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消 化器癌 患 者 の末梢 血T cellのHelix pomatia A hemagglutinin結 合

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消 化器癌 患 者 の末梢 血T cellのHelix pomatia A hemagglutinin結 合
消 化 器 癌 患 者 の 末 梢 血T
cellのHelix
hemagglutinin結
pomatia
A
合活 性 の検 討
第2編
臨床検 討
岡山大 学医 学部 第1内 科教 室
安
原
高
士
(昭和61年3月18日
Key
word:
Helix
pomatia
末 梢 血T
cell,
A
受稿)
hemagglutinin
,結
合 活 性,消
化 器 癌,
neuraminidase
cellに 結 合 す る性 質 を 利 用 し,消 化 器 悪 性 腫 瘍
緒
最 近,諸
言
種 レ クチ ン(PNA,
ど)を 用 い て,マ
患 者 を 対 象 に 末 梢 血HP結
LPA,
SBAな
ウ ス あ る い は ヒ ト リ ンパ 球 を
分 画 す る 試 み が な さ れ て い る.更
に これ 等 レ ク
対 象
1.対
機 能 と の 関 連 性 が 報 告1-5)さ れつ つ あ る.
こ の リ ンパ 球 と レ ク チ ン との 結 合 活 性 の 差 が
肝 癌10例,胆
ト末 梢 血T
例 の 計20例(男
(HP)のT
markerの1つ
と
pomatiaの
ア ル ブ ミン 腺 よ り単
年 令50.5才),及
例 男 性,平
ine(D-GalNAc)に
瘍 患 者 は2例
結 合 特 異 性 を示 す6-9).ヒ
ト リン パ 球 に 対 して は 活 性 化 能 は な い8,10).無処
2.方
se処 理 に よ り リン パ 球 表 面 の シア ル 酸 を除 くこ
1)
対 す るreceptorが
receptorを
性6人,平
性14人,女
均 年 令55.1
性 肝 炎9
性2人,平
均
び 健 常 人 コ ン トロー ル11例(全
均 年 令30.1才)を
検 討 した.悪
性腫
を 除 き 残 り18例 は 手 術 不 能 な 進 行
法
[125I]HPの
Green
表 出 し,
合 活 性 が 出 現 す る こ と が 示 され て い る8,11).
さ ら にHP
癌1
癌 で あ っ た.
理 の リ ン パ 球 に は 結 合 しな い がneuraminida
とに よ り, HPに
性14人,女
例,肝 硬 変 症7例),(男
離 さ れ る レ クチ ン でN-acetyl-D-galactosam
HP結
腸 癌3例,胃
と消 化 器 癌 以 外 の 悪 性 腫 瘍3
才),良 性 肝 疾 患 コ ン トロ ー ル16例(慢
A hemagglutinin
cellに 対 す る 結 合 活 性 を検 討 した.
HPはHelix
と 方 法
管 癌3例,結
例 の 消 化 器 癌17例
pomatia
変動
象
機 能 に 関 連 して い る事 実 に 注 目 し,著 者 等 は ヒ
cellのsurface
cellの
化 に つ い て考 察 し た.
チ ン の リ ンパ 球 に 対 す る 結 合 活 性 の 有 無 とそ の
考 え られ るHelix
合T
を 検 討 し,消 化 器 癌 患 者 で の 細 胞 性 免 疫 能 の 変
有 す る リ ンパ 球 の 大 部
作 成(Fig.
Woodの
Na-phosphate
125I(Amersham
1)
方 法 に 従 っ た. 50μl 0.5M
buffer, pH
7.5にlmci
NaIMS
30)
, 1mg HP, 30μl 0.1
分 がT
cellで あ る こ とが 知 られ て い る12-14).
