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Page 1 京都大学 京都大学学術情報リポジトリ 紅
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副格子模型の硫安系強誘電体の相転移
小野寺, 彰; 菅田, 吉紀; 塩崎, 洋一
物性研究 (1977), 27(5): 207-218
1977-02-20
http://hdl.handle.net/2433/89295
Right
Type
Textversion
Departmental Bulletin Paper
publisher
Kyoto University
副格 子模型 の硫安系強誘 電体の相転移
副格子模型の硫安系強誘電体 の相転移
彰 紀
一
吉 洋
寺 田 崎
*
"
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′
理
大
ヒ
」
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「
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V
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lCur
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We
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mmoni
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hi
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§1.I
nt
r
oduc
t
i
on.
Ta
bl
eI
.
硫 安系強誘電体の相,転移 点㈲ ,格子 定数掬 と空間群.-吹,二
次 の相転 移 は, 各 々"1-st〝," 2-nd〝 と示 してあ る。硫 安は
pha
s
eI
Iを もた な い o K2Se
04 の pha
s
eI
I
Iに於 けるa,b,C は
pha
s
e lの値 を意 味する。*は po
l
a
ra
xi
sを意味 する。
pm SE IH
(て
沌 互)
2SOL
I
(
闇
)2
1i
I
B
T
h
.
2SeO互
e
F
互
ー
pT
I
ASE II
2
pna.
21-C23
a=7..
:
i
,
57
b=10.61
斗C.
=う.967
2
_
1
91
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去了
t
e
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最
.
I
odulated 最
-20
7-
pf
Ⅰ
ASE I
Pnam-Dl5
a=7.782
b=ld.6う6
C=う.99う
2 ,I. う
1-st
還
9
v ll
7L
7;f T
y
仙
C=5.910
I;悪
ー
讃
C=5.918
諾
小野寺彰,菅田吉絶 塩崎洋一
K
(NH4)
2SO4, (r
Q1
4)
2BeF4, 2Se04 は硫安系強誘電 休 に属 し,常誘電相 では空
間群が共 に
D
2
1
6
hで 同型の結 晶構 造 を持っ o
l
)低 温 にな る と, 強誘電性 を示 し, C
2
9
V
とな る
,
K
2Se04 の
が, (NH4)
ZS04 は単位胞 の大き さが変 らないのに比べ, (NI
1
4)
2BeF4
bl
eI に これ等の物質 の転移
場合,各 々 a軸方 向に二 倍,三倍 の超格子構 造 をとる。 Ta
点 と各相の空間群, 格子 定数 を示 してあ る。誘電的性 質は互 いに 良 く似 て い るが, 従来
O 3,硫 酸 グ リシン (TGS )等 とは非常 に異 ってい る。
の代 表的 な強誘電体 で ある BaTi
例 えば, 自発 分極 (Ps )が小 さ く,感 受率 (I)の温度 依存性 が弱い。 (
Ta
bl
eI
I
)
Ta
b
l
eI
I
・ 誘 電的 デー タの比較o Ps[
pC/cm2], E
ma
x
- E(T- Tc),
C[
deg・] と AS [cal
・
/
mol・K] E
ma
xは大体 の大き さを表
わす。
C
Ps
emax
(I
.
I
H互)2SO互
OJ61
互0
1う.6 互.2
(I
I
T
H互)占BeF互
0.22
60
19
K2SeOL
+
0.
1互
100.
う0
TGS
互.う
10う
29
10互 .
1う
つOOO
!
描a2
nPO
0う
i
I
L
B
う260
AS
1.9
1.1
O.12
典型的 な間接 型強誘電 体 と言 われ る Gd2(
MoO4)
3 に比べ ると, あ る程度 の温度変化 を
ur
i
e
We
i
s
s定数 (
C)
が 1
01度 の オー ダー で, Cu,
i
e
_
We
i
s
s則が転 移点近傍 で しか成立
示 し, C
しない O 強誘 電体 では, 平均 場近似 が cu
r
i
e点近 傍 まで良 く成 り立っ事 が, 実験 的 2
)に
も,理論的 3
)に も確 かめ られて い るが, とに述 べた様 な特異 な振舞 は,通常 の La
nda
u
流の現象論 で は説 明出来 ない。 この様 な特異性 のた め,近 年 さかん に研究 が進め られて
い るが,全 く相反 す るデー タや解釈 もな されてい る。例 えば,硫安 の Psは, T。 (約
-50o
C ) 以 下で一 定値 を示す もの と,
4
,5
)温度 とともに大 き く変 化 し,つい には負 の値
を とるタイプの もの6
,7
)が報告 されて い る。 後 者は フェ リ誘 電 酎 こ特有 の現象 であ る。
-208-
副格子模型 と硫安系強誘電体の相転移
本稿 の 目的 は, この フェ リ的構造 と誘 電的振 舞 との 関係 を調 べ るこ とに あ る。
最 近, Dvor
a
kI
s
hi
ba
s
hi
S
)によ り同様 な モ デル の取扱 いが な され たが, あ とでみ る様 に,
彼 らの取扱 いは簡略 化 され す ぎて い る と考 え られ る。 以 下では, フエ リ的構 造 を もった
i
s
s 理論 を適用 し, 常誘電 相 に於 け るxの振 舞 と, 自由エネ ル ギー多 副格子系 に, We
の温度 依存 の入れ 方 を考 えた。
§2. The We
i
s
sThe
or
yJ
T
orMul
t
i
Subl
at
t
i
c
eS
ys
t
e
m.
