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アハバ-ル・カシオン
JICA シリア事務所 2005 年 8 月 1 日 第 79 号 アハバ-ル・カシオン ★★ 8 月・9 月の予定 ★★ ● 活動報告 地水問題、近隣諸国との協力 【会議等】 8 月 4 日(木)専門家活動報告会(16 時) 杉浦 伸郎(WRIC 専門家) 8 月 23 日(火)∼27 日(土)JOCV 健康診断 8 月 25 日(木)JICA 総会(16 時) 9 月 1 日(木)専門家活動報告会(16 時) 9 月 15 日(木) ボランティア活動報告会(16 時) 【調査団等】 7 月 27 日∼8 月 3 日「パレスチナ難民支援評価」 調査団 8 月 1 日∼8 日「教師海外研修」 8 月 22 日∼25 日 清水健康管理員訪シリア (予定) 【専門家・ボランティアの動き】 【着任】よろしくお願いします。 8 月 6 日着任予定 児玉 WRIC 水門観測(2) 真 専門家 【業務出張】 8 月 9 日∼12 日エジプト出張(C/P 研修) 杉浦専門家(WRIC) 8 月 27 日∼8 月 31 日エジプト出張(C/P 研修) 岩井専門家(環境モニタリングプロジェクト) シリアはご存知のとおり、その 国土の大半が半乾燥地ですが、勿 論それはシリア固有の特性ではな く、近隣地域全体の環境でもあり ます。また、其処に降る雨、流れ る水も国境とは関係ありません。 以前から WRIC(水資源情報セン ター)では、ヨルダンやエジプト へ C/P と共に視察に行き、水資源 の状況や情報の管理について意見 交換を行ってきました。そこでは、 気象や地理条件ゆえの近似点と、 国が違う為の相違点などが参考に なっています。今回は逆に近隣諸 国からの視察を受け入れる事とな りました。 ラ下水処理場で下水処理の現状や 処理水の再利用について見学。3 日目は沿岸部へ移動し、灌漑省沿 岸部総局タルトゥース支局を訪問、 シン泉やバッシールダムを見学、 ラタキアへ。4 日目はホムスのオロ ンテス流域総局でオランダのプロ ジェクト説明と意見交換、その後 ゼイズーン・ダムを見学。 (イラク 班は ICARDA)5 日目はアレッポ の下水処理場を視察しました。 【健康管理旅行】 信夫 俊子 SV 7 月 5 日∼8 月 19 日 大西 定行 SV 7 月 11 日∼8 月 17 日 京 和徳 SV 8 月 19 日∼9 月 16 日 高塚 三郎 SV 9 月 16 日∼10 月 15 日 ワリ貯水池のプレゼンテーションルーム 【一時帰国】 中山 惣喆 SV 7 月 15 日∼8 月 9 日 【所員の動き】 【業務出張】 上村専門家の水質検査 9 月 2∼5 日 日本語会議(エジプト) 岩田 章一 調整員 【健康管理旅行】 青木 未恵 経理支援要員 7 月 16 日∼ 8 月 10 日 長澤 一秀 所長 7 月 22 日∼8 月 17 日 【一時帰国】 岩田 章一 調整員 7 月 13 日∼8 月 17 日 去る 6 月 5 日から 12 日までの 8 日間、モロッコの国土整備水利環 境省に次官官房技術顧問として派 遣中の上村専門家とその C/P、ま たヨルダンのイラク班の方々(5 日間)が来シされました。 主な目的は、WRIC の情報管理シ ステムと運営方法、観測技法など についてと、上下水道の状況の視 察等で、日程は以下の通りです。1 日目は WRIC で活動概要と DB な どについて説明と意見交換など。2 日目はバラダ泉・フィジェ泉やワ リ地下貯水池でダマスカスの水源 を見学、最終的な出口であるアド -1- 意見交換の結果は、モロッコもシ リアも沿岸部ではまとまった降水 量があり、その上脊梁山脈には雪 も降ります。その恩恵を受けた地 域では農業が盛んですが、内陸部 は乾燥が厳しく水の確保が難しい と言った共通点があります。上村 専門家が簡易測定すると、シリア の水はモロッコと比べて溶存酸素 が豊富で塩分濃度や電気伝導度が 低い事が分かりました。これはレ バノン山脈の石灰岩の多孔質な地 中を比較的早い時間で流出してい る為と思われます。下水処理につ いては、モロッコでは完全に実施 している都市は無いとの事です。 