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第 33 回 食 品 産 業 優 良 企 業 等 表 彰

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第 33 回 食 品 産 業 優 良 企 業 等 表 彰
第 33 回
●
食
品
産
業
優 良
企 業
等 表
彰
農林水産大臣賞受賞者一覧
《 食品産業部門(3点)
》
(1)農商工連携推進タイプ(3点)
受賞者名称(氏名)
かぶしきがいしゃ
株式会社
すみ よ し や しょくひん
住吉屋 食 品
業種(種類)
所在地
食品製造業
山形県
主
な
功
績
の
概
要
・豆腐(木綿豆腐・絹こし豆腐・筒豆腐・よせ豆腐等)、油揚げ、がんも、蒟蒻、山形の郷土料
理に欠かせない恵胡、惣菜等を製造販売。
消費者の国産志向に対応するため、県の基幹品種
である「タチユタカ」、こだわり品種である「秘伝豆」を使用を使用した豆腐の製造販売の拡大
に努めるている。地元の生産者、さがえ西村山農協、全農山形県本部、商社と契約栽培を実施
し、県産大豆を調達。 こんにゃくの原料は、国産こんにゃく粉を100%使用している。
・ 実需者として、適度な糖質のある大豆、中~大粒(7.3mm)の大豆を生産確保するように
提案するとともに、大豆生産打合せ、現地検討会等を通じ生産者を技術面で指導。さらに生お
からを飼料用として畜産業者に、堆肥原料用として地域の農業者・住民に各々無償で提供する
など農業者を支援している。
・ 豆腐の需要拡大を図るため、県産大豆豆腐を原料とした豆腐スイーツ①TOFUプリン、
②とうふちーず、③とうふソフトクリームなど、国産農林水産物を利用した新商品開発に取り
組む。このほか国産のこんにゃく粉を使用し、電子レンジで簡単に調理できる「レンジで玉こ
ん」を製造し販売。特許申請。
・販売先として、特定のスーパー量販店、生協、百貨店、農協、直販所「とうふ工房清流庵」
での販売に力を投入。販売方式や販売ルートの工夫等による販売促進に力を入れる。とくに「と
うふ工房清流庵」では、年間数回のイベントを開催し、お客様の口こみでの宣伝、ダイレクト
メ-ル、お中元・お歳暮等のギフト商品カタログ販売、インターネット販売、ホームページ等
での積極的なPRに取り組む。
・東日本大震災では同社も停電による操業停止、容器等資材不足により厳しい操業が続いたが
その中で県内向けの商品供給を一時的に減らし、被災地への供給対応を優先。商品と車両貸与
の無償提供も行った。
受賞者名称(氏名)
業種(種類)
所在地
ま
る は ぶっさん
マルハ物産
な
功
績
の
概
要
・多くの野菜が海外から輸入され、残留農薬等の諸問題がある現状を危惧し、平成 14 年から、グル
かぶしきがいしゃ
株式会社
主
農産物加工品の製
造・販売
徳島県
ープ会社を通じて、近隣の蓮根農家から青果市場に出荷出来ずに捨てられていた規格外品蓮根を
集荷し、一次加工した原料を納入する体制を構築した。
・担い手不足に悩む生産者からの依頼に応え、平成 15 年に農業法人「有限会社マルハファーム」を設
立し、生産者からの依頼を受け、操業開始時の1ha が、現在では、耕作面積約16ha となり、蓮
根生産量は、平成15年事業年度約28t が、22年度には約132tまで大幅に増加した。
・土のついた蓮根を自社工場にそのまま納品することは、製品の品質安定(衛生)上問題となる
おそれがあり、社外で一次加工工程の全てを行うべきだと考え、近隣農家及びマルハファームに
一次加工の作業依頼を行い、そのための技術指導も随時行っている。このことは、生産者にとっ
て野外作業が出来ない季節や時間帯にこの一次加工作業を行うことで収入が増え、経営の安定を
図る事が出来、他方同社としては、土付きの原料が加工工場内に入る可能性を回避し安全衛生、
品質の向上が出来る、関係者間の win-win の関係を構築することとなった。なお生産者とは、仕
入価格と計画購入数量を設定した「売買基本契約」を締結し、生産者の農業経営の安定化、地域農
業の経営基盤の強化に貢献している。
・同社は、蓮根の規格外品を使った加工工程で出てくる端材からも活用出来る部分を取出し「国産蓮
根ペースト」の販売を行い、今年度の売上は、前年比130%の伸びとなっている。また菓子製造
