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平成24年度化学物質安全確保・国際規制対策推進等

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平成24年度化学物質安全確保・国際規制対策推進等
平成24年度化学物質安全確保・
国際規制対策推進等
(欧米等におけるフロン類規制及び関連技術・
市場の動向等に関する調査)
報告書
平成 25 年 3 月
株式会社野村総合研究所
目 次
調査の目的 ..................................................................................................................................1
調査の内容と実施方法...................................................................................................................1
調査の実施期間 ...........................................................................................................................1
我が国におけるフロン類等対策の状況..............................................................................................2
E U における新しい F ガス規制をはじめとする諸外国の取り組み ...........................................................3
1. フロン類使用製品のノンフロン・
低GWP化促進(
機器・製品メーカーによる転換).............................11
1.1 代替品への転換を促していくような対策 ............................................................................12
1.2 (
ノンフロン・低 G W P 化を促すための)基準値 ...................................................................13
1.3 表示の充実 ................................................................................................................14
1.4 冷媒転換 ...................................................................................................................14
1.5 H F O -1234yf................................................................................................................18
1.6 安全性確保 ................................................................................................................19
2. フロン類の実質的フェーズダウン(ガスメーカーによる取組).........................................................24
2.1 計画的な低減 .............................................................................................................25
2.2 フロン類が充填されて輸入される製品・機器との公平性.......................................................28
2.3 再生 ..........................................................................................................................29
3. 業務用冷凍空調機器の使用時におけるフロン類の漏えい防止(使用者による冷媒管理)..................35
3.1 漏洩防止 ...................................................................................................................36
3.2 冷凍空調機器の管理の実務を担う知見を有する者の確保、養成等........................................36
3.3 機器管理水準 .............................................................................................................40
3.4 記録 ..........................................................................................................................41
3.5 異常を検知.................................................................................................................42
3.6 国への報告、公表........................................................................................................42
3.7 冷媒を繰り返し充填......................................................................................................43
4. その他 ...............................................................................................................................44
4.1 経済的手法 ................................................................................................................45
参考資料................................................................................................................................55
調査の目的
我が国では、フロン類については、フロン回収破壊法や各種支援策等を通じて排出抑制のための取り組みが
進められてきたところ。しかしながら、オゾン層破壊物質であるC FC (
クロロフルオロカーボン)、H C FC (
ハイドロク
ロロフルオロカーボン)
から代替フロンである H FC (
ハイドロフルオロカーボン)
への転換が進行しており、今後民
生部門を中心に H FC の排出が大幅に増加すると見込まれている。
一旦市中に出された機器・
冷媒が、使用時・
廃棄時を通じ長期間にわたり今後の主要な排出源となる見込み。
我が国では、法改正による抜本的対策が検討されているところ、欧州や米国等においても、すでに積極的な取
り組みが実施あるいは検討されており、特に欧州では先般新たな規制案が公表されたことから、その実態につ
いて調査を行い、最新の状況を明らかにする。
調査の内容と実施方法
1. E U における新しい F ガス規制
新しい E U の F ガス規制では、2008~2011 年の H FC の市場への投入量をベースラインとして、2015 年に
キャップを凍結、その後段階的にキャップを削減し、2030 年にはベースライン比で 21%の水準まで市場に投入
される H FC を削減することを目標としている。市場に投入される総量を削減するために、各企業に対して過去
の実績に基づくクォータが割り当てられると公表されているところ、H F C を使用する機器を扱う企業のビジネス
に与える影響(日本企業への影響を含む。)を、ステークホルダー(規制当局、企業、業界団体等)へのヒアリン
グ等を通じて具体的に明らかにする。また、規制導入に伴う各国独自の対応についても調査を行う。
また、新たに H FC を使用する機器の市場投入が段階的に禁止されることが公表されているところ、企業の代
替製品投入の実現可能性、各国規制当局の対応等についても具体的に明らかにする。また、漏洩防止のため
にラベリング、認定制度の導入等が公表されているが、これへの対応についても調査を行う。
2. その他
我が国における法改正に当たって、その他必要な調査(E U 以外の諸外国における各種規制、我が国におけ
る動向等)を行う。特に H FC 規制において、E U の F ガス規制と並んで先進的な取り組みであるオーストラリア
の炭素税について、規制内容、体制、実施状況、業界・市場に対する影響、今後の予定等に関する必要な調
査を行う。
3. 報告書の作成
上記の内容を踏まえ、オゾン層保護等推進室の指示に従い報告書を作成する。
調査の実施期間
平成 24 年 11 月 27 日から、平成 25 年 3 月 29 日まで。
1
我が国におけるフロン類等対策の状況
日本では、ウィーン条約とモントリオール議定書の採択にあわせて、1988 年に「オゾン層保護法(特定物質の
規制等によるオゾン層の保護に関する法律)」を制定し、オゾン層破壊物質の生産や輸出入の規制、排出抑制
の努力義務などを規定した。
さらに、「フロン回収・破壊法(特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律)」「家電
リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)」「自動車リサイクル法(使用済自動車の再資源化等に関する法律)」
によって、家庭や業務用の冷凍・冷蔵庫、エアコン、カーエアコンなどに入っているフロン類の適正な回収・破壊
を進めている。
オゾン層は破壊しないものの、高い温室効果を持つことから、京都議定書に基づき排出の削減が求められて
いるH FC を始めとする代替フロン等 3 ガスについては、産業界の自主行動計画に基づく自主的な取組等の進
展により、 産業部門を中心に、 排出量が大幅に削減された結果、 2009 年までは、京都議定書目標達成計
画(平成 20 年 3 月閣議決定)
における削減目標を大きく超過して排出削減が進んできた。
その中にあって、冷媒分野については、C FC や H C FC からH FC への転換が進行、排出量が増加傾向にあり、
冷凍空調機器の使用中における経年劣化等による冷媒の機器からの漏えいは機器の廃棄時について、フロン
回収・破壊法において、行程管理制度の導入等により対策が進められているにもかかわらず、廃棄時冷媒回収
率は依然として 3 割程度で推移、京都議定書目標達成計画で掲げた目標回収率 6 割(平成 24 年度が目標期
限)は達成できていない。
折しも、平成 24 年 9 月には、「革新的エネルギー・環境戦略」(平成 24 年 9 月 14 日エネルギー・環境会議
決定)において、 代替フロン等を始めとするエネルギー起源 C O 2 以外の温室効果ガスについて抜本的な対策
を実行することが決定され、また、フロン回収・破壊法は、同年 10 月に前回改正(平成 19 年施行)で定められた
見直し検討時期を迎えた。
これらを踏まえ、中央環境審議会地球環境部会フロン類等対策小委員会と産業構造審議会化学・バイオ部
会地球温暖化防止対策小委員会は、平成 24 年 12 月、「今後のフロン類等対策の方向性について(案)」を公表、
機器使用時に冷媒フロン類の漏えいや廃棄時の回収率向上のみによるフロン類の排出抑制だけでは対策が十
分ではなく、これまでの対策を超えて、フロン類の製造、製品への使用、回収、再生・破壊といったフロン類のラ
イフサイクル全体にわたって排出抑制に向けた取組を進めることを検討する必要がある点を指摘した。
なお、本報告書は、「今後のフロン類等対策の方向性について(案)」を踏まえ、「1. フロン類使用製品のノン
フロン・低GWP化促進(機器・製品メーカーによる転換)」、「2. フロン類の実質的フェーズダウン(ガスメーカー
による取組)」、「3. 業務用冷凍空調機器の使用時におけるフロン類の漏えい防止(使用者による冷媒管理)」、
「4. その他」
に沿って、EU における新しい F ガス規制をはじめとする諸外国の取り組みをまとめた。
2
E U における新しい F ガス規制をはじめとする諸外国の取り組み
まず、R egulation ofthe E uropean Parliam ent and ofthe C ouncilon fluorinated greenhouse gases(以下、欧州 F
ガス規制)
をはじめとする、欧州におけるF ガスに対する法的措置を以下の通り、整理する。
図表 1 欧州におけるF ガスに対する法的措置
欧州におけるF ガスに対する法的措置
欧州 F ガス規則(the F -G as R egulation)
R egulation(E C )N o42/2006
Regulation は、欧州連合の加盟国の法令を統一するために制定され、加盟国に
直接の効力を持ち、個々の国に効力をもたらすための国内法を必要としない。ま
た、すべての国内法に優先する。
F ガス規則は、定置型冷凍冷蔵・空調機器の(stationary equipm ent)
の稼働時及び使用済み時の冷媒の排出防止と、限られた、定義され
た F ガス使用機器の禁止を定めている
改正提案は、F ガスのフェーズアウトと
F ガス使用機器の禁止範囲の拡大とな
っている。
規則を補完する10 の委員会規則
報告のフォーマットに関するC om m ission Regulation (EC )N o 1493/2007
ラベルの形式と追加的なラベルの必要条件に関するC om m ission Regulation (EC ) N o 1494/2007
漏洩確認のための標準規定に関するC om m ission Regulation (EC ) N o 1516/2007 及び C om m ission
R egulation (E C ) N o 1497/2007
トレーニングと認定プログラムに関する C om m ission Regulation (EC ) N o 303/2008、C om m ission
R egulation (E C ) N o 304/2008、C om m ission Regulation (EC ) N o 305/2008、C om m ission Regulation
(E C ) N o 306/2008、C om m ission Regulation (EC ) N o 307/2008
トレーニングと認定プログラムの通知フォーマットに関するC om m ission Regulation (EC )N o 308/2008
カーエアコン指令(the M A C D irective)
D irective 2006/40/E C
D irective は、含まれている目的が国内法に置き換えられたときにのみ各国に効力を持つ。E U 加盟国によ
って作成された(相互に束縛される)集団的決定であり、欧州閣僚理事会と欧州議会においてその国の閣
僚により可決する。国内法の置き換えに際して、加盟国にある一定の裁量権が認められている。また、定め
られた期間内に置き換えられなければならない。
出典 欧州委員会 2012/0305(C O D )からN R I作成
す わなち、欧 州 にお ける F ガスに対 す る法 的 措 置 は 、欧 州 F ガス規 則 (the F -G as Regulation )
R egulation(E C )N o42/2006 と、カーエアコン指令(the M A C D irective)
D irective 2006/40/EC とに大きく分けるこ
とができ、F ガス規則(the F-G as R egulation)Regulation(EC )N o42/2006 については、規則を補完する10 の委員
会規則として、告のフォーマットに関するC om m ission Regulation (EC ) N o 1493/2007、ラベルの形式と追加的な
ラベルの必要条件に関するC om m ission Regulation (EC ) N o 1494/2007、漏洩確認のための標準規定に関する
C om m ission R egulation (EC ) N o 1516/2007 及び C om m ission R egulation (EC )N o 1497/2007、トレーニングと認
定プログラムに関するC om m ission Regulation (EC ) N o 303/2008、C om m ission Regulation (EC ) N o 304/2008、
C om m ission Regulation (EC ) N o 305/2008、C om m ission R egulation (EC ) N o 306/2008、C om m ission Regulation
(EC ) N o 307/2008、トレーニングと認定プログラムの通知フォーマットに関するC om m ission R egulation (EC ) N o
308/2008 がある。
なお、規則(R egulation)は、欧州連合の加盟国の法令を統一するために制定され、加盟国に直接の効力を持
ち、個々の国に効力をもたらすための国内法を必要としない。また、すべての国内法に優先するものであり、指
令(D irective)は、含まれている目的が国内法に置き換えられたときにのみ各国に効力を持つ。EU 加盟国によ
3
って作成された(相互に束縛される)集団的決定であり、欧州閣僚理事会と欧州議会においてその国の閣僚に
より可決する。国内法の置き換えに際して、加盟国にある一定の裁量権が認められている。また、定められた期
間内に置き換えられなければならない。
改正案の目次と既存法の目次の対比は次の通り。
図表 2 欧州 F ガス規制の全体像(N R Iによる仮訳)
改正案(2012 年)
既存規制(
2006 年)
第1章 総 則
第1条
定 義
第2条
定 義
第3条
封じ込め
第 2 章 封じ込め
第2条
排出防止
第3条
漏洩点検
第4条
漏洩検知システム
第5条
記録管理
第6条
製造時排出
第7条
回 収
第4条
回 収
第8条
訓練と認定
第5条
訓練と認定
第 3 章 上市と使用規制
第9条
上市に係る規制
第9条
上 市
第 10 条
ラベル表示と製品情報
第7条
ラベル表示
第 11 条
使用規制
第8条
使用規制
第 12 条
機器の事前充填
第6条
報 告
第 10 条
見直し
第 4 章 ハイドロフルオロカーボンの上市抑制
第 13 条
ハイドロフルオロカーボンの上市抑制
第 14 条
ハイドロフルオロカーボンの上市量の割当
第 15 条
割当量の登録
第 16 条
割当量の移転
第5章 報 告
第 17 条
生産、輸入、輸出及び破壊の報告
第 18 条
排出量データの収集
第 6 章 最終規定
第 19 条
見直し
第 20 条
委 任
第 21 条
委員会手続き
第 12 条
委員会
第 22 条
罰 則
第 13 条
罰 則
第 23 条
廃 止
第 24 条
発 効
第 15 条
発 効
第1条
削除
第 11 条
削除
第 14 条
削除
4
欧州 F ガス規制は、2012 年 11 月 7 日付けで Proposal for a REG U LA T IO N O F T H E EU R O PE A N
PA RLIA M E N T A N D O F T H E C O U N C IL on fluorinated greenhouse gases が公表され、2012 年 11 月 19 日、委
員会は、欧州議会に対して、第一読会の開催を要請。欧州議会による第一読会は、2013 年 10 月 8 日に予定さ
れている。
欧州議会の手続きは、まず、委員会(C om m ission)が議会(Parliam ent)と理事会(C ouncil)に対して立法提案
(legislative proposal)を実施、議会が第 1 読会を開催、提案を承諾した場合、その見解を理事会に提出、議会
の第 1 読会の結果に理事会が同意した場合、立法提案は、承諾される。第 1 読会の結果に同意できない場合、
最大第 3 読会まで手続きが進む。具体的な内容は、次の図の通り。
5
図表 3 欧州議会の手続き
第 1 読会
(1)委員会は法案を(2)議会と(3)理事会
に対し、同時に提出する。
(4)議会は、その立場を示し、理事会に提
示する。
(5)理事会が議会の第 1 読会の結果に同
意した場合、法案は採択される。
第 2 読会
(1)理事会は議会による第 1 読会の立場
を承認しない場合、(2)自らの立場をまと
める。
(3)議会の対応期間は 3 カ月(4 か月への
延長要請が可能)である。議会は、理事会
の立場を承認する、もしくは決定を下さな
くてもよい。そして、(4)法案は理事会の立
場として採択される。もしくは、議会は理事
会の立場に対する修正案を提出できる
(特定の規制に従って)。この場合、
(5)理事会が 3 カ月以内(
4 か月への延長
要請が可能)に、議会の修正案を承認し、
(6)法案が採択される。
もしくは、理事会は、修正案を拒否し、調停委員会(議会構成員 27 名と理事会構成員 27 名)が招集され、立場の調停に努める。
あるいは、議会は理事会の立場を議会構成員の絶対多数で拒絶できる。この場合、法案は棄却される。
調停委員会、第 3 読会
合意に至った後、(1)調停委員会は、(2)
理事会の立場と議会による第 2 読会の修
正案に基づく‘joint text(共同]法案)’を
採択する。
理事会と(3)議会が‘joint text’の全体を
承認した場合、法案は採択される。
調停委員会が‘joint text’に同意しない、
もしくは、議会または理事会がそれを承認
しない場合、(5)法案は採択されなかった
とみなされる。
出典 欧州委員会ホームページ
改正提案では、2014 年 1 月 1 日の施行が記述されているが、第 1 読会の期限は無期限であることから、現状
では、施行に係るスケジュールは不確定である。
6
改正案の作成は、大きく、以下の 3 つの観点から進められた。
・E U が、1990 年水準に対し2050 年までに 80~95%の温室効果ガス排出量を削減する目標を達成するために
は、フッ素化温室効果ガスを 1990 年水準と比較し、2050 年までに 70~78%削減する必要がある。
・F ガスは、2005 年に 90M t-C O 2 の排出があると見積もられ、2030 年の時点で 35M t-C O 2 にまで削減を進める
必要がある。一方で、現行 F ガス規制が最大限効果を発揮したとしても、104M t-C O 2 となり、さらに
70M t-C O 2 の削減が必要とされている。
・F ガスを使用しているほぼ全ての用途で F ガスの代替物質が使用されることが可能である。
基本的に欧州 F ガス規則は、F ガスのみの大気中への放出抑制のみを対象とした規則であり、推奨される代
替物質や技術には言及していない。例えばユーザーが、H FC の使用を継続するのであれば、欧州 F ガス規則
及び委員会規則に基づく、機器の管理等を実施する必要があり、一方で、炭化水素系冷媒への転換を進める
場合には、欧州 F ガス規則の対象を外れ、冷媒については、D irective 97/23/E C Pressure E quipm entの適用を
受けることとなり、設置場所が、ビル等の場合は、省エネの観点から、D irective 2010/31/EU E nergy
Perform ance ofB uildings などの適用を受けることとなる。
欧州 F ガス規則は、オゾン層破壊物質との関係では、O D S Regulation (EC ) N o1005/2006 に関係する。O D S
R egulation (EC ) N o1005/2006 は、モントリオール議定書の実施に関して制定された規則であり、オゾン層破壊
物質に関する漏洩管理や回収 H C FC の使用禁止などが規定されている。
回収された F ガスとの関係では、廃棄物に関わるD irective 2008/98/EC on w aste や、廃棄物の輸送に関わる
R egulation (EC ) N o1013/2006 on shipm ent ofwaste、欧州内で流通する、廃棄物を含めた分類やラベリング等
に関わるRegulation (EC ) N o1272/2008 on classification, labeling and package ofsubstances and m ixtures、電
気・電子機器の廃棄物に関わるD irective 2002/96/EC on w aste electricaland electronic equipm ent、使用済み
車両に変わるD irective 2000/53/EC on end-oflife vehicles がある。
モニタリングや報告との関係では、京都議定書で対象となっている温室効果ガスのモニタリングに関する
D ecision 280/2004/E C concerning a m echanism for m onitoring C om m unity greenhouse gas em issions and for
im plem enting the K yoto Protocol、汚染物質の排出の防止と管理に関するD irective 2008/1/EC concerning
integrated pollution prevention and control、PR T R に関するR egulation (EC )N o 166/2006 on the establishm ent
ofa E uropean Pollutant R elease and T ransfer Register (PR T R )がある。
京都メカニズムとの関係では、E U の温室効果ガス取引システムに関するD irective 2009/29/EC EU -E T S があ
る。
再生可能エネルギーに関わるD irective 2009/29/EC Renew able E nergy、製品のエネルギー消費と使用のエ
コデザインに関するD irective 2009/125/EC E codesign ofE nergy using Products、ビルのエネルギー効率に関
するD irective 2010/31/EU E nergy Perform ance ofB uildings がある。
代替物質との関係では、、RE A C H に関するRegulation (EC ) N o 1907/2006 concerning the registration,
evaluation, authorization and restriction ofchem icals (RE A C H )、精油所の中に設置される可燃性ガスを含む冷
凍施設に関するD irective 94/9/EC on the approxim ation ofthe law s ofthe M em ber States concerning
equipm ent and protective system intended for use in potentially E xplosive A tom ospheres、高圧機器に関する
D irective 97/23/E C Pressure E quipm ent がある。
7
図表 4 F ガス規則と他規則等と関連
F-gas Regulation (EC )N o842/2006
回収 F-gas との関係
O D S との関係
O D S Regulation (EC )N o1005/2006
モントリオール議定書の実施
A rticle 23 O D S の漏洩管理(漏洩防止機器は非義務化)
漏洩発見後、14 日以内に修理
2015.1.1 から回収 H C FC の使用を禁止
A rticle22 O D S 回収と破壊技術を定義、
再生、破壊実績報告は、F-gas Regulation で継続
A rticle23(2)O D S の履歴(機器への充填量と種類は含まない)
A rticle11(6)ラベリング(
機器情報を含む)
D irective 2008/98/EC on waste
廃棄物サイクルと廃棄物の回収、リサイクルを強調
2020 年 までに建設 廃棄物の 70%(重量)を回収 、断熱材 は
discernable
A rticle10 技術的、経済的に可能な範囲で分別回収を要請
A rticle11 品質規定に合った技術
A rticle3(1)定義上、再利用、再生利用しない F-gas は廃棄物扱
いで、再利用、再生利用するものはこの限りではないが、T he
W aste List D ecision 2000/532/EC では、使用された大量の
H FC s(bulk H FC S)は、有害廃棄物に指定
A rticle17 有害廃棄物は、最終目的地までトレース義務
A tricle18 他の廃棄物との混合を禁止
A rticle19 特別なラベルを添付
A rticle35 一定期間の記録を保管
再生のために回収した F-gas は、有害廃棄物として申告が必要
輸 送 す る 場 合 に は 、 有 害 廃 棄 物 と し て
Regulation(EC )N o1013/2006 の適用を受ける
Regulation (EC )N o1013/2006 on shipm ent ofwaste
廃棄物輸送の全般を規定
バーゼル条約運用の手法や管理体制を規定
回収した F-gas(それを含む機器を含む)を輸送する場合には、
有害廃棄物として扱う
再生や破壊施設を持たない加盟国がそれらを保有する加盟国に
回収 F-gas を再生や破壊のために輸送する時にも適用
ポーランドでは、その国内法で、再生を目途として回収された
Regulation (EC ) N o1272/2008 on classification, labeling and
package ofsubstances and m ixtures
有害物質の製造、輸入、使用時のラベリング規定と分類のための
定義を規定
廃棄物を含まないが、バージンと再利用、再生利用 F-gas を混ぜ
る際には適用される
この規定は、Regulation(EC )N o1907/2006REA C H にて供給され
るラベルと安全データシートの 2 種のツールとして使用される
D irective 2002/96/EC on waste electricaland electronic equipm ent
G W P15 以上の冷媒及びガスを含む家庭製品が対象
冷媒及び断熱材の事前処理を規定
8
D irective 2000/53/EC on end-oflife vehicles
加盟国に使用済み車両の分解と有害物質の除去を規定
シュレッダー前にカーエアコンに使用されている液体を除去、回
収、分離して管理、断熱材の回収も規定
これは、既存 F-gas 規制の A rticle 4 と重複、但し、F-gas 規制は
全体として、機器の廃棄時のみならず使用時も対象としてる点が
異なる
車両用の場合、冷媒として使用されている H FC -134a の量が少
ないことから、複数車両で使用されていた冷媒を同じボンベで回
収することから、ほとんど、再生には向かず、破壊されることにな
る。但し、破壊のためには有害廃棄物としての規定を受けること
から処理費が高価となり、最適処理のインセンティブを削ぐ。
報告等との関係
D ecision 280/2004/EC concerning a m echanism for m onitoring
C om m unity greenhouse gas em issions and for im plem enting the
K yoto Protocol
加盟国は G H G 排出量のインベントリを整備
D irective 2008/1/EC concerning integrated pollution prevention
and control
工業及び農業活動を通じた高い汚染可能性のある物質の管理
を規定
F-gas は、マグネシウム生産で使用される H FC -134a や SF6、ア
ルミ生産時の PFC 排出、半導体産業での PFC 、SF6、N F3 が対
象
B A T 用の参照文書の中江、エネルギー効果という観点からG H G
を冷媒として使用したヒートポンプからの漏洩や減圧、ゼロ O D S
及び低 G W P ガスの使用がハイライトされているが、あくまでもエネ
ルギー効率の観点
Regulation (EC ) N o 166/2006 on the establishm ent of a European
Pollutant Release and T ransfer Register (PRT R)
U N EC E 条約の推進
年間 100kg 以上の H FC と50kgSF6 の排出が報告の対象
これらガスの生産事業者や破壊事業者が対象となる
