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Untitled - World Bank

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Untitled - World Bank
「アフリカに光を」とは?
“ . . 農村部の照明市場は、途上国の低所得者で
構成される多くの市場同様、よく知られても
いなければ、開発もあまり進んでいません。
政府や、世銀のような国際機関、NGO、さまざま
な企業がネットワークを構築し、しかるべきビジ
ネス・モデルを策定することがきわめて重要です”
フィリップス社長兼CEO
ジェラルド・クライスターリー
「アフリカに光を」は世界銀行グループのイニシアティブで、サブサ
ハラ・アフリカに暮らす最大2億5000万人の人々が2030年までに非化石
燃料による低コストで安全かつ信頼性の高い照明を基本的なエネルギ
ー・サービスと共に利用できるようにしようというものです。
世銀と国際金融公社(IFC)が共同で運営に当たり、農村・都市・郊外
の低所得の世帯/企業を中心とする、電気を利用できていない層の照
明をめぐるニーズに応えていきます。対象となる市場では現在、コス
トが高く非効率で粗悪、さらに有害な燃料を使うことも多い製品(灯
油ランプやろうそくなど)が圧倒的であり、それに代わる製品を提供
します。
「アフリカに光を」は、貧困削減と生活の質改善によりミレニアム開
発目標(MDGs)の達成に貢献するもので、世銀の「開発のためのク
リーン・エネルギー投資枠組み」と「アフリカ・エネルギー・アクセ
ス拡大計画」の基盤となるものです。
照明と開発の関係
近代的な照明により実現できる利点は、次のとおりです。
中小企業(SMEs)の操業時間が延び、ひいては生産性向上、
所得機会の拡大、労働条件の改善、顧客拡大が実現する。
屋外照明が個人や企業、コミュニティの活動の安全性を高める。
教師を惹きつけると共に学生をつなぎとめるような環境を整え、
学校でも家庭でも学生はより長時間、読書と勉強ができるよう
になり、成績が上がって退学率が減る。
家庭における生産的な時間が増え、非公式の家内工業など
所得獲得の機会がもたらされる。
女性にとって男性との格差が縮まる。
成人に読み書き習得の機会や高等教育を受ける機会をもたらす。
保健サービスが充実し、病気による生産性低下が抑えられる。
H. Pastuszek
発光ダイオード(LED)は長寿命の上、持ち運びができて
Caption needed
Capt
頑丈なため、省エネルギーで高品質の光源である。
ろうそくの時代から近代的照明にすることで、暮らしと生計が改善
プロジェクトの背景-なぜ今なのか
現在、電気のない生活をしている人は世界で17億人を数えま
す。国際エネルギー機関(IEA)の予想によると(大きな政治的
変化がないものとして)電力網拡大のために現在予定されて
いる投資だけでは、2030年の時点でまだ14億人が近代的なエ
ネルギー・サービスを受けられないで取り残され、そのため人
間としての基本的なニーズが満たされず、経済発展も難しいと
されています。問題が特に深刻なサブサハラ・アフリカでは、現
在5億人が近代的なエネルギーを利用できておらず、農村の
電気利用率はわずか2%という低い水準にとどまっています。
特に貧しい人々にとっては、エネルギーを利用する行為の中
でも照明は一番高くつくことが多く、世帯所得の10-15%を占め
るのが一般的です。しかし、燃料を使った照明では乏しい収入
の多くを割いていながら、ほとんど何ももたらしていません。
電球型蛍光ランプ(CFL)や発光ダイオード(LED)など、照明
技術の新たな進歩により、環境に優しく持ち運びができて長持
ちし、しかも低コストで質の高い照明が登場しています。課題
は、こうした製品を「エネルギーを十分に利用できていない」
アフリカの5億人の人々が使えるようにすることです。現在、燃
料を使った照明のための支出は年間380億ドルと推定されて
います。世界の照明産業がこの新しい市場に展開すれば、
顧客にサービスを提供すると同時に現地の商業を活性化し、
雇用創出と所得拡大を実現しながら、大気を汚染しない形で
電化を進め、健康
を増進し、安全性・
生活の質を改善で
きる可能性があり
ます。
「アフリカに光を」の目標
このイニシアティブは、次のような形で近代的照明への移行を
促進していきます。
手ごろな価格で信頼できる高品質の多様な照明製品・
サービスを消費者が利用できるようにする。
技術・財務・政治・情報・制度などの面での現在の障害
を解消することで、近代的な照明製品の拡充に向け、
