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NOTA : ユーザー主導型コミュニティ活動支援システム

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NOTA : ユーザー主導型コミュニティ活動支援システム
ISBN
978-4-87762-174-2
SFC-MT 2006-004
OTA:ユ
ー ザ ー主 導 型
コミュニティ活 動 支援 システムの 研 究
2006年
永 田 周一
政策・
メディア研究科修士課程
安村 通晃
研 究 プロ ジェク ト
慶應義 塾 大 学 湘 南 藤 沢 学 会
N
優秀修士論文推薦の ことば
こ の修 士 論 文 で は 、 「
共 生 開 発 ス タ イ ル 」 と よ ぶ 、 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ を念 頭 に 置 い た
新 た な ソ フ トウ ェ ア 開 発 の 手 法 を提 唱 し、 実 際 にNOTAと
り開 発
呼 ぶ ソ フ トを この 手 法 に よ
展 開 、発 展 させ た 内 容 に つ い て 具 体 的 な 事 例 を交 え て 説 明 して い る。 これ は 、
これ ま で に な い 新 た な ソ フ トウ ェ ア 開 発 手 法 と して 注 目 され る だ け で は な く 、 実 際 に
い く つ か の 地 域 コ ミュ ニ テ ィ にお い て 、 実 践 的 に使 用 さ れ て い る 点 が 高 く評 価 され る 。
以 上 述 べ た 理 由 に よ り本 論 文 を 、 優 秀 修 士 論 文 と して 、 強 く推 薦 す る 。
慶應義塾大学
環境情報学部教授
安村
通晃
NOTA:ユ
ー ザ ー主 導型 コ ミュニ テ ィ
活 動 支 援 シス テ ム の 研 究
永 田周 一
2007年1月15日
修 士論 文要 旨2006年
NOTA:ユ
度(平 成18年
度)
ー ザ ー 主 導 型 コ ミ ュニ テ ィ
活 動 支援 シ ス テ ムの研 究
近 年 イ ン タ ー ネ ッ トの 普 及 に よ り、 市 民 が 地 域 コ ミ ュニ テ ィ 活 動 の た め に ウ ェ ブ ロ グ や
SNSな
どを 利 用 す る需 要 が 高 ま っ て い る 。 しか し、 ウ ェ ブ サ ー ビ ス や 製 品 と して 開 発 され
た ソ フ トウ ェ ア で は 、 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィで 必 要 と され る細 か な要 求 を満 た せ な い とい う問
題 を抱 えて い る 。
そ こで 本 研 究 は、 市 民 が ソ フ トウ ェ ア を 開 発 し、 コ ミュ ニ テ ィで 運 用 す る中 で 得 られ る
フ ィ ー ドバ ッ ク を元 に継 続 的 に 改 良 して い く 「
共 生 開 発 ス タ イ ル 」 を提 案 し、 事 例 を 通 じ
て 有 効 性 を 示 す こ と を 目的 とす る。 共 生 開 発 ス タイ ル は 、(D効
テ ム を 継 続 して 開 発 で き る、(2)利
率 を あ ま り考 え ず に シ ス
用 者 の フ ィー ドバ ッ ク が た だ ち に得 られ る、(3)開
者 と コ ミュ ニ テ ィが 一 体 に な っ て い る た め必 要 な機 能 だ け を 作 れ ば よい 、(4)高
発
いモ チベ
ー シ ョ ン を保 っ て 楽 し く開 発 で き る、 な どの メ リ ッ トが あ る。
次 に 、 共 生 開 発 ス タ イ ル の 事 例 と して 私 が 開 発 し た 「NOTA」
イ ル が 広 が っ た プ ロ セ ス を 明 らか に す る。NOTAは2005年
コ ミュ ニ テ ィで 利 用 され 、そ の 後NOTAを
を 利 用 して 共 生 開 発 ス タ
よ り横 浜 市 の い くつ か の地 域
改 良 した い と い う要 望 を もつ 利 用 者 の 有 志 が 集
ま って 開 発 コ ミ ュニ テ ィ を 形 成 し、 共 生 開 発 ス タ イ ル が 始 ま っ た 。NOTAは
、複数 の人が
同 時 に ブ ラ ウザ ー 上 で 文 字 や 図 、 写 真 な どを 好 き な 位 置 に書 き込 み 、 蓄 積 で き る な ど、 汎
用 性 の 高 い イ ン タ フ ェー ス を 持 つ シ ス テ ム で あ る。
本 研 究 で 得 られ た成 果 は 以 下 の 通 りで あ る。 共 生 開 発 ス タ イ ル に よ る 開 発 を 促 進 す る た
め に、 利 用 者 がNOTAを
拡 張 で き る プ ラ グ イ ン機 能 を追 加 した 。 こ の 結 果 、 NOTAを
応
用 し た地 図 シ ス テ ム や 、 ビ デ オ会 議 シ ス テ ム 、 障 害 者 コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン シ ス テ ム な どが
地 域 コ ミュ ニ テ ィ 内 で 開 発 さ れ た 。 これ らの 事 例 は 、 コ ミュ ニ テ ィ の 細 か な要 求 に応 え る
機 能 を 的確 か つ 迅 速 に 開 発 す る こ とに 成 功 して お り、 共 生 開 発 ス タ イ ル の 有 効 性 を 示 し た
とい え る。
キー ワー ド
コ ミ ュ ニ テ ィ活 動 支 援 シ ス テ ム
オー プ ン コンテ ン ツ
共 生 開発 ス タイル
慶応義塾大学大学院 政策 ・メデ ィア研究科
修士課程
永田 周一
Abstract
of Master
Thesis
Academic
NOTA:
Community
User
Driven
Activity
Approach
Support
Year
2006
for
System
Today, through the spread of Internet, demands that citizen uses Weblog or SNS for
local community activity are increasing. However, it carries problems that software
developed as web services or products cannot fulfill detailed demands of local
communities.
Therefore, in this study, the author proposed concepts of "civil software development"
by which the citizens develop software, and improve it continuously based on feedback
provided while putting it into practice in communities. Civil development has following
advantages.
(1) The system can be continuously developed without concerning efficiency excessively.
(2) Feedback from users is provided immediately.
(3) They make only necessary features because developers collaborate with the community.
(4) It is possible to enjoy developing software while keeping motivations high.
Next, the author identifies developing processes of civil development in the case of
"NOTA" that the author developed . NOTA have been used in some local communities in
Yokohama city since 2005. Development
communities
were organized and civil
development was adopted when volunteers of users who wished to improve NOTA
gathered. With NOTA, users can put texts, figures, and photos, etc in optional positions at
the same time on web browsers.
The achievements of this study are as follows: In order to promote development by
civil development, the author added plug-in features that users are able to extend the usage
of NOTA by themselves. As a result, extensions for NOTA were developed in local
communities. A map system, a video conferencing system, and a communication system for
the handicapped are some of the examples of such extensions. The effectiveness of civil
development has been shown by those cases that succeeded to fulfill detailed demands of
communities by archiving adequate and prompt development.
Keywords:
Community
Software
Activity
Support
System,
Open
Content,
Civil
Development.
Graduate
School of Media and Governance,
Keio University
Shuichi
NAGATA
目次
-←
第1章
序論
研 究 の 目 的.
1.3
論 文の構 成
.
﹂4
1.2
.
9θ
.
●
研 究 の 背景
●
1.1
.
rO
第2章
.
.
7
従 来 の開 発 ス タイル
.
2.1
は じめ に
2.2
アジ ャイル 開発 手法
2.3
オ ー プ ン ソ ー ス ・コ ミ ュ ニ テ ィ
2.4
従 来 の開 発 ス タイ ル の問題 点
2.5
共 生 プロ グ ラ ミン グ
2.6
ま とめ
第3章
...........
9
9
.
.
11
共 生 開 発 ス タ イ ル の 提 案
.
共 生 開 発 ス タ イ ル の 提 案.....
..............
.
3.2.1
共 生 開 発 ス タ イ ル の 定 義
3.2.2
共 生 開 発 ス タ イ ル の 特 徴
3.2.3
共 生 開 発 ス タ イ ル の メ リ ッ ト
NOTAネ
12
.
3.3.2
NOTAネ
ッ ト ワ ー ク の 実 践.
......,........
NOTAの
設 計 と開発
4.1
は じめ に
4.2
従 来 の シ ス テ ム..
4.3
NOTA
4.4
NOTAの
15
.
15
18
.
.
18
21
......
.
,
.
22
22
.
.
23
25
使 い 方.
基 本 ツ ー ル 。.
14
.
ッ ト ワ ー ク の 形 成.
ま と め
12
.
ッ ト ワ ー ク........
NOTAネ
12
12
.
3.3.1
4.4.1
10
10
.........
3.2
第4章
.
.
は じめ に
3.4
8
_.。.
3.1
3.3
8
.
25
●-昌
●-
目次
4.5
4.6
4.4.2
認 証................9.9.............
4.4.3
写 真 の 貼 り付 け...........
4.4.4
フ ァ イ ル の 貼 り 付 け.........
4.4.5
手 書 き 線 の 描 画...........
4.4.6
手 書 き 線 の 消 去...........
4.4.7
リ ン ク................
4.4.8
リ ン ク か ら の 新 規 ペ ー ジ 作 成....
4.4.9
オ ブ ジ ェ ク トの 操 作 と部 品 の 重 な り順
NOTAの
.27
...
..27
.
27
..28
...2g
29
..
..30
...31
実装
32
4.5.1
リア ル タ イ ム編 集 の 実 装
4.5.2
ユ ー ザ ー ア カ ウ ン ト と編 集 権 限
33
4.5.3
HTMLと
34
4.5.4
手 書 き 線 の 実 装........
4.5.5
機 能 の 比 較...........
...
......32
の 互 換 性 とデ ー タ構 造
34
..35
ま とめ
38
リ ケ
5.1
は
じ め
5.2
プ
ラ グ イ
5.3
プ
ラ
ー
シ
に
ョ ン
・プ
ラ
ッ
ト フ
ォ ー ム
と
し て
Qゾ 0
3 4
ア プ
第5章
...
のNOTA
...........5.......................
...
0
4
ン の 使
い 方.................
.
.。.
0
4
ッ
ト フ ォ ー
ム の
実 装...............
......
2
4
NOTA
APIを
用
い た 開
5.3.2
NOTA
APIを
利
用
発...........
..
4
4
5.3.1
し た 作
品 例........
5
4
5.4
ま
と め
........................
6
4
NOTAの
第6章
利 用 事 例 と応 用
7
4
は じ め に
6.2
NOTAの
................。...,..................
7
4
6.1
使 い 方 を 工 夫
し た 事 例.........
。.
...
7
4
サ バ イ バ ル ジ ュ ニ ア プ ロ ジ ェ ク ト.....
6.2.2
っ づ き]}af丑c
.
7
4
6.2.1
Pr0ject
...-......
...
...
8
4
6.3
NOTAの
プ ラ グ イ ン を 開 発 した 事 例
........
8
4
障 害 者 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 支 援 プ ラ グ イ ン...
6.3.2
NOTAビ
6.3.3
C-Shirtsプ
.
_.
9
4
6.3.1
デ オ 会 議 室 プ ラ グ イ ン
.....
.
1
5
..
4
ρ
0
﹁
0
1
5
0U
利 用 経 験
.....................
4
5
ま と め
........................
RJ
5
第7章
ラ グ イ ン.......。....
関 連 研 究
7.2
Web技
..................................一....
術 の 新 領 域
..
ρ0
FO
は じめ に
ρ0
F
O
7.1
目次
7.3
7.4
iii
7.2.1
非 同 期 通 信...................................56
7.2.2
WebのAPL...........
オ ー プ ン コ ン テ ン ツ........
7.3.2
Consumer
7.3.3
Creative
第9章
Generated
.
..57
Media.
59
Commons
59
開 発 形 態 に 関 す る 関 連 研 究.....
59
よ びCSCW....
参加 デ ザ イ ン
59
..........