事業にも乗り出しており、関連会社のにおいて、規格外品を使った「蓮根のケーキ」
「野菜クッキ
ー」「おいものスプレット」を開発・販売して各方面から高評価を得ている。
・さらに特筆すべきは、障害者及び女性の活用に積極的なところである。同社は、常用雇用社員の
約17%が障害者の方であり、障害者雇用率(法定雇用率 1.8%)を大きく上回っている。加え
て臨時的に毎日5~10名の作業員を雇用、同社やマルハファーム加工場において軽作業等を行
ってもらっている。さらに社内人事において、女性社員の積極的な登用を行うための環境の整備
や教育指導を行い、この2年間で、女性の課長1名、係長3名に職位が与えられ、これは職位を
持つ社員全体の21%となっており、女性社員を重要な中核社員として位置づけている。
受賞者名称(氏名)
業種(種類)
所在地
か ん ば かまぼこてん
勘場蒲鉾店
な
功
績
の
概
要
・水産練製品製造会社のほとんどが海外産の原料を中心に使用している中で、同社は、創業以来、
ゆうげんがいしゃ
有限会社
主
水産練製品製造及
び販売
鹿児島県
総原料のうち最低 30%は国産原料を使用することとしており、①北海道産スケソウダラのすり身、
②鹿児島県産のアジ、サバ、タイ、ブリ等、③地元串木野地区で水揚げした近海魚をそれぞれ約
10%ずつ原料として利用している(②及び③の合計量は 70t)。
・ 一般には流通しない近海魚(シイラ、ソウダカツオ等)を漁協と緊密な連携を取りながら仕入
れ、通常外注加工が主流である中で、自社工場で職人技によるすり身加工を行うなど、地域漁業
者の所得向上と地域水産業の発展に対して大きく貢献している。
・ 同社によるすり身加工は、近代的工場で、鹿児島県蒲鉾協同組合により認定された勤続 30 年以
上の熟練職人の手で行われており、季節感あふれる魚を原料とした新商品開発・提供に取り組ん
でいる。加工の際には、魚自体を自社の目で確認できるため、消費者にとって安心な信頼できる
商品の提供が可能である。最近では、従来利用しなかった国内サメの筋を使用した蒲鉾の開発を
行い好評を得ている。鹿児島海洋深層水協議会から地域資源に認定された「こしき海洋深層水」
を使用しており、付加価値の高い商品作りにも意欲的であるほか、リン酸等の添加物を使用しな
い季節商品や、新魚種を用いた限定商品の開発にも注力している。
・ さらなる環境負荷軽減を目指して、西薩中核工業団地内の各工場屋根に太陽光発電装置を設置
し、団地ぐるみで発電・売電する「メガソーラー計画」には計画段階より積極的に携わっており、
その運営を行う「合同会社さつま自然エネルギー」
(平成 24 年 3 月設立予定)の設立準備会の副
会長には勘場裕司常務取締役が就任するなど、地域社会に大きく貢献している。
《 食品流通部門(5点)》
《 食品流通部門(5 点)
》
受賞予定者名称(氏名)
さとう
ゆたか
佐藤
裕
83 才
業種(種類)
生鮮品卸売業
所在地
北海道
(帯広地方卸売市場
株式会社)
主
な
功
績
の
概
要
・社団法人北海道市場協会会長として、道における卸売市場を巡る問題、具体的には経営安定や卸
売市場の再編問題、産地や量販店の価格交渉力の強まりに対する対応、安価な輸入食品の増大に
対する対策、食品を巡る不祥事等による消費者の安全安心意識の高まり、など様々な問題に対応
して、食に対するコンプライアンスの徹底に努めたほか、卸売市場の経営合理化、体質強化を図
るため道内卸売業者の経営状況を分析・評価し、市場機能の高度化に努めた。
・昭和24年に帯広の魚菜卸売市場に入社以来現在に至るまで62年間の長きに亘り、一貫して生鮮食
料品の卸売業務、食品流通業務に携わり、卸売市場の近代化と合理化を図り市場機能の充実強化
に努めてきた。特に、昭和47年に青果部と水産部の開設許可、50年には花き部の開設許可を受け、
十勝地方の拠点的総合卸売市場としての役割・機能の充実に大きな貢献を行った。また、新たな
取組として平成20年に食品関連総合センターを開設し、地域の消費者ニーズに即した新しい流通
システムを構築した。
・氏は、人格高潔にして責任感旺盛で、奉仕の精神に富み、豊かな経験と卓越した識見を有し、そ
の人柄と功績は関係者のだれもが認めるところであり、その信望は厚い。
・長年にわたり、釧路地域において水産物の安定供給事業に従事する傍ら、地元の釧路魚商業協同