京メカとの関係
D irective 2009/29/EC EU -ET S
European clim ate and energy package のコアをなす制度
2013 年からアルミニウム生産時の PFC の取引が開始、2020 年に
は 1.3 百万 t-C O 2 の取引が見込まれている
H FC -23 の破壊については、2013 年から2011 年時点の排出から
除外することが提案されている
エ ネ ル ギー 効率との関係
D irective 2009/29/EC Renewable Energy
上記同様、European clim ate and energy package のコアをなす制
度
F-gas としては、Eco labelが関連、G W P 値 2,000 以下であること
が求められ、G W P が 150 以下の場合、加熱と冷却において 15%
までのエネルギー効率の削減が最低必要量とされている
現状では、G W P1,890 の R-410A 冷媒を使用したヒートポンプが
Eco labelの認証を得ている
9
D irective 2009/125/EC Ecodesign ofEnergy using Products
エネルギー使用/関連機器のエネルギー効率と環境性能を高め
るための規定
ボイラーやコンピューター、工業用換気扇などのエネルギー使用
機器と窓や断熱素材などの関連製品が対象
F-gas 使用機器としては、カテゴリーとして、エアコン及び換気シ
ステム、冷凍冷蔵機器、が含まれ、検討が進められるものとして、
家庭用冷凍冷蔵庫、ルームエアコン、乾燥機などがある。
F-gas との関連では、冷媒の充填量とそれによるエネルギー消費
量、さらに冷媒の漏洩が考慮される
機器の開発、製造に当たっては、エコデザイン規格に準拠するこ
とが求められ、技術文書や申告に基づくアセスメントを通じて C E
m arking がラベリングされる
D irective 2010/31/EU Energy Perform ance ofB uildings
代替物質との関係
EU 内のビルにおけるエネルギー性能が対象
これは、12kW 以上の性能を有したエアコンシステムを構成する
部品の定例検査の確立を加盟国に求めている、これは、F-gas
充填量 3kg 以上程度が対象となる
Regulation (EC ) N o 1907/2006 concerning the registration,
evaluation, authorization and restriction ofchem icals (REA C H )
化学物質のよりよい(better)及び早期の(earlier)明確化を通じて
人の健康と環境の保全を目的とする
F-gas は、単体で製造及び輸入について、年間 1t 以上の取り扱
いがある場合に登録と、安全情報とリスク管理手法の提供が義務
づけられる
D irective 94/9/EC on the approxim ation ofthe laws ofthe M em ber
States concerning equipm ent and protective system intended for
use in potentially Explosive A tom ospheres
精油所の中に設置される可燃性ガスを含む冷凍設備などを対象
とする規定
D irective 97/23/EC Pressure Equipm ent
高圧機器の開発、製造に対するアセスメントを適用する規定
Essential Safety Requirem ent は、EU 市場に投入され、サービス
に供される機器のみを対象とする。機器は、the transportable
Pressure Equipm ent D irective と the Sim ple Pressure V essels
D irective により、それぞれの対象機器がカバーされる
EN 規 格 とこの指 令 で位 置 づ けられ ている Essential Safety
Requirem ent は、今後、一致する(harm onize)することが予定さ
れており、対象としては、EN 378-1/2/3/4(refrigeration system s
and heat pum ps)、EN 14276-1(vessels)、EN 14276-2(piping)、
EN 12284(valves)、EN 12263(safety pressure switches)が上げられ
ている。
この指令では、有害性に基づき、高圧機器のための区分があり、
Fluid group I: dengerouse fluids, toxic and/or flam m able and/or
explosive,例えば R717 や R600、Fluid group II :other fluids
including H FC s や H C FC となっている
出典 C O M M ISSIO N ST A F F W O R K IN G PA PE R IM PA C T A SSESSM EN T / Review of Regulation (EC ) N o 842/2006 on certain
fluorinated greenhouse gases A ccom panying the docum ent / Proposal for a REG U LA T IO N O F T H E EU RO PEA N
PA R LIA M E N T A N D T H E C O U N C IL on fluorinated greenhouse gases
10
1. フロン類使用製品のノンフロン・低GWP化促進(機器・製品メーカーによる転換)
「今後のフロン類等対策の方向性について(案)」で示されている対策の方向性
冷凍空調機器全般及びそれ以外のフロン類使用製品等について、製品等ごとの実態を十分踏まえつつ、フロン類
使用製品等の製造事業者及び輸入事業者に対して、(1.1)代替品への転換を促していくような対策が望まれる。そ
こで、国内外の今後の技術進歩や市場の動向等も織り込みつつ、漸進的かつ着実にノンフロン・低GWP化を後押
しするため、以下のような措置を講じることが適切である。
①フロン類使用製品等のノンフロン・低GWP化を促すため、製品の適切な区分ごとに、製造・輸入業者に対し
て、一定の目標年度における(1.2)基準値を求める。
※対象製品及び基準値については、代替物質の有無、メンテナンス面を含む安全性、経済性・供給の安定
性、省エネ性能を含む製品の性能等を考慮して設定する必要がある。また、目標達成は出荷量による加重
平均で評価する等の工夫が必要である。
②フロン類による温室効果に対する認識を高め、低GWP製品の導入を啓発するよう、ユーザーや消費者にも分
かりやすいフロン類使用製品等への(1.3)表示の充実を図る。
③制度面の対応に加えて、製品メーカーや製品ユーザーを後押しする技術開発・技術導入施策や、新しい代替
冷媒に対応した機器設置・メンテナンス人材等の育成及び業者の質の確保、普及啓発といった施策を併せて
実施する。
なお、冷凍空調機器の(1.4)冷媒転換を促進するに当たって、フッ素化合物系((1.5)H F O -1234yf/ze、H F C -32)、C
O等といった新冷媒の高圧ガス保安規制上の位置付けについて、これらの新しい冷媒の安全性の評価が行われ
た上で、(1.6)安全性確保を前提とした規制のあり方を検討する必要がある。
11
1.1 代替品への転換を促していくような対策
R egulation ofthe E uropean Parliam ent and ofthe C ouncilon fluorinated greenhouse gases(以下、欧州 F ガス
規制)
既存指令 A rticle 9 にて、フロン類を使用した特定の製品について、期限を限った禁止を進めてきた。
改正案 A rticle 9 では A nnex IIIにて、4 つの機器が追加されている。改正案 A rticle 9 の概要は次の通り。
図表 5 改正案 A rticle 9 の概要
A nnex において定める日から、A nnex III に挙げられている特定の製品及び機器を上市することを禁止し、必要に応じて、含有
されるフッ素化温室効果ガスの種類または地球温暖化係数により区別する。
規定される禁止措置は、D irective 2009/125/E C 44 に基づき導入されたエコデザインの要件に合うように製造された機器には
適用されない。これは、当該機器の稼働中のエネルギー効率が高いため、その使用期間におけるC O 2排出量が、関連するエコ
デザインの要件を満たす、ハイドロフルオロカーボンを含まない同等の機器からの排出量よりも少ないことに基づく。
改正案で追加された製品は、H FC -23 を使用した防火システム及び消火装置、G W P 値が 150 以上の H FC を
使用した家庭用冷蔵庫と冷凍装置、G W P 値が 2500 以上(2017 年から禁止、2020 年以降は G W P 値が 150 以
上))
の業務用冷蔵及び冷凍装置で密閉されているシステム、G W P 値が 150 以上の H FC を使用したルームエ
アコンで密閉されたシステムとなっている。
図表 6 改正案で追加された規制製品(A nnex III)
製品及び装置
禁止の日
H F C -23 を使用した防火システム及び消火装置
2015 年 1 月 1 日
G W P 値が 150 以上の H F C を使用した家庭用冷蔵庫と冷凍装置
2015 年 1 月 1 日
2017 年 1 月 1 日(H FC s で、G W P 値が 2500 以上)
業務用冷蔵及び冷凍装置で密閉されているシステム
2020 年 1 月 1 日(H FC s で、G W P 値が 150 以上)
G W P 値が 150 以上の H F C を使用したルームエアコンで密閉されたシ
2020 年 1 月 1 日
ステム
なお、D irective 2009/125/EC 44 については、「1.2 (
ノンフロン・
低 G W P を促すための)
基準値」を参照。
12
1.2 (ノンフロン・低 G W P 化を促すための)基準値
改正案 A rticle 9 パラグラフ 2 では、パラグラフ 1 で規定した期限を設定した禁止に対して、D irective
2009/125/EC (E rP(Energy-related Product)指令)にて導入されたエコデザインに合致する製品には適用されな
いものとされている。これは、製品のライフサイクルを通じて、高いエネルギー効率を達成することに基づく。冷媒
使用機器としては、家庭用冷蔵庫などが適用対象となる。
基準値自体は、欧州 F ガス規制の中で規定されているのではなく、別の指令を参照する形を採っている。
図表 7 エコデザイン指令の概要
E rP 指令(2009/125/E C )とはエコデ ザイン指令とも呼ばれている EU の枠組み 指令で、エネルギー関 連製品(ErP :
E nergy-related Products)について環境配慮設計(エコデザイン)を義務づけている規制。EuP 指令と同様に、ライフサイクル全
体についての環境負荷を削減することを求めている。
エネルギー使用製品(
E uP:
E nergy-using Products)を規制対象とした EuP 指令(2005/32/EC )
から、対象製品を拡大して ErP
指令(2009/125/E C )へと改定され、2009 年に発効。
同指令の対象製品を域内市場で上市する場合には、C E マークを貼り付けることが義務付けられている。
E uP 指令の規制対象製品は主に電気や石油などのエネルギーを使用する製品が対象だったのに対し、ErP 指令では、窓や断
熱材、シャワーヘッドなど、エネルギーを直接使用しないで使う製品も規制対象になっている点が大きく異なる。
これまでに待機電力(欧州委員会規則 1275/2008)、単純なセットトップボックス(同 107/2009)、家庭用の非指向性ランプ(同
244/2009)
、オフィス照明・街路灯(同 245/2009)、外部電源(同 278/2009)
、 モーター(同 640/2009)、 サーキュレーター(同
641/2009)、 テレビ(同 642/2009)、家庭用冷蔵庫(同 643/2009)、家庭用洗濯機(同 1015/2010)、家庭用食洗機(同
1016/2010)、換気扇(モーター駆動・125~150kW 電源)(同 327/2011)
エアコンおよびコンフォート・ファン(同 206/2012)、 ウ
ォーターポンプ(
同 547/2012)、家庭用衣類乾燥機(同 932/2012)、指向性ランプ、LED ランプおよび関連機器(同 1194/2012)
について、実施規則が公表されている。
2012 年 7 月に公表された、エコデザインに係る 12kW 以上のエアコン製品の検討結果では、エアコン製品の
使用時に消費するエネルギーに伴う環境影響として、稼働時の電力消費に加え、冷媒の稼働時漏洩や使用済
み機器処理時の未回収があげられている。
消費エネルギーについては、ファン用モーターや熱交換機、負荷管理機器などのデザインを通じた、採用可能
でもっと有効な技術(B est A vailable T echnologies)の採用による、最小の季節性を考慮したエネルギー効率
(seasonalenergy efficiency)と、最小の最大負荷時のエネルギー効率(fullload energy efficiency)
が提案されて
いる。
この分野における冷媒による影響について、エコデザイン指令では、冷媒充填量の低減とスタンダード H FC
冷媒よりも低い G W P 値である代替冷媒の使用を発展させる(foster)ことが可能である、との立場であり、これらの
可能性は、低 G W P 冷媒が、仮にエネルギー消費量が削減され、製品の C O 2 換算での排出の削減に貢献する
ことの分析と結果が得られて、初めて、エコデザインの概念に統合されるとしている。
その上で、長期にわたる対策として、低 G W P 冷媒を使用することで、10%低い季節性の効率が達成されるため
の、ある一定の G W P 値を上回る冷媒の禁止とT EW Iの閾値の提案を行うことが言及されている。
このように、低 G W P 冷媒の採用は、あくまでライフサイクル全体の C O 2 削減が前提となっている。
13
1.3 表示の充実
既存指令 A rticle 7 にて、改正案では A rticle 10 にて、ラベルと製品情報について規定している。冷媒使用機
器については、冷媒チャージを行う場所近辺にラベル表示することとし、使用している冷媒の種類や量などを表
示することとしている。
図表 8 改正案 A rticle 10 の概要
フッ素化温室効果ガスを含む製品及び機器を上市してはならない。但し、ラベル表示がなされている場合を除く。
フッ素化温室効果ガスを含む冷蔵機器、空調機器、ヒートポンプ、防火システム、電気開閉装置、エアゾール缶、すべてのフッ
素化温室効果ガスコンテナに適用するものとする。
ラベルにおいては、当該製品または機器にフッ素化温室効果ガス等が含まれているという情報が必要とされる。
1.4 冷媒転換
EU は、2030 年頃の機器毎の冷媒使用種類について、多くの機器で自然冷媒が使用されていることを想定し
ている。基本的には R -290(プロパン)、R -744(C O 2)が中心とされ、H F O -1234yf及び H F O -1234ze がフロン類と
して使用されることを想定している。
家庭用冷蔵庫については、既存の F ガス技術として H FC -134a があげられ、確立された代替技術として、
R -600a(イソブタン)
があげられている。
業務用冷蔵装置については、既存の F ガス技術として、H C FC -22、H FC -134a、混合冷媒として、R-404A 、
R -407C があげられ、確立された代替技術として、R-744(炭酸ガス)や R -290(プロパン)、R-717(アンモニア)
、
R -1270(プロピレン)
があげられ、二次冷却回路の採用や温度帯を限った採用などがまとめられている。
工業用冷蔵装置については、既存の F ガス技術として、H C FC -22、R -404A 、R -407C があげられ、確立された
代替技術として、R -717(アンモニア)、R -717 とC O 2 のカスケード利用があげられている。
輸送用冷蔵装置については、既存の F ガス技術として、H C FC -22、H FC -134a、混合冷媒として、R-404A 、
R -407C 、R-410A があげられ、確立された代替技術として、R -717(
アンモニア)、R -717 とC O 2 のカスケード利用
があげられている。
定置型エアコンについては、既存の F ガス技術として、H C FC -22、H FC -134a、混合冷媒として、R -404A 、
R -407C 、R-410A があげられ、確立された代替技術として、R -744(
炭酸ガス)や R-290(
プロパン)、R-717(アン
モニア)
があげられている。
移動型エアコンについては、既存の F ガス技術として、C F C -12、H FC -134aがあげられ、確立された代替技術
として、炭化水素類や R -744(C O 2 但し、プロトタイプ用)があげられている。
2030 年時点で想定される機器別の使用冷媒種について、家庭用エアコンについては、先進国と途上国の双
方で、95%から100%が R -600a(イソブタン)
となっており、R -744(
炭酸ガス)が 5%程度、使用されることが想定さ
れている。
業務用冷蔵装置については、R -290(プロパン)を使用した機器が大数を占め、R -744(炭酸ガス)との併用や
R -744 の単独使用が想定されている。
工業用冷凍装置については、R -717(アンモニア)の使用が想定されている。
14
輸送用冷蔵装置については、業務用冷蔵措置同様、R -290(プロパン)
や R-744(
炭酸ガス)
が想定され、一部
で、H FC -1234yf が想定されている。H FC -1234yf については、冷蔵装置を備えたバンにて想定されている。船
舶用には、R-717(アンモニア)の使用も想定されている。
エアコンについては、R-290(プロパン)
や R -744(
炭酸ガス)が想定され、チラーでは、R -717(アンモニア)や
R -718(水)などが想定されている。
カーエアコンについては、現状を見据え、H FC -1234yfもしくは R -744(
炭酸ガス)
が想定され、途上国では一
部、炭化水素類が想定されている。
15
図表 9 機器別代替の候補
部 門
家庭用冷蔵庫
伝統的な F ガス技術
確立された代替技術
- H F C -134a
- R-600a
- H C F C -22
- R 404A , R407C
- H F C -134a
- R-744(低温カスケードシステム)
- R-744(低温、中温)
- R-290, R-1270, R-717(二次冷却回路),
R-744(低温カスケードシステム)
業務用冷蔵装置
集中システム
コンデンシングユニット
一体型機器
工業用冷蔵装置
-
H C F C -22
R 404A ,R410A
H F C -134a
C F C -12
H F C -134a
R 404A
- R-744(アイスクリーム用冷凍装置、飲料販売機)
- H C (炭化水素類, 主に R-290 で時々R-600a)
(ボトルクーラー用及び低温キャビネット用など)
- H C F C -22
- R 404A , R407C
- R-717
- R-717 とC O 2 のカスケード
-
H F C -134a
R 404A
H F C -134a
R 404A , R410A , R407C
H C F C -22
R 404A
- R-717
- R-717 とC O 2 のカスケード
-
H C F C -22
R 410A ,R407C
H F C -134a (チラー)
R 404A (チラー)
輸送用冷蔵装置
リーファーコンテナ
陸上輸送用機器
釣り用船舶
定置型エアコン
- R-290 (ルームエアコン,チラー,ヒートポンプ)
- R-717 (大規模チラー)
- R-744 (ヒートポンプ)
輸送機器内エアコン
自動車用
船舶、鉄道用
断熱材
防火装置
M D Iを除くエアゾール製品
- H F C -134a
- C F C -12
- H F C -134a
- 炭化水素
- (プロトタイプ向け: R-744)
-
- 炭化水素類 (ペンタン)
- 有機溶剤/C O 2
- 水-C O 2
H F C -152a, H F C -134a
H F C -245fa
H F C -365m fc/227ea
H C F C -141b, H C FC -142b
H C F C -22
H F C -227ea
H F C -236fa
H F C -23
H F C -125
H F C -152a
H F C -134a
中圧用二次開閉装置
- 水, ミスト水, ドライケミカル, フォーム状物質
エアゾール
- CO 2
- 不活性ガス
- 炭化水素類
- ジメチルホルムアミド
- SF 6
- 固形絶縁体
- SF 6
- SO 2
マグネシウム産業
- (H F C -134a)
- H FC -134a
出典 Preparatory study for a review of R egulation (EC ) N o 842/2006 on certain fluorinated greenhouse gases Final Report,
Prepared for the European C om m ission in the context ofService C ontract N o 070307/2009/548866/SER/C 4, D r. W infried
Schw arz, B arbara G schrey, D r. A ndré Leisew itz (Ö ko-Recherche G m bH )他、Septem ber 2011
16
図表 10 2030 年時点の機器別使用冷媒種の想定
冷凍冷蔵装置、空調装
置
家庭用冷蔵庫
業務用冷蔵装置
集中システム
コンデンシングユニット
一体型機器
工業用冷蔵装置
小規模装置
大規模装置
輸送用冷蔵装置
冷蔵トラック
冷蔵バン
リーファーコンテナ
釣り用船舶
エアコンシステム
2030 年における市場浸透率 (%)
鍵となる軽減のため選択し
先進国
95 (100*)
5
0
途上国
95
5
0
R -290(間接) + R -744 カスケード
R -290 + R -744 + R-744 カスケード
R -744
R -290(直接)
R -290(間接)
R -744
R -290(直接)
R -744
90
10
0
40
30
30
85
15
80
15
5
60
30
10
85
15
R -717
R -717
95
95
80
80
R -290(直接)
R -744
R -744
H F C -1234yf
R -744
R -717 + R -744cascade
80
20
50
50
100
95
80
20
50
50
100
95
R -600a
R -744
H F C -1234yf
移動可能型エアコン
R -290(直接)
40
50
R -744
20
20
H F C -1234yf
40
30
単体分離エアコン
R -290(直接)
40
50
R -744
15
10
H F C -1234yf
45
40
マルチエアコン
R -290(直接)
70
70
R -744
30
20
H F C -1234yf
0
10
屋根設置型エアコン
R -290(直接)
65
80
R -744
35
10
R 290 + 二次冷却回路(R -744)
0
10
小規模チラー
R -290(直接)
60
60
R -744
20
20
R -717
20
20
大規模チラー
R -290(直接)
15
15
R -744
0
10
R -717
60
60
R -718
25
25
遠心式チラー
R -290
20
20
H F C -1234ze
50
50
R -718
30
30
ヒートポンプ
R -290(直接)
60
60
R -744
20
20
H F C -1234yf
20
20
カーエアコン – 陸上用車両
トラックを含む乗用車
H F C -1234yf
(100)
(60)
R -744
(100)
(60)
H C (直接)
0
40
バス
H F C -1234yf
100
35
R -744
0
15
H C (直接)
0
50
移動型エアコン – 船舶など
旅客用船舶
H F C s のブレンド
90
カーゴ用船舶
N H 3-brine
90
評価されず
H F C s のブレンド
10
鉄 道
R -744
60
出典 Preparatory study for a review of R egulation (EC ) N o 842/2006 on certain fluorinated greenhouse gases Final Report,
Prepared for the European C om m ission in the context ofService C ontract N o 070307/2009/548866/SER/C 4, D r. W infried
Schw arz, B arbara G schrey, D r. A ndré Leisew itz (Ö ko-Recherche G m bH )他、Septem ber 2011
17
1.5 H F O -1234yf
H F O -1234yfは、H FC -134a 及び H C FC -22 の代替として考えられている。H FC -134a の代替は、カーエアコン
用であるが、より代替の用途範囲が広いのは H C FC -22 となる。H C FC -22 システムへはドロップインは出来ず、
H C FC -22 よりも大型のコンプレッサー等を必要とすることから、代替に係る制約がある。
なお、A 2L の可燃性を有することから、IEC -60336-2-40 のような可燃性に対する安全基準の適用が必要とな
る。
図表 11 H F O -1234yfに対する考え方
H F C -1234yf は、不飽和の H F C であり、zero O D P かつ G W P 値が非常に低い。この冷媒は車両用 A C に使用されている
R -134a の代替物として提案されている。H F C -1234yfは、エアコン用 H C FC -22 の一時的な代替物ではない。その熱力学的性
能は、R -134a に類似している。H F C -1234yfは、R -22、R-410A または R-407C よりも冷蔵能力が低いため、この冷媒を使用して
いるコンプレッサーの変位は非常に大きなものでなければならない。
実験/研究により、H F C -1234yf システムは、H C F C -22 システムよりも容量が 40%大きく、費用も一層かかるということが分かって
いる。設計変更には、コンプレッサー変位の拡大、熱交換器領域の拡大及びインターコネクトチューブの直径拡大が含まれて
いる。これらの変更は、H F C -134a に関する変更に類似している。H FC -1234yfの flam m ability rating(可燃度定格)
は A 2L であ
り、IE C -60336-2-40 のような適切な安全性基準に従って利用する必要がある。
H F C -1234yf は、H F C -134a に非常に類似しているため、H FC -134a で議論されているのと同様に、利用にかかる費用
(application cost)の問題を抱えることになる。したがって、純粋な H FC -1234yf を使用するパッケージユニット方式エアコン
(unitary air-conditioners)が商業的に実現可能となる見込みはない。
出典 C O M M ISSIO N ST A F F W O R K IN G PA PE R IM PA C T A SSESSM EN T / Review of Regulation (EC ) N o 842/2006 on certain
fluorinated greenhouse gases A ccom panying the docum ent / Proposal for a REG U LA T IO N O F T H E EU RO PEA N
PA R LIA M E N T A N D T H E C O U N C IL on fluorinated greenhouse gases からN RI仮訳
上記のような観点から、商業用の冷凍冷蔵機器の分野では、現状では、H F O -1234yf単体で、代替の候補とし
て普及していくことは考えにくいとされている。
一方で、ゼロ O D P で低い G W P 冷媒とのブレンドにより、上記懸念事項を補うような取り組みにより、代替の候
補になり得る可能性があることが指摘されている。
なお、すでに、R E A C H の登録は完了している。
H F O -1234yf に関しては、広範に及ぶ毒性試験が実施されており、目的の用途における使用は安全であると
いうことが判明した。RE A C H に基づき、EU において、H F O -1234yfは、1,000 トン以上の tonnage band(
トン数帯)
においても登録されている。
図表 12 H F O -1234yfのブレンドに対する考え方
冷媒メーカーは、現在製品に使用されている冷媒の性能に一層近付けるため、H FC -1234yf を他の non-O D P 冷媒と混合する
ことを提案している。これらの混合物の大部分はその他の H F C 冷媒が 1 つ以上含まれており、場合によっては、混合組成に応
じた可燃性を持つ。これらの混合物は、H C F C -22 または R-410A に類似した性能を持つよう生成できるが、G W P 値ははるかに
低い。
出典 C O M M ISSIO N ST A F F W O R K IN G PA PE R IM PA C T A SSESSM EN T / Review of Regulation (EC ) N o 842/2006 on certain
fluorinated greenhouse gases A ccom panying the docum ent / Proposal for a REG U LA T IO N O F T H E EU RO PEA N
PA R LIA M E N T A N D T H E C O U N C IL on fluorinated greenhouse gases からN RI仮訳
18
1.6 安全性確保
日本では、高圧ガス保安法に基づき、炭化水素系冷媒について、ガス生産、貯蔵、販売、輸送について規定
を受ける。
欧州では、炭化水素冷媒の安全性については、主に、機器毎に設定された充填量の制限により確保されてい
る。いくつかの特別な機器については、厳格な要求が設定されており、使用に際して最低限の部屋の容量と充
填量が定められているものもある。これらは、多くが家庭用及び業務用のパッケージエアコンに適用されている。
E N 378 は、冷媒使用システムの設計と建設を定めた欧州規格であり、名称は、Refrigerating system and heat
pum ps – Safety and environm ent requirem ents となる。機器の設置場所の高さにより冷媒充填量を定めており、
低位に設置されるユニットについては、より制限された基準が設けられている。E N 378 は、現行のE N 378:2008 で
欧州圧力容器指令(
E uropean C om m ission's Pressure E quipm ent D irective 97/23/EC , PE D )と協調した規格と
なっている。PED は、可燃性冷媒を使用した機器に対して、製造者による付加的な報告と安全性アセスメントの
実施を求めている。
E N 378:2008 は、
Part 1: 基本的な要求、定義、分類、選択基準
Part 2: デザイン、建設、テスト、マーキング、文書製作
Part 3: 導入場所と人の保護
Part 4: 運転、メンテナンス、修理、収集
から構成され、デザインに対応した Part 2 については、PE D と準拠しているが、他のパートは PE D の範囲を超
えており、基本的に E N 378:2008 に準拠することが求められる、とされている。
冷媒の安全性に関わる分類は次の通り。
図表 13 冷媒の安全性による分類
毒性
可燃性
C lass A
C lass B
低慢性毒性
高慢性毒性
C lass 1
火炎伝播無し
A1
B1
C lass 2
低可燃性
A2
B2
C lass 3
高可燃性
A3
B3
可燃性 C lass 1 空気中、標準気圧、60℃で火災伝播無し
C lass 2 大気圧、60℃のテストで火炎伝播がみられる、但し、下限引火限界が重量比 3.5%よりも高く、燃焼の
熱が 19,000kJ/kg 以下
C lass 3 大気圧、60℃のテストで火炎伝播がみられる、但し、下限引火限界が重量比 3.5%以下で、燃焼の熱
が 19,000kJ/kg より大きい
毒性
C lass 1 400ppm 以下で毒性がない
C lass 2 400ppm 以下で毒性がある
出典 G uidelines for the safe use of hydrocarbon refrigerants / F ederal M inistry for E conom ic C ooperation and
D evelopm ent ofG erm any
上記分類により、R-600a(イソブタン)、R -290(プロパン)
のような炭化水素類は、A 3 に分類され、R -744(
C O 2)
は、A 1 に、R -717(アンモニア)は、B 2 に分類される。冷媒充填量の判定基準は次の通り。
19
図表 14 冷媒充填量の判定の基準
冷媒含有部品の設置
場所の明確化
地表より上
か
最大充填量
=1kg/ユニット
N
Y
N
Y
建物カテゴ
リーA
人への快
適系か?