60
共 生 開 発 ス タ イ ル の 考 察 と今 後 の 展 望
共 生 開 発 ス タ イ ル の 考 察...........................
8.1.1
8.2
57
7.3.1
7.4.2
8.1
,.56
コ ン テ ン ツ 流 通 の 新 領 域......
7.4.1CSCLお
第8章
.
オー プン ソー スか らオー プン コ ンテ ンツへ
今 後 の 展 望........,...........
結 論
62
...63
....63
..63
65
9.1
研 究 の 成 果...................................。..66
9.2
論 文 の 総 括 と結 論
..
参考文献
66
69
付 録A
NOTAネ
ッ トワー クの活 動履 歴
72
付 録B
NOTAネ
ッ トワ ー ク 運 営 方 針
73
.
iv
図 目次
1.1
論
2.1
Waterfall Model
文
の
構
成..
..............
....
。..
...........
6
8
3
り0
市
民 活
動
き 人
交 流
フ ェ ス
NOTAバ
支 援
セ
ン タ ー
に お
タ の 活 動
け るNOTAの
講 座
の 様
子
......,.....
の 様 子....................
....
ッ ジ.............._.,.....
(U
り右
り右
づ
0り
■⊥
0
0
浜 市
っ
7・
-⊥
-
3
横
.........
3
2
1
4
NOTAの
的
集
の
ワ ー
なWikiの
編
ク
集 画
フ ロ ー................
......
....
4
2
2
4
一 般
編
面
.-..........................
5
2
3
4
協
調
的 編
NOTAの
編
集 画
集
の 概
念
図............................
4
4
6
2
NOTAの
面
の 例...........。.........
...
...
.
8
2
5
4
フ
ァ イ ル の
貼
り 付
け.....................
9
2
6
4
き 線
の
描 画.......................
.
手 書
き 線
の
消 去.........................
.....
.
7
4
9
2
手 書
...
0
3
8
4
リ ン ク の 選 択.......................
...
1
3
9
4
NOTAに
よ
る 相
互
リ ン ク
................
.
3
3
0
1
4
リ ア ル
タ イ
集
の 確
保
の 流
れ.....,..................
......
5
3
1←
1
4
ム 編
表 示
互 換
性
..............................。...
6
3
り右
1
4
Flash上
で 、
ス
ム
ー ズ
な 手 書
き 線
を 描
画
す
る
プ ロ
ト タ
イ
プ
6
3
3
1
4
で 、
手
書
き 線
NOTAプ
ラ グ イ ン を 貼
を 用
い て
レ
タ
ッ チ
し た 例
り 付 け た 画 面 例......
.
ニ ュ ア ル
..
。....
...
.........
.......
.....
..
表 ペ ー ジ.............-.
つ づ きTraf丘c
Projectの
詳 細 ペ ー ジ
。.....
...
...
....
.
........
1←
rO
4
ρU
障 害 者 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 支 援 シ ス テ ム の 利 用 例....
..
0
﹁
り
0δ
ρ0
Projectの
...........
0り
4
∩
∠
ρ
0
っ づ きTraffic
......
8
﹂
4
-←
ρ0
サ バ イ バ ル ジ ュ ニ ア プ ロ ジ ェ ク トの 作 品 例
.
00
4
4
ビ
0
APIマ
.
.........
り白
4
00
ビ0
ラ グ イ ン の 例..........
.
.。.
-←
4晶
9臼
EO
NOTA
...
...
簡 易 掲 示 板 プ ラ グ イ ン.............
NOTAプ
-...
-⊥
4ム
-←
ビO
NOTA上
図 目次
v
7`
7.
-⊥
7-
りθ
......................
C-ShirtsのQRコ
Google
ー
ドを 携 帯 電 話 を 利 用 し て 読 み 込 む 様 子
Maps.
.
8
E
O
ρ
0
作 例
7`
EO
ρ0
C-Shirtsの
4
ドO
ρ0
。.........
0
δ
﹁
0
民﹂
デ オ 会 議 室 プ ラ グ イ ン の 利 用 例
9白
EO
ρ0
NOTAビ
Willustrator..........................
vi
.
表 目次
3.1
コ ミ ュ ニ テ ィ 活 動 支 援 シ ス テ ム の 分 類 ......
ー ジ作成 シス テ ムの基 本機 能 の比較
78
0
0
りθ
4
各 種Webペ
4
3
-⊥
4
ア カ ウ ン ト別 実 行 可 能 操 作 表
14
1
第1章
序論
本 章 で は研 究 の 目 的 、 論 文 の 構 成 に つ い て 述 べ る。
第1章
1.1
序論
2
研 究 の背 景
近 年 イ ン タ ー ネ ッ トの 普 及 に よ り、 市 民 が 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ の 活 動 の た め に ウ ェ ブ ロ グ やSNS
な ど を 利 用 す る需 要 が 高 ま っ て い る 。 情 報 技 術 が 普 及 す る 以 前 か ら存 在 す る地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ の
活 動 を 支 援 す る た め に 、Webを
利 用 す る事 例 が 増 え て き た 。 従 来 の コ ン ピ ュ ー タ に よ る コ ミ ュ ニ
テ ィ活 動 支 援 は 、 製 品 と して 開 発 さ れ た 企 業 内 グ ル ー プ ウ ェ ア の よ う に ユ ー ザ ー の コ ン ピ ュ ー タ
リテ ラ シ ー が あ る こ と を前 提 と した シ ス テ ム や 、 ウ ェ ブ サ ー ビ ス と して 開 発 さ れ た 不 特 定 多 数 の
エ ン ドユ ー ザ ー を 対 象 と した 仮 想 的 な コ ミ ュ ニ テ ィ支 援 の シ ス テ ム の 利 用 が 中 心 だ っ た 。 そ れ に
対 して 、 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ に お け る シ ス テ ム の 利 用 は 、 下 記 の よ う な特 徴 を持 っ て い る 。
・ 利 用 者 の リテ ラ シ ー の ば らつ き が 比 較 的 大 き い 。
● 組 織 と して の 利 用 目的 は 明 確 に定 ま っ て い な い 。
● 階 層 的 で は な く、 人 的 な ネ ッ トワ ー ク に よ っ て ゆ るや か に 組 織 化 さ れ て い る。
● 地 域 独 自 の 利 用 形 態 に合 わ せ て 、 複 数 の シ ス テ ム を組 み 合 わ せ て 利 用 す る(必
要 な場 合 は、
自 ら開 発 す る こ と も あ る)。
● 情 報 は 完 全 に 秘 匿 に す る わ け で も な く、 か と い っ て 積 極 的 に公 開 して い くわ け で も な い 。
・ シ ス テ ム を 開 発 す るた め の 予 算 は 少 な い 。
上 記 の よ う に 地 域 コ ミュ ニ テ ィ は 、従 来 の 利 用 と は 異 な る ユ ー ザ ー を 対 象 と して い る もの の 、 そ
の た め に 最 適 化 さ れ た シ ス テ ム は ほ と ん ど存 在 して い な い 。 既 存 の シ ス テ ム を 流 用 し、地 域 コ ミ ュ
ニ テ ィ に 辛 う じて 適 合 させ 利 用 して い る 例 が 多 く、 コ ミ ュ ニ テ ィ の た め に 独 自 に 開 発 を 行 っ て い
る こ と は ま れ で あ る 。 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ に必 要 な シ ス テ ム の 要 求 を定 義 し開 発 して い く プ ロ セ ス
に 、 企 業 関 係 者 や 研 究 者 が 持 続 的 に 参 加 す る こ とは 少 な く、 一 時 的 な実 験 な い しは 調 査 と して しか
関 わ って い ない よ うに見受 け られ る。
筆 者 は 、NOTAと
い う情 報 共 有 シ ス テ ム を 開 発 す る過 程 で 、2005年
地 域 コ ミュ ニ テ ィ にNOTAが
よ り横 浜 市 都 筑 区 に お い て
持 ち 込 ま れ 、 有 志 に よ り開 発 コ ミュ ニ テ ィが 形 成 さ れ 、 一 般 市 民 の
コ ミ ュ ニ テ ィ に普 及 して い く とい う過 程 を 経 験 した 。NOTAの
普 及 は 、 開 発 者(筆
者)だ
けで は
成 立 せ ず 、 地 域 コ ミ ュニ テ ィの 中 で 利 用 さ れ る過 程 に お い て 、 地 域 内 に お い て 協 力 者 が 増 え 、 開 発
と普 及 が 同 時 に繰 り返 し進 行 した 。NOTAに
は 、 ア プ リケ ー シ ョ ン ・プ ラ ッ トフ ォ ー ム と して 容
易 に シ ス テ ム を拡 張 で き る機 能 を 実 装 し た た め 、 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ の 中 で 、NOTAを
独 自に発 展
させ る者 が 現 れ た 。 この 過 程 は 、 共 著 『科 学 技 術 実 践 の フ ィ ー ル ド ワー ク』 の 「学 習 環 境 の デ ザ イ
ンの た め の ネ ッ トワ ー ク指 向 ア プ ロ ー チ 」[上 野06b]に
テ ム を普 及 させ る者(以
お い て 詳 し く述 べ て い る。 す な わ ち 、 シ ス
後 、 「普 及 者 」 と呼 ぶ)、 利 用 す る者 、 そ れ ら を 改 良 す る者 の 重 層 的 な ネ ッ
ト ワ ー ク が 構 築 さ れ 、 開 発 者-普
及 者-利
用 者 が 一 体 とな っ た コ ミ ュ ニ テ ィ が 形 成 さ れ た 。 従 来
の オ ー プ ン ソ ー ス コ ミ ュニ テ ィ は 、 「ソ ー ス コ ー ドが 共 通 言 語 」 と呼 ば れ る よ う に専 門 的 な 開 発 者
に 閉 じた コ ミ ュ ニ テ ィ だ っ た が 、NOTAの
コ ミ ュ ニ テ ィ は 、 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ の 活 動 と持 続 的 な
関 わ りを 持 ち 、 日常 的 な 活 動 の 一 部 と して 組 み 込 ま れ な が ら 開 発 が 継 続 さ れ て い る 点 が 特 徴 的 で
あ る。
第1章
序論
3
上 記 の よ う に、コ ミ ュ ニ テ ィ活 動 と持 続 的 な 関 わ りを 持 ち 、開 発 者 が 市 民 の 中 か ら現 れ 、利 用 者 と
一 体 と な っ て 設 計 し開 発 す る と い う視 点 は 、 従 来 のCSCL(Computer
Supported
