Lの概要 ..... 18
システム・レベルのアーキテクチャ:12台の3.5インチ・ディスクを
搭載したSun Server X4-2L ...................................... 18
12台の3.5インチ・ディスクを搭載したSun Server X4-2Lの概要 ..... 19
Sun Server X4-2Lエンクロージャの概要 .......................... 19
メモリ・サブシステム .......................................... 23
I/Oサブシステム ............................................... 24
RAS機能 ....................................................... 29
Oracle ILOMサービス・プロセッサとシステム管理 .................... 30
Oracle ILOMサービス・プロセッサ ............................... 30
Oracle System Assistant ....................................... 36
オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
Oracle Enterprise Manager Ops Center .......................... 36
エンタープライズ・クラスのソフトウェア・サポート ................. 38
Oracle Solarisオペレーティング・システム ...................... 38
Oracle VM環境 ................................................. 39
Linux環境 ..................................................... 39
Microsoft Windows環境 ......................................... 40
VMware環境 .................................................... 40
結論 ............................................................. 40
オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
はじめに
オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lシステムは、最新のインテルXeonプロセッサE5-2600
v2製品ファミリーCPUを利用することで、同じ物理フットプリントと環境フットプリントのままで、前世代
のサーバー1よりも処理能力が50%向上していします。
新しいSun Server X4-2は、処理能力、I/O帯域幅、メモリ・フットプリントが理想的なバランスで1ラッ
ク・ユニット(RU)内に設計されており、エンタープライズ・クラウド環境での高密度なクラスタ・コン
ピューティングに最適なプラットフォームとなっています。
新しいSun Server X4-2Lに対して、オラクルはストレージ密度と処理密度を同時に最大化しました。50TB以
上の内蔵ストレージまたは10TB以上のフラッシュと24のCPUコアを2RUに搭載したSun Server X4-2Lは、大容
量のダイレクト・アタッチト・ストレージ、およびフラッシュを必要とする計算集約型のアプリケーション
に最適です。
これら2つのサーバーは類似したシステム・ボード設計を共有しています。バランスのとれたアーキテク
チャを維持するため、Serial Advanced Technology Attachment(SATA-3)ソリッド・ステート・ドライブ
(SSD)と大容量のシリアル接続SCSI(Small Computer System Interface)(SAS-2)ハード・ディスク・ド
ライブ(HDD)の導入を通じてストレージ機能が大幅に強化されています。また、新しいサーバー・ライン
に搭載された新しいロード・リデュースト・デュアル・インライン・メモリ・モジュール(DIMM)によって
メモリ・パフォーマンスが向上しています。
処理能力、メモリ構成、適切なストレージ容量に対して最適な構成を選ぶことができ、高帯域幅のPCIe 3.0
接続による拡張性を備えたSun Server X4-2とSun Server X4-2Lは、幅広いアプリケーションを非常に柔軟
にホストします。
1
前世代のインテルXeonプロセッサE5-2600製品ファミリーCPUが最大8つのコアをサポートしていたのに対し、インテル
XeonプロセッサE5-2600 v2製品ファミリーCPUは最大12のCPUコアをサポートします。
3
オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
Sun Server X4-2
Sun Server X4-2には、ディスク密度とCD/DVDコンポーネントの異なる2種類の基本構成があります。この
サーバーは最大2つのインテルXeonプロセッサE5-2600 v2製品ファミリーのプロセッサに対応しており、
32GB、1,600MHzのロード・リデューストDIMMを使用して最大512GBのメモリをサポートしています。
Sun Server X4-2は1Uサーバー向けの高密度I/Oを装備しており、4個のPCIe 3.0スロット(SAS-2 HBA用の内
部スロット×1、外部からアクセス可能な汎用スロット×3)、4つのオンボード10GBase-Tポート、および6
つのUSB 2.0ポート(外部からアクセス可能なポート×4、システム内部ポート×2)を利用できます。
共有コンポーネント以外には、Sun Server X4-2では次の2つの基本構成を利用できます。
DVDドライブ付きのSun Server X4-2システム(図1)は、最大4台の2.5インチSAS-2 HDDまたはSATA-3 SSDに
加えて、次の規格オプションをサポートするDVDドライブをサポートします。
 DVD-R/RW
 DVD+R/RW
 CD-R/RW
 CD+R/RW
図1:4台の2.5インチ・ドライブとDVDドライブを搭載したSun Server X4-2の前面図
8つの2.5インチ・ドライブ・ベイを搭載したSun Server X4-2は、最大8台のSAS-2 HDDまたはSATA- 3 SSDを
サポートします(図2)。
図2:8台の2.5インチ・ドライブを搭載したSun Server X4-2の前面図
4
オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
Sun Server X4-2L
Sun Server X4-2Lには、ディスク密度とCD/DVDコンポーネントの異なる3種類の基本構成があります。この
サーバーは最大2つのインテルXeonプロセッサE5-2600 v2製品ファミリーのプロセッサに対応しており、
32GB、1,600MHzのロード・リデューストDIMMを使用して最大512GBのメモリをサポートしています。Sun
Server X4-2Lは、2Uサーバー向けの強力なI/Oを装備しており、6個のPCIe 3.0スロット、4つのオンボード
10GBase-Tポート、および6つのUSB 2.0ポート(外部からアクセス可能なポート×4、システム内部ポート×
2)を利用できます。
共有コンポーネント以外には、Sun Server X4-2Lでは次の3つの基本構成を利用できます。
DVDドライブ付きのSun Server X4-2Lシステム(図3)は、最大8台のSAS-2 HDDまたはSATA-3 SSDをサポート
する8つの2.5インチ・ドライブ・ベイに加えて、次の規格オプションに対応したDVDドライブをサポートし
ます。
 DVD-R/RW
 DVD+R/RW
 CD-R/RW
 CD+R/RW
図3:8台の2.5インチ・ドライブとDVDドライブを搭載したSun Server X4-2Lの前面図
5
オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
24の2.5インチ・ドライブ・ベイを搭載したSun Server X4-2Lは、最大24台のSAS-2 HDDまたはSATA- 3 SSD
をサポートします(図4)。また、このエンクロージャは背面に2個のディスク・スロットを装備しており、
2.5インチのSAS-2 HDDまたはSATA-3 SSDを2台追加できます。
図4:24台の2.5インチ・ドライブを搭載したSun Server X4-2Lの前面図
12の3.5インチ・ドライブ・ベイを搭載したSun Server X4-2Lは、最大12台のSAS-2 HDDまたはSATA-3 SSDを
サポートします(図5)。また、このエンクロージャは背面に2個のディスク・スロットを装備しており、
2.5インチのSAS-2 HDDまたはSATA-3 SSDを2台追加できます。
図5:12台の3.5インチ・ドライブを搭載したSun Server X4-2Lの前面図
Sun Server X4-2とSun Server X4-2Lの比較
Sun Server X4-2システムとSun Server X4-2Lシステムは以前のシャーシ設計を利用した上で、運用効率の
向上とデータセンター価値の最適化を実現するとともに、最新のインテルXeonプロセッサを搭載することで、
システム効率をさらに高めています。
表1Aと表1Bに、5つのモデルを示します。表1AはSun Server X4-2の異なる2種類の基本シャーシ構成を比較
したものであり、表1BはSun Server X4-2Lの異なる3種類の基本シャーシ構成を比較したものです。
6
オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
表1A:Sun Server X4-2の比較
機能
Sun Server X4-2、4×2.5インチ・ディスク+DVD
シャーシ
Sun Server X4-2、8×2.5インチ・ディスク
1U
最大2つ、それぞれに12コア
CPUソケット数
サポートされるプロセッサ・タ
インテルXeonプロセッサE5-2600 v2製品ファミリー
イプ
プロセッサ・システムの
インテルQuickPathインターコネクト
インターコネクト
メモリ・スロット数
メモリ容量
16
最大512GB(32GB、ECC、1,600MHz、ロード・リデューストDIMM使用時)
メモリ・タイプ
低電圧またはロード・リデューストのDDR3レジスタ付きDIMM
メモリ・オプション
8GB DDR3-1,600の低電圧DIMM
16GB DDR3-1,600の低電圧DIMM
32GB DDR3-1,600のロード・リデューストDIMM
内蔵ストレージ:ケージ・
最大4台の2.5インチSAS-2 HDDま
最大8台の2.5インチSAS-2 HDDま
オプション
たはSATA-3 SSD(HBAが必要)
たはSATA-3 SSD(HBAが必要)
あり
DVDドライブ
合計4:外部16レーン×1、8レーン×3(外部×2、内部×1)
PCIe 3.0スロット数
オンボード×4
10GBase-Tポートの数
前面×2、背面×2、内部×2
USBポート数
システム管理
なし
オンボードOracle Integrated Lights Out Manager(Oracle ILOM)サービス・プロセッサ
オンボードの10GBase-Tポートまたは専用の10/100 Base-Tイーサネット・システム管理ポートのいずれかを使用
したサイドバンド管理