市場の状態を改善する。
各国政府、民間セクター、国際機関、非政府組織(NGO)
を動員して、アフリカの貧困層に近代的な照明サービス
が普及するよう強力に働きかける。
民間セクターの活動を促進する 国際的な照明業界と
現地のサプライヤ/サービス提供業者との結びつきを
強め、はるかに低コストの製品の製造、流通、販売で利
益を上げる。
「アフリカに光を」は非化石燃料を使った低価格の照明を
急速に普及させ、特に大幅なコスト削減を実現しようとして
います。アフリカそして世界中にすでに確立されている組
織としての能力を活用し、幅広い消費者のニーズに焦点を
当てていきます。
「アフリカに光を」は特定のテクノロジーの導入を図るもの
ではなく、低コストで高品質の照明サービスを提供するた
めにさまざまな近代的なエネルギーを導入する用意があり
ます。官民を問わず多様なセクターの関係者と協力して、
送電コストを引き下げ、市場リスクを軽減し、商業原理を促
進します。たとえば、保健、教育、水などのセクターにおけ
る政府プログラムに低コスト照明の導入を図ると同時に、
農村部民間産業、企業、組合、NGOとの協力により消費者
に照明製品を普及させます。
店で近代的照明を使えれば業務時間が伸び、
収入が増え、安全性が高まる。
期待される成果
「アフリカに光を」の活動
このイニシアティブでは以下のような成果が期待されて
います。
「アフリカに光を」は、IFCのリーダーシップの下で実施されている「ピラミッ
ドの底辺に光を(LBOP)」というプロジェクトを踏まえたものです。また、世
界30カ国以上でオフ・グリッド(電力網に連結されていない)地域の電化事
業を支援した世銀の経験も活用しています。「アフリカに光を」は、多様な
分野にわたるイニシアティブであり、よりよい照明の利用に向け需供両面
における制約を解消しようとしています。具体的な活動内容は以下のとお
りです。
改良された近代的照明製品/サービスを貧困
層が利用しやすくなる
化石燃料を使った照明を低コストで質の高い
照明に代える
消費者の生活の質を高める
市場リサーチの支援 消費者の需要行動と嗜好、現地でのサプ
ライ、マーケティング、販売経路についての理解を深める。
現地の起業家や企業の能力・所得が拡大する
世界の照明産業と現地のサービス提供者との間の連携強化 低
コストの照明製品の設計・開発・販売を図る。例えば、「ディベロ
ップメント・マーケットプレース」での競争、企業間の連携促進、中
小企業(SMEs)の強化など。
世界の照明メーカーが新しい市場セグメントに
効果的に参入する
資金調達の促進 サプライヤや最終利用者が低金利での融資
を利用しやすくし、投資家のリスクを軽減すると共に、現地金融
機関(およびマイクロファイナンス)の動員、世銀グループ融資の
提供クリーン開発メカニズム(CDM)の手法導入による消費者コ
ストの引き下げを図る。
アフリカ諸国、地域プログラム、ドナー、国際
機関、民間セクターがこのビジネス・モデルを
採用する
化石燃料を使わないことで温室効果ガスの排
出を削減する
本イニシアティブの一環として一連の目標達成指標が
設定され、実施と並行してモニタリング・評価が行われ
ます。
標準、証書、ラベルを開発 商品の品質を高め、市場参入間もな
い照明製品やサービスに対する消費者の認知と信頼を高める。
政策支援、市場での大量購入、リスク共有、セクター横断的プロ
グラムとの結びつきを通じて市場の需要を集約する。
光源別に見た二酸化炭素の排出量(kg/年)
知識の共有とキャパシティ・ビルディングを促進 企業対象のウ
ェブ・ポータル、研修とトレーナー養成プログラム、官民パートナ
ーシップ、制度の強化、新しいビジネス・モデルやツールキットの
開発を進める。
2
Emissions
350
300
250
kg/年
「アフリカに光を」はアフリカ大陸全土における照明のニーズを満たすこと
を目指しています。行動は需要に基づいたものとし、エネルギー・アクセス
のない人々に近代的照明を積極的に普及させることに関心のある国が支
援対象になります。
CO
二酸化炭素排出量
2
200
150
100
50
0
単純な
灯油ランプ
灯油使用
のハリケーン・
ランプ
加圧型
灯油ランプ
CFL
LED
(非化石燃料) (非化石燃料)
出典:Jones, R. Jianping D., Zachary G., Ilan G. and Mills, E.
Alternatives to Fuel-Based Lighting in Rural China, Proceedings of
Right Light 6. May, 2005, China.
