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国際関係論(1 年生)/国際関係論 I (2 年生以上) 第 03 回 10 月 02 日
「国際機構」
http://islamandeconomy.web.fc2.com/2015chuis/
I.
国際機構
(1)概要
名称:
政府間国際機構
(inter-governmental organization: IGO)
定義:
①常設的な組織。②基本文書(憲章、規定、定款など)。③国家や公的な権力主体。④複
のメンバー。⑤国家間の合意。⑥メンバーの意思(の総和)とは別に、機構固有の意思(を表明で
きる組織や代表者)が存在。
目的:
①国際社会で発生する多様な諸問題を扱う。②特定の分野のみを扱う
地域:
①地球全体にネットワークを持つ。②特定の地域限定で活動する
国際機構と NGO(Non-Governmental Organization)の違い
メンバーとなれる資格:
国家やそれに準ずる公的な権力主体⇔個人、団体、企業
国際機構と NGO の関係:
①共同活動。②情報提供。③活動チェック
(2)成立基盤
国際機構の必要性
国家の利害と他国との調整
前提:
①他国を、自らと対等な国家として認める。②各国間に利害関係が存在
共通の利益:
19 世紀の例
科学技術の発展:
電信・電話、郵便、鉄道
利害関係の発生とその調整:
高い
→ヒト・モノ・情報が簡単に国境を越える
国により制度、規格、料金体系が異なるより統一した方が利便性
→利害関係を調整する国際機構が必要
(3)役割
国家と国際機構:
国家=自国の利益
⇔
国際機構=国際社会の一般利益
国際機構の役割: ①国家の対外政策を実現する手段。②特定の問題について討議する場。③国際
機構自体が国際社会の中でアクターとなる
①対外政策を実現する手段:
国家:
自国の利益を最大化/損失を最小限化させる対外政策を有する
国際機構へのアプローチ:
②討論の場:
問題設定:
立場の表明:
討論の場:
他国との利害関係を調整。国際機構を通じて自国の対外政策を実現
問題の設定と立場の表明
国際社会において「議論し、利害調整を行うべき問題」との認識
議論深化
③国際社会のアクター:
→国際的な公共政策が生み出される
アクターとしての国際機構
国家間の利害対立を含みつつも国際社会の一般利益を追求
国際社会のアクター:
II.
対外政策
加盟国の意思(の総和)を超えた意思を持つ
国際連合
(1)国際連盟の誕生と失敗
国際連盟の誕生: 第一次世界大戦→米大統領ウィルソン「14 ヶ条の平和原則」を提唱→パリ講和
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国際関係論(1 年生)/国際関係論 I (2 年生以上) 第 03 回 10 月 02 日
「国際機構」
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会議、ベルサイユ条約を締結→1920 年 1 月、国際連盟の初会合実施
概要:
国際連盟(League of Nations)。本部=ジュネーブ。戦勝国 29 ヶ国+中立国 13 ヶ国
国際連盟の意義:
平和構築の手段の転換
勢力均衡(balance of power):
←従来の勢力均衡から集団安全保障へ
一つの国家が国際社会を支配する力を持たないよう、潜在的脅
威に対しして対抗する勢力を作ろうとする動きが生まれる
集団安全保障(collective security):
各国が個別に安全保障を追求するのではなく、集団とし
て確保すること。侵略行為を行う国を、集団全体に対する脅威とみなし、集団で対処
国際連盟の機関:
連盟総会、連盟理事会、常設連盟事務局、常設国際司法裁判所
国際連盟の失敗