一 般 に 悪 性 腫 瘍 患 者 に お い て は 免 疫 能 ,特 に
%(W/V)chloramine
させ た.そ
の 後, 0.24%(W/V)sodium
細 胞 性 免 疫 能 が 低 下 して い る と云 わ れ て い る1521)
.今 回 の 検 討 で は, HPが
ほ ぼ 特 異 的 にT
abisulfite
50μlを 加 え
50μl 0.8%(W/V)KI,
465
Tを
順 次 加 え60秒 反 応
met
反 応 を停 止 し,さ
0.5ml
5%
BSA(SIG-
らに
466
安
原
高
士
EDTA,
pH
7.4)で1回
洗浄
し 混 入 す る 赤 血 球 を 溶 血 し た.
さ ら にHBSSで3回
後HBSSに
洗 浄の
再 浮 遊(4×106
/ml)し,
neuraminidase
(SIGMA,
type
VI)を
度0.05U/mlと
37℃,
最終 濃
な る よ う 加 え,
45分 間incubateし
処 理 後,リ
で2回
た.
ン パ 球 はHBSS
洗 浄 し,
0.2%BSA,
0.02%NaN3を
含 むHBSS
に 再 浮 遊(2×106/ml)し
た.
こ の リ ン パ 球 浮 遊 液0.5mlに
[125I]HP
0.4μgを
で90分
振 盪,
そ の 後, assay
mlを
加 え,
た.
mixtureの0.4
氷 冷 し たHBSS
重 層 し,
25℃
incubateし
2mlに
2000rpmで15分
間遠
心 し沈 殿 した リ ンパ 球 結 合 放
射 活 性 を γ-counterで
Fig.
1. Preparation
of 125I-labelled
た.な
HP.
測定 し
おassayはduplicate
で 行 っ た.
MA,
RIA
grade)を
加 え た.
[125I]HPの
精 製
3)リ
ン パ 球subpopulationとneuramini
dase処
はAgarose-Aminocaproyl-D-Galactosami
ne(P.
L biochemicals
tographyを
inc.)affinity
用 い て お こ な っ た.標
chroma
識 反応 液 を
ラ ム(1.5ml)に
freeの125Iを
の せ,
PBSに
十 分 溶 出 さ せ た 後,
GalNAcで[125I]HPを
D-
識HPの
液 は100μlず
assayに
な っ た.ま
で凍結
4)末
のT
(Fig.
binding
assay
2)
=リ
Fine
Chemicals)を
比 重 遠 心 法 で お こ な っ た,分
4℃ で ト リ ス 緩 衛 化Hank生
(HBSS)で1回
(0.155M
洗 浄 し,次
NH4Cl,
10mM
率 を 測 定 し た.
合 量
理 リ ン パ 球 分 画(1×106)
のT
cellあ
合 量 を 算 定 し た.
合 量(ng/1×106
ン パ球 分画 のHP結
用 いた
理 リン パ 球
率 よ り 次 式 に て106個
cellのHP結
ヒ ト末 梢 血 リ ン パ 球 の 分 離 はFicoll-Hypa
que(Pharmacia
cell比
合 量 とneuraminidase処
cell比
T
理 リ ンパ 球 の
cellのHP結
neuraminidase処
のHP結
量測定 法 でお こ
,同 様 の 方 法 でneuraminidase処
梢 血T
り のHP結
保 存 し た.
梢 血 リ ン パ 球 の[125I]HP
bind
たneuraminidase処
一 部 を使 用 し
で
濃 度 を 決 定 し た.
つ 分 注 し-25℃
率
使 用 し た 同 じ検 体 を 用 い て 橘 ら23)
理 リ ン パ 球 のT
し てphenol法
蛋 白 量 を 定 量 し て[125I]HPの
2)末
ing
対 し て 透 析 し た 後,
無 標 識 のHPをstandardと
[125I]HP溶
て
0.1M
溶 出 し た.標
放 射 活 性 のpeakをPBSに
cell比
の リ ン パ 球subpopulation微
た だ ち にAgarose-Aminocaproyl-D-Galact
osamineカ
理 リ ン パ 球 のT
リ ン パ 球subpopulationは[125I]HP
T
cells)
合 量(ng/1×106lymphocytes)
/リ ン パ 球 分 画 のT
cell比
結
果
率(%)
離 し た リン パ 球 を
理 食 塩 水,
にNH4Cl
KHCO3,
pH
7.4
buffer
0.1mM
1)末
梢 血 リン パ 球 のT
cell比(Fig.
