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東アジア域の大気・陸域・海洋水循環変動 に伴う災害予測に関する研究
文部科学省: 人・自然・地球共生プロジェクト 課題(5) 広域水循環予測及び対策技術の高度化 サブテーマ(1) 東アジア域の大気・陸域・海洋水循環変動 に伴う災害予測に関する研究 研究代表者 松浦 知徳 (防災科学技術研究所) 参加研究者: 松浦 知徳 中根 和郎 飯塚 聡 筆保 弘徳 黄 文峰 川村 隆一 Yign Noh 三菱重工業(株) 防災科学技術研究所 〃 〃 〃 〃 富山大学 韓国延世大学 1 研究目的 アジア域の水循環は気象・水災害や水資源問題と関連しており,それらの将来予測をすることは災害を未然に防 ぐために必要である.西アジアの乾燥地域に対して東アジアはモンスーンの影響で湿潤域となっている.そのため, 1998 年の長江大水害のように,毎年甚大な人的被害を被っている.我々は,東アジア域(特に,タイ国チャオプラヤ 川流域と長江流域)の水循環が気候変動や人為的な灌漑・ダム建設に伴ってどのように変質するのかを予測できる 大気・陸域・海洋水循環統合モデル(図1)を開発することをこの研究の第一の目的としている.また,開発したモデ ル等を利用して,東アジアの水資源評価や,大規模開発に起因する河川流出量の変化に伴う東アジアの水循環変 動を評価し,日本の水災害変質予測を実施する. 図 1 大気・陸域・海洋水循環統合モデル 2 2 研究計画 年度 項目 ① 高解像度大気海洋結合 モデル 平成 14 年度 平成 15 年度 平成 16 年度 地球シミュレータへの 地球シミュレータでの 地球シミュレータでの ②広域水収支モデル 50kmから10kmへの高分 プログラム変更・並列化 0∼50年ラン 解能化 平成 17 年度 平成 18 年度 51∼100年ラン アジア地域10km分解能モデル作成 (チャオプラヤ川流域) ③領域大気・海洋モデル 河川流出変化に基づく シミュレーション 50年長期ラン 海面水温変化に基づく モデル導入及び改良 改良モデルの検証 ④統合化及び予測・評価 シミュレーション 統合化 各モデルによる 予備調査 シミュレーション評価 統合シミュレーション 降水量・積雪量に基づく 水災害予測・評価 2.1 高解像度大気海洋結合モデルの精度向上に関する研究 −研究開発1年目 ・高解像度大気海洋結合モデルを地球シミュレータで長期ランできるようプログラムのコード変更及び 並列化を行う. −研究開発2年目 ・地球シミュレータを使って,高解像度大気海洋結合モデルの 50 年長期ランを行う. −研究開発3年目 ・前年に引き続き,地球シミュレータを使って高解像度大気海洋結合モデルの 50 年以降 100 年 までの 50 年ランを行う. −研究開発4年目 ・西アジアの研究グループが実行している気候条件に合わせて高解像度大気海洋結合モデル のシミュレーションを行う. 2.2 広域水収支モデルの高分解能化 −研究開発1年目 ・広域水収支モデルのチャオプラヤ川流域を対象として 50km 分解能から 10km 分解能へ高分解 能化する. −研究開発2-3 年目 ・開発した手法を基に,長江流域において 10km 分解能広域水収支モデルを作成する. 3 −研究開発4年目 ・西アジアの研究グループが実行している気候条件に合わせてチャオプラヤ川流域及び長江流 域における水循環統合モデルの広域水収支モデル部分のシミュレーションを行う. 2.3 領域大気・海洋モデルの高度化に関する研究 −研究開発1年目 ・既存領域大気モデルを東アジア大気・陸域・海洋水循環統合モデルに組込めるよう開発する. −研究開発2年目 ・高度化した領域大気モデルの検証を行う. −研究開発3年目 ・大気海洋結合モデルのシミュレーション結果等を境界条件として,領域大気モデルのシミュレーシ ョンを実行し,モデルの検証を行う. −研究開発4年目 ・西アジアの研究グループが実行している気候条件に合わせて東アジアにおける水循環統合モデ ルの領域大気モデル部分のシミュレーションを行う. 2.4 東アジア・モンスーン域の水資源変化及び水災害変質調査 −研究2年目 ・東アジア域のモンスーンに伴う水循環変動に伴う水資源・水災害変化の予備的調査を行う. −研究3年目 ・①から③の各モデルに関して東アジアのモンスーン域(特に,長江流域及びタイのチャオプラヤ川 流域)の水循環変動の評価を行う. −研究4年目 ・西アジアの研究グループが実行している気候条件に合わせた水循環統合モデルの結果を使って東 アジアモンスーン域の水循環変動評価を行う. −研究5年目 ・東アジア域のモンスーン域に伴う水資源・水災害評価のとりまとめを行う. 