Oracle System Assistant
Oracle Enterprise Manager Ops Center
RASコンポーネント
ホットスワップ対応の冗長電源、ファン、ディスク・ドライブ
SAS-2のRAIDと512MBのオンボードDDR2メモリが提供するRAID 0、1、10、5、6、50、60
OSサポート2
(ベース・バージョン)
Oracle Solaris10 1/13 、Oracle Solaris 11.1、Oracle Linux 5.9、6.3、6.4、Oracle VM 3.2、Red Hat Enterprise
Linux 5.9および6.4、SUSE Linux Enterprise Server 11 SP2、Microsoft Windows Server 2008 SP2 64ビット、
Microsoft Windows Server 2008 R2 SP1、Windows Server 2012、VMware ESXi 5.1 U1および5.0 U2
2
各プラットフォームでサポートされるオペレーティング・システムのバージョンに関する最新情報は、
http://www.oracle.comを参照してください。
7
オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
表1B:Sun Server X4-2Lの比較
機能
Sun Server X4-2L、8×2.5インチ・
Sun Server X4-2L、24×2.5インチ・
Sun Server X4-2L、12×3.5インチ・
ディスク+DVD
ディスク
ディスク
シャーシ
2U
最大2
CPUソケット数
サポートされるプロセッサ・
インテルXeonプロセッサE5-2600 v2製品ファミリー
タイプ
プロセッサ・システムの
インテルQuickPathインターコネクト
インターコネクト
メモリ・スロット数
16
メモリ容量
最大512GB(32GB、ECC、1,600MHz、ロード・リデューストDIMM使用時)
メモリ・タイプ
低電圧またはロード・リデューストのDDR3レジスタ付きDIMM
メモリ・オプション
8GB DDR3-1,600の低電圧DIMM
16GB DDR3-1,600の低電圧DIMM
32GB DDR3-1,600のロード・リデューストDIMM
内蔵ストレージ:ケージ・
最大8台の2.5インチSAS-2 HDDま
最大24台の2.5インチSAS-2 HDD
最大12の3.5インチSAS-2 HDD
オプション
たはSATA-3 SSD(HBAが必要)
またはSATA-3 SSD
(HBAが必要)
(HBAが必要)
2.5インチのSAS-2 HDDまたは
2.5インチのSAS-2 HDDまたは
SATA-3 SSD用の背面ディスク・
SATA-3 SSD用の背面ディスク・
ケージ
DVDドライブ
あり
なし
合計6:16レーン×1、8レーン×5(ともに外部)
PCIe 3.0スロット数
オンボード×4
10GBase-Tポートの数
前面×2、背面×2、内部×2
USBポート数
システム管理
なし
オンボードOracle ILOMサービス・プロセッサ
オンボードの10GBase-Tポートまたは専用の10/100 Base-Tイーサネット・システム管理ポートのいずれかを使用
したサイドバンド管理
Oracle System Assistant
Oracle Enterprise Manager Ops Center
8
オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
機能
RASコンポーネント
Sun Server X4-2L、8×2.5インチ・
Sun Server X4-2L、24×2.5インチ・
Sun Server X4-2L、12×3.5インチ・
ディスク+DVD
ディスク
ディスク
ホットスワップ対応の冗長電源、ファン、ディスク・ドライブ
SAS-2のRAID HBAと512MBのオンボードDDR2メモリが提供するRAID 0、1、10、5、6、50、60
OSサポート3
(ベース・バージョン)
Oracle Solaris10 1/13 、Oracle Solaris 11.1、Oracle Linux 5.9、6.3、6.4、Oracle VM 3.2、Red Hat Enterprise
Linux 5.9および6.4、SUSE Linux Enterprise Server 11 SP2、Microsoft Windows Server 2008 SP2 64ビット、
Microsoft Windows Server 2008 R2 SP1、Windows Server 2012、VMware ESXi 5.1 U1および5.0 U2
表1Aと表1Bに示したように、これらのシステムでは、次のような数多くの同じ機能を使用しています。
 2基のインテルXeonプロセッサE5-2600 v2製品ファミリー・プロセッサ
 最大1,600MHzのレジスタ付きDDR3メモリ・モジュールをサポートする内蔵メモリ・コントローラ(プロ
セッサあたり4つのチャネル、チャネルあたり2個のDIMMでメモリを編成)
 複数のポイント・ツー・ポイントのインテルQuickPathテクノロジーベースのインターコネクト
 インテル・ターボ・ブースト・テクノロジー・モードとインテル・ハイパースレッディング・テクノロ
ジーの機能(CPUモデルによって異なる)
 インテルC602Jチップセット
 大容量の内蔵ストレージ(SSDとHDDのサポートを含む)
 インテル内蔵I/Oによるプロセッサ・ダイへのPCIe 3.0直接接続
 PCIe 3.0の拡張性
 組込みのクアッド10GBase-Tのサポート
 オンボードOracle ILOMサービス・プロセッサによるシステム管理
 エンタープライズ・クラスの信頼性、可用性、保守性(RAS)機能(冗長化されたホットスワップ対応電
源、ファン、ドライブを含む)
 複数のオペレーティング・システムのサポート
3
各プラットフォームでサポートされるオペレーティング・システムのバージョンに関する最新情報は、
http://www.oracle.comを参照してください。
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オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
オペレーティング・システムと仮想環境の選択
柔軟性と投資保護を最適化するため、Sun Server X4-2とSun Server X4-2Lは次のようなオペレーティン
グ・システムを選択できます。
 Oracle Solaris
 Oracle Linux
 Red Hat Enterprise Linux
 SUSE Linux Enterprise Server
 Microsoft Windows Server
これらのシステムは、Oracle VMまたはVMware ESXiを使用した仮想化もサポートしています。
インテルXeonプロセッサE5-2600 v2製品ファミリーの利点
オラクルは、インテルと緊密に連携することで、最新のインテルXeonプロセッサ・テクノロジーを利用した
幅広いサーバー・ファミリーを市場に提供しています。Sun Server X4-2とSun Server X4-2Lには、システ
ム・エンジニアリングの専門知識と高度なプロセッサ設計が結集されており、パフォーマンス、品質、信頼
性、および環境対応が強化されています。また、エンジニアによって、オラクルのオペレーティング・シス
テムでのシステムのパフォーマンスと可用性が最適化されています。
Sun Server X4-2とSun Server X4-2Lに搭載されたインテル・プロセッサXeon E5-2600 v2製品ファミリーは、
前世代のサーバーと同じパワー・プロファイルを維持しながら、コア数を50%増加しています(図6)。
10
オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
図6:新しいインテルXeonプロセッサE5-2600 v2製品ファミリーは50%多いコアを提供します
Sun Server X4-2とSun Server X4-2Lでは、4コア、6コア、8コア、10コア、または12コアのCPU、最大30MB
の共有Last Level Cache、およびインテル・ターボ・ブースト・テクノロジーとハイパー・スレッディング
(HT)テクノロジーを利用できます。
最新のインテルXeonプロセッサE5-2600 v2製品ファミリーCPUついて、詳しくはインテルのWebサイト
(http://www.intel.com)を参照してください。
Sun Server X4-2とSun Server X4-2Lのアーキテクチャ
Sun Server X4-2とSun Server X4-2Lは、かつてない拡張性と低消費電力とともにクラス最高のパフォーマ
ンスを提供するように設計されています。この項では、サーバー設計の類似点と相違点を示しながら、シス
テムの物理的な側面とアーキテクチャ上の側面について詳しく説明します。
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オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
5つのサーバー・モデルで、非常によく似たマザーボード・アーキテクチャを使用しています。一番の相違
点は、Sun Server X4-2が6個のPCIe 3.0スロットを装備しているのに対して、Sun Server X4-2は4個のPCIe
スロット(内部×1、外部×3)を装備している点です。
システム・レベルのアーキテクチャ:4台の2.5インチ・ディスクとDVDを搭載し
たSun Server X4-2
4台の2.5インチ・ディスクとDVD+/-RWを搭載したSun Server X4-2システムのアーキテクチャを理解しやす
くするため、システム・レベルのブロック図を次に示します(図7)。
図7:4台の2.5インチ・ディスクとDVD+/-RWを搭載したSun Server X4-2システムを示したブロック図(内部PCIeスロット4に必須のSAS-2
HBAも含む)
図7は、必須のSAS HBAカードを使用して4台の内蔵SAS-2 HDDまたはSATA-3 SSDをサポートする標準構成を示
しています。SATA DVDとUSBデバイスは、インテルC602J I/Oコントローラによって制御されています。
4台の2.5インチ・ディスクとDVDを搭載したSun Server X4-2の概
4台の2.5インチ・ディスクとDVD+/-RWを搭載したSun Server X4-2システムには、Sun Server X4-2の共有コ
ンポーネント以外に、次の主要コンポーネントが含まれています。
 4台の内蔵2.5インチSAS-2 HDDまたはSATA-3 SSD
 1台の内蔵SATA DVD+/-RWドライブ
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オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
システム・レベルのアーキテクチャ:8台の2.5インチ・ディスクを搭載したSun
Server X4-2
8台の2.5インチ・ディスクを搭載したSun Server X4-2システムのアーキテクチャを理解しやすくするため、
システム・レベルのブロック図を次に示します(図8)。
図8:8台の2.5インチ・ディスクを搭載したSun Server X4-2システムを示したブロック図(内部PCIeスロット4に必須のSAS-2 HBAも含む)
図8は、必須のSAS-2 HBAカードを使用して8台の内蔵SAS-2 HDDまたはSATA-3 SSDをサポートする標準構成を