シリアにおいてはダマスカスの処 理水は灌漑に再利用されているの で進んでいるようですが、アレッ ポなどは流量の半分も処理できて おらず、まだまだと言うのが現状 です。 WRIC として嬉しかったのは、 モロッコの C/P がこのプロジェク トを知り、視察を希望した点です。 また、4 人の同行者のうち 2 人分の 渡航費用はモロッコ側が負担した と言う話を聞き、相手側の熱意を 感じました。近頃はオランダやド イツの専門家等も度々情報交換に 来ており、当プロジェクトが注視 されている事を感じますが、また それに見合う成果に向けた我々の 努力も必要です。 ワリ貯水池の門の前で ● 活動報告 村日記パート6; 初夏の汗! 地域に還元 農業&園芸公園作りにチャレンジ と事件多発!ヨルダン・スタデイーツアーの巻 瀧本 今回は 2 部構成でお伝えします。 笑いあり、事件あり、CBR は毎日が ドキドキです。 農業&園芸公園作り 5 月*日:快晴!ヒジャーネ村役場 と共同で、CBR 専用の農園芸公園作 りが始まった。村人の意欲に任せ て、のつもりだったが結局ボラン テイアが作業をしてしまい、障害 のない子どもの巻き込みが不足し ていたので、しばらくトライアル ということで共同実施にした。知 的に障害のある子どもは、「仕事、 仕事」といって家を出ているんだ とか、障害者が活動のない日もや ってきて、村役場でお茶を飲んで 帰っていくんだとかほほえましい エピソードが多く、強く胸を打た れる。 5 月*日:裏庭の農地も、周囲はゴ ミで埋もれている。 「これではいか ん!皆でゴミ拾いだ!!」と喝を 入れた。めらめらと闘志が燃え上 がる。忙しいにもかかわらず、休 日朝 8 時集合で、関心のある全て の人と障害者で 2 箇所の公園の清 掃を実施する。車いすの子は袋を もち、知的に障害のある子も、 一緒にゴミ拾い。60 袋は用意して WRIC では来る 9 月 5 日に第 3 回シリア日本水シンポジウムを予 定しています。エジプトやヨルダ ンからの発表も含まれています。 今後も関連分野での連携・情報交 換や地域内での協力を進め、より 良い成果へ結び付けていきます。 薫(CBR 事業推進専門家) いたが足らなかった・・・。拾っ ているうちに周りで見ていた子も 自主的に参加する。うん、この姿 は美しい!CBR は地域に還元!そ していつかは全村掃除かな?でも それは袋も、そして私の体もたな いかもしれない。しばらくは目を つぶっておこう。 始めている。素晴らしい、環境教 育の一歩である。(自画自賛!!) 今度はゴミ箱作りだ! 5 月*日:村人はこの農産物を、村 の市場で販売しようと野望を抱き 始めている。それもいい、自分た ちで資金を調達することこそ始め の一歩である。シンプルな灌漑設 備を共同で作成し、より効果があ るようにねらっていく。常日頃、 保健省や灌漑省はお金を出すのに 薫の場合はけちだとか、お金を出 さないといわれ続けて胸を痛めて いたが、自分たちのプロジェクト としていく為には確実に成長して いるではないか?すばらしい。こ の続きは引き続き報告していくの で乞うご期待。 ゴミ袋とともにパチリ 5 月*日:農業隊員の、K ザワ隊員 もこの活動に参加してくれること になる。若いがガッツのある隊員 である。お酒が好きで思いが強 い・・・気持ちの熱い隊員である。 種まきや品目などはかれの勘(い や失礼、知識である)に委ねなが ら役割を分けて活動をする。日本 でいう市民農園に近いかもしれな いが、一歩一歩確実に芽は伸び始 めている。そしてゴミを見つけた ら、 「片付けよう」の意識も芽生え -2- 農園作り ヨルダン・スタデイーツアー スタデイーツアー前日、あまり に本ツアー実施に向けて事件が多 かったので記述することは差し控 えたい。参加者は政府関係者、CBR ボランテイアとさまざまである。 日々の心労ゆえ私の髪の毛がどん どん抜けていった・・・。ハラー ムだ。 6 月 1 日:嵐の幕開け、朝から遅刻 や急遽体調不良者などが起こり、 朝の 5 時半から電話を受ける・ ・・。 まあシリア人、少々は大目に見な くては。 7 時半:何とか予定時間に合いそう だった(このときまでは・・・)。 9 時:シリア国境越え。なななんと、 参加者の一人に、つい最近出国し た同姓同名者がいた。