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遺伝子組み換え作物と自然食品
2010年度 学部共通科目 「科学と人間」 第2回 遺伝子組み換え作物と自然食品 (渡部) http://www.ias.tokushima-u.ac.jp/ shin-kokusai/scienceandhumanity/top.html 自然食品 健康によさそう 健康によさそう おいしそう 安全そう 安全そう 地球にやさしそう 地球にやさしそう 遺伝子組み 遺伝子組み換え作物 何か危険そう 危険そう 体に悪そう どっかの大企業 どっかの大企業が 大企業が儲けていそう 「自然食品」 自然食品」 1.自然食品とは 自然食品とは? とは? 2.有機農作物の 有機農作物の分類 3.現状 4.安全性・ 安全性・問題点 自然食品とは 自然食品とは ・農薬や 農薬や化学肥料などをできるだけ 化学肥料などをできるだけ使 などをできるだけ使わずに栽培 わずに栽培され 栽培され た農産物(= 農産物(=有機農作物 (=有機農作物) 有機農作物) ・合成飼料を 合成飼料を使わないで育 わないで育てた畜産物 てた畜産物、 畜産物、魚介類( 魚介類(例えば 養殖ではない 養殖ではない天然 ではない天然の 天然のタイ) タイ) ・遺伝子組み 遺伝子組み換え農作物を 農作物を使っていない食品 っていない食品(= 食品(=非遺 (=非遺 伝子組み 伝子組み換え作物による 作物による食品 による食品) 食品) 「有機食品」 有機食品」、「オーガニック」 オーガニック」よりもやや よりもやや広 意味で使われること やや広い意味で が多い。 有機農作物 原則として 年以上経過 原則として農薬 として農薬、 農薬、化学肥料を 化学肥料を使用しない 使用しない栽培方法 しない栽培方法で 栽培方法で3年以上経過 し、堆肥などで 堆肥などで土作 などで土作りをした 土作りをした土壌 りをした土壌で 土壌で生産した 生産した作物 した作物 遺伝子組み 遺伝子組み換え作物が 作物が含まれない 認定を マークの 偽装に対しては罰則 しては罰則 認定を得て有機JASマーク 有機 マークの表示ができる 表示ができる。 ができる。偽装に 規定もある 規定もある( 年、JAS法改正 法改正) もある(2000年 法改正)。 JASマーク マークの マークの認定 財団法人 食品産業センター 食品産業センターHPより センター より 日本の 日本の農業の 農業の流れ(その1 その1) 第二次世界大戦以前 有機肥料( 有機肥料(堆肥) 堆肥)を用いた、 いた、伝統的な 伝統的な農業→ 農業→図らずも有機農法 らずも有機農法 生産性は 生産性は低い。害虫の 害虫の発生も 発生も多い。 1960年代 年代( 年農業基本法) 年代(1961年農業基本法 年農業基本法) 化学肥料や 化学肥料や化学合成農薬の 化学合成農薬の使用が 使用が大きく推進 きく推進 →慣行農法 農地の 農地の単位面積あたりの 単位面積あたりの収穫量 あたりの収穫量が 収穫量が増大。 増大。 1970年代 年代 無機物質である 無機物質である化学肥料 である化学肥料ばかりでは 化学肥料ばかりでは「 ばかりでは「地力」 地力」が低下し 低下し、結果とし 結果とし て生産性が 生産性が低下。 低下。 農薬の 農薬の弊害が 弊害が一般に 一般に知られるようになる 「Silent Spring」 」レイチェル・ )(邦題 レイチェル・カーソン( カーソン(1962)( )(邦題「 邦題「沈黙の 沈黙の春」) 「複合汚染」 ) 複合汚染」有吉佐和子( 有吉佐和子(1975) 日本の 日本の農業の 農業の流れ(その2 その2) 2000年日本農林規格 年日本農林規格( )改正→ マークの 年日本農林規格(JAS) 改正→有機JASマーク 有機 マークの格付け 格付け 2007年 年「有機農業推進法」 有機農業推進法」 有機農業の 有機農業の推進: 推進:化学物質の 化学物質の利用をやめ 利用をやめ、 をやめ、旧来のような 旧来のような天然 のような天然の 天然の 有機物や 有機物や天然由来の 天然由来の無機物による 無機物による肥料 による肥料などを 肥料などを用 などを用いるなど、 いるなど、自然 のしくみに逆 のしくみに逆らわない農業 らわない農業を 農業を目指す 目指す。 