示しています。システム管理サービス・プロセッサとUSB接続は、インテルC602J I/Oコントローラによって
制御されています。
8台の2.5インチ・ディスクを搭載したSun Server X4-2の概要
8台の2.5インチ・ディスクを搭載したSun Server X4-2システムには、Sun Server X4-2の共有コンポーネン
ト以外に8台の内蔵SAS-2 HDDまたはSATA-3 SSDが含まれています。
Sun Server X4-2エンクロージャの概要
Sun Server X4-2システムのエンクロージャは、標準の19インチ・ラックの1Uサイズに収まるように設計さ
れています。表2に、システムの寸法と重量を示します。
13
オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
表2:Sun Server X4-2システムの寸法と重量
寸法
米国内
米国以外の国
高さ
1.7インチ(1U)
42.6mm
幅
17.2インチ
436.5mm
奥行
29.0インチ
736.6mm
重量
最大40.0ポンド
18.0kg
Sun Server X4-2の背面図
3つのSun Server X4-2システム構成で、同じ背面パネルを使用しています。
図9に、Sun Server X4-2の背面図を示します。
図9:サーバーの外部機能と接続を示した、Sun Server X4-2システムの背面図
背面の外部機能と接続は、次のとおりです。
 背面のステータス・インジケータ・ライト。システムとコンポーネントに関する"ロケータ"(白)、"要
サービス"(黄)、および"アクティビティ・ステータス"(緑)をレポート
 2個のUSBポート
 内蔵ファンを備えた2個の電源ユニット(N+1冗長用)。各電源に単一の独立したACプラグを装備
 背面の電源インジケータ・ライト。各ホットスワップ対応電源のステータスを表示
 4×オンボードの100/1000/10000 Base-Tポート
 3個の外部PCIe 3.0 I/Oスロット。背面パネルからロープロファイル・カードを取付け可能
14
オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
 サービス・プロセッサへのデフォルト接続に使用される2つの管理ポート(10/100Base-Tポート×1、RJ45
シリアル・ポート×1)。4つのオンボード・イーサネット・ポートのいずれかを共有のシステム管理
ポートとしても構成
 VGAビデオ・ポート。背面パネルのアナログHD-15 VGA接続を使用
Sun Server X4-2の前面図
Sun Server X4-2システムには2種類の異なるストレージ構成があるため、2つの異なる前面ディスク・ケー
ジが必要です。
図10に、4台の2.5インチ・ディスクとDVD+/-RWを搭載したSun Server X4-2システムの前面図を示します。
図10:4台の2.5インチ・ディスクとDVDを搭載したSun Server X4-2システムの前面図。サーバーの外付けドライブ、DVD、接続機能を表示
前面の外部機能と接続は、次のとおりです。
 ステータス・インジケータ・ライト。システムとコンポーネントに関する"ロケータ"(白)、"要サービ
ス"(黄)、および"アクティビティ・ステータス"(緑)をレポート
 4台の2.5インチSAS-2 HDDまたはSATA-3 SSD(SAS-2 HBAが必要)。すべてのHDDとSSDデバイスは前面パネ
ルから装着
 1台の薄型SATA DVD+/-RW
 2個のUSBポート
15
オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
図11に、8台の2.5インチ・ディスクを搭載したSun Server X4-2システムの前面図を示します。
図11:8台の2.5インチ・ディスクを搭載したSun Server X4-2システムの前面図。サーバーの外付けドライブと接続機能を表示
前面の外部機能と接続は、次のとおりです。
 ステータス・インジケータ・ライト。システムとコンポーネントに関する"ロケータ"(白)、"要サービ
ス"(黄)、および"アクティビティ・ステータス"(緑)をレポート
 8台の2.5インチSAS-2 HDDまたはSATA-3 SSD(SAS-2 HBAが必要)。すべてのHDDとSSDデバイスは前面パネ
ルから装着
 2個のUSBポート
システム・レベルのアーキテクチャ:8台の2.5インチ・ディスクとDVDを搭載し
たSun Server X4-2L
8台の2.5インチ・ディスクとDVD+/-RWを搭載したSun Server X4-2Lシステムのアーキテクチャを理解しやす
くするため、システム・レベルのブロック図を次に示します(図12)。
16
オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
図12:8台の2.5インチ・ディスクとDVD+/-RWを搭載したSun Server X4-2Lシステムを示したブロック図(PCIeスロット6に必須のSAS-2 HBA
も含む)
図12は、必須のSAS-2 HBAカードを使用して8台の内蔵SAS-2 HDDまたはSATA-3 SSDをサポートする標準構成
を示しています。DVDなどのSATAデバイスやUSB接続は、インテルC602J I/Oコントローラによって制御され
ています。
8台の2.5インチ・ディスクとDVDを搭載したSun Server X4-2Lの概要
8台の2.5インチ・ディスクとDVD+/-RWを搭載したSun Server X4-2Lシステムには、Sun Server X4-2Lの共有
コンポーネント以外に、次の主要コンポーネントが含まれています。
 8台の内蔵2.5インチSAS-2 HDDまたはSATA-3 SSD
 1台の内蔵SATA DVD+/-RWドライブ
システム・レベルのアーキテクチャ:24台の2.5インチ・ディスクを搭載した
Sun Server X4-2L
24台の2.5インチ・ディスクを搭載したSun Server X4-2Lシステムのアーキテクチャを理解しやすくするた
め、システム・レベルのブロック図を次に示します(図13)。
17
オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
図13:24台の2.5インチ・ディスクを搭載したSun Server X4-L2システムを示したブロック図(PCIeスロット6に必須のSAS-2 HBAも含む)
図13は、必須のSAS-2 HBAカードを使用して、24台の内蔵SAS-2 HDDまたはSATA-3 SSDと背面からアクセス可
能な2台の2.5インチSAS-2 HDDまたはSATA SSDをサポートする標準構成を示します。システム管理サービ
ス・プロセッサとUSB接続は、インテルC602J I/Oコントローラによって制御されています。
24台の2.5インチ・ディスクを搭載したSun Server X4-2Lの概要
24台の2.5インチ・ディスクを搭載したSun Server X4-2Lシステムには、Sun Server X4-2Lの共有コンポー
ネント以外に、次の主要コンポーネントが含まれています。
 24台の内蔵2.5インチSAS-2 HDDまたは最大24台のSATA-3 SSD
 背面からアクセス可能な2台の2.5インチSAS-2 HDDまたはSATA-3 SSD
システム・レベルのアーキテクチャ:12台の3.5インチ・ディスクを搭載した
Sun Server X4-2L
12台の3.5インチ・ディスクを搭載したSun Server X4-2Lシステムのアーキテクチャを理解しやすくするた
め、システム・レベルのブロック図を次に示します(図14)。
18
オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
図14:12台の3.5インチ・ディスクを搭載したSun Server X4-L2システムを示したブロック図(PCIeスロット6に必須のSAS-2 HBAも含む)
図14は、必須のSAS-2 HBAカードを使用して、12台の内蔵3.5インチSAS-2 HDDと背面からアクセス可能な2台
の2.5インチSAS-2 HDDまたはSATA-3 SSDをサポートする標準構成を示します。システム管理サービス・プロ
セッサとUSB接続は、インテルC602J I/Oコントローラによって制御されています。
12台の3.5インチ・ディスクを搭載したSun Server X4-2Lの概要
12台の3.5インチ・ディスクを搭載したSun Server X4-2Lシステムには、Sun Server X4-2Lの共有コンポー
ネント以外に、次の主要コンポーネントが含まれています。
 12台の内蔵3.5インチSAS-2 HDD
 背面からアクセス可能な2台の2.5インチSAS-2 HDDまたはSATA-3 SSD
Sun Server X4-2Lエンクロージャの概要
Sun Server X4-2Lシステムのエンクロージャは、標準の19インチ・ラックの2Uサイズに収まるように設計さ
れています。表3に、システムの寸法と重量を示します。
19
オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
表3:Sun Server X4-2Lシステムの寸法と重量
寸法
米国内
米国以外の国
高さ
3.45インチ(2U)
87.6mm
幅
17.5インチ
445.0mm
奥行
29.0インチ
737.0mm
重量
最大63ポンド
28.5kg
Sun Server X4-2Lの背面図
3つのSun Server X4-2Lシステム構成で、同じ背面パネルを使用しています。図15に、Sun Server X4-2Lの
背面図を示します。
図15:サーバーの外部機能と接続を示した、Sun Server X4-2Lシステムの背面図
背面の外部機能と接続は、次のとおりです。
 背面のステータス・インジケータ・ライト。システムとコンポーネントに関する"ロケータ"(白)、"
要サービス"(黄)、および"アクティビティ・ステータス"(緑)をレポート
 背面からアクセス可能な2台の2.5インチSAS-2 HDDまたはSATA-3 SSD(24台の2.5インチ・ディスクの
サーバー構成と12台の3.5インチ・ディスクのケージ構成でのみ使用可能)
 2個のUSBポート
 内蔵ファンを備えた2個の電源ユニット(N+1冗長用)。各電源に単一の独立したACプラグを装備
20
オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
 背面の電源インジケータ・ライト。各ホットスワップ対応電源のステータスを表示
 4×オンボードの100/1000/10000 Base-Tポート
 6個のPCIe 3.0スロット。背面パネルからロープロファイル・カードを取付け可能
 サービス・プロセッサへのデフォルト接続に使用される2つの管理ポート(10/100Base-Tポート×1、RJ45
シリアル・ポート×1)。4つのオンボード・イーサネット・ポートのいずれかを共有のシステム管理
ポートとしても構成
 VGAビデオ・ポート。背面パネルのアナログHD-15 VGAコネクタを使用
Sun Server X4-2Lの前面図
Sun Server X4-2Lシステムには3種類のストレージ構成があるため、3つの異なる前面ディスク・ケージが必
要です。
図16に、8台の2.5インチ・ディスクとDVD+/-RWを搭載したSun Server X4-2Lシステムの前面図を示します。
図16:8台の2.5インチ・ディスクとDVDを搭載したSun Server X4-2Lシステムの前面図。サーバーの外付けドライブ、DVD、接続機能を表示
前面の外部機能と接続は、次のとおりです。
 ステータス・インジケータ・ライト。システムとコンポーネントに関する"ロケータ"(白)、"要サービ
