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鉱物資源(pdf)

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鉱物資源(pdf)
鉱産資源
1 鉱産資源
(1)金属資源
① ベースメタル …埋蔵量,生産量ともに多く,古くから様々な
製品の原料として使用される金属。
※海外ではコモンメタルと呼ぶ。
■種類… 鉄鉱石,銅鉱,ボーキサイト(
鉛鉱,亜鉛鉱
アルミニウム の原料),
■分布…アジア・アフリカ・ラテンアメリカなどの 発展途上国 に偏在
→(アメリカ合衆国やオーストラリア,ロシアを除く)先進
工業国で 自給率 は低い
鉄
ボーキサイト
鉛
銅
亜鉛
② レアメタル (希少金属)
…産業界での流通量・使用量が少なく希少な金属。
※海外ではマイナーメタルと呼ぶ。
■種類…ニッケル,クロム,コバルト,タングステンなど先端
技術産業(航空宇宙,エレクトロニクスなど)に欠か
せず,「 産業のビタミン 」とよばれる。
■分布…埋蔵量少ない。
アフリカ,ロシア,
中国 ,オーストラリアに偏在
※とくにレアメタルの一鉱種の「レアアース」の生産が生産コストの安
さから,一時,中国に特化。中国が,2010年「尖閣諸島中国漁船
衝突事件」後,政治目的で禁輸,輸出制限を行い,市場が混乱。
ただし現在,日本・欧米各国とも調達先の転換や,リサイクル・代
替技術の導入により「中国離れ」を進めて危機を脱している。
31鉱種あるレアメタルの中の1鉱種
■備蓄
…先進国で進められる。日本では茨城県高萩市に 備蓄基地
(7種60日分)がある。
レアメタル国家備蓄倉庫
■レアメタルなど有用金属のリサイクル概念( 都市鉱山
)の登場
→ 地上に蓄積、廃棄された工業製品を都市に眠る鉱
山資源とみなす概念
都市鉱山の具体例
http://www.nims.go.jp/research/elements/rare-metal/urban-mine/index.html
(2)非金属資源… 石灰石,硫黄など
国内に流通している硫黄は、全量が脱硫装置起源のもの
2 主な鉱産資源
(1)鉄鉱石・・・近代産業の基幹となる金属,製鉄原料
①分布
…先カンブリア時代の地層が露出した[ 安定陸塊
[ 楯状地
]に大鉱山が分布
]の
②生産・輸出入の特徴・・・ 中国
鉄鉱石の産出国(2011)
中国
中国(29.6)
は生産第1位だが,輸入も第1位
輸出国(2009)
輸入国(2003)
オーストラリア(41.2)
国
オーストラリア 中中国
※急増 急 増
(65.3)※
オーストラリア(19.9) ブブラジル
ラ ジ ル (28.8)
オーストラリア
ブラジル
ブラジル(17.8)
イインド
ン ド (9.8)
日日本
本
(11.0)
インド
インド
南アフリカ
ド イ ツ (3.0)
ロシア
カナダ
オ ラ ン ダ (2.0)
ウクライナ
ウクライナ
南アフリカ
ロシア
アメリカ
オランダ
カナダ
スウェーデン
スウェーデン
カザフスタン
韓韓国
国
(4.4)
日本の輸入一位は
オーストラリア (61.6%)
③主要産出国と代表的鉄山
■アメリカ合衆国・・・・
メサビ
鉄山(アメリカ合衆国最大)
日本も資金協力と技術援助
■ブラジル
・・・・ イタビラ 鉄山, カラジャス 鉄山(世界最大の埋蔵量)
■スウェーデン・・・・・ キルナ 鉄山(良質な磁鉄鉱)
冬の積出港
夏の積出港
■中国・・・・・・・・・ アンシャン 鉄山(戦前に[ 日本 ]が開発)
■オーストラリア
・・ ハマーズリー 山地のある[ ピルバラ ]地区
(マウントホエールバックなど)
→露天掘り。[ 日本
]資本も進出して開発。
ピルバラ地区
マウントホーエルバック鉄山
マウントトムプライス鉄山
■ロシア・・・・・・ マグニトゴルスク 鉄山
メサビ
キルナ
マグニトゴルスク
アンシャン
カラジャス
イタビラ
ピルバラ地区
(2)銅鉱石・・電線などにつかわれ電気機械工業を支える金属。
①分布…[ 新期]造山帯に多い
②生産・輸出入の特徴
…
チリ が世界1位の生産国であり輸出国
日本の輸入も[ チリ
]が1位
③主要産出国と代表的銅山
■チリ・・・・・・・・ チュキカマタ 銅山
※かつては世界最大級であったが現在,同じチリの
エスコンティーダ
のほうが規模が大きい。