国内農産物の 国内農産物の総生産量に 総生産量に占める、 める、 JAS法 法に基づく有機農産物 づく有機農産物の 有機農産物の格付数 量の割合は (平成19年度 割合は、0.19%( 平成 年度) 年度) 農林水産省HPより 農林水産省 より 現在の 現在の日本の 日本の農業では 農業では、 では、農薬や 農薬や化学肥料を 化学肥料を 使用しない 使用しない農法 しない農法(= 農法(=有機農法 (=有機農法) 有機農法)は、現実的で 現実的で はない。 はない。 ・日本は 日本は高温多湿で 高温多湿で病害虫が 病害虫が発生しやすい 発生しやすい ・人件費が 人件費が高い ・害虫を 害虫を人が手で取るような手間 るような手間をかけると 手間をかけると、 をかけると、農作 物が高価になる 高価になる ・農作物の 農作物の小さなキズ さなキズや キズや付着する 付着するムシ するムシに ムシに敏感 消費者が 消費者が望む農作物を 農作物を作るには、 るには、農薬 が必要になってくる 必要になってくる。 になってくる。 農薬の 農薬の変遷 油や天然物質( 天然物質(除虫菊など 除虫菊など) など) ↓ 化学合成農薬( など) 化学合成農薬(DDTなど など) ↓ より安全 より安全を 重視した農薬 安全を重視した した農薬 ・低毒性化 ・選択性の 選択性の向上 ・易分解性 ・高性能化 農薬取締法( 年改定) 農薬取締法(2003年改定 年改定) 農薬とは 農薬とは「 とは「農作物を 農作物を害する菌 する菌、線虫、 線虫、だに、 だに、昆虫、 昆虫、ねずみそ の他の動植物又は 動植物又はウイルスの ウイルスの防除に 防除に用いられる殺菌剤 いられる殺菌剤、 殺菌剤、 殺虫剤その 殺虫剤その他 その他の薬剤及び 薬剤及び農作物等の 農作物等の生理機能の 生理機能の増進又 は抑制に 抑制に用いられる成長促進剤 いられる成長促進剤、 成長促進剤、発芽抑制剤その 発芽抑制剤その他 その他の薬 剤をいう」 をいう」 1、無登録農薬の 無登録農薬の使用禁止 2、使用基準( 使用基準(適用作物、 適用作物、使用量( 使用量(濃度)、 濃度)、使用時期 )、使用時期、 使用時期、総使 用回数) 用回数)の遵守義務 3、罰則の 罰則の強化( 強化(1、2、に違反した 違反した場合 した場合3 場合3年以下の 年以下の懲役、 懲役、 100万円以下 100万円以下の 万円以下の罰金) 罰金) ・害虫を 害虫を駆除する 駆除する薬 する薬 ・アブラムシを アブラムシを食べるテントウムシ べるテントウムシ 農薬 ・雑草を 雑草を食べるアイガモ べるアイガモ ・植物の 植物の成長を 成長を調節する 調節するホルモン するホルモン剤 ホルモン剤 ・特定の 特定の害虫を 害虫を殺す作用のある 作用のある微生物 のある微生物 ・収穫した 収穫した作物 した作物に 作物に対する殺菌剤 する殺菌剤や 殺菌剤や防カビ剤 カビ剤 食品添加物 なるべく、 なるべく、低農薬・ 低農薬・低化学肥料 の農作物を 農作物を目指す 目指す 特別栽培農産物 特別栽培農産物 有機農作物ほどではないが 有機農作物ほどではないが、 ほどではないが、農薬や 農薬や化学肥料の 化学肥料の使用を 使用を減らして いるもの( いるもの(国がガイドラインを ガイドラインを作り、県が認可)。 認可)。 その農産物 その農産物が 農産物が生産された 生産された地域 された地域の 地域の慣行レベル 慣行レベルに レベルに比べて、 べて、節減対象 農薬の %以下、 %以下で 農薬の使用回数が 使用回数が50% 以下、化学肥料が 化学肥料が50% 以下で栽培され 栽培され た農産物。 農産物。 