n個 の副 格子 か らな る強誘電 体 を考 え る。i番 目の副格子 の 分極 を pi≠ pJと仮 定す
る。
乙番 目の副格子 の原子 又は 分子 に 作用 す る局所場 (E。,f)
iは
n
(
1
)
(Eeff)
1-E十
i
Z
=
:1li
jPj・
但 し, Eは外 場, }i
・は 分子 場パ ラ メー タ であ る。 常誘 電相 では, piは
J
n
(
2)
pi-喜(
E。ff )
i-♀ {
E+ ,
E
= 1 j
i
,Pj}・
Ci は i番 目の副格子 の Cur
i
e
We
i
s
s定数,
p2+ ・
・
・
+
Tは系の平衡 温度 で あるo全 分極 Pは (pl十
pn) で与 え られ る。(
2)式 はマ トリックス表示 で 一般 的 に
MP-EC.
(
3
)
)
I
C
し
C
′- /
㌔)
0
但 し,
C
0
2
n
︰ .C
1111-ノ
ll 2
n
1
1
1
1
1
1
、
pi
CC
C
′---1
1
)
乱
2▲ -
p
刀1
.
、
ニ
-′__.
\
P
det
M ≠ 0 の時 ,
は Cr
a
me
rの公式 か
ら得 られ る。
e
l
e
c
t
r
i
cs
us
c
e
pt
i
bi
l
i
t
y I, Q
まこの pJを用い ると,
この系 の di
-209-
小野寺彰,菅田吉糸
己 塩崎洋一
dP
xp= dE
蕊
(pl+
p2ト
・
-・
・ pn)・
で与 え られ るo Cur
i
e 点 (T。)紘, Tにつ いての n次式
det
∬- 0
wi
thE- 0
の根 の うち, 正で最大 の実 根 であ る。 よ って
C
E
i
p
〟11
1c
I)
(
4)
i
i
i
i
i
d
(T-Tc)
fn
-1ぐ
D
但 し, C- C1+C2+ ・
・
・-+Cnで, h
n
-1灯), fn 1(
D は Tにつ いて (n-1)次 の 関数
を意味す る
。
これ が n個の副 格子か らな る系の 基本的 様子 であ るが,以 下 では n- 2,
3
の場合 につ いて具体的 に考 える
。
2.1 Two-subl
a
t
t
i
c
emode
l
二副格子 模型 では Fi
g.1に示す様 に, (
i
)
単位 胞 内に二 つの副格子 が ある時 と,(
i
i
)
超格
吊
口
間
Fi
g.1
,
円
二 副 格 子 模 型 図
(i
)
単位胞 内に Pl,P2 があ る場合 o(
i
i
)
T<T。
で超 格子構 造 をと る場合 。(
i
)
,(
i
i
)とも左 図が
T>T。,右 図 が T<T。の構 造 を示 すo
子 構造 を とるため この模型 が適 用 され る場 合 が考 え られ るo例 えば,(
i
)
紘 (M も)
2
SO.
