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情報教育の目標リストに対応した 指導法開発の試み

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情報教育の目標リストに対応した 指導法開発の試み
研究紀要第 2号
F10-01
情報教育の目標リストに対応した
指導法開発の試み
平成14年2月
岡山県情報教育センター
目
次
研究の概要 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1
1
テーマ設定の理由 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1
2
研究の目的 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1
3
研究計画 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1
4
研究内容 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2
(1) ディジタルコンテンツ活用授業について ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2
(2) 指導法開発に向けての考え方 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2
5
実践の状況 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3
(1) 授業実践Ⅰ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3
(2) 授業実践Ⅱ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥4
(3) 授業実践Ⅲ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥5
(4) 研究開発委員会での評価会議 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥6
6
Web版レシピの試作 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥8
(1) レシピ試作における構成要素 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥8
(2) 試作したWeb版レシピの構成 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥8
7
研究の考察 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥9
(1) 情報活用能力の育成にディジタルコンテンツ
活用は有効か ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥9
(2) ディジタルコンテンツ活用が児童・生徒の意
欲,態度,主体性を促したか ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥9
(3) 教科の内容面でディジタルコンテンツがサポ
―トしたか ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥9
(4) ディジタルコンテンツ活用で分かりやすい授
業の実現ができるか ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥9
(5) ディジタルコンテンツ活用授業の準備,時間
等はどうか ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥9
8
成果と今後の取り組み ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥10
9
おわりに ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥10
参考文献及びWebページ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥10
研究協力者・研究推進者等 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥10
情報教育の目標リストに対応した指導案体系図 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥11
ディジタルコンテンツ活用レシピ構成要素一覧表 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥15
ディジタルコンテンツ活用レシピ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥16
Web版レシピ(試作)の構成 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥32
情報教育の目標リストに対応した指導法開発の試み
研究の概要
情報化に対応した教育の実現に向け,CEC(財団法人コンピュータ教育開発センター)や各企
業等が開発・提供しているディジタルコンテンツを活用した授業の実践研究が求められている。本
研究では,平成13年度より2年間,ディジタルコンテンツを活用した各教科の授業実践を行い,評
価会議と実践データの考察に基づいて情報教育の目標リストに対応した指導法開発を進める。各実
践は,情報教育のねらいやディジタルコンテンツの活用の効果が見え,本研究の成果が認められた。
さらに,授業に関する必要な情報を納めた Web 版レシピとして再構成し,情報教育を各教科で進
める際の参考となるよう Web 上での公開・活用に向けた準備を行う。ここでは,ディジタルコン
テンツを活用した授業実践と協議から指導法開発に至る過程を報告する。
[キーワード]
1
情報教育
ディジタルコンテンツ
テーマ設定の理由
授業実践
2
文部科学省の教育の情報化プロジェクトを受け,
指導法
レシピ
研究の目的
ディジタルコンテンツを活用した授業から情報
岡山大学教育学部,県教育委員会,県教育センタ
教育の目標リストに対応した指導法を開発し,
ー,県情報教育センターが連携協力して,平成
13 年度より「IT活用学習推進に向けた研究開
Web 版レシピとして提案する。
発事業」を進めている。この事業では,県内の小
3
・中学校教諭を研究開発委員に委嘱し,ディジタ
ルコンテンツを活用した授業実践や研究協議を積
本研究は,平成 13 年度,平成 14 年度の2年間
とし,県情報教育センターの事業として進めてい
み重ねている。ディジタルコンテンツは,静止画
る「IT活用学習推進に向けた研究開発事業」と
や動画,音声等の電子化された学習素材であり,
その特性から,従来の授業形態を大きく変える可
連動させて図1のような流れで実施する。
研究計画
能性を秘めていると考える。さらに時代の要請か
平成13年度
ら,情報教育推進に向けた取り組みは,日常の教
○4∼5月
科指導の中でも求められている。
そこで,本研究ではディジタルコンテンツを活
○6∼7月
用した授業が情報教育の目標のどの部分を達成す
るのに有効なのか吟味し,適切に位置付けながら,
児童・生徒の情報活用能力を育成する指導法とし
○8∼10月
て開発し, Web 版レシピとしての公開・活用を
考え,本主題を設定した。研究を進めるにあたっ
て「新情報教育の手引(仮称 )」を具体的な指針
○11∼12月
とする予定であったが,発刊が遅れているため,
その内容を一部公開している「火曜の会メールマ
ガジン」の情報教育の目標リストを基にした。
○1∼3月
なお ,「IT活用学習推進に向けた研究開発事
平成14年度
業」から本研究に必要な実践データや協議内容を
抽出・反映し,指導法開発に生かす。
本年度は,小学校1校,中学校2校の協力を得
て,授業実践を指導法開発の手掛かりとした。
図1
1
・研究テーマの協議・決定
・研究計画の立案
・目標リストの分析,チェック表の作成
・実践指導案の検討
・ディジタルコンテンツの収集,選定
・授業実践と研究協議(早島中学校)
・実践データの収集,分析
・レシピ様式の検討
・実践指導案の検討
・ディジタルコンテンツの収集,選定
・授業実践と研究協議(金浦小学校)
・実践データの収集,分析
・実践指導案の検討
・ディジタルコンテンツの収集,選定
・授業実践と研究協議(高梁中学校)
・目標リストを基に指導案を修正
・実践データの収集,分析
・実践データを基にレシピ作成
・Web版レシピの検討,修正
・13年度研究のまとめ
・研究成果発表会で報告
・他学年,他教科へ展開
・ディジタルコンテンツの収集,選定
・授業実践と研究協議(レシピ活用)
・レシピの改良と追加
本研究の流れ
4
研究内容
図3に示すように情報教育の3つのねらいは7
つのカテゴリーに分けられている。さらに,図4
のようにそれぞれに LEVEL 目標があり,それを
(1) ディジタルコンテンツ活用授業について
ア ミレニアム環境を想定した実践
図2のように普通教室にコンピュータ,液晶プ
支える下位目標に当たるものが設定されている。
ロジェクタ,大型スクリーン又は電子ホワイトボ
ード等が整備されたミレニアム環境と考え,この
LEVEL については,LEVEL 1は小学校低学年,
LEVEL 2は小学校中学年,LEVEL 3は小学校高
環境での授業を想定して実践した。
学年,LEVEL 4は中学生以上を目安としている 。
ア:情報活用の実践力
(2) 課題解決における主体的な情報活用
【c問題の発見と計画】
【d情報の収集】
【e整理・分析・判断】
【f発信・伝達】
LEVEL2 まとめたことを,人に伝える
f2-010 まとめたことをみんなの前で話す
f2-020 相手に伝えるために,絵図や資料
を見せながら話す
LEVEL3 伝えたいことを明確にして,相手に
分かりやすく伝える LEVEL4 聞き手の立場にたち,メディアを有
効に活用し,筋道を立てて伝える
無線LAN
コンピュータ2台
情報 コンセント
電子ホワイトボード
プロジェクタ
図2
イ
図4
ミレニアム環境のイメージ