生産量は 生産量は有機農作物の 有機農作物の数倍程度。 数倍程度。 農作物の 月) 農作物の価格比( 価格比(平成21年 平成 年1月 ニンジン ホウレンソウ バレイショ タマネギ 有機栽培品 168 178 187 220 ブロッコリー ニンニク ショウガ ゴボウ 輸入品 60 20 34 59 トマト ミニトマト ゴボウ タマネギ 特別栽培品 151 120 146 127 国内標準品を とした場合 国内標準品を100とした とした場合 農林水産省HPより 農林水産省 より 有機農作物の 有機農作物の安全性・ 安全性・問題点( 問題点(その1) その ) 原則として 原則として農薬 として農薬、 農薬、化学肥料が 化学肥料が使用できないことから 使用できないことから、 できないことから、生産性は 生産性は低 く、非常に 非常に手間がかかる 手間がかかる。 がかかる。また生産量 また生産量はごくわずか 生産量はごくわずか。 はごくわずか。 残留農薬の 残留農薬の心配は 心配は少ない。 ない。 しかし農薬 しかし農薬を 農薬を使わないと、 わないと、害虫に 害虫に食害され 食害され、 され、そこからカビ そこからカビ等 カビ等の微生 物汚染の 物汚染の可能性が 可能性が高くなる。 くなる。 有機肥料( 有機肥料(多くは牛鶏糞由来 くは牛鶏糞由来) 牛鶏糞由来)から、 から、有害な 有害な成分( 成分(重金属等) 重金属等)が植 物に吸収されることもある 吸収されることもある。 されることもある。 有機農作物の 有機農作物の安全性・ 安全性・問題点( 問題点(その2) その ) 有機農業の 有機農業の単位面積当たりの 単位面積当たりの収量 たりの収量は 収量は低いため、 ため、より多くの農地 くの農地を 農地を 必要とする 必要とする。 とする。 農地は 農地は、それ自体 それ自体が 自体が人工的なものであるので なものであるので、 るので、慣行農法によって 慣行農法によって 高収量で 高収量で農地を 農地を少なくする方 なくする方が、より生態系保護 より生態系保護や 生態系保護や環境保全に 環境保全によ いという考 いという考え方もある。 もある。 有機農作物の 有機農作物の安全性・ 安全性・問題点( 問題点(その3) その ) 有機農作物の 有機農作物の栄養価に 栄養価に関しては、 しては、諸説があり 諸説があり、 があり、いまだに決着 いまだに決着を 決着を見 ていない。 ていない。 味は、、、どうでしょう 、、、どうでしょう。 どうでしょう。かなり主観的 かなり主観的な 主観的な問題だと 問題だと思 だと思います。 います。 遺伝子組換え 遺伝子組換え作物 1.遺伝子組換え 遺伝子組換え作物とは 作物とは? とは? 2.品種改良の 品種改良の方法 3.作り方 4.分類 5.現状 6.安全性の 安全性のチェック 7.問題点 日本における 日本における遺伝子組換 における遺伝子組換え 遺伝子組換え農作物に 農作物に対する意識調査 する意識調査 (2007年度 年度) 年度) 6% 7% 1% 不安である 不安である どちらともいえない 17% 71% 不安はない 不安はない わからない 0% 20% 40% 60% 80% 100% 無回答 「遺伝子組換え 農水省委託事業) 遺伝子組換え農作物などに 農作物などに対 などに対する意識調査 する意識調査」( 意識調査」(H19農水省委託事業 」( 農水省委託事業) 調査対象: 人 調査対象:全国在住調査モニター 全国在住調査モニター10,720人 モニター 1.遺伝子ってなんだろう 遺伝子ってなんだろう? ってなんだろう? 遺伝子は 遺伝子は生き物の設計図。 設計図。生物の 生物の遺伝子は 遺伝子は すべてDNAという という同 すべて という同じ物質からできている 物質からできている。 からできている。 農水省HPより 農水省 より 遺伝子のはたらきで 遺伝子のはたらきで生 のはたらきで生き物の形や性質が 性質が決 められる。 められる。 