3)
末 梢 血 リン パ 球 のT cell比 率 は 健 常 人(81.9
±8.1%,
M±SD)と
良 性 肝 疾 患 患 者(80.3±
た
消 化 器 癌 患 者 の 末 梢 血T
cellのHelix
pomatia
A
hemagglutinin結
合 活 性の検 討
6.3%)と
467
の 間 に 有 意 差 は な か った.
悪 性腫 瘍 患 者 で は 健 常 人 に 比 し低
い 比 率 を 示 す 症 例 が あ り, 73.4±
11.6%と
低 下 の 傾 向 を示 し た が 有
意 の差 は な か っ た.
2)末
梢 血 リ ンパ 球 のHP結
合量
(Fig. 4)
末 梢 血 リ ンパ 球 の[125I]HP結
合 量 は 健 常 人 で は53.9±8.2ng/1
×106lymphocytes(M±SD)で
っ た.良
あ
性 肝疾 患患者 は健 常 人に
比 しHP結
合量 の高 い症例 が 少数
あ る が 平 均54.7±12.8ng/1×106
lymphocytesと
健 常 人 との 間 に
有 意 の 差 は なか っ た.悪
性腫 瘍 患
者 で は 結 合 量 の 高 い症 例 が 多 く,
平 均62.1±13.7ng/1×106lymp
hocytesと
健 常 人,良 性 肝 疾 患 患
者 に 比 しHP結
合 量が 高い傾 向 を
示 し た が 有 意 の 差 は な か っ た.な
お 良 性 肝 疾 患 患 者 を肝 硬 変 症 と慢
性 肝 炎 に 分 け て 結 合 量 を検 討 し た
が,肝 硬 変 症50.1±6.4ng/1×106
Fig. 2. Assay
methods
minidase
of 125I-labelled
treated
peripheral
HP binding
to neura
lymphocytes,慢
lymphocytes.
性 肝 炎57.8±
15.3ng/1×106lymphocytesと
慢
性 肝 炎 が 高 い傾 向 を 示 した が 有 意
の 差 は な か っ た.ま
た悪 性 腫 瘍 患 者 を 肝 癌 と そ
の 他 の 悪 性 腫 瘍 に 分 け て 検 討 し た が,肝
±14.3ng/1×106lymphncytes,そ
癌60.7
の他 の悪性
腫 瘍63.6±13.6ng/1×106lymphocytesと
差
は な か っ た.
3)末
梢 血T
cellのHP結
合 量(Fig.
「方 法 」 で 述 べ た 如 く
,末
梢 血T
結 合 量 を 算 定 し 検 討 し た.健
±8.4ng/1×106T
5)
cellのHP
常 人 の 平 均 は71.2
cells(M±SD)で
あ っ た.
良 性 肝 疾 患 患 者 で は 一 部 高 値 を示 す 症 例 が あ っ
た が78.9±19.4ng/1×106
T
比 し 有 意 の 差 は な か っ た.悪
99.0±32.6ng/1×106
健 常 人(P<0.01),良
Fig.
3.
Ratio
of
peripheral
lymphocytes
liver
number,
in
diseases
(M•}SD)
and
T
cells
to
malignancies,
normal
total
健常 人 に
性 腫 瘍 患 者 で は,
cellsと
高 値 を 示 し,
性 肝 疾 患 患 者(P<0.05)
と の 間 に 有 意 の 差 を 認 め た.悪
性腫瘍 患 者 を肝
癌 と そ の 他 の 悪 性 腫 瘍 に 分 け て の 検 討 で は,肝
benign
subjects.