(
i
i
)
紘 (NH.)2BeF。 の モデル に対応 す るo
今 n> 0と して, Aり
,
.を
-210-
副格子模型 と硫 安系強誘電体 の相転移
2= - a, li
}1
l- nα, ス
2
2-nβ
で, n, a・ Pは温度 によ らない と仮定 するo
i
Z
Tc= 百 七
(αC1+βC2 )+
この Tc を用 いると,
xI
1
T。 は eq・(
4)
から
(
a
c
t
-P
C2 f
+4CIC2 )・
(
5)
は
I
:
1
-(
早 )・(1・-
(
6)
・
と表 わ され るO但 し, Cは二副格子 モデルの Cur
i
e
We
i
s
s定数, gO)は Cur
ie
We
i
s
s
則か ら
のずれ を示す補正 項で,次 の様 に定義 される。
C- Cl+C2
9印
-
土工0
T-♂
a
C
T
R
2 (2C
I
C2-αC;- βC2 )
To=
β=
工
n
C
Cl・C
2
(2+α+β )
l+ C2
仮 に,温度 が十 分に高 い時, または α- βかつC
1-C
2 の時 には e
q・
(
6
)
は,
p
(
7
)
I-1
と表わ す事が出来, これ は 良く知 られた Cur
i
e
⊥
We
i
s
s則 であ る。 C1-C2 ,
α- βは反強
誘電体の構 造 に対応 して いる。 ここで考えてい るフェ リ的構 造 を もつ場合, Cl≠C2,
。≠
Pで,温度 が T。 に近づ くにつれ eq・
(
7
)
か らずれ るo Fi
g
・2に
左
とx
I1 の温度 依
c
に近 づき, 急激 に誘電異常 を示 すo一見,間
存性 を示 してあ るo 変化が小 さいま ま, T
接型強誘電 休 の 方の振舞 と似て い るが,弱 い なが らも, あ る程度 の温度 変化 をする
。
のモデ ルでは,
x
Ilが eq・
(
7) の直線 よ り下側 にずれ るのが特徴 であ るO
-211-
こ
小野寺畝 菅田吉紀,塩崎洋一
Fi
g.2
TwoI
S
ubl
a
t
t
i
c
emode
lに於 け る xと x
llの振 舞
2.2 T
hr
e
e
s
ubl
a
t
t
i
c
emo
de
l
多少複雑 な取扱 いにな るが §2.
1 と同様 に考 え られ る。 Fi
g.3に模型 図 を示 して あ る。
上
[ 且
□
之
31
口 ∪
(
i
)
(
i
i
)
Fi
g.3 Thr
e
e
-s
ubl
a
t
t
i
c
eの 模型 図0(
i
)
単位 胞 内に Pl,P2,P3
があ る時, (
i
J
)
超 格子構 造 を とる時 。(i
)
,(
i
i
)
と も,左
図 が T>T。,右 図が T<T。の構 造 を示 す。
(
i
i
)
が K2Se
04 に対応 す るo
Tl
Xp =
(
上 は次 式 で 与 え られ る。
からx
p
eq・
(
4)
T-Tc) (1+ 9m ) ・
(
8)
但し
C- Cl
十C2
十C3 I
-
2
12-
副格子模型 と硫安系強誘電体の相転移
T+ (
T2+oT+
-r
I
,
I
(
T)
り
温 度が十分高 い時
(
9
)
To= T了 γ
Fi
g.4
Thr
e
e
s
ubl
a
t
t
i
c
emode
lに於 け る x
,I-1の振舞
xllは Fi
g・4に示 す 通 。,
γ>0 と γ<0の場合 が考 え られ る
γ < 0の場合 は,二副
o
(
9)の Cur
i
e
We
i
s
s 則 か ら上側にずれ る
格子 の場合 と異 な り, eq.
。
いずれ の場合 に も通
常 の Cur
i
e
We
i
s
s則 とは,か な り臭 った温度 変化 をす るこ とが わか る。
§3.Re
duc
t
i
ono
ft
heCur
i
e
We
i
s
sCons
t
a
nt
.
Fi
gs
・2,4か らわ か る通 。, Fi
g・4の γ < 0の場合 を除 くと, Tc 付近 で
大 き くな り, 見か け上 cur
i
e
⊥
We
i
s
s定数 が 小 さ くな る。二 副格 子模型 で紘,
亮1の懐きが
eq・
(
6)を T
。
付近 で展 開す ると
x
I
⊥
-
芋
(
1+
(T。+To)
)
2+
C(T。-eP (T-Tc
- 2 13-
---
-ミ芦
(
1
0
,
小野寺彰,菅田吉紀,塩崎洋一
-
但し
TC-♂
C/
≡C
2TC十 To-♂
・C;+βC…-cIC2(α+β
+4)
C1十C2
+4CIC2
2
T。 の極 く近 傍 では, Cよ り小 さい C′
な るCur
i
e
We
i
s
s定数 をもった eq・
(
1
0
)のCur
i
e
We
i
s
s
則 に従 う。 同様 に三副 格子 模型 で γ>Oの時 は,
-1
Xp =
2
+(o+γ)TC+ 7+{γ
Tc
C(Tc
2+o
TC+
T(Tc+
(T-T。)
7)
( )t
T…十(0-2)T。十 ギー 0)
C(Tc
2+oTc+
符)
2
(TI
c
)
2
+.・・
- T-Tc
(
l
l
)
C′
但し
C′-
C(Tc
2十 O
T。+7)
Tc
2+ (o+γ)
T。十 (7
+CT)
た だ,今 まで用 いた T。 は二次 転移 に於 け る Cur
i
e点 であ り,一 次転 移 の場合 この T。
よ りも高温 側 で転移 が起 るた め, これ等 の
C′よ りは大 き い値 をと る
。
しか し, いずれ
の場合 に於 て も正 しい Cur
i
e定 数は, T。 よ り十 分離 れた高温側 の傾 きか ら求 め られ る
べ きであ る。
§4.Fr
e
eEne
r
g
ya
ndSus
c
e
pt
i
bi
l
i
t
yi
nt
heFe
r
r
i
e
l
e
c
t
r
i
cSt
at
e
.