遺伝子のもつ 、タンパク質 遺伝子のもつ情報 のもつ情報は 情報は、RNA、 タンパク質を 経て、生き物の形や性質を 性質を決める。 める。 DNA( (遺伝子) 遺伝子) RNA タンパク質 タンパク質 生き物の形や性質 遺伝子は 遺伝子は、他の生物へ 生物へ移すことができる。 すことができる。 発光する 発光する オワンクラゲ 発光タンパク )の 発光タンパク質 タンパク質(GFP) 遺伝子を 遺伝子を取り出す 発光する 発光するカエル するカエル!! カエル 遺伝子組換え 遺伝子組換え技術 カエルの カエルの受精卵 へ注射 2.遺伝子組換え 遺伝子組換え作物とは 作物とは? とは? 生物から 生物から有用 から有用な 有用な遺伝子を 遺伝子を取り出し、植物などに 植物などに組 などに組み込 む技術( 遺伝子組換え 技術(=遺伝子組換 遺伝子組換え技術) 技術)を利用して 利用して作 して作られた作物 られた作物。 作物。 Genetically Modified (GM) )作物とも 作物とも呼 とも呼ばれる。 ばれる。 現在日本で 種 現在日本で販売・ 販売・流通されている 流通されている作物 されている作物は 作物は7種 ・大豆 ・トウモロコシ ・ジャガイモ ・ナタネ( ナタネ(カノーラ) カノーラ) ・綿 ・テンサイ( テンサイ(砂糖ダイコン 砂糖ダイコン) ダイコン) ・アルファルファ なぜGM作物 作物を なぜ 作物を作るのか? るのか? GM技術 GM技術とは 技術とは、 とは、作物の 作物の品種改良法のひとつ 品種改良法のひとつ。 のひとつ。従来法にくらべ 従来法にくらべ、 にくらべ、求 める性質 める性質を 性質を持つ作物を 作物を迅速に 迅速に作ることが可能 ることが可能。 可能。 農薬( 農薬(除草剤や 除草剤や殺虫剤等 殺虫剤等)を減らすことができ、 らすことができ、環境にやさしい 環境にやさしいと にやさしいと いわれる。 いわれる。 食糧危機を 食糧危機を救う可能性を 可能性を秘めている。 めている。 大企業にとって 大企業にとって、 にとって、マーケットを マーケットを支配して 支配して大儲 して大儲けする 大儲けするチャンス けするチャンス。 チャンス。 3.品種改良の 品種改良の方法 品種改良の 品種改良の従来法 ・選抜・ 選抜・交配 ・胚培養 ・細胞融合 ・突然変異の 突然変異の誘起( 誘起(放射線、 放射線、変異剤などによる 変異剤などによる) などによる)など GM法 法 選別・ 選別・交配の 交配の例 ・金魚 ・犬 ・アサガオ ・イネなど イネなど 金魚という 金魚という同一 という同一の 同一の種の 中で、新しい品種 しい品種を 品種を作る 細胞融合の 細胞融合の例 ・ポテト X トマト → ポマト ・オレンジ X カラタチ → オレタチ 突然変異の 突然変異の誘起( 誘起(放射線、 放射線、変異剤などによる 変異剤などによる) などによる) 非常に 非常に多くの利用例 くの利用例がある 利用例がある( がある(微生物、 微生物、動物、 動物、植物)。 植物)。 生物を 生物を放射線や 放射線や突然変異誘起剤などで 突然変異誘起剤などで処理 などで処理して 処理して遺伝子 して遺伝子に 遺伝子に変化 を起こさせ、 こさせ、その子孫 その子孫から 子孫から目的 から目的とする 目的とする性質 とする性質( 性質(病気に 病気に強いなど) いなど)を 持ったものを選抜 ったものを選抜する 選抜する。 する。 ここまでの品種改良法 ここまでの品種改良法は 品種改良法は、従来法とされ 従来法とされ、 とされ、新しい品種 しい品種の 品種の作物 ができても、 作物とは ができても、GM作物 作物とは呼 とは呼ばれない。 ばれない。 4.GM作物 GM作物の 作物の作り方 ①有用な 有用な遺伝子( 遺伝子(例えば病気 えば病気に 病気に強い)をある生物 をある生物から 生物から分離 から分離。 分離。 ②その遺伝子 その遺伝子を 遺伝子を目的の 目的の生物( 生物(細胞) 細胞)に導入。 導入。 ③遺伝子が 遺伝子が導入された 導入された細胞 選抜。 