Collaborative
Learning、
Supported
Collaborative
Work、
コ ン ピ ュ ー タ に 支 援 さ れ た 協 同 学 習)、 CSCW(Computer
コ ン ピ ュ ー タ に 支 援 さ れ た 協 同 作 業)研
(Participatory
Design)の
究 に も な か っ た も の で あ る。 ま た 参 加 デ ザ イ ン
ア プ ロ ー チ[BG96][KB98][KSB98]は
、ワー クプ レイ ス にお け るシ ス
テ ム 、 人 工 物 の 設 計 へ の 「ユ ー ザ ー 」 の 参 加 を め ざ した も の で あ り、 ワ ー ク シ ョ ッ プ の 企 画 や ユ ー
ザ ー も含 め た デ ザ イ ン場 面 を組 織 化 す る とい っ た 実 践 を 行 っ て きた 。 し か し、 こ う し た 場 面 設 定
は 一 時 的 な も の で あ り、 長 期 的 に 関 係 を持 続 す る 設 計 者 と使 用 者 の ネ ッ トワ ー ク構 築 を め ざ す も
の で は な い 。 さ ら に 、設 計 者 と利 用 者 は 明 確 に 区 分 さ れ て お り、 利 用 者 が 設 計 を サ ポ ー トす る こ と
は な か っ た(第7章
関 連 研 究 で 詳 述)。
本 研 究 で は 、 以 上 の 議 論 を踏 ま え た 上 で 、地 域 に お け る リ ア ル な コ ミュ ニ テ ィ に 焦 点 を 当 て 、 私
が 開 発 し たNOTAを
利 用 して 、 市 民 が コ ミ ュ ニ テ ィ 活 動 の た め の ソ フ トウ ェ ア を 自 ら開 発 す る新
し い 開 発 ス タ イ ル を提 示 す る。
第1章
1.2
4
序論
研 究 の 目的
本 研 究 は 、 地 域 の コ ミ ュ ニ テ ィ活 動 支 援 シ ス テ ム 「NOTA」
を 開 発 し、 そ の 有 効 性 に っ い て 述
べ る。
さ ら に 、 市 民 が ソ フ トウ ェ ア を 開 発 し 、 コ ミ ュ ニ テ ィで 運 用 す る 中 で 得 ら れ る フ ィ ー ドバ ッ ク
を 元 に 継 続 的 に 改 良 して い く 「共 生 開 発 ス タ イ ル 」 を 提 案 す る 。 ま た 、2005年
NOTAの
開 発 と普 及 を進 め る コ ミ ュ ニ テ ィ で あ る 「NOTAネ
か ら形 成 さ れ た
ツ トワ ー ク*1」 の 事 例 を 通 じて 有 効
性 を 示 す こ とを 目 的 とす る。 本 研 究 の 目 的 は 以 下 の よ う に ま と め る こ とが で き る。
1.市 民 が 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ に お い て 開 発 を 行 う 「
共 生 開発 ス タ イル」 の提案
地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ に お け る共 生 開 発 ス タ イ ル は 、 コ ミ ュ ニ テ ィ の 細 か な 要 求 を 満 た し た ソ
フ トウ ェ ア を 開 発 で き る。NOTAの
事 例 に 見 ら れ る よ う な 新 しい 開 発 形 態 を 「共 生 開 発 ス
タ イ ル 」 と名 付 け、 提 案 す る 。 また 、 従 来 の ウ ォ ー タ ー フ ォ ー ル ・モ デ ル や ア ジ ャ イ ル ・モ
デ ル な どの 開 発 手 法 との 違 い を明 らか に す る。
2.コ ミ ュ ニ テ ィ活 動 支 援 シ ス テ ム 「NOTA」
の 開発
本 研 究 で は 、 コ ミュ ニ テ ィ 活 動 支 援 の た め に情 報 共 有 の 基 盤 と して 汎 用 的 に 用 い る こ とが で
き る シ ス テ ム 「NOTA」
を 開 発 し、提 案 す る。 NOTAは
ル タ イ ム に 情 報 を 書 き込 み(協
同 編 集 機 能)、(2>情
して 閲 覧 す る こ とが で き(情 報 共 有 機 能)、(3)直
、(1)複
報 を 蓄 積 して い つ で も ウ ェ ブ ペ ー ジ と
接 操 作 に よ っ て 手 書 き線 や 写 真 を 含 め た
自 由 な レ イ ア ウ トを作 成 可 能 な シ ス テ ム で あ る。NOTAの
3。NOTAを
数 の 人 が ブ ラ ウザ 上 で リア
使 い 方 と実 装 に つ い て 述 べ る。
拡 張 す る ア プ リ ケ ー シ ョ ン ・プ ラ ッ トフ ォ ー ム の 実 現
地 域 コ ミュニ テ ィの ため の シ ス テ ム は、利 用者 の リテ ラ シー や活 動 の様 態 に あわ せ て シ ス
テ ム を コ ミ ュニ テ ィ 内 部 で 改 変 で き る よ う に す る こ とが 重 要 で あ る と考 え 、NOTAに
プ リケ ー シ ョ ン ・プ ラ ッ ト フ ォ ー ム と して の 機 能(NOTA
て 、NOTAの
API)を
利 用 方 法 を 大 き く変 え る よ う な 変 更 をNOTAに
、ア
実 装 した。 これ に よっ
加 え る こ とが 可 能 に な っ た
が 、 そ の 具 体 的 な 仕 様 と、 実 現 可 能 な機 能 に つ い て 述 べ る。
4.NOTAの
利 用 事 例 の 評 価 と有 効 性 の 検 証
実 際 にNOTAを
使 っ て コ ミ ュ ニ テ ィ活 動 に応 用 した 事 例 を 、(1)NOTAの
して 活 用 した 事 例 と(2)NOTA自
ま た 、NOTAの
*1ウ
ェ ブ サ イ トは
使 い方 を工 夫
体 を 改 良 して 利 用 した 事 例 を そ れ ぞ れ 挙 げ 、 詳 述 す る。
有 効 性 を 検 証 し、 評 価 す る。
、http://nota.jp/network/
'
第1章
1.3
5
序論
論 文 の構 成
本 論 文 は 以 下 の よ う に構 成 さ れ る 。 図1.1に
第2章
論 文 の 構 成 を示 す 。
従来 の開発 ス タイル
本 研 究 の 背 景 と して 従 来 の 開 発 ス タ イ ル に 関 す る研 究 に つ い て 述 べ 、 そ れ ら の 問 題 点 を 指
摘 す る。NOTAの
第3章
シ ス テ ム に 関 連 す る研 究 に つ い て は 、 第7章
で 述 べ る。
共生 開 発 ス タイ ルの提 案
コ ミ ュ ニ テ ィ活 動 支 援 の た め の 新 しい 開 発 形 態 で あ る 「共 生 開 発 ス タ イ ル 」 を 提 案 す る。 従
来 の 開 発 手 法 と比 較 し、共 生 開 発 ス タ イ ル の メ リ ッ トを 明 らか に す る 。 本 研 究 を進 め る過 程
に お い て 、 横 浜 市 でNOTAを
第4章
NOTAの
NOTAの
第5章
設 計 と開 発
使 い 方 、 シ ス テ ム構 成 、 実 装 、 新 規 性 に っ い て 詳 細 に 述 べ る 。
ア プ リ ケ ー シ ョ ン ・プ ラ ッ トフ ォ ー ム と して のNOTA
NOTAに
「NOTA
第6章
実 装 し た 、 ア プ リケ ー シ ョ ン ・プ ラ ッ トフ ォ ー ム と して の 機 能 に つ い て 述 べ る 。
API」
NOTAの
NOTAを
と呼 ば れ る-・連 の イ ン タ フ ェ ー ス に つ い て も述 べ る。
利 用 事 例 と応 用
コ ミ ュ ニ テ ィで 利 用 した 事 例 を 紹 介 す る 。 ま た 、 共 生 開 発 ス タ イ ル に よ っ て 開 発
さ れ たNOTAの
第7章
利 用 して 共 生 開 発 ス タ イ ル が 広 が っ た プ ロ セ ス を説 明 す る。
プ ラグイ ンにつ いて述 べ る。
関連 研 究
NOTAに
関 連 す る先 行研 究 を紹 介 し、 本研 究 との 関連 や差 異 を述 べ、 本研 究 の 位 置づ けを
明 らか にす る。
第8章
共生 開 発 ス タ イルの 考察 と今 後 の 展望
共生 開発 ス タイ ルにつ い て、現 在分 か っ て い る課 題や 限 界、今 後 の展 望 につ いて述 べ、本研
究 の さ らな る発 展 につ い て論 述 す る。
第9章
結論
本 論 文 を総 括 す る。
第1章
序論
6
図1.1
論 文 の構 成
7
第2章
従 来 の 開発 ス タイ ル
本 章 で は 本 研 究 の 背 景 と して 従 来 の 開 発 ス タ イ ル に 関 す る研 究 に つ い て 述 べ 、 そ れ ら
の 問 題 点 を 指 摘 す る 。NOTAの
シ ス テ ム に 関 連 す る研 究 に つ い て は 、 第7章
で 述べ る
第2章
2.1
8
従来 の 開発 ス タ イル
は じめ に
第1章
で も触 れ た よ う に 、Webを
利 用 し た コ ミ ュニ テ ィ支 援 シ ス テ ム は 、 地 域 コ ミュ ニ テ ィ な
ど の 広 い 範 囲 の ユ ー ザ ー 層 に も急 速 に 普 及 しつ つ あ る0エ
ン ドユ ー ザ ー の 細 か い 要 求 に 対 応 す る
た め に 、 ソ フ トウ ェ ア の 開 発 手 法 に も従 来 とは 異 な る視 点 が 必 要 に な っ て きて い る。 こ こで は 、 そ
う した 流 れ の 中 で 生 ま れ て き た 新 しい 開 発 手 法 の う ち 、 特 に 本 研 究 と関 わ りの 深 い も の に っ い て
述 べ る。
2.2
ア ジ ャイ ル開 発 手 法
ソ フ トウ ェ ア の 開 発 手 法 と し て 広 く知 ら れ て い る の は 、 ウ ォ ー タ ー フ ォ ー ル 型 と呼 ば れ る 開 発
手 法 で あ る。 プ ロ ジ ェ ク ト全 体 を 「要 求 」 「仕 様 」 「分 析 」 「設 計 」 「プ ロ グ ラ ミ ン グ 」 「検 査 」 「運
用 」 とい っ た 工 程 に分 割 し、 各 工 程 で の 成 果 物 を 明 確 に 定 義 し 、 そ の 成 果 物 に 基 づ い て 後 工 程 の 作
業 を 順 次 行 っ て い く(図2.1)。
後 工 程 に移 行 した 際 に 予 測 し な い 事 態 が 明 ら か に な り前 工 程 に 戻
る こ と も あ る が 、 そ う い っ た 襯 酷 を 引 き 起 こ さ な い た め に 、 仕 様 書 や ドキ ュ メ ン トを 多 く作 成 し、
そ れ ら を 重 視 す る([Rov87])。
ウ ォ ー タ ー フ ォ ー ル 型 は 、 計 画 的 に ソ フ トウ ェ ア 開 発 を進 め る に は 向 い て い る と され る が 、-一方
で 、 開 発 中 に 顧 客 との 交 渉 な ど に よ っ て 頻 繁 に 要 求 が 変 わ る プ ロ ジ ェ ク トに は 、 不 向 き で あ る と
3vεT… 開
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、
、
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、
、
回
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、
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回、
、
1'ES
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、