組合、北海道一円を管轄する全国水産物商業協同組合連合会(略称「全水商連」)の北海道ブロッ
なかがわ
たかし
中川
隆
64 才
(釧路魚商業協同組合)
ク協議会及び全水商連の役員を歴任し、水産物小売業の発展に尽力。氏は、家業に従事する傍ら、
水産物小売業
北海道
若くして水産物小売商団体の役員に就任し、組合の組織強化・発展に尽力するとともに、組合員
の経済的・社会的地位の向上にとどまらず、商工会議所委員や行政の審議委員、卸売市場の委員
などを務め、業界のリーダーとして指導力を発揮し、地域経済の発展に尽力している。
・氏は、釧路消費者協会の「安全な暮らし教室」の講師として地元水産物の安全性や産地表示の徹
底などを説明し、消費者の理解を深めるなど、社会・地域経済における活動及び発展に寄与した
。
・氏は、清廉・篤実な性格から人望も厚く、全国団体及び地域の商工業界はもとより地元住民から
も信望を得ている。
あんどう け ん た ろ う
安藤堅太郎
69 才
・(社)全国中央市場青果卸売協会の常任理事として、長年の経験に裏打ちされた高い識見を基に、
会長の諮問にこたえて全国協会の業務の推進役を担い、関係者から大きな信頼を得ている。また、
東北地区中央市場青果卸売会社協会の会長として卸売市場を巡る課題等の解決に当たるとともに
、全国と東北をつなぐパイプ役として重要な役割を果たしている。
青果物卸売業
宮城県
(仙台中央青果卸売
株式会社)
・氏は、市場としての機能の近代化・高度化を図るため、コールドチェーンの充実を図るべく低温
卸売場600㎡を増設、同売場面積を倍増させ、品質管理を強化した。また冬季に生鮮野菜が不
足しがちとなるため、平成15年に東北地域6社の卸売会社と共同集荷事業を開始し、トマト、
ナスなどの果菜類を九州地域から集荷し、安定供給を図る上で中心的役割を果たした。
いとう
ひろやす
伊藤
裕康
76 才
(社団法人 全国中央
市場水産卸協会)
水産物卸売業
東京都
・東日本大震災発生時には、氏は、仙台市からの1日も早い市場業務の再開と救援物資の提供の要請
を受け、早期の業務再開を目指して積極的に産地・出荷者に対し出荷協力の要請を行った。仙台
市場向けの青果物は、緊急物資扱いとなる証明書の発行に尽力し、産地・出荷者からの円滑な物
流に貢献する一方、混乱する流通に対応するため社内体制を整備し、翌日から震災の後片付けと
並行して卸売業務を再開するなど、適切な市場流通の確保に全力で当たった。また、被災地への
救援物資の供給は、震災直後はバナナ、柑橘類中心、3月末からは自衛隊による炊き出しが可能と
なったことから野菜類を中心とした青果物を避難所、被災者に供給するなどの社会貢献を行った。
・(社)全国中央市場水産卸協会の会長として、水産物卸売業界の組織の活性化と構造改革に向け
た活動を推進し、国民に対する水産物の安定供給と販路の拡大に尽力。また水産物の偽装表示問
題が発生した際には、業界の全国団体の会長として、食品の適正表示等をテーマに全水卸の7ブロ
ック(北海道から九州まで)の地域協議会において研修会を実施し、業界における表示偽装問題
等の防止に積極的に尽力した。
・中央魚類株式会社の社長・会長としては、関係子会社の合併を推進し、関係会社10社からなる新
生のグループを編成。荷受事業、冷蔵保管事業、リテールサポート事業、小売事業を有機的に連
携させた先駆的なビジネスモデルを構築し、事業展開に尽力した。また、中国の漁業会社との合
弁会社を立ち上げ、中国国内の水産物流通の改善と日本の魚介類の販路の開拓に貢献した。
・氏は、気さくで飾らず、接するすべての方々に親しみと信頼感を与える人柄であり、水産物流通
業界、卸売市場業界、漁業・水産業界など各界から厚い信望を得ている。特に水産物中央卸売市
場の全国団体の会長を務めるなど業界のシンボル的な存在であり、業界の指導者として、業界全
体のとりまとめの責任を果たすとともに、業界及び社会、地域経済の発展に大きく貢献している
。
・長野県青果卸売市場連合会の会長として、卸売業者を巡る環境が厳しさを増す中、卸売手数料の
弾力化に対する対応や、松本公設市場の指定管理者制度導入等、市場の合理化、体質強化を図る
ほり
ゆう いち
堀
雄一
59 才
(長野県連合青果
株式会社)
ために長野県内市場を取りまとめ、指導的な役割を果たし、安全安心な青果物を安定的に消費者