Y
システムは
建物の中
M m ax
=1.5kg/ユニット
Y
N
N
システムは
M V E の中
人への快
適系か?
N
Y
M m ax<
4*LEL?
M m ax
=130*LFL
Y
M al=M m ax
A =制限無し
N
建物カテゴ
リーB
N
Y
システム全体が
戸外
M m ax
=5kg/ユニット
システムは
建物の中
M m ax
=2.5kg/ユニット
Y
N
システムは
M V E の中
V =M al/PL
M al=PL*V
人への快
適系か?
N
M m ax<
4*LEL?
M m ax
=130*LFL
M al=M m ax
A =制限無し
N
システム全体が
戸外
システム全
体が SM R or
戸外
M m ax
=制限無し
Y
M al=0.55*A *LFL
A =1.8*M ax/LFL
N
H P 側が
SM R or 戸
外
M m ax
=25kg/ユニット
Y
N
システム全体が
戸外
Y
複合式エ
アフロー
付き
N
M al=2.5*LFL 1.25*h*A 1/2
A =(M al/(2.5*LFL 1.25*h))2
Y
N
システムは
M V E の中
N
M m ax
=10kg/ユニット
Y
建物カテゴリーC
Y
V =M al/PL
M al=PL*V
Y
Y
N
M m ax
=10kg/ユニット
M al=M m ax
A =制限無し
SM R:特別な機械室
M V E:機械的通気口付き容器
LFL:下限引火点(kg/m 3)
M m ax:最大充填量(kg)
M al:許容漏洩量(kg)
PL:実用限界(kg/m 3)
V :空間容量(m 3)
A :最小部屋床面積(m 2)
出典 G uidelines for the safe use of hydrocarbon refrigerants / F ederal M inistry for E conom ic C ooperation and
D evelopm ent ofG erm any
20
なお、建物カテゴリーとは次を示す。
図表 15 建物カテゴリー
カテゴリーA
カテゴリーB
説 明
例
人が就寝でき、移動が制限され、もしくは人の数が制限できな
病院、刑務所、介護施設、映画館、スー
い、あるいは個人の安全対策に関し、個人的に精通していなくて
パーマーケット、交通ターミナル、ホテ
も、誰もが自由に出入りできる部屋、建物の一部、もしくはその他
ル、講堂、住居、レストラン、スケートリン
の場所
ク、乗用車など
限られた人数しか集合できず、その中に、全般的な安全対策に
オフィスビル、研究所、職場、一般的な製
精通する人物が必ずしも存在するとは限らない部屋、建物の一
造の施設
部、もしくはその他の場所
カテゴリーC
関係者のみが立ち入りを許可され、誰もが自由に出入りできない
スーパーマーケット、冷蔵倉庫、製造施
部屋、建物の一部、もしくはその他の場所。関係者は、当該施設
設、精製所、化学品、食品、氷及びアイ
の全般的な安全対策に精通していなければならない。
スクリームなどの製造施設における非公
共の場
出典 G uidelines for the safe use of hydrocarbon refrigerants / F ederal M inistry for E conom ic C ooperation and
D evelopm ent ofG erm any
A 3 の一般的な冷媒充填量の試算は次の通り。
21
図表 16 炭化水素冷媒(A 3)の一般的な冷媒充填量の試算
-ダイレクト・システム
建物カテゴリー
全てのエリア
システムの設置場所
最大冷媒充填量
一部もしくはシステム全部が地中
1kg
システム全体が地上レベルもしくはそれよりも上
カテゴリーA
1.5kg
システム全体が地上レベルもしくはそれよりも上で、使用されていない機械室もしくは
5kg
戸外
システム全体が地上レベルもしくはそれよりも上で、人で占有されたエリア
カテゴリーB
2.5kg
システム全体が地上レベルもしくはそれよりも上で、圧縮機とレシーバーが戸外もしく
2.5kg
は機械室
システム全体が地上レベルもしくはそれよりも上で、人で占有されたエリア
カテゴリーC
10kg
システム全体が地上レベルもしくはそれよりも上で、圧縮機とレシーバーが戸外もしく
25kg
は機械室
-イン・ダイレクト・システム(
二次冷凍回路を有するものなど)
建物カテゴリー
全てのエリア
システムの設置場所
最大冷媒充填量
一部もしくはシステム全部が地中
1kg
システム全体が地上レベルもしくはそれよりも上で、圧縮機とレシーバーが戸外もしく
1.5kg
は機械室
カテゴリーA
システム全体が地上レベルもしくはそれよりも上で、使用されていない機械室もしくは
5kg
戸外
システム全体が地上レベルもしくはそれよりも上で、圧縮機とレシーバーが戸外もしく
2.5kg
は機械室
カテゴリーB
システム全体が地上レベルもしくはそれよりも上で、使用されていない機械室もしくは
10kg
戸外
システム全体が地上レベルもしくはそれよりも上で、圧縮機とレシーバーが戸外もしく
25kg
は機械室
カテゴリーC
システム全体が地上レベルもしくはそれよりも上で、使用されていない機械室もしくは
制限無し
戸外
るInternationalE lectrotechnicalC om m ission(IEC )規格は、電気使用機器の安全性の観点から炭化水素系冷
媒に関する充填制限を設けている。
IE C -60335-2-24 は主に家庭用冷蔵庫を対象としており、充填量は、150g/ユニットに制限されている。
IE C -60335-2-40 は、エアコンやヒートポンプを対象としており、機器に応じて、1kg-5kg/ユニットが規定され、こ
れ らは 、設 置 場 所 とい う観 点 か ら E N 378 規 格 の 判 断 基 準 を用 い ることとなるが 、通 常 であれ ば 、
IE C -60335-2-40 対象機器の導入については、E N 378 規格の判断基準を用いることで、遵守されるとされている。
IE C -60335-2-89 は、主に業務用冷蔵庫を対象としており、充填量は、150g/ユニットに制限されている。
このように、一般的に、IE C -60335 は、家庭用及び電気使用の面で、家庭用に準じる機器について、対象とし
ており、業務用機器を中心に E N 378 と対象機器が重なる部分については、整合がとられており、基本的に
22
E N 378 に則った手順での検討が必要となる。
この他、欧州にて炭化水素系冷媒を導入するに際して、参照すべき基準を次にまとめる。
図表 17 欧州にて炭化水素系冷媒を導入するに際して、参照すべき基準など
対象
タイトル
ガイダンスの対象(主に可燃性冷媒を対象に)
ISO 817:2005
R efrigerants—D esignation system
E N 378-1:200
R efrigerating system s and heat pum ps – safety and
environm ental requirem ents, B asic requirem ents,
definitions, classification and selection criteria
R efrigerating system s and heat pum ps – safety and
environm ental requirem ents, D esign, construction,
testing, m arking and docum entation
R efrigerating system s and heat pum ps – safety and
environm entalrequirem ents,Installation site and personal
protection
R efrigerating system s and heat pum ps – safety and
environm ental requirem ents, O peration, m aintenance,
repair and recovery
8 A 2:2012
E N 378-2:200
8 A 2:2012
E N 378-3:200
8
E N 378-4:200
8
E N 60079-0:2
009
E xplosive
atm ospheres
requirem ents
–
冷媒番号及び安全性分類の実施
E quipm ent–
冷媒等の実用限界、最大冷媒充填量
高圧に対する予防措置
通気性のある格納容器
機械室、冷媒検出装置
可燃性冷媒を使用したシステムの修理、可燃性冷
媒システムで働く人材の能力
general 可燃性ガスのカテゴライズ
設備区域の区分
機器の設置帯と区分
E N 60079-101:2009
E xplosive atm ospheres – C lassification of areas –
explosive gas atm ospheres
リークシュミレーション・
テスト
エアフローの要求
E N 60079-14:
2008
E N 60079-15:
2008
E N 60335-2-2
4:2010
E N 60335-2-4
0:2003
E N 60335-2-8
9:2010
ADR
E xplosive atm ospheres – E lectrical installations design,
selection and erection
点火配線の出発点の設置場所
可燃の可能性のある地域での使用のための電気
E xplosive atm ospheres – E quipm ent protection by type of
機器と容器
protection “n”
電気機器のラベリング
H ousehold & sim ilar electrical appliances – Safety Part
2-24:Particular requirem ents for refrigerating appliances,
ice- cream appliances & ice-m akers
H ousehold & sim ilar electrical appliances – Particular
requirem ents for electricalheat pum ps, air conditioners
and dehum idifiers
H ousehold & sim ilar electrical appliances – Safety Part
2-89:Particular requirem ents for com m ercialrefrigerating
appliances w ith an incorporated or rem ote refrigerant
condensing unit or com pressor
E uropean A greem ent concerning the International
C arriage ofD angerous G oods by R oad
可燃性冷媒充填量 150g 以下のシステム
可燃性冷媒を使用したエアコンシステムの設計、
活用、サービス
可燃性冷媒充填量 150g 以下のシステムのエリア
区分に関するリークシュミレーション・テスト
システムもしくは装置に含まれた可燃性ガスの道
路輸送
R egulations concerning the internationalcarriage of
dangerous goods by rail
R ID
システムもしくは装置に含まれた可燃性ガスの鉄
道輸送
IoR
A 2 and
Institute ofR efrigeration Safety C ode ofPractice for
R efrigerating System s utilising A 2 and A 3 refrigerants
一般的なガイダンス
A 3 C ode
出典 G uide to F lam m able R efrigerants / B ritish Refrigeration A ssociation / 1 O ctober 2012
23
2. フロン類の実質的フェーズダウン(ガスメーカーによる取組)
「今後のフロン類等対策の方向性について(案)」で示されている対策の方向性
低迷する回収率を向上させ、フロン類による環境負荷を低減させるためには、ガスメーカー等(フロン類の製造・輸入事業者)に
対して、拡大生産者責任の考え方にも留意しつつ、例えば、取り扱うフロン類の低GWP化や製造量等の削減を含むフロン類
以外への代替、再生といった取組を促すことが有効と考えられる。
具体的には、ガスメーカー等に対して、国が目標を設定することで、一定期間ごとに一定の指標(※)の(2.1)計画的な低減を求
めることが考えられる。この際、機器等のノンフロン・低GWP化、再生技術の向上、国際的動向等に十分留意する必要がある。
※一定の指標については、有意義な取組を多面的に評価するため、例えば、(フロン類生産量・輸入量-輸出量)×GWP-
再生量等×GWPといった指標を設定することが考えられる。詳細は更に検討する必要があるが、その際、①ガスメーカー等は
ユーザーに対するフロン類の供給責任があり、製品・機器の転換の進展に影響されること、②(2.2)フロン類が充填されて輸入さ
れる製品・機器との公平性を確保する必要があること、③再生量の拡大について、市中におけるフロン類の利用量のフェーズダ
ウンの観点と整合的となるよう、ノンフロン・低 G W P 化等と併せて、その意義を評価していく必要があることに留意する。
なお、(2.3)再生を促進するに当たっては、再生行為の適正を確保するため、フロン類の再生に一定の業規制を行うことが必要
と考えられる。
24
2.1 計画的な低減
改正案 C hapter 4 A rticle 13 からA rticle 16 で示されている、hydrocarbons の製造者と輸入者に、毎年の規定
量以下の取り扱いを求める規定。なお、破壊目的で輸入されるもの及び、1,000t-C O 2/y を超えない事業者にも
適用されない(A rticle 13 パラグラフ 2)。
委員会は、A rticle 6 に基づき、2008 年から2011 年の実績に応じて、2014 年 10 月 31 日までに、製造者と輸
入車の年間の取扱量を決定する。この間に実績のない事業者は、委員会に取り扱い予定の物質とその量を届
け出る。
委員会は、2017 年 10 月 31 日までに、以降、3 年毎に、2015 年 1 月 1 日以降に製造及び輸入された
hydrocarbons の量を参照して、取扱量を再計算する(A rticle 14)。
委員会は、各製造者と輸入者の割当量を電子登録する仕組みを構築する。製造者と輸入者は、割当量の全
部、もしくは一部を他の登録した者に移転することが出来る。移転には、委員会への事前通知が必要となる
(A rticle 15、A rticle 16)。
図表 18 改正案 C hapter 4 の概要
A rticle 13 ハイドロフルオロカーボンの販売抑制
委員会は、生産者及び輸入業者が域内で毎年販売することが認められているハイドロフルオロカーボンの量が、A nnex V に基
づき算出された当該年の最大量を超えないようにしなければならない。この A rticle は、破壊目的で域内に輸入されたハイドロフ
ルオロカーボンには適用しないものとする。また、この A rticle は、C O 2 換算で年間 1,000 トン以下のハイドロフルオロカーボンの
生産者または輸入業者には適用しないものとする。
A rticle 14 ハイドロフルオロカーボンの販売量の割当
2014 年 10 月 31 日までに、委員会は、意思決定により、Regulation (EC ) N o 842/2006 の A rticle 6 に従って報告を行った各生
産者または輸入業者に対し、当該業者らが 2008 年から2011 年までに生産または輸入を行ったと報告したハイドロフルオロカー
ボンの年間平均量に基づき、基準値を設定しなければならない。
生産または輸入に関する報告を行わなかった生産者と輸入業者は、翌年にハイドロフルオロカーボンを生産または輸入する旨
の意思表示を行うことができる。意思表示は、ハイドロフルオロカーボンの種類と推定販売量を明記し、委員会宛てに送付する
ものとする。
委員会は、意思表示の提出期限を通知しなければならない。委員会は、2017 年 10 月 31 日までに、以降 3 年毎に、生産者と
輸入業者に対する基準値を再計算しなければばらない。
委員会は、2015 年から毎年、各生産者と輸入業者に対し、ハイドロフルオロカーボンの販売量を割り当てなければならない。
A rticle 15 割当量の登録
ハイドロフルオロカーボンの販売に関する割当量の電子登録制度を確立しなければならない。
委員会は、登録を通じ、生産者、輸入業者及び加盟国の所轄官庁に、割当量及び割当期間における割当量の変更を知らせな
ければならない。
A rticle 16 割当量の移転
いかなる生産者または輸入業者も割当量のすべてまたは一部を域内における他の登録業者に移転できる。当該移転は委員会
に事前通告しなければならない。
25
E U は、改正案の提出に先立ち、自主的取り組みの推進、さらなる漏洩等の防止策及び回収の推進、H F C 等
のフェーズダウン、H FC 等の禁止という、4 つの取り組みに関する影響分析を行った。
分析は、2030 年時点での B aU との比較による直接的な C O 2 換算での排出量の変化、物質の代替による追加
的な排出量、エネルギー効率が起因となる間接的な追加的排出量、2005 年との比較における2030 年時点の排
出量の削減効果、2030 年時点の平均削減費用、限界削減費用、域内の機器サプライヤーの追加的な販売に
ついて行われている。
直接的な C O 2 換算での排出量の変化については、自主的取り組みが 21.7 M t-C O 2eq の削減、漏洩の防止と
回収の促進が 1.4 M t-C O 2eq の削減、H F C のフェーズダウンが 69.2M t-C O 2eq の削減、H FC の禁止が 52.7
M t-C O 2eq の削減と分析されており、H FC のフェーズダウンが最も高い削減効果を得ることとなっている。
物質の代替による追加的な排出量、エネルギー効率が起因となる間接的な追加的排出量についても同様に、
H FC のフェーズダウンが最も高い削減効果を得ることとなっており、合計でも、自主的取り組みが 22.2
M t-C O 2eq の削 減 、漏 洩 の防 止 と回 収 の促 進 が 1.4 M t-C O 2eq の削 減 、H FC のフェー ズダウンが
70.7M t-C O 2eq の削減、H FC の禁止が 53.3M t-C O 2eq と、H FC のフェーズダウンが最も高い削減効果を得るこ
ととなっている。
削減に係る費用については、H FC のフェーズダウンが最も少なく16 ユーロ/t-C O 2eq と分析され、自主的取り
組みとH FC の禁止が 17 ユーロ/t-C O 2eq、漏洩の防止と回収の促進が 46 ユーロ/t-C O 2eq と分析されている。
一方で、限界費用については、H F C のフェーズダウンが最も大きく49 ユーロ/t-C O 2eq と分析され、自主的取
り組みとH FC の禁止が24 ユーロ/t-C O 2eq、漏洩の防止と回収の促進が 46 ユーロ/t-C O 2eq と分析されている。
このような分析を経て、産業部門の直接な費用については、H FC のフェーズダウンが最も大きく1,499 百万ユ
ーロ/年と分析され、自主的取り組みが 527 百万ユーロ/年、H F C の禁止が 1,286 百万ユーロ/年、漏洩の防止と
回収の促進が 66 百万ユーロ/年と分析されている。
一方で、域内の機器サプライヤーの追加的な販売については、H FC のフェーズダウンが最も大きく3,040 百万
ユーロ/年と分析され、自主的取り組みが 1,610 百万ユーロ/年、H FC の禁止が 2,060 百万ユーロ/年、漏洩の
防止と回収の促進が適用外と分析されている。
追加的な販売で得る収入と費用を差し引いた結果は、H FC のフェーズダウンが最も大きくなっており、この点
から、改正案としてはフェーズダウンが提案されている。
26
図表 19 対策の効果比較
U nit
直接的な排出量の変化
漏洩の防止と
H FC 等の
回収の促進
フェーズダウン
自主的取り組み
H FC 等の禁止
M t-C O 2eq
- 21.7
- 1.4
- 69.2
- 52.7
M t-C O 2eq
+ 0.02
発生しない
+ 0.14
+ 0.1
冷蔵における効率向上
冷蔵における効率向上
M t-C O 2eq
- 0.51
発生しない
- 1.6
- 0.72
M t-C O 2eq
- 22.2
- 1.4
- 70.7
- 53.3
- 10%
+ 13%
- 63%
- 44%
低リスク
該当なし
低リスク
低リスク
17
46
16
17
24
46
49
24
1,499
1,286
(サブセクター当たり –
(サブセクター当たり–5
66 から + 489)
から+ 489)
3,040
2,060
物質の代替による追加的な
排出量
エネルギー効率が起因となる
間接的な追加的排出量
小 計
2005 年 との 比 較 に お ける
2030 年時点の排出量の削減
効果
環境毒性(E cotoxicity)
2030 年における平均削減費
用
限界削減費用
ユーロ
/tC O 2eq
ユーロ
/tC O 2eq
産業部門の直接的な正味費
527
百万ユーロ
用総額
(
サブセクター当たり
66
/年
- 0.1 から417)
国内機器供給業者の追加的
百万ユーロ
1,610
な販売量
該当なし
/年
出典 C O M M ISSIO N ST A F F W O R K IN G PA PE R IM PA C T A SSESSM EN T / Review of Regulation (EC ) N o 842/2006 on certain