ここで は, 二副格子 の場合 のみ考 え る。 §2でみ た様 に, フェ リ誘 電体で は,一般 に
≠C2,
cl
α≠
βであ るため, 自 由エネ ル ギー ガを P2
f
l
P
e
1
+f2P2+npIP2
とな る。但 し
fl- 宣
(T- T l ) , Tl
-
na
C
l
・
-214-
の項 まで 書 くと
副格子模型 と硫安系強誘電体 の相転移
去 (T-T2), T2- nPC
f2
で,
2
f
l・
f2 は 異 った温度 紋存性 をす るo
a
l
e
nt
Subl
a
t
t
i
c
e モ デル では,
v
だ か ら Dv
or
a
kⅠ
s
hi
ba
s
hi8)の TwoNone
qu卜
P
;の係数 にのみ温度 紋存 性 を入れ て い るが, そ の様 な
取 扱 いは フェ リ的な構 造 を十 分反 映 してい な い。 Pの高 次項 の 扱い方は,構 造 の類似 性
t
t
e
lの反強誘 電 体の表式 9
)が,指針 とな ると考 え られ る. ここでは
か ら Ki
(
1
2
)
F-F.+fl
P;
+f
2
P…+nPI
P2+ A(
P;+P2
4)
+j(P1
6
+p…)
な るモデ ル を考 え るo これ は, Jl
エア2(即 ち Cl
-C2, α-
Ki
t
t
。
1の 反強 誘 電体の 自由エネル ギー との実 効的 な違 いは
♂)と置 けばわ か る様 に,
P2
の項 に のみ あ る と考 えた
事 に対応 す る。 二次転 移 の時 は
F-F.+fl
P;+f2
P…+nPI
P2+A(P1
4+p4
2)
T<T。での Pl
,P2を PI
s
,P2
Sとす る と
(n
-3fl
-f
2)
2
-3(4
f
l
f
21n
2)
p1
2
S- 士 ㌃ ((n -3f
l
-f
2,十
p2
S
-
1
-f
l
-3
f
2
)
2
-3(
4
f
l
f2-n2日
丁打 く
くn
-f
l
-3f
2)
+ (n
で, この P;S,P2
2S
を用い ると
Xf -
)
2
n
xf
は
-(f.+f2ト 6(pi
s+
p
…
S
)
3
日
監
n
2
-2(f
l+6P;
S)(f2+6P2
S)
2
p1
2
S- p2
S- Oとす ると n2
-4
fl
f2 とな るoこれ か ら Tcが求 まるが, これ は eq
・(
5
)
と一致 す るO また xfは T。で発散 す るo
一 次 の相転 移の時 は,
F- F 。
+fl …
+f 2P2 n
P
で,
+
p
IP
2
+
A
(P ;+P
2
4
)
+ j
T<TCの Pl,P2を PI
s・P2
Sとす ると xfは
-21
5-
(P 1
6+p
6
2 )
小野寺彰,菅 田書紀 塩崎洋一
Xf= 2
相転移 は
n-(fl+ f2)-6h(P…
S+P2
S)-15j(P;
S+P2
4
S)
(
f
l+6hP:
S+15
jPi
s)(f2+6hP2S+15jP2
4
S)
n214
xf
が発散 す る以前 に起 るた め, 誘 電異常 は小 さいo こ の時 の転移 エ ン トロピ
ー AS .
'
J
i
p;S(T。) . P≡
S(T。)
、
2C1
2C2
で ,通常 の 強誘電 体 の勢 合の,約 2倍位 の値 をとる と考 え られ る
。
§5.Di
s
c
us
s
i
ons
.