青果物卸売業
長野県
に供給するよう尽力した。
・長野県連合青果株式会社の社長として、農業県である長野県、群馬県などの産地市場としての集
荷力を強化し、地域における青果物の安定供給に努め、業界や農業の発展に貢献している。
業界内ではいち早く平成12年にISO14001を取得し(その後平成18年に自己適合宣言)、生鮮市場
として市場内の環境整備、物流の合理化に向けてのマネジメントサイクルを確立し、卸売市場の
近代化に貢献。また、集荷力の弱い地方市場において、他の地域・市場との連携や合併を早期に
進め、大都市市場並みの品揃えと集荷力のある市場機能を早期に確立し、地域に密着した経営を
常として多品目の青果物の安定供給を行い、地域の食生活の安定と充実に寄与。
ISO14001の取得をきっかけに、長野県内外の産地と共同してコンテナによる流通を拡大し、消費
地及び産地のコスト削減と合理化を図り、環境改善に貢献。
・氏は、積極性と包容力に富み責任感も強く、豊かな経験からくるその人柄により、流通関係者の
信頼は厚い。
《CSR 部門(1点)
》
受賞者名称(氏名)
さかがみ
坂上
業種(種類)
所在地
(京都府生菓子協同
組合相談役)
な
功
績
の
概
要
・全国的にも評価が高く、全国屈指の技を誇る京都の生菓子界でも、坂上氏の技能は際だってい
しげる
茂 70 歳
主
菓子製造販売
京都府
る。このため、文部科学大臣賞や京都府知事賞を始め、受賞実績は数多い。
・氏の技術における真骨頂はその独創性にあり、和菓子として知れわたっている赤飯饅頭も坂上
氏がその先駆者である。ごま豆腐の作り方から発案した餡豆腐やカフェオーレ大福、そのアイデ
ィアの斬新性や素材の奇抜さ、完成度の高さはつとに知られている。独自の信念を有する。
・業界組織においては、副理事長時代に和菓子の技のレベル向上のために技能士会活動に力を入
れ、様々な行事を考案した。持ち前のアイディアマンとしての力を発揮し、京都の技能士会の発
展に大いに貢献した。京都の技能士会は技術のレベルが非常に高いが、その京都府菓子技能士会
の理事を長年にわたって務め、菓子職人の技能向上に寄与すると共に、関西文化学術都市の「私
の仕事館」
(厚生労働省)で和菓子作りの実演講習の講師を務めるなど、和菓子つくりの楽しさを
積極的に広めている。
・こうした高い技術を私するに止まらず、その優れた技術の若い技能者への伝承と社会への啓発・
還元に努めている。すなわち京都菓子工業組合理事、京都府生菓子協同組合副理事長、京都菓子
工業組合技能士会会計理事などを通じて、業界の若手育成に尽力する中で、身をもって示す創作
意欲の実践、技を生かした商品開発は、業界青年部においても尊敬を受けており、師として仰が
れている
・社会・地域経済における活動についてについても、賞すべきところは多い。
地域の小学生を対象とした「お菓子作り教室」は、毎年開催され20年以上の歴史を持っており、
子供たちからは「大人になったらお菓子屋さんなりたい」という声が頻となり、食育としての取
り組みになっている。また、年末恒例となっている老人ホームの慰問では、自らが開発した、喉
につまらない「米餅」を高齢者の方にプレゼントし、大変喜ばれている。
菓子作りで培った知識を活用し、主婦に使いやすい消毒液やふきん、餡の作り方などを教え、地
域活動を活発に行っている。さらに日本文化や礼儀作法を学んでいる大学等茶道部の活動に対し
ての教授など、社会活動の事例は、地域のメディアを通じ、しばしば報ぜられている。
《 団体部門(1点)》
受賞者名称(氏名)
業種(種類)
所在地
きょうどうくみあい
協 同 組合
な
功
績
の
概
要
・同組合は、地域のブランド化に対しては鹿児島の中でもいち早く取組み、先人達が築き上げた 300
まくらざきすいさんかこうぎょう
枕 崎 水産加工業
主
-
鹿児島県
年の伝統と文化を継承するとともに、枕崎鰹節を全国に通用する地域ブランドに発展させるため、
「枕崎鰹節」の地域団体商標の登録や「枕崎鰹節の本枯れ節」の地域食品ブランド表示基準制度
の「本場の本物」への認定など、枕崎を冠とする地域ブランド化の確立を掲げ地域の活性化を図
ってきた。
・近隣の山川水産加工業協同組合で生産された飼肥料を、枕崎の製品販売網を利用して販売してお
り、周辺地域産業に対しての産業振興にも貢献している。