ス"(黄)、および"アクティビティ・ステータス"(緑)をレポート
 8台の2.5インチSAS-2 HDDまたはSATA-3 SSD(SAS-2 HBAが必要)。すべてのHDDとSSDデバイスは前面パネ
ルから装着
 1台の薄型SATA DVD+/-RW
 2個のUSBポート
21
オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
図17に、24台の2.5インチ・ディスクを搭載したSun Server X4-2Lシステムの前面図を示します。
図17:24台の2.5インチ・ディスクを搭載したSun Server X4-2Lシステムの前面図。サーバーの外付けドライブと接続機能を表示
前面の外部機能と接続は、次のとおりです。
 ステータス・インジケータ・ライト。システムとコンポーネントに関する"ロケータ"(白)、"要サービ
ス"(黄)、および"アクティビティ・ステータス"(緑)をレポート
 24台の2.5インチSAS-2 HDDまたはSATA-3 SSD(SAS-2 HBAが必要)。すべてのHDDとSSDデバイスは前面パ
ネルから装着
 2個のUSBポート
図18に、12台の3.5インチ・ディスクを搭載したSun Server X4-2Lシステムの前面図を示します。
図18:4台の3.5インチ・ディスクを搭載したSun Server X4-2Lシステムの前面図。サーバーの外付けドライブと接続機能を表示
前面の外部機能と接続は、次のとおりです。
 ステータス・インジケータ・ライト。システムとコンポーネントに関する"ロケータ"(白)、"要サービ
ス"(黄)、および"アクティビティ・ステータス"(緑)をレポート
 12台の3.5インチSAS-2 HDD(SAS-2 HBAが必要)。すべてのHDDデバイスは前面パネルから装着
22
オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
メモリ・サブシステム
内蔵メモリ・コントローラと、プロセッサあたり複数のDDR3メモリ・チャネルにより、メモリを大量に消費
するアプリケーションに高帯域幅を提供できます。Sun Server X4-2システムとX4-2Lシステムの両方に対し
て、8GBおよび16GBの容量のDDR3レジスタ付きECC低電圧DIMMモジュール、または32GBの容量のDDR3ロード・
リデューストECC DIMMモジュールを装着できます。
システム・メモリの構成時に、CPUのタイプ、チャネルあたりのDIMM数、およびメモリのタイプ(速度、ラ
ンクなど)に応じて、DIMMは個々の定格速度よりも低速で動作する場合があることに注意してください。メ
モリが実際に動作する速度は起動時にシステムBIOSで設定します。また、すべてのメモリ・チャネルがもっ
とも高速な共通の周波数で動作します。
メモリ装着のガイドライン
各プロセッサは4つのメモリ・チャネルを装備し、各メモリ・チャネルは2個のDIMMスロットをサポートして
いるため、すべてのスロットに装着した場合は、システムあたり最大16個のRDIMMまたはLRDIMMを装着でき
ます。各チャネルのメモリ・スロットは、簡単に見分けることができるように色分けされています。
 青はスロット0を表します。
 白はスロット1を表します。
図19:メモリ装着のガイドライン
メモリ・パフォーマンスを最適化するための原則として、DIMMは2個を1セットとして、CPUあたりのチャネ
ルごとに1個ずつ装着する必要があります。その際、CPUソケットからもっとも離れたスロット(青いスロッ
トであるスロット0)から順に装着します。先に青いスロットに装着してから白いスロットに装着します。
はじめに、プロセッサ0のスロット0に装着し、次にプロセッサ1のスロット0に装着します。各チャネルに同
容量と、(可能であれば)同数のDIMMを装着するのが理想的です(こうすることでメモリ・パフォーマンス
の一貫性が向上します)。
23
オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
通常、まずプロセッサからもっとも離れた位置にクアッド・ランク(QR)DIMMを装着し、次にデュアル・ラ
ンク(DR)DIMM、またはシングル・ランク(SR)DIMM(およびその両方)を順に装着することを推奨します4。
また、RDIMMとLRDIMMを同じシステムに混在させることはできません。
メモリ帯域幅の最適化
最適なメモリ帯域幅の構成は、インテルXeonプロセッサE5-2600 v2製品ファミリーのプロセッサと1,600MHz
で動作するメモリ・コンポーネントによるパフォーマンス・クラスによって実現されます。帯域幅構成を最
適化するには、チャネルごとに1つか2つの低電圧またはロード・リデューストのDDR3-1,600MHz DIMMを装着
します
I/Oサブシステム
システムとアプリケーションを拡張するためのヘッドルームが組み込まれたSun Server X4-2とSun Server
X4-2Lは、PCIe 3.0拡張バス、内蔵ストレージ・オプション、4つのオンボード・インテル10GBase-Tネット
ワーク・インタフェース・コントローラ(NIC)、および内部USB機能を通じて拡張性を提供します。
システムのブロック図で示したように、インテルC602J I/Oコントローラが、システムUSBポート、内部USB
ポート、およびSATA DVD/RWデバイスの接続を提供しています。2つのUSBポートはC602Jから背面パネルに接
続されており、2つのUSBリンクは内部USBポートにルーティングされています。また、2つの追加のUSBポー
トはC602Jから前面パネルにルーティングされています。
さらに、C602Jは、Sun Server X4-2とSun Server X4-2Lの内蔵SATA DVD/RWドライブに接続するためのSATA
インタフェースも提供しています。
システム・ネットワーク・インタフェース
各 イ ン テ ル Xeon プ ロ セ ッ サ E5-2600 v2 製 品 フ ァ ミ リ ー ・ プ ロ セ ッ サ は 、 イ ン テ ル X540 10GBase-T
(Twinville)コントローラとインタフェース接続を行う8レーンのPCIe 3.0を備えています。各コントロー
ラは、2つのオンボード100/1,000/10,000Base-Tポートをサポートしています。複数のオンボード10GBase-T
接続のサポートにより、高い柔軟性を実現し、ネットワーク・インタフェースのフェイルオーバーをサポー
トする構成が可能になっています。
4つのオンボード10GBase-Tポートは、背面パネルで右から左の順に番号が付いています。各ポートはリンク
接続速度を自動的にネゴシエートし、ポート上部のLEDが確立されたリンクの速度を示します。イーサネッ
ト・インタフェースでは、ネットワーク経由のブート用にPXEブートもサポートしています。
4
ランクとは、特定のデータ・ラインでDIMMモジュールが接続しているメモリ・チップの数のことです。
24
オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
Sun Server X4-2とSun Server X4-2Lでは、4つのオンボード10GBase-Tポートのいずれかを管理用にサイド
バンド管理インターフェースとして構成できます(詳しくは、「Oracle ILOMサービス・プロセッサとシス
テム管理」の項を参照してください)。管理ポートとして構成した場合、オンボードのイーサネット・イン
タフェースの片方に2つのMACアドレスが設定され、2つのIPアドレスが必要になります(一方がデータ用、
もう一方が管理用)。この構成では、2つのIPアドレスを同じサブネット上に配置する必要があります。
マザーボードのAST2300サービス・プロセッサと同様に、2つのインテルX54010GBase-Tコントローラは、シ
ステム電源の"スタンバイ状態"の電源から電力が供給されます。サーバーの電源がオフになっている場合で
も、リモート管理が可能なようにサイドバンド管理インタフェースはアクティブのままになっています。
PCIe 3.0拡張バス
Sun Server X4-2とSun Server X4-2Lは、最大定格25ワットのロープロファイル・カードを装着できる、
PCIe 3.0拡張スロットを装備しています。
Sun Server X4-2システムでは、PCI 3.0拡張を実現するため、3つの垂直のライザーがマザーボードに直接
装着されています。最初の2個のPCIeスロットにはシングルスロットの1Uライザーを使用していますが、
PCIeスロット3に使用しているライザーはデュアルスロットの1Uライザーであるため、ライザーで上位PCIe
ポート(PCIeポート3)への外部アクセスと下位PCIeポート(PCIeポート4)への内部専用アクセスが可能に
なっています。ローカル・ディスクを使用したシステム構成では、PCIeポート4は内蔵SAS-2ストレージHBA
用に予約されています。
Sun Server X4-2Lシステムでは、ライザーは使用されておらず、PCIeカードが垂直に装着されています。
ローカル・ディスクを使用したシステム構成では、PCIeスロット6は内蔵SAS-2ストレージHBA用に予約され
ています。カードは、PCIe Card Electromechanical Specificationのリビジョン1.0a、2.0、または3.0に
準拠しています。
Sun Server X4-2システムでは、PCIe 3.0スロットは、同じライザー・カードを使用して左から右の順にス
ロット3およびスロット4として番号が付いています。スロット3のみ、外部アクセスが可能です。スロット1
はx16のメカニカル・ライザーを1つ使用し、CPU 1に対する16のエレクトリカル・レーンを備えています。
スロット2はx16のメカニカル・ライザーを1つ使用しますが、エレクトリカル・レーンは8つのみです。ス
ロット3はPCIeポート3および4に対してデュアルスロット・ライザーを使用します。このデュアルスロット
のライザーは、x16のメカニカル/エレクトリカルですが、2つのPCIeポート用にx8のメカニカル/エレクトリ
カルに分割されています。スロット2とスロット3は、CPU 0へのエレクトリカル・レーンを備えています。
ライザーは、マザーボードに正しく装着されるよう、固定するようになっています。
Sun Server X4-2Lシステム・モデルの6個のスロットは、背面パネルの下部の左から右(スロット1~スロッ
ト3)、および背面パネルの上部の左から右(スロット4~スロット5)の順に番号が付いています。詳しく
は、Sun Server X4-2Lシステムの背面パネルを示した図15を参照してください。Sun Server X4-2とは異な
り、Sun Server X4-2Lシステム・モデルではライザーは使用されていません。PCIeカードは、システム・
ボードに直接装着されています。
25
オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
内蔵ストレージ
Sun Server X4-2システムとSun Server X4-2Lシステムでは、大容量の内蔵ストレージSAS-2 HDDを備え、
SATA-3 SSDも装着できます。ただし、これらのサーバーでは、サポートされる内蔵ストレージ・デバイスの
数とタイプが異なります。表4Aと表4Bに相違点を示します。
表4A:Sun Server X4-2システム・モデルのストレージ特性
Sun Server X4-2、4×2.5インチ・ディスク+DVD
Sun Server X4-2、8×2.5インチ・ディスク
デバイス・スロット数
4
8
デバイスのフォーム・ファクタ
2.5インチ・ドライブ
2.5インチ・ドライブ
内蔵SAS HDDの最大数
4
8
内蔵SATA-3 SSDの最大数

