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人の体に必要な栄養素をご存知ですか? 低炭水化物ダイエットに要注意!
発行:杏林大学医学部付属病院栄養部 発行日: 平成 25 年 8 月 1 日 NO.13‐08 人の体に必要な栄養素をご存知ですか? 摂取エネルギー内における 三大栄養素の理想比率 体内のエネルギー源になる栄養素は炭水化物・たんぱく質・ 脂質の 3 つです。これらを三大栄養素といいます。 1 日の摂取エネルギー内における三大栄養素の理想比率は、炭 水化物:50~60%、たんぱく質:15~20%、脂質:20~25% です。 脂質 20~25% 炭水化物 近年では食の欧米化が進み、理想的な比率が崩れ、炭水化物 の摂取量が減少し、脂質の摂取量が過剰となっています。その ため肥満や心臓疾患、糖尿病などの発症が増加したと言われて います。 50~60% たんぱく質 15~20% 食事は主食を中心に様々な食品を組み合わせて食べるように し、大幅な理想比率の崩れがないよう心掛けましょう。 炭水化物を主に含む食品(ご飯・パン・麺・芋類・南瓜・砂糖・果物) 不足すると・・・ ・エネルギー不足による疲労感、集中力減退 ・炭水化物の構成物質であるブドウ糖をエネルギー源とする組織 (脳、赤血球、神経)への供給不足が起き、意識障害を起こす場合 がある とりすぎると・・・ ・エネルギーとして消費されなかった炭水化物は中性脂肪に変換 ・ショ糖(砂糖)は脂質異常症、糖尿病、脂肪肝を誘発し、虫歯の原 因にもなる 低炭水化物ダイエットに要注意! ~低炭水化物ダイエットとは~ 炭水化物の摂取量を減らすことにより、脂肪を蓄えるよう指示するホルモン、インスリンの分泌を低く抑え、 蓄えた脂肪を分解するホルモン、グルカゴンの働きを活発にするという体の仕組みを利用したダイエット法です。 ~しかしこのダイエットにはリスクがあることが分かってきました~ 炭水化物量を少なくすることで、食事内の動物性たんぱくや油脂の摂取量が増加します。その為長期間続ける と心筋梗塞や脳卒中、動脈硬化など心・脳血管疾患が増加する危険性が高まることが分かりました。このダイエッ トを行っている人と行っていない人と比較すると、発症リスクは最大 1.3 倍にも上がると言われています。食事 は偏った内容ではなく、バランス良く主食・主菜・副菜を組み合わせて食べましょう。 2013.1.30 読売新聞掲載