(NI
I
4)
2
S04 が Unr
uh6
)や sa
wa
daetal
・7
)が考 えた様 に, 頚 順 子 模型 で表 わ され る
フェ リ的構 造 を持 っ な らば,
x p
は Fi
g・2 に示 す振舞 をす る筈 であ るo この よ うな観 点
hi
maeta
l
.l
l
)や An
i
s
t
r
a
t
oveta
l
.
1
2
)a
l
結 果 は, フェ
か らデ ー タ を整理 した例 はないが, os
リ性 を示 してい ると考 え られ る。一 方, PS の測 定か ら初 めて フ ェ リ性 を示 唆 した Un
山)
r
uh の x
llの デ ー タ は,
TC
か ら Oo
Cまで通常 のCur
i
e
We
i
s
s則が成 立 して い るo この
様 に, PS だ け でな く, xp に も二 種 の相反 す る報 告 が あ り, ま るで二種 の 結晶 が あ る
様 に さえ思 われ る。 Fi
g.5は, この点 を明 らかにす るため,我 々の研究 室でお こな った
もの で あ る。 結果は Os
hi
ma等 や Ani
s
t
r
a
t
ov等の もの とほぼ 同 じで, Fi
g.2に示 した振
(
6)
中 のパ ラ メー タ の値 は,大
舞 をして い る。 E
。 の値 に多少 の不正確 さ を残 すが, eq・
体 C- 280
0, TC- 220, ♂- 208, T - 1386 とな るo これ か らわ か る通 り Cur
i
e
0
we
i
s
s定数 は, TG S とほぼ 同 じで, この相転 移 は, 二 つ の異 な る温度 依存 をす る双極
子 が ,整列 す る事 に よ り起 ると考 えられ る
o
小 さいか ら,
F-
言
と書 け る
O
q
また P- P⊥
+P2 , q- P.-P2 と し, Pが
Pに つ いて 二乗 の項 まで とると, eq・(
1
2
)
紘
2+ i p q
4
+ 言K q6・ 言p
2 fqP
+
1
4
'
'
これ は Dv
or
a
k 1
3
)
が導 いたps
e
udopr
ope
rf
e
r
r
o
e
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c
t
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i
c
sの 自 由エ ネル ギー の表
式 と同 じにな る。 但 し, 我 々の モ デルで は,係 数 a, A, fが温度 依存 をす るo
今 まで見た様 に,誘 電 率が弱 い温度 依存 を示 す こ と, 見か け上, cur
i
e
We
i
s
s定数 が小
8倍 位 で あ る事等, 大 待 良 く説 明 出来 る。
さい事,転 移 エ ン トロ ピー ASが TGSの約 3.
- 2 16-
副格子模型 と硫安系強誘電体 の相転移
4
0
2
0
0
2
0
(
O
C)
(Nも)
2SO。 の誘電率 (f- 100kHz)・ 冷却 時, 加
熱 時の転 移点は各 々, -49.
6℃, -49.
4o
C 。 (
7)
式の
パ ラメー タは大体 C- 2800, TC- 220, ♂- 208
Fi
g・5
T0- 1386であ る
o
また (
NH。)
2BeF。, K2SeO。 も同様の メ カニズムの相転移 をすると考 えられ, この系
の強誘電 体 に特徴的 であった奇妙 な誘 電的振 舞は, フェ リ誘電 性によ り良 く説 明 され る。
フェ リ構 造 を持っ 多副格子系の xは,通常 の Cur
ie
We
i
s
s則 とは, かな り異 な る
。
また,
Fi
g
s
.1,3の構 造は, 分極 が横 波的 な配置 をとっていて,常誘電相 でそれに対応 した ゆら
4
)はその様 な もの と考 えられ る
ぎが期待 され るo (NH4)2BeF4 で観測 され る散 漫散乱 1
O
最近
,
K
2S。0。 の中間相 が i
nc。mme
ns
ur
a
t
eな相 で あ ると報告 され てい
1
2・
.
1
6
)
(N
D 2)B。F。
-21
7-
小野寺畝 菅 田書紀,塩崎洋一
こ こでは, そ の点 に対 す る考慮 は な されて いないが,一 見奇 妙に見 え た, これ 等 の強誘
電 体の誘 電的振 舞 は 大 体 良 く説明 でき る様 で あ る。
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1
976)451.
3) M.Tokuna
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1
958)405.
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1
973)279.
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6) H.G.Unr
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1
970)1
951.
7) A.Sawadaetal
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1
975)1
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1
976)548.
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1
951
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965)8.
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1
966
)481
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-218-
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