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高圧ガス事故対策に関するマニュアルの作り方
高圧ガス事故対策に関するマニュアルの作り方 1 まず、指針を読んでみましょう 全97ページでボリュームがあるように見えますが、<第1章 基本方針>から<第 5章 再発防止対策>までは28ページです。5 章までひととおり読んでみましょう。 32ページ以降のデーター編は、マニュアルを作成するに当たって活用して下さい。 各章の構成は次のとおりです。 <第 1 章 基本方針> 指針の位置付けや対象となる事故・災害を定義しています。 この指針では、高圧ガスによる火災・爆発・毒性ガスの漏えいや、地震・風水 害等の自然災害を対象としています。 <第2章 予防対策> 防災組織の編成、資機材の確保による防災体制の確立や、保安教育・訓練を通 じた事故防止対策について記載しています。 事前に予防対策を講じることにより、事故の未然防止や事故による多大な損失 を軽減することができます。予防対策がいかに重要かをこの章で理解しましょう。 <第3章 事故発生時の応急対策> 事故発生時、地震などの自然災害発生時、夜間・休日時の対応の他、負傷者が 発生した場合の救助活動、周辺地域に被害拡大のおそれがある場合の広報活動等 について具体的に例示しています。 万一事故が発生した場合、迅速かつ適切な対応が被害の軽減や二次災害の防止 に大きな役割を果たすことを理解しましょう。 <第4章 地域住民や報道機関への対応> 事故が発生した際の地域住民や報道機関への対応について、留意点などを記載 しています。 事故後の対応を誤ると、企業イメージの悪化のみならず、事業の存続に大きな 影響を及ぼすおそれがあります。この章は事故後の対応としてだけでなく、様々 なトラブルの対応策として危機管理の一環に活用して下さい。 <第5章 再発防止対策> 事故原因の究明や関係機関への調査報告のほか、事故の再発防止対策としてハ ード・ソフト両面での対策について記載しています。 事業の再開に当たっては、事故の原因を速やかに究明し、万全の再発防止対策 や心構えを持っておかなければならないことを理解しましょう。 1 2 マニュアルを作成するにあたって、内容を考えましょう 高圧ガスの種類や事業所の規模などによって、マニュアルの内容は異なると思います。 下記の項目について考えてみましょう。 ① 取り扱う高圧ガスの種類は何か? ○ 可燃性ガス ○ 毒性ガス ○ 支燃性ガス(酸素) ○ 不活性ガス ○ 特殊高圧ガス ② ガスの性質により、どのような防災資機材が必要か? ○ 可燃性ガスの場合:散水装置、消火器、空気呼吸器、乾燥砂 等 ○ 毒性ガスの場合:除害設備、ガスの種類に応じた除害剤、空気呼吸器、保護具 ○ その他防災資機材:救助・救護用資機材、ガス検知器、工具類 等 (指針の 10∼11 ページ、82∼83 ページを参照して下さい) ③ 防災組織を編成するにあたって、どの程度の組織にする必要があるか? (指針の9ページ・81 ページを参考の上、事業所の規模・実情に応じて編成を 考えて下さい) ④ 社内緊急連絡網はあるか? 速やかに連絡が行き渡るようになっているか? 夜間・休日時はどうするか? ⑤ 関係機関への連絡はどこにする必要があるか? 誰がどのように連絡するのが望 ましいか? ⑥ 事故発生時の応急処置方法は定めているか? (設備の緊急停止作業や応急処置活動は指針の4∼18 ページを参照して下さい) ⑦ 防災規程はどのような内容にする必要があるか? (高圧ガスの種類、設備の規模、事業所の組織や規模、事業所の周辺の状況など を踏まえ、<参考資料2>を活用して作成して下さい) 2 3 マニュアルを実際に作ってみましょう 指針の 65 ページに示す「マニュアルの作成フロー」に従って、次に示す参考資料・ 様式を利用して実際にマニュアルを作成・改訂しましょう。 なお、2のとおり取り扱う高圧ガスの種類によって内容が異なると思われるので、次 の表に従って必要な項目をピックアップして下さい。 不活性ガスの CE、フロン冷凍 設備など 項 目 取り扱う高圧ガス 参考資料 酸素・ 特殊高圧 ・様式 可燃性ガス 毒性ガス 防災組織 様式1 ○ ○ ○ ○ ○ 緊急連絡先一覧表 様式 11 ○ ○ ○ ○ ○ 緊急対応カード 様式 10 ○ ○ ○ 連絡通報様式 様式 7 ○ ○ 防災資機材一覧 様式 2・3 ○ ○ ○ 防災資機材配置図 参考 4 ○ ○ ○ 防災資機材点検表 様式 4 ○ ○ ○ ガスの性質と措置 P33∼63 ○ ○ ○ ○ ○ 参考 ○ ○ ○ ○ ○ 現場対応 支燃性ガス 不活性ガス ガス ○ (事業所の操業形態に応じて) 8∼10 ○ ○ ○ (ガスの種類に応じて参考資料 8∼10 を活用) ○ ○ ○ 広報(アナウンス)内容 参考 12 自然災害情報 様式 8 ○ ○ ○ ○ ○ 伝達メモ様式 様式 12 ○ ○ ○ ○ ○ 設備の点検項目 様式 9 ○ ○ ○ ○ ○ 保安教育年間計画表 様式 5 ○ ○ ○ ○ ○ 教育訓練実施記録簿 様式 6 ○ ○ ○ ○ ○ 防災規程 参考 2 ○ ○ ○ ○ ○ (周囲への影響の有無を勘案して) 4 チェックリストによる確認 指針の 66 ページのチェックリストで、必要と考えられる内容について抜けがないか 確認しましょう。 5 マニュアルの完成 チェックリストで確認が完了すれば完成です。 PDCA サ イ ク ル ( 計 画 : Plan 、 実 行 : Do、評価:Check、改善:Action) に従い、保安レベルの継続的な発展 向上に努めましょう 6 マニュアルの完成後は 完成後は、従業員に対して周知を図るとともに、実際の運用においてマニュアルの内 容が適切であるかを定期的に確認し、必要に応じて見直してください。 3