された細胞を 細胞を選抜。 ④生物体を 生物体を育て、目的の 目的の性質を 性質を持っているか調 っているか調べる。 べる。 *問題となるような 問題となるような性質 となるような性質を 性質を抑制するという 抑制するという方法 するという方法もある 方法もある 作物: (最初の 作物:フレーバー・ フレーバー・セーバートマト) セーバートマト) 最初のGM作物 品種改良の 品種改良の従来法 とGM法 法の比較 農林水産省の より 農林水産省のHPより 5.GMの の分類 青いバラ 青いカーネーション ・医薬品 ムーンダスト) ) サントリーフラワーズ) (ムーンダスト インスリン (サントリーフラワーズ) 成長ホルモン 成長ホルモン インターフェロン ・非食品 花 ・食品・ 食品・作物 大豆、 大豆、トウモロコシなど トウモロコシなど ・添加物 キモシン( キモシン(チーズを チーズを固める) める) アミラーゼ( アミラーゼ(デンプンを デンプンを糖に分解) 分解) リパーゼ( リパーゼ(脂質を 脂質を分解) 分解) サントリーHPより サントリー より GM食品 食品の 食品の具体例( 具体例(その1 その1) 第1世代: 世代:除草剤で 除草剤で枯れない、 れない、害虫を 害虫を殺す、病気に 病気に強い → 生産者向け 生産者向け 日持ちのいい 年) 日持ちのいいトマト ちのいいトマト( トマト(フレーバー・ フレーバー・セーバー、 セーバー、1994年 →細胞壁を 細胞壁を分解する 分解する酵素 きを抑制。 する酵素の 酵素の働きを抑制 抑制。 除草剤で 年) 除草剤で枯れない植物 れない植物( 植物(1996年 →ラウンドアップ( ラウンドアップ(除草剤): 除草剤):植物 ):植物に 植物に特有の 特有のタンパク質 タンパク質を阻害。 阻害。 →ラウンドアップ・ ラウンドアップ・レディー: レディー:細菌の 細菌のタンパク質 タンパク質を植物に 植物に導入。 導入。 ラウンドアップがあっても ラウンドアップがあっても、 があっても、生育できる 生育できる。 できる。 害虫を 年) 害虫を殺す植物( 植物(1996年 →細菌の 毒素) 細菌の毒素( 毒素(Bt毒素 毒素)の遺伝子を 遺伝子を植物に 植物に導入。 導入。この毒素 この毒素は 毒素は チョウや チョウやガ、コガネムシにしか コガネムシにしか作用 にしか作用しない 作用しない。 しない。 GM食品 食品の 食品の具体例( 具体例(その2 その2) 第2世代: 世代:栄養成分を 栄養成分を付加 → 消費者向け 消費者向け ビタミンA類似物質 ビタミン 類似物質を 類似物質を含むコメ( コメ(ゴールデンライス) ゴールデンライス) →発展途上国の 発展途上国の乳幼児の 乳幼児のビタミンA不足 ビタミン 不足の 解消。 不足の解消。 不飽和脂肪酸を 不飽和脂肪酸を多く含む大豆 →動脈硬化の 動脈硬化の予防に 予防に効果のある 効果のある不飽和脂肪酸 のある不飽和脂肪酸を 不飽和脂肪酸を合成する 合成する遺伝子 する遺伝子を 遺伝子を ダイズに ダイズに導入。 導入。 花粉症を 花粉症を緩和したり 緩和したり、 したり、肝炎ウイルス 肝炎ウイルスに ウイルスに対する免疫力 する免疫力をつ 免疫力をつ ける作物 ける作物の 作物の開発が 開発が現在行われている 現在行われている。 われている。 6.GM作物 作物の 作物の現状 日本では 作物は 日本では現在 では現在GM作物 現在 作物は商業的には 商業的には栽培 には栽培されていない 栽培されていない (もちろん輸入 もちろん輸入は 輸入は大量にしている 大量にしている)。 にしている)。 では、 では、世界ではどうか 世界ではどうか? ではどうか? 