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世界初※1の

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世界初※1の
CONTENTS
IoT 時代の社会価値創造
..........................................................................................................
4
「 社会ソリューション」の代表的事業とお客様事例
....................................................................................................................................................
セーフティ
サイバーセキュリティソリューション
交通・都市インフラ
テレコム
製造/物流/流通/サービス(Global Enterprise Solutions).......................................................... 26
スマートエネルギー
クラウドソリューション
SDNソリューション
ビッグデータソリューション
主要事業一覧
2
8
...............................................................................................
12
.................................................................................................................................
16
.....................................................................................................................................................
20
.................................................................................................................................
32
..........................................................................................................................
36
................................................................................................................................
38
..................................................................................................................
40
..................................................................................................................................
42
NE Cが目指す 社 会 価 値 創 造
グローバルに絡み合った社会課題は、国際社会が力を合わせて解決していく人類共通のテーマです。すで
に多くの政府や企業が、事業活動を通して経済 価値と社会価値を同時に高めるべく、このような 考え方を
政策や経営に取り入れはじめています。
NECグループは、人が豊かに生きる安全・安心・効率・公平な社会を実現するために、ICT( Information
and Communication Technology:情報通信技術)を活用して社会インフラを高度化する「 社会ソリュ
ーション事業 」に注力しています。「 NEC Vision for Social Value Creation 」はNECが事業を通じて
社会価値を創造するビジョンをまとめたものです。 今後もICT は大きく進化し、社会やビジネス、人々の生
活に貢献していきます。社会のさまざまな課題解決への取り組みは大きなチャレンジですが、お客様と共に
新しい社会インフラを創る機会と考えています。
「 NEC Vision for Social Value Creation 」でお伝えしたいことは、次の2点です。
第1に、増え続ける世界人口が 都市に集中していく中、それを上回るペースでエネルギーや食糧の需要が
高まります。 地球の限りある資源をムダなく使い、公平で持続できる社会を築いていくために、ICTを原動
力とした新たな社会インフラの構築が求められています。
第2に、社会価値 創造のプロセスは、①本質的課題への気づき、② 価値 創造のためのコラボレーション、
③ビジネスモデルの工夫とICTの活用、④お客様への価値提供と社会価値の共創 ─ で実現します。NEC
グループは、これら4つのステップを大切にしています。お客様や社会との約束として「 Orchestrating a
brighter world 」という新たなブランドステートメントを定めるとともに、7つの社会価値創造テーマを設
定しました。お客様やパートナー様と共に新たな価値を共創し、豊かで明るい未来の創造に取り組んでいき
ます。
本誌は「 NEC Vision for Social Value Creation 」の別冊として、NECが取り組む「 社会ソリューシ
ョン事業 」の代表的事業とお客様事例をまとめたものです。
社会ソリューション事業による価値創造
価値創造の 手段
コラボレーション
● ソーシャルバリュー
デザイン
● パートナリング
● オープン
イノベーション
● リーンスタートアップ
など
社会・お客様の
本質的価値の 追求
安全
国家から個人
まで 幅広い安
全に対応
安心
目立たな いと
ころで 地 球や
社会を支える
SI・サービス
● コンサルティング
● システム
インテグレーション
● 運用・保守サービス
● ファイナンシング
など
ICT アセット
● ビッグデータ
● SDN
● クラウド基盤
● サイバーセキュリティ
など
豊かな社会を実現するための
4つの 提供価値
効率
持続可能な 成
長の実現
公平
新たな価値・
市場の創造
多様な 格 差や
不公平の解消
3
Internet of Things
IoT時代の社会価値創造
実世界とサイバー世界の統合がもたらす新たな価値
Internet of Things( IoT )、モノの イン
知 識に生まれ 変わります。例えば、装置や構 造
ターネットとは何か。米ガートナー社は「物理的オ
物 の摩 耗や 劣化、人や車 両の 位 置 情 報、気 温、
ブジェクト( Things)のネットワーク。Things
混 雑状 況、体温、心拍などのデータを重ね合わ
には、内部 状 態や外部 環 境をセンシングし、通
せ分析すると、最 適な 物 流 ルートや、災害 時 の
信し、何かしらの作用を施すためのテクノロジー
避 難 経 路といった情 報や知 識になります。新 発
が埋め込まれている」と定義しました。ビジネス
見された情 報や知 識を実世界に働きかければ、
分野では、モノがネットワークにつながり、人も
IoT は人々の暮らしや社会、企業経営を変えて経
含めて相互に情 報をやり取りすることで 価値を
済効果という価値を生みだしていきます。
生む、新たなコンセプトとして注目されており、
IoTの Things は単なる「モノ」にとどまりま
グローバルでの IoT 市場は、今後年平均成長率
せん。例えば、カメラに映し出された映像の中か
30 %の伸びが見込まれています。※1
ら、2 人乗りのバイクや、異常に混雑した場所な
近い将来、広範囲に普及する大 量の Things
ど、異 変を知らせる意 味のある事 柄も Things
がネットワークにつなげられ、あらゆる Things
に含まれます。このような実世界からサイバーに
からのデータ収集が当たり前になります。2020
情報を写し取る技術は、公共の安全や物流での
年までに、世界 の データ量は 2013 年 の 約 10
検品、防災などに役立ちます。
倍にまで膨らむと予想されています。
このお
IoT は今、製 造、流 通 / サービス、交通、エネ
びただしいデータをリアルタイムに取得し、即座
ルギー、医療、公共、農業などあらゆる分野へと
に分析することで、データが情報、そして新たな
広がりを見せています。
※2 4
※1 NEC調べ
※2 IDC調べ:2013年4.4ゼタバイト、
2020年44ゼタバイト
(ゼタは10の21乗)
IoT 時代の社会価値創造
NECの考える
IoTアーキテクチャ 5層モデル
NEC では、お客 様の IoTシステム導入を支える
IoTアーキテクチャ5層モデル
L5
クラウドコンピューティング
統合管理&データ活用
ため、複 雑な IoTシステムを 「IoT アーキテクチャ
5 層モデル」に照らし合わせて構築します。
IoT では、変 動の大きな実世界を逃さず捉えて
広域ネットワーク
L4
価 値を創出することが求められます。柔軟で 変化
に強く、かつシステム全体の正しさを確実に維持す
るのが、この 5 層モデルの考え方です。これまでの
エッジコンピューティング
IoT 連携制御処理
L3
ICTシステムで 一 般 的 だったクラウドコンピュー
ティング、ネットワーク( 広 域 / 近 距 離 )、デバイス
コンピューティング(クライアント)のシンプルな構
造の中に、エッジコンピューティング( L3)を挿入
した 5 層構造を NEC は提唱します。
近距離ネットワーク
L2
L1
デバイスコンピューティング
実世界との接点
L3では、現在のICTシステムからのシームレスな
発展と、現時点での技術課題・経済障壁の解決、そ
することにより、他システムとの接続性を高め、連携
してリアルタイム性の保証などが提供できます。ま
しやすくします。同時にシステムの段階的な成長に
た、レイヤーという概念を導入し、独立した構造に
柔軟に対応し、新たな価値創出の手段を実現します。
Interview
IoTでモノづくりから
社会インフラまで幅広く貢献
日 本 の 成 長 戦 略 の 旗 印 で あ る
くりの強みをより高めて、お客様
率 ・ 公平に価値をもたらす社会ソ
今 後、世 界 の データ 量 が 飛 躍 的
2020年に向けて、安全・安心・効
リューションの実現をNECは目指
しています。
IoTを活かした社会インフラに
よって人々の暮らしが支えられて
いることでしょう。このような身の
回りにあるモノをインターネット
に接続しネットワーク化する発想
は、かつてより存在してきました。
NECでも、世界のスマートシティ
における IoTのシステムを稼働さ
せてきた実績がすでにあります。
また、欧州発の製造業のイノベー
ション「インダストリー 4.0」が注
目を集めています。NECの次世代
モノづくりソリューション「 NEC
Industrial IoT 」では、工場や製
品をつなぎ、本来の日本のモノづ
にご提供します。
に増加し、人工知能が発達していく
中で、社会は大きく様変わりする可
能性を秘めています。NECは製造
業に と ど ま ら ず、セーフ ティ、交
通・都市インフラ、スマートエネル
ギー、流通 /サービス、物流など、
IoTを活かす分野を広げていきます。
N E C には、海底から宇宙まで、
極めて高い信頼性が求められる社
会インフラとしての情報通信を構
NEC
取締役執行役員常務
CMO(チーフマーケテイングオフィサー)
清水 隆明
築する技術力があります。また、技
術的に困難なシステム案件を多く
のお客様とともに乗り越えてきま
した。IoTシステムにおいても、こ
の経験を活かし、誰もが安心して暮
らせる、豊かな社会を創造します。
5
Internet of Things
事例
スペイン
サンタンデール市様
街に張り巡らされたセンサーを活用して
ゴミ収集運用コストとCO2 排出量を削減
サンタンデール市は、社会インフラへの IoT導入
データに基づいたゴミ収集の結果、量の多い容器
に積極的な都市の 1 つです。同市ではスマートシ
の回収を優先するといった効率的な運用が実現しま
ティプロジェクトの一環として、2014年 2月から
した。さらに、作業効率が上がるだけでなく、排気
NECとともに、街中の気温や車のスピード ・ 騒音
ガスによる環境負荷までも削減されています。今後
などのデータをセンサーで収集して、街の状況を見
も NECは、同市をはじめとする IoT関連の取り組
える化するための実証実験を行ってきました。これ
みを継続していきます。
に続く取り組みが、同市でのゴミ収集管理サービス
事業です。
これまでのゴミ収集は、決められた一定のルート
や時刻に従い収集を行っていたため、量や時間帯に
M2Mセンサー
応じた柔軟な対応が課題となっていました。
そこで、市内に設置された収集容器にセンサーを
取り付け、たまったゴミの量や設置場所などの情報
をリアルタイムに収集しました。集められたデータ
は市内の管理センターで分析され、最適な回収ルー
トとして収集事業者に伝えられます。
街中に張り巡らされたセンサーから収集されたデータ活用は、M2M
(Machine to Machine)センサーやビッグデータ分析、見える
化ソフトウェアなど、NECのトータルなICTソリューションで実現し
ました。
IoTシステムを実世界とサイバー世界の両面で守る
IoTの 発 展に伴い、システムはますます大 規 模
ビッグデータ技術と、異常箇所を自動的に隔離する
化・複 雑 化し、セキュリティリスクが 高まっていき
SDN( Sof t ware-Defined Net working )
ます。従来の対策では、実世界も含めてダイナミッ
技術とを、プロアクティブなセキュリティと組み合わ
クに変化する IoTシステムを十分に守れません。
せる研究に取り組んでいます。この取り組みにより、
NEC では、システムの動 的な変化をリアルタイ
サイバー攻撃に素早く備える、安全・安心な IoTシ
ムにモデル 化し、平常時と比 較し異常を検 知する
ステムの提供を目指しています。
システム全体のリアルタイムなモデル化による未知攻撃の検知
リアルタイムにモデル化
L5
L4
L3
L2
L1
クラウドコンピューティング
L5
広域ネットワーク
エッジコンピューティング
L4
比較による問題箇所の発見
近距離ネットワーク
L3
L2
デバイスコンピューティング
L1
平常動作モデルの
自動生成
6
隔離の自動化
クラウドコンピューティング
広域ネットワーク
エッジコンピューティング
近距離ネットワーク
デバイスコンピューティング
IoT 時代の社会価値創造
IoTに求められる通信の特性
IoTデバイスを低負荷で
モバイルネットワークに接続
通信頻度 ( 回 h
\)
10
通信業者のモバイルネットワークと IoT デバイス
間では、膨大な制御信号のやり取りが発生します。
NEC は、世界で初めてこれを従 来 の 10 分 の 1に
監視カメラ
スマートメータ
1
従来の
携帯電話の 通信
機器
0( 固定 )
この技術は、モバイルネットワークの標準化団体
自動車
ウェアラブル 端末
産業家電
0.1
削減する技術を開発しました。
IoTの 通信
1
10
100
移動速度( km/h )
3 GPP( Third Generation P a r t n e r s h i p
Project )の国 際標 準規 格に採 用されています。
ションの提供が各分野で加速します。
ネットワークの負荷を抑えて信頼性の高いモバイル
IoTの普及に向けて国際的な標準化活動にこれ
ネットワークを実現することで、より多様なソリュー
からも大きく貢献していきます。
通じて、限りある水資源の安定供給を実現します。
高度な分析による価値創出
IoT により、センサーから多種多様な情報を大量
センサーから得た 膨 大な 情 報に ICT を用いて、
「いつもと違う」兆候をいち早く把握し、社会 価値
に 収 集することが 可 能 になってきています。しか
し、センサーデータだけでは 成 果 を上げることは
創造に役立てることができます。
難しく、価 値を生み出すためには、例えば 振 動セ
例えば、NEC の「 水需要予測ソリューション」で
ンサーの データと保 守 管 理システムの データを組
は、老 朽 化した 水 道 網 のメンテナンスコストを抑