第二次世界大戦
→1946 年 4 月、国際連盟は解散
①大国が未加盟・脱退:
②全会一致制:
→新たに国際連合が発足
集団的安全保障を行う上で大国が加盟していないと、実効性欠く
大国・小国が平等=全ての国に拒否権。制裁の議決通らず
③限定的な制裁手段: 外交断絶、経済制裁、軍事制裁。
「戦争を起こしても損をする」という考
えが浸透せず
(2)国際連合の誕生
国際連盟失敗への反省
国際連盟:
第二次世界大戦の発生を防げず
新たな集団安全保障体制の構築を期待
→国際連合を組織
経緯:
1941 年、大西洋憲章:
1943 年、モスクワ会議:
ルーズベルトとチャーチル。戦後の国際秩序構想
米英ソ外相会議。世界的な平和機構の設置
1944 年、ダンバートン・オークス会議:
連合国。国連憲章の草案作り
1945 年 2 月、ヤルタ会議: 米英ソ首脳。極東と欧州に関する秩序形成大国一致の原則(5 大国
の拒否権)
1945 年 4-6 月、サンフランシスコ会議:
連合国。国連憲章に調印
1945 年 10 月、国連発足
加盟国:
①1945 年発足時、連合国 50 ヶ国+ポーランドの計 51 ヶ国。②2011 年現在 193 ヶ国。
未加盟:バチカン、西サハラ、中華民国(台湾)など
国連分担金: 経費賄うために各国に課される拠出金。40 ヶ国以上に分担率が適応。0.001%~22%
(アメリカ)
。日本は 10.833%で 2 億 7,610 万米ドル負担
(3)主要機関・専門機関・その他の機関
主要機関
総会:
全加盟国が平等な資格で参加。国連の諸活動についての基本的な意思決定。1 国 1 票の
原則。通常総会は毎年 9 月、特別総会、緊急特別総会
安全保障理事会:
紛争解決、平和維持。新規加盟や国連事務総長選出で権限。拒否権を持つ 5
つの常任理事国(米露中英仏)と、10 非常任理事国。議決は全ての国連加盟国を拘束
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託統治理事会:
1994 年のパラオ独立により信託統治地域がなくなったため、活動終了
経済社会理事会:
事務局:
経済、社会、文化、教育、保健などで審議、勧告。多くの専門委員会
事務総長と、事務総長によって任命される事務局職員。本部は NY。事務総長は実質
的な最高指導者。安保理の勧告に基づき総会が任命。大国から選出しないのが通例
国際司法裁判所:
国家間の紛争を司法的に解決するための裁判所。国際連盟時の常設国際司法
裁判所を継承。本部はハーグ(オランダ)。裁判官は出身国が異なる 15 名
専門機関
特徴:
国連と特別協定を結んでいる国際機関
主な専門機関:
①経済分野:
国際労働機関(ILO)、国連食糧農業機関(FAO)、世界銀行グ
ループ(World Bank Group)、国際通貨基金(IMF)、国連工業開発基金(UNIDO)、世界観光
機関(UNWTO)、国際海事機関(IMO)、国際農業開発基金(IFAD)。②教育・科学分野:
国
連教育科学文化機関(UNESCO)、国際民間航空機関(ICAO)、国際電気通信連合(ITU)、万国
郵便連合(UPU)、世界気象機関(WMO)、世界知的所有権機関(WIPO)。③保健・健康分野:
世界保健機関(WHO)
補助機関
特徴:
総会によって設立された総会附属・常設機関。○○計画、○○基金、○○研究所、とい
った名称多い
主な補助機関: 国連貿易開発会議(UNCTAD)、国連開発計画(UNDP)、国連環境計画(UNEP)
、
国連人口基金(UNFPA)、国連高等難民弁務官事務所(UNHCR)、国連児童基金(UNISEF)、
国連世界食糧計画(WFP)、国連大学(UNU)
関連機関
特徴
:
連携協定は結んでいないものの国連と密接な協力関係ある国際機関
主な関連機関:
III.
