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説明会要旨 - ノエビアホールディングス
http://www.noevirholdings.co.jp 4928 ノエビアホールディングス 大倉 俊 (オオクラ タカシ) 株式会社ノエビアホールディングス代表取締役社長 カウンセリングが堅調に推移、徹底したコスト削減により 増益を達成 ◆会社概要 当社は、2011 年 3 月 22 日にノエビアグループの持株会社として新たに設立された。前身は 1964 年創業の(株) ノエビアである。事業領域は主に化粧品であるが、9 年前に買収した常盤薬品工業(株)の行っている医薬・食品 事業、また創業時より航空機関連の事業を行っている関係で、その他の事業に航空関連事業が含まれている。連 結子会社は国内 6 社、海外 8 社の 14 社で、東証二部に上場している。従業員数は持株会社移行後で 147 名、連 結では 2,097 名、株主数は 9 月 30 日現在 2 万 2,627 名である。11 月 14 日現在、時価総額は約 356 億円となって いる。 2011 年 9 月期連結決算は 3 月 22 日から 9 月 30 日までの 6 ケ月 9 日間を対象とする変則決算となる。 したがって、決算短信には前期比較および前年増減率は記載していないが、ここでは参考情報として、(株)ノエビ アの 2010 年 9 月期下半期連結決算を前年同時期として比較することとする。また、2012 年 9 月 30 日には、(株) ノエビアや常盤薬品工業(株)などのグループ各社の決算日が統一される。 ◆2011 年 9 月期の業績ハイライト 売上高は前年同時期に比べ若干減少したが、カウンセリング化粧品の中高価格帯の売上低下に底打ちの兆し がみえ、グループ全体でコスト削減を徹底した結果、増益を達成した。また当期純利益についても、前年同時期に 比べ大幅に改善している。 当期の売上高は 245 億 81 百万円、営業利益は 15 億 76 百万円、経常利益は 16 億 52 百万円、当期純利益は 6 億 14 百万円となった。 震災影響を考慮した 7 月 8 日の業績予想に対しては、売上高は 4.6%増、営業利益は 125.2%増、経常利益は 106.6%増、当期純利益は 53.7%増となった。前年同時期に比べると売上高は 4.8%減であるが、営業利益は 143.2%増、経常利益は 105.0%増、最終利益は 38.6%増といずれも大幅に上回った。 昨年 10 月から今年の 3 月までの(株)ノエビア(連結)の上半期と当期を加えた 1 年間で見ると、売上高は 491 億円、営業利益は 29 億円、経常利益は 31 億円、当期最終利益は 11 億 50 百万円となった。これを 2010 年 9 月 期の数字と比較すると、売上高は 6.7%減であるが、営業利益は 3.3%増、経常利益は 0.1%増、当期は税金が多 かったため最終利益は 26.7%減となった。利益としては前年とほぼ同じ水準を保つことができた。 売上高については、カウンセリング化粧品のノエビアブランドが予想値を上回ったことや震災の影響が予想より 軽微であったため、予想値対比約 10 億円のプラスとなった。 売上原価率は 38.1%で前年同時期に比べ 0.7 ポイント減少した。この改善はプロダクトミックスの変化によるも ので、中高価格帯の販売が予想以上に伸びた結果である。 販売管理費は 136 億 27 百万円で、予想値を 3 億 73 百万円下回り、前年同時期に比べ約 15 億円の削減がで きた。主要ブランドに限定して効率的に行ったため広告宣伝費、販促費が減少したことと、人員数の減少により人 本著作物の著作権は、公益社団法人 日本証券アナリスト協会®に属します。 件費が削減できた結果である。 セグメント別に見ると、まず化粧品事業の売上高は 161 億円、構成比率は 65.8%であった。前年同時期に比べ 5 億円減となったが、前年は美容機器の売上が特殊要因としてあったためで、実質的な化粧品の売上としては、ほ ぼ変わっていない。カウンセリング化粧品が堅調であったこと、またセルフ化粧品が前年同時期並みの売上を確 保できたことに加え、コスト削減により利益は 22 億円となった。新美容液「バイオサイン」シリーズが好評で売上に 貢献した。またセルフ化粧品の「なめらか本舗」は 2 月にリニューアルを実施した。「ノブ」、「エクセル」なども売上 が伸長した。中国市場ではセルフ化粧品の取扱店舗が順調に増加し、現在 230 店舗となっている。