み合わせるような、潜在的な依存関係や問題の根
え、かつ多様 化する需要を満足させる最 適な配 水
本原因の分析が必要です。
を実現します。気象、カレンダー、ダムの水位遷移、
IoT は、データを集 めることが目的なのではな
水の利用状況といった形式、属性など、異なるビッ
く、そこからより精度の高い分析を行い、新たな価
グデータの中から NEC が独自に開発した「 異種混
値を生み出すことにその神髄があります。NEC は、
合学習技術 」により規則性を自動抽出します。これ
高度な分析を可能にし、かつ安 全・安心に使 用で
により、水の需要予測を実現しています。また、振
きる仕組みを提 供し、新たな社会価値の創出に貢
動センサーで水道管の破裂予兆を捉えたり、
「 予測
献し続けます。
制御 技 術 」による効 率的な水道インフラの運 用を
水需要の高精度予測が、電力使用量削減・水資源有効利用に貢献
国内および海外の水道事業者と共同で実証実験中
気象情報
カレンダー情報
中央監視制御室
予測・分析
ビッグデータ解析
過去実績
データ
造水調整
大量データ・情報の収集
浄水場
送水場
配水池
テレメータ
( 流量・水圧・水質)
配水網
7
セーフティ
最新技術で安全・安心な生活を
サイバー / フィジカル両面で守る
NECが長年培ってきたセーフティ事業は、人々の生活における脅威へグローバルに対応。 世界
中の文化や多様性を尊重し、明るく豊かな社会を支えています。
人々が安全に
安心して暮らすために
国に 500以上のシステムを提供しています。同技術
は、米国国立標準技術研究所主催の各種コンテス
トでもナンバーワン ※1 の評価を得ています。
今、世界では気候 変 動による自然 災害、社 会に
また、映 像から混雑状況での異変を早 期に発見
影 響を及ぼ すサイバー攻 撃 の多様 化など、さまざ
する世界初の群衆行動解 析技術は、人が多く集ま
まな脅威や危機が広がっています。NECは、人から
る駅やスタジアムなどの事故や事件を未然に防ぐこ
家庭、組織、社会、国、地球・宇宙レベルに至るま
とに活かされています。暗所でも明るくカラーで撮
で、脅威に対応し「 安全・安心な社会づくり」に貢
影する高感度技術や、霞低減技術を搭載し悪天候
献する各種サービスやソリューションを提 供してき
でも鮮明な映 像を映し出す超高感 度カラーカメラ
ました。現在、サイバーセキュリティ領域のソリュー
など、最先端技術を総合的に組み合わせ安全・安
ションを拡 充し、サイバー/ フィジカル 共にお 客 様
心な街づくりを実現しています。
の安全確保に努めています。
防するとともに危機対応力の強化を可能とする先端
グローバルに展開する
セーフティソリューション
技術やソリューションを総合的に組み合わせて提供
複雑化・深刻化していく脅威に対抗するには、グ
することです。セーフティ事業のソリューション体系
ローバルなお客 様 ニーズを的 確に捉 え、最 適なソ
「Safer Cities」は、7つのソリューションをグロー
リューションを効 率 的かつスピーディに導入できる
バルに展開しています。
ことが不可欠です。NEC は 、2013 年にシンガポー
例えばバイオメトリクス認証技術では、指紋自動
ル を本 拠 地 とする 「グ ローバ ル セーフティ事 業 部
照合システムを中心に、約 30 年間で世界約 40 カ
( GSD)
」を設置しました。GSD を核として、日本を
NECの考えるセーフティ事業は、危機を未然に予
8
セーフティ
セーフティソリューション「Safer Cities」
国民ID・出入国管理
日本、米国をはじめ諸外国で広く利用され世界最高精度を
誇る指紋照合・顔照合など、バイオメトリクス照合技術をコ
アに、国民IDおよび出入国管理を行うソリューション。
犯罪対策
世界ナンバーワン※ の精度を誇るバイオメトリクス照合技
術を中心に、監視カメラ映像によるブラックリストの人物検
知など、未然に犯罪を防ぎ、治安維持を支援するソリュー
ション。
行政サービス
NECが長年培ってきたIT・ネットワーク技術を活用して、感
染症の予防や就労管理など公共の安全・安心につながる行
政サービスを支えるソリューション。
重要施設監視
サイバーセキュリティ
ハッキングやサイバー攻 撃など ひとたび 攻 撃を受けると
人々の生 活に大きな影 響を与える情 報 化 社 会において、
サイバー空間の安全(サイバーセキュリティ)を実現するソ
リューション。
防災・救急
地震、津波、洪水、火事、台風など自然の脅威に対し、脅威
の出現を事前に把握し災害の発生を未然に防ぐとともに、
災害発生時の被害を最小限に抑え、平常の状態に復旧させ
るためのソリューション。
省庁間連携
自治体や省庁、関係機関など、さまざまな組織間の情報を
共有するためのネットワークインフラや、情報の共有によっ
て得られるビッグデータから有用な情報を抽出、提示する
データ分析、可視化ソリューション。
空港、港湾、発電所、ガス施設、プラント、浄水場、スタジア
ムなど被害が社会生活に大きなインパクトを与える重要施
設において、犯罪脅威の発生を未然に防ぐエリア監視およ
び警戒警備のためのソリューション。
はじめ北米やヨーロッパ、 さらには南米、 中国のリー
据えて企画されているので、市場ニーズに応じて迅
ジョナルコンピテンスセンターなど、 総勢 1,000名
速な 展 開 が 可能です。世界 共 通に使 えるソリュー
の体制で事業を展開しています。
ションをより多くのお客様に届けるために、製品開
さらにアジア地域におけるグローバルなソリュー
発プロセスの標 準 化、アーキテクチャの 統 一 化を
ション研究拠点として、世界で 5つ目となる 「NEC
推進しています。
ラボラトリーズシンガポール」
( NLS)
を開設していま
NEC は、お客 様のセキュリティの課 題 解決を通
す。現地の研究機 関やお客様と柔軟な共同研究体
して、人々が安全・安心に暮らせる社会に貢献でき
制を組み、実証実 験へ積 極的に参画し、独自の先
るよう、世界各地の現地法人へのトレーニングなど、
端技術を用いた新ソリューションを創出しています。
技術・人共に日夜そのレベル向上に努めていきます。
これらのソリューションはグローバルな展開を見
Why
NEC
4 40カ国以上に提供実績のある、世界ナンバーワン※1のバイオメトリクス認証技術
4 顔認証や群衆行動解析など、世界最高レベルの精度を有するメディア処理技術
4 世界初※2 のSDN対応製品の販売、様々な適用ノウハウ・専門要員
4 最新のソリューションを、地域ニーズに合わせて迅速に提供する体制
※1 米国国立標準技術研究所( NIST:National Institute of Standards and Technology)のベンチマークで1位を獲得
※2 NEC調べ
9
事例
東京都豊島区様
世界初※1の「群衆行動解析技術」を用いた
総合防災システムを構築
2011年3月に発生した東日本大震災。震災当日、
が可能となります。これにより、適切な情報配信や多
被害状況や帰宅困難者に関する情報収集に時間を要
数の帰宅困難者対策など、区民および来街者のため
し、速やかな対策を講じることができませんでした。
の、ICTを活用した迅速な災害対策が実現されます。
これを教訓に導入されたのが 、災害情報の収集・
管理・配信を一元的に管理する NECの 「総合防災
システム 」です。
区内の救援センター(避難場所となる学校など)
や主要駅周辺、幹線道路に、51台の防災カメラを
整備したことに加えて、NEC独自の先進技術であ
る「群衆行動解析技術」を活用することで、映像か
ら人の混雑、滞留状況をリアルタイムに解析するこ
とができます。また、通報や被害の情報、救援セン
ター開設状況などを GIS(地理情報システム)に集
約、視覚的に表示することができます。
リアルタイムな情報収集と一元的な全体状況の
「見える化」によって、災害発生時の迅速な意思決定
群衆行動解析技術により混雑 ・ 滞留状況をリアルタイムに解析。
あらかじめ設定したしきい値を超えた場合、異変とみなしアラート
が通知され、見逃すことなく迅速な初動対応を実現します。
Interview
「安全・安心なまちづくり」を支える
総合防災システムを整備
東京都豊島区では、
「 安全・安心
庁に合わせ、NECの「 群衆行動解
でも災害 ・ 防災対策に注力してき
を導入しました。特に画期的なの
なまちづくり」を目指して、これま
ました。その中で発生したのが、東
日本大震災でした。
震災当日、交通機関は停止し、多
くの帰宅困難者が池袋駅周辺にあ
ふれていました。災害情報の収集
に手間取り、初動態勢に遅れが生
じるなど、速やかな対策をとるこ
豊島区長
高野 之夫氏
とができませんでした。人員を現
場に向かわせるなどして情報収集
を行う従来の方法では、変化する
状況を把握しきれなかったのです。
この経験から、人々の安全 ・ 安心
を守るには、迅速に情報を収集、管
理できるシステムの構築が急務だ
と痛切に感じました。
そこで 2015年 5月の新庁舎開
析技術」を用いた総合防災システム
は、主要駅周辺、幹線道路に設置さ
れたカメラ映像をリアルタイムに
解析することで、変わりゆく人々
の行動把握ができ、異常混雑や滞
留状況がわかるようになったこと
です。首都直下型地震の発生確率
も高まっていると予測されている
中、この技術は迅速な帰宅困難者
対策に活用できると考えています。
本システムの活用によって、災害
発生時に必要とされる情報を的確
にお知らせし、区民はもちろん、区
外 か ら い らっしゃる 方々に も「 豊
島区は安全で安心だ」と思っていた
だけるよう、さらなる「 災害に強
いまちづくり」
を推進していきます。
※1 NEC調べ
10
セーフティ
事例
アルゼンチン
ティグレ市様
不審な行動などを検知する
街中監視システムにNECの顔認証技術を導入
NECは、ティグレ市で運用する街中監視システ
NEC は、グローバルに展開している「 Safer
ムに世界ナンバーワン ※2 の高速・高精度な顔認証
Cities」での実績をもとに、技術 ・製品 ・サービス
技術を提供しています。主に鉄道のターミナル駅や
の開発・強化、パートナー連携により、安全・安心
港湾などに設置されたネットワークカメラの映像と
な都市づくりに貢献していきます。
膨大な写真データベースをリアルタイムに照合する
ことで、検察・司法機関・公共福祉団体において、
行方不明者の捜索などを実現しています。
また、ひったくりなどの犯罪につながりやすい
「バイクの2人乗り検知」や安全のための「ノーヘル
メットでの運転検知」
、不審な行動(車両)を見つけ
る「行動検知」
、不審車両や盗難車両特定のための
「ナンバープレート認証」などの独自技術を開発し、
提供しました。さらに、過去の犯罪発生地域を表示
する「犯罪発生マップ」などの先進機能も納入して
います。これらの最新技術を街中監視システムに統
合し、街中のさらなる安全対策に貢献しています。
事例
インド
スーラト市様
アルゼンチン・ティグレ市の街中監視システムを統括するオペレー
ションセンター。安全の向上にNECのICTソリューションを積極
的に活用しています。
NECのトップクラスの顔認証技術を活用し
安全で住みよい街に貢献
NEC と Innovative Telecom & Softwares
のスピード違反を検知する技術の活用により、犯罪
Pvt. Ltd., は顔認識技術を活用したソリューション
の未然防止、早期解決へつなげています。
をインドのスーラト市へ導入し、人々の安全な生活
NECの「NeoFace® Watch」は、街中で収集した
に貢献しています。
顔写真と20,000人の監視対象者の照合をリアルタ
スーラト市は人口約 500万人、インドの最西部グ
イムで行っています。また、
「NeoFace® Reveal」
ジャラート州にある世界でも有数のダイアモンド加
では過去の犯罪データべースとの照合ができるため、
工が盛んな都市です。ここでのセーフシティプロジェ
犯罪捜査の時間短縮や作業量削減に貢献し、安全な
クトは、スーラト市警察と NGOの Surat Traffic
都市の維持に役立っています。
Education Trustにより進められ、市内113カ所に
604台のカメラを設置しました。撮影動画は監視指
令センターへ送られ、モニタリングされています。今
後監視対象となるカメラの台数は5,000台以上にな
る予定です。
さらに、街中監視および犯罪捜査のため「Picture
Intelligence Unit(PIU)」
を新たに設置しました。
顔認証技術、車両のナンバープレート照合技術、車
インドの警察向
けに顔認証シス
テムを初めて納
入し、犯罪を未
然に防ぎ、人々
へ安心を与えて
います。
※2 米国国立標準技術研究所( NIST:National Institute of Standards and Technology)のベンチマークで1位を獲得
11
サイバーセキュリティソリューション
サイバー攻撃を先読み
進化するサイバーセキュリティ対策
サイバー攻撃から企業を守るためには、情報とスピードが重要です。NECは、サイバー攻撃を先
読みして対策を打つソリューションで立ち向かいます。
高度化・巧妙化するサイバー攻撃には
迅速な対応がポイントに
を提供しています。
これは、NEC が ICT 総 合ベンダーとして 20 年
以 上蓄 積してきたサイバー攻 撃 対 策 のノウハウを
サイバー攻撃は年々増加しており、標的型メール
もとに、お客様の ICTシステムのサイバーセキュリ
攻 撃をはじめ手口も巧妙 化しています。被害を受
ティ強化を、専門家と同等のレベルで実施できる基
けた企業は社会的信用の失墜のみならず、事業停
盤です。
止や、場合によっては企業活動の継続が困難になる
この基盤を構成しているのが「セキュリティ統合
など、その影響は計り知れません。これは企業だけ
管理・対処ソリューション」と「 脅威 ・ 脆弱性情報管
でなく、プライバシーに関わる多くの情報を持つ自
理ソリューション」です。1つ目のソリューションは、
治体などの官公庁においても同様です。セキュリティ
ICTシステムに潜むセキュリティリスクをリアルタ
対策強化の必要性はますます高まっています。
イムにかつ、きめ細かく見える化します。また、セ
サイバー攻撃に悪用される脆弱性は、比較的管理
キュリティインシ デ ント発 生 時 の 調 査と対 処 をリ
しやすいアプリケーションのほか、そのプラグイン
モート操作で行うこともできます。2 つ目は、突如
やミドルウェアのライブラリにまで拡大し、ICTシ
として公 表され、刻々と増 加する脅威や脆 弱 性に
ステムへの侵入後に「 用事」が済み次第、自身を消
関する世界の最 新 情 報を、サイバーセキュリティ専
去するマルウェアを使うなど、手法も高度化・巧妙
門家の実践的な知見による対処案と合わせて提供
化しています。
するものです。
NEC はこれら高度化・巧妙 化するサイバー攻撃
本 基盤の導入により、事前 対処が必要なサーバ
に対して、情 報とスピードを重視し、先読みして対
や PC の特定、対 策立案・対 策作 業の削減ができ
策を打つ 「プロアクティブサイバーセキュリティ」を
るため、新たな脆弱性が発見された際に想定され
実 現する 「NEC Cyber Security Plat form」
るコストも大幅に削減できると見込んでいます。
Why
NEC
12
4 20年以上にわたる技術の蓄積、ICTを活かした実績のあるセキュリティ対策
4 警察機関や政府機関、学術機関との国際的な連携による人材育成
4 攻撃情報と対策実績を知見としてセキュリティインテリジェンスに集約
4 サイバー攻撃を受ける前に「先読み」して対策できる最先端ソリューション
サイバーセキュリティソリューション
長年にわたる人材育成の実績が強み
社会インフラの安全を支えます
より多くの知見を集める必要もあります。
NEC は早い時期から社内の人材育成を進めてお
り、セキュリティ専門会社の子会社化も実施してい
サイバーセキュリティ対策において最も重要なの
ます。2017年までに1,200人までセキュリティ要
は人材です。昨今のサイバー攻撃者は「 成果 」が報
員を育成すべく体制を強化しており、これは他社よ
酬に直結していることもあり、常に技術を磨きなが
りも先行して取り組んだNECの強みでもあります。
ら、執拗にサイバー攻撃を繰り返しています。それ
NEC は、ICT を活 用した高 度な社 会インフラ
ゆえ、太刀打ちする側も、サイバー攻撃者以上に高
を実現する「 社 会ソリューション事 業 」の中核の 1
度な知識を持つ専門家の育成がもはや不可欠です。
つとしてサイバーセキュリティ事 業を位 置 づけ、強
また、1社だけではなくパートナーとの連携を高め、
化を進めていきます。
APAC地域の
サイバーセキュリティ事業基盤となる
SOCを設立
NECは、APACに新たなセキュリティ
オペレーションセンター
(SOC)を設立。
日本におけるセキュリティ運用監視サー