fluorinated greenhouse gases A ccom panying the docum ent / Proposal for a REG U LA T IO N O F T H E EU RO PEA N
PA R LIA M E N T A N D T H E C O U N C IL on fluorinated greenhouse gases
なお、フェーズダウン及び禁止に係る主体別の影響について、hydrocarbons の生産者はゼロ影響として、その
理由として、代替物質の販売をすでに進めている点を上げている。
代替機器の生産者はプラスの影響とし、電力関係には省エネの推進によりマイナスの影響、機器の輸入業者
には、域内製品の活用等でマイナスの影響としている。
27
図表 20 フェーズダウン、禁止の各主体に与える影響分析の結果(+ 正の影響、- 負の影響)
政策オプションによる影響
企業形態
推定される影響
F ガス生産者(化学工業)
直接的
7 から10 社の世界的に活動する大企業
0
全般的な機器の生産者(メーカー)
直接的
大・小企業
0/+
代替機器の生産者
直接的
多数の中小企業
+++
電力生産者
直接的
大企業
サービス会社
直接的
多数の中小企業
0/-
機器の輸入業者
直接的
大・小企業
0/-
機器の輸出業者
直接的
大・小企業
0/-
機器の使用者
間接的
大企業、中小企業、小規模企業
小売部門
間接的
大・小企業
0/-
材料部門 (基金属、金属製品)
間接的
大・小企業
0/+
-
0
出典 C O M M ISSIO N ST A F F W O R K IN G PA PE R IM PA C T A SSESSM EN T / Review of Regulation (EC ) N o 842/2006 on certain
fluorinated greenhouse gases A ccom panying the docum ent / Proposal for a REG U LA T IO N O F T H E EU RO PEA N
PA R LIA M E N T A N D T H E C O U N C IL on fluorinated greenhouse gases
図表 21 hydrocarbons 生産者に対するフェーズダウン、禁止の影響
H FC を低 G W P の代替物質に置き換えることにより、F ガス生産者や販売業者の販売状況は変化する。低 G W P 物質の生産者や販売業者は
H FC 生産、販売業者らと必ずしも同一とは限らない。EU (
計 7-10 カ国)
における現在の F ガス生産会社は、世界各地に生産拠点を持つ大規
模な化学製品会社である。生産対象を高 G W P 物質から低 G W P 物質へ移行させる際の影響は、生産者が代替物質の開発により、H FC の代替
から、競争相手よりもいかに、大きな利益を得ることができるかによる。いくつかの代替物質が存在し(現在、H FC の混合物、ハイドロカーボン、
C O 2 及びアンモニアのみならず、二つの不飽和 H FC がある)、あらゆる生産大手が既に低 G W P の代替物質を開発しているため、ごくわずかの
生産者が H FC の消費低下による利益を得るという状況が起こる可能性は低い。これらの化学製品の価格が同程度に高いことにより、現在の F
ガス生産者は、F ガス生産者や販売業者の売上に最も貢献すると思われる不飽和 H FC の販売業者となる可能性がある。
出典 C O M M ISSIO N ST A F F W O R K IN G PA PE R IM PA C T A SSESSM EN T / Review of Regulation (EC ) N o 842/2006 on certain
fluorinated greenhouse gases A ccom panying the docum ent / Proposal for a REG U LA T IO N O F T H E EU RO PEA N
PA R LIA M E N T A N D T H E C O U N C IL on fluorinated greenhouse gases
2.2 フロン類が充填されて輸入される製品・機器との公平性
機器等に充填されて輸入される H FC は、提案 F ガス規則で言及されているフェーズアウトと同様にカウントさ
れることとされ、そのため、市場に出回るもしくは、エンドユーザーの使用開始が可能となる以前の段階での
H FC の充填は禁止されている。ただし、H FC が密閉されている機器については、除外規定が設けられている。
図表 22 改正案 A rticle 12 の概要
冷蔵庫、エアコン及びヒートポンプには、市場投入前または最初の設置でエンドユーザーが利用可能となる前に、ハイドロフル
オロカーボンを充填してはならない。
機器への充填は、当該機器が使用される場所で、有資格者によって実施されなければならない。
上記は、密封機器、または機器の予想最大容量の 2%以下に相当する量のハイドロフルオロカーボンを含む機器には適用され
ない。
28
2.3 再生
改正案 A rticle 7 パラグラフ 3 では、フロン類を使用した機器を廃棄する前に、当該機器を使用していた者は、
リユース(
R ecycle)、再生(Reclaim )、破壊(destroy)を明確にすべきことを規定している。
図表 23 改正案 A rticle 7 の概要
フォームには使用されていないフッ素化温室効果ガスを含む移動式機器等の機器管理者は、ガスのリサイクル、再生利用また
は破壊を確実に実施するため、A rticle 8 が規定する関連資格を有する者及び企業がガスを回収するための手配をしなければ
ならない。
この義務は以下のいずれかの機器の管理者に適用される。
(a)冷凍空調機器及びヒートポンプ機器の冷却回路
(b)フッ素化温室効果ガスベースの溶媒を含む機器
(c)防火システム及び消火器
(d)電気開閉装置
フッ素化温室効果ガスのコンテナを廃棄する前に、輸送または貯蔵のためにコンテナを使用した者は、残留ガスが確実にリサイ
クル、再生利用または破壊されるよう、その回収を手配しなければならない。
一旦回収された冷媒は、当該回収場所から移動される場合及びリサイクルや再生、破壊のために移動する場
合、W aste F ram ew ork D irective(D irective 2008/98/EC )における廃棄物となり、有害廃棄物(hazardous waste)
に位置づけられるものがある。有害廃棄物と廃棄物の違いは、O J L 226, 6.9.2000 で公表された、有害廃棄物リ
ストの中で、14 04 01, 14 04 02, 16 01 04, 16 02 11, 17 06 02, 17 07 02, 20 01 23 などが冷媒等として使用され
たフロン類となり、法的に禁止措置が執られた物質については、基本的に有害廃棄物となる。有害廃棄物の場
合、加盟国は、分別回収や定められた処理を実施しなければならず、有害廃棄物に該当しない場合、加盟国は
分別回収など独自の取り組みを規定、実施しなければならない。
回収された C FC 、H C FC 、H FC の輸送については、Regulation (EC ) 1013/2006 における有害廃棄物に位置
づけられ、輸送には文書による事前通知と合意、ラベリングが必要とされる。
但し、輸送等については、各国間及び同国内での high bureaucratic hurdles が存在し、回収等の妨げになっ
ていることが、指摘されている(E FC T C F-gas Regulation : R ecovery, Re-use and Recycling)。
E U におけるフロン類の破壊は、11 カ国 23 の施設で実施されているおり、再生施設については、17 カ国 46 の
施設で実施されている。
29
図表 24 EU 内のフロン類の破壊施設の分布
出典 Identifying and A ssessing Policy O ptions for Prom oting the Recovery and D estruction ofO zone D epleting Substances (O D S)
and C ertain F luorinated G reenhouse G ases (F -G ases)B anked In Products and Equipm ent / Prepared by:IC F International/
Prepared for: T he E uropean C om m ission / M ay 2010
図表 25 EU 内の再生施設の分布
国名
オーストリア
再生施設数
3
国名
ラトビア
再生施設数
データ無し
ベルギー
3
リトアニア
1
ブルガリア
2
ルクセンブルグ
1
キプリス
0
マルタ
データ無し
チェコ
1
オランダ
3
デンマーク
データ無し
ポーランド
1
エストニア
1
ポルトガル
データ無し
フィンランド
0
ルーマニア
データ無し
フランス
3
スロバキア
2
ドイツ
2
スロベニア
1
ギリシャ
0
スペイン
3
ハンガリー
1
スウェーデン
データ無し
アイルランド
0
英 国
3
イタリア
14
計
46
出典 Identifying and A ssessing Policy O ptions for Prom oting the Recovery and D estruction ofO zone D epleting Substances (O D S)
and C ertain F luorinated G reenhouse G ases (F -G ases)B anked In Products and Equipm ent / Prepared by:IC F International/
Prepared for: T he E uropean C om m ission / M ay 2010
委員会が加盟各国などに実施したアンケート調査から分析された結果によると、H FC について、2007 年に回
収された量は、7,513.2t-y(
推計下限値)から29,864.6t/y(推計上限値)で、5,111.2t/y(
推計下限値)から
20,752.2t/y(
推計上限値)
がオンサイトでリユース(欧州での表記では Recycled)
、再生量(Reclam ed)は、
830.0t/y(
推計下限値)から1,585.8t/y(推計上限値)、破壊量は、1,572.0t/y(推計下限値)から7,521.6t/y(
推
計上限値)
とされている。
PFC の量は少なく、SF 6 については、オンサイトでのリユースが 721.7t/y(上限、下限の区別無し)、再生量が
90.2t/y、破壊量が 24.0t/y となっている。
30
図表 26 E U -27 によるフロン類の回収量等(t/y)
上 限
F ガスの
2004
2005
下 限
2006
2007
F ガスの
種 類 また
種 類 また
は動態
は動態
H FC
H FC
リサイクル
2005
2006
2007
4,665.7
4,116.2
4,209.1
5,111.2
19,284.8
16,449.5
16,723.6
20,757.2
再 生
1,169.8
1,193.8
1,297.3
1,585.8
再 生
608.8
637.2
705.5
830.0
破 壊
7,211.3
5,987.8
6,042.1
7,521.6
破 壊
1,506.9
1,258.8
1,270.6
1,572.0
回 収
27,665.9
23,631.1
24,063.0
29,864.6
回 収
6,781.4
6,012.1
6,185.1
7,513.2
PF C
リサイクル
リサイクル
2004
PFC
不 明
不 明
不 明
不 明
リサイクル
不 明
不 明
不 明
不 明
再 生
1.6
1.2
3.6
0.4
再 生
1.6
1.2
3.6
0.4
破 壊
0.2
0.1
0.4
0.0
破 壊
0.2
0.1
0.4
0.0
回 収
不 明
不 明
不 明
不 明
SF 6
リサイクル
不 明
不 明
不 明
不 明
SF 6
538.8
596.1
658.1
721.7
再 生
85.2
71.2
79.2
90.2
破 壊
0.1
23.1
24.9
回 収
631.6
698.7
771.4
538.8
596.1
658.1
721.7
再 生
85.2
71.2
79.2
90.2
24.0
破 壊
0.1
23.1
24.9
24.0
845.9
回 収
631.6
698.7
771.4
845.9
5,204.5
4,712.3
4,867.2
5,832.9
F ガス総量
リサイクル
回 収
リサイクル
F ガス総量
19,823.7
17,045.6
17,381.7
21,478.9
リサイクル
再 生
1,256.6
1,266.3
1,380.1
1,676.4
再 生
695.7
709.6
788.3
920.5
破 壊
7,211.6
6,011.0
6,067.4
7,545.6
破 壊
1,507.1
1,282.0
1,295.9
1,596.0
回 収
28,297.5
24,329.8
24,834.4
30,710.5
回 収
7,413.0
6,710.9
6,956.5
8,359.1
注: F ガスを現場で無期限に保管する施設もあるため、リサイクル、再生及び破壊の数値は、回収総量に加えることはできない。
大まかな合計には、業務用再生及び破壊施設によって報告された PFC が含まれる。しかし、そのような PFC はごく少量であるため、
データの制約により、測定されない。
U pper B ound Scenario:調査に回答しなかったすべての商業用再生/破壊施設は、調査に回答した施設の平均値(年別及びガス
別)の 50%の割合で、H F C の再生利用/破壊を行う。調査に回答した F ガス生産者/輸入業者/輸出業者は、EU -27 の生産者/輸
入業者/輸出業者が実施するすべての再生利用/破壊の 95%を占めると想定される。さらに、EU においてオンサイト(自社の施設)
で再生利用を実施する大規模な多国籍 R A C サービス企業が 5 社存在すると想定される。従って、調査に回答した一社の多国籍
RA C サービス企業は、このステークホルダーグループによって再生利用された F ガスの 20%を占めると推測される。
Low er B ound Scenario:無回答者は H F C の再生利用/破壊を実施しなかった。
出典 A nalysis on the R ecovery of F luorinated G reenhouse G ases in EU -27 in the Period 2004-2007 and D eterm ination of
O ptions for Further Progress / Prepared by: IC F International/ Prepared for: T he European C om m ission / O ctober 2008
アンケート調査で集計された破壊量は、2007 年で最も多いのが区分が明確でない H FC であり、776.5t/y とな
っている。次いで、H FC -134a が 664.6t/y、R -404A が 107.9t/y となっている。
31
図表 27 アンケート調査により把握された破壊量(t/y)
F ガスの種類
2004
2005
2006
2007
H F C -125
1.3
0.0
3.2
19.7
H F C -134a
1.7
182.3
243.0
664.6
H F C -152a
0.0
0.0
0.0
0.2
H F C -404a
0.0
260.5
273.3
107.9
H F C -407c
0.0
6.9
0.7
0.5
H F C のブレンド
1,005.0
756.0
699.7
776.5
小計―H F C
1,008.0
1,205.7
1,219.9
1,569.4
0.2
0.1
0.4
0.0
0.1
23.1
24.9
24.0
1,008.3
1,228.9
1,245.2
1,593.4
H F C 及び H F C のブレンド
PF C
C 6F 14
SF 6
SF 6
破壊された F ガスの総量
H F C 、PF C 、SF 6
出典 A nalysis on the R ecovery of F luorinated G reenhouse G ases in EU -27 in the Period 2004-2007 and D eterm ination of
O ptions for Further Progress / Prepared by: IC F International/ Prepared for: T he European C om m ission / O ctober 2008
基本的に、R ecovery、Recycling、R eclam ation、D estruction の推進には障害が存在すると考えられている。
再生施設や破壊施設が、国によっては存在しないというインフラ上の障害、回収された冷媒の低品質や多くの
再生施設でブレンドされた H FC が処理できないという技術上の障害、再生や破壊に要する費用負担として、特
に廃棄物として取り扱いに際して必要となる費用及び時間を考慮した機関損失などの経済的な障害、EU -27 内
で国を跨いで、破壊もしくは再生のために回収フロン類を輸送させるためには、廃棄物の輸送に伴う様々な、煩
雑な手続きが必要とされ、また、手続き自体も、統一されていないことで、特に関連業界やステークホルダーにと
っての法的な障害、フロン類の回収や再生、破壊に関するユーザー等の知見の無さなどの情報による障害など
がある。
32
図表 28 回収、再生、破壊に係る障害
インフラの障害:加盟国の中には F ガス純度テスト、再生利用及び/または破壊に関する能力が欠如している国がある。再生及
び破壊施設の利用は、特にそのような施設を保有しない加盟国にとって課題となる。本報告書のために収集された情報に基づ
くと、少なくとも加盟 8 カ国において既知の商業用再生施設がなく、加盟 9 カ国において破壊施設がない。
技術的障害:リサイクル済み冷媒は、質が低く、相手先商標製品の製造会社(O EM )の規格に合わせることができないという性
能特性があるため、典型的に市場では好まれない。その上、回収済み冷媒の混合物は、エンドユーザーが機器に使用される冷
媒に純度要件を設け、未使用または再生液体の使用を要求するため、リサイクル困難である。
さらに、再生施設の多くが、H FC を含む冷媒の混合物を受け入れないと思われる。なぜなら、混合物を分離させるのは困難で
あり、構成の財産的価値と関連する特許法を考慮すると、混合物をメーカーの規格に再構成するのは不可能かもしれないから
である。適切な潤滑油で再構成することも複雑である。
経済的障害:F ガスの回収とリサイクルに使用する機器の購入及び管理にかかる費用は、とりわけ小規模企業にとって大きな障
害である。さらに、非常に汚染されたリサイクル目的の回収 F ガスに関しては、エンドユーザーが再生利用または破壊のための
費用を支払わなければならない。一般的に企業は、再生または破壊施設に汚染された液体を持ち込むために料金を徴収され
るだけでなく、輸送量も支払わなければならない。また、再生または破壊施設へのアクセスは限られているため、しばしば国境を
超える廃棄物輸送が求められ、費用と時間のかかる行政的要件が生じる(下記の規制の障害を参照)。再生利用/破壊に関連
する負担は、少量の F ガスにとって特に重い。
規制の障害:廃棄物の輸送に関する R egulation (E C )1013/2006 により、廃棄または再生利用のために EU -27 内の異なる加盟
国を超えて発送される F ガス冷媒の輸送には、事前の書面による通知と同意が必要である。これは、書類作成が必要となるた
め、産業のステークホルダーによって障害として認識される。さらに、EU -27 全域で統一された規制が欠如している可能性があ
り、E U 域内におけるF ガスの移動が複雑になっている。
情報の障害:F ガス回収の必要性、回収方法及び回収後の F ガスの取り扱いに関する製造業者と顧客の認識及び知識の普及
が全体的に欠如している。例えば、高電圧開閉装置セクターにおいて、再生 SF6 は国内法に基づき、廃棄物として扱わなけれ
ばならないのかどうかという製造業者側の不確かさがある。規制に関する知識不足と適切な技法/実践に関する技術的知識の
欠如が低い回収率と排出量の増加につながっている。さらに、最寄りの再生/破壊施設の所在地に関する情報の障害もある。
事実上、この不確実さが F ガスの再生利用と破壊活動の規模を制限している。本研究が EU -27 全域の F ガス再生及び破壊施
設の名称と所在地(A nnex C :List ofF-G as R eclam ation Facilities 参照)を特定する手助けとなった一方、包括的リスト作成を進
展させるためには更なる研究が必要である。
出典 A nalysis on the R ecovery of F luorinated G reenhouse G ases in EU -27 in the Period 2004-2007 and D eterm ination of
O ptions for Further Progress / Prepared by: IC F International/ Prepared for: T he European C om m ission / O ctober 2008
回収した冷媒の処理については、再生か、破壊かを、当該機器を使用していた者が、回収を実施する前に決
定する、とされているが、EU としては、”
破壊”
の促進を考えられると思われる。
明確に、破壊を示唆するような文書は公表されていないが、提案されているF ガス規則の目的の中に以下の