具体的な下位目標リスト
これは,学習活動や達成度を評価するための視点
にもなることから,学習の状況に応じて目標の追
ディジタルコンテンツの収集と選定
授業で活用すれば教科のねらい達成と児童・生
加・削除・修正等が可能なようにあらかじめそれ
徒の情報活用能力育成に有効であると予想される
ディジタルコンテンツについて,研究組織の中で
ぞれの目標にf2-010,f2-020のようなコード番号
が付けられているが,順位性はない。
なお,平成 13 年度の研究では,紹介されてい
情報交換しながら収集と選定を行った。
ウ
情報教育の目標リストに対応した指導法
「火曜の会メールマガジン」で永野和男(聖心
る目標リストをそのままの形で活用した。また,
情報の科学的な理解の目標リストについては,紹
女子大学教授)等が紹介している情報教育の目標
介されていないので,今年度の研究の中には含め
リストを指導案に位置付け,児童・生徒の情報活
ないことにした。
用能力育成の指導法として開発を進めた。
(2) 指導法開発に向けての考え方
ア 指導案について
ア:情報活用の実践力
従来の指導案のように学習活動,教師の支援等
(1) 情報の表現とコミュニケーション
(2) 課題解決における主体的な情報活用
(収集・表現・創造・発信・交流)
(3) 情報手段の適切な利用
(情報メディア,コンピュータ,ネットワーク)
を詳細に文で書き表すスタイルから,できるだけ
一目で授業の全体と指導の流れがつかめるような
スタイルとした。具体的には,指導案の中にディ
ジタルコンテンツの活用の様子がイメージしやす
ように活用場面等の写真や動画を取り入れ,ディ
イ:情報の科学的な理解
(4) 情報手段の仕組みや特性の理解
(5) 情報処理や情報技術,
人間の情報認識に関する基礎的な理論と方法
ジタルコンテンツを活用した指導法が直感的に分
かるようにした。
授業実践を計画するに当たって,はじめから情
ウ:情報社会に参画する態度
(6) 情報に対する態度
(7) 情報モラル・情報発信の責任
図3
報教育の目標に迫ることは困難であると考え,情
報手段を効果的に活用し,教科の目標を達成でき
情報教育の目標と7つのカテゴリー
るようなディジタルコンテンツの活用を考えた。
2
その後,情報教育の目標リストと関連させて情報
中学校第2学年の理科でディジタルコンテンツ
活用能力もバランスよく育成できるような授業ス
タイルを基本に指導案を修正した。指導案の内容
を活用した授業実践を行った。まず,写真1のよ
うな流れで学習を進めた。根端細胞の細胞分裂の
項目は,教科名,単元名,新学習指導要領との関
観察法(押しつぶし法)の手順を動画コンテンツ
連,本時の目標,学習活動,教師の支援,準備物,
情報教育の目標リストの関連等とし,どの項目も
で確認する。その後,実際に実験を進めて生徒が
観察を行い,発見した細胞分裂について発表する
簡潔な内容になるようにした。
授業である。導入,展開,まとめのすべての場面
イ
にディジタルコンテンツを活用した。
授業実践の考え方
授業実践は,コンピュータ,液晶プロジェクタ,
大型スクリーン等のミレニアム環境でディジタル
導入
コンテンツを教師が提示したり,児童・生徒自身
が活用したりする授業を想定している。具体的に
展開
ディジタルコンテンツで
実験方法説明
まとめ
は,1単位時間の授業を「導入 」「展開 」「まと
め」という流れにし,どの場面でどのようなコン
テンツを活用すれば教科のねらいを達成できるの
か,また教師や児童・生徒がどのようにディジタ
観察とスケッチ
ルコンテンツに関われば情報活用能力を育成でき
ディジタルコンテンツでまとめ
動物細胞の分裂
るのかを検討するために実践を行う。授業実践に
活用するディジタルコンテンツは,機関や企業等
から提供されているものを原則として活用するが,
写真1
細胞分裂の授業
授業実践者の意図に合ったものがない場合,教科
書,資料集,副読本等から意図に近いものを選択
し,代用することにした。
エ
ウ
教師が動画コンテンツを活用して観察法の説明
を始めると,生徒は,スクリーンに注目していた。
し,どの教師も授業実践が行えるようにレシピを
また,写真2のようにまとめの段階で動物細胞の
作成した。本研究でのレシピとは,ディジタルコ
ンテンツを活用した授業を行うために必要な情報
分裂を動画で提示すると,生徒から「おう!」
「すごい!」という驚きの声が上がった。ディジ
納めたものと考え,次のようにとらえている。
タルコンテンツを活用すれば,分かりやすく,生
レシピのとらえ方
情報教育の目標リストに対応した指導法を提供
徒の興味・関心を引き出す授業展開の可能性が認
・ そのまま 活用すれ ば,情報 教育の目 標に
迫れる。
・ レシピを いくつか 実践すれ ば情報教 育の
目標をバランスよく達成できる。
・ ディジタ ルコンテ ンツの活 用パター ンを
つかめ ば,応 用的な授 業が展 開でき る。
5
活動の様子や生徒の反応
められた実践であった。
実践の状況
(1) 授業実践Ⅰ
ア
学年・教科
中学校第2学年理科
イ 単元名
「生物の成長と細胞」
ウ
授業の概要
写真2
3
動画コンテンツに注目する生徒
オ
実践直後の評価会議
(2) 授業実践Ⅱ
実践後すぐに,写真3のように評価会議を開い
た。この評価会議では,ディジタルコンテンツを
ア
活用した授業の効果と指導法を中心に協議が進め
イ
られた。ディジタルコンテンツの活用が,授業効
果を高めるのに有効であることが確認された。会
「戦争と国民生活」
ウ 授業の概要
学年・教科
小学校第6学年社会科
議で出された意見の一部は次のとおりである。
単元名
小学校第6学年社会科でディジタルコンテンツ
を活用した実践を行った。主な学習活動の流れは
写真4である。5種類の年代の異なる歴史的映像
の動画コンテンツを教師が順不同で紹介した後,
写真5のようにどの順に並べるかという課題を解
決するために児童は,動画コンテンツを操作しな
がら必要な情報を収集したり,分かったことをコ
ンテンツを使って発表した。
ディジタルコンテンツを
児童が操作
発表
発表
写真3
実践後の評価会議
まとめて
・今日のような授業形態は,生徒の反応を見
ながら授業を進められると感じた。
・普段,自分たちの目では確認できない現象
をコンテンツで確認できるので,大変効果
的であると感じた。
・コンテンツを活用したときには,生徒から
「おう!」という驚きの声が聞かれ,それ
だけでもコンテンツを使う価値がある。
・観察の支援をする上で,コンテンツの活用
はものすごく効果があることが分かった。
・すべての学習場面にコンテンツを活用した
が,今後はコンテンツ活用を一時間のどこ
かへ集中させた方がよい。
・いいコンテンツであってもどういう対応で
見せればよいかという検討が必ずいる。
・ただ見せるのではなく,「こういうところを
見るんだよ」というようにポイントを明確
にする指示が必要である。
・コンテンツを使えば授業ができるのではな
く,使えばさらに授業がよくなるという考
え方でなければならない。
調べて
写真4
写真5
4
戦時下の暮らしを考える授業の様子
動画を操作しての情報収集と発表
エ
活動の様子や児童の反応
(3) 授業実践Ⅲ
展開の場面では,普通教室の隣にあるコンピュ
ータ室に移動し2,3人のグループ別に児童自身
ア
が動画コンテンツを操作し,はじめに戻したり,
イ
一時停止したりしながら必要な情報をワークシー
トにまとめた。その過程で互いにとらえた情報に
「天気とその変化」
ウ 授業の概要
学年・教科
中学校第2学年理科
単元名
ついて話し合ったり,確認し合ったりしている姿
中学校第2学年理科で従来の教科書のイメージ
が見られた。児童は,普段から写真5のような授
業形態での学習を経験しており,コンピュータ活
から静止画や動画を提示できる教科書準拠型のタ
イプを使用した。霧の動画から授業をスタートし,
用に特別な意識を持っている様子は感じられなか
コップに水滴がつく様子の動画コンテンツから課
った。
オ 実践直後の評価会議
題意識を高め,観察実験を行う。さらに,飽和水
蒸気量の変化をアニメーションでとらえ,露点・
この実践で活用したディジタルコンテンツは,
凝結と霧の発生との関わりついて理解を深める。
著作権処理され,様々な活用目的に対応するもの
であり,質も高いといった感想が多かった。また,
教科書に準拠した 教科書に準拠した ディジタルコンテンツの活用
教師だけでなく児童自身がコンテンツに直接関わ
る活動が設定されていたので,授業実践Ⅰとは違
った形の授業展開が見えてきた。会議で出された
意見の一部は次のとおりである。
実験
・ 子どもが 食い入る ように映 像を見て ,情
報を探し出そうと映像を細かく見ていた 。
・ 今日のよ うな学習 でのコン ピュータ 活用
は,特別 なスキル を持って なくても でき
発表
る授業ではないかと思った。
・ 5つのコ ンテンツ から短時 間で情報 を読
み取るの は難しい 。例えば グループ ごと
写真6
「天気とその変化」の授業の様子
エ
活動の様子と生徒の反応
生徒が楽しそうに授業に望んでいる様子が伝わ
に一つず つ見て, 最終的に 交流する 場で
情報交 換を行う 流れで もよい と感じた。
・ コンテン ツを使っ た授業と して工夫 され
ってきた。ディジタルコンテンツを提示すると生
徒は一斉にスクリーンに注目していた。写真7の
た展開で あり,コ ンテンツ を活用し た将
ように動画コンテンツを視聴した後の話し合いで
は,互いに自分の考えを説明し合っている姿が見
来の授業形態であると感じた。
・ いろいろ なシーン の中から 自分が思 うと
られた。実験にも積極的な取り組みが見られ,グ
ころで止 めて確認 できると ころにデ ィジ
ループごとに熱心に実験を進めていた。
タルコン テンツの 強みがあ り,ビデ オに
はなかった使い方である。
・ 慣れれば 児童でも 細かい操 作が容易 なの
いろいろな観点,視点から見られる。
・ ディジタ ルコンテ ンツが従 来の授業 スタ
イルを一挙に変える可能性を持っている 。
・ 教科で情 報教育は できると 再認識し た実
践であり ,だから こそ情報 教育のど のレ
ベルをね らってい るのか明 確にする 必要
写真7
がある。
5
動画視聴後の話し合い
オ
実践直後の評価会議
授業説明を聞き,次に写真8のように全員で授業
教科書準拠型のディジタルコンテンツは授業の
どの部分を進めているのかが分かり易いという感
の様子を編集したビデオ(1分∼2分もの)を視