・日本古来の「だし文化」の継承と普及啓発に資するため、学校等における食育の推進をはじめ、
栄養士養成の専門学校等に対し鰹節を提供して、鰹節を利用した新しい料理の提案等への参画事
業も継続しながら鰹節の消費拡大に努めている。また、鰹節のインターネット販売やミシュラン
取得レストランにおける新たな鰹節メニュー等の開発・提供で枕崎鰹節の新たな販売形態の構築
も推進している。
・鰹節の加工残さいは、限りある資源としての位置付けをおこなっており、部位ごとに徹底した分
別回収をすることで水産資源を無駄なく有効活用。加工残さいに付加価値をつけることが、残さ
いの買取り価格に反映され鰹節生産者の経営に大きく貢献した。
・鰹節の加工残さいには機能性物質が多く含まれることから、その抽出方法を確立した。中でも鰹
の頭部からは、機能性物質の DHA が取りだされ、鰹の中骨からは天然カルシウムを生産しており、
生産物の付加価値向上と産業創出にも取組んでいる。
・特に鰹の「眼窩油」のカプセル商品は、イスラム教の「ハラル」やユダヤ教の「コーシャ」の厳
しい認証をクリアするなど、原料から製造まで厳しい審査に合格したものが、国際市場でも注目
される商品として流通している。今後も水産資源の縮小が問題化される中で、この様な取組みを
一層推進し、世界のマーケットを目指して、限られた水産資源の無駄のない利活用に努める。
《マイスター部門(2点)》
受賞者名称(氏名)
まつだ
いくお
松田
郁夫
64 歳
業種(種類)
所在地
主
な
功
績
の
概
要
・北海道味噌醤油技術会理事を永年勤め、北海道の味噌・醤油の品質向上と技術者の育成及び消費
醤油醸造
北海道
者のニーズを的確に捉えた新商品開発を行い、消費者の食卓を豊かにする新市場開拓に大きく貢
献した。
(福山醸造株式会社
・同協会理事として、昭和 55 年から味噌、醤油の官能審査員を務め、北海道の味噌醤油業界に貢献
前工場長)
した。また地域の食品衛生協会の指導員として、食品衛生の普及と理解に尽力した。
・業界としては早くから、電気透析技術を利用した低塩の醤油製造を開始し、消費者の低塩化嗜好
にマッチした商品つくりを進めた。
・また道産品である昆布のだしと低塩の醤油をマッチさせた、
「昆布しょうゆ」を市場に投入し北海
道の地域の醤油として、特色ある醤油加工品の普及に寄与した。
・これらの功績により、全国醤油品評会農林水産大臣賞を 5 回にもわたり受賞している。
・高品質の醤油を醸造する技術を工場レベルで確立し、道産醤油の品質の向上に寄与した。
・関連全国団体から「醤油技能者」の認定を受けているほか、
「しょうゆ物知り博士の出前授業」講師
として、北海道内の小中学校に日本食の要でもある伝統調味料の醤油の利用普及に努め、今日重
要性が認められている食育の概念を、民間企業の立場で、はやくから実践するとともに、工場見
学受入を積極的に行い、北海道地域でのしょうゆの理解と普及に貢献した。
・醤油業界への貢献は上記の通り大きなものがあるが、北海道の味噌醤油の品質向上に大きく貢献
してきただけでなく、道内醤油メーカーとして、協業他メーカーへ生揚げ醤油、製品を供給する
と共に、醤油利用時の相談を受け付けるなど、広く北海道の食品メーカーへの製品開発への助言
を行ってきた功績も大きい。
受賞者名称(氏名)
さ
が
業種(種類)
所在地
勝男
67 歳
鈴廣かまぼこ
株式会顧問
な
功
績
の
概
要
・氏は、江戸より続く“小田原かまぼこ”を伝統技術で製造する「鈴廣」の技術の要として、長年
かつお
佐賀
主
水産練り製品製造
神奈川県
その技術を磨くとともに、その技能を広く業界内外に提供することにより、同社や業界全体の発
展と小田原かまぼこの普及に大きく貢献してきた。
・伝統的な小田原かまぼこの特徴は、扇状の形をし、色は白くキメ細やかで、しなやかな弾力を有
することにあるが、そのかまぼこ製造には職人の永年の経験と勘が不可欠である。
・氏は、鈴廣かまぼこ(株)伝統製造課で、手づくりの水産練り製品を製造する職人として、長年
製造に携わりながら、後進に蒲鉾製造技術を教示している。
・1988 年には、国家資格である水産練製品製造技能検定 1 級を国内で初めて取得し、「水産練製品
製造 1 級
技能士」となる。(1 級技能士は全国に226名のみ。)
・
