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auto S
スライド式レンズフード
コニカオートSにはレンズフードが組込まれて
おります。外周を持って引き出すとそのままレン
ズフードになります。レンズフードは撮影光以外
の不要な光線を防ぎ、スッキリした写真を得るた
めに必要です。撮影のときはいつもお使いになる
ことをおすすめします。
B(バルブ)露出
シャッター速度ダイヤルをBにセットしシ
ャッターをきると、バルブ露出といって、
シャッターボタンを押している間だけシャ
ッターが開き、指を離すと閉じるので1秒
以 上 の 露 出 に 用 い ま す 。 B 露 出 は EE撮 影 に
は無関係です。したがってBは必ず手動絞
りで利用してください。
EE撮影におけるシャッター速度と絞りの自由な選択
コニカオートSはEE撮影においても、シャッターボ
タンを押す前にシャッター速度および絞り値を知る
ことができる特徴がありますから、あらかじめシャ
ッター速度と絞りを自由に選択することができま
す。
● シャッター速度に希望のあるとき
動体撮影で高速シャッターをきりたいとき、あるいは低速シャッターで動感を表現したいときなど、シャ
ッター速度に希望のあるときは、あらかじめ希望のシャッター速度をセットしておきます。そしてカメラ
を被写体に向けて、視野内の指針の両側に黄色が見えていればシャッターをきってください。
● 絞りに希望のあるとき
絞りを小絞りにして被写界深度を深くしたいとき、あるいは絞りを大きく開き被写界深度を浅くして背景
をボカしたいときなど、絞りに希望のあるときは、視野内の絞り目盛を見ながらシャッター速度ダイヤル
を回して、指針を希望の絞りに合わせます。
この操作の場合、シャッター速度ダイヤルは高速側では1/500秒で突き当りになりますが、低速側の突き
当りはBになり、BはEE撮影には無関係ですからご注意ください。なお、低速側においてはカメラぶれに
もご注意ください。
露出の修正を必要とするとき
コニカオートSのCdSによる連動露出計は受光角度
が狭いので、写角以外の光の影響を受けませんから、
カメラを被写体に向けただけでEE撮影をおこなって
結構です。しかし次のような条件のときには露出を
修正されることをおすすめします。
● 被写体が暗く周囲が明るい場合
● 被写体のみ明るく周囲が暗い場合
● 被写体が暗く周囲が明るい場合
非常に明るい背景の人物、逆光下の撮影のときは背
景の光が強いために実際に写したいものが露出不
足になります。
こんな条件のときには
1/2に下げた数値のASA−例えば−使用フィルムが
ASAl00ならASA50−に合わせてEE撮影してくださ
い。
あるいはファインダー視野内で絞り値を読み、手動
絞りによって一段開いた絞り−例えば−露出計の
絞りがF11なら手動絞り目盛をF8−に合わせて撮影
してください。
● 被写体のみ明るく周囲が暗い場合
人物のみ明るく背景の暗いような場合、トンネル内
からトンネルを含めた風景撮影などのときには、周
囲の暗さに影響されて、実際に写したいものが露出
過度になります。
こんな条件のときには
2倍に上げた数値のASA−例えば−使用フィルムが
ASA100ならASA200−に合わせてEE撮影してくださ
い。
あるいは露出計の絞り値を読み、手動絞りによつて
一段閉じた絞り−例えば−露出計の絞りがF5.6な
ら手動絞り目盛をF8−に合わせて撮影してくださ
い。
フラッシュ撮影
EE機 構 の 働 か な い 夜 間 や 、 う す 暗 い と こ ろ で
のスナップ、室内撮影などには、フラッシュ
バルブかストロボを使用してフラッシュ撮影
をおこないます。
フラッシュ撮影をおこなうには、フラッシュ
ガンをカメラのアクセサリークリップに取付
け、コードの先端のプラグをカメラボデー前
面のフラッシュ接続ソケットにつなぎ、フラ
ッシュバルブを取付けます。
● フラッシュ切替レバー
M接点 M級フラッシュバルブを使用する場合に
は、切替レバーをMの位置にセットしてください。M
接点はM級のフラッシュバルブ(タイムツーピーク20
ミリセコンド)を使って、全光量をむだなくすべての
速度に同調します。
X接点 ストロボを使用する場合にはXの位置に
セットしてください。X接点はタイムツーピークのほ
とんどないストロボ用としてありますから、この場合
は全速度に同調します。
● ストロボおよびF級フラッシュバルブはM接点では同調しませんからご注意ください。必ずフラッシュ同
調表を参照して使い分けてください。
● セルフタイマーはX接点だけに作動しますから、セルフタイマー使用によるフラッシュ撮影は、ストロボ
ならば1/500秒まで同調します。しかしフラッシュバルブ使用の際にはフラッシュ同調表を参照してシャ
ッター速度を選んでください。
フラッシュ同調表
○印……同調
×印……使用不可能
● フラッシュ撮影の露出
フラッシュ撮影はフラッシュバルブの発光を光源として写すのですから、フラッシュバルブの光の強さと
被写体までの距離に応じて絞りの調節によって露出を決めます。
フラッシュ撮影の露出は、それぞれのフラッシュバルブのガイドナンバーから簡単に算出できます。ガイ
ドナンバーとは被写体と光源間の距離に絞りのF値をかけた数字ですから、
絞りのF値=ガイドナンバー÷距離
距離=ガイドナンバー÷絞りのF値
となります。
フラッシュバルブの包装ケースにはガイドナンバーが示されておりますから、このガイドナンバーを光源