ビス提供により培った高度な運用ノウ
ハウを活かし、APAC 地 域のサイバー
セキュリティの事業基盤となります。
Interview
敵を知り己を知る、サイバー攻撃の先読み対策
「プロアクティブサイバーセキュリティ」
今 や 企 業 に とって、内 部 に 潜 在
できた実績があります。今では約
経 営 課 題 で す。そ の 一 方 で、サ イ
性を1時間で見える化し、想定され
するセキュリティリスクの管理は
バーセ キュリ ティ対 策 の 課 題 の 1
つとして、サイバー攻撃の実態や、
脆弱性の影響や全貌がわからない
ということが挙げられます。
「新しい脅威はどういうものか」
「そ
の対応にはどの手法を使うのがベ
ストか」
「 提供されたパッチを自社
の ICTシステムに適用して大丈夫
か」…… こうした情報を自前で収
集し、判断するのは非常にハード
ルが高いのが現状です。
NECはICTシステムを見える化
する「 数えるマネジメント」を実践
してきました。NECグループにあ
る全てのサーバや端末を正確に把
握することから、着実に取り組ん
18万台のサーバや端末に潜む脆弱
るセキュリティリスクを評価する
基盤を構築しています。
ま た、保 有 す る 高 度 な 知 見(セ
キュリ ティイ ン テ リ ジェン ス)に
よって、最新の脅威 ・ 脆弱性情報
とサイバー攻撃者の行動パターン
から攻撃方法を予測し、サイバー
攻撃を受ける前に、先読みして対
策を打つこともできます。
NECのソリューションを利用い
NEC
サイバーセキュリティ戦略本部
シニアエキスパート
後藤 淳
ただく最大のメリットは、その機
能や効果がNECグループ内で実証
済みであることです。NECだから
こそできる実用的なソリューショ
ン を、お 客 様 の パート ナーと し て
ご提供していきます。
13
サイバーセキュリティソリューション
事例
サイバー犯罪に対する
国際的なセキュリティ強化を支援
インターポール様
NECは国際刑事警察機構(インターポール)とサ
手法を開発、トレーニングするためのシステムと要
イバーセキュリティ対策で提携しています。
員を提供しました。
本提携は、インターポールの国際的なネットワー
インターポールと NECは、互いの強みを結集し、
クと NEC の最先端のサイバ ー セキ ュ リテ ィ ソ
さらに複雑化、高度化するサイバー犯罪などのセ
リューションにより、複雑で高度化するサイバー犯
キュリティ対策を強化していきます。
罪を調査・分析し、国際レベルでのセキュリティ強
化を目指すものです。
インターポールは、世界各国の警察で結成された
世界最大の国際組織で、190カ国が加盟していま
す。同機構は、2014年に新たなサイバー犯罪に関
する研究開発・トレーニング・捜査支援活動を行う
施設( The INTERPOL Global Complex for
Innovation)をシンガポールに設立しました。
NECは、同施設内に設置される「インターポール・
デジタル犯罪捜査支援センター(The INTERPOL
Digital Crime Centre)」に、サイバーセキュリ
ティに関する脅威情報を調査 /分析し、新たな捜査
Ⓒ INTERPOL
2012年12月、インターポールとNECは、グローバルなサイバー
セキュリティ対策で提携しました。
Interview
シンガポールをAPACの拠点にし、
充実のサイバーセキュリティサービスを提供
シンガポールに拠点を置くグロー
力している戦略的出向・研修プログ
業を率いています。1つは、グロー
and Training( STRAT )が挙げ
バルセーフティ事業部で、3つの事
バルに適用できるソリューション
開発。次に、シンガポールでのサイ
バーセキュリティチームの運営 ・
強化。そして3つ目が、Regional
Competence Center(RCC)
と し て A PA C 地 域 へ の ソ リ ュ ー
ション ・ サービスの専門的な技術
NEC
グローバルセーフティ事業部
ビジネスリーダー
Douglas Tang
サ ポート で す。グ ローバ ル 対 応 に
際しては、言語の問題だけでなく、
国 ・ 地域の法令遵守にも万全の注
意を払っています。
また、サイバーセキュリティにお
いては、期待に応え続けるべく、特
に人材育成に力を入れています。例
えば、シンガポール経済開発庁と協
14
ラムのStrategic Attachment
られます。この研修プログラムに
は、NECが日本で先行して設立し
た「サ イ バーセ キュリ ティ・ ファ
クトリー」での 5 カ月の研修も含ま
れ、サ イ バーセ キュリ ティの 高 度
な知識を持つ専門家の育成をして
います。
このほか、日本での実績を活かし
た SOCを APACにも開設しまし
た。これらの実績と得られた経 験
を 、N E C な ら で は の 革 新 的 な ソ
リューションに活かし、今後は欧州
やアフリカ、南米などにも提供して
いきます。
Safe Cities Index 2015
安全な都市は
どのような基準で守られているのか
「Safe Cities Index 2015」は、
に基づき、世界の50都市が選定さ
コノミスト・インテリジェンス・
て指数の算出が行われています。
NECのスポンサーのもと、ザ・エ
ユニット(EIU)が作成した報告書
※
です。都市の安全性というテーマ
に対して、40以上の質的・量的指
標で構成された指数の分析が行わ
れました。各地域における重要度や
データの入手可能性といった条件
れ、これら全てのカテゴリーについ
総合ランキングの1位には、東京
が選ばれています。サイバーセキュ
リティのカテゴリーで最も高いスコ
アを獲得しており、テクノロジーを
通じた取り組みが都市の安全性向
上のカギとなっています。
都市の相対的な安全性を各カテゴリーから検証
総合指数
総合指数は、都市環境や個人の安全
性だけでなく、サイバー犯罪などの新
たな脅威を考慮に入れるなど、都市の
安全性に関してより包括的 ・ 長期的
なアプローチを取っています。
現在、都市のエコシステムはますま
す複雑化しており、住民の安全を確保
するためにはさまざまな対応を行う
必要があります。
2位となったシンガポールは強盗や
窃盗など従来型犯罪の発生率は、過去
10 年で最低レベルですが、インター
ネット関連犯罪の増加により、犯罪件
数の上昇が見られました。実世界と
ICTの両面が求められるなど、都市の
安全性という言葉の持つ意味合いが
変化しています。
サイバーセキュリティ
インフラの安全性
サ イ バーセ キュリ ティ専 門 チーム
道路の質(インプット指標)や自然
要素に基づいて評価しています。
都市インフラの安全性を検証してい
や、なりすまし詐欺の発生率といった
このカテゴリーの上位は、北米と東
アジアの都市がほぼ独占しました。特
にアジア4都市(東京、シンガポール、
香港、大阪)が上位に入っています。
医療健康関係の安全性
人口あたりの病床数や平均寿命な
どの要因に基づき、医療・健康環境の
安全性を検証しています。
このカテゴリーで首位にランクさ
れたのはチューリッヒ。国民皆保険制
度を背景に、欧州都市の多くが上位を
占めました。
災害による死亡者数などの要因から、
ます。
このカテゴリーは、高所得・中間高
所得国の都市が上位10位を独占しま
した。
個人の安全性
警察の関与レベルや凶悪犯罪の発
生件数などの要因を考慮に入れ、犯罪
や違法行為の蔓延度という観点から
都市の安全性を評価しています。
このカテゴリーの首位はシンガポー
ル。ストックホルムはトップ5に入っ
た唯一の非アジア圏都市でした。
2015 年
安全性指数
総合ランキング
トップ 20 都市
ランク
都市
1
東京
2
シンガポール
3
大阪
4
ストックホルム
5
アムステルダム
6
シドニー
7
チューリッヒ
8
トロント
9
メルボルン
10
ニューヨーク
11
香港
12
サンフランシスコ
13
台北
14
モントリオール
15
バルセロナ
16
シカゴ
17
ロサンゼルス
18
ロンドン
19
ワシントン DC
20
フランクフルト
Ⓒ The Economist Intelligence
Unit Limited 2015
※詳細はこちら URL:http://www.nec.com/en/global/solutions/safety/Event/EIU_Index/index.html
15
交通・都市インフラ
暮らしや産業の安全・安心を
ICTで支える
NECは交通や都市のインフラを多方面からサポート。空港、道路、鉄道や、ダム、河川、上・下
水道の監視や管制、通信など、さまざまな分野でソリューションを提供しています。
ライフラインを守り、効率性を高める
から人の代 わりに 「見分ける 」「感じ取る 」ことを行
います。それらのデータをネットワークでリアルタ
地 球 環 境の変化、世界人口の爆 発、人々の活動
イムに収集し、機械学習を応用したビッグデータ分
のグローバル化、新興国の発展に伴う世界のパワー
析技術などを駆使して予知・予測に活かします。こ
バランスの変化、といった大きなうねりが、私たち
のように最先端の ICT を組み合わせれば、故障に
の身の回りに影響を及ぼしています。他方、自然災
つながる異常を事前に検 知して、計 画外の 停止を
害の激甚 化や都市への人口集中によるエネルギー
未然に防ぐことが可能になります。
や水資源などの需要ひっ迫、交通 渋滞・事故の増
これら技 術の適 用領域は、発電 所、製 造プラン
加など、さまざまな社会課題が深刻化しています。
ト、鉄 道や 道 路、空 港、橋 脚、トンネル や 大 規 模
今こそ人々の 生 活を支 えるエネル ギー、水 道 や 交
建造物など、多岐にわたります。さらに、自律型ロ
通、物流、放送、通信といったライフラインの安定
ボット技術を活用すれば、調査によってセンサーへ
運用が必要とされています。
と収 集した情 報をビッグデータで 解 析し、問 題を
人々の「いつも」の 暮らしを安 全で 快 適にして、
判断するなど、機器の制御サイクルを自動化し効率
「もしも」に備えた安心を確保するには、ICT を組
よく回していくこともできます。
み合わせて活用することが有効です。
同 様に、交 通・物 流においても、走行する車に
NEC は セン サーやネットワーク、データ分 析を
搭 載したセンサーから集 めたデータや、道 路 上に
組み合わせて、水やエネルギーの安定供 給 や利用
設置したカメラ画像を分析することにより、タイム
を効率化するニーズに応えます。例えば、ライフラ
リーな渋滞情 報の提 供や適切なタイミングでの道
インの維持・保全のための点検や保守においては、
路工事の実 施など、精度の高い都市計画に基づく
監 視カメラや振 動センサーなどから得られる情 報
安全・安心で経済効率の高い運用が実現できます。
16
交通・都市インフラ
都市・交通インフラソリューション
道路・鉄道・航空
BANK
BANK
交通管制システム、ETCシステム、列車無線システム、航空
管制統合情報システム、フライト・インフォメ-ション・ディス
プレイ・システムなどの提供により、国民が安全に利用でき
る交通機関の運行に貢献。
地方公共団体・消防局・水道局・
その他重要施設
BANK
BANK
自治体システム、消防指令システム、消防デジタル無線、ダ
ム/河川遠隔監視システム、重要施設監視・エネルギー管理
システムなどの提供により、住民が安心して暮らせる街づく
りに貢献。
銀行・保険・証券
銀行勘定系システムや営業店システム、ATM、インターネッ
トバンキングなど信頼性や利便性の高いシステムの提供に
より、国民が安心して金融サービスを利用できる環境の構築
に貢献。
放送局・新聞社・出版社
テレビ番組制作・報道・送出システム、デジタルテレビ送信
機、新聞コンテンツ管理システムなど、テレビ・新聞などで
情報を素早く確実に伝達するための基幹システムの提供に
より、国民にとってより便利で豊かな放送・メディアサービ
スの実現に貢献。
BANK
病院・診療所
電子カルテシステム、地域医療連携ネットワークなど、医療・
介護・ヘルスケア分野におけるソリューションの提供により、
人々が健やかに暮らせる社会の実現に貢献。
社会インフラに活かす総合 ICT
社会インフラ投資は、新興国中心に年間 数百兆
円規 模になるとみられています。言い換えれば 世
界にはこの投資に比例するだけの多様 化したお客
下水道管路専用の調査ロボット
様ニーズがあり、解決しなければならない課題があ
るということです。
多様 化する課 題を解決するには、最 先 端のセン
サー、ネットワーク、ICT、ロ ボ ティクスなどの 技
術 の 組み合わせ が 有 効です。しかし、単なる寄せ
集 めでは、高い安定性 が 実現できません。これら
をシステムとして組み上げるインテグレーションや
卓越したプロジェクトマネジメントの能力がカギと
なります。
Why
NEC
調査ロボットは、NEC独自の画像認識・解析技術や最先端のセン
シング 技術を用いた高精度な調査を可能としているだけでなく、
高い走行性による調査距離の延伸が図られています。
4 50年以上にわたる社会インフラ事業展開で培った絶対的な信頼性と高度な技術
4 世界50以上の国と地域で稼働する空港ソリューションや、国内トップシェアを誇る
道路、鉄道向けのネットワークシステムなど、主要交通システムでの豊富な実績
4 高画質な映像を提供する信頼性の高い放送・映像システム技術
17
例えばロボット技 術の開発では、下水道 管路内
常に困難です。通常、熟 練技能者が特殊な探知機
を清掃しない状 況下、専用 調 査ロボットが 管路内
で路上から音により確 認しますが、深 刻な漏水事
の画像を撮影し、NEC 独自の画像解析技術により
故も多く発生します。NEC がスイスのグッターマン
不具合( 破損など )を自動検出できます。これによ
社と開 発した漏水監 視サービスでは、高 精度な水
り、地中に埋設された膨大な距離の下水道管路の
流 音 感 知センサーや収 集したデータを 送るネット
劣化 状 態、不具合箇所などを効率的に把握し、調
ワーク、クラウドを組み合わせ、その解析結果から
査・評価にかかる工数を大幅に削減します。NEC
水道 管の漏 水箇 所をピンポイントで 特 定します。
はこのように、最先端技術を総合的に組み合わせ、
ウェブから漏 水発 生状 況を正確に把 握でき、効率
重要インフラの安全・安心な運用に貢献します。
的に漏水を早 期発見し、漏水被害を最小に抑えて
インフラ維持コストの低減に貢献します。
水資源のトータル
マネジメントを実現
さらに英国インペリアル大学との研究では、水圧
や振動データをセンサーで収集し、ビッグデータ技
国 連 環 境 計 画( UNEP)発 表 の 「第 4 次 地 球 環
術でモデリングしてポンプやバルブを電子制御。高
境概況( GEO5)」によると、水不足や安定的に水
効率な水道インフラの構築で老朽化する水道管の
を利用できない「 水ストレス人口」は、2025 年に
破裂を回避し、需要量に必要十分な水量を届ける
は世界人口の3分の2に達するとの予想です。
無駄のない水道インフラの運用ができます。
欧米では、水道 管の老朽化が 著しく、漏水が深
NEC は優れた技術を持つパートナーとの連携を
刻な問題となっています。地下に埋まっている水道
強化して水に関連する課題を解決していきます。
管は目視やカメラでの監視、漏水箇所の特定が非
事例
中国電力様
ビッグデータ解析で大規模プラントの
「いつもと違う挙動」を早期に検知
中国電力島根原子力発電所では、出力、温度、圧
力などの膨大な運転データ(ビッグデータ)から、
インバリアント解析技術のイメージ
設備の異常を可能な限り早い段階で検知すべく、
NECの「故障予兆監視システム」を導入し、有効性
を確認しています。
同システムは、大規模プラントに設置した大量の
センサーからの情報を、NEC独自の「インバリア
ント解析技術」を用いて分析し、故障の予兆を検知
する世界初のシステムです。
中国電力との約3年にわたる研究では、過去のト
ラブル事象時のデータを解析することで、事例に
よっては従来よりも数時間早い段階で機器の故障を
検知できることを確認しています。異常を初期の段
階で見つけることで、予備機への切り替えや補修な
ど、プラントに与えるダメージを極小化することが
可能になります。
18
通常時の全センサーの
関係の深さを自動マッ
ピングしたうえで、運転
データにおける「 いつ
もと違う」関係を見つけ
出します。
交通・都市インフラ
事例
空港ソリューション
空港ソリューションの
グローバル展開
年々拡大する航空需要は、主要空港や航空路の超
社からは首都カトマンズのトリブバン国際空港近代
過密状況をもたらしているため、効率的でかつ安全
化プロジェクトを受注するなどの実績を上げていま
な航行を実現するためのシステム開発が求められて
す。NECは今後も航空管制関連のソリューション
います。また、システムの故障、停止がもたらす社