記述がある。
・エネルギー効率が良く、安全な代替物質/技術や、F ガスを使用した製品や装置の密閉と使用済み時の処理
の改善を伴うF ガスの使用(use ofF -gases)を阻止(
by discouraging)
するで、E U の気候変動に関する目的を
達成するため、より経済効率の高い規則に置き換える。
33
・気候への影響が低い、代替技術や物質の市場機会を改善(im proving)
することで、グリーンテクノロジーの革
新(innovation)と開発を進める
ここでのキーワードは、”
エネルギー効率”
と”
F ガス使用の阻止”と考えられる。
このことから、再生については、“F ガスの使用阻止”という観点から、選択されるとは考えづらく、“エネルギー
効率”の面からも、“再生”は、様々な課題があるとされることから、“破壊”の促進が考えられている、との結論と
なる。
34
3. 業務用冷凍空調機器の使用時におけるフロン類の漏えい防止(使用者による冷媒管理)
「今後のフロン類等対策の方向性について(案)」で示されている対策の方向性
業務用冷凍空調機器の使用時におけるフロン類の(3.1)漏えいを防止するため、機器メーカーに対しても機器の設計や製造段
階における一層の努力が求められるところである。一方で、機器を使用するユーザーに対しても、所有ないし占有に伴う機器の
管理責任を有していることから、使用時にフロン類を漏えいしないように一層の適切な管理を求める必要がある。
具体的には、冷凍空調機器の種類や管理方法、フロン類の充填量や漏えい傾向が多種多様であることも踏まえ、以下のような
措置を講じる必要がある。
なお、冷凍空調機器の使用時漏えい防止には、機器ユーザーだけでなく機器の施工を行う設備業者の取組も重要であり、冷
媒漏えいの起こりにくい現場施工の技術水準の向上、(3.2)冷凍空調機器の管理の実務を担う知見を有する者の確保、養成等
の取組があわせて求められる。
<管理基準の設定>
機器ユーザーの(3.3)機器管理水準を引き上げるため、機器を管理する際に遵守すべき基準を国が設定し、機器ユーザーに基
準に基づいて管理をすることを求める。(当該基準の遵守状況については、必要に応じ、行政がチェックし、指導等によって履
行を確保しうる仕組みとする必要がある)
当該基準においては、機器の適切な使用環境の維持といった一般的な管理方法のほか、大型機器について知見を有する者
による定期的な点検の実施、漏えい発見時の適切な処理、その結果の(3.4)記録等を求めること等を規定することが考えられ
る。
なお、低GWP冷媒を使用する機器や冷媒漏えい等の(3.5)異常を検知できるエネルギーマネジメントシステム等が導入されて
いる機器については、点検頻度・方法を軽減することも検討される必要がある。
<冷媒漏えい量の報告制度の導入>
機器ユーザーによる管理を実効的なものとし、多種多様な機器の管理を機器ユーザーに促すため、一定以上の冷媒フロン類
を漏えいした機器ユーザーによる冷媒フロン類の漏えい量の(3.6)国への報告を求め、国において(3.6)公表する。
<繰り返し充填の防止>
適正な充填行為を確保するとともに、過度の冷媒漏えいをもたらす機器の整備不良を放置したまま、(3.7)冷媒を繰返し充填す
る等の不適切な取扱いを防止するため、業務用冷凍空調機器の修理の必要性や緊急性などを判断できる一定の知見を有す
る者が冷媒充填を行うことを確保できるような仕組みを導入する。充填を行った者は、充填量について機器ユーザーに通知す
るとともに、年間の充填量等について行政に報告することとし、行政が一定の監督を行うことが必要。なお、一定の条件を満た
す場合には、ユーザーが自ら冷媒充填を行うことは可能とする必要がある。
35
3.1 漏洩防止
改正案 A rticle 2 でオペレーターに対する漏洩予防に対する措置及び漏洩が発見された場合の速やかな対応、
さらに漏洩が発見され、修理が実施された後、1 ヶ月以内に確認作業を行うことを規定している(図表 29)。
図表 29 改正法 A rticle 2 の概要
フッ素化温室効果ガスを空気中へ意図的に放出することは、放出が使用目的において理論的に必要でない場合、禁止する。
フッ素化温室効果ガスを含む機器の管理者は、予期せぬ放出(
以下、“漏洩”
)を防止するため、安全策を取るものとする。
当該ガスの漏洩が検出された場合、管理者は機器を遅滞なく修理しなければならない。また、管理者は、機器の漏洩が修復さ
れた場合、その効果を確認するため、修復後 1 カ月以内に、有資格者による機器の検査を受けなければならない。
3.2 冷凍空調機器の管理の実務を担う知見を有する者の確保、養成等
既存指令 A rticle 5 にて、改正案では A rticle 8 にて、訓練と認証を規定している。加盟国に対してサービス等
を行う人材に対する訓練と認証のためのプログラムの設置を求め、その設置について、2015 年 1 月までに委員
会に通知しなければならない。
図表 30 改正案 A rticle 8 の概要
加盟国は、以下の者に対する訓練と認証のためのプログラムを設置するものとする。
(a) 機器の設置、サービス、メンテナンス、修理または廃棄を行う者
(b) SF 6 を含む電気開閉装置の設置、サービス、メンテナンス、修理または廃棄を行う者
(c) 漏洩検査を行う者
(d) フッ素化温室効果ガスを回収する者
パラグラフ1 において規定されている訓練プログラムは、以下のものを対象とするものとする。
(a) 適用可能な規制及び技術規格
(b) 排出防止
(c) フッ素化温室効果ガスの回収
(d) 認証の対象となる種類及び容量の機器の安全な取扱い
(e) フッ素化温室効果ガスの使用を代替する、または減少させる技術とその安全な取扱い
パラグラフ 1 と3 において規定されている認証は、最長 5 年間有効とする。これに係る者が対象物に関する知識を更新するた
め、5 年ごとに必修の定期訓練を受けている場合、加盟国は認証の有効期限を延長してもよい。
加盟国は、2015 年 1 月 1 日までに、訓練と認証のためのプログラムに関し、委員会に通知しなければならない。また、加盟国
は、他の加盟国においてなされた認証を承認するものとする。さらに、認証は他の加盟国においてなされたものであるため、加
盟国は、サービスを提供する自由または設置の自由を制限してはならない。
36
既存指令 A rticle 5 に基づく、訓練と認証のためのプログラムの設置について、定置型冷蔵機器、エアコン、ヒ
ートポンプ((
EC )N o.303/2008)
については、E U -27 の内、20 カ国が委員会に通知しており、ギリシャ、イタリア、
ルクセンブルグ、ラトビア、ポーランド、ポルトガルの 7 カ国が通知を行っていない。
防火システム((E C )N o304/2008)については、デンマークが評価/認証機関を指名しないと通知しており、先
の 7 カ国に加えてフランスを加えた 8 カ国が通知を行っていない。
高圧開閉装置((EC )N o305/2008)については、デンマークとエストニアが評価/認証機関を指名しないと通知
しており、先の 8 カ国が通知を行っていない。
溶剤((E C )N o306/2008)については、オーストリア、チェコ、デンマーク、エストニア、アイルランド、リトアニア、
オランダ、ルーマニアが評価/認証機関を指名しないと通知しており、先の 8 カ国が通知を行っていない。
カーエアコン((EC )N o307/2008)については、定置型冷蔵機器、エアコン、ヒートポンプ((EC )N o.303/2008)
同様、20 カ国が委員会に通知しており、ギリシャ、イタリア、ルクセンブルグ、ラトビア、ポーランド、ポルトガルの 7
カ国が通知を行っていない。
図表 31 2011 年 7 月現在の(EC ) N o 303/2008-307/2008 に基づく認証機関設置の通知の状況
通知義務に応じた対応
最終的な通知が
確認された認証/証明
評価/認証機関を指名
機関
しないと決定
20 カ国
ゼロ
定置型冷蔵機器、エアコン、ヒ
未提出
7 カ国 : EL, IT , LU ,
20 カ国
ートポンプ(E C )N o.303/2008
LV , M T , PL, PT
8 カ国 : EL, FR, IT ,
防火システム(E C )N o304/2008
19 カ国
18 カ国
1 カ国 :D K
LU , LV , M T , PL,PT
高 圧 開 閉 装 置 (E C )
8 カ国 : EL, FR, IT ,
19 カ国
17 カ国
2 カ国 :D K , EE
N o305/2008
LU , LV , M T , PL,PT
8 カ国 : A T , C Z, D K , 8 カ国 : EL, FR, IT ,
溶剤(E C )N o306/2008
19 カ国
11 カ国
EE, IE, LT , N L, RO
LU , LV , M T , PL,PT
7 カ国 : EL, IT , LU ,
カーエアコン(E C )N o307/2008
20 カ国
20 カ国
ゼロ
LV , M T , PL, PT
国略称 D K : デンマーク、EE : エストニア、A T : オーストリア、C Z : チ
ェコ、IE : アイルランド、LT : リトアニア、N L : オランダ、RO :
ルーマニア、E L : ギリシャ、F R : フランス、IT : イタリア、LU :
ルクセンブルグ、LV 、ラトビア、M T : マルタ、PL :ポーランド、
PT : ポルトガル
出典 Preparatory study for a review of R egulation (EC ) N o 842/2006 on certain fluorinated greenhouse gases / FinalReport /
Prepared for the European C om m ission in the context ofService C ontract N o 070307/2009/548866/SER/C 4
37
認証を行った人材は、E U 全体で、必要となる人材の 47.5%、企業では 43.3%となっている。認証された個人が
対象中で最も高い割合を示したのがオランダであり、98.7%が認証されたとされている。なお、企業では、100%と
なっている。国として、個人及び企業の双方で低いのはエストニアであり、イタリア、ポーランド、ポルトガルでは、
調査の中では、ゼロとして記載されている。
図表 32 認証された人材及び会社の数など
人口(百万人)
オーストリア
認証が必要となる
完全に認証された個人
認証が必要と 完全に認証された企業
対象個人
人 数
なる対象企業
シェア(%)
企業数
シェア(%)
8.3
2,500
1,500
60.0
1,000
600
60.0
ベルギー
10.6
4,000
3,400
85.0
900
720
80.0
ブルガリア
7.7
2,000
1,738
86.6
120
88
73.3
キプロス
0.8
1,000
850
85.0
350
315
90.0
チェコ
10.3
2,700
2,200
81.5
275
230
83.6
ドイツ
82.3
28,000
23,800
85.0
5,750
4,025
70.0
デンマーク
5.4
4,000
2,200
55.0
1,000
1,000
100
エストニア
1.3
450
45
10.0
250
15
6.0
フィンランド
5.3
4,900
1,960
40.0
2,050
1,025
50.0
フランス
63.4
45,000
25,917
57.6
18,000
12,688
70.5
ハンガリー
10.1
4,500
900
20.0
1,900
380
20.0
4.3
1,900
950
50.0
700
490
70.0
イタリア
59.1
30,000
0
0
9,000
0
0
オランダ
16.3
11,800
11,649
98.7
850
850
100
ポーランド
38.2
6,000
0
0
ポルトガル
10.6
1,700
0
0
ルーマニア
21.6
60
30
50.0
30
18
60.0
スウェーデン
9.0
5,700
5,600
98.2
900
768
85.3
スロヴァキア
5.4
900
675
75.0
300
240
80.0
スロヴェニア
2.0
600
487
81.0
300
257
86.0
60.9
19,500
15,584
79.9
6,000
4,500
75.0
169,510
99,485
58.7
57,375
28,209
49.2
58,250
8,700
15.0
7,717
0
0
227,760
108,185
47.5
65,092
28,209
43.3
アイルランド
英国
小 計
他*
合 計
495.2
*個人認証 : ギリシャ、スペイン、リトアニア、ルクセンブルグ、ラトビア、マルタ、ポーランド、ポルトガル、企業認証 : ギリシャ、スペ
イン、リトアニア、ルクセンブルグ、ラトビア、マルタ
出典 Preparatory study for a review of R egulation (EC ) N o 842/2006 on certain fluorinated greenhouse gases / FinalReport /
Prepared for the European C om m ission in the context ofService C ontract N o 070307/2009/548866/SER/C 4
これらを受け、提案されているF ガス規制では、次のような目的の記述がみられる。
38
・エネルギー効率が良く、安全な代替物質/技術や、F ガスを使用した製品や装置の密閉と使用済み時の処理
の改善を伴うF ガスの使用(use ofF -gases)を阻止(
by discouraging)
するで、E U の気候変動に関する目的を
達成するため、より経済効率の高い規則に置き換える。
・提案は、立法行為の簡略化と、公的機関(E U 及び国)と企業の管理負担の最小化を図る。
ここでのキーワードは、“
管理負担の最小化”
と考えられる。
さらに見直しに係る背景として、”既存の F ガス規則は、封じ込めと使用済み時に焦点を当ててきた。もし、ある
手法(
certain m easures)
の活用の間違いが修正されるのであれば、既存の F ガス政策は、E U におけるF ガスの
排出量を一定に保つことが期待される。しかしながら、追加的な手法が実施されない限り、絶対的に、排出量の
削減はありえない“、”提案は、E U の立法行為の改正と補足、加盟国による、実施と施行のいくつかの条項の改
善の強化に焦点を当てている”、と記述されている。
また、Regulation (E U ) N o 182/2011 に、欧州委員会の実施権限を行使する仕組み、があり、これに基づき、
“委員会によって、機器の設置やサービス、メンテナンス修理、廃棄に関する記録、訓練と認定プログラムの通
知、製品や装置のラベルに関する様式の決定、域内市場の H FC の量を基礎とした輸入業者と生産者のための
基準値の決定、提出が求められる報告書の様式と手段の決定について協議される”とされる、との記述があるこ
とから、今後は、現行の F ガス規則により進められてきた、加盟国による仕組みの構築から、委員会としての仕組
みの構築に移ると考えられ、加盟国の負担を減らしつつ、制度の効果を上げるような取り組みが進められていく
と考えられる。
39
3.3 機器管理水準
改正案 A rticle 3 では、既存指令 A rticle 3 で規定されていたフロン類の充填物質量ではなく、C O 2 換算量での
区分が設けられている。
図表 33 改正法 A rticle 3 の概要
フォームには含まれない地球温暖化係数が C O 2 換算 5 トンのフッ素化温室効果ガスを含む機器の管理者は、機器の漏洩検査
を受けなければならない。しかし、地球温暖化係数が C O 2 換算 10 トン以下の、ラベル表示のされた密封システム搭載機器は、
この A rticle に基づく漏洩検査の対象とはならない。
検査は以下の頻度で実施されるものとする。
(a) 地球温暖化係数が C O 2 換算 5 トン以上、50 トン以下のフッ素化温室効果ガスを含む機器は、年に最低 1 回、漏洩検査を
受けなければならない。
(b) 地球温暖化係数が C O 2 換算 50 トン以上、500 トン以下のフッ素化温室効果ガスを含む機器は、半年毎に最低 1 回、漏洩
検査を受けなければならない。
(c) 地球温暖化係数が C O 2 換算 500 トン以上のフッ素化温室効果ガスを含む機器は、3 カ月毎に最低 1 回、漏洩検査を受け
なければならない。
これに加え、D irective 2010/31/E U E nergy Perform ance ofB uildings では、12kW 以上の性能を有したエアコ
ンシステムを構成する部品の定例検査制度の確立を加盟国に求めており、これは、F -gas 充填量 3kg 以上程度
が対象となる。
ドイツは、欧州 F ガス規則に加え、オゾン層破壊物質に関する政令で、機器の漏洩率の上限を設定している。
図表 34 ドイツ オゾン層破壊物質に関する政令
冷凍空調機器分野に関する独自の法規制として、オゾン層破壊物質に関する政令がある。この政令は、オゾン層破壊物質(ハ
ロカーボン、C F C 、H C F C )の排出を削減する国際的取組みに対して協調し、国内規則を共同体規則に調和させるため、2006
年 12 月 1 日に施行された(最新改正 2008 年 5 月 20 日)。これは、「オゾン層破壊物質に関する共同体規則(EC N o 2037/2000)
の規定を補完し、それ以前のドイツ国内での規制の根拠であった C FC ・ハロカーボン禁止令(1991 年制定)に代わるものであ
る。
ここでは、業務用冷凍空調機器について、稼働中の機器の冷媒漏洩率を充填量と設置時期ごとに制限している(4 条)。
・2008 年 7 月 1 日以降に設置された機器で、冷媒充填量~10kgのものは 3%、10~100kg のものは 2%、100kg~のものは 1%
の冷媒損失率をそれぞれ超えてはならない
・2005 年 6 月 30 日~2008 年 6 月 30 日に設置された機器で、冷媒充填量~10kgのものは6%、10~100kgのものは 4%、100kg
~のものは 2%、の冷媒損失率をそれぞれ超えてはならない
・2005 年 6 月 30 日以前に設置された機器で、冷媒充填量~10kgのものは 8%、10~100kg のものは 6%、100kg~のものは
4%、の冷媒損失率をそれぞれ超えてはならない
また、対象物質を使用する機器の運転、メンテナンス、廃棄時の排出回避措置を実施すること、その措置に係る物質取扱者の
資格要件、対象物質の回収および引取りに関するルールなどについて規定している。
40
3.4 記録
改正案 A rticle 5 では、オペレーターに対するメンテナンス記録が規定されている。
図表 35 改正法 A rticle 5 の概要
フォームに含まれないフッ素化温室効果ガスを含む機器の管理者は、機器を特定するための以下の情報の記録を機器ごとに
作成及び保存しなければならない。
(a) 封入されているフッ素化温室効果ガスの量と種類
(b) 追加されたフッ素化温室効果ガスの量とその追加理由
(c) 回収されたフッ素化温室効果ガスの量
(d) 観測された漏洩率
(e) 機器の設置、サービス、メンテナンス、及び必要に応じて修理または廃棄を行った企業及び個人の特定
(f) A rticle 3(1) and (3)の基づき実施された検査の日付及び結果
(g) 機器が廃棄された場合、フッ素化温室効果ガスの回収及び処分方法
加盟国の所轄官庁が設置したデータベースに記録が登録されていない場合、パラグラフ1 に規定されている管理者は、機器の
廃棄後最低 2 年間まで、記録を残しておかなければならない。
加盟国の所轄官庁が設置したデータベースに記録が登録されていない場合、管理者のために作業を行った者または企業は、
最低 5 年間、記録の複写を保存しておかなければならない。
記録は、要請に応じ、所轄官庁または委員会に利用されるものとする。
既存指令 A rticle 3 に規定されていた記録の実施状況については、E U -27 の内、記録の要求を行ったとする
国が 16 カ国、行っていない国が 10 カ国となっており、その内、記録の分析がなされた国は 4 カ国、国としてのア
セスメント報告書が作成/公表されたのは 2 カ国となっている。
図表 36 既存指令における記録の実施状況
加盟国の数
はい
いいえ
報告無し
記録の要求を行ったか
16
10
1
記録の分析を行ったか
4
21
2
国家アセスメント報告書を作成したか
2
24
1
出典 Preparatory study for a review of R egulation (EC ) N o 842/2006 on certain fluorinated greenhouse gases Final Report,
Prepared for the E uropean C om m ission in the context ofService C ontract N o 070307/2009/548866/SER/C 4,D r.W infried
Schw arz, B arbara G schrey, D r. A ndré Leisew itz (Ö ko-Recherche G m bH )他、Septem ber 2011
ログブックの設置については、大規模スーパーなどでは、ほぼ全てで設置されているとされているが、小規模
な店舗ほど、設置の状況は悪化する。
41
図表 37 アンケート調査によるログブックの設置状況(5 全てのオペレーターが保有、1 少ないオペレーターが保有)
大規模チェーン店
デンマーク
*
英国
**
フランス
***
スペイン
*
ギリシャ
*
5
5
3-4
3
3
n.a.
2
2
1
1
3
1
1-2
1
1
4-5
4
3-4
4
4
4
2-3
n.a.