聴した。授業参観できなかった委員からも感想や
想を得た。特にアニメーションの動画は,飽和水
意見を得た。3回の授業実践について研究開発委
蒸気量の変化を説明するのに有効であると感じた。
また,今後のディジタルコンテンツ活用の考え方
員会で実践報告を行い,教科のねらいと情報教育
に対応した目標等の視点から協議した。
や方向性についての意見も出された。会議に出さ
れた意見の一部は次のとおりである。
・ 実験後, ディジタ ルコンテ ンツによ って
再度,実 験結果の 根拠とな る考え方 を確
認できた ので,飽 和水蒸気 量の変化 の様
子につい て理解を 深めるの に有効で ある
と感じた。
・ ディジタ ルコンテ ンツの用 い方につ いて
は,実験 後の振り 返りのと きにかな り威
力を発揮するのではないかと思った。
・ コンテン ツを見る ことによ り,目で は確
写真8
認できな いことを どうイメ ージ付け るの
かがコンテンツの鍵のように感じた。
・ ディジタ ルコンテ ンツが内 容面でサ ポー
ア
1回目の評価会議から
ディジタルコンテンツを活用した初めての実践
トしたの か,分か り易い授 業を実現 して
いるのか という点 で評価が いる。
・ 情報活用 の能力が 授業のど こで養わ れた
報告であった。この時点では,委員のほとんどが
ディジタルコンテンツを活用した授業のイメージ
を十分つかんでいなかったので,授業実践Ⅰの報
のか,ど うすれば 養われる のかとい う面
も見ていかなければならない。
・ 従来の授 業に比べ て,ディ ジタルコ ンテ
告により,委員全員がある程度ディジタルコンテ
ンツを活用した授業についてのイメージをつかむ
よい機会となった。また,この会議の後,各委員
ンツを活 用して, 態度,意 欲,主体 性等
が促されたか,考える必要がある。
・デジタルコンテンツでどう変わったのか ,
でディジタルコンテンツを活用した授業の指導案
を作成することとなった。本年度の研究では,各
変わら なかった のか議 論が必 要である。
教科とも単元全体を通しての指導案ではなく,1
単位時間での授業設計とした。指導法開発の条件
・ ディジタ ルコンテ ンツを活 用して授 業を
すればよ いという のではな くどうあ れば
としては,ディジタルコンテンツを活用すること,
よいか要求も出さなければならない。
教科のねらいを達成する過程を通して情報教育の
目標を達成できるような指導案を作成することに
・ 他の教師 にどう広 めていく か,その 一つ
の方法が レシピで あり,授 業の一部 が見
えるよ うにして いかな ければ ならない。
した。
取り組む教科については,小学校は社会科,生
活科,図画工作科,中学校では理科,社会科,音
・ 指導案の 中に情報 教育の目 標をきち んと
位置付け ,教科の 中で情報 教育が進 めら
れるようにしなければならない。
(4)
実践ビデオで授業評価
楽科とし,委員のメンバーで分担したり,委員の
所属校の教師に協力を得て,指導法開発を進めて
いくことにした。
研究開発委員会での評価会議
しかし,この時点では ,
「新・情報教育の手引
研究開発委員会では授業実践の報告とこれに関
(仮称 )」が発表されていなかったため,情報教
わる協議を行った。まず実践者から指導案を基に
育の目標リストを基に開発を進めた。
6
践Ⅰ,Ⅱ,Ⅲを情報教育の視点から再度,評価し
・コンテンツをうまく活用すれば,分かり
易い授業ができるなと感じた。
・実験の手順は,コンテンツ活用説明だけ
でなく,黒板などにいつでも見える形で
表示するとさらに効果があると思う。
・意図したコンテンツを探すのが大変だと
思う。授業で自由に使えるコンテンツ集
のようなものが今後,必要となってくる
のではないか。
・観察の手順をコンテンツで示したことは
有効であったが,観察のポイントを明ら
かにしていなかったので,何を調べれば
よいのかわかっていないグループもある
ように感じられた。
・コンテンツと先生のうまさを融合させた
授業にする必要がある。
・やはり,コンテンツを活用した実践に取
り組みやすいように分かり易いレシピが
必要である。
・「新・情報教育の手引き(仮称 )」の目標
リストをレシピにも明確に関連させてい
くことも視野に入れる必要がある。
イ
た。チェック表による授業実践の評価は,実践ご
とに行った。まず指導案による授業概要の説明後,
授業実践ビデオを視聴し,時間をとってチェック
表に授業実践から関連する項目を「関係が深い」
「まずまず関係がある 」「関係がないわけではな
い」の3段階に分けて記入することにした。写真
9のようにチェック作業は,研究委員全員で行っ
た。その後,互いにチェックした項目を発表し合
写真9
2回目の評価会議から
目標リストで授業をチェック
い,ディジタルコンテンツを活用した授業の中で
ここでの評価会議では,前回と同様,実践報告
から行ったが,会議の中心は授業実践を行った3
教科のねらいを達成し,情報教育の目標をバラン
スよく位置付けた指導法開発の可能性を全員で確
つの実践が情報教育の目標リストにうまく関連し
認した。チェック後の協議では,多くの点で目標
ている授業であったかを検証する機会とした。そ
のために「火曜の会メールマガジン」で紹介され
リストにチェックを入れることができる実践とチ
ェックを入れることが困難な実践の二つに分かれ
ている目標リストを基に,図5のような目標リス
た。チェック後の協議では,どうして目標リスト
トチェック表を作成した。これを使って,授業実
に関連していないのかという視点で研究協力者か
ら多くの意見を得た。
その結果,ディジタルコンテンツの活用は,分
かりやすい授業を実現し,教科のねらいを達成す
ることに有効であるということは当然であるが,
情報教育の目標リストに対応した指導法とするた
めには,単にディジタルコンテンツを一斉指導で
提示して活用するだけでなく,教師が児童・生徒
に見るべきポイントをあらかじめ意識させてから
見せるといった工夫も必要と考えた。また,児童
図5
・生徒自身がディジタルコンテンツの特性をうま
く生かして,課題解決のための意図を持った関わ
目標リストチェック表
(詳細はP 51 ∼ 54)
り方をすれば,さらに情報教育の目標リストに対
応し,情報活用能力の育成につながると考えた。
会議で出た意見の一部は次のとおりである。
7
方が利用しやすいと考えていた。しかし,実践に
・ 子どもた ちが,デ ィジタル コンテン ツを
関する情報量が多いとかえって複雑になり利用し
にくくなるのではないかという委員からの意見等
直接操作 するよう な活動が あると目 標リ
ストにチェックしやすい。
を基に修正を行いながら作成を進めた。
・ 教科のね らいが強 いために ,情報教 育の
レシピに取り入れる要素としては,指導案,指
導用ワークシート(白刷り・赤刷り ),授業実践
視点で考えることが難しいのではないか 。
・ 2つのタ イプの授 業が考え られる。 一つ
ビデオクリップ,活用するディジタルコンテンツ
は単純に分かり易い授業をめざしたもの ,
情報等,授業に関する簡単情報とした。実践した
授業については,構成要素をできるだけレシピの
もう一つは ,コンテンツ と十分に関 わる
時間を持 たせると か発表の 機会を持 たせ
るといったものと考える。
中に取り入れることにした。
(2) 試作したWeb版レシピの構成
試作したレシピは,委員の協力を得て,オリジ
・ ただ見せ るのでは なく,再 生したり ,停
止したり して何度 も同じ場 面を簡便 な操
作で見ら れるとい ったディ ジタルコ ンテ
ナルのアイコンを作成し,見た目にも柔らかくて
親しみやすいイメージになるように努めた。図6
は,試作した Web 版レシピのトップページであ
ンツのよさを生かす必要がある。
・ さらに注 目させる ためにも 電子ホワ イト
ボードの ようなも のを活用 して,操 作す
る。現時点では,実践授業やデザインした指導案
を基にレシピを構成している。残念ながら,当初
る,指さ すなどの 方法で, 教師がス クリ
予定していたレシピの構成要素をすべて取り入れ
ることはできていないが,本年度は数本の授業を
ーンの前 に立って ,ディジ タルコン テン
ツのメリットをフルに生かすようにする 。
Web 版レシピとして試作した(詳細はP 55)
。
・ 教科のね らいと情 報教育の 目標とを 考え
ながら 授業形態 を工夫 するこ とにより,
情報教育 の目標リ ストに関 連させる こと
はできる。
6
Web版レシピの試作
どの教師にもすぐにディジタルコンテンツを活
用した授業がイメージでき,実践できるようにす
るため,実践した授業や各委員が設計した授業を
レシピとしてまとめて利用できるようにした。レ
シピを作成する際には,その後 Web 上での発信
と活用を考慮して Web 版レシピとした。
図6
Web版レシピのトップページ(試作)
レシピは,次のような2つのタイプが考えられ,
(1)から(2)のタイプへ徐々に切り替える。
トップページから指導案の単元名をクリックす
( 1)情報手段の活 用,ディジタルコンテ
ンツの活用で主 に教科のねらいを達成
するタイプ
( 2)ディジタルコ ンテンツを活用しなが
ら教科のねらい と情報教育の目標を達
成するタイプ
ると図7のような指導案のページが表示される。
実践した授業のうち,実践をビデオ撮影している
場合には,ディジタルコンテンツ活用場面の様子
が分かるシーンを十数秒のビデオクリッップとし
て貼り付け,クリックするとそれぞれの場面が閲
覧できるようにした。これは,ディジタルコンテ
(1) レシピ試作における構成要素
はじめは,授業に関するあらゆる情報が得られ
ンツを学習場面でどのように活用しているのか文
るようにデータや資料をできるだけ豊富に納める
字だけよりもよりイメージしやすくするため取り
入れた。さらに,ディジタルコンテンツを閲覧し
8
たり,実際の授業で活用したりできるようした。
ことが必要であると考える。したがってディジタ
授業で活用したワークシートも学習の流れをつか
む手だてとし,赤刷り(教師用記入例)と白刷り
ルコンテンツは単なる教科のねらいを達成するた
めだけの素材に止まらず,情報活用能力育成に有
(児童配布用)を取り入れた。共通のフォームで
効な魅力ある素材でもあると言える。しかし,デ
作成し,活用しやすくした 。
(詳細はP 72)
。
ィジタルコンテンツを実際に学習場面でどのよう
に活用すればよいのか,ディジタルコンテンツに