300GB 10K RPM(2.5インチ)

300GB 10K RPM(2.5インチ)

600GB 10K RPM(2.5インチ)

600GB 10K RPM(2.5インチ)

1.2TB 10K RPM(2.5インチ)

1.2TB 10K RPM(2.5インチ)
4

8
400GB eMLC SSD(2.5インチ)

400GB eMLC SSD(2.5インチ)
表4B:Sun Server X4-2Lシステム・モデルのストレージ特性
Sun Server X4-2L、8×2.5インチ・ディ
Sun Server X4-2L 、 24×2.5 イ ン チ ・
Sun Server X4-2L 、 12×3.5 イ ン チ ・
スク+DVD
ディスク
ディスク
前面のデバイス・スロット数
8
24
12
デバイスのフォーム・ファクタ
2.5インチ・ドライブ
2.5インチ・ドライブ(前面)
3.5インチ・ドライブ(前面)
2.5インチ(背面)
2.5インチ(背面)
26(前面×24、背面×2)
14(前面×12、背面×2)
内蔵SAS HDDの最大数
内蔵SATA-3 SSDの最大数
8

300GB 10K RPM(2.5インチ)

300GB 10K RPM(2.5インチ)

4TB 7.2K RPM(3.5インチ)

600GB 10K RPM(2.5インチ)

600GB 10K RPM(2.5インチ)

300GB 10K RPM(2.5インチ)

1.2TB 10K RPM(2.5インチ)

1.2TB 10K RPM(2.5インチ)

600GB 10K RPM(2.5インチ)

1.2TB 10K RPM(2.5インチ)
8

26(前面×24、背面×2)
400GB eMLC SSD
(2.5インチ)

400GB eMLC SSD
(2.5インチ)
2(背面)

400GB eMLC SSD
(2.5インチ)
26
オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
内蔵ストレージ・オプションのサポートやRAIDの実装には、すべての構成で1枚のPCIe SAS-2 RAID HBAカー
ドが必要になります。内蔵のSATAデバイスとSASデバイスの混在はサポートされています(ただし、RAIDボ
リューム内での混在はサポートされていません)。
使用可能なデバイス
Sun Server X4-2とSun Server X4-2Lでは次のデバイスを使用できます。
 SAS HDD

2.5インチSAS-2ディスク:300GB 10K RPM、600GB 10K RPM、1.2TB 10K RPM

3.5インチSAS-2ディスク:4TB 7.2K RPM
 SATA SSD

2.5インチeMLC SFF SATA-3 SSD:400GB
ディスク・コントローラ・オプションとI/O RAIDオプション
Sun Server X4-2とSun Server X4-2Lは次のディスク・コントローラ・オプションをサポートします。
 Sun Storage 6Gb SAS-2 PCIe HBA:このロープロファイルSAS HBAカードは、4ポートSFF-8087コネクタ
を2つ備えており、ハードウェアRAIDレベル0、1、または10を利用できます。このカードは、内部コネク
タ付きと外部コネクタ付きの2つのバージョンで提供されています。
 Sun Storage 6Gb SAS-2 PCIe RAID HBA:このRAID HBAは、4ポートSFF-8087コネクタを2つ備えた8チャ
ネルのロープロファイル・カードであり、6Gb/秒のSAS-2とハードウェアRAIDレベル0、1、5、6、10、50、
60をサポートします。このカードは、内部コネクタ付きと外部コネクタ付きの2つのバージョンで提供さ
れています。このHBAは、512MBのDDR2オンボード・メモリとバッテリ付き書込みキャッシュ(48時間
バックアップ)を備えており、ストレージの保護と高可用性を実現します。
内蔵のHDDドライブとSSDドライブを制御するとともに、高帯域幅を提供するため、それぞれ4つのレーン
(6Gb/秒)を備えた2本のケーブルがSASアダプタからディスク・バックプレーンに配線されています。Sun
Server X4-2では、HBAから4つのSASリンクがSAS/SATAデバイスに直接接続されています。この直接接続は、
8台の2.5インチ・ドライブを装備したSun Server X4-2Lでも同じです。Sun Server X4-2Lのディスク12台の
構成とディスク24台の構成では、4つのSASリンクがSASエクスパンダに接続されており、ドライブ・ケージ
内の個々のディスクへの接続が提供されています。
27
オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
電源
高可用性と低消費電力を実現するように設計されたSun Server X4-2とSun Server X4-2Lは、それぞれに個
別の電源コードが付属し、効率性に優れ(91%の効率性標準)、冗長化されたホットスワップ対応AC PSUを2
個装備しています。システムに装備されている2個目の電源によってN+1冗長を実現し、1個目の電源に障害
が発生した場合でも、引き続きシステムに電源を供給できます。
PSUはシステムによって異なります。Sun Server X4-2システムでは600W PSUを使用しており、Sun Server
X4-2Lシステムでは1,000W PSUが必要です。
表5:電源ユニットの比較
システム
最大出力
最大AC入力電流
最大電源効率
Sun Server X4-2
600w
100V ACおよび600W出力:7.2A
負荷600W(100%)時:91%
Sun Server X4-2L
1,000w
100V AC お よ び 1,000W 出 力 :
負荷1,000W(100%)時:91%
12.0A
各PSUは、個々のPSUを冷却する固定の内部ファンを装備しています。3つのライトで、電源のステータス情
報(AC、故障、OK)を表しています。
Oracle Advanced System Cooling
Oracle独自の高度な冷却システムを搭載したSun Server X4-2システムとSun Server X4-2Lシステムは、省
電力とアップタイム最大化につながる効率性を実現しています。Oracle Advanced System Coolingでは、リ
モート温度センサーを利用してファンの速度を制御することで、消費電力を最小限に抑えながら、サーバー
内部の最適な温度を維持します。リモート温度センサーは、Sun Server X4-2サーバーの重要な領域に組み
込まれており、電源ユニット、PCIeスロット、イーサネット・ポート、排出空気、流入空気、熱ダイオード
などの部分でファンが適切に利用されます。Oracle Advanced System Coolingにより、他のサーバーでは不
可能な規模での消費電力の削減が可能になります。
ラックマウント
Sun Server X4-2とSun Server X4-2Lは次のラックに設置できます。
 サード・パーティ製ANSI/EIA-310-D-1992またはIEC 60927準拠のラックの19インチ/482.6mmパネル幅シ
リーズ
 オラクルのSun Rack II 1042およびSun Rack 1242
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オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
Sun Server X4-2およびSun Server X4-2Lは、Sun Rack II 1042またはSun Rack 1242のいずれのラックにも
設置できます。Sun Rack 1242は、ラックの奥行きが深くなっています。シャーシの一部として、 Sun
Server X4-2とSun Server X4-2Lには、スライド・レール・リリース・レバーが付いています。このレバー
を下げると、レールのスライド・メカニズムが解除されるため、ラックからシャーシを引き出して容易に保
守を行うことができます。
ラックの取付けを簡素化するため、次のオプションが提供されています。
 工具不要のラック・キット:このラック取付けキットは、名前のとおり、工具を使用せずに、特定のオラ
クルのラックとサード・パーティ製のラックに取付けできるようになっています。
 ケーブルマネジメントアーム:ケーブルマネジメントアームは、ラックでのサーバーの取付け時と取外し
時に、ケーブルをサポートおよび保護するものです。
スライド・レール・キットには、ANSI/EIA 310-D-1992またはIEC 60927規格に従い、6mmのネジ穴、#10–32
のネジ穴、#10のすきま穴、または四角形のネジ穴が付いたラック・レールに取り付けるハードウェアが含
まれています。サード・パーティ製のすべてのラックがスライド・レール・キットと互換性があるわけでは
ありません。ラックの密度は、取り付けるシステム、配電(キャビネット内かキャビネット外か)、電源
(単相か三相か)、および冗長電源の要不要によって大きく異なります。
RAS機能
Sun Server X4-2とSun Server X4-2Lは、ハードウェア障害の防止、ほぼ連続的な運用、迅速なリカバリ、
および容易な保守を実現するように設計されています。これらのシステムは、次のような信頼性、可用性、
および保守の機能(一般にRAS機能と呼ばれます)を備えています。
 ホットスワップ対応の冗長コンポーネント:ミラー化したディスク、冗長ファン・モジュール、および冗
長PSUをすばやく簡単に交換できるため、システムのアップタイムが向上します。
 保守性を向上するアクセス可能なコンポーネント:前面からアクセス可能なホットスワップ対応ディス
ク・ドライブをすばやく交換できます。ラックからシステムを完全に取り外さずに、ファン・モジュー
ルと電源ユニットを交換できます。
 さまざまなRAIDオプション:これらのオプションで、ストレージの容量、可用性、コストのバランスを取
ることができます。LSIベースのSun Storage 6Gb SAS-2 PCIe HBA(内部コネクタ付き)は、RAID 0およ
び1をサポートしています。Sun Storage 6Gb SAS-2 PCIe RAID HBAは、RAID 0、1、10、5、50、6、およ
び60をサポートしており、バッテリ付き書込みキャッシュも備えています。
 シャーシ前面と背面のインジケータLED:確認が簡単なLEDで、問題を容易に特定できます。また、診断
LEDがマザーボードに装備されており、DIMMやCPUなどの障害が発生したコンポーネントを見つけるのに
役立ちます。
 Oracle ILOMの機能:内蔵のOracle ILOMサービス・プロセッサは、ローカルまたはリモートのシステム管
理に役立つ強力なツールを提供します。これにより、管理タスクを簡素化し、必要なオンサイトのス
タッフ数を低減し、運用コスト全体を削減できます(サーバーのシステム管理機能について、詳しくは、
次の「Oracle ILOMサービス・プロセッサとシステム管理」の項を参照してください)。
29
オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
Oracle ILOMサービス・プロセッサとシステム管理
オラクルの他の多くのサーバーと同様に、Sun Server X4-2とSun Server X4-2Lは、組込みのハードウェア
ベースのサービス・プロセッサを装備しており、これにより、オラクルの多くのサーバー製品ラインで一貫
して利用できる、リモートからのサーバー管理、システム管理、およびタスク自動化の各機能を実現してい
ます。
Oracle ILOMサービス・プロセッサ
Sun Server X4-2と Sun Server X4-2Lは、 Aspeed AST2300チップ をオンボードのサ ービス・ プロセッサ
(ベースボード管理コントローラ、BMC)として内蔵しています。Aspeed AST2300では、グラフィックス・コ
ントローラとサービス・プロセッサを結合して1つのチップにすることで、スペースと電力を節約していま
す。インテルC602J I/Oコントローラに接続するために、仮想デバイス用に2つのUSBポートを使用し、ビデ
オ用に1つのPCIe x1リンクを使用しています(詳しくは「Sun Server X4-2とSun Server X4-2Lのアーキテ
クチャ」の項を参照してください)。
Oracle ILOMサービス・プロセッサが提供する完全自動管理を利用すると、システム管理を簡素化できます。
サービス・プロセッサはホスト・プラットフォームからは独立して動作し、セキュリティが強化された堅牢
なオペレーティング・システムを実行します。Oracle ILOMサービス・プロセッサの機能は、次のとおりで
す。
 IPを介したリダイレクトによる、完全なリモートのキーボード、ビデオ、マウス、ストレージ(RKVMS)
へのアクセスにより、ローカルのKVMが不要
 環境、電源、ハードウェア、BIOS、およびオペレーティング・システムのイベントの監視とレポート
 BIOS構成のバックアップとリストア
 リモートからの電源制御、診断、仮想メディア添付、システムBIOSとサービス・プロセッサ・ソフトウェ
アのアップグレード
 システム構成情報の取得
 物理ポートまたはIPを介したリダイレクトによる、ユーザー構成が可能なシリアル・コンソール・アクセス
 セキュアなWeb接続におけるJava対応のリモート・コンソール・アクセス
 RADIUS、LDAP、およびMicrosoft Active Directoryサービスの認証データ参照のサポートによる、マルチ
レベルのロールベースのアクセス
 Simple Network Management Protocol(SNMP)v1、v2c、v3のサポート
システム管理処理に、Aspeed AST2300は次の接続を使用します。
 仮想デバイス用USBポート×2(ポートは2つともマザーボード上でAST2300からC602Jに直接ルーティング
されます)
 ローカル・ビデオ出力用SVGAビデオ・ポート×1
30
オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
サービス・プロセッサで提供されている管理機能は、Oracle ILOM 3.1システム管理ソフトウェアによって
実装されます。このソフトウェアは、Intelligent Platform Management Interface(IPMI 2.0)ベース
ボード管理コントローラ、プラットフォーム制御エージェント、診断ソフトウェア、およびRKVMS機能を提
供しています。オラクルの他の多くのサーバーにはこれらの機能が組み込まれているため、単一の一貫した
標準ベースの管理インタフェースを利用できます。
次のようなさまざまな方法で、サービス・プロセッサの機能および関連するOracle ILOMソフトウェアの機
能に安全にアクセスできます。
 SSLを介した直感的なブラウザベースのユーザー・インタフェース(BUI)
 セキュア・シェル(SSH)を介したDistributed Management Task Force(DMTF)のコマンドライン・イン
タフェース
 Oracle ILOMリモート・コンソール・アプリケーションへのプラットフォームのコンソール、キーボード、
マウス、ビデオのリダイレクト
 SNMP v3インタフェースによる、Oracle Enterprise Manager Ops Centerや、HPおよびIBMなどの企業が提
供するサード・パーティ製アプリケーションとの容易な統合
 IPMI 2.0コマンド・インタフェースによる、IPMItoolなどのIPMIベースのツールを使用したリモート管理
管理の柔軟性の最適化
システム管理ツールは運用の効率化に重要な役割を果たしますが、組織では環境ごとに最適なアプローチを
検討する必要があります。サービス・プロセッサを使用するか、または使用せずに、ホスト上で直接管理ソ
フトウェアを実行することを帯域内管理と言います。専用イーサネットまたはシリアル・ポートを使用して、
ホストから独立して管理タスクを実行することを、帯域外管理と言います。ホストとサービス・プロセッサ
のネットワーク接続に1つの10GBase-Tポートを共有することをサイドバンド管理と言い、イーサネット・コ
ントローラとサービス・プロセッサ間の接続を介して、この管理方式をこれらのサーバーで利用できます
(図20を参照)。表6に、これらの管理方式の比較を示します。
31
オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
図20:Oracle ILOMサービス・プロセッサによるサイドバンド管理のサポート
表6:帯域内、帯域外およびサイドバンド管理の比較
管理方式
特徴
帯域内管理