愛想のない パスポートコントロール者は、 「こ れはムシケレだ、自分たちがこの 同姓同名者を別人と認めるまで、 出国は認めない」と大きな態度に でられる・・・。さあどうする。 40 分以上足止めをくらい、最後に、 (秘密警察かもしれないというう わさの高い)政府系の参加者が乗 り込んでいってくれ、事なきを得 た。ここで予定を 40 分もオーバー。 うううっ、先が思いやられるなあ。 10 時半:ようやくヨルダン入国、 「やあ薫、マーフィームシケレー。 よく来たよく来た」と大歓迎もモ ードである。胸をなでおろす。し かし、この時間の遅れが後のスケ ジュールに響いていくというのは 当然のことである。 11 時 45 分:キュウキュウにつめて プログラムを開始。講演は無事に 終了。 ヨルダンツアー講演の様子 15 時 55 分:予定を 30 分オーバー で終了、一路アンマンへ向かう。 17 時:ホテルにチェックイン!さ あおとなしく休憩してくださいな。 でも束の間、唯一の休憩時間、ホ テルの周りをうろうろ散策に出か けていくシリア人。見ない聞こえ ないフリをしておこう。 20 時:夜のセッション、予想に反 して時間を厳守。皆やればできる じゃないか。議論の最終課題は、 「プロジェクトの継続と自立をめ ざした取り組みについての活動計 画策定」である。自分たちができ ているにもかかわらず、私の前で は自信過小なボランテイアである。 国家プログラムとして歩んでいけ るよう自信を持ってほしい。依存 を減らし、マネジメントも学んで ほしい。予想に反して夕飯前の議 論は白熱する。プレゼンテーショ ンの時間まで組み込めず翌日に持 ち越した。 22 時:夕飯に出かけようとすると、 おなかが痛いという参加者が出る。 ああ来たな・・・。薬を購入しよ うとしたが手ごろなものがわから ない。結局私のアシスタントがク リニックへ連れて行く。アシスタ ントは天然ボケで、30 分で戻ると いうのに 2 時間経って戻ってきた。 彼女は連絡のすべを持っておらず、 私は坂の上のレストランとホテル を何往復も走った。内心もしかし たら誘拐されたのではないかと皆 で心配した。 笑おう、笑う門には福来る。と りあえず、終りよければ全てよし。 クトも素晴らしいが、若輩ながら 我々のメンバーもきちんと意見を 述べている。彼らなりの負けん気 の強さもちらほら感じ、はらはら したが・・・。帰りのバスでは皆、 もっと自分たちのプロジェクトを 説明して議論をしたかったという 感想が多かった。いつかどこかの プロジェクトとこういった経験を 交換するスタデイーツアーを 3,4 日間実施してもいいのかもしれな い。しかしその反面、これは最初 で最後だと思いたい・・・。(笑) 夜 11 時半:JICA シリア事務所前に たどり着いた。帰りの行程は省略 する。というか一つ一つが笑いの ネタで渦まいていた。紙面に書き きれない。ぜひとも個人的に私に 聞いていただきたい。そして最後 に今回同行した T 智隊員のさりげ ない優しさにも感謝している。 最後はカラク城前のレストランにて 6 月 2 日:朝から好調、チェックア ウトも無事に済み、ヨルダン事務 所所員との待ち合わせ 5 分前に準 備完了。素晴らしい、涙が出そう だった。そして行きのバスの中、 昨日のプレゼンの発表を行う。こ の空間はいい感じでデモクラシー がある、政府関係者も提案を行う。 これもありだなと納得した。 10 時:カラク、予定していた NGO に到着。事なきを得る。 無事に行程を・・・というか先方 の丁寧な説明とアレンジですでに 最後の予定の家庭訪問同行の時間 は 40 分を過ぎていた・・・、当然 ここで一言が来ないわけがない。 聞こえないフリをして最後まで通 した。予想以上に村人の意見、ま た政府関係者が意見を述べていた。 自立発展している先方のプロジェ -3- 今回のツアーでは他者の取り組 みを通じて自分たちの短所や長所 を理解して次のステップへの弾み になっていったと感じている。今 は村レベルでも自分たちのリソー スを整備し、経験を共有して行こ うと勉強会を計画している。さら に障害者当事者のパワーを感じた 影響で、自分たちはどのようにし てこうした意識を取り込んでいく か再度プログラムを考慮している。 これは、かれらのプロジェクトで ある。もっともっと皆で知恵や意 見を出しあい、フレキシブルな取 り組みにしていってほしい。