から被写体までの距離で割ったものが、そのときの適正絞りになります。
フィルターを使用する場合には
フィルターはねじ径49ミリ、ピッチ0.75ミリのねじ
込み式フィルターを使用します。フィルターを使用
する場合には、フィルターの露出倍数だけ露出を多
くかける必要があります。
● EE撮影のとき
あらかじめ、フィルターの露出倍数に合わせて、ASAレバーのセットをずらしておきますと便利です。
たとえば使用フィルムがコニパンSS(ASA100)で、露出倍数2倍のフィルターを使用するときは、ASAレバ
ーを50に合わせておけばよいのです。
● 手動絞リ撮影のとき
EE撮影のときと同じ方法によるか、またはASAは使用フィルムに合わせたままにしておき、ファインダー
視野内で読みとった絞り値よりもフィルターの露出倍数だけかけた絞り値を手動絞り目盛に合わせます。
たとえば露出倍数2倍のフィルター使用で、視野内絞りがF11を指したときには、手動絞り目盛をF8にセ
ットして露出を2倍かけてやります。
あるいは絞りはそのままでシャッター速度を一段遅くしても同じ結果になります。
被写界深度
レンズはある距離の被写体にピントを合わせたとき、その被写体だけではなく、その前後においても実用上
じゅうぶん解鋭に写る範囲があるものです。この鮮鋭に写る範囲をレンズの被写界深度といいます。
そして被写界深度は次のような性質をもっています。
1. 同じ距離においては絞りを小さく絞るほど深くなり
ます。
2. 同じ絞りならば近距離よりも遠距離にピントを合わ
せたときのほうが深くなります。
3. ピントを合わせた被写体の前方よりも後方に深くな
ります。
撮影距離に応じた被写界深度がカメラの被写界深
F16 のときの
被写界深度
度目盛に表示されます。被写界深度目盛には距離指
標を中心にして両側に絞り目盛が記してあります。
F4 のとき
ピントを合わせた後これを見ると、使用する絞り値
に囲まれた距離の範囲が被写界深度です。
たとえばピントを合わせた被写体までの距離が5
メートルであったとすると、F4のときには4メート
ルから7メートルまでが、F16に絞ると2.5メートル
から∞(無限遠)までが被写界深度に入り鮮鋭に写
ることがわかります。
距離指標
被写界深度目盛
被写界深度は絞りの変化によって深くしたり浅くしたりすることができますから、近距離の人物撮影で背景
をボカしたいとき、あるいは奥行きのある集合人物撮影などで前列から後列まで鮮鋭に写したい場合に活用
できます。
遠距離にピントを合わせた場合
近距離にピントを合わせた場合
距離基準マーク
カメラ上部、巻戻しノブのそばにある ○ が距離基準
マークで、被写体までの距離はすべてこのマークを基
準にして表示されており、フィルム位置になっており
ます。
赤外補正マーク
赤外フィルムを使用して赤色系フィルターを用いた
赤外線写真撮影では、赤外線は波長が長いのでピン
ト位置が多少のびるため補正を要します。つまり普
通にピントを合せた後、距離指標で距離目盛を読み、
その読み目盛を赤外補正マーク(被写界深度目盛の
4の赤マーク)まで移動すれば正しいピントが得ら
れます。
たとえば、ピントを合わせた結果が距離目盛で10メ
ートルとすれば、この10の目盛を赤外補正マーク位
置までずらせ、∞なら∞の目盛をマークまでずらせ
て合わせます。
水銀電池の交換
コニカオートSのCdSによる連動露出計には水銀電
池が用いてあります。水銀電池は、普通の使用状態
ならば約一年の寿命があり、電圧は使用経過ととも
に徐々に低下するものではなく、なくなるときには
急激になくなる性質をもっています。ですから、カ
メラの視野内絞り指針が働かないようになれば、電
池の性能が低下したのですから、新しい水銀電池に
取替えてください。
水 銀 電 池 は 1.3ボ ル ト
ナ シ ョ ナ ル MD型 ・ 東 芝
TH-MC型 な ど を 使 用 し ま す 。
● 水銀電池の出し入れは
宗 カメラ底部の電池室ぶたを硬貨などで反時計方
向に回すとふたがはずれます。
就 中にある水銀電池を取り出します。
州 新しい水銀電池の+側をふたの+側と合うよう
に入れてふたをしめます。
〔注意〕
● 水銀電池の表面を乾燥した清潔な布でよく拭
き、+−を間違えないように入れてください。
● 水銀電池の出し入れに金属製のピンセット類を
使わないでください。
● カメラを長期間使用しないときは、水銀電池を
取りはずして湿気の少ないところに保存してく
ださい。
● 水銀電池は充電することは不可能です。
● カメラをケースに入れないで屋外を持ち歩く際
には、高低切替レバーを必ずHの位置において
ください。Lにしたまま屋外の強い光にさらし
ますと水銀電池の消耗を早めてしまいます。
ヘキサノンF1.9 47ミリ 被写界深度表
許容錯乱円直径 3/100 ミリ(メートル)
(F1.9
47)
許容錯乱円直径3/100ミリ(フィート)
(F1.9
47)
CdS(硫化カドミウム光導電体)について
CdS は 光 の 強 弱 に よ っ て 抵 抗 値 が 変 化
する光導電体です。したがって従来の
露出計に使用されたセレン光電池のよ
うにそれ自体は電気を発生しません。
そ の た め 水 銀 電 池 (1.3 ボ ル ト ) を 電 源
と し て メ ー タ ー を 働 か せ ま す 。CdSは 耐
熱性、耐湿性にすぐれており、その感
度はセレン光電池の数百倍という高感
度をもっております。
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