1
1-2
4-5
5
4-5
3-5
4-5
スーパーマー
ケット
小規模店(フランチャイズストア、食料
雑貨店、コンビニエンスストア、その他)
小規模な業務用機器
病院、銀行、保険、ホテル、ショッピン
大 規 模 な業
グモール
務用機器
社員食堂、レジャー(スポーツ、映画
館)
工業用機器
* 一つの企業の結果、** 3 つの企業の結果、*** 一つの企業とA lliance Froid C lim atisation Environnem ent. n.a.: 回答無し
1: いくつかの運営事業者が記録を保有(<20%)、5: 全ての運営事業者が記録を保有(≥80%)
出典 Preparatory study for a review of R egulation (EC ) N o 842/2006 on certain fluorinated greenhouse gases Final Report,
Prepared for the E uropean C om m ission in the context ofService C ontract N o 070307/2009/548866/SER/C 4,D r.W infried
Schw arz, B arbara G schrey, D r. A ndré Leisew itz (Ö ko-Recherche G m bH )他、Septem ber 2011
3.5 異常を検知
改正案 A rticle 4 では、C O 2 換算で 500t 以上の冷媒を充填した機器のオペレーターに対して、漏洩検知装置
の設置を規定している。
C O 2 換算で 50t以上で 500t未満の機器で、漏洩検知装置が設置されているものについては、少なくとも12 ヶ
月に 1 回の頻度で漏洩確認を実施する。
3.6 国への報告、公表
改正案 A rticle 18 では、加盟国による排出量の集計が規定されており、加盟国は、上記メンテナンス記録の集
計を行う仕組みの構築、もしくは、サンプリングによる推計システムのいずれかの構築を行う必要がある。
図表 38 改正法 A rticle 18 の概要
加盟国は、フッ素化温室効果ガスの排出量に関するデータを収集しなければならない。そのため、必要に応じて、以下のいず
れかのシステムを構築しなければならない。
(a) A rticle 5(1)に基づいて記録されたデータを収集するためのデータベースを国レベルで保有するシステム
(b) A rticle 5(1)で規定されている管理者の代表的なサンプルからの排出量に関する調査を実施し、その調査から結果を引き
出すシステム
他の、報告、公表に関する制度として、欧州汚染物質排出登録制度がある。
42
図表 39 欧州汚染物質排出登録制度の概要
制度名称
E uropean Pollutant E m ission Register(E-PRT R )(欧州汚染物質排出登録制度)
対象ガス(対象物質) 91 物質(E PE R では 50 物質)
(温室効果ガス:C O 2、C H 4、N 2O 、H FC s、PFC s、SF 6、N M V O C 、H C FC s、C F C s)
対象要件
物質により異なる裾きり基準(施設当たり)が設定されている。
C O 2 :10 万 t、C H 4 :100 t、N 2O :10 t、H FC s:100kg、PFC s:100kg、SF 6 :50kg、N M V O C :100t、
H C F C s:1kg、C F C s:1kg
対象施設数
約 25,000 施設(E U 27 カ国+アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイスの 2008 年データ)
算定方法
直接計測方法、活動量と排出係数より算定する計算方法、その他推計方法の三種類の把握方法を認
めている。
(算定方法の種類)
M : m easured; A nalyticalM ethod used(直接計測)
C : calculated; C alculation M ethod used(計算)
E : estim ated(推計)
公開・開示データ
親会社の名前、施設の名前、施設の住所、施設の経・緯度、N A C E コード(4 桁)、主な経済活動、生
産量(任意)、規制当局(任意)、設備数(任意)、年間操業時間数(任意)、従業員数(任意)、事業活
動/工程(事業コード)、担当者連絡先
裾きり基準を超える汚染物質排出データ(汚染物質名、排出量)
出典 環境省ホームページ http://ghg-santeikohyo.env.go.jp/docum ent/os_system #eu
3.7 冷媒を繰り返し充填
改正案 A rticle 11 パラグラフ3 では、2020 年 1 月 1 日以降の、G W P 値 2,500 以上の冷媒の使用及び、5t-C O 2
以上の充填サイズを有する機器のサービス及びメンテナンスを禁止している。
図表 40 改正案 A rticle 11 パラグラフ3
2020 年 1 月 1 日から、充填量が C O 2換算 5 トン以上の冷蔵機器のサービスまたはメンテナンスにおいて、地
球温暖化係数 2,500 以上のフッ素化温室効果ガスまたはフッ素化温室効果ガスを含む混合物を使用すること
を禁止する。
43
4. その他
「今後のフロン類等対策の方向性について(案)」で示されている対策の方向性
1.経済的手法
本合同会議において、環境省が実施した調査に基づき、「冷媒メーカーへの課税」「機器メーカーによるデポジット制度」「機器
メーカーによる課金制度」の各(4.1)経済的手法が提示された。それぞれの手法について、適切な制度設計が行われれば関係
者の回収インセンティブの向上やフロン類等対策の強化等に効果があるのではないかとの意見があった一方で、制度による回
収率向上等の効果が不明瞭であることや負担の公平性が担保されないこと、過大な行政コストが発生すること等、様々な課題
の指摘があった。さらに、オフセット・クレジット制度のような手法によるHFCの排出抑制に係る取組の推進等についても検討す
べきとの意見もあった。経済的手法の導入についてはこれらの課題等を踏まえ、引き続き検討が必要である。
2.産業界による自主的な取組
フロン類等対策分野においては、代替フロン等3ガスが極めて強い温室効果を有していることから京都議定書における排出削
減義務の対象ガスに指定されたことをうけて、産業界による自主的な取組(自主行動計画)が実施されてきた。その取組の中で
工場等における除害装置の設置やガスの代替等が進み、代替フロン等3ガスの排出量は大幅に減少し、京都議定書目標達成
計画の達成に大いに貢献してきたところである。引き続きフロン類等の排出を抑制していくためには、このような取組の継続は不
可欠であり、今後、本報告で提言するフロン類等対策の枠組みの下、産業界による自主的な取組としてどのようなものが求めら
れるかについて、検討が必要である。
3.フロン類等対策の取組が評価される環境づくり
本報告で提言する制度面での対策を円滑に進めるためには、フロン類等対策を行った者の取組を適正に評価し、対策インセ
ンティブの向上を図ることが不可欠である。
具体的には、ユーザーの対策インセンティブを高めるものとして冷媒回収の取組の成果を環境報告書等で定量的に評価するこ
とや、ノンフロン・低GWP製品を積極的に採用する事業者に対する環境貢献を明確化すること、回収事業者の技術力向上に
向けたインセンティブを高めるものとして、優秀な技術や実績を有する事業者についての表彰、公表制度を設けること、回収事
業者への巡回技術指導等の積極的な取組を行っている自治体の活動の周知等を行うことがあげられる。
また、ユーザーや事業者の対策インセンティブ向上を図ることに加えて、ノンフロン・低GWP製品を普及させていくために、フロ
ンの「見える化」等の啓発活動により、社会全体のフロン対策に係る意識向上に努めることも重要である。具体的には、「見える
化パートナー」等の新たな取組を進展させることにより消費者への啓発を進めるとともに、コンビニエンスストア業界における「見
える化」実施等の先進的な取組の周知をすることで、このような取組の拡大に努めること等が考えられる。
4.対策効果のフォローアップ
本報告で提言するフロン類等対策強化については、対策の効果を具体的に把握し、必要に応じて問題解決のための追加的対
策を講じ、フロン類の大気中への排出の抑制を確実に推進することが必要である。特に、ガスメーカー、機器・製品メーカー、機
器ユーザー、回収や破壊・再生に携わる事業者等が、適切な役割分担の下で、機器使用時・廃棄時のフロン類の環境放出を
最小化することを目指すこととしていることから、対策の効果を全体として確認するためには、専門的かつ多様な観点による確認
が必要であり、また、対策を確実に推進するためには、継続的な確認が必要であることから、有識者による効果検証を行うことが
必要である。なお、その際、各対策の効果とフロン類全体としての物質フローにも留意しつつ、国民が容易に把握しうるような評
価指標が体系化されることが望ましい。
44
4.1 経済的手法
2001 年の EC O T EC が公表したレポートで、EU の環境に対する課税措置の考え方がまとめられている。
これは、E U 全体としての C O 2 T ax をはじめとする課税措置の導入失敗を教訓としているもので、加盟国それぞ
れが有する優先事項があり、いくつかの加盟国では、税額の増加や新たな課税措置及び課徴金に対して強い
遠慮(strong reservations)があり、政治的な観点から、税の導入は、他の選択肢と較べてより政治的なものであ
る、という点を上げている。
図表 41 E U における環境に対する課税措置に対する考え方
過去、E U においては統一した課税スキームに関して合意に至るのは困難であった。過去に C O 2 tax の実施案は否決され、最
小エネルギー課税はやや低いレベルのままであり、農薬、N O x、埋め立て、廃水に関する環境税スキームは EU レベルではな
く、加盟国レベルでのみ実施されている。それは、加盟国が、この分野においてそれぞれ異なる国の優先事項を有しており、加
盟国の中には、増税や新たな課税及び課徴金を強く危惧する国もあったためである。“Study on Environm ental T axes and
C harges in the E U ”(E C O T E C など、2001 年)においても、“一般的に、課税は、他国と共同で実施するというよりも、各国が単独
で導入すると手法がとられてきた”と結論付けられている。したがって、政治的観点から、EU レベルでの課税スキームは、同項
(this section)における他の選択肢と比べて、政治的により困難である可能性がある。
出典 Preparatory study for a review of R egulation (EC ) N o 842/2006 on certain fluorinated greenhouse gases / Final Report
Prepared for the European C om m ission in the context ofService C ontract N o 070307/2009/548866/SER/C 4
このようなことから、冷媒への課税は、基本的に、フロン類を輸入している国が、関税として徴収しているケース
となり、フロン類を使用しない技術を従前より採用してきた国となっている。
デンマーク、スロベニア、スイス、ノルウェーは、基本的に伝統的な自然系冷媒の使用による国内産業の保護が
主な目的とされ、オーストラリアについては、カーボンプライスの導入に伴い、代替技術への転換をユーザーに
促すために導入された。
(1)デンマークにおけるdeposit-refund schem e(預入金-返金スキーム)及び課税、使用禁止
デポジット-払い戻し金スキームは 1992 年、デンマークで D anish Refrigeration Installers’E nvironm ental
Schem e(デンマーク冷蔵庫設置業者環境スキーム)(K M O システム)によって確立された。スキームの目的は、
あらゆる種類のハロゲン化冷媒の排出防止及び企業や人材の訓練と認定である。この自発的スキームの主要
政策は以下のものを含む。
K M O の一員であるサービス企業のみが合成冷媒(国内産はではない)の輸入業者から新たな冷媒を購入で
きる。
エンドユーザーは機器に充填されている冷媒に対し料金を支払い、その料金はサービス会社(訓練と回収機
器にかかる費用)とK M O (
事務局の資金、再生利用と破壊処理のためのインフラ、返金)
に割り当てられる。
サービス会社は使用済み冷媒を K M O の再生利用と破壊処理施設に返還した際に返金を受け取る。返金額
は回収された冷媒の純度による。
K M O は使用済み冷媒の再生利用と破壊処理を行っている。再生ガスはサービス会社に 1kg当たり約 4 デンマ
ーククローネ(
D K K )(
約 0.5 ユーロ)で販売され、K M O の資金調達に寄与する。
施設内の再利用と再生利用におけるH FC 回収に関するデータは入手できない。予備のデータによると、再生
利用と破壊処理施設に K M O メンバーが返還した冷媒の量はその販売量に比べ安定している。
デンマークにおける K M O メンバーに対する冷媒の販売量(
あらゆる種類の合成冷媒を含む)
及び再生利用と
45
破壊処理施設への返還量の推計は以下のとおりである。
表 1
K M O メンバーに対する冷媒の販売量とK M O への返還量
K M O メンバーによる冷媒の販売量
K M O への冷媒の返却量
1998
約 400 – 500 トン
約 23 トン
2010
約 300 トン
約 9-15 トン
割合
5%
3.5%
H FC 、PF C または SF 6 の輸入時に、C O 2 換算トン当たり100 デンマーククローネ(
DKK)
(
約 13 ユーロ)
の税金
が課されるというものであった。2011 年 1 月から、課税額は、50%増加し、C O 2 換算トン当たり150 デンマーククロ
ーネ(
D K K )(
約 20 ユーロ)
となった。つまり、現在、1 キログラム当たり195 デンマーククローネ(
D K K )(
約 26 ユ
ーロ)
の税金が最も使用頻度の高い F ガス冷媒(H FC -134a)
に課されているということである。カーエアコンにお
けるH FC の使用に関しては、課税が免除されている。
実際には、すべてのバルクガスと輸入製品に対する課税により、システムは実施されている。課税は、D anish
M inistry ofT axation の下部組織であるD anish C ustom s and T ax A dm inistration によって運営されている。
産業による特定の温室効果ガスの規制に関するD anish Statutory O rder、no.552 は、2006 年 1 月 1 日からの、
F ガスを含む、もしくは使用する新たな製品の全面禁止を定めている。
この全面禁止措置が免除されているものもある。例えば、H FC 充填量 0.15 キログラムから10 キログラムまでの
冷却装置に関しては、冷蔵システムにおけるH FC の使用が依然として許されており、サービス目的の H F C 使用
には、Statutory O rder が適用されない。2002 年には、この分野における代替物の開発にはより長い時間を要す
ると推測されたため、この免除の“w indow ”を導入する必要があった。
また、H FC 含有製品の輸出も禁止措置が免除されている。
(2)スロベニアにおける課税スキーム
スロベニアは 2008 年、F ガス使用に課される環境税に関する規制を採用し、2009 年 1 月 1 日に施行した。課
税額は C O 2 換算で表す pollution units(
汚染ユニット)
に基づいて算定される。スロベニア政府は毎年、汚染ユ
ニット当たりの価格を決定する。2009 年、2010 年及び 2011 年の汚染ユニット当たりの価格は据え置きで、
0.0125 ユーロであった。
課税額は F ガスの用途による。充填済み機器と固定式機器への初期充填が課税 5%である一方、機器のサー
ビスと維持に使用されるF ガス量は課税 100%である。
スキームおける現在の問題は、課税が E U 内外の近隣諸国で適用されておらず、当該諸国において企業は F
ガスをより安く購入できるということに関連している。更に、再生利用と破壊処理のために回収された F ガスに対
する課税リベートはスキームに含まれていない。現在、課税スキームの効率性向上のため、現行規制の改正が
議論されている。
(3)Risk Reduction (リスク削減)スキームに関するSwiss O rdinance (スイス条例)
スイスにおいては、Sw iss O rdinance on R isk Reduction は特定の非常に有害な物質、調剤及び成形品の使用
(SR 814.81)
に関連するものであり、最近では 2005 年に改正されている。「substances stable in air(空気中で安
46
定している物質」(SSA )」
には、G W P が 140 から11,700 の H FC 、あらゆるPFC 、SF 6 及び N F 3 が含まれている。
従って、H FC -152a は対象外である。同 O rdinance(条項)では SSA は一律に禁止されているが、付属書に挙げ
られている特定のセクターに関しては免除が認められている。禁止措置は家庭用冷蔵庫、冷凍庫、除湿機及び
エアコンにも適用される。車両空調システムの生産及び上市は、代替物が使用できない場合免除される。
禁止措置は泡消火剤にも適用される。ただし、断熱が他の資材では不可能な場合を除く。溶媒セクターにお
いては、装置の表面処理に使用される SSA は全面禁止措置から免除される。当該装置の自動閉鎖システムは
SSA の質量流速<100 g/ h かつ濃度<1 g/ m 3 の場合にのみ開封するものである。(C lean A ir O rdinance(
クリー
ンエア条項)
付属書 2、N o 87 の要件による)
H FC 含有のエアロゾル製品は全面的に禁止されている。電圧下の
装置の清掃に使用されるM D I、構成要素が 1 種類の発泡剤(one com ponentfoam s)及びスプレーに関する免除
もある。スイスの法律は、H FC 含有の工業用エアロゾルに関し、禁止措置の対象となる点で、EU の法律よりも厳
しい。冷蔵庫とエアコンセクターに関しては、SSA >3 kg が充填されている機器に以下の要件が適用される。
(4)ノルウェーにおけるH FC 及び PFC に対する課税
ノルウェーでは、 2003 年 1 月 1 日に、H F C 及び PFC に対する課税制度が導入され、現在、輸入または生産
されるガス(バルク及び充填済み機器内)
の C O 2 換算 1t
当たりに対する課税は 204.99 ノルウェークローネ(N O K )
(約 25 ユーロ)となっている(
ノルウェーにおける鉱油の税率にほぼ等しい)。2004 年 7 月 1 日から、この課税制
度は、破壊処理のために運び込まれたあらゆるH F C とPFC に適用される返金スキームと同様のリベートに関す
る規定によって補完されている。H F C は国内では生産されていない。
報告によると、課税と返金スキームによって、メンテナンスが改良され、古い機器からガスを抜く際の作業が改
善された。更に、G W P の低い H FC または代替物質とプロセスを選択する強いインセンティブとなっており、これ
は G W P の高い F ガスの輸入減少に反映されている。
(5)
オーストラリアにおけるH FC 等 3 ガスに関するカーボンプライス
[制度の内容と目的]
オーストラリア政府の C lean E nergy F uture Plan のもと、京都議定書に記載されている合成温室効果ガスは、
O zone Protection and Synthetic G reenhouse G as M anagem ent legislation によりequivalent carbon price(
同等の
カーボンプライス)が適用される。対象となるガスには、ハイドロフルオロカーボン、パーフルオロカーボン(アルミ
ニウム製錬から生産されるガスは除く)、六フッ化硫黄、及びこれらのガスを含む機器または製品が含まれる。
これらの措置は、輸入または製造の時点で適用される課税とともに、2012 年 7 月 1 日に開始された。
温室効果ガス 1 トン当たりの価格は、カーボンプライスと C O 2 に関連する各ガスの地球温暖化係数(G W P)
に
基づいている。温室効果ガスに対するequivalent carbon price の適用は、合成温室効果ガス1 トン毎に価格を
つけることにより、排出量を削減するためのインセンティブとなる。equivalent carbon price は、企業と顧客に以下
の活動を促す。
 合成温室効果ガスのリサイクル促進
 冷媒ガスの漏洩を減らすため、既存の機器に対するサービスの改善
 G W P の低い冷媒を使用し、目的に合うように設計された機器への移行。ただし、この移行が適切で、関連
する安全基準と法的要件を満たす場合に限る。
47
 安全で G W P の低い冷媒とその冷媒に合うように設計された機器を開発するためのメーカーによる革新
equivalent carbon price により、オーストラリアの消費者は代替ガスを含む製品の購入を検討し、機器からのガ
ス漏洩を減少させるための措置を講じるようになる。更に、equivalent carbon price は、企業が代替ガスを使用し、
これらのガスのリサイクル率を向上させるインセンティブとなる。
[計算方法]
equivalent carbon price は、2012 年 7 月 1 日から支払われなければならない。その価格は、ガスの C O 2 換算ト
ン数とカーボンプライスを掛け合わせることにより決定される。
さらに、企業は、O zone Protection and Synthetic G reenhouse G as M anagem ent A ct 1989 に基づき、現行の
cost recovery levy も支払わなければならない。これは、温室効果ガスの実トン数と規定の課税率(
1 トン当たり
165 ドル)
を掛け合わせることにより決定される。
Step 1
ガスのメートルトン数に当該ガスの G W P を乗じる。
Step 2
Step 1 で得られた回答に carbon pricing m echanism において適用される課税額を乗じる。
• 2012 年から2013 年においては、23.00 ドル
• 2013 年から2014 年においては、24.15 ドル
• 2014 年から2015 年においては、25.40 ドル
Step 3
ガスの実トン数に 165 ドル(
cost recovery levy)を乗じる。
Step 4
Step 2 の回答とStep 3 の回答を足し、支払総額を算出する。
例
2012 年 7 月 4 日にある企業が 1 トンの H FC -134a をオーストラリアに輸入する。その場合、支払うべき
equivalent carbon price 総額は、以下のように計算され、2 万 9,900 ドルとなる。
• 1 ( H FC -134a のトン数) x 1,300 (H FC -134a の地球温暖化係数) = 1,300 x 23 ドル (適用されるカーボ
ンプライス) = 2 万 9,900 ドル
支払うべきcost recovery levy は、以下のように計算され、165 ドルとなる。
• 1 ( H FC -134a のトン数) x 165 ドル (規定の税率) = 165 ドル
以下のように、equivalent carbon price とcost recovery levy を足すことにより、支払総額は、3 万 65 ドルとな
る。
• 2 万 9,900 ドル (equivalent carbon price) + 165 ドル (cost recovery levy) = 3 万 65 ドル
48
一般的に、消費者製品におけるこれらのガス量は少量であるとともに、温室効果ガスの含有量が全体的な製
品価格に占める割合は小さいため、消費者に与える影響は低い。
例えば、家庭用冷蔵庫の価格は 4 ドルほど上昇する可能性があり、エアコンに含まれる温室効果ガスにより、
新車価格は 18 ドルほど上昇する可能性がある(equivalent carbon price の全額が消費者に転嫁される場合)。
オーストラリアにおいて、SF 6 は、主に配電ネットワーク用の開閉装置に使用される。年間約 10 トンから 20 トン
の SF 6 がオーストラリアに輸入される。より少量の SF 6 は、以下のものを含む様々な用途で使用される。
 半導体製造時のシリコンのプラズマエッチングなど、電子産業における非常に特殊化された加工作業
 目の手術など、専門的な医療措置
SF 6 をバルクガスとして輸入するための C ontrolled Substances licence があり、前払いで 1 万 5,000 ドルの出願
料が適用される。または、SF 6 などの合成温室効果ガスを含む製品を輸入するための O zone D epleting
Substance/Synthetic G reenhouse G as E quipm ent licence (以前の Pre‑C harged E quipm ent licence)があり、前払
いで 3,000 ドルの出願料が適用される。
[仕組み]
温室効果ガス含有機器の輸入を含む温室効果ガスの輸入業者は、equivalentcarbon price を支払わなければ
ならない。現在、これらのガスはオーストラリアで製造されていないが、国内製造業者は equivalent carbon price
を支払わなければならない。
オーストラリアにおいて、equivalent carbon price の義務は、これらのガスの輸入または製造の時点で生じる。
結果として、これらのガス(
バルク及び製品や機器に含まれるもの)
の輸入業者は、equivalent carbon price を支
払わなければならない。オーストラリアにおいて、これらのガスは製造されていないが、製造業者も equivalent
carbon price を支払わなければならない。
温室効果ガスの輸出入と製造は、O zone Protection and Synthetic G reenhouse G as M anagem ent A ct 1989
(the A ct) 及び the O zone Protection and Synthetic G reenhouse G as M anagem ent Regulations 1995 (the
R egulations)に基 づ き規 制されている。この法 律 は、オー ストラリア政 府の D epartm ent of Sustainability,
E nvironm ent, W ater, Population and C om m unities (the departm ent)によって施行されている。
2012 年 7 月 1 日に先立ち、ハイドロフルオロカーボン(H FC )を含む冷蔵または空調機器、及びハイドロクロロ
フルオロカーボン(
H C FC )
を含む冷蔵機器の輸入業者は、A ct に基づき、ライセンスが必要となった。2012 年 7
月 1 日から、A ct に基づく輸入業者の義務範囲は拡大した。現在、輸入業者は以下のものを保有する義務があ
る。
 H FC 、パーフルオロカーボン(PF C ) 及び/または 六フッ化硫黄 (SF 6)を含む輸入製品のための O zone
D epleting Substance/Synthetic G reenhouse G as Equipm ent licence (以前の Pre-C harged E quipm ent
licence)
輸入業者は、二つの要素から成るquarterly im port levy を支払う義務もある。
49
(ⅰ)輸入品 1 トン当たり165 ドルを課す現行の費用回収要素(規定の税率要素)。これは O zone/SG G スキー
ムの運営費に充てられる。
(ⅱ)
equivalent carbon price に基づく新たな carbon charge 要素。これは、輸入ガスの G W P に輸入量と輸入
時におけるequivalent carbon price を乗じて算出される。
政府は、equivalent carbon price (2012 年 7 月 1 日から)を含む A ctのライセンスと報告義務を監視、施行する
ための nationalcom pliance program を実行している。
遵守及び執行活動は、政府とdepartm entの法的及び行政的ガイドラインに従って実施されている。
ライセンシーは、各四半期末の 15 日以内に四半期報告書を提出するなどのライセンスに課された条件の遵守
状況を確認するために監視されている。
オゾン層破壊物質と合成温室効果ガスは、それらを含有する機器を含め、サプライチェーンを通じて監視され
ている。A ustralian C ustom s and B order Protection Service と協力し、the departm ent は、遵守の徹底と執行活
動のため、様々なモニタリングと調査に関する措置を講じている。
公認調査官が合成温室効果ガス-バルクガス形態または機器内含有-を取り扱う企業の施設を訪問し、試験用
ガスサンプルを検査、分析、試験するか持ち帰る、及び/またはガスに関する記録を閲覧する可能性もある。
非遵守の疑いがある場合、多数の遵守指標を用いて評価され、優先順位が付けられる。
A ct
違反は、調査された後、違反通知書が発行されるか起訴される可能性がある。ライセンシーがもはやライセ
ンス保有適格者ではない、またはライセンスの条件に違反した場合、ライセンスは取り消されることもある。
政府は、非遵守活動を停止するよう連邦裁判所による強制命令を求める場合もある。
強制命令または起訴が成功すると、政府によって公表されることになる。
A ct に違反したことが判明した違反者は、継続的な遵守のために監視され、現場訪問の追加的実施など政府
が遵守活動を強化する対象となる可能性がある。
A ctに基づく違反と罰則は、次頁の表に提示されている例を含むが、これらに限定されない。
A ct においては、ライセンシーは、課税が関連する四半期終了後 60 日以内に licence levies(ライセンス税)
を
支払わなければならない。期限までに税金を支払わなかった場合、全額支払われるまで、未払い額に対し年
30%の罰金が科される。
50
表 2 罰則と課徴金
違反/民事罰則
controlled substances licence なしに合成温室
違反に対する罰
民事罰則 – 個人
民事罰則– 法人
金(罰金単位/$)
(罰金単位/$)
(罰金単位/$)
違反規定
13 (1A )
$85,000
$340,000
$1,700,000
13(6A )
$85,000
$8,500
$42,500
空気中への SG G の放出につながる行為
45B (1,2A )
$51,000
$8,500
$42,500
SG G または SG G を含む製品の輸入、輸出また
46
$10,200
$8,500
$42,500
は製造に関する報告の不履行
46A (1,2,3, 4)
効果ガス(SG G )を製造、輸入または輸出
O D S/SG G 機器ライセンスなしに O D S または
SG G を輸入
検査官に差し押さえられた物品に係る移動、 60(1)
懲役 2 年、または(個人-$20,400、法人- $102,000)
改造または干渉
検査官に差し押さえられた物品に係る移動、 60(2)
懲役 2 年、または(個人-$20,400、法人- $102,000)
改造または干渉を妨げない行為
ライセンス申請における虚偽のまたは誤解を
62(1)
懲役 2 年、または(個人-$20,400、法人- $102,000)
検査官に対する虚偽または誤解を与える陳述
62(2)
懲役 12 カ月、または(個人-$10,200、法人- $51,000)
ライセンスの四半期報告または記録における
62(3)
懲役 2 年、または(個人-$20,400、法人- $102,000)
62(4)
懲役 2 年、または(個人-$20,400、法人- $102,000)
63(1)
懲役 6 カ月、または(個人-$5,100、法人- $25,500)
64(1)
懲役 12 カ月、または(個人-$10,200、法人- $51,000)
与える陳述
虚偽のまたは誤解を与える陳述
ライセンスの条件の一環として提出するよう義
務付けられている報告における虚偽のまたは
誤解を与える陳述
検査官またはその補佐官に対する妨害、阻
止、抵抗
検査官の質疑に対する応答または検査官が
要求する証拠書類の提出の拒否または不履
行
民事罰則規定違反に係る企て、幇助、教唆、 65A B
該当なし
$8,500
$42,500
誘導、共謀等
出典 C O M PLIA N C E A N D E N F O R C E M E N T A R R A N G EM EN T S FO R SY N T H ET IC G REEN H O U SE G A SES, D ecem ber 2012,
D epartm ent ofSustainability, E nvironm ent, W ater, Population and C om m unities, A ustralian G overnm ent
ライセンス保有者は、温室効果ガスを輸出する場合、equivalent carbon price の相殺を要求することができる。
また、輸入業者も、これらのガス(またはカーエアコンのように、これらのガスを含む製品)を輸出する企業に
on-sellする場合、ガス輸入後 12 カ月以内に相殺を求めることができる。
輸 出 還 付 金 の 申 請 資 格 者 となるため に は 、controlled substances licence または ozone depleting
substance/synthetic greenhouse gas (O D S/SG G )equipm ent licence のいずれかを保有し、以下の事項を証明で
きなければならない。
51

ライセンシーは、過去 12 カ月のうちに温室効果ガスまたは機器を輸入した。

合成温室効果ガスに課された equivalent carbon price を支払った。

ライセンシーは、温室効果ガスまたは機器を輸出した。
さらに、ライセンシーは、温室効果ガスまたは機器をライセンシーから購入後、それらを輸出する顧客に代わっ
て、輸出還付金を請求することもできる。
ライセンシーは、D epartm ent ofSustainability,E nvironm ent,W ater,Population and C om m unities のウェブサイ
トを通じて、還付金の申請をすることができる。申請プロセスの一環として、ライセンシーは、解説文書をアップロ
ードし、提供された情報の正確さに関する申告を行わなければならない。
ライセンシーは、四半期に一度、還付金の申請ができる。
ライセンシーは、政府が意思決定できるのに十分な情報を提供する義務があり、申請書の記述内容を証明す
るため、以下の書類の提出を求められるかもしれない。

温室効果ガスまたは機器の輸入量、輸入したガスの種類、及び輸入日付が記載された輸入申告書

温室効果ガスの輸出量や輸出日付等の記載を含む、合成温室効果ガスまたは機器が輸出されたというこ
とを証明する輸出申告書

輸出される温室効果ガスまたは機器、輸出先及び到着予定日付が記載された運送証券

温室効果ガスまたは機器に課された輸入税の納付領収書

温室効果ガスまたは機器の所有権の譲渡を証明する商業送り状またはその他の書類(還付金を申請する
輸出業者とライセンシーが異なる申請の場合)
(4)
適用製品、除外製品
equivalent carbon price はこれらのガスを含むすべての製品に適用されるが、以下のいずれかの場合には免
除の対象となる。
 大臣が、温室効果ガスを含む製品に equivalent carbon price を適用するのは非実用的であると判断する、
または
 製品が医療用、獣医用または健康/安全目的である
変更により影響を受ける可能性のある製品には以下のものが含まれる。
 エアコン (家庭用、業務用及び車両用)
 冷蔵庫及び冷凍庫 (家庭用及び業務用)
 特殊エアゾール製品
 防火設備
 電子産業で使用される高電圧電気開閉装置
 特殊溶媒
法律においては、equivalent carbon price の適用が非実用的である、または温室効果ガスが‘
医療、獣医また
は健康/安全’目的で使用されるという特定の場合にのみ免除が認められる。
52
政府は、定量吸入器と輸入フォーム製品を、温室効果ガスに対するequivalentcarbon price の適用から除外し
た。
定量吸入器
温室効果ガスは、ぜんそく、慢性閉塞性肺疾患及びその他の呼吸器疾患の不可欠な治療等に用いられる定
量吸入器の噴射剤として使用されている。
オーストラリア人の約 10 人に 1 人がこれらの疾患を患っている。定量吸入器は、オーストラリアのコミュニティー
全域で広く使用されており、重要かつ時には重大な治療法であるため、equivalent carbon price を免除されてい
る。
輸入フォーム
製品の大部分は、容易に測定可能な形態で温室効果ガスを含んでいる。例えば、冷蔵庫や車両用冷蔵シス
テム内のシリンダーにおいてである。
しかし、フォーム(フォーム製品を含む)製造中、温室効果ガスは、フォーム内の気泡の中に閉じ込められことも
ある。これにより、費用のかかる破壊テストや製造元からの助言を求めることなしに、温室効果ガスの存在を検出