、
OPE円A¥韮0嚇S
図2-1Waterfall
Model
第2章
9
従来 の 開発 ス タイル
指 摘 さ れ て い る 。 ウ ォ ー タ ー フ ォ ー ル 型 に 対 して 、 近 年Beck[Bea]ら
が ア ジ ャ イ ル 開 発 手 法 で あ る*1。 ア ジ ャ イ ル(適
応 型)開
を 中 心 に提 唱 さ れ て い る の
発 手 法 で は 、 最 小 の 単 位 に ソ フ トウ ェ ァ
を分 割 し、 短 い 期 間 を 単 位 と して そ れ ら を 反 復 的 に 開 発 し、 プ ロ ジ ェ ク トを 進 め る。 各 反 復(イ
レ ー シ ョ ン と呼 ば れ る)は
、1つ
テ
の 小 規 模 な プ ロ ジ ェ ク トに 似 た よ う な よ う な 形 態 を と る。 プ ロ
ジ ェ ク トの 全 期 間 を 通 して 「動 い て い る ソ フ トウ ェ ア 」 を作 る こ と を 重 視 す る。 ドキ ュ メ ン トや 文
書 は ウ ォ ー タ ー フ ォ ー ル 型 に 比 べ て 少 な くな る。
ア ジ ャ イ ル 開 発 手 法 は 、 特 に エ ン ドユ ー ザ ー を 対 象 と した ウ ェ ブ シ ス テ ム の 開 発 に 適 して い る。
こ の よ う な シ ス テ ム に お い て は 、 顧 客(エ
ン ドユ ー ザ ー)が
求 め る 要 求 は あ らか じめ 明 確 で は な
い 。 は じ め に 最 小 限 の 機 能 を 実 装 して 試 験 的 に公 開 し、 ユ ー ザ ー の 反 応 を 見 た 上 で 仕 様 を 変 化 さ
せ な が ら シ ス テ ム を 開 発 して い く手 法 は、 迅 速 に ユ ー ザ ー の 要 求 に 応 え る こ とが で き る 。
ま た 、 開 発 組 織 の 形 態 も ウ ォ ー タ ー フ ォ ー ル 型 とア ジ ャ イ ル 型 で は 異 な る。 前 者 が 多 数 の 開 発
者 が い る秩 序 を 重 視 す る組 織 文 化 に 適 して い る の に 対 し て 、 後 者 は 、 少 な い 開 発 者 が 混 沌 と した
状 況 に 意 欲 を 持 っ て 取 り組 む 組 織 文 化 に適 して い る と さ れ る[BT04]。
オ ー プ ン ソー ス ・コ ミ ュ ニ
テ ィ は 、 後 者 の 組 織 文 化 を持 っ て い る こ とが 多 く、 ア ジ ャ イ ル 型 が 適 して い る。
2.3
オ 」 プ ン ソ-ス
・コ ミ ュ ニ テ ィ
オ ー プ ン ソ ー ス ・コ ミ ュ ニ テ ィ[Sta02]は
、 ソ フ トウ ェ ア の ソー ス コー ドを イ ン タ ー ネ ッ トに 公
開 し、 世 界 中 か ら有 志 の プ ロ グ ラ マ ー が 集 ま っ て 仮 想 的 な コ ミ ュ ニ テ ィ を 形 成 し、少 しず っ 開 発 に
貢 献 す る こ とに よ っ て ソ フ トウ ェ ア を 開 発 す る形 態 で あ る 。 こ の よ う な コ ミ ュ ニ テ ィ で 開 発 す る
と、 ソー ス コ ー ドが 公 開 さ れ て い る こ とに よ っ て 学 習 が 可 能 に な っ た り、 バ グ の 原 因 を 自分 で 確 か
め て 修 正 す る こ とが で き た りす る な どの メ リ ッ トが あ る。 「ソ ー ス コ ー ドが 共 通 言 語 」 とい わ れ る
よ う に 、 ソー ス コ ー ドを 理 解 で き る開 発 者 だ け が 参 加 す る コ ミ ュ ニ テ ィで あ る。
2.4
従 来 の開 発 ス タ イル の 問題 点
ウ ォ ー タ ー フ ォ ー ル 型 と ア ジ ャ イ ル 型 は 、 どち ら も企 業 の 工 業 的 な ソ フ トウ ェ ア 開 発 の た め の 手
法 で あ る 。 ア ジ ャ イ ル 型 に よ っ て 、 ユ ー ザ ー の 要 求 に 柔 軟 に 対 応 し な が ら ソ フ トウ ェ ア を 開 発 す
る こ とが 可 能 に な っ た が 、Webサ
ー ビ ス や 製 品 と して 開 発 さ れ た ソ フ トウ ェ ア で は 、 地 域 コ ミ ュ
ニ テ ィで 必 要 と さ れ る細 か な 要 求 を 満 た せ な い とい う問 題 を 抱 え て い る 。 中 に は ソ フ トウ ェ ア を
ユ ー ザ ー が 細 か く カ ス タ マ イ ズ で き る よ う に して い る もの も あ るが 、1つ
の製 品 として開 発 す る
以上 、 限界 が あ る。
一 方 、 オ ー プ ン ソ ー ス ・コ ミ ュ ニ テ ィ で は 、 開 発 者 が 自 ら必 要 とす る ソ フ トウ ェ ア が 多 く作 られ
る と い う特 徴 が あ る 。 オ ー プ ン ソ ー ス ・コ ミ ュ ニ テ ィ で は 、 既 存 の ソ フ トウ ェ ア で は 実 現 で き な
い 細 か な 要 求 が あ っ た 場 合 に 、 自 ら開 発 す る こ とで 対 応 し て い る。 しか し、 前 述 した よ う に 、 オ ー
プ ン ソ ー ス ・コ ミ ュ ニ テ ィ は 、 ソ ー ス コ ー ドを理 解 で き な い 人 が 参 加 す る こ とは で きず 、 コ ミ ュ ニ
*1類
似 の 開発 手法 として
、Scrum(1986)や
エ ク ス ト リ ー ム ・プ ロ グ ラ ミ ン グ(XP)【Bec99エ(1996)な
どが あ る
第2章
従来 の開発 ス タイ ル
10
テ ィ に お い て 開 発 者 で は な い 市 民 と開 発 者 が 協 働 し、 市 民 か ら寄 せ ら れ る要 求 を も とに 開 発 を す
る といった こ とはなか った。
2.5
共 生 プ ログ ラ ミン グ
これ に 対 して 、 近 年 、NPOや
市 民 に よ る社 会 的 な ソ フ トウ ェ ア 開 発 も行 わ れ る よ う に な っ て き
た 。 石 田 ら は 、 筆 者 ら も参 加 した パ ネ ル デ ィ ス カ ッ シ ョ ン[高 崎06]に
お い て 、 開 発 者 と利 用 者 が
入 り交 じ っ た コ ミ ュ ニ テ ィ を 形 成 し、 そ の コ ミ ュ ニ テ ィ に お い て 参 加 者 自 身 の た め の ソ フ トウ ェ
ア を 開 発 す る手 法 と して 「共 生 プ ロ グ ラ ミ ン グ 」 を提 唱 した 。 石 田 は 、 共 生 プ ロ グ ラ ミ ン グ と工 業
的 な ソ フ トウ ェ ア 開 発 の 違 い を 以 下 の よ う に 指 摘 して い る 。
NOTAの
コ ミ ュ ニ テ ィ に お け る 開 発 も こ の 「共 生 プ ロ グ ラ ミ ン グ 」 が 行 わ れ て い る とい っ て よ
い だ ろ う。 しか し、 共 生 プ ロ グ ラ ミ ン グ の 概 念 は ま だ 明 確 で は な く、 そ の 定 義 も曖 昧 で あ る。 本 論
文 で は 、NOTAの
事 例 に お け る 開 発 ス タ イ ル を 「共 生 開 発 ス タ イ ル 」 と名 付 け 、 共 生 プ ロ グ ラ ミ
ン グ を 含 む 概 念 と して 定 義 して い る。 第3章
に お い て 、NOTAの
開 発 形 態 を事 例 と し て 共 生 開 発
ス タ イ ル に つ い て 詳 し く述 べ る 。
2.6
ま とめ
本 章 で は 、 本 研 究 に 関 連 す る研 究 を ソ フ トウ ェ ア の 開 発 形 態 の 側 面 に 着 目 し て 紹 介 した 。 従 来
のWebサ
ー ビ ス や 製 品 と して 開 発 さ れ た ソ フ トウ ェ ア で は 、 地 域 コ ミ ュニ テ ィで 必 要 と さ れ る細
か な 要 求 を 満 た せ な い とい う問 題 を 指 摘 した 。 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ に お い て 市 民 が 開 発 に 参 加 す る
こ とで 、 そ れ らの 問 題 を解 決 して い く必 要 性 が あ る と考 え る 。
11
第3章
共 生 開発 ス タ イル の提 案
本 章 で は 、 市 民 やNPOに
よ る 社 会 的 な ソ フ トウ ェ ア の 開 発 ア プ ロ ー チ で あ る 「
共生
開 発 ス タ イ ル 」 を 提 案 す る 。 本 研 究 を 進 め る 過 程 に お い て 、 横 浜 市 でNOTAを
て共 生 開発 ス タイル が広 が った プロセ ス を説 明 す る。
利用 し
第3章
3.1
共生 開 発 ス タイ ルの提 案
12
は じめ に
本 章 で は 、市 民 やNPOに
発 したNOTAは
よ る社 会 的 な ソ フ トウ ェ ア の 開 発 ア プ ロ ー チ に つ い て 述 べ る 。 私 が 開
、 地 域 の コ ミ ュ ニ テ ィ活 動 と持 続 的 な 関 わ りを 持 ち な が ら、 開 発 者 以 外 の 人 も参
加 す る 開 発 コ ミ ュ ニ テ ィ に お い て 、 開 発 と普 及 が 進 め ら れ た 。 本 研 究 で は、 こ の よ うな 開 発 者 一普
及 者-利
用 者 が 一 体 とな っ た 共 生 的 な コ ミ ュ ニ テ ィ に よ る 開 発 を 、 「共 生 開 発 ス タ イ ル 」 と呼 び 、
そ の 概 念 を 詳 し く述 べ る 。
また 、本 研 究 に お い て 、2005年10月
か ら形 成 さ れ たNOTAの
ネ ッ トワ ー ク 」 に つ い て 述 べ る 。NOTAネ
開 発 コ ミ ュニ テ ィ で あ る 「NOTA
ッ トワ ー ク は 、 NOTAの
開 発 を行 う と同時 に、 メ ン
バ ー ら が 横 浜 市 の 市 民 活 動 に お い て 積 極 的 に 用 い た た め に 、 現 在 約2000∼3000人
のユ ーザ ーが利
用 して い る。 本 研 究 の 共 生 開 発 ス タ イ ル の 提 案 は 、 筆 者 が 実 際 に 関 わ っ た 横 浜 市 に お け るNOTA
ネ ッ トワー ク の 活 動 か ら得 られ た 知 見 を 元 に して い る 。
3.2
3.2.1
共 生 開 発 ス タ イル の 提案
共生 開発 ス タイ ル の定義
本 研 究 は、 市 民 が ソ フ トウ ェ ア を 開 発 し、 コ ミ ュニ テ ィ で 運 用 す る 中 で 得 ら れ る フ ィ ー ドバ ッ ク
を 元 に 継 続 的 に 改 良 して い く開 発 形 態 を 「共 生 開 発 ス タ イ ル 」 と定 義 す る 。 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ に
お い て は 、 シ ス テ ム の 選 択 と開 発 の プ ロ セ ス は 、 従 来 の ソ フ トウ ェ ア 開 発 とは 異 な る もの に な る 。
コ ミ ュ ニ テ ィ活 動 支 援 シ ス テ ム を 研 究 す る に あ た り、 シ ス テ ム だ け で な く、 シ ス テ ム の 背 後 に あ
る コ ミ ュ ニ テ ィ 活 動 や 開 発 手 法 も研 究 の 対 象 と して い る。 な ぜ な ら、 シ ス テ ム は コ ミ ュ ニ テ ィ に