オペレーティング・システム常
利点

単一のネットワーク接続と
最適なユースケース

すべてのプラットフォームで共
駐ソフトウェアを使用
スイッチ・ポートを使用する
通の管理ツールを使用する必要
管理タスクにプラットフォーム
ことで、コストと複雑さを最小
がある、異機種システム混在
のコンピューティング・リソー
限に
環境
スを利用
帯域外管理


管理トラフィックに専用イーサ

ホストが利用できない場合で

計算集中型または帯域幅集約型
ネットまたはシリアル・ポート
も、管理機能に引き続きアクセ
のアプリケーションを使用する
を利用
ス可能
環境
独立したサービス・プロセッサ

で管理タスクを実行

ホスト・リソースが管理タスク

複雑な管理要件があるプロジェ
によって消費されない
クトや、膨大な管理負荷がある
管理トラフィックとサーバー・
プロジェクト
データを物理的に分離すること
で、セキュリティを向上
32
オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
サイドバンド管理

ホストとサービス・プロセッサ

が1つの10GBase-Tポートを共
独立したサービス・プロセッサ
コスト重視の環境
ス可能

られる


も、管理機能に引き続きアクセ
有し、それぞれに個別のMACア
ドレスとIPアドレスが割り当て
ホストが利用できない場合で
管理トラフィックに、サーバー・
データの帯域幅の一部を使用