「職人手づくり」の伝統を守りながらも、機械製造という新しい挑戦にも取り組んでいる。深い知
識と経験を最先端の製造技術に活かし、製造工程の自動ライン化、品質管理・衛生管理技術の導
入に努め、伝統的な品質の維持と、衛生的かつ安全なかまぼこづくりを、伝統技術を守りながら
進めている。
・職人として製造に携わりながら自らの技術を向上させるだけでなく、指導力の高さから、若い世
代への技術・知識の伝承にも尽力している。自社社員への研修はもちろん、海外すり身工場から
の研修生や、他社のかまぼこ会社の若手社員をも研修生として迎え、その分け隔てのない指導姿
勢は、かまぼこ業界全体を高い視点から見据えたものであり、高く評価されている。
・鈴廣は、練り製品だけでなくかまぼこ製造で生じてしまう廃材の骨や皮を利用し、肥料(魚肥)
を開発した。その魚肥を地元小田原のシソ農家の方へお渡しし、育ったシソを弊社で買い取りそ
のシソを使った商品「しそかをり巻」販売している。また洋上投棄される魚を加工し、新たな食
品への開発もおこなっている。このような「資源循環モデル」構築を目指す同社の技術的背景に、
氏は欠かせぬ存在である。
●
農林水産省食料産業局長賞受賞者一覧
《 食品産業部門(2点)
》
(1)農商工連携推進タイプ(1点)
受賞者名称(氏名)
業種(種類)
所在地
食品製造・販売
北海道
主
な
功
績
の
概
要
かぶしきがいしゃ
株式会社
ま
る は に
ち ろ きたにっぽん
マルハニチロ北日本
と か ち こうじょう
十勝 工 場
・同社の前身更別食品は、日魯漁業株式会社(現株式会社ニチロ)と更別村農業協同組合との共同
出資により昭和 47 年にスタートしたものである。その後経営形態は曲折を経たが、同社はこの生
い立ちから、生産者、製造事業者との連携の伝統がある。
・長いも、スイートコーン、じゃがいも、かぼちゃについて、同社が、生産者ごとに栽培技術暦を
管理し、施肥の時期、種類、量及び農薬使用の時期、種類、量、ならびに該当圃場での前年、前々
年の生産物、使用農薬内容について管理している。
・十勝管内の生産者は、国内でも有数の大規模農家であり、栽培面積も広大な為、農業の機械化が
必須である。スイートコーンにおいては、同社従業員が雄穂の刈り取り、収穫業務を請け負うこ
とで、それらに伴う機械装備が必要でなくなり、農家経営の効率化に寄与している。
・スイートコーンについては、加工に適した原料とするため、播種、雄穂の刈り取り、収穫のタイ
ミングなどについて、同社従業員が圃場を巡回し、生産者へ指導を行っている。
収穫時期には、同社従業員が圃場を毎日巡回し、熟度の進行状況と工場での受入状況のバランス
を見ながら収穫の指示を行っている。
・スイートコーン加工に伴って発生する残渣(皮、軸など)については、廃棄物とせず、飼料また
は肥料の原料として販売している。
・産地優位性のある原料(スイートコーン、長いも、じゃがいも、かぼちゃなど)を活用した缶詰・
レトルトカレー、冷凍グラタンなどの新商品開発を行っている。
地元農協とタイアップした商品開発を行っており、これまでに地場産農作物を活用した冷凍グラ
タン、スイートコーン缶詰、レトルトカレーなどを商品化している。
(2)経営革新タイプ(1点)
受賞者名称(氏名)
業種(種類)
所在地
水産練り製品製造
新潟県
主
な
功
績
の
概
要
かぶしきがいしゃ
株式会社
ほりかわ
堀川
販売
及び一般惣菜製造
販売
・社会問題となってきた子どもの食物アレルギー問題に着目、商品企画部、品質保証部等社内体制
を確立し、専任研究員を 12 人配置、新製品の開発、既存製品のリニューアルを行った。
・細菌検査、アレルギー検査、日持ち検査、弾力検査等の検査のため、所要の器具を導入し、自社
での実施が可能となるよう努めている。
・これにより、水産練り製品を製造する上で、つなぎ的役割、蒲鉾特有のしなやかさに必要不可欠
な卵、小麦、乳(アレルゲン)を使用しない代替添加物の検討と試作を繰り返し行った結果、こ
れまでの製品と変わらない食感とコスト維持に成功した。
・蒲鉾原料である「魚のすり身」及び「形成する前のすり上がり身」ならびに製品のアレルギー対
応検査の取り組みも行い、食物アレルギーを持つお客様に安心・安全な商品の提供を行うことを
実現した。
・この結果同社は、業界に先がけて、平成 17 年に「板なし蒲鉾」、