ディ ジタルコンテンツ活用レシ ピ 実践者 :笠岡市立金浦小学校 高 橋伸明教諭
教師や児童・生徒がどう関われば情報活用能力を
5 本時の流れ
育成することができるのかなど授業のイメージが
つかめるようなレシピが必要と考える。
○デ ィジタルコンテンツを提示 しながら課題を
説 明することにより,活動を イメージしやす
く する。
・液晶プロジェクタ
・ノート型コンピュ ータ
・ディジタルコンテ ンツ
(2) ディジタルコンテンツ活用が児童・生徒の意
欲,態度,主体性を促したか。
導入場面で教師がディジタルコンテンツを提示
5種類の映像を年代順に並 べよう。 そしてなぜそう考えたか理 由をもとう。
○デ ィジタルコンテンツが伝え ている情報を整
理 しやすいように,ワークシ ートを活用しな
が ら作業を進めるようにする 。
○年 代順に並べる作業の中で, その根拠となる
情 報をとらえられない児童に は,映像の細部
に 目を向けるように助言する 。 【d3-030】
し,説明することによって,学習の見通しが立ち
・ワークシート
・社会科資料集
・児童用コンピュー タ
(2人に1台)
・ディジタルコンテ ンツ
学習意欲の向上に寄与できると考える。中でも動
画コンテンツは,再生,巻き戻し,停止などの操
○デ ィジタルコンテンツから得 た情報を共有す
る ために,グループ内でお互 いの考えを出し
合 うようにする。 【e2-050】
○と らえた事実を明らかにする ために,児童が
年 代順の予想を発表する際に は,板書にその
理 由を整理していく。
○児 童の考えをより分かりやす く伝えるために,
口 頭で発表するだけでなく, できるだけ液晶
プ ロジェクタで映したディジ タルコンテンツ
を 指しながら説明できるよう にする。 【a3-030,f3-010】
作を児童・生徒が容易にしかも個別に行いながら
活用することもできるので,それぞれの意図や目
・ワークシート
・社会科資料集
・液晶プロジェクタ
・ノート型コンピュ ータ
・ディジタルコンテ ンツ
的に応じた活動を支援し,活動意欲や主体性を引
き出すことにも有効である。また,観点を変えて
○デ ィジタルコンテンツが「伝 えていること・
分 かったこと」を整理しなが ら「伝えていな
い こと・分からないこと」に ついても考える
場 面をつくり,当時の国民生 活についてに調
べ ていくための学習問題を挙 げる。
何度も繰り返して見ることも容易なので学習意欲
の持続にもつながると考える。
(3) 教科の内容面でディジタルコンテンツがサポ
○学習問 題を解決する手がかりをい くつかもつために,夏休みに 各自が
行った 戦争体験に関する聞き取り 調査のことを想起しながら, 身近な
人材等 について紹介し合うように する。 【c2-020】
ートしたか。
6 実践のポイント
ディジタルコンテンツの内容そのものが「とら
えさせたい内容」である場合には,大変有効であ
○児童自 身が動画コンテンツを操作 すれば学習効果をさらに高め ることができる。日頃から 動画コンテンツを
再生し たり,戻したり,一時停止 したりできる基本操作を経験 させておくことをおすすめ します。
図7
ると考える。また,ディジタルコンテンツを活用
指導案のページ(試作)
して様々な情報を得る過程そのものも教科の学習
のねらいを達成するものであると考える。例えば,
(詳細はP 56 ∼ 71)
動画コンテンツは,従来説明しにくかった部分や
7
研究の考察
実際には見られない現象等も確認可能なので,イ
本研究は,現在も進行している研究であり,す
べてを考察することはできていないが,次の5点
メージをつかんだり,理解を深めたり,問題意識
を促進したりする点でも効果は大きいと考える。
について協力者の意見を基にまとめてみた。
(4) ディジタルコンテンツ活用で分かりやすい授
(1) 情報活用能力の育成にディジタルコンテンツ
活用は有効か
業の実現ができるか。
動画コンテンツでは,写真のような静止画以上
ディジタルコンテンツには,他のメディアには
にその様子の雰囲気まで伝えることも可能で,児
ないよさがある。例えば,児童・生徒自身が意図
を持ってディジタルコンテンツを活用し,学習を
童・生徒にとって分かり易いものとなる。また,
教師による提示説明,児童・生徒が操作しながら
進めれば多くの点で情報教育の目標リストに対応
の調べ学習,児童・生徒による提示説明等,いろ
した学習活動が展開できると考える。その際,児
童・生徒の興味・関心を引き出し,主体的な課題
いろな形態の中で工夫して活用すれば,さらに分
かりやすい授業の実現を支援する。
意識を持たせるような学習課題であったり,試行
(5) ディジタルコンテンツ活用授業の準備,時間
等はどうか。
錯誤しながら課題を解決していく場面を確保する
ディジタルコンテンツは,著作権等の処理済み
9
のものであれば,編集,加工が自由なので,独自
9
の教材に再構築することも可能である。CECの
ようなポータルサイトがあると,ダウンロードす
今年度の研究では ,「火曜の会メールマガジ
ン」で紹介されている情報教育の目標リストに対
ればすぐに使えるので便利である。一つの動画コ
応した指導法の開発を試みたが,日常の教科指導
ンテンツの再生時間は短いため,普段の調べ学習
の時間内に対応できる可能性は高いと考える。ど
から情報活用能力の育成も目指した指導法の必要
性を強く感じた。そこには, 21 世紀の社会を築
のディジタルコンテンツをどのように活用すれば
いていくたくましい子どもたちの育成を目指した
教育効果が高まるのかを吟味するのに時間を要し
た。しかし,その作業を怠ってはねらい達成に結
教育を進めていくことで情報立国として日本が再
び立ち上がることを実現させようとしている時代
びつかない場合もあると思われる。
の意気込みが感じられる。この指導法開発の試み
8
は,ミレニアム環境で展開される日常的な授業形
態をイメージしたひとつの教育の姿であり,平成
成果と今後の取り組み
情報教育の目標リストを対応させた指導法は,
おわりに
17 年度に向けた着実な取り組みであると確信し
情報教育を各教科で進める際の参考になると考え
る。児童・生徒に必要な情報活用能力は,日常の
ている。
教科指導から段階的・継続的に育成していく必要
<参考文献及びWebページ>
があり,今回の指導法を多くの教師に伝え,広め
○火曜の会メールマガジン第 31,41,42 号
ることは急務である。その手段として Web 版レ
シピという形は有効であると考える。さらに,今
http://www.kayoo.org/mag/
○ CEC,IPA「教育用画像素材集サイト」
回の指導法開発に注目したのがディジタルコンテ
http://www2.edu.ipa.go.jp/gz/
ンツの活用である。ディジタルコンテンツは,従
来の授業を大きく変える可能性を持っており,デ
○第 27 回全日本教育工学研究協議会富山大会
研究発表論文集,P381 ∼ 384
ィジタルコンテンツへの関わり方や活用場面,活
○岡山県情報教育センター学校インターネット3
用方法を工夫すれば,教科のねらいを達成するこ
とはもちろん,情報教育の目標もバランスよく達
のページ(CECの画像素材集を公開)
http://www.okayama2.schoolnet.gr.jp/
成することに有効な学習素材のひとつである。以
上のようなことが授業実践や協議,指導法開発の
過程を通して成果として見えた。
<研究協力者・研究推進者等>
また,今後の課題は次のとおりである 。
(1)
開発した指導法は, Web 版レシピという形でま
とめ,学校インターネット2・3等で公開し,高
速回線を利用して実際の教科指導で活用し,評価
・修正を行っていく 。(2)授業ごとにコンテン
ツを検索・収集することは困難であるので,情報
教育センターでは,CECのディジタルコンテン
ツのすべてをサーバに蓄積し,すぐに活用できる
準備を進めていく。現在一部公開・活用できる状
況にある 。
(3)他教科他学年でも情報教育の目
協力者
高橋 伸明
笠岡市立金浦小学校教諭
中桐
伸二
岡山市立南輝小学校教諭
木村
小林
正徳
朝雄
熊山町立桜が丘小学校教諭
高梁市立高梁中学校教諭
山本
豊
高梁市立高梁中学校教諭
桑本 康則
内田ちひろ
早島町立早島中学校教諭
倉敷市立東中学校教諭
難波
岡山市立石井中学校教諭
彰子
なお,岡山県情報教育センターでは,平成 13 年
標リストに対応したディジタルコンテンツの活用
度は次の者が本研究に当たった。
授業の指導法をレシピという形でまとめ,普段の
教科指導からバランスよく情報教育が進められる
ようにその普及を目指す。さらに,1単位時間の
単発的なものではなく,単元全体へ展開させてい
太田
淳一
平松
茂
研修課長
誠一
指導主事
岸
くようなダイナミックな取り組みも考えている。
10
指導主事(◎主査)
情報教育の目標リストに対応した指導案体系図
関係が深い
やや関係がある
校種
小
小
小
中
中
中
教科
学年
社会
6
社会
6
図工
6
社会
2
理科
2
理科
2
単元名
戦争
戦争 写して 中国
細胞
天気
中
中
音楽 音楽
2
1
箏
祭り
○
○
■ア:情 報活用 の実践力
(1)<情報の 表現と コミュニ ケーション>
【a:表現】
LE VEL1 自分の気 持ちや 言いたいことを 表現で きる
a1-010
a1-020
LE VEL2
自分の言いたいことを考えながら表現する
自分の言いたいことの要点を言える
伝える 内容を 意識し ,工夫 しな がら表現 する
a2-010
要点を考えて表すことができる
a2-020
見たことや読んだことを整理して話す
a2-030
LE VEL3
情報には送り手と受け手があることに気づく
さま ざまな 情報手 段を 活用し て効果 的に表現する
○
a3-010
集めた情報を元に新しい情報を作り出すことができる
a3-020
a3-030
自分の考えを組み立てながら,適切な情報を選ぶことができる
相手に効果的に伝わるように順序を整えて表すことができる
a3-040
a3-050
a3-060
a3-070
相手に伝えるためにメディアを使って効果的に資料を作成する
相手の意見を理解して質疑応答ができる
伝えたいことに応じて表現の仕方を工夫する
他の人に分かりやすい表現方法を知る
a3-080
構造的に表すことができる
○
○
○
○
【b:メ ディア による コミュニ ケーシ ョン 】
LE VEL2 メディアを 活用し て情報 を交 流する
b2-010
LE VEL3