4 3 研究成果 3.1 高解像度大気海洋結合モデルの精度向上に関する研究 防災科学技術研究所で開発した高解像度大気海洋結合モデルは,気象庁の大気大循環モデル(GMS8911)を T213 に高解像度化したものと GFDL の海洋大循環モデル MOM2 (1.125°x0.5625°)を結合したものである. まず大気モデルと海洋モデルを別々に VPP5000 と地球シミュレータに移植し,チューニング及び高速化(ベクト ル化と並列化)を実行した. その後,互いのモデルを結合した. 地球シミュレータでの作業推進中,海洋モデルとして使っていた MOM2 は並列化が困難であり,SEAver.3.1 の方 が適していることが判明し,海洋モデルとして SEA.ver.3.1 に変更した.ただし,SEA.ver.3.1 は並列化されていたが ベクトル化がされていないため,その改良を行った. ここで,T213 大気大循環モデル(表1),0.5625°海洋大循環モデル(表2),及び結合モデル(表3)に関する VPP5000 と地球シミュレータとのスピード比較,また地球シミュレータでの 1 ノードの中で 1cpu から 8cpu まで増やし たときの並列化率とノード間毎で cpu を増やしたときの並列化率の結果を示す. 大気大循環モデルに関して,1cpu では VPP5000 に対して地球シミュレータの方が 1.18 倍速く,8cpu では 1.39 倍速い.並列化は 1cpu に比べて 8cpu で 6 倍程度速くなっている.8 ノードまでのテストでは 8cpu をどのようにノー ドに割り当ててもほぼ等しいスピードが得られた. 海洋大循環モデルに関して,ベクトル化したことで 4 倍程度,また 1cpu に比べて 8cpu で 3.2 倍程度スピードアッ プした.1cpu で地球シミュレータは VPP5000 に対して 1.3 倍程度,8cpu で 1.2 倍程度の速さであった.地球シミュ レータで 10 ノード 80cpu 使用した場合,1cpu の場合に比べて 26 倍程度スピードアップした. 表 3 は結合モデルを地球シミュレータで 10 ノード 80cpu を使い,2 年間計算した海洋モデル,大気モデル,通信 にかかる時間を示している.この結果から,来年度以降計画している 100 年ランに 10 ノード 80cpu で 40 日程度かか ることがわかった. 表1 大気大循環モデル(T213: 640×320×21) 機 種 VPP5000 CPU 数 地球シミュレータ 地球シミュレータ (1ノード) (8ノード) 1CPU 2660.84 2248.50 2CPU 1405.56 1187.26 4CPU 792.90 627.06 8CPU 497.91 358.93 ノード 地球シミュレータ 8CPU 1 日分の計算時間(second) 341.4 1 2 4 8 358.9 332.5 340.2 341.4 5 表2 海洋大循環モデル(0.5×0.5×37 層,642×322×37) 地球シミュレータ CPU 数 (ノード 1 日分の計算時間(second) オリジナル ベクトル化修正版 スピードアップ 計算時間 計算時間 スピードアップ1 1(1) 1023.59 231.17 4.43 1.00 4(1) 362.76 85.89 4.22 2.69 8(1) 225.80 71.17 3.17 3.25 CPU 数 オリジナル 数) (ノード 2 ベクトル化修正版 スピードアップ 計算時間 計算時間 スピードアップ1 1(1) 1023.59 231.17 4.43 1.00 4(1) 361.65 71.63 5.05 3.23 8(1) 218.06 49.35 4.42 4.68 数) 表3 T213 の COUPLE モデル 2 地球シミュレータ,80 プロセス(8procs/node×10nodes) 1年目 (sec) 2年目 (sec) COUPLE(結合) 33542.4 33544.3 MISC(通信) 332.4 333.1 SEA(海洋) 3278.7 3277.6 JMA(大気) 29931.2 29933.6 平成14 年度は高解像度大気海洋結合モデルを地球シミュレータで 2 年間シミュレーションできたので,その結果 の特性を示す.このモデルは大気と海洋ともに 0.5625°の解像度であり,全球モデルであるが台風や梅雨といった 総観気象現象を再現できることに特徴がある. 図 2 はシミュレーションを実行して 2 年目の 7 月に日本に上陸したモデル台風の気圧,海上風,降水量を重ねて 示したものである.現実に観測されているようなかなり強い台風が日本付近まで北上する様子をとらえることができ た. 図 3 は梅雨前線のようなフロントがこの大気海洋結合モデルでどのように再現されているのかを示したものである. やはりシミュレーションの 2 年目の梅雨期 6 月 17 日から 22 日までの 5 日平均した降水量分布を示した.