Comments
Description
Transcript
13 べてが満たされるという充実感! 何よりも、自然のな かで、そして海で
べてが満たされるという充実感! 何よりも、自然のな かで、そして海で感じる、言葉では言い表すことができ ないほどの心地良さ! この地球上で生きるあらゆる生き物たちとの共存―― 人間だけが特別な生き物ではないのです。それを自らの 生活で実践している彼らの言葉の重み。今までは知識で はわかっていたものの、彼らと一緒に過ごしたことで、自 然をもっとリアルに感じる生き方がしたい、そしてその 感動をより多くの人に私自身が伝えてみたい! そう思 うようになったのでした。 自然を感じるために、自然と共生するために、その素 オーストラリアのイルカと出会った湾 晴らしさを伝えるために私はどうすればいい? その頃 ちょうど、私は様々なものに追われる都会での生活に疲 奇跡が起きたのです! イルカたちはまるで私を歓迎し れ始めていたということも重なり……。 てくれるかのようでした。 この日の夜のことです。私は決心し ました。 「この島に住む!」――この出 来事を私は運命だと確信したのです。 自然と共存したい、あらゆる生き物 と仲良く暮らしたい、そんな私の強い 思いがイルカたちに通じたのだと思い ます。それとも神様が導いてくれたの かな? 心の奥底にあるまだ気づくこ とのない「何か」が私をここまで連れ てきてくれたのかな? イルカという 存在が引き合わせてくれた数々の素晴 らしい出会い。 願いはきっといつか叶う――けれ ど、決して人間だけに都合のよい願い だけが本当の喜びではないのです。私 はイルカたちからいつもたくさんのこ とを学んでいます。そしていつか、彼 らのように生きていくことができれば と思い、フリーダイビングも始めまし た。イルカを見ると、人は微笑まずに 「日本を離れよう」 、私はそう決意しました。そして、私に はいられません。私もそんな幸福を分けてあげることの 考えるきっかけを与えてくれたオーストラリアで生活し できる人になりたいと思うのです。 てみようと。 港は私たちが生活する世界と海の世界の境界線ではな 少ない財産を売りに出し、資金集めに奔走し、いよい く、互いの世界を行き来することができる窓口です。時 よ現地で住居を探す段階になった頃、別のテレビ番組の には同じ地球を生きる海の仲間の世界を感じに出かけて 取材でハワイへ行くお仕事をいただきました。 みませんか!! きっと素晴らしい出会いが待っているに違 いずれにしても私は自然と触れ合う機会をより多く持 いありません! つことができればと考えていたので、とりあえずオース トラリア行きの準備をいったん中断し、ハワイへと向か うことにしました。しかし、この選択が、私の人生をさら に大きく動かすことになったのです。 取材でハワイ島へ行き、一日使ってダイビングするこ とになりました。カイルア桟橋というところは船の出入 りが盛んなため、常にイルカと遭遇できるとは限らない という話だったのですが、私たちが船を出したとたん、 100頭ほどのイルカがどこからともなく現れたのです! 13