遺伝子組み 遺伝子組み換え作物の 作物の栽培面積( 栽培面積(形質別) 形質別) 日本の 万ha 日本の面積: 面積:3778万 日本モンサント 日本モンサントHPより モンサント より 遺伝子組み 遺伝子組み換え作物の 作物の栽培面積( 栽培面積(上位8国 上位 国) 日本の 万ha 日本の面積: 面積:3778万 日本モンサント 日本モンサントHPより モンサント より 遺伝子組み 遺伝子組み換え作物栽培面積( 作物栽培面積(作物別) 作物別) 日本の 万ha 日本の面積: 面積:3778万 世界の 世界の総栽培面積に 総栽培面積に占める 遺伝子組み 年) 遺伝子組み換え作物の 作物の割合( 割合(2007年 日本で 率 日本で流通する 流通する作物 する作物の 作物のGM率 (2008年 年) 輸入の 輸入の割合 どこから? どこから? 主要輸入国 日本での 日本での のGM率 率 GM率 率 (輸入量) 輸入量) 95% 大豆 万t) (食用油、 食用油、食品、 食品、 (370万 飼料) 飼料) 75% トウモロコシ 万t) (1650万 (飼料) 飼料) ナタネ (食用油) 食用油) 99.9% (230万 万t) アメリカ 75% アメリカ ほぼ100% ほぼ >70% アメリカ 99% アメリカ 80% ~60% カナダ 95% カナダ ほぼ100% ほぼ ~95% 農水省、 農水省、農協、 農協、厚労省などの 厚労省などの統計資料 などの統計資料より 統計資料より作成 より作成 日本での 日本での食品 での食品における 食品における表示例 における表示例 厚生労働省医薬食品安全部、 厚生労働省医薬食品安全部、および農林 および農林 水産省技術会議事務局の 水産省技術会議事務局の担当者の 担当者の話 「日本に 日本に入ってくる遺伝子組換 ってくる遺伝子組換え 遺伝子組換え作物のほとんどは 作物のほとんどは、 のほとんどは、 家畜用の 家畜用の飼料として 飼料として利用 として利用されています 利用されています。 されています。また、 また、食品会 社も食品の 食品の原材料欄に 原材料欄に「遺伝子組換え 遺伝子組換え」と表示するこ 表示するこ とを嫌 とを嫌がっています。 がっています。したがって、 したがって、日本では 日本では「 では「遺伝子 組換え 組換え」と明記した 明記した原材料 した原材料を 原材料を使った食品 った食品が 食品が出回ること 出回ること は今後当分ないでしょう 今後当分ないでしょう。」 ないでしょう。」 しかし表示義務 しかし表示義務には 表示義務には、 には、いくつかの抜 いくつかの抜け穴が。 「まずその食品 まずその食品の 食品の主原料( 主原料(上位3種 上位 種)であり、 であり、かつ重 かつ重 量の5%以上 以上のものでないと 以上のものでないと表示 のものでないと表示の 表示の義務はありませ 義務はありませ ん。またオイル またオイルやしょう オイルやしょう油 やしょう油、砂糖など 砂糖など、 など、組換え 組換え遺伝子 やタンパク質 タンパク質が製造の 製造の過程で 過程で分解されていると 分解されていると考 されていると考え られる場合 られる場合も 場合も表示義務がありません 表示義務がありません。」 がありません。」 「したがって、 カノーラ油などは遺伝子組換 などは遺伝子組換え 遺伝子組換えナタネか ナタネか したがって、カノーラ油 ら作られている可能性 われます。」 られている可能性が 可能性が非常に 非常に高いと思われます。」 7.GM作物 作物の 作物の安全性の 安全性のチェック GM作物 作物の 作物の安全性は 安全性は、既存の 既存の作物と 作物と比較することで 比較することでチェック することでチェック される。 される。 比較 遺伝子組換え 遺伝子組換え トウモロコシ 既存の 既存のトウモロコシ 主なチェックポイント ・既存の 既存の作物、 作物、組み込む遺伝子、 遺伝子、ベクター( ベクター(遺伝子を 遺伝子を組み込むため に使うDNA) )は、よく調 よく調べられているか? べられているか? ・組み込まれた遺伝子 まれた遺伝子はどのように 遺伝子はどのように働 はどのように働くか? くか? ・組み込んだ遺伝子 んだ遺伝子からできた 遺伝子からできたタンパク からできたタンパク質 タンパク質はヒトに ヒトに有害でないか 有害でないか、 でないか、 アレルギーを アレルギーを引き起こさないか? こさないか? ・遺伝子を 遺伝子を組み込むことで予期 むことで予期しない 予期しない変化 しない変化が 変化が起こらないか? こらないか? ・作物の 作物の栄養素が 栄養素が大きく変 きく変わらないか? わらないか? などについて科学的 などについて科学的な 科学的なデータをもとに データをもとに評価 をもとに評価し 評価し、総合的に 総合的に判断して 判断して います。 