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あげおの星No.55 (2014年10月1日発行)
ご自由にお取り下さい 星の色がちがうのは、どうして? 夜空を見上げると、白い星、黄色い星、赤い星、青白い星などさまざまな色の星が輝いてい ます。星の色がちがうのはどうしてなのでしょうか。 それは、星の表面温度に関係があります。夜空に輝く星(惑星などは除く)は、みんな太陽 のように燃えています。ものは燃える時に熱や光を出しますが、その温度によってかがやく光 の色が違ってくるのです。 表面温度が1番高いのは、青白く輝く星です。1万度以上の高温で輝いています。青白い星 としては、おとめ座の1等星スピカが有名です。反対に表面温度が低いのは、赤く輝く星です。 約3000度くらいの温度で輝いています。赤い星としては、さそり座の1等星アンタレスや オリオン座の1等星ベテルギウスなどが有名です。 私たちにとって1番身近な太陽は、これらの中間で、約600 0度くらいの温度で輝いています。太陽をはるか遠くから見る と黄色い星に見えることでしょう。 また、星の色は星の年齢 とも関係があります。星は歳をとると温度が低くなり、やがて 赤く太ってしまいます。夜空に赤く輝く星たちは実は老人星な のです。逆に、青白く輝く星は、比較的若い星ということが言 えます。さまざまな色の星をさがして星空を楽しんでください。 上尾市自然学習館 上尾天文台 2014年10月1日発行 No.55 催し案内 電話:048-780-1030 FAX: 048-726-7901 夜間天体観望会 毎週 土曜日 夜 太陽の観察・天文相談 毎週土・日曜日 上尾市大字畔吉178 19:00 ~ 21:00 (6~8月は19:30~21:30) (雨曇天時は中止、当日17時の天候にて判定) 13:00 ~ 16:45 (太陽観測は日没で終了) 黄金の羊、石になったくじら!! おひつじ座は目立たない星座だ。あのペルセウスの物語の秋の星座と、冬のきらびやかな一等 星の狭間にひっそりと隠れている。秋の黄道には、やぎ座、みずがめ座、うお座、おひつじ座と、 つつましい星座が見える(はずだ)。 さて、秋の夜長に星座と神話はいかがでしょう。王家の兄と妹はおそろしい継母から逃れるた めに、空飛ぶ黄金の羊に乗って、ギリシャから遠く北東方向にあるコルキスへ向かった。ところ が、途中妹のヘレーは羊から海に落ちて死んでしまった。ヘレーが落ちたということで「ヘレス ★10月5日(日) 午後6時~9時 「月を撮ろう、風景と星を一緒に撮ろう(初心者)」 ★10月8日(水) 午後7時~9時 「皆既月食の特別観望会」 ★11月15日(土) 午前10時~午後8時 「上尾天文台まつり」 ★12月21日(日)午後2時~4時 「手作り望遠鏡」 ポントス」(ヘレーの海)と名付けられたのは、地中海から黒海に抜けるダーダネルス海峡のあ たりである。兄はコルキスに着いた後、羊を聖なる森に祀って、その金の皮を大神ゼウスに捧げ て、金羊は黄道十二星座の一番目のおひつじ座となった 神話はこれで終わりではない。後に「アルゴノート」と呼ばれたギリシャ神話の英雄達を乗せ、 上尾天文台のご案内 イアソン率いるアルゴー船はこの金羊の皮を目指して航海を続けた。アルゴノートの物語はおも 催し案内は表紙にもあります しろい。イアソンを愛した王家の娘で、魔女のメディアの話は、ぜひ読んでもらいたい。残酷な 話が多くてここには書かないが、そんなに一人の男を愛して、そして憎めるのかと感動するにち 天文台の主な設備 カセグレン式 40cm 反射望遠鏡 クーデ式 15cm 屈折望遠鏡 (車椅子対応) 12.8cm フローライト屈折望遠鏡 Hαフィルター付 屈折太陽望遠鏡 貸し出し用望遠鏡 がいない。 1基 くじら座は海の神ポセイドンの命令でエ 1基 3基 1基 6基 チオピアの海で大暴れした化け物だ。いけ にえとして岩に縛り付けられたアンドロメ ダ姫を呑み込もうとした瞬間、ペルセウス にメドゥーサの生首を見せられて石になり 星座になった。