私の 役割としては、オーガナイズや政 府団体とのネットワークを早急に 整備しなくてはいけない。そのた めの戦いは続く・・・。(つづく) ●NEW COMER 9 名のニューフェイス(協力隊員) シリア上陸 ― 新しい環境、生活、仕事、出会い ― 氏名:赤星 光江 氏名:楮谷 職種:音楽 職種:音楽 紀子 出身:東京都 出身:埼玉県 趣味:ドイツ語、ヨット、バレーボール 趣味:スノーボード ひとこと:長い道のりを経て、ようやくここにたどり着きました。 ひとこと:初めまして!私は UNRWA 音楽隊員としてダラーに赴任する (いろいろな意味で)みなさんと共に活動できることをうれしく 予定です。先輩隊員とも力を合わせて、何か残せる活動にしていきた 思います。海に行くときは誘って下さい。 いです。よろしくお願いします。 氏名:平田 未季 職種:日本語教師 氏名:小木曽 出身:北海道 職種:音楽 趣味:三線、映画と演劇を観る事、 出身:岐阜県 尚子 趣味:クラリネット、ラーメンを食べること 武道、絵など ひとこと:ダマスカス大学で前田さんと一緒に日本語を教えま ひとこと:念願のシリアに来ることができて、とてもうれしいです。 す。生まれも育ちも北海道で、79 日以上、札幌を離れたことがあ 海も大好きなので、ラタキアでの生活にワクワクしています。中学校 りません。ちなみにその 79 日は二本松での訓練です。今回のシ では吹奏楽と合唱にあけくれ、いつの間にか歳をとっていました。よ リア滞在は離札新記録になりますが、暑さに負けずにがんばろう ろしくお願いします。 と思います。 氏名:玉田 氏名:三谷 直美 努 職種:生態学 職種:保育士 出身:宮城県 出身:兵庫県 趣味:ハーモニカ 趣味:旅行、料理(食べること) 、 ひとこと:マルハバ!大学で遺伝学を専攻していた関係で、この度、 廃材利用 アレッポにある ICARDA で家畜の遺伝的資源に関わる研究に携わる ひとこと:はじめまして!京都の児童養護施設で 7 年、子供たち ことになりました。活動に励む一方で、シリアの人々と親睦を深め、 の生活のケアをした後、退職して参加しました。ラタキアの保育 二年後、シリアを離れるときは泣いて帰れるようになりたいです。よ 園で活動させていただきます。ダマスカスに着いて、予想以上に ろしくお願い致します。 街がきれいなこと、予想通り、子供たちがかわいいことに感激し ています。ラタキアの子供たち、保育士さん、保護者さんや町の 氏名:岸本 方々と出会いを楽しみにしています。健康にはかなり自信がある ので、病院のお世話にならずに 2 年間過ごすことを目標にしてい 出身:山梨県 ます。よろしくお願いします。 趣味:料理、映画を観る事、ウクレレ、散歩、工作 ひとこと:日本の幼稚園で 4 年間働いてきました。アレッポに行きま 氏名:田村 雅文 す。初海外でわくわく、どきどきしています。早くシリアの子供たち 職種:環境教育 とも仲良くなって一緒に遊びたいです。 出身:三重県桑名市 氏名:中嶋 趣味:サッカー、音楽 僚子 職種:幼稚園教諭 (ピアノ、フルート、三線など) 出身:茨城県 ひとこと:二年間の目標は「定期的に情報を発信すること」。自 趣味:陶芸、和太鼓、 分の活動やシリアの様子を世界中の人々に伝えることができれ コーラス、絵画、バイク ばと思っています。新たな物、人との出会いを大切に、笑顔を忘 ひとこと:何でもやってみたがり屋で、いろんな事にすぐに手を出し、 れない充実した二年間にしたいと思います。どうぞよろしくお願 趣味が多くなっていますが、どれも極めていません・・・。シリアで いします。 We are on the WEB. See us on www.jica.go.jp, www.jicasr.org あさみ 職種:幼稚園教諭 も好きな事を増やしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。 お知らせ 本ニュースレター配信ご希望の方は当事務所まで氏名、メールアドレス、JICA との関係(所属)を連絡願います。 編集後記 9 名の新しい隊員がシリアにやってきました。これまで一番の新入りだった私もこれで 2 番目になりました。新しくい らっしゃった隊員の皆さんが健康にご活躍されることをお祈りします。 (Y.H.) -4-