OEM 事業は前 年同時期を若干下回るものの、新規取引先は順調に増加している 医薬・食品事業については、事業再編、コスト削減を行った結果、売上高は 68 億 21 百万円、利益は 94 百万円 となり、前年同時期より 4 億 44 百万円改善し、黒字転換ができた。「南天のど飴」のリニューアルおよび店頭販促 強化により、売上は前年同時期に比べ伸長した。また滋養強壮ドリンクも堅調に推移し、医薬品の売上は微増と なった。「眠眠打破」シリーズはリニューアルを控えて若干前年を下回った。ノエビアブランドの美容ドリンクも新製 品効果が一巡したこともあり、栄養補助食品および機能性ドリンクは前年実績を若干下回った。しかし、コスト削減 により、収益改善と黒字化が果たせた。 その他の事業については、売上高は 15 億 92 百万円、利益は 75 百万円で、前年同時期に比べ大幅に改善し た。世界的特需のあった前年と比較すると多少減っているものの、航空関連事業は安定した需要がある。アパレ ル・ボディファッションは秋冬物が不調だったため売上は減ったが、コスト削減によりセグメントとしては黒字を確保 している。 貸借対照表の状況について、流動資産の部では、現預金残高は 386 億円、2010 年 9 月末に比べ約 13 億円増 えている。(株)ノエビアの販売代理店からの預かり保証金が 184 億 46 百万円あり、これを差し引いた約 202 億円 が当社のネットキャッシュである。たな卸資産は 5 億 16 百万円減少している。固定資産は、建物と構築物で 5 億 63 百万円、土地で 4 億 48 百万円と、一部の土地や建物を売却することで減少している。自己資本比率は 59%で、 まずまずの数字であると考えている。総じて言えることは、1.潤沢な流動性預金があること、2.資産のスリム化が順 調に進んでいること、3.長短期借入金もゼロになって久しく、今後当分資金調達の予定はないという以上 3 点であ る。 ◆中期経営計画 2012 年 9 月期より 2014 年 9 月期までの 3 カ年の中期経営計画を策定した。テーマは、「日本も含めたアジア市 場で際立つ企業」になることである。3 年後の 2014 年 9 月期の目標を、売上高は 525 億円、営業利益率は 10%以 上としている。また、海外売上比率を約 10%に上げていく。この 2 年間で 15%円高に振れていることになるが、為 替の影響を除いた現地通貨ベースでは、海外売上は順調に伸びている。 この計画を実現するためには、化粧品事業では、アジア市場での展開を加速させなければならない。地域や販 路をいかに拡大していくかが喫緊の課題であり、現在海外要員の投入を急いで行っている。また、日本市場でヒッ ト商品を出し、持続的利益創出をしていくことが重要である。 医薬・食品事業では、当社の生産部門にこだわらないファブレス化も現在進めており、事業再編を加速させるこ とが要と考えている。 ローコストオペレーションは当然であり、販管費の削減というよりは適正化を引き続き推進し、人材・組織のグロ ーバル化を急ぐ。また、(株)ノエビアにおけるレッスン型サロン「ノエビア ビューティスタジオ」の出店は、今期末に 1,000 店を達成する見込みである。 本著作物の著作権は、公益社団法人 日本証券アナリスト協会®に属します。 ◆2012 年 9 月期の取り組み 今期の売上目標は 495 億円としている。セグメント別内訳は、化粧品事業は 326 億円、医薬・食品事業は 143 億円、その他事業は 26 億円である。 化粧品事業の取り組みでは、まずカウンセリング化粧品については、ノエビアブランドは底を打ち、販売代理店 のレッスン型サロンは非常に好評である。出店計画を上回る実績となっており、今期末までに 1,000 店の出店を見 込んでいたが、11 月 30 日時点で既に 700 店舗になる見通しで、この目標は若干上回るかもしれない。この展開を 加速させることが顧客満足度を上げ、高付加価値商品の販売を増やす方法であると考えている。 セルフ化粧品については、主要ブランドのリニューアルによりブランド強化に取り組む。来年の年明けに新商品 を投入することで顧客満足度を上げながら、売上、利益の拡大を目指す。 海外については、アジア市場への展開を加速し、セルフ化粧品の取扱店を拡大する。OEM 事業は営業体制の 強化により、さらなる新規取引先開拓に取り組むこととする。 医薬・食品事業では、「南天のど飴」が引き続き好調で、需要シーズンに向け売上拡大、コスト削減を行っていく。 配置薬事業においては顧客数は安定的であり、引き続き新商品の投入と営業支援の強化を図っていく。 その他の事業については、世界景気の動向を見極めながら引き続き慎重に対応していく。 (平成 23 年 11 月 15 日・東京) 本著作物の著作権は、公益社団法人 日本証券アナリスト協会®に属します。