中国長江 付近から九州南部にかけてシャープな梅雨前線がとらえられている. 現在,モデルのパフォーマンスチェックの調査中であるが,概ね季節変動気候値や上述の総観気象現象が現実 に近い形で再現されている. 平成15年度は地球シミュレータ利用の関係で高解像度大気海洋結合モデルの 50 年ランは終了できなかったが、 VPP5000 を利用することにより、20 年ランが終了した.シミュレーション結果の特性として、ENSO は振幅の大きな 4 年程度の割合規則的な周期を持つ結果が得られた(図4).また、熱帯低気圧等の発生も現実的に再現されており、 そのデータを領域大気モデルに受け渡した. 6 図2 図3 図 4 高解像度大気海洋結合モデルの 20 年ランから 得られた赤道上の海面水温の時間―経度断面図 7 3.2 広域水収支モデルの高分解能化 平成 14 年は図 5 に示すような 0.1 度(約 10km×10km)分解能の高分解能広域水収支モデルの計算スキーム を作成する. (1)DCW(Degetal Chart of the World)の河川網データおよび世界30秒標高データ(GTOPO30)を用いて, 図 6 に示すようにタイ国チャオプラヤ川流域における 0.1 度河川網モデルを作成した. (2)米国地質調査所(USGS)の土地利用データを基に,0.1 度(約 10km×10km)分解能の土地利用分類 データセットを作成した. (3)ECMWF 再解析データおよび GAME 再解析データを用いて,作成した 0.1 度高分解能広域水収支 モデルによりタイ国チャオプラヤ川流域での水資源量の試算を行い,モデル作動を確認した. 図 5 0.1 度高分解能広域水収支モデルの概念図 図 6 タイ国チャオプラヤ川流域における 0.1 度度分解能の河川網モデル 8 平成 15 年はタイ国チャオプラヤ流域の 10km 分解能広域モデルに 10 種類の土地利用情報とクワエノイ川流域 の観測降水量を与え、各地の河川流量等の観測値と計算値を比較し、モデル予測精度の検証を行った(図 7).ま た、中国長江流域の 10km 分解能広域水収支モデルを作成するために必要な河川網データセット及び土地利用分 類データセットを作成した. 図 7 0.1 度分解能広域水収支モデルによって計算されたタイ国チャオプラヤ川流域 のクワエノイ川観測点における流出量 9 3.3 領域大気・海洋モデルの高度化に関する研究 防災科学技術研究所では,1996-1998 年にかけてタイ北西部のチャオプラヤ川流域で地上観測を実施していた. そこで,この地域を中心とする東アジア域の領域モデルを作成し,その性能調査を行った.現時点でのモデルのネ スティング数は3つとし,親(領域1),子(領域2),孫(領域3)モデルの解像度は,それぞれ 90km, 30km, 10km とし ている.図8にそれぞれの計算領域を,図9 に領域3の地形を示す.また,本年度のテスト・ランの際に使用した物理 過程のオプション等のモデルの設定を表4に示す. 東南アジアのタイ周辺は,5 月から 10 月にかけて雨季,11 月から 4 月にかけて乾季になる熱帯モンスーン地域で ある.タイの年間雨量は 1500mm 程度であるが,その 80~90%は南西季節風の吹く雨季に集中する. 図10 は, 1999 年 7 月 1 日 6 時を初期値として,15 日間モデルを動かした結果得られた半月平均の降水量分布を各雲物理過程の 場合について示したものである.どの場合にも共通している点として,タイ周辺における夏季の降水分布は一様で はなく,海陸分布や地形の効果を強く受けていることがわかる.夏季の南西モンスーンにより運ばれる多量の水蒸 気が,タイとミャンマーの国境を走る高さ 1000m 程度の山脈の影響を受けることにより,ミャンマー側で降水量が多い のに対して,内陸のタイ側では相対的に降水が少ない.また,海洋性の対流活動が活発な南部でも,北部や中部 に比べて雨量は著しく多いことがわかる.このことは,タイ周辺での降水量の変動解明及び予測を行うためには,細 かな地形を表現できる高解像度のモデルが有用であることを示している.また,タイの北部や中部の降水量に対し ては,南西モンスーンにより運ばれる水蒸気の影響と同時に地表面からの蒸発も無視できないことが予想される.次 に,各雲物理過程の違いに目を向けると,simple ice や mixed phase に比べて warm rain の場合には,ベンガル湾東 岸で降水量が多くなる傾向が見られる.これらの違いの原因については現時点では明らかではない.今後,様々な 観測データとの比較を通して,どのパラメタリゼーションがこの地域に最適なのか詰めていく必要がある. 