テレビ会議や電子掲示板を利用して交流する
メディアを 活用し て情報 を交 流する
b3-010
b3-020
b3-030
電子メールを利用して他校と交流する
テレビ会議や電子掲示板等を利用して意見の交換を行う
共通の話題についてメディアを利用して交流する
b3-040
共通の話題について複数のメディアから選択して交流する
○
○
(2)<課題解 決における主体 的な情 報活用 >
【c:問題の 発見と 計画】
LE VEL2 自ら課題を 選び計画 を立て ること がで きる
c2-010
c2-020
c2-030
c2-040
集めた情報の共通点や相違点から課題を見つける
得た情報から新たな課題を見つける
自分の身近な事象に関連付けて課題を考える
見通しを持って調べる
○
○
○
○
○
○
○
11
関係が深い
校種
小
小
小
教科
社会
社会
図工
6
6
学年
やや関係がある
単元名
6
戦争
中
中
中
社会 理科 理科
2
2
2
戦争 写して 中国 細胞 天気
中
中
音楽 音楽
2
1
箏
祭り
○
○
○
○
【d:情報 の収集】
LEV EL2 身近 なと ころ からさ まざま なメ ディアを 使って情 報を集め る
d2-010
d2-020
d2-030
d2-040
身近な人からインタビューをして情報を集める
いろいろな機器を活用して情報を集める
ネットワーク上に発信された情報を集める
印刷物・放送・ビデオなどのメディアから情報を集める
d2-050
d2-060
LEV EL3
自分の調べていることについて他の人に意見を求める
相手に伝えるために主体的に質問を聞き,調べる
課題 解決に必要な 情報を 情報手段を 活用し て収集 する
d3-010
目的を考え,情報を選択して集める
d3-020
身近なことがらから課題を見つけ,課題解決のための情報を収集する
d3-030
d3-040
他の情報と比較しながら必要な情報を得る
情報の活用方法を考えながら情報収集する
○
○
○
○
○
○
【e:整理・分析・判断 】
LEV EL2 集め た情 報を比べ た り,ま とめた り できる
○
e2-010
話し合って意見をまとめる
e2-020
相手に伝えたいことを絵図や資料にまとめる
e2-030
相手に伝えたいことを情報を整理して文章にまとめる
e2-040
相手に伝えるために資料を作成する
e2-050
集めた情報について話し合い,新しい関係をみつける
e2-060
LEV EL3
集めた情報の共通点や相違点を話し合い,分類する
集め た情 報を分析 し,適 した 方法で まと めること ができ る
e3-010
集めた情報を分析し,傾向や規則性を見つける
e3-020
課題解決に必要な不足情報に気づき,さらに情報を収集・整理する
e3-030
集めた情報の特性に応じて適切な表やグラフにまとめる
e3-040
伝えたいことを電子情報としてまとめる
e3-050
LEV EL4
集めた情報を活用しやすいように整理する
情報 手段を活 用して 整理・分析 ・判 断する
e4-010
e4-020
e4-030
コンピュータやメディアを利用して情報を整理する
コンピュータにデータを入力して分析する
分析した情報に基づいて,的確に判断する
○
○
○
12
○
関係が 深い
校種
小
教科
社会
学年
やや 関係がある
単元名
6
戦争
小
小
中
中
中
社会 図 工 社会 理 科 理科
6
6
2
2
2
戦争 写して 中国 細 胞 天気
【f : 発信・伝達】
LEVEL 2 まと めたこ とを人に 伝える
○
f2- 010
まとめたことをみんなの前で話す
f2- 020
相手に伝えるために絵図や資料を見ながら話す
LEVEL 3
伝えた いこ と を明確にし て相手に わかりやすく伝える
f3- 010
伝えたいことを明確にしてプレゼンテーションを行う
f3- 020
情報をネットワーク上に発信する
f3- 030
自分の考えをはっきりさせて正確に伝える
f3- 040
順序を考えて,相手にわかりやすく整理して発信する
f3- 050
メディアを使って情報・意見を適切に伝える
f3- 060
LEVEL 4
事実に基づいた情報を発信する
聞き手の立場に 立ち,メディア を有効に活用 し,筋道を立て伝える
f4- 010
f4- 020
f4- 030
相手を説得するために話の順序を考える
章立てて(起承転結を考えて) 発表する
相手を意識し,推敲を繰り返して発信する
○
○
○
○
○
(3) <適切な情報手段の利用>
【g: 情報手段の適切な利 用】
LEVEL 1 身の回りの情報手段に 慣れ親しむ
g1- 010
身の回りのメディアを情報収集に使う
g1- 020
使いたいメディ アのよさを感じ取ることができる
g1- 030
LEVEL 2
写真や絵図,ビデオにテキストを加える
い ろいろ な情報手段の特性の違いに 気づ く
g2- 010
表現したい事物を効果的に写真やビデオに撮影する
g2- 020
提示装置やプレゼン用ソフトを適切に利用して表現する
g2- 030
情報機器を使って絵や音楽をつくる
g2- 040
自分の考えをわかりやすく伝えるメディアを選ぶ
g2- 050
身近にあるメディアの種類や違いに気づく
g2- 060
LEVEL 3
情報はディジタル化すると,加工しやすいことがわかる
目的に 応じて情報手段を使い 分け るこ とができる
g3- 010
メディアにはそれぞれに長所と短所があることを知る
g3- 020
文字や映像や音声を編集する
g3- 030
適切なメディアを選択して情報発信する
g3- 040
g3- 050
意見交換の場面でテレビ会議を利用する
目的を達成するためにどんなメディアが使えるかを考える
○
○
○
13
中
中
音楽 音楽
2
1
箏
祭り
関 係が深い
校種
小
小
教科
社会
社会
学年
やや関係 がある
単元 名
6
戦争
6
小
中
図工 社会
6
2
戦争 写 して 中国
中
理科
中
中
中
理科 音 楽 音楽
2
2
2
1
細胞
天気
箏
祭り
■ウ: 情報化社会 に参画する態度
(6) <情報に 対する態度>
【m : 情報に 対する 態度】
LEVEL 2 情報の大 切さを意識する
○
○
m2- 010
m2- 020
m2- 030
m2- 040
m2- 050
m2- 060
LEVEL 3
情報の大切さに気づく
情報は人に影響を与えるということに気づく
情報を選択した根拠を説明できる
自分の考えと違う意見があることに気づく
他の人の発言した情報の良いところを見つける
情報には正しいものと誤ったものがあることを知る
情報と 主体的に かかわろうと する
m3- 010
m3- 020
m3- 030
m3- 040
m3- 050
m3- 060
m3- 070
LEVEL 4
発信された情報が人に与える影響を理解し,行動する
正しく伝えられたのか振り返り,修正できる
他の人の情報を基に自分の情報を改善できる
結果と意見を区別できる
社会の常識の中には,自分の考えと違うものもあることに気づく
受け取った情報が正しい情報かどうかを意識できる
情報には,発信側の意図が含まれていることに気づく
情報を 批判的に 活用できる
m4- 010
m4- 020
m4- 030
m4- 040
m4- 050
m4- 060
m4- 070
m4- 080
m4- 090
情報の真偽を判断し,適切に行動することができる
課題について調べた情報を根拠にして討論を行う
自分の行った行動を振り返り,問題点と理由を指摘できる
自分の発信した情報の影響を評価し,必要な改善を行う
統計教育の持つ意味を推測する
結論を導いた根拠を示す
自分の意見の創造性(オリジナリティ)を意識する
情報の適切さについて批判的に判断できる
他者が発信した意見や自己の意見を客観的に評価する
○
○
○
○
○
○
(7) <情報モ ラル >
【n : 情報モラル】
LEVEL 2 情報モ ラル の大切さを知る
n2- 010
n2- 020
n2- 030
n2- 040
n2- 050
LEVEL 3
個人情報の大切さを知る
他人の情報を大切にする
相手を考えた言葉遣いで情報交換することができる
相手の気持ちを考えて自分の意見を表現する
情報提供者にお礼の気持ちを持つ
情報モ ラル の大切さを受け 止め,主体的に 行動でき る
n3- 010
ネットワークを利用する場合のルールやマナーを身につける
○
14
○
構成要素の説明
○学習 指導 要領 との 関係
○教科 のね らい ,情 報教 育の 目標
○学習 活動 ,教 師の 支援 ,準 備物
○ワークシー ト
(赤 刷り …教 師用 ,白 刷り …児童 ・生 徒用)
○活用 する ディジ タル コン テン ツ
(静 止画 )
○児童 ・生 徒のワー クシート
(赤 刷り …教 師用 ,白 刷り …児童 ・生 徒用)
○活用 する ディジ タル コン テン ツ
(動 画)
○ディジタ ルコン テン ツ 活用場 面の 様子
(動 画)
レ シ ピ 構 成 要 素
校種 学年
教科
単元名
指導案
静止画
動画
ワーク シート
作品
動画
○
小学校
6 社会
戦争と
国民生活
○
○
○
○
○
小学校
6 社会
長く続いた
戦争とアジア
の人々
○
○
○
○
○
小学校
6 図工
写してみると
○
W eb上
○
○
中学校
2 社会
中国を調べる
○
○
○
中学校
2 理科
生物の成長と
細胞
○
W eb上
W eb上
中学校
2 理科
天気とその変
化
○
CD- ROM
CD- ROM
中学校
2 音楽
和楽器に
親しもう
○
中学校
1 音楽
祭りと音楽
とのかかわり
○
○
○
○
※この他にも現在構成要素,Web版レシピを追加開発中です。
15
ディジ タル コン テン ツ活 用レ シピ 実践 者: 笠岡 市立 金浦 小学校 高 橋伸 明教 諭 1 単元名
「戦争と国民生活」(第○次第○時)
2 授業概要
戦争中の5つの動画コンテンツの活用法を教師が紹介した後,学習課題を解決するた
めに児童自身が動画コンテンツを操作しながら必要な情報を収集したり,分かったこと
をコンテンツを使って発表したりする授業である。
3 本時の目標
教科のねらい
新学習 指導 要領 との 関連 小 学校 社会科 第6 学年 2内 容( 1) ク
・ 戦争中の様子を伝えるディジタルコンテンツ(動画)5点を年代順に並べる作業を
通して,ディジタルコンテンツから分かること・伝えられていないことを明らかにし
当時の国民生活について関する学習問題をもつことができる。