お け る 人 的 な ネ ッ ト ワ ー ク や 社 会 的 な コ ン テ キ ス トの 中 に 位 置 づ け られ 、 そ れ らの 理 解 な し に は 、
有 効 な シ ス テ ム は 開 発 で き な い と考 え る か らで あ る 。
3.2.2
共生 開発 ス タイ ル の特徴
以 下 に 、石 田 が 指 摘 し た 共 生 開 発 ス タ イ ル の 各 項 目 に つ い て 詳 し く述 べ る。 参 考 の た め 、 工 業 的
な 開 発 と共 生 開 発 ス タ イ ル 比 較 を表3.1に
示す。
第3章
13
共生 開発 ス タイ ルの提 案
明確 な 発注 者が い な い
工 業 的 な ソ フ トウ ェ ア 開 発 に お い て は 、 発 注 者 は 対 価 を 払 っ て ソ フ トウ ェ ア の 開 発 を 依 頼 す る
が 、 共 生 開 発 ス タ イ ル に お い て は 、 開 発 者 と利 用 者 が1つ
の コ ミ ュ ニ テ ィ を 形 成 して お り、 開 発 の
仕 様 も開 発 者 だ け が 決 め る わ け で は な い 。 プ ロ セ ス と して は 、複 数 の 組 み 合 わ せ が あ る が 、 ア ジ ャ
イ ル 開 発 の よ う に 小 さ な プ ロ ジ ェ ク ト を反 復 的 に 繰 り返 し、 ソ フ トウ ェ ア を 開 発 す る と い う特 徴
が 見 られ る。 そ の プ ロ ジ ェ ク トの 中 で は、 要 求 定 義 や 開 発 、 バ グ修 正 な ど作 業 に 明 確 な担 当 者 は 存
在 しな い 。NOTAネ
ッ トワ ー ク の 場 合 は 、 運 営 方 針 と して 「この 指 止 ま れ 方 式 」 で 進 め る こ と を
決 め て い る。 こ の 指 止 ま れ 方 式 とは 「何 か を や りた い 人 が メ ー リ ン グ リス トや 会 合 で 提 案 し、 賛 同
者 が 集 ま れ ば そ の 人 を 中 心 に 行 動 す る とい うや り方 の こ と」 で あ る(付
録BNOTAネ
ッ トワ ー ク
運 営 方 針 を 参 照)。
明確 な期 限が な い
開 発 に は 、 明 確 な 期 限 が 設 け られ て い な い 。 た だ し、 ワ ー ク シ ョ ッ プ や セ ミナ ー な ど対 外 的 な イ
ベ ン トが 行 わ れ る と、期 限 を設 定 す る こ と も あ る。 プ ロ ジ ェ ク ト全 体 で 、完 成 の 基 準 が 曖 昧 で あ る
た め 、期 限 が 決 め られ な い と も い え るだ ろ う。 発 注 者 との 金 銭 的 な 授 受 が な い こ とや 、 ビ ジ ネ ス 的
な 競 合 との 競 争 が な い こ とが 原 因 と して 考 え られ る。 た だ し、 完 成 の 基 準 が 明 確 で な い と は い え 、
完 成 度 が 高 くな け れ ば 、 実 際 に は 使 用 され な い 。 そ の た め 、 開 発 に 関 わ る 者 に は 、 コ ミ ュ ニ テ ィ 内
で の 期 待 が 寄 せ ら れ る た め 、 完 成 度 を あ げ る た め の 圧 力 は 存 在 す る と い え る だ ろ う。 共 生 開 発 ス
タ イ ル に お い て は 、 コ ミ ュ ニ テ ィ の 活 動 が 本 流 と して あ り、 ソ フ トウ ェ ア の 開 発 は 、 そ れ に 準 ず る
もの と して 位 置 づ け られ る 。
効 率 を あ ま り考 え な い
第2章
で 挙 げ た よ う な 工 業 的 な 開 発 手 法 は、 い ず れ も、 期 限 内 に で き る だ け 効 率 的 に 開 発 で き る
よ う リス ク を 軽 減 しな が ら開 発 す る た め に 考 案 さ れ た 。 し か し、 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ に お け る共 生
開 発 ス タ イ ル で は 、 効 率 は 重 要 で は な い 。 多 少 効 率 が 悪 くて も メ ンバ ー の 参 加 意 欲 が 重 視 さ れ る。
参 加 意 欲 は 、 プ ロ ジ ェ ク トに 対 す る 自 身 の 仕 事 の 貢 献 度 合 い や 、 プ ロ ジ ェ ク トの構 成 員 の 魅 力 、 プ
ロ ジ ェ ク トを 通 じ て 得 ら れ る学 習 度 合 い な ど に よ っ て 高 め られ る。
ソ フ ト開 発 が コ ミ ュニ テ ィ と-体
化 して いる
繰 り返 し述 べ た よ う に 、 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ と の 持 続 的 な 関 わ りを 持 ち な が ら 開 発 が 行 わ れ る こ
とが 大 き な特 徴 で あ る 。 開 発 は、 コ ミ ュ ニ テ ィ 活 動 の 中 に 組 み 込 ま れ て お り、 活 動 と開 発 は相 補 的
な 関 係 に な る。 コ ミ ュ ニ テ ィ の メ ンバ ー は あ る程 度 固 定 さ れ て い る が 、 す べ て の メ ン バ ー が 定 常
的 に 作 業 を す る わ け で は な い 。 他 人 に依 頼 され た り、 自分 か ら名 乗 り出 た り して 、 興 味 の あ る プ ロ
ジ ェ ク トに 参 加 す る。
第3章
14
共 生開 発 スタ イルの提 案
表3.1
利 用 目的
コ ミ ュ ニ テ ィ活 動 支 援 シ ス テ ム の 分 類
ビ ジネ スの遂 行 支援
仮 想 的 な コ ミュニ テ
地域 活 動 支援
ィ に お け る情 報 交 換
対象
企 業 ユー ザ ー
エ ン ドユ ー ザ ー
地域 コ ミュニ テ ィ
開 発 手法
ウ ォー ター フ ォー ル
ア ジ ャイ ル型 な ど
共 生開 発 ス タイ ル な
ど
型 な ど
開 発 主体
企業
企業
地域 コ ミュニ テ ィ
開 発 者 と利用 者 の 区分
明確
明確
曖昧
評価
個 々人 に対 す るア ン
同左
コ ミュニ テ ィに お い
ユ ーザ ー特性
3.2.3
ケ ー ト等 に よ る 認 知
て 事例 や 組織 を 含 め
心 理学 的 評価
て 総 合 的 に評 価
リテ ラ シー が あ る こ
先 進 的 な ユ ーザ ーか
地 域 活 動 をす る人 が
とが 前 提
ら使 い 始 め る
利 用 し、 普 及 す る
共生 開発 ス タイル の メ リッ ト
共 生 開 発 ス タ イ ル を 行 う メ リ ッ トは 以 下 の 通 りで あ る。 こ こ で は 、 従 来 の 開 発 ス タ イ ル と比 較
して 優 位 点 を 述 べ る 。
共生 開 発 ス タイル の メ リッ ト
● 効 率 を あ ま り考 え ず に シ ス テ ム を継 続 して 開 発 で き る。
● 利 用 者 の フ ィー ドバ ッ クが た だ ち に 得 ら れ る 。
● 開 発 者 と コ ミ ュ ニ テ ィが 一 体 に な っ て い るた め 必 要 な 機 能 だ け を作 れ ば よ い 。
・ 高 い モ チ ベ ー シ ョ ン を保 っ て 楽 し く開 発 で き る。
効 率 を あ ま り考 え ず に シ ス テ ム を 継 続 して 開 発 で き る
す で に 指 摘 した よ う に 、 工業 的 な 開 発 手法 は 、 ビ ジ ネ ス 的 な 要 請 か らで き る だ け 速 く少 な い 経 費
で 効 率 的 に 開 発 す る必 要 が あ るが 、 共 生 開 発 ス タ イ ル に お い て は そ の 必 要 が な い 。 そ の た め 、 効 率
を あ ま り考 え ず に 開 発 す る こ とが で き、 プ ロ ジ ェ ク トは 経 済 的 な 理 由 で 終 了 す る こ とが な い。
利 用 者 の フ ィ ー ドバ ッ ク が た だ ち に 得 ら れ る
ソ フ トウ ェ ァ 開 発 と コ ミ ュ ニ テ ィ の 活 動 が 一 体 に な っ て い る た め 、 開 発 した ソ フ トウ ェ ア は す
ぐ に コ ミ ュ ニ テ ィ 内 で 試 験 的 に 利 用 さ れ 、 フ ィ ー ドバ ッ ク を 得 る こ とが で き る 。 オ ー プ ン ソ ー ス
コ ミ ュニ テ ィ に お い て は 、 一 部 の 先 進 的 な ユ ー ザ ー か らの フ ィー ドバ ッ ク を 得 る こ と は で き る が 、
一 般 の ユ ー ザ ー か ら の フ ィ ー ドバ ッ ク を 得 る こ と は 難 し い
。共 生開 発 ス タイ ルで は 、 ソ フ トウェ
第3章
15
共生 開 発 ス タイ ルの提 案
ア 開 発 以 外 の コ ミ ュ ニ テ ィ活 動 に 参 加 し て い る ユ ー ザ ー も ソ フ ト ウ ェ ア を 利 用 す る た め 、 フ ィ ー
ドバ ッ ク を 得 る こ とが で き る 。
開発 者 と コ ミュニ テ ィが 一体 にな って い るた め必 要 な機 能 だ けを作 れ ば よ い
工 業 的 な 開 発 に お い て は 、 顧 客 の た め に 開 発 す る こ とが 当 た り前 だ っ た 。 しか し、共 生 開 発 ス タ
イ ル で は 、 コ ミ ュ ニ テ ィ 内 で 要 求 が あ る もの だ け を 開 発 す る た め 、 自 分 も し くは 自 分 に近 い ユ ー
ザ ー の た め に 開 発 す る こ と に な る。
高 い モ チ ベ-シ
ョ ン を 保 っ て 楽 し く開 発 で き る
共 生 開発 ス タイ ル に お け る開 発者 の モ チペ ー シ ョン は高 い 。 コ ミュニ テ ィ内で ユ ー ザ ー の要 求
が あ る もの だ け を 開 発 す るた め 、 ユ ー ザ ー の 顔 が 見 え る こ とや 、 そ も そ も興 味 の あ る プ ロ ジ ェ ク ト
に しか 参 加 し な い こ とが 、 そ の 要 因 で あ る 。
3.3
NOTAネ
3.3.1
NOTAネ
ッ ト ワ-ク
ッ ト ワ-ク
筆 者 は 、NOTAと
の形 成
い う情 報 共 有 シ ス テ ム を 開 発 す る過 程 で 、2005年
地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ にNOTAが
よ り横 浜 市 都 筑 区 に お い て
持 ち 込 まれ 、 有 志 に よ り開 発 コ ミ ュ ニ テ ィ が 形 成 され 、 共 生 開 発 ス
タ イ ル が 広 が っ て い く過 程 を 経 験 した 。
NOTAが
横 浜 市 の コ ミ ュ ニ テ ィ に広 が っ た 過 程 は 以 下 の4つ
つ ず つ 説 明 す る 。 よ り詳 細 な デ ー タ は 「付 録ANOTAネ
の 段 階 に 分 け る こ とが で き る。1
ッ トワ ー ク の 活 動 履 歴 」 に 記 載 した 。
な お 、 本 節 に お け る引 用 文 は 、 共 著 『科 学 技 術 実 践 の フ ィ ー ル ド ワ ー ク』 の 「学 習 環 境 の デ ザ イ
ン の た め の ネ ッ トワ ー ク指 向 ア プ ロ ー チ 」[上 野06b]か
開 発 者 が-人
NOTAは
で 開 発 して い た 段 階(2003年
、 「Webの
ら抜 粋 した も の で あ る。
∼2004年12月)
コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 容 易 に す る 」 と い う コ ンセ プ トの も と に 私 が 一 人 で