を継続的に強化し、地域ニーズに即した提案活動を
会的影響は大きく、絶対的に信頼度の高いシステム
加速させます。
が必要不可欠です。
NECは、50年以上にわたり空港ソリューション
を日本・アジアを中心とした世界各国に提供してい
ます。NECが提供する航空管制レーダは、最新の半
導体回路技術と信号処理技術により、空域内の航空
機を正確に検出することができます。二次監視レー
ダは、過密な空域でも詳細な航空機情報を取得でき
るなど、航空管制サービスの効率を向上させ、ス
ムーズで安全な航空管制に貢献しています。
台湾の民用航空局から桃園国際空港と台中国際空
港の航空管制レーダを受注し、ネパール民間航空公
Interview
空港全体を先端技術で支え、
世界の空を安全で快適につなげていきます
世界中の多くの人々が航空機を
でよりリラックスして有意義な時間
は、2030年までに倍増すると予
このシステムにより搭乗者の出国審
利用する現在、世界の航空旅客数
測されています。そのとき空港に
求められるのは、待ち時間を減ら
す精度の高いスムーズな手続きや、
多様なニー ズに応える質の高い
サービスです。また、年々増加し進
化し続けるセキュリティリスクへ
の対応も不可欠です。
NECは世界トップレベルの生体
認証技術によりチェックイン、セキュ
リティチェック、出国審査、搭乗券
の確認作業などを一括で行い、手
続き時間を短縮する「バイオメト
リクスクリアランスゲート」と「セ
ルフボーディングゲート」を提供し
ています。手続きに伴う待ち時間
を過ごすことができます。そして、
査情報と座席情報を紐づけること
で、空港のセキュリティをさらに高
めることが可能になります。
ま た N E C が 開 発 し た 世 界 初 の
「群集行動解析技術 」によって、事
故や事件の早期発見を手助けでき
ます。
NECは、安全で円滑な運航のた
めの航空管制から空港内のサービ
ス施設まで、空港全体を信頼性の
NEC アジアパシフィック
シニアセールスディレクター
Magdalene Tan
高い、先進のICTで支えています。
その実績は50以上の国と地域に広
がっており、安全 ・ 快適に利用で
きる空港の実現に貢献しています。
を減らすことで、お客様は空港内
19
テレコム
NECのICTが実現する
次世代ネットワークソリューション
NECが長年にわたり培ってきたI Tとネットワーク技術の融合は、シンプルで柔軟なネットワーク構
築と顧客オペレーション、迅速なサービス導入を可能とするソリューションへと進化しています。
社会インフラ構築に貢献する
テレコム向けソリューション
ソリンク)は 高い信 頼を得て、海 外を中心に世界
150 カ国以上に広く採用されています。
さらに、NEC は 40 年 以 上にわたる海 底 ケーブ
通 信キャリアを取り巻く事 業 環 境は、近 年ます
ルシステム構築を手 掛けるトップクラスのベンダー
ます激しさを増してきています。スマートフォン普
でもあり、陸上局の端局装置から光海底ケーブル、
及 や クラウド 化 に伴うグ ロ ー バ ル な デ ー タトラ
海底中継 器の生 産から敷 設を含めて一貫した供給
フィックが増大する中、設備投資・運用コストの低
体制を確立しています。地球 5 周分延べ 20万キロ
減や収 益の拡 大が世界の通信キャリアにとって経
メートルを超える実績を持っています。
営課題となっています。
TOMSにおいては、傘下の米国 NetCracker
NEC はグローバル市場で豊富な実績を持ち、通
Technology 社( 以下、ネットクラッカー社 )と共
信 キャリアにおける需 要 ・ニーズに 対し、①ワイ
に世界中の通信キャリアに経営・運用支援ソリュー
ヤレスブロードバンドアクセス、② モバイルバック
ションを提供しています。世界中の通信サービス企
ホール、③コア、メトロネットワーク( 光・IP)、④
業をはじめ、過去 20 年間に 200 社以上のお客様
海 洋システム、⑤ サービスプラットフォーム、⑥ 通
に業 界最高水準のサービスを提 供した実績を誇っ
信ネットワーク運用・管理システム( TOMS※ )、⑦
ています。Sof t ware-Defined Net working
キャリア SDN などの主 要7ソリューションを提 供
( SDN)
/ Network Functions Virtualization
しています。
( NF V )といったネットワークの仮想化・制御の分
通 信 機 器 事 業 における NEC の 実 績 は 数 多く、
野でも、NECは通信事業の多様化と高度化に貢献
無線通信事業の長い歴史の中で培われてきた高品
しています。
質なマイクロ波 通信システム「 PAS O L INK 」
(パ
※TOMS:Telecom Operation Management Systems
20
テレコム
通信事業者向けネットワーク・サービスソリューション
ワイヤレスブロードバンドアクセス
SDN
高速多様化ニーズが加速するモバイル通信サービスに対し、
3G、LTE、Femtoなどの各種通信方式により、屋内外での
快 適なワイヤレスブロードバンド環境を提供するソリュー
ション。
モバイルバックホール
スマートフォンやタブレット、各種IoTデバイス端末などの
活用による多様な通信サービス提供の実現に対し、ネット
ワークサービスプラットフォームから、通信回線やセンサー
の手配、コンサルティングまでを提供するトータルソリュー
ション。
SDN
スマートフォンやタブレットなどモバイル端末の急増による
大容量のモバイルデータトラフィックを、無線・光IP技術を
融合させ高度化したマイクロ波通信システムによりコアネッ
トワークへ効率的に転送するソリューション。
SDN
コア、メトロネットワーク(光・IP)
固定・モバイル通信サービスによる高速・大容量データトラ
フィックを、ルータ、スイッチ、光トランスポートなどのネット
ワーク製品群により、高信頼で経済的に構築するトランス
ポートネットワークソリューション。
海洋システム
SDN フォーム
サービスプラット
SDN トワーク運用・管理システム
通信ネッ
(TOMS)
通信キャリアの業務運営に対し、通信システムの運用支援シ
ステム(OSS)
、課金から請求までトータルで自動化するビジ
ネス支援システム(BSS)により、通信ネットワーク運用・管
理の高度化を実現するソリューション。
SDN
キャリアSDN
ITとネットワーク技術の融合による仮想化技術を、ネット
ワークやサービスノードなどネットワークシステム全体に適
用することで、設備の効率化、運 用コストの削減、新たな
サービス創出による収益の向上を実現するソリューション。
SDN
グローバルネットワークの根幹を担う長距離大容量の光海
底ケーブルシステムや、海底地震の発生をいち早く伝える海
底地震観測システムにより、世界中の人々の生活を支えるソ
リューション。
韓国大手通信事業者
コリアテレコム(KT)と
SDN/NFV、
5Gネットワーク領域で協業
NECは、韓国のKTとSDN/NFV、
5Gネットワーク領域での協業に
合 意しました 。両 社 は 、S D N/
NFV、5G技術を活用した将来ネッ
トワークの広範囲な領域における
研究開発を推進していきます。
Why
NEC
4 世界初※ のvCPEソリューションの製品化、テレフォニカブラジルでの適用実績
4 TOMS領域200社以上のグローバル通信キャリアへの経営・運用支援実績
4 世界約170カ国の通信キャリア向けインフラビジネスで得た信頼と実績、経験
4 地球5周分、延べ20万キロメートル超の光海底ケーブルシステムの敷設実績
※NEC 調べ
21
事例
超小型マイクロ波無線通信システム
「パソリンク」
世界153カ国で利用されている
高信頼な長距離無線伝送システム
NECは長年にわたり、故障することなく稼働を
伝送する都市のセキュリティ分野などにも利用され
続ける高信頼な無線伝送通信システムを、お客様に
ています。安全・安心・快適な社会を支える重要な
提供してきました。
通信インフラとして、社会の変化にも応え続けます。
特に、大都市間や光ケーブルの敷設が困難な砂漠
ペルー最大手通信事業者
テレフォニカペルーによる
アマゾン流域都市・イキト
スのインフラ整備に貢献し
ています。
や山岳部、湿地帯など多様な環境下における長距離
無線伝送路として高い評価を得てきました。
このような厳しい環境で培われてきた多くの無線
技術は、NECの超小型マイクロ波無線通信システ
ム「パソリンク」にも使われており、携帯電話の基
地局間などを結ぶ無線伝送通信システムとして、世
界中の通信事業者に利用されています。1984年の
開発以来、153カ国累計 255万台以上を出荷しま
した(2015年9月時点)
。
近年は携帯電話やデータ回線サービスだけではな
く、複数の高精細監視カメラの映像データを無線で
事例
FASTER
光海底ケーブル
オーストラリアのリバプール市
内では、防犯カメラなどのデー
タ伝送インフラとして、パソリ
ンクが採用されています。
ますます広がるグローバルコミュニケーションを
支える光海底ケーブル
NECは、米国西海岸と日本の千倉(千葉県)
、志
( Southeast-Asia Japan Cable)光海底ケー
摩(三重県)の 3カ所を結ぶ、総延長約 9,000キロ
ブルなどとも接続し、アジア近隣諸国を結びます。
メートルの光海底ケーブルプロジェクト「FASTER」
増加が予想されるアジア〜米州間需要に対して通信
の建設を手掛けています。同ケーブルは、2016年
容量を拡充していきます。
4月の運用開始を予定しています。
FASTERは、日本で開催される大きなイベント
FASTERは、2014年8月に中国移動、中国電信、
の模様を世界中に発信する際に活用される重要な通
Global Transit 、Google 、KDDI 、Singtel の
信ネットワークの1つになると予想されます。
日米アジアを代表する 6社からなるコンソーシアム
と NECの間で建設請負契約が締結されました。
同ケーブルは、日米間で毎秒 100ギガビットの
最新の光波長多重伝送方式を初採用しました。初
期設計容量として毎秒 60 テラビットまで伝送が可
能です。60テラビットは、1秒間に最大 1,600枚
の DVD情報を伝送可能とする容量を持つシステム
です。
FASTERは、同じくNECが手掛け2014年6月
より稼働している、日本と東南アジアを結ぶ SJC
22
Japan
Hong Kong
Thailand
FASTER
USA
SJC
Philippines
Singapore Brunei
2016年5月末に伊勢志摩で開催される先進国首脳会議( G7)を
はじめ敷設後のさまざまなグローバルイベントで活躍する予定です。
テレコム
「 v i r t u a l i ze d M o b il e V i r t u a l N e t w o r k
次世代の価値創造に向けた
ITとネットワーク技術の結集
O p e r a t o r( v M V N O )」、
「 vir tualized
Customer Premises Equipment
NEC は 次 世代の通信キャリアネットワークへの
( vCPE )」、
「 UNIVERGE PFシリーズ」として提
対応として、国際的な標準化団体にも参画していま
供されています。市場での稼働実績もあり、他社に
す。2020 年をターゲットに 5G などワイヤレスブ
先行した取り組みを行っています。
ロードバンドソリューションの開発、および SDN/
特に SDN/NF V では、I T 領域での仮 想化技 術
通信サービスの多様化と高度化に
対応する SDN/NFV
をネットワーク領域にも展開・適 用しています。シ
近年、スマートフォンと連携したサービスを提供す
ンプルで柔軟な次世代のネットワークインフラ構築
る動画・メッセージ配信関連の企業が急成長してい
に向けた技 術 の 進化に 取り組 んでいます。SDN/
ます。さらに、さまざまなモノがネットワークにつな
NF V の各分野ではトータル運用コスト削減のため
がる IoT が浸透することで、「セキュアなネットワー
の自動連携制御技術などにより、最適なトラフィッ
ク」や「 帯域が確保されたネットワーク」など、要求
クハンドリングが実現されます。
も多様化しています。通信インフラを運用する通信
このような通信ネットワークやデータセンターの
キャリアが多様化した要求ごとに個別のネットワー
仮 想 化ソリューションは す で に、
「 vir tualized
クを構築したのでは、投資に見合う収入確保が難し
E v o l v e d P a c k e t C o r e( v E P C ) 」、
くなってきます。対応に要する期 間も数カ月単位で
NF V による開発への取り組みを進めています。
NECのキャリアSDN/NFVソリューション
キャリアネットワークを4領域に分類してソリューションを用意
データセンター
SDN
データセンターネットワーク
IaaS
データセンター
アプリケーション
運用 &
オーケストレーション
……
vEPC ※1
ネットワーク
機能仮想化
vCPE ※2
エッジ
vMVNO ※3
……
コア
ワイヤレス
トランスポート
SDN
メトロ
パケット/ 光
OSS※4/BSS※5
TMS ※6
E2E ※7
オーケストレータ
アクセス
※1 vEPC:virtualized Evolved Packet Core
※2 vCPE:virtualized Customer Premises Equipment
※3 vMVNO:virtualized Mobile Virtual Network Operator
※4 OSS:Operation Support System
※5 BSS:Business Support System
※6 TMS:Traffic Management Systems
※7 E2E:End to End
23
かかることが多く、機会損失にもなりかねません。
性の高い SDN/NF V を統合 運 用するソリューショ
打開策として期待されているのは SDN/NF V で
ンである M anag e m ent an d N et w o r k
す。NEC の SDN/NF V ソリューションは、仮 想 化
Orchestration( MANO)の開 発ノウハウを保
技術をネットワークのみならずサービス制御ノード
有しており、SDN/NF Vとの 連 携 を 促 進 さ せソ
にも適用しています。増加、変動するトラフィックへ
リューション対応力の強化を進めていきます。
の効率的な対応など、利用者やサービス事 業 者の
NEC はネットクラッカー社の強みを最大限活用
要求に適したリソース配置をネットワークシステム全
しつつ、新体制のもと、SDN/NF V 領域に携わる
体でダイナミックに行い、設備効率化を実現します。
開発、営業、マーケティングなどのリソースをグロー
今 後 大 きく成 長する SDN/NF V 市 場 に 対し、
バルに最適配置し、クロスセル、保守サポートの一
NEC はネットクラッカー社とSDN/NF V ソリュー
層の充実などを推進します。最適かつ高度なニーズ
ションのグローバル市場への展開推 進に向けた体
に的確に対応する通信キャリアへのソリューション
制 強 化 を 進 めて い ま す。N EC は SD N/N F V ソ
とサービスを提供し、お客様と共に新たなビジネス
リューションを 他 社に先 駆けて 商 用 化、いち早く
モデルを創出していきます。
マーケットに投 入した 実 績を持 つなど、この市 場
なお、NEC はテレコム市場でのグローバルな展
をリードして い ま す。一方、ネットクラッカー社 は
開事例として、
「テレフォニカブラジル( Vivo)」が
通信キャリア向けのTOMS をグローバルに展開し
開始した、世界初 ※ の vCPEサービスに貢献してい
てきた信頼と実績を持ち、さらに TOMS との連携
ます。
Interview
SDN/NFVを成功へ導くため、
NECとネットクラッカー社の力を結集
今 日 、C o m m u n i c a t i o n
レキシビリティ、カスタマイズ性、
想化されたクラウド環境への移行」
ソリューションを提供しています。
Service Provider( CSP )は「 仮
という課題を抱えています。NEC
と ネット ク ラッカーは こ の 解 決 に
向けて、SDN/NFVソリューショ
ン推進体制の強化を進めています。
両社は共同でCSPの新たなビジネ
スモデルの実現に向け、最先端の
NetCracker Technology
社長兼CEO
Andrew Feinberg
SDN/NFVソリューションを提供
していきます。
CSPは、Over The Top(OTT)
プレイヤーやクラウドサービスプロ
バイダーなどに対する競争力を高め
るために、仮想化の導入を実現する
ベンダーをパートナーとし、IoTや