したり、存在するガスの種類や量を検知したりすることは実行不可能になる。これらの製品の中には、温室効果
ガスを使用せずに製造されるものもある。
このため、現在、輸入フォームに equivalent carbon price を適用することはできない。
2012 年から2013 年には、輸入フォームに含まれる温室効果ガスに対するequivalentcarbon price の適用の実
用性に関する更なる研究が実施される。
その他の製品の免除は、法律に基づき、その都度検討される。
申請者は、O zone Protection and Synthetic G reenhouse G as M anagem ent legislation に基づき、免除を申請す
るに足りる情報を提供する必要がある。
表 3 製品カテゴリー
カテゴリー
(a) ヒー トポ ン プ を 除 く D om estic use
air-conditioning excluding heat pum ps
内容/説明
以下を含む業務用に使用される空調機器:
小型及び大型 split and ducted 業務用エアコン
以下を含むエアコン用水冷式チラー:
中型(スクリュー)、大型(遠心分離機)、業務用暖房
ヒートポンプを除く
(b) ヒートポンプを除く家庭用エアコン
以下を含む家庭用に使用される空調機器:
可搬式、窓用、split、ducted 家庭用暖房
ヒートポンプを除く
(c) 乗用車、船舶、航空機用エアコン
乗用車、キャンピングトレーラー、軽業務用車両、大型車、バス、船舶、ボートま
たは電車におけるすべての車両用空調機器
(d) 業務用もしくは家庭用ヒートポンプ
以下を含むすべての家庭用及び業務用ヒートポンプ:
空気熱源及び地熱、家庭用温水、業務用暖房及びスイミングプールヒートポンプ
53
カテゴリー
(e) 業務用冷蔵装置
内容/説明
以下を含む業務用に使用される冷蔵庫及び冷凍庫:
一体型ショーケース、自動販売機、清涼飲料ディスペンサー、cellar coolers(地
下貯蔵冷却器)、冷温/低温室
工業用システム、小型及び大型 distributed direct expansion、工業用チラー、超
低温システム、on-farm m ilk cooling(農場牛乳冷却器)、hospitalcooling
equipm ent(病院用冷却装置)
(f) 家庭用冷蔵庫
家庭用に使用される冷蔵庫、冷凍庫及びその他の冷蔵機器
(g) 乗用車、船舶、航空機用冷蔵装置
ベルト駆動式道路輸送用冷蔵庫、独立エンジン道路輸送用冷蔵庫、冷蔵コンテ
ナ
キャンピングトレーラー、船舶、ボートまたは電車において使用される冷蔵庫及び
冷凍庫
(h) 発泡ポリウレタン断熱材
一液フォーム、発泡ポリウレタンフォーム
(i) 食品、課程、個人用エアゾール製品
食品、家庭用品、ワックス及び研磨剤、洗濯用品、介護用品、ヘアスプレー、ヘ
アカラー
(j) (q)もしくは(r)で言及する消防用エアゾー
エアゾール火災報知機及び吹き戻し(party horns)等の sounding alarm s(音声警
ルを除く工業用安全確保もしくは技術用
報機)、潤滑剤エアゾール、工業用及び自動車用エアゾール、エアダスター、
途で使用されるエアゾール製品
m ine blast bag(鉱山発破バッグ)
、m ine m arking paints(鉱山マーキング塗料)、
工業用・装飾用塗料及び完成紙料、aeroplane disinsectides、殺虫剤及び農薬、
クラック検出エアゾール、タイヤ膨張エアゾール、その他の工業用、安全用、技
術用エアゾール
(k) M D I
喘息や慢性閉塞性肺疾患などの疾患の治療に用いられる定量吸入器
‘asthm a puffers’
としても知られる
(l) ノベルティ向けエアゾール製品もしくは
(h)と(k)で言及していない製品
(m )(h) から (l)で言及していない消費者向け
Silly string、雪、その他のエアゾールのカテゴリーにおいて対象となっていない
品目
運動靴、車両タイヤ、二重ガラス、エアゾールではない化粧品
製品
(n) 電気開閉装置
高、中及び低電圧開閉装置
(o) O D S と温室効果ガスを使用した機器
O D S 使用機器または温室効果ガス使用機器に使用されるパーツ及び部品
(p) 医療、科学、もしくは電子機器であり、他
医療機器(定量吸入器や病院用冷凍空調機などのように上記カテゴリーに含ま
のパラグラフで言及していないもの
れるものを除く)、フロンガス不使用の指紋採取機器、ヒートパイプ/熱転写、有機
ランキンサイクル、フロンガス不使用の工業用洗浄剤、上記に含まれないその他
の電子機器
(q) 固定式消火システムで他のパラグラフで
固定式消火システム及び装備品
言及していないもの
(r) 携帯用消火剤で他のパラグラフで言及し 火災報知機(上記のエアゾールに含まれる)を含まない可搬式消火装置
ていないもの
1. 定量吸入器の輸入に対する equivalent carbon price の免除が承認された。しかし、これらの製品の輸入業者は、O zone
Protection and Synthetic G reenhouse G as M anagem ent A ct 1989 に 基 づ き、依 然 として O zone D epleting
Substance/Synthetic G reenhouse G as E quipm ent licences を必要とし、ライセンス申請料を支払わなければならない。
出典 N E W O B LIG A T IO N S F O R IM PO R T E R S O F PRO D U C T S A N D EQ U IPM EN T C O N T A IN IN G SY N T H ET IC G REEN H O U SE
G A SE S, A ugust 2012, D epartm ent of Sustainability, Environm ent, W ater, Population and C om m unities, A ustralian
G overnm ent
54
参考資料
図表 42 改正案 A rticle 9 の概要(
英文)
T he placing on the m arket ofspecific products and equipm ent listed in A nnex III shallbe prohibited from the date specified in
that A nnex, w here applicable differentiating according to the type or globalwarm ing potentialofthe fluorinated greenhouse gas
contained.
T he prohibition set out in paragraph 1 shallnot apply to equipm ent for which it has been established in ecodesign requirem ents
adopted under D irective 2009/125/E C 44 that due to higher energy efficiency during its operation its lifecycle C O 2 em issions
w ould be low er than that from equivalent equipm ent which m eets relevant ecodesign requirem ents and does not contain
hydrofluorocarbons.
図表 43 改正法案で追加された規制製品
Products and equipm ent
U se ofH F C -23 in fire protection system s and fire extinguishers
D om estic refrigerators and freezers w ith H F C s w ith G W P of 150 or
m ore
R efrigerators and freezers for com m ercial use (herm etically sealed
system s)
M ovable room air-conditioning appliances (herm etically sealed) with
H F C s w ith G W P of150 or m ore
D ate ofprohibition
1 January 2015
1 January 2015
1 January 2017 for H FC s with G W P of2500 or m ore
1 January 2020 for H FC s with G W P of150 or m ore
1 January 2020
図表 44 欧州 F ガス規制の全体像(原文)
改正案(2012 年)
既存規制(
2006 年)
C hapter.1 G eneralProvisions
A rticle.1
D efinitions
A rticle.2
D efinitions
A rticle.3
C ontainm ent
C hapter.2 C ontainm ent
A rticle.2
Prevention ofem issions
A rticle.3
C hecking for leakage
A rticle.4
Leakage detection system s
A rticle.5
Record keeping
A rticle.6
Em issions from production
A rticle.7
Recovery
A rticle.4
Recovery
A rticle.8
T raining and certification
A rticle.5
T raining and certification
C hapter.3 Placing on the m arket and controlofuse
A rticle.9
Restrictions on the placing on the m arket
A rticle.9
Placing on the m arket
A rticle.10
Labelling and product inform ation
A rticle.7
Labelling
A rticle.11
C ontrolofuse
A rticle.8
C ontrolofuse
A rticle.12
Pre-charging ofequipm ent
A rticle.6
Reporting
A rticle.10
Review
C hapter.4 Reduction ofthe placing on the m arket ofhydrofluorocarbons
A rticle.13
Reduction ofthe placing ofhydro fluorocarbons
A rticle.14
A llocation ofquotas for placing hydrofluorocarbons on the m arket
A rticle.15
Q uota registry
A rticle.16
T ransfer ofquotas
C hapter.5 Reporting
A rticle.17
Reporting on production,im port,export and destruction
A rticle.18
C ollection ofem issions data
C hapter.6 Finalprovisions
A rticle.19
Review
55
改正案(2012 年)
既存規制(
2006 年)
A rticle.20
Exercise ofthe delegation
A rticle.21
C om m ittee procedure
A rticle.12
C om m ittee
A rticle.22
Penalties
A rticle.13
Penalties
A rticle.23
Repeal
A rticle.24
Entry into force
A rticle.15
Entry into force
A rticle.1
削除
A rticle.11
削除
A rticle.14
削除
図表 45 Ecodesign Preparatory Study E N T R Lot 6, A ir C onditioning and V entilation System s の検討に関する
E xecutive Sum m ary Lot 6 A ir C onditioning F inalreport における冷媒に対する考え方(原文)
U nder the E codesign directive, it is also possible to lower refrigerant charge or to foster the use ofalternative refrigerants with
low er G W P than standard H F C refrigerants.T hese possible designs have been integrated into the analysis and the conclusion is
that alllow er G W P refrigerant fluid alternatives contribute to decrease the product C O 2eq em issions at m uch lower levels than
ifonly the electricity consum ption is reduced. ・・
・
it is proposed to take strong m easures in 2019, com prising a ban ofsom e ofthe refrigerants above a certain G W P, or where an
am bitious T E W I threshold is exceeded, and to allow 10 % lower seasonalperform ance indexes for products charged with lower
G W P refrigerants up to that date.
なお、全文は、http://www.ecohvac.eu/downloads/Exec%20sum m ary%20Lot%206%20A ir%20C onditioning%20Final%20July%202012.pdf。
図表 46 改正案 A rticle 10 の概要(英文)
Products and equipm ent that contain fluorinated greenhouse gases shallnot be placed on the m arket unless they are labelled.
R efrigeration equipm ent, air-conditioning equipm ent, heat pum ps, fire protection system s, electricalswitchgear, aerosolcans
that contain fluorinated greenhouse gases, allfluorinated greenhouse gas containers shallapply.
T he labelrequired inform ation that the product or equipm ent contains fluorinated greenhouse gases and so on.
図表 47 改正案 A rticle 8 の概要(
英文)
M em ber States shallestablish training and certification program m es for the following persons:
(a) persons w ho install, service, m aintain, repair or decom m ission ofthe equipm ent
(b) persons who install, service, m aintain, repair or decom m ission electricalswitchgear that contains SF6;
(c) persons w ho carry out the leak checks
(d) persons who recover fluorinated greenhouse gases
T he training program m es provided for in paragraph 1 shallcover the following:
(a) applicable regulations and technicalstandards;
(b) em ission prevention;
(c) recovery offluorinated greenhouse gases;
(d) safe handling ofequipm ent ofthe type and size covered by the certificate;
(e) technologies to replace or to reduce the use offluorinated greenhouse gases and their safe handling.
T he certificates provided for in paragraphs 1 and 3 shall be valid for a m axim um of 5 years. M em ber States m ay prolong the
validity ofthe certificates w hen the person concerned is undergoing a com pulsory periodic training every five years to update the
know ledge on the subjects.
M em ber States shall notify the C om m ission of their training and certification program m es by 1 January 2015. T hey shall
recognise certificates issued in another M em ber State.T hey shallnot restrict the freedom to provide services or the freedom of
establishm ent because a certificate w as issued in another M em ber State.
56
図表 48 H F O -1234yfに対する考え方(英文)
H F C -1234yf is an unsaturated H F C , w hich has zero O D P and very low G W P. T his refrigerant has been proposed as an
alternative to R -134a in autom otive A C applications.H FC -1234yfis not a drop-in replacem ent for H C FC -22 for air-to-air air
conditioning applications. Its therm odynam ic perform ance is sim ilar to R-134a. It has a lower volum etric refrigeration capacity
than R -22,R-410A or R-407C and thus requires that com pressors using this refrigerant have significantly larger displacem ents.
E xperim entalstudies indicate that H F C -1234yfsystem s willbe 40% larger and m ore costly than H C FC -22 system s.T he design
changes include larger displacem ent com pressors, increased heat exchanger areas and larger diam eter interconnecting tubing.
T hese changes are sim ilar to the changes described for H FC -134a in 7.5.2.1. H FC -1234yfhas an A 2L flam m ability rating and
w ould need to be applied using an appropriate safety standard such as IEC -60336-2-40.
B ecause H F C -1234yfis so sim ilar to H F C -134a it w illsuffer from the sam e application cost issues discussed for H FC -134a. It
is therefore unlikely that unitary air-conditioners using pure H FC -1234yfwillbe com m ercially viable.
出典 C O M M ISSIO N ST A F F W O R K IN G PA PE R IM PA C T A SSESSM EN T / Review of Regulation (EC ) N o 842/2006 on certain
fluorinated greenhouse gases A ccom panying the docum ent / Proposal for a REG U LA T IO N O F T H E EU RO PEA N
PA R LIA M E N T A N D T H E C O U N C IL on fluorinated greenhouse gases
図表 49 H F O -1234yfのブレンドに対する考え方(英文)
R efrigerant m anufacturers have proposed blending H FC -1234yfwith other non-O D P refrigerants in order to m ore closely m atch
the perform ance ofthe refrigerants currently being used in these products /M in08/, /Spa10/. M ost ofthese blends contain
one or m ore other H F C refrigerants and exhibit various levels ofglide and in som e cases flam m ability depending on the blend
com position. T hese blends can be form ulated to have perform ance characteristics sim ilar to
H C FC -22 or R-410A while
having m uch low er G W Ps.
出典 C O M M ISSIO N ST A F F W O R K IN G PA PE R IM PA C T A SSESSM EN T / Review of Regulation (EC ) N o 842/2006 on certain
fluorinated greenhouse gases A ccom panying the docum ent / Proposal for a REG U LA T IO N O F T H E EU RO PEA N
PA R LIA M E N T A N D T H E C O U N C IL on fluorinated greenhouse gases
図表 50 改正案 C hapter 4 の概要(
英文)
A rticle 13 R eduction ofthe placing on the m arket ofhydrofluorocarbons
T he C om m ission shallensure that the quantity ofhydrofluorocarbons that producers and im porters are entitled to place on the
m arket in the U nion each year does not exceed the m axim um quantity for the year in question calculated in accordance with
A nnex V . T his A rticle shall not apply to hydrofluorocarbons im ported into the U nion to be destroyed. It shall not apply to
producers or im porters ofless than 1 000 tonnes ofC O 2 equivalent ofhydrofluorocarbons per year.
A rticle 14 A llocation ofquotas for placing hydrofluorocarbons on the m arket
B y 31 O ctober 2014 the C om m ission shalldeterm ine,by m eans ofim plem enting decisions,for each producer or im porter having
reported data under A rticle 6 ofR egulation (E C )N o 842/2006 a reference value based on the annualaverage ofthe quantities of
hydrofluorocarbons the producer or im porter reported to have produced or im ported from 2008 to 2011.
Producers and im porters that have not reported production or im ports m ay declare their intention to produce or im port
hydrofluorocarbons in the follow ing year. T he declaration shall be addressed to the C om m ission, specifying the types of
hydrofluorocarbons and the quantities that are expected to be placed on the m arket.
T he C om m ission shallissue a notice of the tim e lim it for subm itting those declarations. B y 31 O ctober 2017 and every three
years after that, the C om m ission shallrecalculate the reference values for the producers and im porters
T he C om m ission shallallocate quotas for placing hydrofluorocarbons on the m arketfor each producer and im porter for each year
beginning w ith the year 2015
A rticle 15 Q uota registry
A n electronic registry for quotas for placing hydrofluorocarbons on the m arket shallbe established.
T he C om m ission shallensure that the producers and im porters and the com petentauthorities ofthe M em ber States are inform ed
via that registry about the quota allocated and about any changes to it during the allocation period.
A rticle 16 T ransfer ofquotas
A ny producer or im porter transfer that quota for allor any quantities to another undertaking in the U nion that is registered in
the registry. A ny such transfer shallbe notified in advance to the C om m ission.
57
図表 51 hydrocarbons 生産者に対するフェーズダウン、禁止の影響(
英文)
T he replacem ent of H FC s with low-G W P substances would result in a shift in the sales of F-G as producers and distributors. Producers and
distributors oflow-G W P substances are not always the sam e as those ofH FC s.C urrent F-G as producing com panies in the EU (7-10 in total)
are large chem icalcom panies which have production sites distributed globally. In the transition from producing high G W P substances to low
G W P substances,the im pacts willdepend on the ability ofsom e producers to benefit m ore from the H FC replacem ents through the developm ent
of alternative substances than their com petitors. A s there are several replacem ent substances (currently two unsaturated H FC s, as well as
m ixtures ofH FC s,hydrocarbons,C O 2 and am m onia)and
since allm ajor producers are already developing low G W P replacem ent substances, a situation in which only a few producers benefit from the
lower H FC consum ption is unlikely to occur.C urrent F-G as producers would likely be the distributors ofunsaturated H FC s which are expected
to contribute m ost to the turnover ofF-G as producers and distributors,as a result ofthe com parably high prices ofthese chem icals.
出典 C O M M ISSIO N ST A F F W O R K IN G PA PE R IM PA C T A SSESSM EN T / Review of Regulation (EC ) N o 842/2006 on certain
fluorinated greenhouse gases A ccom panying the docum ent / Proposal for a REG U LA T IO N O F T H E EU RO PEA N
PA R LIA M E N T A N D T H E C O U N C IL on fluorinated greenhouse gases
図表 52 改正案 A rticle 12 の概要(
英文)
R efrigeration,air-conditioning and heat pum p equipm ent shallnot be charged with hydrofluorocarbons before it is placed on the
m arket or before it is m ade available to the end-user for its first installation.
T he equipm ent shallbe charged w here it is intended to be used,by persons certified.
A bove shall not apply to herm etically sealed equipm ent or to equipm ent that contains a quantity of hydrofluorocarbons
corresponding to less than 2 % ofthe equipm ent’s foreseen m axim um capacity.
図表 53 改正案 A rticle 7 の概要(
英文)
O perators ofequipm ent, including m obile equipm ent, that contains fluorinated greenhouse gases not contained in foam s, shall
put arrangem ents in place for their recovery ofthose gases by persons and undertakings that hold the relevant certificates, to
ensure that those gases are recycled, reclaim ed or destroyed.
T hat obligation applies to operators ofany ofthe following equipm ent:
(a) the cooling circuits ofrefrigeration, air-conditioning and heat pum p equipm ent;
(b) equipm ent that contains fluorinated greenhouse gas-based solvents;
(c) fire protection system s and fire extinguishers;
(d) electricalsw itchgear.
Prior to disposal of a fluorinated greenhouse gas container, the person who used the container for transport or storage shall
arrange for the recovery ofany residualgases to m ake sure they are recycled, reclaim ed or destroyed.
図表 54 改正法 A rticle 2 の概要(
英文)
T he intentional release of fluorinated greenhouse gases into the atm osphere shall be prohibited where the release is not
technically necessary for the intended use.
O perators ofequipm ent that contains fluorinated greenhouse gases shalltake precautions to prevent their unintentionalrelease
(hereinafter "leakage").
W here a leakage of those gases is detected, the operators shall ensure that the equipm ent is repaired without undue delay.