開 発 して い た 。
筆 者 の 一 人 がNOTAを
ル ー プ の た め に 、NOTAの
初 め て 知 っ た と き 、 あ るITベ
ン チ ャ ー が 、 こ の 開 発 者 と学 生 グ
普 及 、 展 開 、 ビ ジ ネ ス 化 を 担 当 して い た 。 こ のITベ
ンチ ャー
第3章
16
共 生 開発 ス タ イル の提案
は 、 ま ず 、 あ る 商 用 サ イ トで100ア
カ ウ ン トを フ リー で 配 布 した 。 し か し、 こ こ でNOTA
は ほ とん ど使 わ れ る こ と は な か っ た 。 例 え ば 、 こ のITベ
ン チ ャ ー のNOTAの
営 業担 当者
に よれ ば 、 この サ イ トの ほ と ん ど の ユ ー ザ ー は 、 一 度 だ け 少 し落 書 き や 書 き込 み を す る だ け
で 、 そ れ 以 降 、NOTAに
ア クセ ス す る こ とは な か っ た 。 こ う した こ とか ら 、 従 来 的 な ビ ジ
ネ ス モ デ ル の 観 点 で 、NOTAは
この企 業 内 で収 益 の 出 な いシ ス テム とみ な された 。 そ の中
で 、 担 当 者 は 苦 闘 して い た 。
横 浜 市 に お い て 一 部 の コ ミ ュ ニ テ ィ に 利 用 さ れ 始 め た 段 階(2004年12月
NOTAは
∼2005年
冬)
、 横 浜 市 に お い て 「市 民 グ ル ー プ の 間 で 、 さ ま ざ ま な コ ミ ュ ニ テ ィ が コ ラ ボ レ ー シ ョ
ン した り、 お 互 い の 存 在 や 活 動 を 可 視 化 す るた め の ツ ー ル の 要 求 」 が あ り、 そ の た め の ツ ー ル と し
て利用 され始 め た。
そ の よ う な と き、2004年12月
会 でNOTAの
、 た また ま この 論 文 の 執 筆 者 の 一 人 が 、京 都 で の あ る研 究
存 在 を知 り、 この 京 都 の 学 生 グ ル ー プ の 一 人 か らア カ ウ ン トを提 供 して も ら
い 、 地 域 の 市 民 グ ル ー プ に 紹 介 した 。 ま ず 、 筆 者 は 、 地 域 のWeb技
域 に 普 及 す る の に 熱 心 だ っ た 市 民 にNOTAを
を 行 っ た 。 こ の 市 民 は 、NOTAに
紹 介 し、 ま た 、 ア カ ウ ン トの 提 供 の ア レ ン ジ
つ い て の 情 報 を た だ ち に地 域 の メ ー リ ン グ ・リ ス トで 流
し、 これ を 見 た 他 の 何 人 か の 市 民 もNOTAの
て1ヶ
月 以 内 に 少 な く と も3つ
術 に 詳 し く、 技 術 を 地
のNOTAサ
ア カ ウ ン トを得 た 。 筆 者 がNOTAを
イ トが 作 られ 、 そ こへ1000か
紹介 し
ら2000の
アク
セ ス が な され た 。
メ ー リ ン グ ・リス トや 直 接 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 通 して 、た ち ま ち 、NOTAは
トワ ー ク の 中 で 有 名 に な り、 さ ま ざ ま なNOTAサ
地域 ネ ツ
イ トが 作 られ る よ うに な っ た 。 横 浜 の 地
域 の 市 民 グ ル ー プ は 、 い ろ い ろ な テ ー マ で の コ ミ ュ ニ テ ィ を形 成 して お り、大 学 と も い ろ い
ろ な 活 動 を 通 し て 、 も と も とつ な が りが あ る 程 度 で きて い た 。 この よ う な状 況 の 中 で 、 市 民
グ ル ー プ の 間 で は 、 さ ま ざ ま な コ ミ ュ ニ テ ィ が コ ラ ボ レ ー シ ョ ン した り、 お 互 い の 存 在 や 活
動 を可 視 化 す る た め の ツ ー ル の 要 求 が 高 か っ た 。 こ う い う こ とか ら、 こ こ2、3年
ル ー プ は 、Blog、 Xoops、
Wikiな
ど 自 らサ ー バ ー に イ ン ス トー ル して 、 試 験 的 に 運 用 、 あ
る い は 、 実 際 の 運 用 を 行 っ て きた 。 こ うい う と こ ろ にNOTAは
に 、NOTAは
、 市民 グ
紹 介 さ れ た の で あ り、 ま さ
、 市 民 グ ル ー プ に とっ て さ ま ざ ま な こ と を 可 能 に し、 約 束 す る道 具 だ っ た の
で あ る。
NOTAの
開 発 コ ミ ュ ニ テ ィ 「NOTAネ
階(2005年
NOTAの
冬 ∼2006年
ッ トワ ー ク 」 が 形 成 さ れ 、 共 生 開 発 ス タ イ ル が 始 ま っ た 段
春)
利用 方 法 や改 良 方法 に興 味 を持 つ有 志 が集 ま って地 域 コ ミュニ テ ィの 活動 と リンク し
た 開 発 コ ミ ュ ニ テ ィ を形 成 し、 共 生 開 発 ス タ イ ル が 始 ま っ た 。
実 際 に こ れ まで 見 て き た よ う な 形 でNOTAが
さ まざ ま に用 い られ る中 で 明確 に オ ー プ
ン ソ ー ス 的 な コ ミ ュ ニ テ ィ を 形 成 して い こ う と い う 方 向 が 出 て き た 。2005年
の初 夏 に、
第3章
17
共生 開発 ス タイ ルの提 案
NOTA開
発 者 の 永 田 お よ び 関 係 して い たITベ
NOTAの
技 術 的 な 情 報 を 提 供 し、 ま た 、 NOTAの
ンチ ャー が 、上 野 に コ ン タ ク トを と り、
使 用 例 を紹 介 す るNOTAポ
ー タ ルサ イ
トを構 築 す る こ とを 提 案 した 。 こ う した こ と を き っ か け に、地 域 市 民 グ ル ー プ、永 田 、ITベ
ン チ ャー 、学 生 、院 生 、 上 野 な どが 参 加 して 、数 回 の 会 議 が 行 わ れ 、 「NOTAネ
と呼 ば れ る コ ミ ュ ニ テ ィが 形 成 さ れ た 。 こ の 会 議 の 中 で 、NOTAの
ッ トワ ー ク 」
プ ロ グ ラ ム を 「NOTA
ネ ッ トワ ー ク」 の 参 加 者 に フ リー で 配 布 す る こ と、 ポ ー タ ル サ イ トは 、 こ の 会 議 の メ ンバ ー
に よ っ て 運 営 し て い く こ とが 決 定 さ れ た 。 こ の 会 議 、 お よ び 、 メ ー リ ン グ リ ス トの 中 で 、
NOTA使
NOTAを
(2006年
NOTAは
用 上 の 規 約 な ど も議 論 され た 。
拡 張 す るプ ラグ イ ンが コ ミ ュ ニ テ ィ 内 で 開発 さ れ 多 くの コ ミ ュニ テ ィに 普 及 した段 階
春 ∼2007年)
、 汎 用 性 の 高 い シ ス テ ム だ っ た た め 、 NOTAネ
さ ま ざ ま な 形 で 工 夫 し て 用 い ら れ て い た が 、NOTA自
ッ トワ ー ク 内 で 無 料 で 配 布 して 以 後 、
体 を 拡 張 で き る よ う に す る た め 、2005年
11月 に プ ラ グ イ ン ・プ ロ ジ ェ ク ト ・ミー テ ィ ン グ を 開 き、NOTAを
か が 話 し合 わ れ た 。 私 は 、2006年
がNOTAを
どの よ う に拡 張 し て い き た い
夏 よ り共 生 開 発 ス タ イ ル に よ る開 発 を促 進 す る た め に 、 利 用 者
拡 張 で き る プ ラ グ イ ン機 能 を 追 加 し た 。 こ の 結 果 、 NOTAを
応用 した地 図 シ ステ ム
や 、 ビデ オ会 議 シ ス テ ム 、 障 害 者 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン シ ス テ ム な どが 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ 内 で 開 発 さ
れ た(詳
NOTAの
細 は第6章
を 参 照)。2006年9月
に は 横 浜 市rf∫
民 活 動 支援 セ ン タ ー に お け るIT講
講 座 が 行 わ れ た(図3.1),
図3.1横
浜 市 市 民 活 動 支 援 セ ン タ ー に お け るNOTAの
講 座 の様 子
習 会で
第3章
共 生 開発 ス タイル の提 案
3.3-2
NOTAネ
18
ッ トワ ー ク の 実 践
上 述 した よ うに 、NOTAの
開 発 コ ミ ュ ニ テ ィ 「NOTAネ
ッ トワ ー ク 」 に は 、 さ ま ざ ま な 立 場 の
人 が 参 加 し て い る。 も と も と、 市 民 の コ ミュ ニ テ ィか ら派 生 した コ ミ ュ ニ テ ィ で あ る た め 、 当 初 か
ら 「プ ロ グ ラ マ ー で は な い 人 も参 加 で き る オ ー プ ン ソ ー ス 的 ネ ッ ト ワ ー ク 」 で あ る こ と を表 明 し
て い た 。 現 在 の メ ンバ ー は 、 横 浜 の 市 民 、 大 学 の 研 究 者 、 学 生 、 小 学 校 教 諭 な ど約50人
れ て い る 。 これ は 、Linuxな
で構成 さ
どの い わ ば プ ロ集 団 に 閉 じた オ ー プ ン ソ ー ス で は な く、新 しい 形 態 の
オ ー プ ン な 開 発 コ ミ ュ ニ テ ィ を 志 向 して い る 。
NOTAで
は 、 開 発 が 容 易 なFlashア
プ リケ ー シ ョ ン や ク リ ッ プ ア ー トをNOTA上
で 簡 単 に貼
り付 け て 動 作 さ せ る こ とが で き る た め 、 今 まで 開 発 に 参 加 した こ とが な い 人 た ち が 開 発 に加 わ る
こ とが で き る 。NOTAがWebア
プ リ ケ ー シ ョ ン の 基 盤 を 提 供 し、 ユ ー ザ ー が 求 め る ア プ リケ ー
シ ョ ン を 普 及 させ る た め の 触 媒 と して 働 く。 そ の 結 果 、 た だ ち に コ ミ ュ ニ テ ィ活 動 で 利 用 可 能 な
ソ フ トウ ェ ア が 開 発 で き る 。
ま た 、NOTAネ
ッ トワ ー ク お よ び 周 辺 の コ ミ ュ ニ テ ィ で は 、 市 民 活 動 の 支 援 の た め に ワ ー ク
シ ョ ッ プ や 教 室 、 地 域 イ ベ ン トな どでNOTAの
2006年3月
利 用 につ いて 他 の 市 民 に伝 えて い る。 例 え ば、
に は 横 浜 市 の 「つ づ き人 フ ェ ス タ 」 でNOTAの
め にNOTAネ
展 示 を し た(図32)。
この展 示 の た
ッ トワ ー ク の メ ンバ ー が 協 力 した 。 ノ ー トパ ソ コ ン を 持 ち 込 ん で そ の 場 で ワ ー ク
シ ョ ッ プ を し た り 、 大 型 タ ッ チ パ ネ ル デ ィ ス プ レ イ を 研 究 室 か ら運 ん でNOTAの
体験 ブー ス を
設 け た り した 。 会 場 に は 、 市 民 活 動 を して い る 市 民 や 、 お 年 寄 り、 子 供 が 立 ち 寄 っ た 。 この と き、
NOTAネ
ッ トワ ー ク で は 、 ユ ー ザ ー 、 サ ポ ー タ ー 、 エ ン ジ ニ ア と書 か れ た3種
し、 配 布 した(図3.3)。
じで あ る(比
類 の バ ッ ジ を制 作