国際原子力機関(IAEA)、世界貿易機関(WTO)
地域的国際機構
(1)地域主義
地域機構
概要:
一定の地域に属する複数の国家によって構成される国際機構。集団安全保障/経済協力
リージョナリズム
概要:
国際経済で地域的な経済統合を推し進めようという理念・行動。地域単位で国家間の連
携強め、経済市場を拡大して経済活性化。経済政策の協調、域内での貿易の自由化。EU が見本
(2)EU
特徴: 原加盟国 6 カ国
→西側諸国が段階的に加盟
→21 世紀以降、東欧や地中海諸国が加盟。
2013 年現在、加盟国は 28 ヶ国
EC の発展:
①シューマン・プラン(1950 年)。②3 つの共同体。③1967 年、3 つの共同体を 1
つに統一。欧州共同体(EC)。④1968 年、関税同盟
市場統合から経済統合へ: ①1987 年、単一欧州議定書、市場統合を目指した基本条約。1993 年
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国際関係論(1 年生)/国際関係論 I (2 年生以上) 第 03 回 10 月 02 日
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統一。②1993 年、マーストリヒト条約による経済統合促進、共通の外交・安全保障政策。名称が
欧州共同体(EC)から欧州連合(European Union: EU)へ。③ユーロ圏:1998 年欧州中央銀行
(ECB)、1999 年欧州共通通貨導入、2002 年各国通貨廃止
外交・安全保障政策の統合
共通政策の広がり:
産業、保健、教育、エネルギー等
建設的棄権:
外交・安全保障分野:
EU の軍隊:
常設軍たる「EU 軍」は存在しない
2001 年ニース条約:
賛成国のみ実施義務
⇔
棄権国は実施義務免除
→状況に応じて部隊を編制
先行統合
2004 年 10 月、リスボン条約:
EU の憲法。大統領職と外相ポストを新設
欧州理事会:
年 2 回以上開催される首脳会談で、EU の基本政策を決定
理事会議長:
通称「EU の大統領」
EU 理事会(閣僚理事会)
:
欧州委員会:
欧州議会:
加盟国の閣僚による意思決定機関。共通政策の協議・決議
政策の遂行と各行政機関の運営。20 名の委員が「内閣」、委員長が「首相」
住民の代表であり、直接選挙で選出。立法権なし
(3)ASEAN
概要:
1967 年 8 月、5 カ国で設立された東南アジア地域の国際機構
名称:
東南アジア諸国連合(Association of South‐East Asian Nations)
加盟国:
目的:
設立時は 5 ヶ国→現在は 10 ヶ国。東チモールを除く全東南アジア諸国が加盟
設立当初は東南アジアの共産勢力拡大を防止する役割
→各国の内政には不干渉
ASEAN を拡大させたフレームワーク: ASEAN+3、EAS(東アジア首脳会議)、ASEAN・PMC
(ASEAN 拡大外相会議)、APEC(アジア太平洋経済協力)、ARF(ASEAN 地域フォーラム)
(4)OIC
イスラーム協力機構:
Organization of Islamic Cooperation(OIC)
主に中東、北アフリカ、南・中央・東南アジアのイスラーム諸国 57 ヶ国が加盟
きっかけ:
1969 年、エルサレムのアル=アクサー・モスク襲撃事件
→イスラーム諸国の連帯
対外的には親米⇔反米、機構内ではスンニ派⇔シーア派などの対立軸
(5)その他
南北アメリカの国際機構
北米自由貿易協定(NAFTA):
米、加、墨による関税撤廃を目指す枠組み
南米南部共同市場(MERCOSUR):
1991 年、アスンシオン条約により南米諸国が域内自由市
場創設を目指して結成された国際機構
アフリカの国際機構
アフリカ連合(AU):
1963 年にアフリカ統一機構として発足、2002 年に AU に改組
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国際関係論(1 年生)/国際関係論 I (2 年生以上) 第 04 回 10 月 02 日
「国際関係の構造」
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I.
第二次世界大戦までの国際関係
(1)17~19 世紀
ウェストファリア条約
三十年戦争(1618~48 年):ハプスブルク家、神聖ローマ帝国、ローマ・カトリックの権限縮小
条約が後の西欧に与えた影響:
①主権国家体系の成立、②国際法の原則確立、③勢力均衡
(2)第一次世界大戦
発端:
1914 年サラエヴォ事件
パリ講和会議(1919 年):
→三国同盟(独、伊、オーストリア)⇔三国協商(英、仏、露)
米ウィルソン大統領の「14 ヶ条の平和原則」→ヴェルサイユ条約
1920 年、同条約に基づき国際連盟が発足
(3)戦間期
ヴェルサイユ体制期(1920~24 年)
: 敗戦国(ドイツ)へのヴェルサイユ条約等の強制。ロシア
革命
→資本主義と社会主義の対立の発生(冷戦の萌芽)
相対的安定期(1924~29 年): ドイツ、賠償金支払いと国際連盟加盟。1928 年、63 ヶ国による
不戦条約(ケロッグ=ブリアン条約)の調印
大恐慌期(1929~33 年):
1929 年大恐慌。米のニュー・ディール政策⇔英・仏のブロック経済
ファシズム期(1933~39 年):
日・独・伊でファシズムが台頭。国際連盟脱退
→1939 年、二
度目の世界大戦(第二次世界大戦)が勃発
(4)第二次世界大戦
構図:
枢軸国(日・独・伊)
⇔
連合国(英・仏+米・露)
戦後処理
1941 年、大西洋憲章:
ルーズベルトとチャーチル。戦後の国際秩序構想
1943 年、モスクワ会議:
米英ソ外相会議。世界的な平和機構の設置
1944 年、ダンバートン・オークス会議:
連合国。国連憲章の草案作り
1945 年 10 月、国連発足
II.
