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H28年7月更新
校長室短信 平成28年7月26日(火)校長 本間 信治 “集団的思考停止状態”に、「人類全体の劣化」を憂う ゲーム機を「使っている」のか?「使われている」のか? ◇ 「また、銃乱射事件か」「また、無差別殺人事件か?」今朝も日本(神奈川県相模原 市)で無差別な殺傷事件がありましたが、世界中で無差別の殺傷行為が続いても、「ま たか」程度で、あまり驚かなくなって流されていく自分が怖い・・・。人は、どんな悲 惨なことであっても、あまりにも続くと徐々に驚かなくなっていくのでしょうか。これ が「心の劣化」の始まりなのでしょう。 ◇ 「ポケモンGO」なるゲームソフトが大きなブームとなっているようで、いい年した “大のおとな”が町中にスマホをもって右往左往している姿は、できれば子どもたちに は見せたくないと思ってしまいました。 ◇ 任天堂など、ポケモンGOの関連株の値が上がる“ポケノミクス”という経済現象に なっているそうですが、ちょっと待ってほしい!「ポケモン商品」は、冷静に見れば、 私たちの生活の根幹に直接関係しない“虚業”です。反対に、交通事故やトラブルを誘 発する危険を伴うものです。「儲かればなんでもいい」のでしょうか。 ◇ “集団的思考停止状態”におちいっている社会に、警鐘を鳴らすのも教育の役割だと 思います。IT機器は「両刃の剣」、あるいは麻薬かもしれません。人間がきちんと使 いこなせば、人間生活を豊かにします。しかし、逆に、本人は「使っているつもり」で も、実は機械に「使われている」状態になることがあります。何時間もやめられない禁 断症状や、社会規範・ルール(歩きスマホはしない。交通ルールを守る。ゆずり合いの 心。等)を守れなくなる状態になっている人は、間違いなく機械に「使われている」状 態です。 ◇ 思考、判断を止めてはだめです。大げさだと思う方もいるでしょうが、私は、今、地 球や人類の危機にあると思います。相次ぐテロ、無差別殺人、経済的混乱、政治的腐敗、 環境問題、宗教・民族・移民問題・・・そんな中で、“ポケットモンスター捕獲”に熱 中する大人が世界中にあふれる現実に、危機感をもちます。そんな私の思いは、杞憂に 終わってほしいと思いますが・・・。