バ ッ ジ の 数 は 、 エ ン ジ ニ ア が 最 も少 な く、 サ ポ ー タ ー とユ ー ザ ー が ほ ぼ 同
率 は 、 ユ ー ザ ー:サ
ポ ー タ ー:エ
ン ジ ニ ア=5:4:1)。
実際 に は、 デザ イ ナ ー、 プロ
グ ラ マ ー 、 サ ポ ー タ ー 、 サ ー バ ー 提 供 者 、 市 民 活 動 の リー ダ ー 、 利 用 者 、 研 究 者 な ど に 細 か く分 類
で き るが 、NOTAネ
3.4
ッ トワ ー ク の お お よ そ の 構 成 を 示 して い る と い え る 。
ま とめ
本 章 で は 、 市 民 やNPOに
よ る社 会 的 な ソ フ トウ ェ ア の 開 発 ア プ ロ ー チ で あ る 「共 生 開 発 ス タ イ
ル 」 と、横 浜 市 に お け るNOTAの
て 述 べ た 。NOTAは
開 発 コ ミ ュニ テ ィ 「NOTAネ
ッ トワ ー ク 」 の 形 成 と実 践 に っ い
、 さ ま ざ ま な 用 途 に 利 用 で き る プ ラ ッ トフ ォ ー ム 志 向 の 設 計 を 持 っ て い た コ
ミ ュ ニ テ ィ に 受 け 入 れ ら れ 、 ま た コ ミ ュニ テ ィの 活 動 に よ っ てNOTA自
が 加 え られ た 。 共 生 開 発 ス タ イ ル に 関 す る よ り詳 し い 考 察 は 第8章
体 もそれ に合 わせ て改 良
で 行 う。
第3章
19
共生 開 発 ス タ イルの提 案
図3.2
つ づ き人 交 流 フ ェ ス タの 活 動 の 様 子
第3章
共 生 開発 ス タイ ルの 提案
20
詮 N
讐
蕊鐸
夢
、ご 犠
ノ ∵ 、
蝋 \\
図33
NOTAバ
ッジ
21
第4章
NOTAの
設 計 と開 発
本 章 で は 本 研 究 に お い て 開 発 したNOTAの
い 方 を 示 し、 シ ス テ ム の 新 規 性 を 以 下 の4つ
シ ス テ ム に つ い て 述 べ る 。 NOTAの
に分 類 し、 説 明 す る 。NOTAを
使
ユ ーザ ー
が 拡 張 す る こ とが で き る ア プ リケ ー シ ョ ン ・プ ラ ッ トフ ォ ー ム の 機 能 に つ い て は、 特 に
重 要 な 部 分 な の で 、 第5章
で 詳 し く述 べ る。
● リ ア ル タ イ ム編 集 の 実 装
● ユ ー ザ ー ア カ ウ ン トと編 集 権 限
●HTMLと
の 互 換 性 とデ ー タ構 造
● 手 書 き線 の 実 装
第4章
4ユ
NOTAの
22
設 計 と開発
は じめ に
近 年 、 ブ ラ ウ ザ 上 で ウ ェ ブ ペ ー ジ を編 集 し た い と い う要 求 か ら 、 ブ ラ ウ ザ か らWebに
画像 を
ア ッ プ ロ ー ド し て 画 像 を共 有 で き る掲 示 板 シ ス テ ム や 、 ブ ラ ウ ザ 上 で ペ ー ジ の 内 容 の 編 集 を 行 う
こ と が で き る シ ス テ ム が 普 及 し た りす る な ど、 動 的 な ウ ェ ブ ペ ー ジ の 作 成 シ ス テ ム が 普 及 しっ っ
あ る。 ブ ラ ウ ザ 上 で 動 的 に ウ ェ ブ ペ ー ジ を 作 成 す る こ と は 、 従 来 の よ う に ク ラ イ ア ン トで 作 成 し
た ペ ー ジ を サ ー バ ー に ア ッ プ ロ ー ドす る手 法 と比 較 し て 、 以 下 の よ うな メ リ ッ トが あ る 。
・ ウ ェ ブ ブ ラ ウ ザ が あ れ ば ど の 端 末 か ら で も 利 用 で き る。
・ ク ラ イ ア ン トの ソ フ トウ ェ ア の 設 定 が 不 要 で あ る 。
● 複 数 人 で ペ ー ジ を 協 調 的 に 編 集 で き る。
しか し、 今 日普 及 して い る こ れ らの シ ス テ ム で は 、編 集 の イ ン タ フ ェ ー ス と し てCGIとHTML
フ ォ ー ム を 連 携 させ て 用 い る こ とが 多 く、 ク ラ イ ア ン ト側 で 用 い る一 般 の ホ ー ム ペ ー ジ 作 成 ソ フ
トウ ェ ア と比 較 し て 、 イ ン タ フ ェ ー ス と機 能 に 多 くの 制 約 が あ る 。 この た め 、 直 接 操 作 を 用 い て
WYSIWYGな
編 集 環 境 を 実 現 した り、 リア ル タ イ ム で ペ ー ジ の 更 新 を行 っ た りす る シ ス テ ム を 構
築 す る こ と は 難 しか っ た 。
こ れ に代 え て 、 ブ ラ ウ ザ 上 で 手 軽 に 編 集 で き る とい う メ リ ッ トを 活 か し な が ら、 上 記 の 欠 点 を 克
服 した ソ フ トウ ェ ア を 開 発 す る こ とが 求 め られ て い る。 本 論 文 で は 、Wikiと
同 様 の 手 軽 さで 、 リ
ァ ル タ イ ム に 動 的 な ペ ー ジ の 更 新 を 行 い 、 か つ 自 由 な レ イ ア ウ トの ペ ー ジ を 直 接 操 作 に よ っ て 作 成
で き る ウ ェ ブ ペ ー ジ の 共 有 シ ス テ ム 「NOTA」
一 般 の ブ ラ ウザ 上 で 動 作 す る。HTMLの
ジ を 、 ドラ ッ グ&ド
サ ポ ー トす る
知 識 が な く と も 、 テ キ ス ト、 画 像 、 図 形 が 混 在 した ペ ー
ロ ッ プ を 多 用 した 分 か りや す い 操 作 方 法 に よ り、 複 数 の メ ンバ ー で 協 調 的 に作
成 お よ び 管 理 す る こ とが で き る。NOTAに
4.2
を 提 案 す る 。 本 シ ス テ ム はFlashを
お け るペ ー ジ の 編 集 の ワ ー ク フ ロ ー を 図4.1に
示 す。
従 来 の シス テム
ロ ー カ ルHTMLペ
ー ジ を 作 成 し、 サ ー バ ー に ア ッ プ ロ ー ドす る従 来 の 方 式 に は 、 二 っ の 欠 点 が
あ る 。 ロ ー カ ル で 管 理 す る た め 、 ペ ー ジ を修 正 す る た び に ア ッ プ ロ ー ド作 業 が 必 要 で あ る こ と と、
ロ ー カ ル ペ ー ジ が 共 有 で き な い た め 、 複 数 人 で の 編 集 作 業 が 難 しい こ とで あ る。 こ の た め 、Web
上 で 手 軽 に ペ ー ジ を 更 新 し た り、 複 数 人 で 協 調 的 に ペ ー ジ を 作 っ て い く こ と は 困 難 だ っ た 。 こ れ
ら の 問 題 を解 決 す る た め に 、 ブ ラ ウ ザ 上 でCGI、
ス テ ム が 考 案 さ れ た 。 そ の 代 表 例 と し てWikiが
wikiは
、 ブ ラ ウ ザ 上 でHTMLペ
Java等
を 利 用 し、 ペ ー ジ の 編 集 を可 能 に す る シ
あ る。
ー ジ 全 体 の 編 集 が 行 え る 点 と、 HTMLタ
グを使用 せ ず に簡 単
な 記 号 を 記 述 す る こ とで 、段 落 の 修 飾 や 、 動 的 な リ ン ク の 作 成 が 可 能 で あ る点 が 優 れ て い る 。 ペ ー
ジ の 編 集 は 各 ペ ー ジ の 最 上 部 に あ る[編 集]と い う リ ン ク を 開 き 、HTMLのFORMタ
グ を利 用 し
た テ キ ス トボ ッ ク ス を 表 示 させ 、 そ の 中 で 本 文 を 編 集 し、[送 信]も し くは[保 存]ボ タ ン を 押 す こ
とに よ っ て 行 う(図4.2)。Wikiに
は 、 編 集 開 姶 と編 集 完 了 後 の 送 信 の 間 の 時 間 差 が あ るた め 、 同
第4章NOTAの
設 計 と開 発
23
NOTAの 制 作 工 程
従 来 の ウ ェ ブ サ イ ト制作 工 程
璽
醗織
.鰹灘 撫鍵,
w
力
加
入成け追
ト作 付 の
ス板貼ク
キ示像 ン
テ掲画 リ
i
轍 膿 認ご鷹 ン
J`」7瓢 鯉
公騨
⊃
⊃
3STEPで 公 開
\
\___
図4.l
NOTAの
編 集 の ワ ー ク フm
時 に 複 数 人 が 編 集 作 業 を 行 っ た 場 合 に は 編 集 内 容 の 衝 突 が 起 こ る。 この 問 題 の 回 避 策 は な い 。 ま
た 、Wikiは
本 文 の 編 集 は 簡 単 に 行 え る が 、 文 の 修 飾 を 変 更 した り、 画 像 を 貼 り付 け た りす る こ と
は 難 しい 。 多 くのWikiプ
ロ グ ラ ム で は 、定 め られ た タ グで 文 字 を 囲 ん だ り、 別 途 フ ァ イ ル を ア ツ
プ ロ ー ド し、 フ ァ イ ル 名 を 指 定 す る こ とで こ れ ら を 実 現 して い る が 、 テ キ ス トベ ー ス で あ る た め 、
GUIに
親 し ん だ ユ ー ザ ー に は 受 け 入 れ ら れ ず 、 結 果 と してWikiは
こ れ らの ユ ー ザ ー に は あ ま り
利 用 され て い な い と い え る。
4.3
NOTA
前 述 の よ う な 問 題 を 解 決 す る た め に 、NOTAと
HTIII、
い う シ ス テ ム を 開 発 し た 。 NOTAは
を 利 用 した ウ ェ ブ ペ ー ジ の 動 的 作 成 シ ス テ ム の 問 題 を 解 決 し、 Flashを
イ ン タ フ ェ ー ス を持 つ 、∼℃bの 共 有 シ ス テ ム で あ る 。NOTAを
、従 来 の
用いた直感的 な
利 用 す る こ と に よ り、Wiki同
様
の 手軽 さ で 、 表 現 力 が 高 い ペ ー ジ の 作 成 ・共 有 を 手軽 に 行 え る 。 す な わ ち 、 マ ウ ス 操 作 に よ る
WYSIWYGの
ペ ー ジ の 編 集 機 能 を 持 ち 、 手 書 き線 や 、 図 形 の 貼 り込 み な ど が 簡 単 に 行 え る 。 ま
た 、送 信 コ マ ン ドを 押 さ な くて も非 同 期 で サ ー バ ー と通 信 し、編 集 す る た び に 保 存 お よ び 更 新 を 行
う。 これ に よ っ て 、 複 数 の ク ラ イ ア ン トで 編 集 中 の 画 面 を 共 有 す る こ とが で き 、複 数 の メ ン バ ー で
協 調 的 に作 成 お よ び管 理 す る こ とが で き る(図4.3)。
Webに
お け る動 的 な ペ ー ジ の 作 成 と共 有 を 可能 に す るた め の ソ フ トウ ェ ア と してFlashを
た 。Flashが
用い
非 常 に 多 くの プ ラ ッ ト フ ォ ー ム を サ ポ ー トし、 ウ ェ ブ ペ ー ジ の 不 可 欠 な 部 分 を 占 め て
い る こ と に 着 日 し、FlashとCGIを
連 携 さ せ 、 動 的 な ウ ェ ブ ペ ー ジ の 作 成 を 行 う こ とを 試 み た 。
具体 的 に は以 下の 機能 を持 つ。
● す べ て の 書 き 込 み が 、∼℃b上
でw'YSI≪'YGに
共 有 口∫能 で あ る 。
第4章
NOTAの
24
設 計 と開 発
ぢ」
ご
概フ7イルq=》鯛B纂転) 轟示(ψ
ジャンフ⑨
.レ
フッウマーク⑧
ツールΦ
ウィンドウq哩) ヘルフq沙
、huo/ん 鵬s併 鼠布嵌-〆
℃:edltD=脳4燃4馴)311C6%FE%MXA触5船
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轟 晶&燕
癬_、__蹴_。
鞭2燃4紙)E*)5%DO.MCFlfBF¥3
一 、 騨.