情報教育の目標
・さまざまな情報手段を活用して効果的に表現する。【a3-030】
・自ら課題を選び計画を立てることができる。【c2-020】
・課題解決に必要な情報を情報手段を活用して収集する。【d3-030】
・集めた情報を比べたり,まとめたりできる。【e2-010,050】
・伝えたいことを明確にして相手にわかりやすく伝える。【f3-010,030】
4 活用コンテンツ
・CEC,IPA「教育用画像素材集サイト」 http://www2.edu.ipa.go.jp/gz/
・5つの歴史映像の動画コンテンツを活用(一つ約10数秒)
・コンテンツの一場面を静止画として,黒板の掲示物に活用
【 真珠 湾奇 襲攻 撃】
【 訓練する 生 徒】
【 東京 大空 襲】
【 国民 生活】
【 学童 疎開】
16
ディジ タル コン テン ツ活 用レ シピ 実践 者: 笠岡 市立 金浦 小学校 高 橋伸 明教 諭 5 本時の流れ
・液晶 プロ ジェ クタ
・ノー ト型 コン ピュ ータ
・ディ ジタ ルコ ンテ ンツ
○ディ ジタ ルコ ンテ ンツ を提 示し ながら 課題 を
説明 する こと によ り, 活動 をイ メージ しや す
くす る。
5種類 の映 像を 年代 順に 並べ よう 。 そして なぜ そう 考え たか 理由 をも とう。
○ディ ジタ ルコ ンテ ンツ が伝 えて いる情 報を 整
理し やす いよ うに ,ワ ーク シー トを活 用し な
がら 作業 を進 める よう にす る。
・ワー クシ ート
・社会 科資 料集
・児童 用コ ンピ ュー タ
(2 人に 1台 )
・ディ ジタ ルコ ンテ ンツ
○年代 順に 並べ る作 業の 中で ,そ の根拠 とな る
情報 をと らえ られ ない 児童 には ,映像 の細 部
に目 を向 ける よう に助 言す る。 【d3-030】
○ディ ジタ ルコ ンテ ンツ から 得た 情報を 共有 す
るた めに ,グ ルー プ内 でお 互い の考え を出 し
合う よう にす る。 【e2-010,050】
○とら えた 事実 を明 らか にす るた めに, 児童 が
年代 順の 予想 を発 表す る際 には ,板書 にそ の
理由 を整 理し てい く。
○児童 の考 えを より 分か りや すく 伝える ため に,
口頭 で発 表す るだ けで なく ,で きるだ け液 晶
プロ ジェ クタ で映 した ディ ジタ ルコン テン ツ
を指 しな がら 説明 でき るよ うに する。 【a3-030,f3-010,030】
・ワー クシ ート
・社会 科資 料集
・液晶 プロ ジェ クタ
・ノー ト型 コン ピュ ータ
・ディ ジタ ルコ ンテ ンツ
○ディ ジタ ルコ ンテ ンツ が「 伝え ている こと ・
分か った こと 」を 整理 しな がら 「伝え てい な
いこ と・ 分か らな いこ と」 につ いても 考え る
場面 をつ くり ,当 時の 国民 生活 につい てに 調
べて いく ため の学 習問 題を 挙げ る。
○学習 問題 を解 決す る手 がか りを いくつ かも つた めに ,夏 休み に各 自が
行っ た戦 争体 験に 関す る聞 き取 り調査 のこ とを 想起 しな がら ,身 近な
人材 等に つい て紹 介し 合う よう にする 。 【c2-020】
6 実践のポイント
○児童 自身 が動 画コ ンテ ンツ を操 作すれ ば学 習効 果を さら に高 める こと がで きる。 日頃 から 動画 コン テン ツを
再生 した り, 戻し たり ,一 時停 止した りで きる 基本 操作 を経 験さ せて おく ことを おす すめ しま す。
17
ディジ タル コン テン ツ活 用レ シピ 実 践者 :熊 山町 立桜 が丘 小学校 木 村正 徳教 諭 1 単元名
「長く続いた戦争とアジアの人々」
−くらしは戦争一色へ− (第○次○時)
2 授業概要
「戦時下の国民の生活はどのようなものだったのか」を示し,「配給の様子」と
「学童疎開の様子」のディジタルコンテンツから気づいたことやその事象の理由を ワークシートにまとめたり,発表したりする授業である。
3 本時の目標
教科のねらい
新学習 指導 要領 との 関連 小 学校 社会科 第6 学年 2内 容( 1) ク
・戦時中の国民の生活の様子を伝える資料(ディジタルコンテンツ)から当時
の様子を調べることができる。
・戦時中の国民の生活の様子を知り,そのわけを考えることができる。
情報教育の目標
・身近なところからさまざまなメディアを使って情報を集める。【d2-040】
・集めた情報を分析し,適した方法でまとめることができる。【e3-010】
・伝えたいことを明確にして相手にわかりやすく伝える。【f3-010】
4 活用コンテンツ
・2つの歴史映像の動画コンテンツを活用(一つ約十数秒)
・CEC,IPA「教育用画像素材集サイト」 http://www2.edu.ipa.go.jp/gz/
・静止画は,ワークシートに活用
(既習内容の想起
に活用)
【 配給 の様 子】
【 町中 の様 子】
【 国民 生活】
【 学童 疎開】
(展開の調べ学習
で活用)
18
ディジ タル コン テン ツ活 用レ シピ 実 践者 :熊 山町 立桜 が丘 小学校 木 村正 徳教 諭 5 本時の流れ
・大型 モニ タ
・コン ピュ ータ
・ディ ジタ ルコ ンテ ンツ
(配 給や 町中 の様 子)
○前時 の既 習内 容を 動画 コン テン ツを提 示し な
がら 振り 返る こと によ り興 味・ 関心を 持た せ,
本時 の課 題を つか みや すく する 。
戦時下 の国 民の 生活 はど のよ うな
ものだ った のだ ろう か。
○資 料 (デ ィ ジタ ル コン テン ツ )を 見る 視点 を
示 す こと で ,調 べ 学習 の手 助 けと する 。 【d2-040】
・誰 が, どこ で, 何を して いる か。
・ワー クシ ート
・児童 用コ ンピ ュー タ
(2 人に 1台 )
・ディ ジタ ルコ ンテ ンツ
(学童 疎開 ,勤 労奉 仕)
○調べ たこ とを 整理 しや すい よう にする ため
ワー クシ ート を活 用す る。
○学童 疎開 や多 くの 女性 が勤 労奉 仕をす る理 由
を考 えさ せる こと で, 当時 の生 活の様 子を 想
起さ せる 。 【e3-010】
・大型 モニ タ
・コン ピュ ータ
・ディ ジタ ルコ ンテ ンツ
(学童 疎開 ,勤 労奉 仕)
○発表 でで てき たこ とは ,全 員で コンテ ンツ を
見て 確認 する 。 【f3-010】
○児童 の発 表を もと に, 当時 の国 民生活 の様 子で 分か った こと につ いて まと め
させ る。
○次時 の予 告を する 。
6 実践のポイント
○過去 の事 象で ある 戦時 下の 国民 生活の 様子 を動 画コ ンテ ンツ で提 示す るこ とによ り, 教科 書や 資料 集,
教師 の説 明だ けで は, 十分 とら えられ ない 当時 の人 の気 持ち を現 在の 自分 たちの 生活 と比 較し なが ら
深め るこ とが 可能 にな るで しょ う。
19
ディジ タル コン テン ツ活 用レ シピ 実践 者: 岡山 市立 南輝 小学校 中 桐伸 二教 諭 1 単元名
「写してみると」 (第○次○時)
2 授業概要
ディジタルカメラで撮った自分や学校のおもしろい場所の画像,著作権フリーの画
像などを素材とし,コンピュータを活用して自由に組み合わせながら表現し,互いに
鑑賞する授業である。
3 本時の目標
教科のねらい
新学習 指導 要領 との 関連 小 学校 図画工 作科 A表 現( 1) ア
・ディジタルカメラやインターネットなどを活用して,自分の思いを広げる活
動を楽しむことができる。
・コンピュータを利用して,自分の生活を豊かにする情報や作品をつくりだす
ことができる。
情報教育の目標
・身近なところからさまざまなメディアを使って情報を集める。【d2-020,030】
・いろいろな情報手段の特性に気づく。【g2-010,030,060】
・情報モラルの大切さを知る。【m2-010,020】
・情報モラルの大切さを受け止め,主体的に行動できる。【n3-010】
4 活用コンテンツ
・ディジタルカメラで撮影した画像(自分の写真・学校のおもしろい場所)
・子供のための画像データベース・プロジェクト(宮崎大学教育学部附属小学校)
http://www.fes.miyazaki-u.ac.jp/zoukei/zoukei/zairyou.html
(児童の作品)
20
ディジ タル コン テン ツ活 用レ シピ 実践 者: 岡山 市立 南輝 小学校 中 桐伸 二教 諭 6 本時の流れ
・作品 例
・コン ピュ ータ
・液晶 プロ ジェ クタ ー
○作品 例を 見せ るこ とに よっ て, 本時は ディ ジ
タル 画像 で表 現し てい く作 品作 りを進 めて い
くイ メー ジを 持ち やす くす る。
いろい ろな ディ ジタ ル画 像を 自由 に組み 合わ せな がら ,
自分の 思い を表 現し て, みん なで 鑑賞し よう 。
○班 に 1台 ず つデ ィ ジタ ルカ メ ラを 渡し ,自 分
の 写 真と , 学校 の 周り のお も しろ い場 所の 写
真を 撮っ てく るよ う知 らせ る。
・ディ ジタ ルカ メラ
(自 分の 写真 ,学 校の
おも しろ い場 所)
・フロ ッピ ーデ ィス ク
【d2-020】
○整理 や作 業が しや すい よう に, 1人に 1枚 ず
つフ ロッ ピー ディ スク を渡 して おく。
○Webペ ージか ら著 作権 フリ ーの 気に 入っ た画
像を すぐ にダ ウン ロー ドし やす いよう にサ イ
トを あら かじ めブ ラウ ザに 登録 してお く。
【d2-030,n3-010】
○各自 のフ ロッ ピー にダ ウン ロー ドした 画像 を保
存さ せ, 作業 をし やす くす る。
・ディ ジタ ルコ ンテ ンツ
(子 ども のた めの 画像
デ ータ ベー ス・ プロ
ジ ェク ト)
○自分 が納 得い くま で画 像の 合成 や加工 がで きる
よう にコ ンピ ュー タを 活用 させ る。
○2人 に1 台の コン ピュ ータ で, 楽しい 作品 づく
りが でき るよ うに 心が け, 自由 に組み 合わ せて
よい こと を知 らせ る。【g2-010,030,060】