T
cellsと
N;
癌101.8±38.1ng/1×106
T cells,そ
の他 の悪
468
Fig.
安
4.
125I-labelled
HP
dase
peripheral
treated
malignancies,
normal
binding
N;
liver
高
志
neuramini
lymphocytes
benign
subjects.
to
原
in
diseases
number,
Fig. 6. Changes
of 125I-labelled
neuraminidase
and
cells
(M•}SD)
in 6 malignant
ng/1×106
4)
HP結
to
T
patients.
T cellsと 有 意 の
らに 良 性 肝 疾 患 を 肝 硬 変 症 と
慢 性 肝 炎 に 分 け て検 討 し たが,肝
18.9ng/1×106
binding
peripheral
性 腫 瘍96.3±27.8ng/1×106
差 は なか っ た.さ
HP
treated
T
cells,慢
硬 変 症78.5±
性 肝 炎79.1±20.9
T cellsと 有 意 の 差 は な か っ た.
合 量 の 経 時 的 変 化(Fig.
消 化 器 癌 患 者4例,そ
例 の 計6例
6)
の 他 の 悪 性 腫 瘍 患 者2
を対 象 に 末 梢 血T
cellのHP結
合
量 の 経 時 的 変 化 を測 定 検 討 した.
6例 の うち 経
過 中 に 増 加 を示 し た もの が3例,軽
度 低 下 を示
し た もの が2例,残
低 下 を示 した.以
りの1例
は短期 間に著 明 な
上 の 如 く約40ヶ 月 の 観 察 期 間
に お け る 結 合 量 の 変 化 に は 一 定 の傾 向 を認 め ら
れ な か っ た.
5)
HP結
合 量 と生 存 期 間
悪 性 腫 瘍 患 者 をHP結
Fig.
5.
125I-labelled
dase
HP
treated
ignancies,
normal
, P<0.01,
binding
peripheral
benign
subjects.
(M•}SD)
T
liver
N;
to
cells
diseases
number, *;
in
合 測 定 日 よ り6ヶ 月 以
上 生 存 し た群 と6ヶ 月 以 内 に 死 亡 し た群 とに 分
nearamini
mal
and
P<0.05, **
け,末
梢 血T
cellのHP結
合 量 を検 討 し た.
6ヶ 月 以 上 生 存 し た群 の 末 梢 血T
(76.4±7.7%,
(1010±420/mm3,
M±SD),末
M±SD)に
内 に 死 亡 した群 で はT
cell比
梢 血T
cell比
率
cell数
比 し, 6ヶ 月 以
率(69.3±11.4
消 化 器 癌 患 者 の 末 梢 血T
cellのHelix
pomatia
A hemagglutinin結
合 活 性 の検 討
腫瘍 患 者 の 末 梢 血 リン パ 球 のT
性 肝 疾 患 患 者,健
最 近,リ
469
cell比 率 は 良
常 人 に 比 べ 低 い傾 向 を 示 した.
ン パ 球 を諸 種 レ ク チ ン との 結 合 活 性
の 差 に よ り分 画 す る 試 み が な さ れ て い る. Rei
sner1)ら
は マ ウ ス の リン パ 球 を 用 い, PNAの
高 い 結 合 能 を持 つT1細
胞(末
成 熟T細
低 い 結 合 能 しか 持 た な いT2細
胞)か
ら分 離 した. PNAは
GalNAcに
胞(成
胞)を
熟T細
β-D-Gal-(1-3)-D-
特 異 的 に 結 合 す る が,末 端 に シ ア ル
酸 が 存 在 す る場 合 に は 結 合 活 性 を 失 う.従
って
T1細 胞 の 方 が 表 面 糖 鎖 の シ ア ル酸 が 少 な い と結
論 さ れ た. Nakano4)ら
Fig. 7. Correlation
binding
between
125I-labelled
to neuraminidase
pheral
T cells
in malignancies.