■アメリカ合衆国・・・ ビンガム
ビンガム
銅山
■コンゴ民主共和国からザンビアにかけて
・・・・[ カッパーベルト ]:世界的な銅鉱床地帯
カッパーベルト
ビンガム
チュキカマタ
カッパーベルト
(3)ボーキサイト・・・茶褐色をしたアルミニウムの原鉱石
①分布・・・[ 熱帯・亜熱帯
]の高温多湿地域に多く分布
②生産の特徴・・・ オーストラリア が生産第1位
アルミニウムに加工するには[ 大量の電力 ] が必要
→ アルミ生産は
オーストラリア
電力
の安価な国で盛ん
中国
ロシア
カナダ
サウジアラビア
*日本の自給率は 0 %
③主要産出国と代表的鉱山
■オーストラリア・・・ ウェイパ (世界最大のボーキサイト産出地)
(オーストラリアの熱帯地域に位置)
ウェイパ
■中南米・・・・・・・・
ジャマイカ,スリナム
ジャマイカ
スリナム
など
■アフリカでは・・・・・ ギニア
ギニア
など
ジャマイカ
スリナム
ウェイパ
ギニア
(4)ニッケル
・・・銀白色の非鉄金属。耐食性・耐熱性にすぐれ,各種の合金
やステンレスとして利用
①生産上位国・・・ インドネシア
、フィリピン、ロシア
②代表的鉱山
■カナダ・・・ サドバリ
(世界最大のニッケル鉱床)
サドバリ
■ニューカレドニア島:[ インドネシア]領の島(独立運動有り)
ニューカレドニア
(5)ダイヤモンド
・・・装飾用と研磨などに利用される工業用とに分けられる。
①生産上位国・・・ロシア、ボツワナ、コンゴ民主共和国
②代表的鉱山
■南アフリカ共和国・・ キンバリー
■オーストラリア・・・・ アーガイル (ピンクダイヤモンドの産地)
キンバリー
アーガイル
3 資源ナショナリズム
自国の資源は自国の経済発展のために!
※石油資源を例として
(1)かつて
・・・石油開発利権をメジャー([国際石油資本])が支配する体制
イギリス,フランス,オランダ,アメリカ合衆国などの
多国籍企業
旧セブンシスターズ
■西アジアや北アフリカの油田開発に大きな力を発揮してきた
■産油国へは利権料(採掘権を認めた対価)を支払うのみ
■石油市場(採掘・輸送・精製・販売)を支配(1960年ころまで)
→産油国は油田の開発,精製の技術を持たず,利権料のみ
(2)1960年代からの[ 資源ナショナリズム ]
…自国の資源を経済的自立と発展に結びつける動き
①1960年石油輸出国機構([ OPEC
])の結成
・・世界の主要石油輸出国が石油政策の調整,原油価格の安
定などを目的として結成
サウジアラビア,イラン,イラク,クウェート,ベネズエラの
5カ国(原加盟国)
→現在は12カ国
(3)1973年~の産油国の政治情勢と連動した石油価格の変動
※ 西アジアの政治的不安定 → 石油供給の不安定化
→世界・日本経済に影響
1973年以前:国際石油資本(メジャー )による石油の生産・販売・流
通の支配で安値安定
1974~1978年: 第四次中東 戦争を契機とする第一次石油危機 で上昇
1979~1985年: イランイラク 戦争を契機とする第二次石油危機で上昇
高値安定へ
1986~1999年:需要低迷による安値安定(先進国の 省エネ 対策
などによる)
※1982年~のアルジェリアの油田,イギリスの北海油田からの石油供給
2000年~2003年: 同時多発テロの発生で下落するものの、イラク 戦
争により急上昇
2004年~: 中国
の石油需要の急増、アメリカの住宅市場の活
況、そして石油供給途絶懸念などにより急上昇
2008年~: リーマンショック
2010~12年: アラブの春
を契機とする世界同時不況により急落
で急上昇
5 OPEC・OAPECの加盟国とその位置
(1)OPEC(石油輸出国機構)
■世界の主要石油輸出国が石油政策の調整、原油価格
の安定などを目的として 1960年
に結成
■原加盟国は 5
か国
イラン、イラク、クウェート、サウジアラビア、ベネズエラの5カ国が
原加盟
(2)アラブ石油輸出国機構(OAPEC)
■1967年第3次中東戦争の際、イスラエル支援国への石油輸
出を禁止しようとしたOPECのアラブ系産油国に対して,
イラン,ベネズエラ など非アラブ系の産油国が従わなかった
アラブ系産油国 だけで1968年に結成
原加盟国=サウジアラビア、クウェート、リビアの
3カ国。本部はクウェート
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