で管理タスクを実行
必要なスイッチ・ポートが1つ
だけであるため、導入コストを
抑えられる

ホスト上の処理オーバーヘッド
を最小限に抑えられる
Sun Server X4-2とSun Server X4-2Lは、帯域内、帯域外、およびサイドバンド管理の3つの方式すべてに対
応しており、極めて高い柔軟性を備えています。1つの管理方式を選択することも、帯域内管理と帯域外管
理またはサイドバンド管理とを組み合わせて使用することもできます。
Sun Server X4-2とSun Server X4-2Lでは、Oracle ILOMサービス・プロセッサ上の専用10/100Mbpsイーサ
ネット・ポートまたはRS-232シリアル・ポートを使用して帯域外管理を実行できます。サイドバンド管理は、
ホストとサービス・プロセッサが共有している4つの10GBase-Tインタフェースの1つを介してサポートされ
ます。サイドバンド管理方式では、プラットフォームとサービス・プロセッサの両方が、共有の物理イーサ
ネット・ポート用に一意のMACアドレスとIPアドレスを取得します。サイドバンド管理を構成すると、管理
用の接続とプラットフォーム接続の両方で使用するためにスイッチ・ポートを使う必要がなくなるため、大
幅なコスト削減という点で帯域外管理の利点をすべて享受できます。
帯域内サーバー管理
帯域内サーバー管理では、すべてのデータセンター・プラットフォームで業界標準のプロトコルとアプリ
ケーションを利用できます。Sun Server X4-2とSun Server X4-2Lでは、IPMI 2.0およびSNMP v1、v2c、v3
の各標準がサポートされているため、容易に帯域内サーバー管理を実行できます。次の2つのオプションの
いずれかにより、これらのOS常駐プラットフォーム管理機能を利用できます。
 キーボード・コントローラ・スタイル(KCS)インタフェースとIPMIカーネル・ドライバによるIPMI
 SNMPエージェント
帯域外管理とサイドバンド管理
帯域外管理方式およびサイドバンド管理方式では、ホストに不要な負荷をかけずに管理タスクを実行できま
す。この管理方式は、高いパフォーマンスが必要な環境に適しています。帯域内管理を使用できるのはホス
トのオペレーティング・システムが稼働している間だけですが、帯域外管理およびサイドバンド管理はホス
トの電源がオフになっているときでもすべての機能が使用できます。ホストが停止しているときでもサイド
バンド管理を使用できるように、2つのデュアル10GBase-T(Twinville)コントローラは、サービス・プロ
セッサと同様にスタンバイ電源で動作します。
33
オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
帯域外管理方式とサイドバンド管理方式ではネットワーク接続方式が異なりますが、どちらの方式にも同じ
ような機能と利点があります。
 シリアル・ポート・リダイレクト(Serial-over-LAN)に基づいて、シリアル・ポートでOracle ILOMサー
ビス・プロセッサに接続することで、コンソールを使ってコマンドライン・インタフェース(CLI)とシ
ステム・コンソール・ストリームに直接アクセスできます。CLIは、DMTF Command Line Protocolに準拠
するように設計されています。
 イーサネット接続を利用して、管理者はWebインタフェースまたはCLIにアクセスできます。CLIへのアク
セスには、SSHセッションが必要です。また、Webインタフェースはセキュリティで保護されたアクセス
(HTTPS)とセキュリティで保護されないアクセス(HTTP)の両方をサポートしています。Webベースのア
クセスでは、セキュリティで保護されたアクセスがデフォルト構成になっています。
リモート・キーボード、ビデオ、マウス、ストレージ
Oracle ILOMサービス・プロセッサを使用することで、リモートからIPを介してキーボード、ビデオ、マウ
ス、ストレージにアクセスできます。ビデオのリモート表示は、Oracle ILOMリモート・コンソールと呼ば
れるJava Web Startソフトウェアを使用して行われます。システムをリモート・コンソールとして設定する
には、Oracle ILOMサービス・プロセッサからターゲット・マシン5にOracle ILOMリモート・コンソール・ソ
フトウェアをダウンロードする必要があります。この時点から、Oracle ILOMリモート・コンソールがロー
カルで実行されます。Oracle ILOMリモート・コンソールはサーバー上でローカルには実行されないため、
ホストにオーバーヘッドがかかりません。Oracle ILOMリモート・コンソールのシングル・インスタンスで
複数のセッションを開くことができるため、複数のリモート・サーバーを同時に管理できます。
Oracle ILOMリモート・コンソール・ソフトウェアを使用して、BIOSやセットアップ画面、プラットフォー
ムの他のすべてのビデオ出力をリダイレクトできます。管理コンソールの真のリモート・ビデオ表示は、仮
想デバイスとサーバーとの間で入出力を処理することで実現しています。ASPEED AST2300サービス・プロ
セッサ上の内蔵ビデオ圧縮により、SVGA表示で最大1,600×1,200ピクセルの解像度を利用できます。
Oracle ILOMサービス・プロセッサに接続されている2つのUSB 2.0ポートにより、リモート・キーボード、
マウス、ストレージの各機能を利用できます。Oracle ILOMリモート・コンソール・ソフトウェアが、管理
コンソールでキーボード、マウス、フロッピー/CD/DVDの入力をキャプチャし、IPを介してOracle ILOMサー
ビス・プロセッサにリダイレクトします。キーボード、マウス、ストレージの各入力が、USBポートを介し
てサーバーに転送されます。Sun Server X4-2とSun Server X4-2Lでは、ローカル接続されたUSBデバイスか
らこれらの入力が行われたと解釈され、これらのデバイスは"仮想"デバイスと見なされます。
5
Oracle ILOMリモート・コンソールを使用するには、管理コンソールにJava Runtime Environment 5.0以降をインストー
ルする必要があります。IPv6を使用する場合は、Java Runtime Environment 7.0以降が必要です
34
オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
Oracle ILOMリモート・コンソールを使用して、ローカル・デバイスからリモート・サーバーをブートする
こともできます。仮想デバイスは、ローカルの物理デバイスでもイメージ・ファイルでも構いません。
Oracle ILOMリモート・コンソールでは、次のようなさまざまなタイプのデバイスを仮想デバイスとしてリ
ダイレクトできます。
 DVD+/-RW
 CD/DVD-ROMイメージ(.isoファイル)
 フロッピー・イメージ(.imgファイル)
Intelligent Platform Management Interface(IPMI)
IPMIとは、ハードウェアとファームウェアに実装された自律型の監視、ログ記録、リカバリ、およびインベ
ントリ制御機能を実現する、業界標準のインタフェースです。IPMIのおもな差別化ポイントは、これらの機
能がメインのCPU、BIOS、およびOSから独立していることです。プラットフォーム管理の2つの主要コンポー
ネントとして、ベースボード管理コントローラ(BMC)とシステム管理ソフトウェア(SMS)があります。
Intelligent Platform Managementを利用すると、高可用性システムでエンタープライズ・クラスの管理を
容易に実行できます。
Oracle ILOMサービス・プロセッサは、自律型のセンサー監視機能とイベント・ロギング機能を提供します。
典型的なセンサー関連のイベントには、温度が上限を超えている場合や、電源やファンの障害などがありま
す。イベントが発生すると、システムのイベント・ログに記録されて、システム管理コントローラで利用で
きるようになります。システム管理コントローラは、電源のスタンバイ電圧で電源供給されているため、
サーバーの電源が停止した場合やオペレーティング・システムがクラッシュした場合でも機能します。その
ため、帯域内の配信メカニズムが利用できない状況でも、プラットフォームの状態を取得してリカバリを開
始できます。
最新のシステムには、IPMIで指定されているハードウェア・レベルのインタフェース仕様により、監視機能
と制御機能が装備されています。IPMIでは、BMCとSMS間のメッセージベースの標準の抽象インタフェース、
およびセンサー値のアクセス、しきい値の設定、イベントのロギング、ウォッチドッグ・タイマーの制御な
ど、処理によく使用されるコマンドのセットが定義されています。IPMIメッセージを使用すると、シリア
ル・インタフェースやLANインタフェースを介してBMCと通信できるため、下位の通信レイヤーを変更するだ
けで、帯域内(ローカル)管理用に設計されたソフトウェアを帯域外(リモート)管理用に再利用できます。
SNMP
Simple Network Management Protocol(SNMP)は、ネットワーク・デバイスを監視および制御したり、ネッ
トワーク上の構成、統計収集、パフォーマンス、セキュリティを管理したりするためのリモート・アクセス
を提供します。SNMPは、TCP/IPネットワークでほぼ例外なく使用されているネットワーク管理プロトコルで
す 。 Sun Server X4-2 と Sun Server X4-2L に は SNMP 管 理情 報 ベー ス ( MIB ) が 用意さ れ てい る ため 、 HP
OpenView Network Node Manager(NNM)、Tivoli、CA Unicenter、IBM DirectorといったSNMPに対応した任
意のネットワーク管理システムを使用してサーバーを管理および監視できます。MIBデータには管理情報が
含まれ、サーバーの現在と少し前のステータスが反映されます。また、サーバーの統計情報も含まれます。
35
オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
Oracle ILOMサービス・プロセッサは、SNMP v1、v2c、およびv3をサポートしています。デフォルトでは
SNMP v3が有効になっており、v1とv2cは無効になっています。SNMPの設定は有効化または無効化でき、デ
フォルトでは無効になっています。SNMPトラップはサービス・プロセッサ内から生成できます。また、
Platform Event Trap(PET)と呼ばれるIPMI固有のトラップも生成できます。次のSNMP MIBがサポートされ
ています。
 RFC1213 MIBからのシステム・グループとSNMPグループ
 SNMP-FRAMEWORK-MIB
 SNMP-USER-BASED-SM-MIB
 SNMP-MPD-MIB
 ENTITY-MIB
 SUN-PLATFORM-MIB
Oracle System Assistant
Oracle System Assistantは、Sun Server X4-2とSun Server X4-2Lのインストールと構成を支援する新しい
ユーティリティで、これらのサーバーにデフォルトで含まれています。ブート可能なユーティリティの
Oracle System Assistantは、Oracle ILOMインタフェースから開始するか、BIOSブート・メニューでOracle
System Assistantユーティリティを選択して開始できます。Oracle System Assistantは、次のようなシス
テム構成、インストール、および継続的な保守の作業に役立ちます。
 最新のシステム・ファームウェア更新のインストール
 ソフトウェア・リリース更新のインストール
 Oracle ILOMネットワークの構成
 ストレージRAIDの構成
 インストール支援機能を使用したオペレーティング・システム(Oracle VM、Oracle Linux、Red Hat
Linux、SUSE Linux、Microsoft Windows)のインストール
Oracle Enterprise Manager Ops Center
サポート契約の下でSun Server X4-2とSun Server X4-2Lに含まれているOracle Enterprise Manager Ops
Center は 、 ス ケ ー ラ ビ リ テ ィ の 高 い デ ー タ セ ン タ ー 管 理 プ ラ ッ ト フ ォ ー ム で す 。 Oracle Enterprise
Manager Ops Centerにより、柔軟なシステム・ライフ・サイクル管理と自動化プロセスが可能になります。
Oracle Enterprise Manager Ops Centerの機能を利用すると、サーバー統合、コンプライアンス・レポート、
迅速なプロビジョニングなど、データセンター要件の管理を簡素化できます。この管理プラットフォームに
より、Sun Server X4-2とSun Server X4-2Lに加えて、Oracle Solaris、Linux、Microsoft Windowsオペ
レーティング・システムを実行するオラクルの他のハードウェアやオラクル以外のハードウェアが含まれた
環境で、物理データセンターと仮想データセンターの両方の資産をプロビジョニングおよび管理できます。
36
オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
Oracle Enterprise Manager Ops Centerで用意されている単一のコンソールを使用すると、世界中に分散さ
れた異機種システム混在のIT環境で、次の主要機能を容易に利用できます。
 Oracleクラウド管理:Oracle Enterprise Manager Ops Centerは、Oracle VM Server for x86サーバーと
直接通信することで、Oracle VM Server for x86のすべての管理機能を提供します。