一方,海洋モデルの高度化に関しては,韓国延世大学の Noh 教授が開発した乱流クロージャー・スキーム(Noh and Kim, 1999)を共同で二つの海洋大循環モデル(MOM2.2 と SEA3.1)に組み込み,その性能調査と問題点の洗 い出しを行った.図 11 は,熱帯域の海洋シミュレーションで広く使われている Pacanowski and Philander (1981)による スキームおよび Mellor and Yamada(1982)のレベル 2.5 の乱流クロージャー・スキームとの比較を1次元モデルで行っ たものである.Noh 教授が開発したモデルでは,海面での波の破波による乱流エネルギーが輸送される効果により 攪拌する効果が含まれているために,同じタイプの Mellor and Yamada (1982)のスキームに比べて混合層が深くなる 傾向が見られる.しかし,強安定においても混合がさほど抑制されないという問題も見つかり,今後,この点を改善 する必要があることも明らかとなった. 表4:モデルに用いたオプション モデル MM5 Version 3-6 初期及び境界条件 NCEP (6 時間間隔) 積雲対流スキーム Grell 雲物理スキーム Warm Rain,Simple Ice,Mixed-Phase 境界層スキーム Hong and Pan PBL 平成15年はインドシナ半島を中心とした領域大気モデル(MM5)に対し、高解像度大気海洋モデルとの統合を 可能にし、太平洋北西域で発生した熱帯低気圧がインドシナ半島に上陸し、それがタイ国の降水量にどのように影 響しているのかを調べるモデリングが可能となった(図 12). 南シナ海の 1997 年と 1998 年の海面水温分布の違いを大気海洋結合系の関係から調べるため、領域大気モデ ル(MM5)と領域海洋大循環モデル(SEA)を結合した. 10 図 8 モデルの各領域 図 9 領域3の地形 図 10-1 Warm Rain を用いた場合の領域2(左)と領域3(右)の降水量 図 10-2 Simple Ice を用いた場合の領域2(左)と領域3(右)の降水量 11 図 10-3 Mixed-Phase を用いた場合の領域2(左)と領域3(右)の降水量 図 11 外力として東西風(1dyne/cm2)のみを与えた場合の 30 日後の温度の鉛直プロファイル 図 12 左上:800hPa 水平風 右上:500hPa 水平風 左下:熱帯低気圧を南北に切った鉛直渦度の断面図 右下:時間降水量分布 12 3.4 東アジア・モンスーン域の水資源変化及び水災害変質調査 インドシナ半島において、東アジアモンスーンの終息期(9-10 月)に降水量が多くなることが問題であった.9 月 以降にインドシナ半島の北側は東風、南側は西風となるために下層で強い水平シア域が現れる.南シナ海上のシ ア域が影響して、熱帯低気圧が発生・発達してインドシナ半島に上陸した際に、多量の降水量がもたらされることが 原因であった.この熱帯低気圧は、シア域の移動とともに 8 月から 11 月まで次第に南下する季節変化があることが 明らかになった(図 13). ○ Jul. - Sep. × Oct. - Nov. 図 13 1990-98 年にインドシナ半島に上陸した熱帯低気圧の経路 (実線は 7-9 月で破線は 10-11 月に発生した熱帯低位気圧) 13 4 引用文献 (1)広域水収支モデルの高分解能化 ①気象研究所/気象庁(2002): GAME-IOP Reanalysis Data Ver. 1.5(August-October 1998) ②中根和郎ら(2001): タイ国チャオプラヤ川流域北東部支川ナン川のクワエノイ川流域における水文・ 微気象データ 1996 年-1998 年タイ国水文年(その1,その2およびその3)防災科学技術研究所研究 資料 214 号,215 号および 216 号 ③中根和郎(2001): 大陸規模の水文のための広域水収支モデル,防災科学技術研究所全球水文過程 における災害予測に関する研究成果報告書 (2)領域大気・海洋モデルの高度化に関する研究 ①Mellor, G.L., and T. Yamada, 1982: Development of a turbulent closure model for geophysical fluid problems. Rev. Geophys., 20, 851-875. ②Noh, Y., and H.J. Kim, 1999: Simulations of temperature and turbulent structure of the oceanic boundary layer with the improved near-surface process. J. Geophys. Res., 104, 15,621-15,634. ③Pacanowski, R., and S.G.H. Philander, 1981: Parameterization of vertical mixing in numerical models of tropical oceans. J. Phys. Oceanogr., 11, 1443-1451. 