and
treated
T cell
HP
peri
で誘 導 し たT
はPNAを
cellの
用 いCon
な か か らsuppressor
cellを 分 離 し, PNAがsuppressor
対 し て結 合 活 性 を もつ こ と を示 し た.ま たLcA
percentage
に よ り誘 導 さ れ たhelper
T cell数(660±370/mm3)と
低 下 傾 向 を 示 し た.し
結 合 量 は6ヶ
/1×106
T
か し末 梢 血T
両 者 ともに
isner5)ら は ヒ ト末 梢 血T
cellのHP
て 細 分 画 し, SBAに
月 以 上 生 存 し た群(95.8±30.8ng
cells, M±SD)と6ヶ
亡 し た 群(100.9±38.1ng/1×106
T cellがLPAに
HP結
T cell数
との 相 関(Fig.
結 合 量 と末 梢 血T
たが,相
cell比
末 梢 血T
cell数
月以内 に死
抗 体 産 生 に 対 す るsuppressor機
cells)と
梢血
たHP結
性 肝 疾 患 と悪 性 腫 瘍 を 対 象 にHP結
合量 と
合 量 と年 令
関 を 認 め な か っ た.
あ るT
cellのsurface
結 合 能 を末 梢 血T
であ る
用 いて検 討 し
以 下 の 結 論 を得 た.
① 悪 性 腫 瘍 患 者 の 末 梢 血T
能 をみ いだ し
の 識 別 に よ り リン パ 球 を 分 画 し,細 胞 膜 表 面 構
て い る.
一方
, Hammarstrom12,13)ら
す るreceptorを
の 特 異 的 なsurface
て 来 た.こ
cellのHPに
す る 平 均 結 合 活 性 は 良 性 肝 疾 患 患 者,健
対
常人に
に よ りHPに
対
有 す る リン パ 球 が ほ ぼT
で あ る こ とが 示 され,こ
cell
のreceptorがT
markerの
cell
一 つ と考 え られ
の 点 に 注 目 した 今 回 の 検 討 で は 悪 性
receptorの
markerの1つ
cellを
cellのHPに
対する
平 均 活 性 は 良 性 肝 疾 患 患 者,健 常 人
に 比 べ て 上 昇 して い た.悪
性腫 瘍 患者 では 一般
に 細 胞 性 免 疫 能 は 低 下 し て い る と云 わ れ て お り
15-21)
,今 回 の 検 討 で も末 梢 血T
cell比 率 が 低
下 し て い た.し
か しT
cell表 面 のHPに
るreceptor活
性 は む し ろ 上 昇 して い た.こ
こ とは 細 胞 表 面 構 造 の 変 化 がT
cell機
対す
常 に 関 与 して い る可 能 性 を示 唆 して い る.ま
末 梢 血T
HP
対 す る結合 活性 は癌 の
進 行 に 伴 う一 定 の 経 時 的 変 化 を 示 さ な か っ た.
従 来 の 報 告 の 如 く15,19),今 回 の 検 討 で も悪 性
receptorがT
た
cell機 能 発 現 の 為 の 或 る種
の 情 報 獲 得 のreceptorと
性 を 仮 定 す れ ば,著
の
能 の異
比 べ て 有 意 に 高 か っ た, ② しか し悪 性 腫 瘍 患 者
cellのHPに
た
上 の 如 くレ クチ ン に よ る細 胞 膜 表 面 構 造
腫 瘍 患 者 で は 末 梢 血T
案
悪 性 腫 瘍 患 者 に お け る 細 胞性 免 疫 担 当細 胞 で
HPの
結 合 活 性 を 示 さ な か っ たT
造 と リン パ 球 の 機 能 を む す び つ け る試 が な さ れ
cellのHP
率 との 相 関 を 検 討 し
考
cell
T
との 間 に も相 関 は な か っ た.良
との 関 連 も検 討 し た が,相
結 合 活 性 を示 し たT
cell分 画 に
7)
梢 血T
関 を認 め な か っ た.ま
用い
SBAに
cell比 率,末
悪 性 腫 瘍 患 者 を対 象 に,末
cellをSBAを
能 を,ま
た.以
合 量 と末 梢 血T
よ
ら にRe
分 画 に 抗 体 産 生 に対 す るhelper機
の 間 に 有 意 差 は な か っ た.