企業、個人向けのクラウドアプリ
ケーションといった新規市場への参
入実現に向けて、早期から仮想化
技術の導入を検討してきています。
こ の よ う な 市 場 環 境 に 対 し て、
NECとネットクラッカーは高いフ
24
スケーラビリティを持ち合わせた
テレフォニカブラジル様が提供す
る世界初の vCPEサービス運用に
貢 献 し て い る ほ か 、P o r t u g a l
Te l e c o m 様 、S w i s s c o m 様 、
Telecom Austria Group様など
とのPOC(Proof of Concept)を
成功させています。さらに両社は、
ETSIやCableLabsといった標準
化団体へも積極的に参画しており、
これらの活動を通じて市場形成を
促進するとともに、CSPの仮想化
技術の導入を支援していきます。
最後になりますが、私は、仮想化
こそが通信業界の未来と見ていま
す。NECとネットクラッカーは今
後も緊密な連携を通じて、CSPの
早期の仮想化への移行およびビジ
ネ ス ト ラ ン ス フォーメーション を
サポートしていきます。
テレコム
事例
テレフォニカ
ブラジル様
世界初※ のvCPE(顧客宅内通信機器)
サービスに貢献
NECは、大手通信事業者であるテレフォニカの
ビスの開発・提供の迅速化が図れます。これにより
ブラジル子会社「テレフォニカブラジル(Vivo)」
エンドユーザーは多様なサービスを享受できるよう
が開始した世界初のvCPEサービスに貢献しました。
になり、利便性や顧客満足度の向上につながります。
同社のサービスにNECが提供するvCPEソリュー
ションをご活用いただき、これまでユーザー宅内の
ホームゲートウェイ端末内にあった各種ネットワー
ク機能を、仮想化技術を使用してテレフォニカの局
舎内に収容しました。具体的には、IPアドレスの払
い出しやセキュリティなどの機能を、局舎内に設置
するサーバから提供することで、ブロードバンドア
クセスネットワークサービスの運用 ・ 保守性を改
善、強化するとともにネットワークの簡素化を実現
します。
テレフォニカブラジルはネットワーク機能の仮想
化を進めることにより、ネットワークシステムのハー
ドウェア使用率を低減させ、運用の効率化、新サー
ブロードバンドアクセスネットワークサービスの運用・保守がより
改善され、家庭内のさまざまな端末でエンドユーザーに向けた新
ビジネスの創出が期待されます。
Interview
SDN/NFVで新たな付加価値を提供し、
通信キャリアの収益拡大を実現
IoTの進展や5Gによる次世代モ
N F V ソ リューション で す。現 在、
物流、医療、製造などさまざまな産
ワークソリューション( vEPC )や
バイルネットワークにより、交通、
業で ICTを活用したサービスの創
造が期待されます。
社会に必要不可欠なインフラと
なっ て い る ネッ ト ワー ク で す が、
そ の 実 現 に は「 多 量 な 接 続 処 理、
広 帯 域 、 超 低 接 続 遅 延 の 提 供 」、
「サービスをより早く実現するため
のネットワークの効率的な運用」、
「 信頼できるセキュアなネットワー
クの提供」が求められます。
NECはこれらの構築に加え、変
化するニーズを満たすための複雑
なネットワーク制御の自動化 ・ 高
度化を実現し、品質を落とさない
効率的運用を提供していきます。
そのために効果的なのが SDN/
LT E 仮 想 化 モ バ イ ル コ ア ネ ッ ト
仮想化宅内装置ソリュ ー ショ ン
( vCPE )を活用したサービスも開
始しています。
さらなるSDN/NFVを活用した
ソリューション提供の加速に向け
ては、積極的にグローバルベンダー
を 含 む サード パーティと パート ナ
リングし、オープンエコシステム
の提供を目指していきます。
N E C は あ ら ゆ る モ ノ が ネッ ト
NEC
執行役員
河村 厚男
ワークによって接続される環境下
に お い て 、S D N / N F V を 活 用 し
ユーザー・ 通信キャリアともに満
足できる新たなビジネスモデルの
創出をリードしていきます。
※NEC調べ
25
製造 / 物流 / 流通 / サービス
(Global Enterprise Solutions)
NECのソリューション・バリューを
お客様の成長力に
エンタープライズ領域を取り巻くさまざまな課題に対し、人やモノ、プロセスをつなぐことで新
しい価値を生み出す取り組み、バリューチェーン・イノベーションが今求められています。
なぜ今バリューチェーン・
イノベーションが必要なのか
求められています。
モノを造り、運び、生活者に届けるバリューチェー
ンを中核に、先 進の ICT を活用して情 報や知 識を
製 造 業、物 流 業、流 通 業、そしてサービス業を
つなぐことで、新たな社会価値を創造し、より豊か
中心としたエンタープライズ領域は今、大きなビジ
な 生 活を実 現で きます。これ が NEC の 考えるバ
ネス環 境の変化に直面しています。新興国の経 済
リューチェーン・イノベーションであり、ICTと共に
成長に伴うグローバル市 場 の多極 化、グローバル
進化し続けます。
競 争 の激化、成熟市場における顧客ニーズの高度
特に、バリューチェーンの中に IoT やビッグデー
化や多様 化、少子高齢化による労働人口の減少な
タ、SDNといった ICT を組み入れることで、新た
どさまざまな課題が山積しています。
な価値を創造するイノベーションのプロセスが構築
こうした中、グローバル市 場で 勝 ち 抜くために
できると NEC は考えています。
は、限られた資 源での生 産性を高め、製品の製 造
まず、IoT によって 実 世 界 の 挙 動 やふるまいが
から物流・販売までプロセスを高度化・効率化する
データ化される 「収 集 」 。次にビッグデータ分析技
ことが重要です。しかし、変化が大きく多様である
術によりデータが高度化され、業務に活用可能な情
昨今、個々の企 業の業務やプロセスの改革だけで
報へと変わる「分析」 。そして情報を活用してシーム
は、十分な対応が難しくなっています。
レスな連携を実現する 「オペレーション( 制御)
」。こ
造る(製造業)、運ぶ(物流業)、売る(流通 / サー
れらのプロセスを経て発見された気づきや付加価値
ビス業 )を結ぶサプライチェーンのなかで 、人やモ
を組み込むことで、業務プロセスやバリューチェー
ノ、 そしてプロセスをつないで新しい価値を生み出
ンにイノベーションを起こし、高い付加価値を持っ
す改 革、「バリューチェーン ・ イノベーション 」 が今
た新商品や、サービスを実現します。
26
製造 / 物流 / 流通 / サービス(Global Enterprise Solutions)
グローバルエンタープライズソリューション
ホテル
製造
NEC自身による「 生産革新」や「 経営基盤構築 」の実績
をベースにした経営管理や設計、生産、サプライチェーン
改革、アフターサービス事業のノウハウと、これらを実現
したグローバル 業務システム、グローバル 経営基盤の構
築/標準化ソリューションを提供。
( オンプレミス/サービス)
物流
グローバル物流の輸送状況を見える化するソリューション。
在庫の適正化や経営の効率化、サプライチェーンの最適化、
さらに輸送品質や顧客満足度の向上などに貢献。
流通/サービス
世界のリーディングリテーラーで培ったノウハウをパッケー
ジ化した多彩なソリューション。 ITコンサルティングから
パッケージ導入・展開、導入後の運用・保守もワンストッ
プでサポート。チェーンストアの事業拡大に向けた店舗シ
ステム運 用の 効率化、消費 者ニーズに対応した売り場づ
くり、顧客サービスなどの顧客接点最適化を実現。
「造る」
「運ぶ」
「売る」を支える
NECのソリューション
グローバルホテルチェーンで高い導入実績を誇るテレフォ
ニーシステムや基 幹システム、ゲストエクスペリエンスの
向上などのホスピタリティソリューション。
自動車
グローバル事 業に必要な生 産、販 売、アフターサービス
のソリューション。多数の新興国向けにおいて急成長する
販売網整備を支援するクラウドソリューション。
運輸交通
正確・確実な運賃収受による事業の安定運営や、公共交通
利用者の利便性向上、安全・安心な都市基盤の確立など、
安全・効率的なライフラインを実現する公共交通ソリュー
ション。
業種共通
グローバル 経営を支えるERPソリューションをはじめ、事
業拡大のためのビジネスコンサルティングサービスから、
システムの企画、開発、導入・展開、運用・保守のICTの
ライフサイクルに合わせたマネジメント、継続的な事業運
営を支援するITサービスLCMモデルまで幅広いソリュー
ション。
しました。現 在、同コンセプトの もとで の 各 種ソ
リューション提 供に加え、600 社・1,700 名以 上
( 2015 年 9月時点 )の製造業を中心とした会員様
エンタープライズ領域でもとりわけ製造業におい
と共に、グローバルでの生 産プロセス革 新 や IoT
ては、在庫削減、リードタイム短縮、変動対応力の
を活用した「 Process Innovation(つながる工
強化、グローバル化に伴うサプライチェーンの最 適
場)
」、「 Product Innovation(つながる製品)
」の
化など、ものづくりの革新・強化が急務です。
創造に向けて共創しています。
NEC は、自身も含めた製造業としての革新の実
配送においては、独自の画像認識技術を提 供し
績から、「NEC ものづくり共創プログラム 」を策定
て出荷検品業務の効率化に貢献しています。また、
Why
NEC
4 コンビニ・自動車などで培った日本品質でのソリューション・バリューの提供
4 製造業でもあるNECの生産革新やサプライチェーン改革の経験やノウハウ
4 24時間365日止めない店舗運営/サービス提供を実現するITサービスLCMモデル
4 お客様の提供価値を生み出す独自技術に支えられたイノベーション・プロセス
27
輸送中の製品の状態を見える化するソリューション
製造業であるノウハウを活かしたソリューション。2
は物流品質を向上させ、お客様の安心と満足に役
つ目は、国、地 域ごとで異なるお客 様の事 業 拡 大
立っています。
や成長に合わせたステップ アップソリューション。
小売業においては、コンビニエンスストアなど多
3つ目は、システムの企画・コンサル、開発、導入・
店舗展開型のお客様を I T面でサポートしてきた実
展 開 、サ ポ ートま で、I T に 関 わ る L i fe Cycle
績をもとに、グローバルで 24 時 間 365日止めな
Management( LCM)をワンストップでご提供。
い 店 舗 運 営 や サ ービ スを 提 供 。需 要 予 測 で も 、
4つ目は、世界ナンバーワン ※ の顔、指紋認証技術
NEC 独自のビッグデータ分析技術を活用した自動
によるNEC独自の先進ソリューション。製造、物流、
発注や、センシング技術などによる売り場改善で対
流 通 / サービス、ホテル、自動車、運 輸交通、業種
応し、効率化・高度化を実現しています。
共通などの領域で、グローバルにお客様を支援して
経営基盤強化や最適化・効率化に
貢献するソリューション体系 NEC はグローバルに事業を展開するお客様に対
います。
「 造る」
「 運ぶ」
「 売る」の中、NEC は 新しい価値
を提供するバリューチェーン・イノベーションで、豊
かな暮らしの実現を目指していきます。
して、「NEC Global Enterprise Solutions」
というソリューション体系を整備・提供しています。
提供する価値は次の 4つです。1つ目は、コンビ
ニ エンスストアや自 動 車など、日本発 グローバル
リーディングカンパニーでの豊富な実績や、自らが
事例
東芝機械様
産業機械の予防保守にIoTを活用
新しいサービスを柱にビジネスを拡大
東芝機械は、自動車やエレクトロニクスの製造工
度で終えられたり、現場に行く前に原因の追求や対
場で利用される産業機械をメーカーに提供していま
応ができ、出張修理の費用の 15%程度の削減が見
す。しかし近年は、激化する国際競争を勝ち抜くた
込まれています。また故障を予兆段階で検知するこ
めの、高付加価値の新サービスが求められていまし
とで、納入した機械の稼働率も向上しました。適切
た。パートナーとして選ばれた NECは、ビジネス構
なタイミングでメンテナンスや部品交換をユーザー
想企画の段階からシステム構築、サービスの実現に至
企業に提案し、安定稼働の実現を目指していきます。
るまで、トータルにコンサルティングを実施しました。
課題となったのは、保守対応の迅速化です。従来、
予防保守システム構成図
NECデータセンター
障害連絡を受けてからの事後保守が主体だったた
め、機械が停止してから訪問・修理、再稼働するま
で長い時間が必要になり、その間ユーザー企業は業
障害の DB 登録、
利用照会
務を行えなくなってしまう可能性がありました。
そこで NECは、機器からのデータを分析・活用
して、機械の状態を的確に把握できるようにする
IoTを活用した予防保守を提案しました。
これにより、丸一日かかっていた作業が 1時間程
東芝機械
・ お客様
お客様
機械の
障害情報を収集・発信
お 客様に
導入いただいた
機械の 稼働状況を表示
今回のIoTを活用したサービスでは、射出成形機のコントローラから
障害情報や稼働情報を収集。これをクラウドサービス上に蓄積し、
障害対応や予防保守、保守部品・消耗品の提案に活用しています。
※米国国立標準技術研究所( NIST:National Institute of Standards and Technology)のベンチマークで1位を獲得
28
製造 / 物流 / 流通 / サービス(Global Enterprise Solutions)
事例
ヤマトシステム開発様
高精度な画像認識技術と重量計を活用した
検品支援システムで、時間とコストを削減
ヤマト運輸のコンピュータ室から分社化して始ま
出荷指示データ、検品実績データなどのトータルな
ったヤマトシステム開発(以下、YSD)は、ヤマトグ
管理が実現可能となりました。
ループの情報システムはもちろんのこと、豊富な事
物流業界初の本格運用となるこの検品支援システ
業ラインアップでさまざまな業種のお客様に ITソ
ムは、YSDの検品作業効率化と全体コスト約2割の
リューションを提供しています。
削減を図るとともに、精度の高い出荷品質を実現し、
特に物流アウトソーシング事業では、バーコード
私たちが安心して暮らせる社会を支えています。
など商品識別情報の付いていないパンフレットやマ
ニュアルなどを大量に取り扱っています。これらの
出荷品質維持には、目視と手作業による検品が必要
で、人手と時間の効率化を模索していました。
省力化の仕組みづくりに応じた NECは、強みとし
て持っている画像認識技術と、重量計を用いて、商
品の品目と数量を即時に検出する画像・重量検品シ
ステムを開発し、作業員が行う検品作業の負担を軽
減しました。また、YSDの物流・検品ノウハウや倉
庫管理システムとの連携機能により、商品マスタや
事例
統一超商股份有限公司
(セブン-イレブン台湾)様
ヤマトグループの総合物流ターミナル「羽田クロノゲート」内にある
YSDの倉庫で検品支援システムを導入し、高効率化とコスト削減を
実現。私たちのより快適なライフラインに貢献しています。
24時間365日のノンストップ
オペレーションを支えるICTパートナー
365日24時間営業のセブン-イレブンは、コン
題にすばやく対応するコールセンターや、技術者が
ビニエンスストアのフランチャイズチェーンとして
直接店舗で機器調整を行うオンサイト保守サービス
世界中に広がっています。現地パートナーである統
など、その役割は多岐にわたっています。
一超商が 5,000店舗超を展開する台湾においても、
NECは、生活の24時間化で多様化・複雑化する
生活に欠くことができない社会インフラの1つです。
生活基盤を高度な物流・流通システムで支え、高効
NECの ICTは、オペレーションを止めないため
率で安心な社会に貢献しています。
の店舗トータルソリューションおよび、障害が発生
しても迅速に対応・排除するためのサービスで同社
を支えています。消費者ニーズに応えるための単品
管理オペレーションや、新店舗出店や全国規模での
新サービス開始の短時間展開など、店舗ごとのフェー
ズに合わせて対応可能です。
特に商品の提供においては、仮説、実行、検証、
改善のサイクルを繰り返すことで、より消費者が求
めるニーズに合った商品の提供が可能となるICTイ
ンフラを提供しています。また、店舗で発生する問
NECは、コンビニエンスストア業界への深い見識と、ハードウェア・
ソフトウェア両面でのサポート、アフターサービスの質の高さで現地
での信頼を得ています。
29
Interview
製造業を元気に!