W here a leak in the equipm ent has been repaired,the operators shallensure that the equipm ent is checked by certified persons
w ithin one m onth after the repair to verify that the repair has been effective.
図表 55 改正法 A rticle 3 の概要(
英文)
O perators of equipm ent that contains fluorinated greenhouse gases with a globalwarm ing potential equivalent to 5 tonnes of
C O 2 not contained in foam s shall ensure that the equipm ent is checked for leakage. H owever, equipm ent with herm etically
sealed system s w hich are labelled as such,containing fluorinated greenhouse gases with a globalwarm ing potentialequivalent to
less than 10 tonnes C O 2, shallnot be subject to leak checks under this A rticle.
T he checks shallbe carried out w ith the follow ing frequency:
(a) equipm ent that contains fluorinated greenhouse gases with a globalwarm in potentialequivalent to 5 tonnes ofC O 2 or m ore
but to less than 50 tonnes ofC O 2, shallbe checked for leakage at least once every 12 m onths;
(b) equipm ent that contains fluorinated greenhouse gases with a global warm ing potential equivalent to 50 tonnes of C O 2 or
m ore, but to less than 500 tonnes ofC O 2, shallbe checked for leakage at least once every six m onths;
(c) equipm ent that contains fluorinated greenhouse gases with a globalwarm ing potentialequivalent to 500 tonnes ofC O 2 or
m ore shallbe checked for leakage at least once every three m onths.
58
図表 56 改正法 A rticle 5 の概要(
英文)
O perators of equipm ent that contains fluorinated greenhouse gases not contained in foam s, shallfor each piece of equipm ent
establish and m aintain records ofthe follow ing inform ation identifying the equipm ent:
(a) the quantity and type offluorinated greenhouse gases installed;
(b) the quantities offluorinated greenhouse gases added and the reasons for adding them ;
(c) the quantity offluorinated greenhouse gases recovered;
(d) observed leakage rates;
(e) an identification of the undertaking and the person who installed, serviced, m aintained and, where applicable, repaired or
decom m issioned the equipm ent;
(f) the dates and results ofthe checks carried out under A rticle 3(1) and (3);
(g) ifthe equipm ent w as decom m issioned, the m easures taken to recover and dispose ofthe fluorinated greenhouse gases.
U nless the records are registered in a database set up by the com petent authorities of the M em ber States, the operators
referred to in paragraph 1 shallkeep the records untilat least tw o years after decom m issioning the equipm ent.
U nless the records are registered in a database set up by the com petent authorities of the M em ber States, persons or
undertakings carrying out the activities for operators shallkeep copies ofthe records for at least five years.
T he records shallbe m ade available on request to the com petent authority or to the C om m ission.
図表 57 改正法 A rticle 18 の概要(
英文)
M em ber States shallcollect data on em issions offluorinated greenhouse gases. For that purpose they shallestablish one ofthe
follow ing system s, as appropriate:
(a) a system w hereby a database is kept at nationallevelfor the collection ofthe data recorded in accordance with A rticle 5(1);
(b) a system w hereby surveys on em issions from a representative sam ple ofoperators covered by the provisions ofA rticle 5(1)
are carried out, and results are extrapolated from those surveys.
図表 58 改正案 A rticle 11 パラグラフ3(
英文)
T he use of fluorinated greenhouse gases, or of m ixtures that contain fluorinated greenhouse gases, w ith a
globalwarm ing potentialof2500 or m ore, to service or m aintain refrigeration equipm ent w ith a charge size
equivalent to 5 tonnes ofC O 2 or m ore, shallbe prohibited from 1 January 2020.
図表 59 E U における環境に対する課税措置に対する考え方(英文)
In the past, it w as difficult to agree on harm onized taxation schem es in the EU (proposals to im plem ent a C O 2 tax failed in the
past, m inim um energy taxation rem ains at a rather low level, environm ental tax schem es for pesticides, N O x, landfills,
w astew ater are only im plem ented at M em ber State level, not at EU level), because M em ber States have different national
preferences in this area and som e governm ent have strong reservations against tax increases or new taxes or levies.A “Study on
E nvironm entalT axes and C harges in the E U ” (E C O T EC et al. 2001) also conclude that “the approach has generally been for
countries to adopt levies unilaterally rather than im plem enting them in coordination with other countries.” From a politicalpoint
ofview a taxation schem e at E U levelm ay therefore be politically m ore challenging than other options proposed in this section.
59
図表 60 改正 F ガス規則におけるC hapter.1 における変更事項
追加
2012 年
A rticle.1.(3) ‘tonne(s) C O 2 equivalent’
A rticle.1.(14) ‘
one-com ponent foam ’
A rticle.1.(15) ‘
refrigerated truck’
A rticle.1.(16) ‘
refrigerated trailer’
削除
2006 年
‘hydrofluorocarbon’(A rticle.1.(1)に追加)
‘perfluorocarbon’(A rticle.1.(1)に追加)
‘preparation’
‘heat pum p’
‘leakage detection system ’
‘container’
‘novelty aerosol’
図表 61 改正 F ガス規則におけるC hapter.2 における変更事項
変更
2012 年
2006 年
A rticle.3.2.
本項では、漏れ定期点検の義務化に際した容器内充填量の定義が、F ガスの重量からFガスのGWP換算
でのCO2体積へと変更されている。
(a)充填量:CO2 5 トン以上
規定の点検回数:12 ヶ月に 1 回
密閉システムの場合:12 ヶ月に 1 回(6kg以下は免
除)
(a)充填量:Fガス3kg以上
規定の点検回数:12 ヶ月に 1 回
密閉システムの場合:12 ヶ月に 1 回(6kg以下は
免除)
(b)充填量:CO2 50‐500 トン
規定の点検回数:6 か月に 1 回
密閉システムの場合:6 か月に一回
(b)充填量:
Fガス30‐
300kg
規定の点検回数:6 か月に 1 回
密閉システムの場合:6 か月に一回
(c)充填量:CO2 500 トン以上
規定の点検回数:漏洩検知システムの設置が義務化
されている。
密閉システムの場合:漏洩検知システムの設置が義
務付けられている
(c)充填量:Fガス300kg以上
規定の点検回数:漏洩検知システムの設置が義
務化されている。
密閉システムの場合:漏洩検知システムの設置が
義務付けられている
(a) equipm ent that contains fluorinated greenhouse
gases w ith a globalw arm ing potentialequivalent to 5
tonnes ofC O 2 or m ore but to less than 50 tonnes of
C O 2, shallbe checked for leakage at least once every
12 m onths;
(a) applications containing 3 kg or m ore of
fluorinated greenhouse gases shallbe checked for
leakage at least once every 12 m onths; this shall
not apply to equipm ent with herm etically sealed
system s, which are labelled as such and
contain less than 6 kg of fluorinated greenhouse
gases;
(b) equipm ent that contains fluorinated greenhouse
gases w ith a globalw arm ing potentialequivalent to 50 (b) applications containing 30 kg or m ore of
tonnes ofC O 2 or m ore,but to less than 500 tonnes of fluorinated greenhouse gases shallbe checked for
C O 2, shallbe checked for leakage at least once every leakage at least once every six m onths;
six m onths;
(c) equipm ent that contains fluorinated greenhouse
gases w ith a globalw arm ing potentialequivalent to
500 tonnes ofC O 2 or m ore shallbe checked for
leakage at least once every three m onths.
追加
A rticle.4.2
60
(c) applications containing 300 kg or m ore of
fluorinated greenhouse gases shallbe checked for
leakage at least once every three m onths.
2012 年
本項では、漏洩検知システムに関する規定が追加されている。
A rticle3(2)(b)においては、漏洩検知システムが設置
されている場合、機器からのガス漏れは12カ月に一
度点検しなければならない。
B y w ay ofderogation from A rticle 3(2)point (b),
w here equipm ent containing fluorinated greenhouse
gases w ith a globalw arm ing potentialequivalent to 50
tonnes C O 2 or m ore, but to less than 500 tonnes
C O 2,is provided w ith a leakage detection system ,the
equipm ent shallbe checked for leakage at least once
every 12 m onths.
追加
A rticle.5
本項では、記録管理に関する規定が追加されている。
Fガス機器のオペレータが、各機器に対して記録しな ければならない事項が明記されているが、提出義務
は課されていない。
1. O perators ofequipm ent that contains fluorinated
greenhouse gases not contained in foam s, shallfor
each piece ofequipm ent establish and m aintain
records ofthe follow ing inform ation identifying the
equipm ent:
(a) the quantity and type offluorinated greenhouse
gases installed;
(b) the quantities offluorinated greenhouse gases
added and the reasons for adding them ;
(c) the quantity offluorinated greenhouse gases
recovered;
(d) observed leakage rates;
(e) an identification ofthe undertaking and the person
w ho installed, serviced,
m aintained and, w here applicable, repaired or
decom m issioned the equipm ent;
(f) the dates and results ofthe checks carried out
under A rticle 3(1) and (3);
(g) ifthe equipm ent w as decom m issioned, the
m easures taken to recover and dispose ofthe
fluorinated greenhouse gases. T his paragraph shall
apply to operators ofelectricalswitchgear that
contains SF 6 and
ofthe equipm ent referred to in A rticle 3(2).
追加
2. U nless the records referred to in paragraph 1 are
registered in a database set up by the com petent
authorities ofthe M em ber States, the operators
referred to in paragraph 1 shallkeep the records until
at least tw o years after decom m issioning the
equipm ent. U nless the records referred to in
paragraph 1 are registered in a database set up by the
com petent authorities ofthe M em ber States, persons
or undertakings carrying out the activities referred to
in paragraph 1(e) for operators shallkeep copies of
the records for at least five years. T he records shall
be m ade available on request to the com petent
authority or to the C om m ission.
A rticle.6
61
2006 年
2012 年
本項では、製品からのFガス排出に関する規定が追加されている。
製造者は、Fガス排出量を制限するために必要な全
ての予防措置を取る必要がある。
2006 年
Producers offluorinated com pounds shalltake allthe
precautions necessary to lim it em issions offluorinated
greenhouse gases, to the greatest extent possible,
during production, transport and storage. T hose
producers shallensure that any trifluorom ethane
(H F C -23) produced as a by-product in significant
quantities is destroyed as part ofthe m anufacturing
process.
強化
追加
A rticle.7.1.
本項では、一部規定が強化されている。
(d) electricalsw itchgear
H igh voltage switchgear
A rticle.7.2
本項では、European C om m ission による機器リストの改正に関する規定が追加されている。
T he C om m ission shallbe em powered to adopt
delegated acts in accordance w ith A rticle 20 am ending
the list ofequipm ent in paragraph 1 to include other
types ofequipm ent in view oftheir increasing
relevance due to the com m ercialor technological
developm ent.
図表 62 改正 F ガス規則におけるC hapter.3 における変更事項
追加
追加
削除
2012 年
2006 年
A rticle.9.2
本項では、A rticle.9.1 における禁止項目が、2009/125/EC 44 において採択されたエコデザイン要件を満
たすものには適用されないという事項が追加されている。
T he prohibition set out in paragraph 1 shallnot apply
to equipm ent for which it has been established in
ecodesign requirem ents adopted under D irective
2009/125/E C 44 that due to higher energy efficiency
during its operation its lifecycle C O 2 em issions would
be low er than that from equivalent equipm ent which
m eets relevant ecodesign requirem ents and does not
contain hydrofluorocarbons.
A rticle.9.3
本項では、European C om m ission による機器リストの改正に関する規定が追加されている。
T he C om m ission shallbe em powered to adopt
delegated acts in accordance w ith A rticle 20 am ending
the list set out in A nnex IIIto include other products
and equipm ent that contain fluorinated greenhouse
gases w ith a globalw arm ing potentialof150 or m ore,
or that rely on them to work,ifit has been established
that alternatives to the use offluorinated greenhouse
gases or to the use ofspecific types offluorinated
greenhouse gases are available, and their use would
result in low er overallgreenhouse gas em issions and
to exclude,w here appropriate for a specified period of
tim e, certain categories ofproducts or equipm ent for
w hich alternative substances w hich fallbelow the
specified globalw arm ing potentiallim it are not
available for technical, econom ic or safety reasons.
A rticle.10.1.( d )
62
本項では、一部規定の削除が行われている。
F ire protection system s
追加
追加
Fire protection system s and Fire extinguishers
A rticle.10.1( f)
本項では、一部規定の追加が行われている。
aerosol cans that contain fluorinated greenhouse
gases
A rticle.10.4
本項では、Fガスの内容物を明記したラベルが識別されていない市場に設置されてはならないという規定
が追加されている。
F oam s that contain fluorinated greenhouse gases shall
not be placed on the m arket unless the fluorinated
greenhouse gases are identified with a labelusing the
accepted industry designation or, ifno such
designation is available, the chem icalnam e. T he label
shallclearly indicate that the foam contains
fluorinated greenhouse gases. In the case offoam
boards, this inform ation shallbe clearly and indelibly
stated on the boards.
追加
A rticle.10.5
本項では、GWPが 150 以上の物体に関してはその情報及び使用説明を明記しなければならないという規
定が追加されている。
T he inform ation referred to in paragraphs 2 and 3
shallbe included in instruction m anuals for such
products and equipm ent. In the case ofproducts and
equipm ent that contain fluorinated greenhouse gases
w ith a globalw arm ing potentialof150 or m ore this
inform ation shallalso be included in descriptions used
for advertising.
強化
A rticle.11.1
本項ではマグネシウムダイカスト合金のリサイクルにおけるSF6 の使用に関する規定が変更されている。
T he use ofSF6 in m agnesium die-casting and in the
T he use of sulphur hexafluoride or preparations
recycling ofm agnesium die-casting alloys shallbe
thereof in m agnesium die-casting, except where
prohibited.A s regards installations using a quantity of the quantity ofsulphur hexafluoride used is below
SF 6 below 850 kg per year, this prohibition shallonly 850 kg per year, shall be prohibited from 1
apply from 1 January 2015.
January 2008.
A rticle.11.3
本項ではGWP2500 以上のFガスに関する規定が追加されている。
この規定は、2020 年の 1 月より開始される。
T he use offluorinated greenhouse gases, or of
m ixtures that contain fluorinated greenhouse gases,
w ith a globalw arm ing potentialof2500 or m ore, to
service or m aintain refrigeration equipm ent with a
charge size equivalent to 5 tonnes ofC O 2 or m ore,
shallbe prohibited from 1 January 2020. For the
purpose ofthis provision,the globalwarm ing potential
ofm ixtures that contain fluorinated greenhouse gases
shallbe calculated pursuant to A nnex IV .
追加
追加
A rticle.12
1. F rom [dd/m m /yyyy] [insert date 3 years after
entry into force ofthis regulation], refrigeration,
air-conditioning and heat pum p equipm ent shallnot
be charged w ith hydrofluorocarbons before it is placed
on the m arket or before it is m ade available to the
end-user for its first installation. T he equipm ent shall
be charged w here it is intended to be used,by persons
certified in accordance w ith A rticle 8.
63
2. Paragraph 1 shallnot apply to herm etically sealed
equipm ent or to equipm ent that contains a quantity of
hydrofluorocarbons corresponding to less than 2 % of
the equipm ent’s foreseen m axim um capacity.
図表 63 改正 F ガス規則におけるC hapter.4 における変更事項
2012 年
追加
追加
2006 年
A rticle.13
本項では、H F C s の削減に関する規定が追加されている。
1. T he C om m ission shallensure that the quantity of
hydrofluorocarbons that producers and im porters are
entitled to place on the m arket in the U nion each year
does not exceed the m axim um quantity for the year in
question calculated in accordance with A nnex V .Each
produce r and im porter shallensure that the quantity
ofhydrofluorocarbons calculated in accordance with
A nnex V that it places on the m arket does not exceed
the quota allocated to it pursuant to A rticle 14(5) or
transferred to it pursuant to A rticle 16.
2. T his A rticle shallnot apply to hydrofluorocarbons
im ported into the U nion to be destroyed. It shallnot
apply to producers or im porters ofless than 1 000
tonnes ofC O 2 equivalent ofhydrofluorocarbons per
year.
3. T his A rticle and A rticles 14,16,17 and 22 shall
also apply to hydrofluorocarbons contained in polyol
blends.
4. T he C om m ission shallbe em powered to adopt
delegated acts in accordance w ith A rticle 20
(a)am ending the m axim um quantities set out in A nnex
V in the light ofdevelopm ents ofthe m arket in
hydrofluorocarbons and related em issions; and
(b) exem pting the placing on the m arket for specific
uses from the quota requirem ent laid down in
paragraph 1 w here the use ofhydrofluorocarbons is
necessary for health or safety reasons and a sufficient
supply w ould otherw ise not be ensured.
A rticle.14
本項では、市場での H F C s に対するクオータの基準値に関する定義が記載されいている。
1. B y 31 O ctober 2014 the C om m ission shall
determ ine, by m eans ofim plem enting decisions, for
each producer or im porter having reported data under
A rticle 6 ofR egulation (E C ) N o 842/2006 a reference
value based on the annualaverage ofthe quantities of
hydrofluorocarbons the producer or im porter reported
to have produced or im ported from 2008 to 2011.For
the purposes ofdeterm ining the reference value, no
account shallbe taken ofquantities reported in excess
ofthe quota. T he reference values shallbe calculated
in accordance w ith A nnex V to this Regulation.
T hose im plem enting acts shallbe adopted in
accordance w ith the exam ination procedure referred
to in A rticle 21.
2. Producers and im porters that have not reported
production or im ports under A rticle 6
64
ofR egulation (E C ) N o 842/2006 for the reference
period referred to in paragraph 1 m ay declare their
intention to produce or im port hydrofluorocarbons in
the follow ing year. T he declaration shallbe addressed
to the C om m ission, specifying the types of
hydrofluorocarbons and the quantities that are
expected to be placed on the m arket. T he
C om m ission shallissue a notice ofthe tim e lim it for
subm itting those declarations. B efore subm itting a
declaration pursuant to paragraphs 2 and 3,
undertakings shallregister in the registry provided for
in A rticle 15.
3. B y 31 O ctober 2017 and every three years after
that, the C om m ission shall
recalculate the reference values for the producers and
im porters referred to in
paragraphs 1 and 2 on the basis ofthe annualaverage
ofthe quantities of
hydrofluorocarbons produced or im ported after 1
January 2015 as reported under A rticle 17. It shall
determ ine those reference values by m eans of
im plem enting acts. T hose im plem enting acts shallbe
adopted in accordance w ith the exam ination
procedure referred to in A rticle 21.
4.Producers and im porters for which reference values
have been determ ined m ay declare additional
anticipated quantities follow ing the procedure set out
in paragraph 2.
5. T he C om m ission shallallocate quotas for placing
hydrofluorocarbons on the m arket for each producer
and im porter for each year beginning with the year
2015 applying the allocation m echanism laid down in
A nnex V I.
追加
6. T he C om m ission shallbe em powered to adopt
delegated acts in accordance w ith A rticle 20
determ ining the m echanism to recalculate the
reference values pursuant to paragraph 3 and
am ending or supplem enting the m echanism for
allocating quotas set out in A nnex V I.
A rticle.15
本項では、クオータの登録に関する規定が追加されている。
1. A n electronic registry for quotas for placing
hydrofluorocarbons on the m arket shallbe
established. T he C om m ission shalltake m easures to
set up and to ensure the operation ofthat electronic
registry. In the electronic registry shallbe registered
on request
(a) producers and im porters to which a quota for the
placing on the m arket has been allocated in
accordance w ith A rticle 14(5);
(b) producers and im porters to which a quota is
transferred in accordance w ith A rticle 16;
(c) producers and im porters declaring their intention
to subm it a declaration pursuant to A rticle 14(2).
65
追加
2. T he C om m ission shallensure that the producers
and im porters and the com petent authorities ofthe
M em ber States are inform ed via that registry about
the quota allocated and about any changes to itduring
the allocation period.
A rticle.16
本項では、クオータにおける登録に関する事項が記載されている。
A ny producer or im porter for whom a reference value has been determ ined pursuant to A rticle 14(1) or (3)
and who has been allocated a quota in accordance
w ith A rticle 14(5), m ay transfer that quota for allor
any quantities to another undertaking in the U nion
that is registered in the registry referred to in A rticle
15(1). A ny such transfer shallbe notified in advance
to the C om m ission.
図表 64 改正 F ガス規則におけるC hapter.5 における変更事項
変更
2012 年
A rticle.17
(規制開始年次の変更)
追加
A rticle.18
2006 年
-
図表 65 改正 F ガス規則におけるC hapter.6 における変更事項
2012 年
追加
2006 年
A rticle.20
A rticle.23
-
図表 66 改正 F ガス規則におけるH FC s におけるGWP係数の変化
2012 年
2006 年
H F C -23
H F C -32
H F C -41
H F C -125
H F C -134
H F C -134a
H F C -143
H F C -143a
H F C -152
H F C -152a
H F C -161
H F C -227ea
H F C -236cb
H F C -236ea
H F C -236fa
H F C -245ea
H F C -245fa
H F C -365m fc
H F C -43-10m ee
14800
675
92
3500
1100
1430
353
4470
53
124
12
3220
1340
1370
9810
693
1030
794
1640
66
12000
550
97
3400
1100
1300
330
4300
120
3500
1300
1200
9400
640
950
890
1500
図表 67 改正 F ガス規則におけるPFC s におけるGWP係数の変化
2012 年
2006 年
PF C -14
PF C -116
PF C -218
PF C -3-1-10
PF C -4-1-12
PF C -5-1-14
PF C -c-318
7390
12200
8830
8860
9160
9300
10300
5700
11900
8600
8600
8900
9000
10000
図表 68 改正 F ガス規則におけるその他ガスにおけるGWP係数の変化
2012 年
2006 年
PF C -14
7390
5700
図表 69 改正 F ガス規則におけるPlacing on the m arket prohibitions
C ontained
F luorinated
greenhouse gases
H F C s and PF C s
Perfluorocarbons
H F C -23
F luorinated
greenhouse gases
F luorinated
greenhouse gases
F luorinated
greenhouse gases
F luorinated
greenhouse gases
F luorinated
greenhouse gases
H FC s
H FC s
H FC s
Products and equipm ent
D ate of
prohibition
N on-refillable containers
2012 年
4-Jul-07
N on-confined
direct-evaporation
system s
refrigerations
F ire protection system s and fire extinguishers
F ire protection system s and fire extinguishers
containing
4-Jul-07
4-Jul-07
1-Jan-15
W indow s for dom estic use
4-Jul-07
O ther w indow s
4-Jul-08
F ootw ear
4-Jul-06
T yres
4-Jul-07
O ne com ponent foam s, except when required to m eet national
safety standards
N ovelty aerosols
D om estic refrigerators and freezers
R efrigerators and freezers for the storage, display or distribution
67
4-Jul-08
G W P of150 or m ore
4-Jul-09
1-Jan-15
1-Jan-17
G W P of150 or m ore
G W P of150 or m ore
G W P of2500 or m ore
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