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67 - 電子情報通信学会
平成 22 年度電子情報通信学会東京支部学生会研究発表会 講演番号: 67 固有ビーム径 GI ファイバを用いた 平凸レンズド光ファイバの反射率低減化 Reflectance reduction of a plano-convex lensed fiber employing a GI-fiber tip with a specific beam diameter 楠本 翔平 Shohei Kusumoto 森田 創 Hajime Morita 依田 秀彦 Hidehiko Yoda 白石 和男 Kazuo Shiraishi 宇都宮大学 大学院工学研究科 Graduate School of Engineering, Utsunomiya University 2. 構造・動作原理と特性解析 図 1 に EB-GIF を用いた P-C レンズドファイバの構造を示す. SMF に EB-GIF を接続し,その先端に高屈折率平凸型レンズを 形成した構造である[1].EB-GIF はコア径が SMF のそれより 十分大きいので,レンズ径をビーム径より充分大きくすること ができる.P-C レンズドファイバの特長は大きな集光効果をも つこと,およびファイバ先端から集光点までの距離(作動距離) をゼロにできるためデバイスと直接接続できることである。試 作の結果、図 2 に示すように SMF のモードフィールド直径 (MFD)10.4m を,波長以下の 1.1m に縮小できた。作動距離 は 1.1m となり P-C レンズの外に集光位置があった。 SMF waveguide EB-GIF Si 図 1. P-C レンズドファイバ結合系 1 measured calculated Normalized intensity 1. はじめに 我々は,フォトニック結晶やシリコン細線導波路と単一モー ド光ファイバ(SMF)を高効率かつ小型・簡便に接続する方法と して,固有ビーム径 GI ファイバ(EB-GIF)を用いたプラノコン ベックス(平凸)型レンズドファイバ(以降 P-C レンズドファイバ と略す)の開発を行ってきた[1-2].今回,P-C レンズドファイ バ先端に単層の反射防止(AR)膜を施すことにより有効な反射 率低減効果が得られることが明らかになったので報告する。 Input (MFD=10.4m) Output (MFD=1.1m) 0.5 0 -10 -5 0 Radial distance [m] 5 10 図 2. 集光位置における光強度分布 3. 反射率低減化 P-C レンズドファイバの反射特性を,FDTD 法を用いて解析 した。試作したレンズドファイバでは透過率が約 56%となっ た。本構造のように AR 膜に入射する MFD が小さいと AR 膜 内で光が回折し,AR 膜と空気の境界に入射する光が垂直でな くなり,その結果反射率が高くなると考えられる。そこで式 (1)を満たすように,ファイバ先端に単層の AR 膜を施した。 n AR n1n2 , n AR d 4 (1) ここで,高屈折率層の屈折率 n1 ,外側の屈折率 n2,波長 , AR 膜の屈折率 nAR,膜厚 d とした。 解析結果を図 3 に示す。n2=1 の時,透過率は約 85%となっ た。また、屈折率を直線的に変えた傾斜膜を用いた場合もほぼ 同様の透過率となり十分な反射低減ができないことがわかった。 これは空気との境界で全反射が起きてしまうことが原因である。 そこで外側に直接接合用樹脂(n2=1.41)の時を仮定し,式(1)の条 件を満たす単層 AR 膜を仮定した。解析結果を図 4 に示す。透 過率は約 98%となり、外側が樹脂の場合は,単層 AR 膜でも十 分な反射低減を得られることが分かった。これより,最終的な 目的である導波路とファイバを樹脂で直接接続する際には十分 な反射低減効果が得られることがわかった。 参考文献 [1] 古田, 他, 信学技報 OFT2008-83, 2009 年 1 月. [2] K. Shiraishi, et al., Appl. Opt., 47, 6345(2008). 図 3. 先端部電界強度分布(n2=1) 図 4. 先端部電界強度分布(n2=1.41) -67- Copyright © 2011 IEICE