変革に応える「NEC Industrial IoT 」
リーマ ン ショック 以 降、東 日 本
視しています。そして、2015年6
の製造業は非常に苦戦を強いられ
発表しました。市場ニーズに即応
大震災やタイでの大洪水など日本
月に「 NEC Industrial IoT 」を
てきました。かつてのような1社で
できるグローバルでの生産プロセ
の改善や改革では危機を乗り切れ
ス改革や、部品にまで至る個体管
ない、とても困難な課題に直面し
理トレーサビリティの実現 ・ 品質
ていたのです。
の向上、さらに新製品やサービス
製造業であるNEC自身の取り組
創出力の強化などがお客様の価値
みが少しでもお役に立てれば、と
として提供できます。
の想いで皆さんと課題を共有し知
N E C I n d u s t r i a l I o T の核と
恵を出し合う共創の場として 、
NEC
執行役員
松下 裕
なるのは、NECものづくり共創プ
2012年にNECものづくり共創プ
ログラムを立ち上げました。
ログラムの目指す「お客様やパー
現 在 、ド イ ツ や 米 国 を 中 心 に 、
IoTを活用した製品 ・ サービスな
どの革新、ビジネスモデルや産業
構造の変革に取り組む動きが活発
化しています。また、日本の製造業
においても、競争力強化や取引先
からの要請などの観点から、I o T
活用の機運が高まっています。
NECは、製造業でのIoT活用に
ついて、設備機器のリアルタイム
な最適制御など 、 変化に柔軟な
「 Process Innovation(つなが
る工場)」と、これまでになかった新
トナー様との共創」です。さまざま
な分野の設備や技術が関わる IoT
は、各企業がそれぞれの領域で強
みを合わせて実現します。これか
らのものづくりを支える先進的な
IoT環境をよりスムーズに実現す
れば、製造業がグローバルでの競
争力を高めるために、非常に有効
だと確信しています。
業 界 が 直 面 す る 変 化 に N E C
Industrial IoTで応え、製造業
がさらに元気なるよう貢献してい
きます。
しい製品の使い方やサービスを提
供できる「Product Innovation
(つながる製品)」の2つの視点を重
お客様
NEC Industrial IoT
NEC自身の
実証
NECのIoT 技術/
製品/ サービス
産業機械
自動車関連
パートナー様との
連携
精密機器
食品
住宅・建材
素材
30
さまざまな業種
の企業様
電気機器
NECものづくり共創プロ
グラムでのIoT活用に関す
るお客様の課題、工夫を
共有し、実証実験を進め
ることで、製造業の競争
力強化を目指します。
製造 / 物流 / 流通 / サービス(Global Enterprise Solutions)
Interview
人々の生活インフラのコンビニエンスストアを
24時間365日止めることなく支える
N E C は、
「 造る」
「 運ぶ」
「 売る」
アの店舗運営を目指すお客様を支
て、どのような貢献ができるかを
この ITサービス LCMモデルは、
を つ な ぐ バ リューチェーン に お い
大きな命題として捉えています。
それぞれの分野ごとにお客様に合
わせたソリューションをグローバ
ルで提供しています。
例えば「 売る」の分野では、コン
ビニエンスストアやドラッグスト
アなどの小規模多店舗展開型のお
客様へソリューションを提供して
い ま す。具 体 的 に は、I T サービ ス
LCMモデル、I Tをライフサイクル
で マネジメントするサービスです。
企画・コンサル、開発、導入・展開、
店舗運営サポートというサイクル
で店舗運営を止めることなく回し
続けます。
コンビニエンスストアは、生活者
に欠かすことができない生活イン
フラになっています。それが顕著
に表れたのが、2011年の東日本
大震災でした。いざという時の安
心を支えるインフラを止めるわけ
にはいかない。その経験を経て私
たちは、蓄積していた ITサービス
LCMモデルのノウハウを結集すれ
ば 、 災 害 時 で も 24時 間 365日 止
めることなくコンビニエンススト
えることができると気づきました。
サイクルを回すたびにノウハウが
蓄積されます。例えば2万店舗を超
えるチェーンの場合、新サービスを
導入 ・ 展開するにも非常に時間が
かかります。当初は1年がかりでし
たが、今では半年で実施できるま
でになりました。お客様の地域格
差縮小に、少しでも貢献できると
考えています。
サポート面では、NECはコールセ
ンターも運営しています。店舗運営
NEC
グローバルリテールソリューション事業部
事業部長代理
川見 秀樹
者から寄せられる声は、I Tだけに
留まりません。コーヒーサーバーや
冷蔵庫、トイレにまで至る設備の不
具合をデータとして蓄積して、そこ
から改善点と解決法を見つけ出し、
次のサイクルに投入していきます。
さらに最新のシステムは、予兆
管理とリモートメンテナンスによ
る保守サービスにまで及んでいま
す。今後IoTが普及していく中、機
器管理、故障検知、自動通報など業
務システム基盤の強化や、映像の
管理・分析を通じた「 止めない」店
舗運営で、人々のより安心できる
生活インフラへ貢献し続けます。
多店舗展開型小売業を支えるためのITサービスLCMモデル
①発展を支える店舗オペレーション
●システム化構想策定
●業種・業務ノウハウ
●蓄積した 運営ノウハウ
●コールセンターでの
店舗情報収集 / 管理
●予兆 /予防保守、リモート
によるICT サポート
②店舗運営を支える仕組み
企画・コンサル
店舗運営サポート
( 保守)
( 24 時間365日事業運営を止めない)
店舗情報
蓄積
業務
ノウハウ
IT サービス
LCM
モデル
●均質なオペレーションを
支えるシステム
●ハードウェア開発・調達
開発( SI・ハードウェア)
●2万店規模の同時展開
●アプリケーション管理
導入・展開
31
スマートエネルギー
人々の快適な生活を支える
ICTとエネルギー技術の融合
電力システムの世界的な流れは、
「 集中」から「 分散 」へ。NECは、ICTとエネルギー技術の融
合による高度なエネルギーマネジメント技術で、人々の快適な生活を支えます。
世界の電力システムは
「集中」から「分散」に進化
など、需要側が自ら発電することも可能です。エネ
ルギーの「 地産地消 」が実現しますが、再生可能エ
ネルギーは、自然の影 響があり発電が安定しませ
化 石燃料からの脱 却が世界中で始まっています
ん。そこで分散エネルギー源の全体 的な 協調と安
が、日本ではいまだに依存度が高く、2014 年度に
定化も必要になります。
おける 再生可能 エネルギー比 率 は わず か 10 %で
ここで必要とされるのは、全体をコントロールす
す。残り90 %を占める火力の内訳は、天然ガスが
るより高 度 な エネル ギーマネジメント技 術で す。
55%、石炭が 32 %、石油が 12 %で、ほぼ全てを
NEC は、クラウドをはじめとする ICT や蓄電池な
輸 入 に 頼 って いま す。この 状 況 に 対し 、政 府 は
どを賢く活用し、再生可能エネルギーの 普及や電
2030 年度に再生可能エネルギーを 22〜24%へ
力系統網の安定化に貢献しています。
と引き上げる目標を掲げています。※1
世界 の動 向としても、エネルギー源は確 実に再
生可能エネルギーへと軸足を移しつつあり、今まで
クラウドを活用した高度なエネルギーマネジメント技術
従来型発電
住宅
の「 集中&片方向 」の流れから「 分散&双方向 」の
流れにシフトしてきています。具体的には、電力会
社など供 給 側が 集中的に発電し、供 給していたこ
れまでの流れは、再生可能エネルギーの普及によっ
て、太陽光・風力・地熱・バイオマスなど多様化さ
れた電力供給へと置きかわっていきます。また、そ
の供給源も分散され、電力会社以外の企業や個人
HEMS
NECのクラウド
水力/ 火力発電所
エネルギーに関連する
データを収集、分析
効率的で
無駄のない発電を実現
ビッグデータ
都市/ 工業地帯
MEMS
戸建、マンション
エネルギーの
地産地消化を促進
再生可能エネルギー
xEMS
需給バランスをコントロール
オフィスビル、
工場
BEMS
FEMS
ピークシフト・ピークカットなどの最適化
発電量の変動を吸収・安定化
蓄電システム 電力 通信
※1 出典:資源エネルギー庁
32
スマートエネルギー
スマートエネルギーソリューション
電力会社向け(系統品質安定)
全世界の電力会社で導入されている大型蓄電システムなど、新興
国から先 進国まで 普及が 促 進されている再生可能エネルギーの
大 量導入に伴い、系統電力網における電力品質の 安定化に貢献
するソリューション。
電力会社向け(運用安定)
電力系統保安網や基 幹通信網、各家庭での電力使用量のデジタ
ル 化、また故障予兆監視システム、運 用状態の視覚化技術など、
電力の安定・安全・安心供給に貢献するソリューション。
新電力参入者向け
電力の 需 要供給 や顧客の管 理、またビッグデータ解 析を用いた
電力需要予測など、電力自由化に伴う新規参入を支援するソリュー
ション。
克服すべき課題は
安定供給、最適化、経済性
自治体向け
ICTを活用し、街中の蓄電池を高度に集中管理する技術を中心に、
再生可能エネルギーが導入しやすく、また災害にも強い、電力の
安定供給が 可能な 地 産地消型の 住みやすい街 づくりを支 援する
ソリューション。
製造・流通向け
ビッグデータ解 析技 術を駆使し、各 事 業 拠 点における電 力消費
量の 需 要予測や異常監 視、また、顧 客 管 理も可能なクラウド型
EV 充電インフラなど、エネルギーコスト削 減や業 務プロセスの
最適化、また顧客囲い込みを支援するソリューション。
一般家庭向け
家庭でも導入が進んでいる太陽光発電と連携可能な家庭 用小型
蓄電システムや、家庭における電力が見える化できるHEMSなど、
節電意識の向上や、生活スタイルに合わせたスマートな電力の使
い方を支援するソリューション。
の恩恵を需要側が十分に享受できません。そして、
経 済 性の面でも再生可能エネルギーだから料金が
高くてもよいというわけではありません。電力コス
温 室 効 果ガス( CO 2 )の増加を原因とする地 球
トを低 減するためには、電力最 大使 用量を抑える
温暖化によって、世界各地で気候変動が起こってい
必要もあります。
ます。農 作 物 の 収 穫に影 響を及 ぼ す だけでなく、
NEC は、これまでに蓄積してきた ICTと各種エ
洪水などの災害も多発して大きな被害となっていま
ネルギー技術を融合し、これらの課題に応えます。
す。日 本 で は、2030 年 に CO 2 を 2013 年 比 で
その中心となるのは、エネルギークラウドです。収
26%削減するという目標が掲げられていますが、こ
集された数々のエネルギーに関 連する情 報をクラ
の達成には再生可能エネルギーの普及が必要不可
ウドと連携し視覚化、さらに分析・予測し、最適な
欠となってきます。
エネルギーコントロールを施します。そして、蓄 電
しかし、再生可能エネルギーの大 量 導入には 課
システムなど、必要なアセットを制御していきます。
題も多く簡単ではありません。まず、再生可能エネ
気 象データやエネルギー消費 量などの 数々のデー
ルギーは供給 量が安定しないため、企業や家庭な
タ解 析にはビッグデータを用いた分析技 術が必 要
ど需要側が使 用するためには、電力供給 量を安定
であり、また電力安定化のためにはバッファとして
化させる必要があります。また、需要と供給を高精
機 能する蓄 電システムが 必 要です。これらエネル
度に予測・制御できない場合は、大規 模停電の発
ギークラウド&蓄電システムがあるからこそ、NEC
生など多大なエネルギーロスにつながり、せっかく
はエネルギーの最適化に貢献できるのです。
Why
NEC
4 世界11カ国110メガワット以上の実績を誇る、大型蓄電システム
4 迅速な判断を実現するさまざまなエネルギー関連データの視覚化技術
4 ビッグデータ解析技術を用いた、高度なエネルギー分析・予測技術
4 家庭や企業、地域まで対応する高度で最適なエネルギーマネジメント技術※2
※2 CEATEC AWARD 2014受賞
33
ICTとエネルギー技術が融合した
ソリューションを提供
し、要件 ・コストに応じた最 適な運 用方法を提 案
します。そして、ピークシフト・ピークカットなど、
高 度な エネル ギーマネジメントを可 能 にする「 最
NEC は、再生可能エネルギーの 普及に向けて、
適化技術 」があります。
これ ま で 培って きた ICT が 支 えるさ ま ざ ま なソ
これら最 先 端の ICTと共に、周波数 調整、予備
リューションを用意しています。大規模発電所から
調 整 力、再生可能エネルギー連 携、送配電・電 圧
一 般家 庭まで、さまざまな 領域に価値を提 供して
調整機能など、さまざまな電力の安定化機能を持
います。
つ蓄電システムを融合することで、エネルギーの最
まず、あらゆるものを見 える化する「 視 覚化 技
適化を実現していきたいと考えています。
術」。スマートメータや電力インジケーターなどを利
さらに、大型蓄電システムが置けないエリアなど
用し、再生可能 エネルギー量、原 油 価 格、電 力 需
で、そのエリアに分散している需要側の蓄電システ
要予測、蓄電量、電気料金など、多様で不確実な実
ム群をリアルタイムで充放電制御することで、仮想
世界のデータを収集してリアルタイムで視覚化して
大 型蓄 電システムとして使うことが できる統 合 監
いきます。次は、収集したデータの「 分析・予測技
視・制御ソリューションなど、新技術の創出にも積
術 」。NEC 独自の異 種 混合学習技術などのビッグ
極的に取り組んでいます。
データ分析で、エネルギーシステムの 数 学 的 モ デ
これからもNEC は、最先端のICTとエネルギー