冷戦下の国際関係
(1)冷戦とは?
定義: 実際の戦争(熱戦)にはならないまでも、互いに相手を敵とみなして、軍事的な対立姿勢・
緊張状態を取り続けること。第二次世界大戦後、米中心の西側諸国とソ連中心の東側諸国が対立。
1990 年頃まで続く。別名:
米ソ冷戦、東西冷戦
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冷戦とイデオロギー:
資本主義と社会主義という政治理念・イデオロギーの対立
(2)冷戦の始まり
ヤルタ会議:
1945 年 2 月、クリミア半島のヤルタで、チャーチル英首相、ルーズベルト米大統
領、スターリン・ソ連首相が会談。米、ソ連の東欧進出を懸念⇔ソ連、反資本主義と米批判。イデ
オロギー対立が表面化
フルトン演説: 1946 年、チャーチル前英首相「ヨーロッパを横切る鉄のカーテンが降ろされた」
トルーマン・ドクトリン:
1947 年 3 月、トルーマン米大統領による声明。モンロー主義からの
転向と、反共政策と明確化
→冷戦の開始
マーシャルプラン:
1947 年 6 月、マーシャル米財務長官、「欧州経済復興計画」の提示
東西両陣営、政治的・経済的な結束を固める
(3)危機と代理戦争
西側自由主義陣営と東側社会主義陣営による対立
ドイツ:
ドイツ連邦共和国(西ドイツ)
インドシナ戦争とベトナム戦争:
朝鮮戦争:
対立の構図:
北朝鮮
⇔
⇔
北ベトナム
ドイツ民主共和国(東ドイツ)
⇔
南ベトナム
韓国
各陣営に属する勢力・国が、反対の陣営と対立。それぞれ陣営の背後に米とソ連
(4)デタント(緊張緩和)
フランス語の détente。
「緊張緩和」
「雪解け」。フランスのド・ゴール大統領命名。1960-70 年代の
核軍縮交渉の進展と直接対立の回避を指す
1956 年、フルシチョフによる「スターリン批判」演説。
「核戦争に替わる唯一の選択肢は、両陣営
による平和共存」
キューバ危機
(1962 年 10 月):
米ソの対話によって核戦争勃発を回避
デタントの背景: ①米:ベトナム戦争で財政状況悪化→軍拡のための予算が限定。②ソ連:計画
経済が行き詰って経済が悪化
(5)非同盟運動
非同盟主義:
第二次世界大戦後独立した国々:
旧植民地、東西両陣営にも属さず
アジア・アフリカ会議(バンドン会議)
(1955 年)
: インドネシアのバンドンに 29 ヶ国の首脳が
集まり「平和 10 原則」採択
非同盟諸国会議(1961 年):
バンドン会議を引き継ぐ形で結成。3-5 年ごとに首脳会議。100 ヶ
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国以上加盟
(6)冷戦の終結
デタントの後退と新冷戦
1979 年、ソ連のアフガニスタン侵攻:
1981 年、レーガンが米大統領就任:
新デタント:
モスクワ五輪をボイコット
戦略防衛構想(SDI 構想)
1985 年、ゴルバチョフがソ連書記長に就任。ペレストロイカ(改革)とグラスノ
スチ(情報公開)を推進。新デタントが進められる←経済的理由から軍縮が必要
東欧の民主化:
1988 年、新ベオグラード宣言。1989 年 11 月、ベルリンの壁崩壊。1990 年、ド
イツ統一
冷戦終結宣言:
ソ連の解体:
1989 年、マルタ会談(ブッシュとゴルバチョフ)→東西両陣営の対立関係解消
1991 年 12 月までに 15 共和国全てが独立
→連邦制だったソ連は国家権失う