6)
T
T cellに
り分 離 可 能 な こ と を報 告 して い る.さ
%),
A
し て 働 い て い る可 能
者 等 の結果 は癌 患 者に お い
470
安
て はT
cellの 情 報 獲 得 に お い てpost
原
receptor
高
士
量 の経時 的変 化 では悪 性 腫瘍 の 進行 に伴 った一
の 異 常 が 存 在 す る か も し れ な い と考 え させ る も
定 の傾 向 は 認 め られ ず,ま
の で あ っ た.
も一 定 の 相 関 は な く悪 性 腫 瘍 の 進 展 に 関 連 した
一方
,悪 性 腫 瘍 患 者 末 梢 血T
markerに
cellのHPに
対 す る 平 均 結 合 活 性 が 上 昇 して い た 原 因 と し て
は, T
cellの
な か でHPに
対 して 強 い結 合 活
た 生 存 期 間 との 間 に
は な りえ な い もの と考 え ら れ た.
今 回 の研 究 で 悪 性 腫 瘍 患 者 で は 末 梢 血T
のHPに
cell
対 す る結 合 活 性 の 上 昇 が 確 認 さ れ た が,
性 を もつ 特 殊 なT
cell分
画 の 割 合 が 増 加 し,
今 後HP結
そ の 結 果 と してT
cellの
平 均 結合 活 性が上 昇
検 討 す る 必 要 が あ る と考 え ら れ た.ま た, HP結
し た か,あ
る い は 全 体 的 にT
cellの
膜 表面 に
合 活 性 とT
cell機 能 の 関 連 を併 せ
合 活 性 の 上 昇 に 現 わ れ るT
cellの
変化 が 生体
変化 が お こっ て いるか の いずれ かの 可能性 が 考
の癌 に対 す る免疫機 構 の亢 進 を現 わ して いるの
え ら れ た.し
か,そ
か し,い
者 で は 末 梢 血T
起 こ り,何
ず れ に して も悪 性 腫 瘍 患
cellの
らか のT
細 胞表 面糖 鎖 に変化 が
cell機
の 逆 で あ る か の 検 討 も今 後 の 課 題 と考 え
られ た.
能 の 変 化 が 生 じて
結
い る こ と は 十 分 予 測 さ れ る.
現 在 ま で, HPレ
クチ ン を用 い た リン パ 球 の
1)消
化 器 癌 患 者 を 中心 とす る 悪 性 腫 瘍 患 者 を
分 画 と機 能 の 検 討 で は, Haller24)ら は マ ウ ス の
リン パ 球 をHP結
対 して比較 的弱 い結 合活 性 を示 す分
画 にNK活
性 が 強 い こ と をみ い だ し て い る.最
近NK活
対 象 に 末 梢 血T
合 セ フ ァ ロー ス カ ラ ム で 分 画
し, HPに
活 性 を 示 す 細 胞 はHPに
た め,今
性 腫 瘍 患 者 末 梢 血T
り う る可 能 性 が 示 され た.結
腫 瘍 の 進 行 程 度,生
回 の 検 討 で は こ の 細 胞 に 関 連 す る情 報
梢 血T
合活 性 測定 の臨
梢 血 リン パ 球 のHP結
か しHP結
用 し た リ ンパ 球 のT
cellのHP結
合
或 い はT
雪
合 量 を算 定 し検 討 す る と,悪 性 腫
な り う る可 能 性 が
に 悪 性 腫 瘍 患 者 に お け るHP結
合
文
1.