います。また必要 また必要に 必要に応じて動物 じて動物を 動物を用いた毒性検査 いた毒性検査を 毒性検査を行う。 8.GM作物 作物の 作物の問題点 1.安全性 2.生態系・ 生態系・環境への 環境への影響 への影響 3.特定の 特定の企業による 企業によるマーケット によるマーケットの マーケットの支配 1.安全性 ・食べても大丈夫 べても大丈夫ですか 大丈夫ですか? ですか? 様々なデータに データに基づき、 づき、人体には 人体には影響 には影響がないことが 影響がないことが確認 がないことが確認されてい 確認されてい ます。 ます。検査を 検査をパスしたものは パスしたものは、 したものは、食べ続けても問題 けても問題はありません 問題はありません。 はありません。 また、 食品( 技術) また、現在までに 現在までにGM食品 までに 食品(GM技術 技術)により健康 により健康に 健康に被害が 被害が出たと いう報告 いう報告はありません 報告はありません。 はありません。 ・害虫が 毒素) 害虫が食べて死 べて死ぬもの( ぬもの(Bt毒素 毒素)を人が食べても大丈夫 べても大丈夫ですか 大丈夫ですか? ですか? Bt毒素 毒素の 毒素の標的は 標的は、チョウや チョウやガ、コガネムシにしかありませんから コガネムシにしかありませんから、 にしかありませんから、 人体に 人体に影響はありません 影響はありません。 はありません。 ・アレルギーを アレルギーを起こさないですか? こさないですか? これも、 これも、様々な実験で 実験で厳しくチェック しくチェックされていますので チェックされていますので、 されていますので、その可能 その可能 性は非常に 非常に低いと考 いと考えられます。 えられます。 ・申請者( 申請者(企業) 企業)の作ったデータ ったデータだけで データだけでチェック だけでチェックして チェックして大丈夫 して大丈夫ですか 大丈夫ですか? ですか? 政府の 政府の委員会の 委員会の科学者や 科学者や各界の 各界の有識者が 有識者が、提出された 提出されたデータ されたデータ を様々な角度から 角度からチェック からチェックしています チェックしています。 しています。データに データに不備があれば 不備があれば試 があれば試 験のやり直 のやり直しを指示 しを指示します 指示します。 します。これは他 これは他の食品でも 食品でも同様 でも同様です 同様です。 です。 ・そんなこと言 )を入れ そんなこと言っても、 っても、別の種類の 種類の生き物の遺伝子( 遺伝子(DNA) て作った作物 った作物って 作物って、 って、何か気持ち 気持ち悪い。 自然界でも 自然界でも、「 でも、「種 、「種の壁」を越えた遺伝子 えた遺伝子の 遺伝子の移動は 移動は起こっています( こっています(遺 伝子の 伝子の水平移動)。 水平移動)。自然 こるか、人間が 人間が行うかの違 うかの違いです。 いです。 )。自然に 自然に起こるか、 実際、 実際、私たちの遺伝子 たちの遺伝子DNAの の中の数十パーセント 数十パーセントは 昔私たち 遺伝子 パーセントは、遠い昔私たち の祖先に からできています。 祖先に感染した 感染したウイルス したウイルスの ウイルスのDNAからできています からできています。 伝統的な 伝統的な品種改良法も 品種改良法も、遺伝子を 遺伝子を変化させることで 変化させることで作物 させることで作物を 作物を改良します 改良します。 