 サーバー検出とインベントリ管理:Oracle Enterprise Manager Ops Centerでは、サーバーの電源がオフ
になっている場合でも、ネットワーク全体でサーバーを自動的にスキャンして識別するため、IT資産の
導入と管理にかかる時間を短縮できます。
 ファームウェアとベアメタルのサーバー・プロビジョニング:Oracle Enterprise Manager Ops Center
の機能であるOracle Ops Center Provisioning and Patch Automationにより、ベアメタル・オペレー
ティング・システム、RPMパッケージ、ファームウェアを人的介入なしで自動的にインストールできるた
め、IT部門の効率がさらに向上します。
 パッチの管理と更新:Oracle Ops Center Provisioning and Patch Automationでは、Red Hat Linux、
SUSE Linux、Oracle Solarisに対応した最新のパッチ管理ツールが用意されており、これを利用して、
データセンターの計画に対する制御を強化し、停止時間を最小限に抑えることができます。また、独自
のパッチ・シミュレーション機能により、ソフトウェア更新プロセスの不確実な要素を排除できます。
 管理と監視:Oracle Ops Center Provisioning and Patch Automationは、ユーザーおよび異機種システ
ム混在のデータセンター資産をリモートから安全に管理し、重要なパラメータを監視することで問題を
事前に解決するため、システムのセキュリティと安定性が向上します。
 コンプライアンス・レポート:Oracle Enterprise Manager Ops Centerにより、システムの状態、パッチ
の状態、およびソフトウェアのポートフォリオについて最新情報を表示できるため、レポートにかかる
時間を短縮し、コンプライアンス検証の精度を向上できます。
これらの自動化機能を既存の構成管理システムと連携させて、ナレッジベースの変更管理を実現できます。
Oracle Enterprise Manager Ops Centerを利用することで、組織はコンプライアンスを強化した Oracle
Solaris環境を構築できます。この環境では、保守とリカバリに必要な停止時間が短いため、大幅なコスト
削減につながります。また、Oracle Enterprise Manager Ops Centerを利用すると管理が容易になるため、
各システムのOracle ILOMインタフェースに直接接続せずに、Oracle Enterprise Manager Ops Centerを
使ってシステムを管理することを推奨します。管理をさらに簡素化するためには、リモート管理を有効にす
るとともに、予防的なシステム管理とサポートを実現するOracle Auto Service Request機能を利用するこ
とを推奨します。詳しくは、Oracle Enterprise Managerを参照してください。
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オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
エンタープライズ・クラスのソフトウェア・サポート
柔軟性と投資保護の両方を実現するため、Sun Server X4-2とSun Server X4-2Lは、Oracle Solaris 10、
Oracle Solaris 11、Oracle Linux、Oracle VM、Red Hat Linux、SUSE Linux、Microsoft Windowsなどのさ
まざまな64ビット・オペレーティング・システム、およびVMware環境をサポートしています。複数のオペ
レーティング・システムに対応しているため、ソフトウェア要件が変わっても、ハードウェア・プラット
フォームを移行せずにアプリケーション環境を選んで導入できます。このように柔軟性が向上したことで、
企業では、複数のベンダーのソリューションをサポートおよび管理する際に生じるコストと複雑さを軽減で
きるため、リスクを抑えながらROIを高めることができます。
サポートされるOSバージョンの最新の一覧については、オラクル製品のWebページ
(http://www.oracle.com/jp/index.html)を参照してください。
Oracle Solarisオペレーティング・システム
Oracle Solarisを最適化し、現在と将来のインテルXeonプロセッサのパワーと機能を活用するために、オラ
クルとインテルは連携して作業しています。2007年以降、両社のエンジニア・チームによって、Oracle
SolarisとXeonプロセッサの組み合わせでさまざまな機能強化が行われ、インテルXeonプロセッサE5-2600
v2製品ファミリー・プロセッサ上でOracle Solarisと新しいインテルCoreマイクロアーキテクチャが連携す
る仕組みが最適化されています。
これにより、次のような素晴らしい成果が達成されています。
 パフォーマンスの向上:Oracle Solarisでは、インテル・ハイパースレッディング・テクノロジー、イン
テル・ターボ・ブースト・テクノロジー、インテルQuickPathテクノロジーなどの、インテルXeonプロ
セッサE5-2600 v2製品ファミリーの機能を利用することで、パフォーマンスが大幅に向上しています。
 電力効率と電力利用の自動化:Oracle Solarisは、インテルの電力管理機能を利用するように最適化され
ており、内蔵パワーゲートと自動的な電力状態により、エネルギー効率とワットあたりのパフォーマン
スが向上しています。
 信頼性、可用性、保守性の向上:Oracle Solarisの障害管理アーキテクチャ機能によって、障害の状態を認
識でき、データの整合性を維持して信頼性を向上させるように自動的に処理を実行できます。障害管理アー
キテクチャは障害が発生した個々のプロセッサ・コアとスレッドをオフラインにして、個々のメモリ・ペー
ジを再試行し、問題があるI/Oデバイスの使用を停止します。また、Sun Server x86ハードウェア・コンポー
ネント上で認識、診断、対処を迅速かつ正確に行えるように、障害管理アーキテクチャはOracle ILOMと緊密
に統合されています。
38
オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
仮想化の強化:Oracle Solarisでは、インテル仮想テクノロジー機能を利用することで、コスト効率の高い
仮想化を実現しています。Oracle Solaris Zonesでは、CPUとメモリのオーバーヘッドが従来の仮想マシン
よりも大幅に小さくなるため、アプリケーションで利用できるコンピューティング・リソースを最大にでき
ます。Oracle Solarisが提供しているネットワーク仮想化を使用すると、単一のOSインスタンス内に、高い
パフォーマンスを発揮する低コストの完全なデータセンターを構築できます。
Oracle Solarisは、他のオペレーティング・システムにはない、次のような機能を備えています。
 デバッグと問題解決のための動的インスツルメンテーションを備えたOracle Solaris DTrace
 Oracle Solarisのシングル・インスタンス内に仮想実行環境を構築するためのOracle Solaris Zones
 さまざまなハードウェアとアプリケーションの障害を自動的に診断、特定し、障害からのリカバリを実行
するOracle Solarisの予測的自己修復機能
 CPU時間、プロセッサ、仮想メモリ、接続時間、ログインなど、リソースのきめ細かい管理を実現する
Oracle Solarisのリソース管理機能
Oracle Solarisについて、詳しくはOracle Solarisを参照してください。
Oracle VM環境
Oracle VM Server for x86は、エンタープライズ・アプリケーションの導入、管理、サポートを容易にする、
無償で利用可能な次世代のサーバー仮想化および管理ソリューションです。手頃な価格のエンタープライズ
品質のサポートによって世界的に支えられたOracle VM Server for x86により、Sun Server X4-2とSun
Server X4-2Lでエンタープライズ・アプリケーションのワークロードを容易に仮想化できます。Sun Server
X4-2とSun Server X4-2Lの導入にOracle VM Server for x86を利用すると、運用とサポートのコストを削減
すると同時に、ITの効率と俊敏性を向上できます。また、Oracle VM Server for x86を利用すると、CPU
ファミリーとCPUタイプが同じCPUをサーバーが搭載している場合は、オラクルのx86サーバーとオラクル以
外のx86サーバー間でライブ・マイグレーションを実行できます。Oracle VM Server for x86システムの技
術的な情報について、詳しくはOracle VM Server for x86を参照してください。
Linux環境
オラクルは、Oracle Linux、Red Hat Enterprise Linux、Novell SUSE Linux Enterprise Serverなどの業
界をリードするLinux製品をSun Server X4-2とSun Server X4-2Lで認定しています。
オラクルは、オープンソース・コミュニティにもっとも貢献している企業の 1つです。貢献分野には
OpenOffice.org、Mozilla、GNOME、X.orgが含まれます。さらに、オラクルは次を含む重要なソフトウェア
製品をLinux向けに提供しています。
 Lustreファイル・システム
 Sun Rayソフトウェア
 Oracle Enterprise Manager Ops Center
 Java Desktop System
 Oracle Solaris Studio、Java Studio Creator、NetBeans
39
オラクルのSun Server X4-2およびSun Server X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
 MySQLデータベース
Microsoft Windows環境
Sun Server X4-2とSun Server X4-2Lは、Microsoft Windowsオペレーティング環境でテストされ、完全に認
定されており、厳密なマイクロソフト互換性テスト・スイートに合格しています。
VMware環境
Sun Server X4-2とSun Server X4-2Lは、VMware ESXで厳しくテストされ、認定されており、これらのシス
テムでのVMwareのハイパーバイザの実行を完全にサポートしています。
結論
オラクルのx86システムは、オラクルのソフトウェアを実行するのに最適なx86プラットフォームです。統合
され完全にサポートされたオラクル製品に基づき、最適なパフォーマンスと信頼性を実現するだけでなく、
クラウド対応の導入に必要なすべてを提供します。すべてのモデルで、仮想化、さまざまなOS、クラウドの
プロビジョニング、およびアプリケーションからディスクまでにわたるオラクル独自のシステム管理環境を
利用でき、これらすべてが追加料金なしで提供されます。そのため、オラクルのx86システムでは、競合他
社の同様の製品と比較して、3年間で総保有コストを最大50%低減できます。
オラクルのx86システムでは、ベンチマーク世界記録でパフォーマンスが実証されており、またオラクルの
アプリケーションを実行したオラクルの本番環境でエンタープライズ・クラスの信頼性も実証されています。
また、オラクルのx86システムは、単一ベンダーにサポートを要請できるというシンプルさと信頼性を提供
している、業界唯一のx86ハードウェアおよびソフトウェア・スタックです。
オ ラク ルのx86シ ステム につ いて 、詳し くは oracle.com を 参照す るか 、Oracle Direct(0120-155-096、
oracle.com/jp/direct)にお問い合わせください。
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オラクルのSun Server X4-2およびSun Server
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X4-2Lのシステム・アーキテクチャ
.本文書は情報提供のみを目的として提供されており、ここに記載される内容は予告なく変更されることがあります。本文書は一切間違いがない
2013年9月
ことを保証するものではなく、さらに、口述による明示または法律による黙示を問わず、特定の目的に対する商品性もしくは適合性についての黙
Oracle Corporation
World Headquarters
500 Oracle Parkway
Redwood Shores, CA 94065
示的な保証を含み、いかなる他の保証や条件も提供するものではありません。オラクル社は本文書に関するいかなる法的責任も明確に否認し、本
文書によって直接的または間接的に確立される契約義務はないものとします。本文書はオラクル社の書面による許可を前もって得ることなく、い
かなる目的のためにも、電子または印刷を含むいかなる形式や手段によっても再作成または送信することはできません。
OracleおよびJavaはOracleおよびその子会社、関連会社の登録商標です。その他の名称はそれぞれの会社の商標です。
U.S.A.
Intel お よ び Intel Xeon は Intel Corporation の 商 標 ま た は 登 録 商 標 で す 。 す べ て の SPARC 商 標 は ラ イ セ ン ス に 基 づ い て 使 用 さ れ る SPARC
International, Inc.の商標または登録商標です。UNIXはX/Open Company, Ltd.によってライセンス提供された登録商標です。
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