「さつま揚げ」で卵白の除去をお
こなった。
平成 19 年 7 月からは、本社工場製品の全てに卵、小麦、乳の除去によるアレルギー対策を講じ、
同年 12 月には卵を使用せず、大豆で代替とする「豆乳伊達巻」を開発して販売を開始し、特許を
申請して平成 23 年 4 月登録された。
・こうした製品開発を通じ、平成 21 年 4 月「アレルギーの会全国連絡会」、
「NPO法人食物アレル
ギーパートナーシップ」、「食物アレルギーの子を持つ親の会」に加入し、食品を提供する企業と
して関係団体とともに食物アレルギー問題の解消、軽減に取り組んでいる。
《 食品流通部門(4点)
》
受賞予定者名称(氏名)
のざき
よし なり
野崎
美成
70 才
業種(種類)
生鮮品卸売業
所在地
群馬県
(館林中央市場
株式会社)
主
な
功
績
の
概
要
・群馬県卸売市場連合会は、群馬県内の青果・水産・花きの18市場で構成されており、氏はこの会
の理事、副会長を歴任し、30年間の長きに亘りリーダーとして指導、記録誌の作成、一般社団法
人への移行、各種行事の実施等に尽力し、中心的役割を果たしてきた。一般社団法人への移行後
は会長に就任、低迷が続く県内市場の打開策の一環として市場の再編整備を提案し、その研究会
を立ち上げるなど諸活動に精力的に取り組んでいる。
・氏は、長年にわたり館林中央市場(株)の業務に従事し、市場流通の近代化、合理化等に取り組ん
できた。特に群馬県の東南部の地域は多くの中小卸売市場があり、その連携や再編が課題である
が、氏は積極的にこの問題にリーダーシップを発揮してきた。氏の豊富な経験や卓越した指導力、
着眼点には定評があり、市場関係者の信頼は厚く、団体等の調整役を確実に発揮している。また、
現在でも現場のリードオフマン役を実践しており、その姿勢は役職員はじめ関係者の信望の元と
なっている。
・大阪府下を中心に神戸、奈良、京都を販売エリアとし、地域密着型の業務用卸売業を展開、50余
年の歴史を持つ老舗の小規模流通業者で、特に食品油脂類の取扱いに強い。安全安心な食材を得
意先の意向を聞きながら供給するよう尽力、また少量多品目の注文にも効率的に対応している。
・受発注業務は、独自開発の最新コンピューターシステムを活用し、正確かつ効率的な管理の基で、
かぶしきがいしゃ
株式会社
にしづかしょうてん
西塚 商 店
業務用食品卸売業
大阪府
顧客に十分満足してもらえ安定供給ができるような体制を確立している。また、倉庫施設内のピ
ッキング等についてもシステム化を行い、積み込み、配送作業の効率化を図る。
・また、顧客サービスの充実を図るため、事前に「旬のメニュー、食材」を食品メーカーを交えて
社内で繰り返し検討し、顧客に合ったおすすめメニューを作成して提案を行っている。さらに、
商品管理の徹底を図るため、倉庫の商品管理要員を増員し、賞味期限のチェック体制を強化し、
安全安心な食品を提供している。
受賞予定者名称(氏名)
だい
こう
かぶしきがいしゃ
大
幸
株式会社
業種(種類)
業務用食品卸売業
所在地
鳥取県
主
な
功
績
の
概
要
・インフォマートシステム(食品業界の企業間電子商取引に関するプラットフォームの一つ)に大
幸システムを接続した全国ネットで、冷凍食品を主体に販売活動を行う中規模流通業者で、主た
る圏域は、鳥取、島根、岡山、兵庫県。自社便での配送、その他エリアは宅配業者に委託し、コ
ストと欠品の低減や配送の効率化を図っている。
・物流センターには約8000アイテムの幅広い商品を備え、品質を重視し商品に合わせてー45℃、
-25℃、常温保管など徹底した品質管理を行い、安全安心な食材の適時提供に努める。
・学校給食での鳥取県産の魚の利用を始めとする食育への協力、料理講習会の開催などを実施して
いる。また、鳥取県で生産された農林水産物やそれらを原料にした加工品販売により「食のみや
こ鳥取県」
(鳥取県の県産食料品の生産販売を推進するプロジェクト)推進サポーターとして登録
し、本事業に参加して積極的に活動している。
ぜんにっしょく
全 日 食 チェーン
し ま ね きょうどうくみあい
島根 協 同 組合
ボランタリー
チェーン
島根県
・大手小売業の新規出店等に対抗し、地域小売店の存立と繁栄を維持するため協同組合を設立、15
組合員でスタートしたが、現在は25組合員に増加した。チェーンネットワークによる販促企画、