5 成果の発表 (1) 口頭発表 【国内】 飯塚聡,松浦知徳,大気海洋結合モデルに現れた経年的な変動(5),東京水産大学,日本海洋学会 春季大会,2003 年 3 月 飯塚聡・筆保弘徳・中根和郎・松浦知徳:領域大気モデルを用いた数値実験、日本海洋学会 2003 年度秋季大会,長崎、2003 年 9 月 筆保弘徳・飯塚聡・松浦知徳:インドシナ半島に影響を及ぼす熱帯低気圧,アジアにおけるメソ スケール擾乱の多様性研究会,京都大学防災研究所,2004 年1月 【国外】 K. Nakane 2002: Simulation of water valance in Khuwae Noi River using distributed Tank Models, Workshop on GAME-Tropics and hydrometeorological studies in Thailand and Southeast Asia, Chian Rai, Thailand Fudeyasu, H, S. Iizuka, K. Nakane, and T. Matsuura (2003): An integrated modeling of atmosphere, land, and ocean water cycle in the Southeast Asia. The 1st Soudi-Japan Workshop on Improvement of Desert Environment. Pp46-49. Fudeyasu, H., S. Iizuka, T. Matsuura, and K. Nakane (2003): A numerical study of precipitation characteristics in Thailand. Khon Kaen. (2) 論文等発表 飯塚聡 2002:インド洋のエルニーニョ現象,信山出版,33-36 14 Matsuura, T., S. Iizuka, and M. Yumoto 2002: Climate change and tropical cyclone in a NIED high-resolution coupled general circulation model. Recent Research Development in Geophysics, 4, 57-84 Kawamura R., Y. Fukuta, H. Ueta, T. Matsuura and S. Iizuka 2002. A mechanism of onset of the Australian summer monsoon. J. Geophys. Res., 107, D14, ACL5. 1-15 Shaji C., S. Iizuka and T. Matsuura 2003: Seasonal variability of near 0 surface heat budget of selected oceanic areas in the north tropical Indian Ocean. J. Oceanogr., 87-103 松浦知徳 2003: 気候変動のシミュレーション技術,高圧ガス,40,36-40 Minoura, D, and R. Kawamura, and T. Matsuura (2003): A mechanism of the onset of the South Asian summer monsoon. J. Meteor. Soc. Japan. Vol. 81, pp563-580. Iizuka, S., K. Orito., T. Matsuura., and M. Chiba (2003): Influence of cumulus convection schemes on the ENSO-like phenomena simulated in a CGCM. J. Meteor. Soc. Japan, Vol.81, pp805-827. Kawamura, R, T. Matsuura, and S. Iizuka (2003): Equatorially Symmetric Impact of the El Nino-Southern Oscillation on the South Asian Summer Monsoon System. J. Meteor. Soc. Japan, Vol. 81, pp1329-1352. 15