○作品 を作 って いる 途中 でも ,Webペ ージ から
画像 をダ ウン ロー ドし ても よい ことを 知ら せ,
発想 の広 がり を支 援す る。
・コン ピュ ータ
・ソフ トウ ェア
「花 子フ ォト レタ ッチ 」
○でき た作 品を サー バ機 に保 存し ておき ,友 達の 作品 を鑑 賞し ,作 品の おも しろ
さを 感じ 取る 。
【m2-010,020】
6 実践のポイント
○ディ ジタ ルカ メラ で撮 影す ると きは肖 像権 等, Web ペー ジから 画像 を活 用す る際 の著 作権 等に 配慮し た
指導 を行 い, 日頃 から 学習 場面 で情報 モラ ルを 意識 した 指導 に心 がけ まし ょう。
○作品 の中 に自 分自 身を 登場 させ ること で, 自分 の思 いが 強く なり ,主 体的 ,意欲 的な 作品 づく りに つな
がる とと もに ,自 分や 友達 を大 切に思 う心 情に もつ なが るで しょ う。
21
ディジ タル コン テン ツ活 用レ シピ 実践 者: 高梁 市立 高梁 中学校 小 林朝 雄教 諭 1 単元名
「中国を調べる」(第○次第○時)
2 授業概要
世界一人口の多い中国の問題点や対策について教師の準備したディジタルコンテンツ
やWebページ,その他の資料等を活用しながらワークシートに整理し,グループ内で情
報交換しながら,中国の変化する人々のくらしについて考えをまとめる授業である。
3 本時の目標
教科のねらい
新学習 指導 要領 との 関連 中 学校 社会科 地理 的分 野( 2) ウ
・世界一人口の多い中国の問題点,対策について,また急速に変化する人々のくらしに
ついて調べ,自分なりにまとめることができる
・ディジタルコンテンツやWebページ,統計資料等の様々な資料を活用し,ワークシ
ートにまとめて,発表することができる。
情報教育の目標
・自ら課題を選び計画を立てることができる。 【c2-010,020,040】
・さまざまな情報手段を活用して効果的に表現する。 【a3-010,030,060,070】
4 活用コンテンツ
・教師の撮影による動画コンテンツ
・中国情報局 http://www.searchina.ne.jp/ ・地球の歩き方 http://www.arukikata.co.jp/
・東方観光局・中国 http://east edge.com/china/ ・中国国家観光局 http://www.cnta.or.jp/
(教師の撮影による動画コンテンツ)
【 シ ャン ハイ 市内で見る 一人 っ子 】
【 繁華 街の ファ ースト フードの 店】
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ディジ タル コン テン ツ活 用レ シピ 実践 者: 高梁 市立 高梁 中学校 小 林朝 雄教 諭 5 本時の流れ
○中国 につ いて 知っ てい るこ とを 発表さ せる こ
とで ,中 国の 問題 点や その 対策 につい て学 習
を進 めて いく こと を意 識さ せる 。
・ホワ イト ボー ド( 板書 )
・ワー クシ ート
中国の 問題 点や 対策 を調 べて ,中 国のく らし の
変化に つい てま とめ よう 。
○さま ざま なメ ディ アを 活用 し, 調べる よう に
助言 し, ワー クシ ート にま とめ る留意 点に つ
いて ふれ る。
(中国の概略について調べて,まとめる)
○We bペ ージ 検索 がう まく いか ないペ アが あ
れば 助言 する 。
・中国 関連 We bペ ージ
・統計 資料 集, 地図 帳
・ワー クシ ート
・ディ ジタ ルコ ンテ ンツ
(シ ャン ハイ 市内 で
見 る一 人っ 子の 動画 )
○イン ター ネッ トだ けに たよ らず 統計資 料, 地
図帳 も活 用さ せる 。
(変化する中国の人々の生活の様子を知る)
○ディジタ ルコン テン ツ (動画) を提 示す るこ とで ,
人口 問題 に対 する 興味 ・関 心を 高める 。
○ディジタ ルコン テン ツ (動画) を提 示す るこ とに
より ,変 化す る中 国の イメ ージ をもた せる 。
・ディ ジタ ルコ ンテ ンツ
(シ ャン ハイ の繁 華街 ,
フ ァー スト フー ド店
の 動画 )
・ワー クシ ート
○ディジタ ルコン テン ツ (動画) から 気の つい たこ
とを ワー クシ ート にま とめ させ る。
【c2-010,020,040】
・ワー クシ ート
○ワー クシ ート を基 に情 報交 換し ,自己 評価
と相 互評 価を させ るこ とに より ,自分 なり
に変 化す る中 国の 人々 のく らし につい てま
とめ るこ とが でき る。 【a3-010,030,060,070】
6 実践のポイント
○さま ざま なメ ディ アを 活用 する ことに より ,情 報に 対し ての 信頼 性を 吟味 するよ うに させ るこ とが
必要 であ る。 また ,調 べた 情報 を評価 する 場面 を設 定す るこ とに より ,正 しい情 報か どう か意 識さ
せま しょ う。
23
ディジ タル コン テン ツ活 用レ シピ 実践 者: 早島 町立 早島 中学校 桑 本康 則教 諭 1 単元名
「生物の成長と細胞」(第○次第○時)
2 授業概要
根端細胞の細胞分裂の観察法(押しつぶし法)のポイントを動画コンテンツで提
示説明し確認する。その後,グループごとに観察実験を行い,発見した細胞分裂の
様子をワークシートにスケッチや静止画コンテンツを手掛かりにして発表する。さ
らに,動物細胞の分裂の様子を動画コンテンツで提示し,細胞分裂の過程について
の理解を深める。
3 本時の目標
教科のねらい
新学習 指導 要領 との 関連 中 学校 理科第 2分 野( 5) ア( イ)
・根端細胞の細胞分裂の観察法(押しつぶし法)を知り,観察することができる。
・自分が記録したワークシートやディジタルコンテンツから,細胞分裂の過程や
その過程ごとの特徴を説明できる。
情報教育の目標
・集めた情報を比べたり,まとめたりできる。【e2-020】
・伝えたいことを明確にして相手にわかりやすく伝える。【f3-050】
・情報と主体的にかかわろうとする。【m3-060】
4 活用コンテンツ
○教育研究所 キッズキャンパスアカデミー
・「中学理科 実験・観察クリップ集」
http://kids.gakken.co.jp/campus/ academy/index.html
○広島大学教育学部理科内容学研究室
・細胞分裂の動画(植物)
http://scied123.ed.hiroshima-u.ac.jp/mitosis/
○高校生物関係の部屋
・細胞分裂の動画(動物)
http://www.asahi-net.or.jp/%7Edz5y-m rt/cd-anime.htm
24
ディジ タル コン テン ツ活 用レ シピ 実践 者: 早島 町立 早島 中学校 桑 本康 則教 諭 5 本時の流れ
・ノー ト型 コン ピュ ータ
・液晶 プロ ジェ クタ
・ディ ジタ ルコ ンテ ンツ
(細胞 分裂 の過 程の 写真 )
○細胞 分裂 のコ ンテ ンツ (静 止画 )を見 せる こ
とに より ,細 胞分 裂に つい ての 興味・ 関心 を
高め ,本 時の めあ てを つか みや すくす る。
・ディ ジタ ルコ ンテ ンツ
(プレ パラ ート を作 成す
る段 階ご との 動画 )
・ディ ジタ ルコ ンテ ンツ
(細胞 分裂 の各 過程 の静
止画 )
○デ ィ ジタ ル コン テ ンツ (動 画 )に より ,細 胞
分 裂 のプ レ パラ ー ト作 成の ポ イン トを 詳し く
示す 。
○ス ケ ッチ の ポイ ン トを ディ ジ タル コン テン ツ
(静 止画 )に より 示す 。
○プレ パラ ート の作 成法 が分 から なくな った ら
各班 でデ ィジ タル コン テン ツ( 動画) を確 認
しな がら 作業 する よう 助言 する 。
○ス ケ ッチ に つい て は, 目的 と する 細胞 を中 心
に しっ か り と 描く よ う に 助言 す る 。 ・タマ ネギ ,ネ ギの 根
・顕微 鏡な ど観 察器 具
・ワー クシ ート
(ス ケッ チ用 )
・ディ ジタ ルコ ンテ ンツ
(細胞 分裂 の動 画)
【e2-020】
○ディ ジタ ルコ ンテ ンツ (静 止画 )を活 用し て
指導 する こと によ り, 細胞 分裂 の過程 を理 解
しや すく する 。
【f3-050,m3-060】
○他の 植物 や動 物の 細胞 分裂 のデ ィジタ ルコ ン
テン ツ( 動画 )を 提示 し, 同様 な過程 で分 裂
する こと を示 す。
・ディ ジタ ルコ ンテ ンツ
(他の 植物 の細 胞分 裂)
(動物 の細 胞分 裂の 動画 )
(細胞 分裂 の過 程の 写真 )
6 実践のポイント
○観察 法の 動画 コン テン ツを 提示 した際 ,手 順の ポイ ント を明 確に して から 観察実 験を 行う 。
○グル ープ ごと に観 察法 を再 度確 認した り, 観察 した 細胞 分裂 の様 子を その 場で全 体へ 提示 でき るよ うな
顕微 鏡や ノー ト型 コン ピュ ータ を使え ば, さら に授 業効 果を 高め るこ とに なるで しょ う。
25
ディジ タル コン テン ツ活 用レ シピ 実践 者: 高梁 市立 高梁 中学校 山 本 豊教 諭 1 単元名
「天気とその変化」(第○次第○時)
2 授業概要
教科書準拠型のディジタルコンテンツを活用した授業である。霧の動画コンテン
ツ提示から授業を開始し,水滴がつく様子の動画コンテンツから課題意識を高め,,
観察実験を行う。さらにアニメーションから露点・凝結時の飽和水蒸気量の変化を
とらえ,理解を深めていく学習である。
3 本時の目標
教科のねらい
新学習 指導 要領 との 関連 中 学校 理科第 2分 野 (4) 天気 とそ の変 化 ア 天気 の変化
・コップの水に氷を入れ,水滴がつく様子を観察する実験を通して,気温の
変化に伴って空気中の水蒸気の凝結が起こることを理解させる。
・気温による飽和水蒸気量の変化が凝結に関わりがあることを理解させる。
情報教育の目標
・自ら課題を選び計画を立てることができる。【c2-030】
・集めた情報を分析し,適した方法でまとめることができる。【e3-010】
・伝えたいことを明確にして相手にわかりやすく伝える。【f3-050】