売場作りや商品の安定供給による店作りの指導を行い、さらに安心安全な商品を提供する店作り
を行い、地域消費者に喜ばれている。
・当組合では、組合員が東西250㎞に点在するため、物流センターを東出雲町に置き効率的にカ
バーし、商品納品単位の少量化によるきめ細かい鮮度管理で、商品廃棄量の抑制を図っている。
また、2温度帯配送車の導入により配送回数を抑制し、仕入・商品補充時間を短縮。更に共同配送
の研究を進め、平成14年度から9店舗で実施、現在は16店舗に拡大。23年度からは農産物の混載も
実験的に始め、更なる効率化を目指している。
・詳細な販売データの蓄積・分析のできる新型VCPOSを組合員に導入、自動発注システムの活
用を促進し、発注時間の短縮、売れ筋商品の欠品防止などを実現し、販売の効率化を図っている
。
《 団体部門2点》
(団体1点)
受賞者名称(氏名)
業種(種類)
所在地
すいさん かこうぎょう きょうどう くみあい
水産加工業 協 同 組合
な
功
績
の
概
要
・北海道においては明治6~7年頃に蒲鉾の製造が始められた。大正初期から昭和の初めにかけて、
ほっかいどうかまぼこ
北海道蒲鉾
主
―
北海道
道内各地に同業者組合が設立されたが、道内各地域の親睦団体的要素が強く、全道を統一する事
業組織は長期間なかった。このため、北海道の蒲鉾業者は、連携に乏しく、原料が豊富にある半
面、品質のバラツキや品質保持技術の不十分さ、貧弱なマーケティング力による販路の狭小、結
果として北海道と言う地域ブランドの低迷など問題が山積していた。
・長く原料供給地として甘んじてきた北海道蒲鉾製造業者、業界の共益と経済的地位の向上を図る
ため、昭和41年11月に道内の事業者を組織した組合を設立、今日北海道蒲鉾水産加工業協同
組合として活動している。
・本組合の活動の結果、業界内の結束が図られると共に、道内各地に新鮮・優良で廉価な蒲鉾製品
を供給できるようになり、同時に北海道で漁獲されるスケトウダラやホッケなどの地場利活用が
進み、道民の食生活の改善と、道内産原料に基づく北海道産業の強化が図られた。今後は北海道
産蒲鉾の製造地表示など、ブランド力の一層の強化を図っていく。
・蒲鉾夏期研修会を開催し、外部講師を招き、集中的に衛生管理、原料特性、製造技術ならびに経
営管理、リスクマネージメント等について研修を行なっている。研修をもとに HACCP 取得や品質
表示の統一が図られている。また、研修の一環として、先進地視察や関連業界(すり身生産工場、
澱粉等副材料生産工場など)の見学や懇談を行ない、連携を図っている。
《 団体部門(個人1点)
》
受賞者名称(氏名)
たかぎ
いさお
高木
勲
70 歳
業種(種類)
所在地
主
な
功
績
の
概
要
・氏は、組合では副理事長として、理事長を補佐し、組合をまとめ、県連合会では常務理事として、
-
富山県
会長を補佐し、他の県内の組合とのパイプ役として人望がある。
富山県青果物商業協同組
平成23年6月に富山で開催された、第31回全国青果物商業協同組合連合会全国大会富山大会開催実
合連合会
行委員長として、企画、運営を中心になって指導した。
常務理事
・組合の青年部の必要性を説き、組合に青年部を発足させ、初代会長として青年部活動の活性化に
尽力するとともに、その後も自ら青年部主催の勉強会、研修会にも参加し、後継者の育成に力を
注いでいる。
・全国青果物商業協同組合連合会青年連合会北陸地区の役員として全国の青年部との交流に務める
とともに県内他青年会部にもその情報を提供し、人望も厚い。
・青年部会長時代も含め、各種の催しの企画・実行に独創性を発揮したほか、効率的な組合組織へ
の改編などを通じ、運営の強化に尽力した。
・
「まとめ買い」に力を注ぎ、組合員の要望に応え、注文の素早いとりまとめ、わずらわしい荷捌き
の効率化などで組合員から好評を得ている。とくにまとめ買いをすることは、ロットの小さい県
内野菜も集まりやすくなり、学校給食食材を始め、県内青果物の消費拡大に大きな役割を果たし
ている。
・以上のほかにも、学校給食配達に関する衛生改善、地産、地消の推進に尽力しているほか、地域
社会への貢献も果たし、地域住民からの信望が厚い。
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