Reisner,
pulations
2.
Y., Linker-Israeli.,
M. Sharon,
by the use of peanut
Imai, Y., Oguchi, Y., Nakano,
by a fluorescent-activated
Commun.
8, 495-503,
cell全 体 の 細 胞 表 面 の 変 化 の い
謝
辞
夫教 授 な らび に終 始 直 接御 指 導下 さっ た有 馬暉 勝 講
な お,本 論文 の要 旨は,第23回
日本消 化 器病 学 会
合 同秋 季 大 会,な らび に 第5回 国 際 免疫 学 会 で発 表
した.
献
N.:
Separation
of mouse thymocytes
agglutinin.
Cell Immunol.
T., Sawada,
J., Osawa,
25, 129-134,
T.: Separation
cell sorter using fluorescence-labelled
1979.
変 化,
師 に 深 謝致 します.
常 人 に 比 しT
cell数 あ た りの 結 合 量 の 有 意 の 上 昇 を示 し,臨
示 され た.更
合 活性 が高 い悪性
稿 を終 るに あ た り,御 指 導,御 校 関頂 い た長 島秀
cell比 率 よ り,末 梢 血T
床 的 に 悪 性 腫 瘍 のmarkerと
cellのHP結
ず れ か の 生 じて い る可 能 性 が 示 唆 さ れ た.
合 実 測 値 と測 定 に 使
瘍 患 者 で は 良 性 肝 疾 患 患 者,健
存 期 間 な どの 間 に 関 連
腫 瘍 患 者 で は, T cellのsubsetの
健 常 人に 比 し軽度上 昇傾 向 を認め たが有 意 の差
は な か っ た.し
な
合 活 性 と悪 性
性 は な か っ た.
3)末
量 実 測 値 は 悪 性 腫 瘍 患 者 で は 良 性 肝 疾 患 患 者,
合活
常 人 に 比 し有 意 に
高 値 を示 し,臨 床 的 な 腫 瘍 のmarkerに
か しNK
は得 られ な か っ た.
床 応 用 に 関 し て は,末
合活 性を検
cellのHP結
性 は 良 性 肝 疾 患 患 者,健
対 す る結合 活性 が低 い
ヒ ト末 梢 血 リン パ 球 のHP結
cellのHP結
討 した.
2)悪
性 を もつ 細 胞 の 腫 瘍 細 胞 に 対 す る 障 害
性 が 指 摘 さ れ21,25)注目 さ れ て い る.し
語
into two subpo
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pomatia
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T-lymphocytes
2: Clinical
Takashi
The First Department
binding
in malignant
Part
of Internal
A hemagglutinin結
activity
digestive
tract
合 活 性の検 討
473
to peripheral
diseases
studies
YASUHARA
Medicine, Okayama University Medical School
(Director: Prof. H. Nagashima)
Helix pomatia A hemagglutinin (HP) binding activity, a surface marker of peripheral T
cells, to neuraminidase-treated
peripheral T cells was studied in patients with digestive tract
cancer or benign liver disease and in normal subjects. The HP binding activity (ng/106 T cells)
to T cell subpopulations in peripheral lymphocytes was calculated as:
Amount
of bound HP to total peripheral
lymphocytes
(ng/106 cells)/
Ratio of T cells to total peripheral lymphocytes
(%)
•~ 100.
The
calculated
HP
binding activity to T cells was significantly higher in digestive tract cancer patients than in
benign liver disease patients (p<0.05) and normal subjects (p<0.01). These results suggest that
either the subsets of peripheral T cells with high HP binding activity may be significantly in
creased or HP receptors of all peripheral T cells may be increased to the same degree in dige
stive tract cancer patients. This activity may be a useful index of cellular immunity in digest
ive tract cancer patients, although it seems to have no relevance to the progression of cancer.
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