・情報と主体的にかかわろうとする。【m3-060】
4 活用コンテンツ
中学校第2学年理科第2分野 教科書準拠型 東京書籍(試作版CD-ROM )
(活用したディジタルコンテンツの例)
【 コップ に氷を 注ぐ 動画】
【 気温 と飽 和水 蒸気 量の 関係グラ フ】
26
ディジ タル コン テン ツ活 用レ シピ 実践 者: 高梁 市立 高梁 中学校 山 本 豊教 諭 5 本時の流れ
・ノー ト型 コン ピュ ータ
・液晶 プロ ジェ クタ
・ディ ジタ ルコ ンテ ンツ
(釧 路湿 原の 霧の 映像 )
・ディ ジタ ルコ ンテ ンツ
(コッ プに 氷を 注ぐ 映像 )
○霧の 動画 コン テン ツを 見せ るこ とで, 本時
の課 題を 意識 させ る。
○ 霧 の 多い 高 梁 の 特 徴 を 想 起 させ る 。 【c2-030】
○コ ッ プに 水 滴の つ く動 画コ ン テン ツを 見せ る
こと で, 自分 の仮 説を 発表 しや すくさ せる 。
・凝 結と は何 か。
・霧 とど うい う関 係が ある のか 。
・ノー ト型 コン ピュ ータ
・液晶 プロ ジェ クタ
・ディ ジタ ルコ ンテ ンツ
(コッ プに 氷を 注ぐ 映像 )
○動画 コン テン ツを 提示 し, 実験 のポイ ント を
つか みや すく する 。
・コ ップ に息 を吹 きか けな いこ と
・水 滴が つく 直前 の温 度を 測る こと
○コ ッ プの 表 面を 拡 大提 示す る こと で, 観察 の
ポイ ント を確 認さ せる 。
・金属 のコ ップ
・くみ 置き の水
・氷水
・温度 計
・ガラ ス棒
○露点 ,凝 結に つい て説 明す る。
○露点 にな ると 凝結 する 理由 を考 える。
○飽和 水蒸 気量 につ いて 動画 アニ メーシ ョン を
活用 し, イメ ージ しや すく する 。
○友達 と相 談し なが ら, 自分 なり にノー トに ま
とめ させ る。 【e3-010】
○ディ ジタ ルコ ンテ ンツ の空 気の モデル を提 示
し, その 時の 状態 を説 明さ せる 。
・ディ ジタ ルコ ンテ ンツ
(空 気の モデ ル)
・ディ ジタ ルコ ンテ ンツ
(飽和 水蒸 気量 のグ ラフ )
・ペッ トボ トル
・ドラ イヤ ー
【f3-050,m3-060】
○ペッ トボ トル を使 った 実験 では ,温風 と冷 風
を使 い分 ける こと を助 言す る。
○ペッ トボ トル の中 が曇 る動 画コ ンテン ツの 映像 を再 生し ,理 解を 深め る。
・ディ ジタ ルコ ンテ ンツ
(ペ ット ボト ルの
実 験の 様子 )
7 実践のポイント
○実際 に目 では 確認 でき ない 飽和 水蒸気 量の 変化 を動 画コ ンテ ンツ (ア ニメ ーショ ン) を活 用す るこ
とに より ,露 点や 凝結 につ いて のイメ ージ を持 ちや すく しま しょ う。
27
ディジ タル コン テン ツ活 用レ シピ 実践 者: 倉敷 市立 東中 学校 内田 ちひ ろ教 諭 1 単元名
「和楽器に親しもう」
−さくらさくらを箏で演奏しよう−(第○次第○時)
2 授業概要
「さくらさくら」の箏の演奏を鑑賞し,ディジタルコンテンツで箏の構造や演奏技法
を知る。さらに演奏に向けての準備をディジタルコンテンツで示し,和楽器にふれ,親
しむ中で日本・アジアの音楽への理解を深める学習である。
3 本時の目標
教科のねらい
新学習 指導 要領 との 関連 中 学校 音楽科 第2 学年 A 表現 (1 )ウ
・事前に鑑賞した箏を実際に演奏することで,より理解を深めることができる。
・箏の構造,特徴を知り,演奏することができる。
・箏の楽器を実際演奏することで,日本・アジア音楽への理解を深めることができる。
情報教育の目標
・課題に必要な情報を情報手段を活用して収集する。 【d3-010,040】
・自ら課題を見つけ,見通しを持って活動することができる。 【c3-010】
・さまざまな情報手段を活用して効果的に表現する。 【a3-010】
・自ら課題を選び計画を立てることができる。 【c2-020】
4 活用コンテンツ
・動画コンテンツを活用(一つ約十数秒)
・CEC,IPA「教育用画像素材集サイト」 http://www2.edu.ipa.go.jp/gz/
【 予想 される コン テン ツ 例】
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ディジ タル コン テン ツ活 用レ シピ 実践 者: 倉敷 市立 東中 学校 内田 ちひ ろ教 諭 5 本時の流れ
・LD
(さ くら さく らの
箏 の独 奏)
○「さ くら さく ら」 の箏 の演 奏を 鑑賞さ せる こ
とで 学習 への 興味 を持 たせ る。
「さく らさ くら 」を 箏で 演奏 しよ う
・ディ ジタ ルコ ンテ ンツ
(箏 の各 部分 の静 止画 )
○ディ ジタ ルコ ンテ ンツ (静 止画 )によ り, 箏の
構造 を部 分ご とに つか むま せる 。
○ディ ジタ ルコ ンテ ンツ (動 画) により ,箏 の様
々な 演奏 技法 に気 付か せる 。 【c3-010】
・ディ ジタ ルコ ンテ ンツ
(箏 の演 奏技 法の 動画 )
○ディジタ ルコン テン ツ (動画) から ,爪 の付 け方 ,
柱の セッ トの 仕方 ,調 弦な どに ついて 理解 さ
せる 。 【d3-010,040】
○「さ くら さく ら」 練習 をす る際 ,必要 があ れば
デ ィジ タル コン テン ツ (動画)で 演奏 方法 を確 認さ せる 。 【c2-020】
・箏, 爪, 楽譜 ,
チュ ーナ ー, ピア ノ
・ディ ジタ ルコ ンテ ンツ
(演 奏の 準備 ,調 弦の
の 動画 )
・ディ ジタ ルコ ンテ ンツ
(部 分ご との 演奏
の 動画 )
○「さ くら さく ら」 を全 員で 演奏 する前 に, 学習
内容 を振 り返 りな がら 演奏 する ことを 助言 する 。
【a3-010】
6 実践のポイント
○動画 コン テン ツの 見る べき ポイ ントを 明ら かに する 。例 えば 演奏 方法 など その技 法を とら えさ せる ため に
どの 場面 の何 に注 目す れば よい のかあ らか じめ 指示 して おく とよ いで しょ う。
29
ディジ タル コン テン ツ活 用レ シピ 実践 者: 岡山 市立 石井 中学校 難 波彰 子教 諭 1 単元名
「祭りと音楽とのかかわり」
(第○次第○時)
2 授業概要
身近な地域の「祭り」の場面から,そこには文化が息づいていることに気付かせ,他
の地域の祭りの音楽と比較しながら鑑賞を進めることにより,その地域の人々のくらし,
文化,歴史等との関わりを想像しながら,祭りの音楽に託された思いを感じとる。
3 本時の目標
教科のねらい
新学習 指導 要領 との 関連 中 学校 音楽科 第1 学年 B 鑑賞 (1 )エ
・さまざまな地域で祭りの音楽が生まれ,文化や歴史などと関わりをもっていることを
理解することができる。
・祭りの音楽には,人々の様々な祈りや願いが込められていることを感じ取ることがで
きる。
情報教育の目標
・課題に必要な情報を情報手段を活用して収集する。 【d3-010,020,030】
・自ら課題を選び計画を立てることができる。 【c2-010,030】
・さまざまな情報手段を活用して効果的に表現する。 【a3-010】
・情報の大切さを意識する。 【m2-030】
4 活用コンテンツ
・動画コンテンツを活用(一つ約十数秒)
・CEC,IPA「教育用画像素材集サイト」 http://www2.edu.ipa.go.jp/gz/
・音楽ソフト
【 予想 される コン テン ツ 例】
30
ディジ タル コン テン ツ活 用レ シピ 実践 者: 岡山 市立 石井 中学校 難 波彰 子教 諭 5 本時の流れ
・ディ ジタ ルコ ンテ ンツ
(身 近な 祭り の音 の
付 いた 動画 )
○ディ ジタ ルコ ンテ ンツ (動 画) を見せ るこ と により 「祭 り」 の様 子を 想起 しや すくす る。
(祭 りの シン ボル の
静 止画 )
(祭 りに 使用 され る
笛 や太 鼓の 静止 画)
【c2-010,030】
祭りの 音楽 を鑑 賞し ,込 めら れた 人々の 祈り や
願いを 感じ 取ろ う。
○「祭 り」 に用 いら れて いる 楽器 を見せ るこ と
によ り祭 りに は欠 かせ ない もの である こと を
気付 かせ る。
・ディ ジタ ルコ ンテ ンツ
(各 地の 祭り の場 面
の 動画 ・静 止画 )
○祭り でど のよ うな 音楽 が用 いら れてい るの か
多く のデ ィジ タル コン テン ツ( 動画) を手 掛
かり に調 べる よう にす る。
○他の 資料 を活 用し て祭 りの 音楽 が発生 した 状
況を 文化 や歴 史等 の視 点か ら調 べるよ うに す
る 。 【d3-010,020,030】
・音楽 ソフ ト
・文化 や歴 史資 料
・楽譜 や楽 器の 図鑑
・観賞 用オ ーデ ィオ
○音楽 に託 され た人 々の 祈り や願 いを感 じた り,
想像 した りす るた めに 音楽 をじ っくり 聴く よう
に助 言す る。 ○調べ たこ とや 感じ たこ とを 発表 するこ とを 通し
て祭 りの 音楽 には ,各 地の 人々 の祈り や願 いが
込め られ てい るこ とを 確認 する 。
【a3-010,m2-030】
・ディ ジタ ルコ ンテ ンツ
(各 地の 祭り の場 面
の 動画 ・静 止画 )
6 実践のポイント
○祭り と音 楽と の関 係を いろ いろ な視点 から 調べ たり ,い ろい ろな メデ ィア から情 報を 収集 した りし て互 いに
発表 する こと によ り, いろ いろ な意見 や考 え方 があ るこ とを 知る こと がで きるで しょ う。
31
Web版レシピ(試作)の構成
クリック!
児童・生徒の作品
ディジタルコンテンツ
(動画)
本時の流れへ
ワークシート
(赤刷り・白刷り)
ディジタルコンテンツ
(静止画)
単元名
授業概要
教科のねらい
情報教育の目標
活用コンテンツ
支援
準備物
実践のポイント
32
ディジタルコンテンツ
活用場面(動画)
平 成 1 4年 2 月 発 行
編集・発行
岡山県情報教育センター
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