上尾天文台で星座と神話の 上尾市・丸山公園の自然学習館にある市立天文台です。クーデ式15cm屈折望遠鏡は、車椅子に座ったまま天体 を観測できます。天文台には車いす対応のトイレも完備されています。 上尾駅西口より循環バス「ぐるっとくん」平方循環で自然学習館下車(本数が少なく最終が早いので注意してく ださい)。駐車場あり(午後9時閉鎖)。 話を楽しもう。 北 秋になると過ごし易くなってきま す。涼しい夜には夜空を見上げて みましょう。真上には同じ位の明 るさの二等星が四角を形造ってい ます。 勇者ペルセウスが乗ったと 言われる天馬のペガスス座 です。 東 西 α ●天王星 ミラ ●海王星 2014年 11月15日 夜8時頃の空 τ (月は表示していません) 出典:Stellarium ただし、この四角の北 東の星はお隣のアンド ロメダ座のα星です。 α星から三つ目のβ星の 近くにはアンドロメダ 銀河が見られます。 【春分点】 ペガスス座の南東、アンド ロメダ座の南にはうお座がありま す。目立たない星座ですがとても 大切なものがあります、【春分 点】です。太陽がこの場所に来た ときが春分です。その日が春分の 日ですね。 南 春分の日、秋分の日には太陽が真東から昇り、 真西に沈みます。又昼夜の時間がほぼ同じに なります。 このことはかなり古くから日時計によって知 られていました。 さらに 春分→秋分の日数と、秋分→春分までの日数 が違うことから、一年の 中で太陽が天空を進む速さが季節によって 違っていることが知られて いました。 【天王星・海王星】 今年の秋には、うお座には天王星、となりの みず がめ座には海王星がいます。場所さえわ かっていれば、小型の望遠鏡でも見ることが できますが、上尾天文台の大きな望遠鏡で見 てみましょう。空気の状態が 良ければ青緑の丸い姿が見られるでしょう。 【ミラ】 うお座のさらに南にはくじら座があります。 このくじら座のΟ星(オミクロンと読みま す)はミラと呼ばれています。 ミラはミラー(鏡)と語源が同じで、不思議 なもの(な星)という意味です。 なにが不思議かというと、この星は明るいと きには2等星、暗くなると10等星となって、 昔の望遠鏡がなかった時代には見えなかった からなのです。明るくなって、又明るくなる までは332日ほどです。 今年の秋ははまだ明るい状態ですので、双眼 鏡でも見えますが、これ も上尾天文台の望 遠鏡で見てみましょう。 【10月の見どころ】 6日(月) 十三夜(後の月)。「豆名月」「栗名月」ともいわれる。 7日(火) H‐IIAロケット25号機/ひまわり8号の打ち上げ。14:16~18:16 8日(水) 皆既月食 全国で見られる「皆既月食」となります。 上尾では、半影食の始まり:17h14.1m / 部分食の始まり:18h14.5m / 皆既食の始まり / 19h24.6m / 食の最大:19h54.6m / 皆既食の終わり:20h24.5m / 部分食の終わり:21h34.7m / 半影食の終わり:22h35.2m 9日(木) 22日(水) 10月りゅう座流星群が極大。8日が満月なので条件は悪い。 オリオン座流星群が極大。24日が新月なので条件は良い。 【 11月の見どころ】 1日(土) 水星が西方最大離角。 6日(木) おうし座南流星群が極大。7日が満月なので条件は悪い。 13日(木) おうし座北流星群が極大。15日が下弦なので条件は悪い。 18日(火) しし座流星群が極大。下弦過ぎの月の月明かりを避けて観察。 29日(土) 上弦。月面Xが見える。 【 12月の見どころ】 14日(日) ふたご座流星群が極大。14日は下弦。夜半前の観察がおすすめ。 20日(土) 夜明け前、南東の空に月と土星が並ぶ。 23日(火) こぐま座流星群が極大。22日が新月なので条件は良い。 【くじら座のタウ(τ)星】は太陽と同じス ペクトルがG型の星で、ハビタブルゾーン(水 が液体で存在できる距離)に地球と同じよう な質量のわく星が発見されています。 (上は昨年のまつりの様子)