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抽象表現を感じてみよう!
抽象表現を感じてみよう! 作品に自分の今の気持ちを 重ねて鑑賞しよう 工夫・特徴 1.抽象作品と自分の気持ちを重ね合わせる ためのミニチュア人形の活用。 2.自分の気持ちを言葉にするためのワーク シートの作成。 ミニチュア人形 ワークシートの作成 ※ 準備物~A4版作品アートカード40枚、はがきサイズのアートカード240枚(40 種類×6 班分) 、 ワークシート、短冊(一人1枚) 、マジック(黒) 指導計画(全1時間) アートとつながる人形、短冊、マジック とつながる人形、 学習活動 教員の指導 1.本時の学習内容を知る。 対象:中学校3年(22人) 学芸員の指導 備考(評価) ・自己紹介する。 15分 ○学習のめあての確認をする。 ○抽象絵画について説明する。 (1)学習のめあてをつかむ。 ①感じたことを言葉で表す。 ・目に見えるもの (2)自分の感情や心の状態を言葉に ②造形要素に着目する。 ・心に感じること し、ワークシートに記入する。 ・ワークシート ○今(最近)の自分の気持ちを言 葉にし、ワークシートに記入さ せる。 ○言葉が思い浮かばない生徒 を支援する。 タイトルをつけてみよう 2.タイトルをつける 25分 ○自分で考えたタイトルや作品 (1)アートカードの中から、自分の から感じ取ったことを、ワーク 気持ちにあった作品を選ぶ。 ○机間指導する。 ・形や線、色彩や筆致、部分 シートに書かせる。 や 全体な どの造 形要素に ・ミニチュア人形を絵の上に置 着目させる。 いて、自分の気持ちと合って いるか確かめさせる。 ・アートカード (はがきサイズ 班に 40 枚) ・連想しやすいような視点か らアドバイスする。 ・作品に自分の (2)選んだ理由や絵から感じたこと 今の気持ちを をワークシートに記入する。 重ねて鑑賞し ている。 (3)タイトルを短冊に書き、黒板に 貼る。 ○代表的なものを全体に発表さ せる。 ○活動の評価をする。 ・根拠の明確さについて評価 する。 ・アートカード (A4) ・短冊 (一人1枚) ・マジック 3.振り返る。 10分 ・絵のどの部分からそう感じた (1)全体で発表する。 ○抽象絵画について (2)学芸員の話をきく。 のかを確認する。 ○抽象画の楽しみ方について話 ・複数の生徒が選んでいる作品 す。 をとり上げ、視点の違いを確 認する。 幸 【図版情報】豊後大野市版アートカード 幸 寿 寿「霊能女」を選んだ A 子と B 子の視点の違い 「おののく女たち」1967 「霊能女」1974 A 子「私は、タイトルを「せめぎあい」 佐藤 敬 「二重空間」1970 「切線」1956 にしました。背景の黄色は希望、暗い 今井 俊満 「太陽」1973 色からは不安を感じたので・・・」 宇治山 哲平 「王朝」1977 「童」1972 白野 文敏 「内と外(間)」1999 「内と外(結)」1997 油野 誠一 「風景・黄」1960 「緑の風景」1967 等 B 子「私は、タイトルを「緊張」 にしました。多くの人に見られて タイトルの根拠と自分が選んだ絵に対するイメージ いるような感じがしたので・・・」 「光」 ・頑張ろうとしている気持ちに、 光があたっているようだから。 まわりは暗くて、そこに明るい 光(丸いところ)がさしたよう に感じた。 「心のらせん」 ・将来について、まだどうなるか わからない、何が目的なのか迷っ ているから。何かが交じり合っ て、ねじ曲がったような絵が無限 に続くように感じた。 「幸せ」 ・明るい色が多くて、特に、背 景のピンク色がうれしさや楽し さ表しているように感じたか ら。今の自分の気持ちが明るい 気持ちなので、自分にあってい ると感じた。 「世界中に朝が降る」 ・中央のオレンジ色が、日の光の ように見えたから。平和な日々が 続いている感じがした。 生徒の感想 ○同じ作者の作品でも、みんな一人一人のタイトル決めや作品から感じたことが違っていて面白かった。 ○今の、自分たちの気持ちが作品を通して、よく表れていた気がする。 ○アートカードの作品に、今の自分の気持ちをうまくのせられた気がした。 授業者:豊後大野市立千歳中学校教諭 野尻秀信 芸術会館主任学芸員 池田隆代 (H24.10.12 実施)