します。 モンスターができるわけではありません モンスターができるわけではありません。 ができるわけではありません。 みなさんは、 みなさんは、生野菜やお 生野菜やお刺身 やお刺身を 刺身を食べるたびに、 べるたびに、それらに含 それらに含まれる DNAも も食べていることになります。 べていることになります。 しかし、 しかし、科学的に 科学的に危険がなくてもそれを 危険がなくてもそれを受 がなくてもそれを受け入れることができるかどう かは別問題 かは別問題です 別問題です。 です。来週の 来週の桑原先生の 桑原先生の授業で 授業で一緒に 一緒に考えましょう。 えましょう。 2. .環境や 環境や生態系への 生態系への影響 への影響 ・例えば、 えば、除草剤に 除草剤に抵抗性をもつ 抵抗性をもつ植物 をもつ植物が 植物が流出して 流出して野生化 して野生化したら 野生化したら、 したら、 除草剤が 除草剤が効かないスーパー かないスーパー雑草 スーパー雑草になる 雑草になる? になる?また他 また他の雑草と 雑草と交配し 交配し たら、 たら、どうなる? どうなる? 除草剤に 除草剤に抵抗性を 抵抗性を持つといっても、 つといっても、ある1種類 ある 種類の 種類の除草剤に 除草剤に抵抗 性を持つだけで、 つだけで、他の除草剤で 除草剤で枯れます。 れます。 ・GM植物 植物が 植物が野生化すると 野生化すると、 すると、野生の 野生の植物の 植物の遺伝子が 遺伝子が汚染されるの 汚染されるの ではないか? ではないか? GM植物 植物に 植物に限らず、 らず、外来性の 外来性の植物による 植物による遺伝子汚染 による遺伝子汚染はいたると 遺伝子汚染はいたると ころで起 ころで起こっています。 こっています。 ・害虫を 遺伝子をもつ 害虫を殺す植物( 植物(Bt遺伝子 遺伝子をもつ植物 をもつ植物) 植物)は、害虫以外の 害虫以外の昆虫も 昆虫も 殺してしまうのではないか? してしまうのではないか? その可能性 その可能性は 可能性は否定できません 否定できません。 できません。しかしBt毒素 しかし 毒素の 毒素の遺伝子を 遺伝子を組み込 んだ植物 んだ植物の 植物の種類は 種類は限られているし、 られているし、現在までに 現在までに問題 までに問題になったこと 問題になったこと はありません( タンパク質 年代から はありません(Btタンパク タンパク質は農薬として 農薬として1960年代 として 年代から広 から広く使わ れています)。 れています)。 ・Bt毒素 毒素が 毒素が効かない昆虫 かない昆虫が 昆虫が出てくるのではないか? てくるのではないか? いずれ出 いずれ出てくると思 てくると思われます。 われます。しかしそれは他 しかしそれは他の農薬や 農薬や抗生物質 でも同 でも同じで、 じで、結局農業を 結局農業を行う限り避けられない問題 けられない問題です 問題です。 です。 環境や 環境や生態系には 生態系には重大 には重大な 重大な影響を 影響を持つ可能性がありま 可能性がありま す。慎重に 慎重に考えなければなりません。 えなければなりません。 3.特定の 特定の企業による 企業によるマーケット によるマーケットの マーケットの支配 結局、 結局、少数の 少数の限られた大企業 られた大企業が 大企業が種子の 種子の価格や 価格や販売を 販売をコントロール し、世界の 世界の農業を 農業を支配してしまうことになるのではないか 支配してしまうことになるのではないか? してしまうことになるのではないか? その可能性 その可能性はあります 可能性はあります。 はあります。しかし、 しかし、私(渡部) 渡部)はこれに関 はこれに関して講義 して講義す 講義す るだけの知識 るだけの知識も 知識も専門性もありません 専門性もありません。 もありません。他の先生方、 先生方、丸投げして 丸投げして 申し訳ありませんが、 ありませんが、よろしくお願 よろしくお願いいたします。 いいたします。