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恋愛ゲームは1980年代後半から発売され、 今日では、さまざまなハード

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恋愛ゲームは1980年代後半から発売され、 今日では、さまざまなハード
はじめに
恋愛ゲームは1980年代後半から発売され、
今日では、さまざまなハードで多くのタイトルが発表
されており、そのすべてを把握するのは難しい。
本レポートでは恋愛ゲームに関する基本的な情報を
可視化し、これまでの傾向と今後の動向を考察する。
使用データの詳細
•
本レポートでは文化庁の公開している
メディア芸術データベース※1のうち、2000年以降に発売さ
れ、キーワード「恋愛」を含むデータ※2を扱う
•
各ゲームタイトルは、以下の情報を有する
1. 発売日
2. 価格
3. 制作会社
4. 対応ハードウェア
•
使用データの一例を右図に示す
※3
※1 http://mediaarts-db.jp/ ※2該当データ数は1100件
※3図データはいずれも対応ハードウェアはXbox360
可視化結果 1
ハードウェアによる階層化
•
データを発売日順にソートし、ハードウェア情報で階層化した
結果を以下に示す。
色は発売日(古い 新しい)、高さは価格を示す。
階層構造は右図のようになっている。
./
nintendo
PS
Xbox
Xbox Xbox360
PS PS2 PS3 PSP PSvita
advance DS 3DS wii
可視化結果 1
ハードウェアによる階層化
可視化結果の考察
1. PSシリーズがほぼ8割を占めている
nintendo
PS
PS
PS2
PS3
Xbox
PSP PSvita
2. PSやnintendoのソフト価格は全体的に低い
PS2以降やXbox360と比べて、ハードのグラフィック・音声の
性能が低いため、制作コストも低いことが理由として考えられ
る。また、シナリオのボリュームも少なかったことが推測され
る。
3. 2007年∼2012年(黄色∼橙色)にかけて、価格
の高いタイトルが比較的多く発売されている
これらのタイトル詳細をみると、限定版などのCDやイラスト特
典付きタイトルとなっている。シナリオやシステムなどのゲー
ム内容でなく、作品のキャラクタを推した作品が増えていると
考えられる。
4. 2012年以降(橙色∼赤色)にかけて、限定版の価
格が低い
以前は限定版の価格が通常版の倍近くなっていたが、近年はそ
の価格が抑えられる傾向にある。
5.PSP登場後も
ソフトが発売されている
4.限定版の価格が
抑制されている 3.限定版の発売が多い5. PSPの登場以降もPS2でソフトが発売され続けて
いる
PSPの登場により手持ちタイプの恋愛ゲームが広く普及したが、
一方で据置型の恋愛ゲームへの支持も多く、2007年頃までPS2
でソフトが発売され続けていたことがわかる
可視化結果 2
制作会社による階層化
•
データを発売日順にソートし、タイトルの制作数上位7社で階層化
した結果を以下に示す。
色は発売日(古い 新しい)、高さはハードウェアを示す。
階層構造,ハードウェアの高さの詳細は右図のようになっている。
./
5pb.
IdeaFactory
拓洋
KOEI
角川
キッド
D3Publisher
ハード名
高さ
ハード名
高さ
ハード名
高さ
advance
10
PS
250
PSvita
330
DS
30
PS2
270
Xbox
600
3DS
50
PS3
290
Xbox360
620
Wii
70
PSP
310
others
800
可視化結果 2
制作会社による階層化
可視化結果の考察
1. 2000年のドリームキャスト時代からソフトを制
作している会社は、近年のタイトルが少ない
D3
Publisher
5pb. 拓洋 角川 キッド
キッドや角川は2000年∼2002年にかけての制作が多く、
ハードウェアも[others]が多い。近年はほとんど発売してお
らず、PS2以降に対応したソフトがないことがわかる。
KOEI
IdeaFactory
2. IdeaFactoryはハードをPS2からPSPへ移行し、
販売タイトル数を伸ばしている
2007年のPSP発売後、IdeaFactoryはPSP向けソフトに徐々
に移行し、2012年(橙色)移行はほぼすべてのタイトルが
PSP向けとなっている。
3. D3PublisherはPSP、Xbox、3DSなど、さまざま
なハードウェア向けのタイトルを えている
4.色の傾向が
IdeaFactoryと
類似する
1.ハード[others]が多い
2.PSPへの移行後
タイトル数が多い
3.さまざまな
ハードウェア
2007年(緑色)頃はPS2のタイトルが多いが、2008年以
降DSやPSP、Xboxなど幅広いハードウェアでタイトルを制
作している。
4. 拓洋、5pb.の色の傾向はIdeaFactoryと似てお
り、今後の展開が期待される
拓洋、5pb.のいずれもPSP向けのタイトルを中心としてお
り、今後新たなハードウェアへ移行するか、もしくはPSP向
けでタイトル数を伸ばしていくか、注目の展開である
可視化結果 3
制作会社による階層化(2)
•
先程と同様にデータを発売日順にソートし、
タイトルの制作数上位7社で階層化した結果を以下に示す。
色は発売日(古い 新しい)、高さは価格を示す。
階層構造は先程と同様に右図のようになっている。
./
5pb.
IdeaFactory
拓洋
KOEI
角川
キッド
D3Publisher
可視化結果 3
制作会社による階層化(2)
可視化結果の考察
1. KOEIはほぼすべてのタイトルに対して限定版を
制作している
D3
Publisher
5pb. 拓洋 角川 キッド
KOEI
IdeaFactory
2000年はじめからほぼすべての作品について限定版を発売
しており、またその価格が通常版の2倍近いことが読み取れ
る。詳細をみると、恋愛ゲーム初期から今日までシリーズ化
されている作品が多くあり、恒例として毎回BOX版を販売
している。古くからのファンは通常版ではもう満足しないの
かもしれない…
2. IdeaFactoryとD3の限定版タイトルは低価格化
の傾向にある
2いずれの会社も2012年(橙色)以降に限定版の価格を抑え
ている。通常版と限定版の差額は2000円程度になってお
り、これまで通常版を購入していた人でも限定版に手を出し
やすい価格設定となっている。新規顧客の獲得を目的として
いるのかもしれない。
3.それぞれの
傾向の違いがみられる
3. 5pb.は高価格化、拓洋は低価格化傾向にある
1.限定版が多い
2.低価格化
先程の可視化で2社の今後の展開に注目であると述べたが、
すでにそれぞれの傾向が見られている。拓洋は通常版と限定
版をほぼ同価格で販売している一方、5pb.は限定版のボ
リュームにこだわっている。
まとめ
恋愛ゲームに関する基本的な情報を可視化することに
より、これまでの変遷と今後の動向を考察することが
できた。特に制作会社の価格の遷移は興味深く、今後
参考にしたい情報が多く得られた。
今回扱った情報以外にも、詳細なジャンル(男性向け・
女性向け・ファンタジー等)を追加することで、より
細かな分析が可能になる。また、アクションなどの他
分野のゲームと比較することにより、新たな特徴が見
つかるかもしれない。
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