ルを作成。熱 量 や充電 駆 動パターンの分析、また
技術を融合したソリューションで、人と地 球にやさ
電 池 寿 命 や電 力 需 要 などの 予測を高 精 度 で実 現
しいエネルギー社会の実現に貢献します。
事例
NEDO※様
※国立研究開発法人 新エネルギー・
産業技術総合開発機構
携帯基地局の燃料コストとCO2排出を改善する
エネルギーマネジメントシステム実証実験を開始
インドでは全国的な携帯電話加入者の急増に伴
将来的にインド国内約 40万の携帯電話基地局に
い、都市部だけではなく地方まで携帯電話基地局の
導入した場合の省エネ率(削減率)は約 50%とな
設置が拡大されています。しかし、停電が頻繁に発
り、毎年 100万キロリットルのディーゼル燃料の
生する地域や、電力供給を十分に受けられない地域
消費量削減が見込まれています。
も数多く存在しているため、通信事業者は停電時に
NECはグローバルでのエネルギー事業開拓を通
基地局運用を継続するための手段としてディーゼル
して、大切な資源を無駄なく安定提供し、人々の安
発電機を使用しています。このため、インド国内全
全・安心で快適な生活を支えています。
体で年間 200 万キロリットル以上という莫大な
ディーゼル燃料が消費されるとともに、1,100万
携帯基地局向けエネルギーマネジメントシステム
EMS
リモートサーバ
(集中管理)
トン以上という大量の CO 2 が排出されており、環
境への影響も懸念されています。
太陽光発電
データ
そこで NECは、再生可能エネルギーとリチウム
電力系統
イオン蓄電システムなどをICTで制御する携帯電話
基地局向けエネルギーマネジメントシステムを導入
整流器
リチウムイオン
蓄電池
ディーゼル
発電機
しました。インド国内各地 20カ所でディーゼル燃
テレコム
タワー
料の消費量を削減するとともに、安定的な電力を供
再生可能エネルギーを優先使用し、停電時は蓄電システムの電力を
使用するなど、ディーゼル燃料消費量を削減。また基地局設備状況を
ネットワーク経由で集中管理し、的確な制御を行っています。
給するための実証実験が始まっています。
34
シェルター
スマートエネルギー
Interview
変化する時代や地域における電力の安定化に
ICTと蓄電システムで貢献
かつての電力供給環境は、火力
適化」を行い、さらにバッファとな
括して発電 ・ 送電されていました
エネルギーの「自律」
「分散」
「協調・
や水力、原子力など、電力会社で一
が、今では大きく変わってきてい
ます。太陽光発電などの再生可能
エネルギーが普及し、家庭などの
利用者側も電力を供給できるよう
に なった の で す。つ ま り、エ ネ ル
ギー源が「 集中型」から「 分散型」
へ変化しつつあるのです。
また電力の使用状況も変化して
います。消費者の生活スタイルが
多様化し、電力の需要予測もそれ
に対応しなければなりません。よ
り高度なエネルギーマネジメント
が求められているのです。
こ の よ う な 変 化 の な か で N E C
は、特徴である ICTによるエネル
ギーの「 視覚化」
「 分析・予測」
「最
事例
る蓄電池を的確に制御することで、
安定」を実現する社会づくりに貢献
していきたいと考えています。
先進国では系統網の電力安定化
や設備老朽化、新興国では人口増
加とともに拡大するインフラ整備
などが課題ですが、NECはそれぞ
れの地域の皆様と共に課題解決に
取り組んでいきます。
この先、世界中で起きている同
様の事象に対応していくためには、
日本の力だけではなく、世界中の優
NEC
執行役員
國尾 武光
秀な力も必要です。そのためNEC
は、最先端の技術を持つ企業との
協業も検討し、エネルギーを安心
して利用し続けられる社会づくり
に貢献していきたいと考えます。
サザン・カリフォルニア・エディソン様
「DESIプロジェクト」
既存の配電網の有効利用と安定化
に貢献する大型蓄電システム
電力配電網の送電容量は、需要のピークに合わせ
会社であるサザン ・ カリフォルニア ・ エディソン
て整備されていますが、そのようなピークは年に数
(SCE)
様に出力2.4メガワット、容量3.9メガワッ
回、数時間の間しか生じないためそれ以外の時間帯
ト時の大型蓄電システムを納入しました。7週間と
は配電網の本来の容量全てを使い切れてはいませ
いう短期間で、蓄電池、電力変換装置、変圧器を含
ん。また、電力需要が増加しこれまで以上のピーク
む全システムを、約 150平方メートルというコン
需要が生じることが見込まれる場合は配電網の増強
パクトなスペース内に構築しました。
が必要となりますが、特に都市部においては、変電
本システムは、将来のピーク需要軽減に備えると
所やケーブルを含む配電網の増強はスペースやコス
ともに当面は同社の配電網の電力品質安定化などに
トの点から非常に難しくなっています。
活用されます。
配電網増強の代替策として NECが提供している
のが、ピーク時の電力需要を異なる時間帯にシフト
させる蓄電システムです。蓄電システムの導入によ
り、配電網の送電容量の利用効率を上げることがで
き、配電網増強の時期を遅らせたり回避したりでき
るようになります。
2015年7月、NECはカリフォルニアの大手電力
省スペースに設置された大型
蓄電システム。再生可能エネ
ルギーの導入義務化が非常に
厳しいカリフォルニアにおい
て、電力会社の保有する配電
網の安定化に貢献しています。
35
クラウドソリューション
進展するクラウド化をアプリケーションから
基盤まで総合力でバックアップ
IoT導入が進む現代では、高信頼で効率的なクラウド活用が重要です。 NECは、培われたクラ
ウド技術やインテグレーション、運用などの総合力で社会とビジネスの革新に貢献します。
基幹業務から新ビジネスまで
多様なニーズに応える総合力
組んでいます。その他の OSS も活用し、最新技術
を取り入れたオープンなクラウド環境を安心して使
えるよう、設 計、構 築からサポート / 運 用までトー
IoT 導入が進む現代社会では、企業の ICT 環境
タルに支 援します。さらにお客 様の業務の特 性や
においても、今まで以上にクラウド活用が進んでい
セキュリティポリシーに合わせ、お客様施設で構築
きます。従 来の基 幹 業務では、人が生み出すデー
するオンプレミスのクラウドや、他社のクラウドも
タの クラウド 活 用 が 主 でした 。これ からは セン
含めたハイブリッドクラウド環 境を、セキュアに連
サー、デバイスなどモノが発信するデータを既存の
携、統合運用することを支援します。
業務とも連携させてクラウド上で処理、分析するこ
2016 年 4月には、西日本 のフラグシップデー
とにより、新たな価 値 創 造、業 務 の革 新につなげ
タセンターとして、クラウドとハウジングの両方が
ていくことが求められます。
提 供可 能 な NEC 神戸データセンターを 新 設しま
NEC ではこれらさまざまな業務のニーズに応え
す。安 全 性と利便性を両立したセキュリティ、自然
る 100 種 類 以 上 のア プリケーション やプ ラット
エネルギー活用や NEC 独自の冷 却 技 術による省
フォーム領 域でのサービスメニュー、SDN 技 術を
電力化など、安全・安心、効率を追求し、あらゆる
含めたクラウド基盤 構 築のための各種 製品、クラ
ICT 環境をセキュアに効率よく搭載可能です。
ウドの導入・運用を支援するサービスをそろえてい
NEC は今後も、クラウド環 境やアプリケーショ
ます。民 間から公共 団 体まで多様な業 種 ・ 業 務、
ンサービスの充実、海外への展開を通して、お客様
規模をカバーし、最適なソリューション提供が可能
と共に、社会・ビジネスの革新に貢献していきます。
です。また NEC は、クラウド基盤のオープンソース
ソフトウェア( OSS)である OpenStack に対し
てコミュニティ活 動への 参加も含め積 極 的に取り
Why
NEC
36
4 多様なニーズに応えるための100種を超えるサービスメニュー
4 50カ所を超える、効率的で安全・安心なデータセンター
4 オンプレミスや他のクラウドも含めたインテグレーションと運用サポート
クラウドソリューション
事例
台湾内政部消防署様
クラウドを活用して情報共有
地域住民へリアルタイムに災害情報を提供
台湾では、
「防救災クラウド計画」に基づき、自治
ています。また、強みである高信頼・高セキュリティ
体ごとに設置・運用していた災害情報システムを、
のクラウド構築技術で、さらなる安全・安心な社会
全土(22県市、268市町村)をカバーするプラッ
の構築へグローバルに貢献していきます。
トフォームに統合し、サービス提供しています。
本システムにおけるクラウド基盤上のアプリケー
ションサービス構築を担当した NECは、全土をカ
バーする GIS(地理情報システム)の活用・連携、
中央と各地域の情報共有強化、災害対策の迅速な意
思決定や現場対応、インターネットによる住民から
の情報受付対応などの多くの機能を網羅した、高い
利便性・信頼性・性能を備えた防災システムサービ
スを実現しました。災害時コミュニケーションイン
フラとしても、住民の不安感軽減に大いに役立つも
のとなっています。
NECは災害の多い日本で、高信頼性が求められ
る危機管理分野においてトップクラスの実績を有し
緊急時の情報が集約される防災センターでは、NECが日本で培っ
た消防・防災分野におけるノウハウをベースに、高度で利便性の高
い防災システムサービスの提供を目指しています。
Interview
お客様のニーズに応える
さまざまなクラウド環境を提供
現 在、I o T を 活用 する事 業へ の
いきます。
IoT実現に向けたクラウドソリュー
ラウド環境、NECのクラウドサー
着目が始まっています。NECでは、
ションにも取り組んでいます。
例えば、製造業では自社の生産
のみならず、部品の調達元から販
売先まで含めて IoTを活用してモ
ノをつなぎ、そのビジネス全体を
クラウド環境で実現する考え方に
移りつつあります。ひとくちにク
ラ ウ ド と 言って も、ビッグ データ
分析 、 デー タ収集 、 エッ ジコン
ピューティン グ な ど、求 め ら れ る
機能はさまざまであり、事業環境
変化に柔軟に追随していく必要が
あります。NECは強みであるSDN
と セ キュリ ティ技 術 を 活 用 し、お
客様に対して、最適な機能を最適
なタイミングで安全にご提供して
また、お客様のオンプレミスク
ビス、およびNEC以外のクラウド
サービスなどさまざまなバリエー
ションを組み合わせることにより、
お客様の多様なニーズにお応えし
ます。システムがますます複雑化
する IoT時代には、今まで以上に
システムを全体で管理する必要性
が高まります。運用まで含めたトー
タルでのご提案ができること、豊
富なノウハウの蓄積があることも
私たちの強みです。
これからの時代、クラウド環境
NEC
C&Cクラウド基盤戦略本部
主席主幹
NCP ※ 上席サービスオーガナイザ
あぜた
畔田 秀信
には、社会インフラとしての役割
が増していきます。NECは安全・
安心なクラウド環境を実現し、社
会価値創造に貢献していきます。
※NCP:NEC Certified Professional ( NECプロフェッショナル認定制度)
37
SDNソリューション
より高度に進化するICTシステムを
柔軟かつシンプルに構築
SDNが、社会システムの充実に必要なICTシステムを高度化。NECのSDNソリューションが経
営課題を解決します。
SDNで柔軟な ICTシステムへ
経営における課題を解決
企業の ICTシステムにおいて、すでに SDN は重
要 な 役 割を担っています。障 害 発 生の 抑 制、ICT
設備の効率化、見える化、セキュリティ向上、そし
経営環 境の変化への 適 応力を高めるためには、
て ICTリソース配分 の 最 適 化など、社 会インフラ
ICTシステムの導入高度化や柔軟性を高めること
とそれを支える ICTシステムを、より高度化するこ
が不可欠です。しかし、変化に適応するシステムを
とが可能になりました。
実現するには、従来のネットワーク機器や技術では
対応できないケースが出てきています。これらの課
実績をもとにソリューションの拡充へ
題を解決し、柔軟な ICTシステムを導入・変更した
NEC は 、SDN 開 発 の 源 流 とな った 米 スタン
いお客 様への解決策として NEC が提 案するのが、
フォード大学の「 Clean Slate Program 」に発
SDN( Sof t ware-Defined Net working )
足当初から参画。長年にわたる取り組みの結果、世
です。
界に先駆け SDN 対応製品を販売しました。これま
NEC の定義する SDNとは「ネットワークをソフ
でに、250システム以上の導入実績を有しています。
トウェアで動的に制御すること、およびアーキテク
数々の導入実績と長年培ってきた通信・ICT を
チャ」です。専用 機 器で不 可分だったネットワーク
融 合した高 信 頼なネットワーク技 術、仮 想 化 技 術
制御とデータ転送処理が分離され、ネットワークを
などを活かし、NEC は SDNソリューションを拡充
動 的に制御でき、柔軟な ICTシステムが実現でき
しています。また、導入に不可欠なノウハウを有し、
ます。個々の機器が個別に判断していた従来のバケ
ニーズに沿ったソリューションを開発・お客 様に適
ツリレー式 のネットワークから、ソフトウェアによ
用する専任 部門を設 立しました。今後も国内外の
る動 的な 制 御 によって SDN は ICTシステムの 柔
さまざまなニーズや提案・導入機会を通じて、先進
軟性や効率性、堅牢性を可能にします。
的な SDNソリューションを提供していきます。
Why
NEC
4 SDN草創期から研究・技術開発、業界標準化を推進
4 世界初※1のSDN対応製品の販売、さまざまな適用ノウハウ・専門要員