(7)冷戦の歴史的意味
歴史的意味:
第二次世界大戦終結(1945 年)~ソ連崩壊(1991 年)。冷戦前と後で国際社会が
大きく変化
影響:
①国際社会の構造変化
冷戦前:
国家は国際情勢に応じ、自国に利益を求め、対外に勢力均衡を図る。お互いのイデオ
ロギーや国家体制の違いにとらわれない
冷戦:
影響:
米中心の自由主義・資本主義陣営⇔ソ連中心の社会主義陣営の二極化とその継続
②新興国への介入
両陣営とも、新興国へ軍事的・経済的支援を実施
新興国側の状況:
国内の政治的権力闘争と絡み合い、内戦や地域紛争に発展。朝鮮戦争、ベト
ナム戦争、アフガニスタン紛争、など
両陣営に組みしない第三極を形成:
影響:
③軍事力の影響
核兵器:
核抑止論と均衡
軍拡と軍需産業:
III.
バンドン会議、非同盟諸国会議
→軍事バランスが崩れないよう軍拡を続ける必要
軍部と軍需産業による癒着(軍産複合体)
→政治経済を左右
ポスト冷戦期の国際関係
冷戦終焉後の国際社会
冷戦の終焉:
多極化:
二極化から、冷戦前の多極化・勢力均衡の状態に回帰
冷戦期の二極化の構図に比べ、問題が多岐にわたり、かつ複雑化
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ポスト冷戦期の特徴: ①国家の枠組みの溶解。②国家間の利害調整の手段の増加。③国家間の相
互依存関係の深化。④紛争解決のための方法の制度化
特徴:
①国家の枠組みの溶解
国際社会:
大戦前=国家間関係が国際社会を動かす要因
→冷戦後=多様なアクターの登場
国家の閉鎖性や排他性が解かれ、国家の枠組みが溶解
特徴:
②国家間の利害調整の手段の増加
国際機構:
大戦前=国際連盟(大国の未加盟・脱退)→冷戦後=国際連合。192 の加盟国。多
数の専門機関、補助機関、関連機関
西側諸国から全世界へ:
第三世界:
経済協力開発機構(OECD)、先進国首脳会議(サミット)
ASEAN、アフリカ連合(AU)など
国家間の交渉の場と機会を数多く提供
特徴:
③国家間の相互依存関係の深化
経済の繋がり:
経済分野で自給自足的な国家運営を維持している国はほとんどない。国家間で
ヒト・モノ・カネ・情報が大量に(自由に)移動。経済、政治、社会、文化の各方面で相互に緊
密な関係
安全保障から共存・繁栄へ:
自国の生存と安全をいかに他国から守るか=安全保障
→国家間
の共存繁栄と、相互依存の良好な関係を構築。
「軍事力で屈服させるよりも、お互いに共存関係を
維持した方がよい」。自国にとってより損失が少なくなる合理的な判断
冷戦中の西側諸国:
陣営内では戦争が勃発せず。共産主義、東側陣営という「共通の敵」が存
在。経済的繋がりから生まれた相互依存関係が醸成
特徴:
④紛争解決のための方法の制度化
国際連合の平和維持活動(PKO):
軍事監視団、平和維持軍。紛争の拡大防止、休戦協定の履
行監視、治安維持、選挙監視
その他の枠組み:
多国籍軍、NATO 軍
新たに発生した問題
①戦争の構図:国家間ではない対テロ戦争。西欧 vs.非西欧という対立の構図
②経済の波及:
リーマン・ショック、ギリシア財政危機など。一国・一地域で起きた経済問題
が世界中に拡大
③途上国の経済発展:
環境破壊。貧富の差の拡大。資源獲得競争
④新たな軍事的脅威、崩れる勢力均衡:
核開発による核拡散。軍事力を台頭させる国の登場
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