エバン・ミルズ博士
ダルエスサラーム(タンザニア)で夜間に靴を売る店。左は灯油ランプで、
右は1ワットのLEDで照らしたところ。
プロジェクトのスポンサー
NGOの方:「アフリカに光を」は、プロジェクトの推進・実施
を支援できる経験と能力を備えたNGOを求めています。
現在のスポンサーは以下のとおりです。
世界銀行グループ(WBG)
エネルギー・セクター管理支援プログラム(ESMAP)
地球環境ファシリティ(GEF)
民活インフラ助言ファシリティ(PPIAF)
ノルウェイ、ルクセンブルグ、英国などの二国間ドナー
欧州委員会(EC)
再生可能エネルギー・エネルギー効率パートナーシップ
(REEEP)
想定参加者とその可能性
「アフリカに光を」は、プログラムの実行に参加するさまざまな
パートナーを募集しています。
政府関係者の方:「アフリカに光を」は、特に農村部の貧困
層に対し、近代的な照明サービスを急速に普及させるため
の手段となります。
ドナーの方:「アフリカに光を」は、アフリカの重要なエネル
ギー問題に対する革新的で大規模な官民共同の解決策
を支援する機会を提供します。また、国/地域レベルや地
球規模に転用できる可能性が大きいプロジェクトでもあり
ます。
国際照明メーカー/業界関係者の方:「アフリカに光を」は
、オフ・グリッドの照明製品・サービスについて、未開発な
がら急拡大の見込める大規模市場の可能性を試し、参入
するユニークな機会となります。すでに参入している企業
の場合、現行の顧客基盤に提供する製品・サービスを拡
大・多様化するのに役立ちます。
現地の販売業者/サービス提供業者の方:「アフリカに光
を」は、新製品で既存のネットワークを活用し、新規市場に
参入する機会となります。
金融機関の方:「アフリカに光を」は、電化の遅れている農
村部に近代的な照明を普及させる革新的なビジネス・モデ
ルの策定を目指しており、パートナーとなる金融機関、
マイクロファイナンス機関、投資家を求めています。
これまでに、何百もの官民団体やシビルソサエティ組織が
「アフリカに光を」のパートナーとして登録しています。
なぜ世銀グループは「アフリカに光を」を支援しているのか?
CFLやLEDといった高度な製品がオフ・グリッド市場において
大きな役割を果たしますが、多くの世帯や小規模事業は今も
そうした製品を利用できないでいます。最貧困層にとっての照
明は粗悪でコストの高い灯油ランプやろうそくに限られている
のが一般的です。
民間セクターはこうした市場において重要な役割を果たすこと
ができますが、まだ多くの障壁がピラミッドの底辺にある市場
や地域への投資を妨げています。具体的には、消費者ニーズ
に関する情報がないこと、料金支払能力やその意思に欠けて
いること、新製品開発や市場参入の初期費用が莫大であるこ
と、灯油ランプへの補助金など政策面で障壁が存在すること、
制度面の障壁により製品販売や物流を担当する有能なパート
ナーを特定するのが難しいこと、知的財産権保護などの法律
上の問題が挙げられます。
世銀グループはこうした障壁の解消および市場ギャップの緩
和のほか、貧困層にとっての費用効果の高い照明の普及を
支援することができます。市況情報や専門知識を利用できる
ようにすること、政策面の懸念に対処するため政府を動員す
ること、資金調達とリスク緩和の手段を支援すること、官民・市
民組織の間に立って誠実な仲介役を務めることなどにより、世
銀グループは、市場を変容させ貧困層にもたらされる恩恵を
拡大するための業界の取り組みを支援することができます。
詳細について
「アフリカに光を」は世界銀行とIFCが共同で運営管理しています。
連絡先:
Mr. Cyril N. Kattah
Lighting Africa Program Manager
Lighting Africa - IFC Accra Regional Office
1 Central Link Street South Legon
P.O. Box CT 2638 Cantonments, Accra, Ghana
Email: [email protected] / Website: www.ifc.org/africa
Mr. Anil Cabraal
Lighting Africa - World Bank Program Manager
Mr. Russell Sturm
Lighting Africa - IFC Program Manager
www.lightingafrica.org
THE WORLD BANK
1818 H Street, NW
Washington, DC 20433 USA
Tel: (202) 473-1000
Fax: (202) 477-6391
www.worldbank.org
LUXEMBOURG
INTERNATIONAL FINANCE CORPORATION
2121 Pennsylvania Avenue, NW
Washington, DC 20433 USA
Tel: (202) 473-1000
Fax: (202) 974-4404
www.ifc.org/enviro
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