4 企業・官公庁・通信事業者への250システム以上のSDN導入実績
※1 NEC 調べ
38
SDNソリューション
事例
駅がますます便利・安全・快適に
SDNの導入により新しいサービスの実現が加速
JR東日本様
JR東日本では、これまで駅構内のディスプレイ
トワーク」を構築しました。これにより、東京駅をは
に表示される列車運行情報、防犯カメラやエキナカ
じめ山手線内の各駅において、公衆無線 LANサー
の情報を、それぞれのシステムごとに専用のネット
ビスの提供や、ロッカーの空き状況の情報提供など、
ワークで個別に構築していました。このため、管理・
より良いサービスを迅速にスタートできるようにな
運用が煩雑となり、新たなサービスの迅速な提供を
りました。
妨げる原因ともなっていました。
利用客も、駅係員も、駅構内にいる全ての人が、さ
こうした課題を解決するため 、JR 東日本は 、
まざまな情報を同時に、より快適に、そして公平に
NECが提案した SDNを活用した「駅構内共通ネッ
得ることができます。
広がり続けるNECのSDN導入事例
マーケット
主な 企業・団体
企業
官公庁
・東日本旅客鉄道様
・西日本高速道路様
・テレビ 朝日様
・金沢大学附属病院様
・名古屋市立大学病院様
・東洋製罐グループホール ディングス様
・新日鉄住金ソリューションズ 様
・南日本情報処理センター様
・愛媛銀行様
・港区教育委員会様
・品川区様
・沖縄県西原町様
・日本事務器様
・日本通運様
・ビッグローブ 様
テレコム
キャリア
・NTT コミュニケーションズ 様「 Biz ホスティング」
・Myanma Posts and Telecommunications様(ミャンマー)
・Telefónica Brasil 様( ブラジル)
・Portugal Telecom 様( ポルトガル)※
・Genesis Hosting 様( アメリカ)
・NDDI 様( アメリカ)
・Stanford University様( アメリカ)
・Marist College 様( アメリカ)
・Swisscom AG 様( スイス)※
・Telekom Austria Group 様( オーストリア)※
・Etisalat 様( UAE )※
※ 実証実験
さまざまな企業・団体(250システム以上)で稼働中
( 2015年10月時点)
Interview
SDN技術とオープンイノベーションで
シンプルかつ柔軟なICTシステムを
NECが現在注力している SDN
フェース「OpenFlow」の策定や製
むことで、従来数週間かかってい
いった SDN機能を活用するため、
では、システム全体の仮想化が進
た作業が数分でできるなど、多数
の明確な効果が実証されています。
ネットワークを集中制御できる
SDNコントローラの開発や製品化
を通じ、NECはお客様の新たなビ
ジネスを実現するアプリケーショ
ンやサービスを創造できると期待
しています。そのためにはオープ
ン な イ ン タ フェース で 開 発 し、業
界標準としてSDNを普及させるこ
とが使命だと考えています。
N E C は 現 在 、オ ー プ ン イ ン タ
品化を進め、「可視化」や「仮想化」と
アプリケーションインタフェースの
業界標準化を進めています。また、
パートナー企業様との提携や技 術
協業も進めています。
私 自 身 も 、 オ ー プ ン ソ ー ス の
SDNコントローラ開発を目的とし
たOpenDaylightというプロジェ
クトにも参加し、普及活動をしてい
ます。これらを通じて、SDNがお
客様にとって価値あるソリューショ
ンを提供できるよう追求していき
たいと思います。
NEC
スマートネットワーク事業部
主席技術主幹
NCP※2 上席ソフトウェア アドバンストテクノロジスト
OpenDaylight Ambassador
工藤 雅司
※2 NCP:NEC Certified Professional( NECプロフェッショナル認定制度)
39
ビッグデータソリューション
人工知能の技術を活かし
ビッグデータから新たな価値を創出
IoT時代を迎え、社会価値の創造や経営課題の解決において、ビッグデータの活用は不可欠です。
NECは世界トップレベルの分析技術と、
「 三位一体」のアプローチで貢献します。
三位一体の取り組みと
それを支える分析技術とサポート力
するのです。
NECは最先端のテクノロジーを活用し、この「三
位一体のビッグデータ活用 」を強力にサポートして
IoT 時代が到来し、多くのモノがインターネット
います。特に重要なアナリティクスの領域では、長
につながり、爆発的にデータが増えて「ビッグデー
年培った人工知能( AI)や機械学習の研究をベース
タ」が生成されています。現在、世界中でデータが
とした、世界トップレベルの独自分析技術を活用し
「 資 産 」と捉えられ、その 価 値 が 高まっています。
ます。プラントなどの異常を予兆の段階で早期に発
しかし、データは集めるだけではなく、
「 活用 」して
見する「インバリアント分析技術」。多種多様なデー
社会や企業の課題 解決や価値 創造をしていくこと
タから人では発見できない規則性を抽出し、高度な
が重要です。
需要などの予測を行う「 異種混合学習技術 」。膨大
ビッグデータから価値を生み出すには、「センシ
なテキスト情報を意味まで理解して自動で分類する
ング」「アナリティクス」「アクチュエーション」 の 3
「テキスト含意認識技術」。これらは、最適なプラット
つの要素が不可欠であり、これらに「 三位一体 」で
フォームとともに、
「 NEC Big Data Solutions」
取り組むことで実現できます。
として、さまざまな価値を創出しています。
「センシング」 は、実世界にあるさまざまな事象を
また、コン サル ティング サービ ス 「ビッグデータ
デジタルデータとして見える化します。次に、
「アナ
ディスカバリープログラム 」の提供を通し、事業目的
リティクス」により膨大なデータを分析し、データ
達成のために必要なデータや分析方法の立案を支
の中に隠れた知見や法則を導出、予知・予測を行
援します。人材・組織設計に関するレベルから、豊富
います。そして「アクチュエーション」では、アナリ
なノウハウを持つスタッフが丁寧な対応を行います。
ティクスから得られた知見や法則を、業務やシステ
NEC はお客様と共に、ビッグデータによる価値
ムに反映、実世界にフィードバックし、価値を創出
創造を実現していきます。
Why
NEC
4 顔認証や群衆行動解析など、世界最高レベル精度を有するメディア処理技術
4 インバリアント分析技術や異種混合学習技術、テキスト含意認識技術※ 、RAPID
機械学習など、独自のAI技術を活用した豊富なソリューションと導入実績
4 ディスカバリープログラムやデータサイエンティストによるサポート体制
※PTP:Penn Treebank Project 2011( 世界で最も有名な言語処理アルゴリズムのコンテスト)で世界一
40
ビッグデータソリューション
事例
膨大な「お客様の声」を瞬時に分析・見える化
期待を上回るカスタマーサポート向上活動を推進
三井住友銀行様
日本を代表するメガバンクの株式会社三井住友銀
活用した「お客さまの声分析ソリューション」を導
行。日々寄せられる「お客様の声」を、全件人手で
入しました。数万件にもおよぶお客様への応対履歴
チェックし、サービス改善に役立てています。一方
や営業日報などを要約し、高精度に分類。結果、時
で、年間 35,000件にもおよぶご意見ご要望を、よ
系列の推移や細かな課題内容の把握が可能になりま
り効率よく精査し、タイムリーに把握したいと考え
した。分析の効率化・高度化の実現により、サービ
ていました。
スの品質改善に一層注力できるようになったこと
そこで同行は、NECのテキスト含意認識技術を
が、カスタマーサポートの向上につながったのです。
営業活動
お 客さまの声分析ソリューション
情報抽出
応対履歴
お客 様 応対履 歴や営
業日報などを、テキス
ト含意認識技術により
要約し分類。読み込み
作業を効率化し、見え
なかった新たな知見獲
得をサポートします。
窓口など での
応対記録
営業
特定の意味を
含む文を抽出
営業日報
訪問先など での
応対記録
お 客様の声を
要約的に把握
含意クラスタリング
同じ意味を含む
文をグルーピング
効果
分析の 効率化
分析者
内訳やトレンドを
定量的に把握
分析の高度化
( 新たな 知見獲得)
フィードバック・改善
Interview
独自開発の「異種混合学習技術」で
より高精度なデータ分析を
私はデータサイエンティストと
通・小売業での商品需要予測などで
クトに参加し、NECが独自開発し
いわゆるデータサイエンティス
して、お客様のデータ分析プロジェ
た「 異種混合学習技術」による予測
モデルの構築や分析チームのマネ
ジメントを行っています。
異種混合学習技術は、多種多様
な データ か ら、特 定 の パ ターン や
規則性を自動で発見する技術です。
この技術により従来の課題だった、
適切な予測式を導き出すために必
要な膨大な数に上る場合分けの手
間を解消します。また、規則性が変
化するデータであっても高精度な
予測が可能です。さらに、場合分け
の条件や予測式の内容を可視化で
き る た め、オ ペ レーション の 改 善
にも役立てられます。すでにエネ
ルギー業での電力需要予測や、流
成果を上げています。
トというと、常にデータとにらめっ
こしているイメージがあるかもし
れませんが、実はそうでもありま
せん。
私の場合、商品需要予測を担当
しており、普段私用でコンビニエ
ンスストアに行ったときも、新商
品や品ぞろえの状況を観察してい
ます。普段の生活の中では、サービ
スや分析に関するいろいろなアイ
デアを思いつくことも多いです。
NEC
ビッグデータ戦略本部 兼 情報・ナレッジ研究所
主任
見上 紗和子
常日頃から業界の動向を察知し、
お客様やその先の生活者目線での
ニーズ に 合った ご 提 案 で、社 会 課
題の解決やお客様のビジネスに貢
献していきたいと思っています。
41
主要事業一覧
日本電気株式会社および連結子会社 売上高、営業利益および売上高構成比は、2015年 3月 31日に終了した
事業年度の実績です。
パブリック事業
エンタープライズ事業
営業利益
主要顧客
製造、流通・サービス
7,402 億円
620 億円
主要製品・サービス
売上高構成比
25 %
営業利益
7,289 億円
314 億円
主要製品・サービス
売上高構成比
25 %
その他
売上高
営業利益
ネットワークインフラ
コアネットワーク、携帯電話基地局、海洋シ
ステム(海底ケーブル、海洋観測システム)
、
光伝送システム、ルータ /スイッチ、モバイル
バックホール(パソリンク)
通信事業者
システムプラットフォーム事業
売上高
▼
9%
テレコムキャリア事業
売上高
システム・インテグレーション(システム構
築、コンサルティング)
、サポート(保守)
、
アウトソーシング /クラウドサービス
▼
主要顧客
売上高構成比
ハードウェア
サーバ、メインフレーム、スーパーコンピュー
タ、ストレージ、企業向けパソコン、タブレッ
ト端末、POS、ATM 、制御機器、無線 LAN
ルータ、ディスプレイ、プロジェクタ
▼
営業利益
2,705 億円
83 億円
主要製品・サービス
ソフトウェア
統合運用管理、アプリケーションサーバ、
セキュリティ、データベース
▼
売上高
業種 /業態別ソリューション例
官公:税・社会保障システム、指紋認証システ
ム、航空管制システム、衛星通信・地球
観測、野外通信システム
▼
主要顧客
官公、公共、医療、金融、メディア
28 %
システム・インテグレーション(システム構
築、コンサルティング )、サポート( 保守 )、
アウトソーシング /クラウドサービス、システ
ム機器
主要製品・サービス
3,741 億円
40 億円
売上高構成比
13%
スマートエネルギー
(電極・蓄電システム、エネルギー・マネジメ
ント ・ システム、EV ・ PHV充電インフラ、
AMI※2、ユーティリティ向けソリューション)
▼
営業利益
8,219 億円
748 億円
売上高構成比
携帯電話機
▼ ▼
売上高
主要製品・サービス
照明器具
※2 AMI:スマートメータ用の通信ユニット
42
主要事業一覧
組織図
公共
: 自治体システム、学校教育システム、郵便追跡
システム、消防指令システム、消防デジタル無
線、防災システム、交通管制システム、鉄道ネッ
トワークシステム、施設監視・エネルギー管理
医療
:電子カルテシステム、地域医療連携ネットワーク
金融
:銀行勘定系システム、営業店システム
メディア : TV番組制作 ・ 報道 ・ 送出システム、デジタル
TV送信機
業種 /業態別ソリューション例
製造
: グローバル SCM※1 システム、設計管理
システム、生産管理システム、販売管理
システム
流通・サービス:小売本部・店舗システム、物流管理シス
テム
※1 SCM:Supply Chain Management
社長
取締役会
ビジネスイノベーション
統括ユニット
SI・サービス&
エンジニアリング統括ユニット
サプライチェーン統括ユニット
営業統括ユニット
支社・支店
海外ビジネスユニット
▼
サービス &マネジメント
通信運用管理ソリューション(TOMS)
、サービスソリュー
ション
RHQ( 地域統括会社)
パブリックビジネスユニット
エンタープライズ
ビジネスユニット
▼
企業ネットワーク
IP テレフォニーシステム、WAN/ 無線アクセス装置、
LAN製品
▼
サービス
データセンター基盤、サポート(保守)
テレコムキャリア
ビジネスユニット
スマートエネルギー
ビジネスユニット
システムプラットフォーム
ビジネスユニット
中央研究所
コーポレート
43
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