.。
。穣 麟 勲
醸
ミ 罰、
報ミ 難
艦 獺 鰍 辮 却 デ翼 繋勢
脳譲
モの豊緑
黛謙慰"
タイトル 飛U入0テ
vo「 馳b上碗 図共有手法とNOT邸E搬
の提案」
永 田周一(同 志 社大掌)
17主.「
酵.細
廿磁
作rr
"ミミ
予定 、店 舗、 写真 な どを地 点情 報 と結 ひつ けて表 示す る イ ンター フ ■一 ス
の 提案 です 。
この 他 ネ ッ ト版 「
紙 」 を展示 します 。
イ.[…O.-FF'$_,
キー ワートh得1こ1つ記述してください)
1馳「ページの 凛緒 パス ワード
を参照してくださしb
書き方がわ からない場含は
GenenleE ev
㎞mdby
藤ミ
、Qltew-唆
、 、180Ma
隅 り阻
・
轟 避
簿了
図4.2.一
般 的 なWikiの
編 集画 面
● 画 面 上 の どの 位 置 に 対 して も文 字 を 貼 り込 む こ とが で き る。
● ド ラ ッ グ に よ り手 書 きで 線 を 引 く こ とが で き る 。
● 基 礎 的 な 図 形 作 成 機 能 を備 え る。
・JPEG,
PNG,
GIF,
き る。Flashは
BMPな
ど の 画 像 を ア ッ プ ロ ー ド し、 ど の 位 置 に も 自 由 に貼 る こ とが で
、 外 部 の 画 像 の 読 み 込 み でJPGの
プ ロ ー ド した 際 に 、ImageNlagickを
・Windows、
Mac、
み を サ ポ ー ト して い る の で 、 画 像 を ア ッ
用 い て 、 画 像 の 形 式 をJPGに
Linux、 携 帯 端 末(一
部)な
変 換 して い る。
ど ほ ぼ す べ て の プ ラ ッ トフ ォー ム で そ の ま ま
動 作 す る0
・ ペ ー ジ 間 に リ ン ク構 造 を 持 た せ 、 容 易 に ペ ー ジ 間 で リ ン ク を 作 成 で き る 。 リ ン ク を構 築 す
る 際 に 、Wikiと
異 な り、 単 語 に よ る リ ン ク は 採 用 し な か っ た 。 NOTAで
リン ク を張 るに
は 、既 存 の ペ ー ジ の 一 覧 か らペ ー ジ を選 ぶ だ け で よ く、 自動 で リ ン ク を 貼 る機 能 が 必 要 で な
い と考 え た か らで あ る。
・ 作 成 者 の 情 報 を 記 録 し、 オ ブ ジ ェ ク トを 作 成 者 単 位 で 管 理 で き る。
第4章
NOTAの
25
設 計 と開発
イン ターネ ッ ト
ク ラ イ ア ン ト②
ク ラ イ ア ン ト①
ク ラ イ ア ン ト③
図4.3
NOTAの
協 調 的編 集 の概 念 図
● 複 数 人 で 同 時 に 書 き込 み を行 っ た 場 合 、 他 人 の 編 集 が た だ ち に反 映 さ れ る 。
●PDF並
4-4
の 印 刷 機 能 を持 っ 。
NOTAの
NOTAの
使
い 方
編 集 画 面 を 図4-4に
示 す 。 画 面 上 部 の 「ツ ー ル バ ー 」、 画 面 右 のL覧
中 央 の 「ペ ー ジ 本 文 」 の 領 域 か ら構 成 さ れ る 。NOTAの
4.4.1
」、 そ して 画 面
使 い 方 を説 明 す る。
基本 ツー ル
以 下 に編 集 画 面 の 各 領 域 に つ い て 、 簡 単 に 述 べ る(詳
細 は 各 機 能 の 解 説 で 述 べ る)。
1.「 編 集 」 ツ ー ル
画 像 な ど の オ ブ ジ ェ ク トを選 択 し、 移 動 ・編 集 す る た め に使 用 す る。
編 集 画 面 に 切 り替 え た 直 後 は 、 こ の ツ ー ル を 選 択 した 状 態 に な る 。
2.「 ペ ン」 ツ-ル
手 書 き線 の 入 力 を 行 う た め に使 用 す る 。
この ツ ー ル が 選 択 さ れ て い る と、 ツ ー ル バ ー 下 部 に 「色 」 「太 さ」 が 表 示 され る。
第4章NOTAの
惑 鱒◎↑A一 糠
ファイル(E)
26
設 計 と開 発
鹸NOTA-M。ziFfe
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履歴 ⑤
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図4,4
NOTAの
編 集画 面 の例
3.「 消 し ゴ ム 」 ツ ー ル
手 書 き線 を 消 す の に 使 用 す る 。
4-「 図 形 」 ツ-ル
丸 ・ 三 角 ・四 角 ・星 型 な ど 、 多 彩 な 図 形 を 描 画 す る 際 に 使 用 す る 。
この ツ ー ル が 選 択 さ れ て い る と、 ツ ー ル バ ー 下 部 に
「色 」 と 図 形 の 選 択 メ ニ ュ ー が 表 示 さ
れ る。
5.「 文 字 」 ツ ー ル
文 字 を 入 力 す る 際 に 使 用 す る。
文 字 の 色 、 サ イ ズ 、 フ ォ ン トを ワ ン ク リ ッ ク で 簡 単 に 変 更 で き る 。 文 字 を 選 択 し て い な い 状
態 で 色 を 選 ぶ と 、 テ キ ス ト ボ ッ ク ス 全 体 の 背 景 色 と な る 。 な お 、NOTAは
ユニ コー ドに対
応 して い る た め 、 多 言 語 の 人 力 もで き る 。
6.「 一 覧 」
ベ ー ジ や ア カ ウ ン ト の 管 理 、 画 像 ・フ ァ イ ル ・プ ラ グ イ ン の 貼 り付 け 、 全 ペ ー ジ を 対 象 に し
た 検 索 な ど を 行 う。
第4章
NOTAの
27
設 計 と開発
7。 「
ペ ー ジ本 文」
編 集 領 域 で あ る。 こ こ に 文 字 を 入 力 した り、 手 書 き線 を 入 力 し た りす る 。
4.4.2
言忍言正
「閲 覧 画 面 」 か ら 「
編 集 画 面 」 に 切 り替 え る に は 、 ツ ー ル バ ー の 「編 集 開 始 」 ボ タ ン を 押 す 。 パ
ス ワ ー ドの 入 力 ダ イ ア ロ グ が 表 示 さ れ る の で 、 サ イ トの 管 理 者 か ら発 行 さ れ た ユ ー ザ ー 名 とパ ス
ワ ー ドを 入 力 す る 。
4.4.3
写 真 の 貼 り付 け
次 に 、NOTAの
ペ ー ジ 上 に 画 像 を 貼 り付 け る 方 法 を 述 べ る。 ロ ー カ ル の 画 像 を 選 択 し、 ア ッ プ
ロ ー ドす る と、 た だ ち に ペ ー ジ 中 央 に 画 像 が 貼 り付 け ら れ る 。 画 像 の サ イ ズ や 位 置 は 自 由 に 決 め
る こ とが で き る。
1.画 面 右 の 「貼 る」 タ ブ を選 択 して 、 「参 照 」 ボ タ ン を押 す(図4.5)。
2.「 フ ァ イ ル の 選 択 」 ダ イ ア ロ グ が 表 示 さ れ るの で 、 ペ ー ジ に 貼 り付 け た い 画 像 フ ァ イ ル を 選
択 す る。
3.「 参 照 」 ボ タ ン の 左 側 に 貼 り付 け た フ ァ イ ル の パ ス が 表 示 さ れ る の で 、 確 認 後
「貼 り付 け 」
ボ タ ンを押 す 。
NOTAに
貼 り付 け られ た 画 像 は 自 動 的 にJPEG形
式 で 圧 縮 さ れ 、 幅700ピ
クセ ル 、50KB前
後
の サ イ ズ に な る。 しか しデ ィ ス プ レ イ 上 で は 元 画 像 と の 差 は ほ とん ど分 か ら な い 。 美 し く見 せ た
い ときに は、 「
高 精 細 」 と い う チ ェ ッ ク ボ ッ ク ス を 有 効 に して か ら 「貼 り付 け 」 ボ タ ン を 押 す 。 高
精 細 で 貼 り付 け られ た 画 像 は 、 幅1000ピ
ク セ ル 、200KB前
後 の サ イ ズ に 圧 縮 さ れ る。 デ ジ タ ル
カ メ ラ で 撮 影 し た 風 景 写 真 な ど を貼 り付 け る と き に は 「高 精 細 」 を 有 効 に した 方 が よ い 。
対 応 画 像 フ ァ イ ル は 、JPEG、
シ ョ ンGIF、
透 過GIF、
PNG、
透 過PNG形
TIFF、
BMP、
PICT形
式 の フ ァ イ ル で あ る。 ア ニ メ ー
式 には対 応 してい な い。
貼 り付 け た 画 像 の 大 き さ を 変 更 す る に は 、 図 形 や 文 字 領 域 の 大 き さ変 更 と同 様 、 右 下 の 「サ イ
ズ 調 節 っ ま み 」 を マ ウ ス で ドラ ッ グ し て 行 う。 元 画 像 の 縦 横 比 を 維 持 して の サ イ ズ 変 更 を 行 い た
い と き に は 、Shiftキ
ー を 押 しな が ら ド ラ ッ グ す るか 、 画 像 の 左 上 と右 下 の 対 角 線 上 に マ ウ ス を ド
ラ ッ グ す る 。 縦 横 比 を 維 持 した 位 置 の と き に は マ ウ ス カ ー ソ ル が 吸 着 した よ うな 動 作 を す る。
4.4.4
フ ァ イ ル の 貼 り付 け
NOTAで
は 、 貼 り付 け る フ ァ イ ル と して 画 像 フ ァ イ ル(JPEG、
PNG、
TIFF、
GIF形
式 な ど)
が 選 択 さ れ た 場 合 に は ペ ー ジ 上 に そ の ま ま イ メ ー ジ と し て 貼 り付 け ら れ る 。 画 像 以 外 の フ ァ イ ル
(PDF、
DOC、
け ら れ る。
XLS形
式 な ど)が 選 択 され た 場 合 に は 、 フ ァ イ ル 名 つ け の ア イ コ ン と し て 貼 り付
第4章
NOTAの
28
設計 と開発
編齢AOヂ
禽 ミ
緑
友人に教えるiヘ ルゴiご 意見i
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囲
一覧
管理
貼る
A
、
フ7イ ル の 貼 り付け
iC:蔑D◎{⊃ur貸ents
← 貼 り付上
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1〕
呂
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押 して フ7イ ル 魔 三
聾ん
だ 後 、ギ貼 り 醤i懲 ガ タン 魔押 し
て 、しば らくあ 祷 ちくだ 蓼いG
図4-5
フ ァ イ ル の 貼 り付 け
貼 り付 け た フ ァ イ ル の 種 類 に よ っ て 、 表 示 され る ア イ コ ンが 異 な る。 フ ァ イ ル の 種 類 とア イ コ
ン の 対 応 は 以 下 とな る。
4.4.5
NOTAの
手 書 き線 の 描 画
特 徴 の1つ
あ る が 、NOTAの
に 、 手 書 き線 の 描 画 機 能 が あ る 。 描 画 の イ ン タ フ ェ ー ス は-一般 的 な も の で
場 合 は 、 Web上
で な め らか な線 を 描 画 す る た め に 独 自 の ア ル ゴ リズ ム を 実 装 し
た 。 ア ル ゴ リズ ム に つ い て は、 後 述 す る。
画 用 紙 に ペ ン で 絵 を描 く よ う に 、 ペ ー ジ 内 の 好 き な 位 置 に 、 好 き な 色 ・太 さで 手 書 き線 を 書 くこ
とが で き る。 ペ ン の 先 端 部 分 が 入 力 位 置 に な る 。 ドラ ッ グす る こ とで 、 線 が 描 画 さ れ る(図4.6)。
他 の 色 や 太 さ に 変 更 し た い 場 合 に は 、 そ の 都 度 ツ ー ル バ ー の 「色 」 「
太 さ 」 か ら選 択 す る 。 ペ ン タ
ブ レ ッ トを 利 用 す れ ば 、 よ り精 緻 な絵 を描 くこ と もで き る 。 以 下 に 利 用 方 法 を示 す 。
1.ツ
ー ル バ ー か ら 「ペ ン ツ ー ル 」 を 選 択 す る 。 マ ウ ス カ ー ソ ル が ペ ン に 変 更 さ れ る 。
2.ツ
ールバ ー 上部 の
3.好
き な 位 置 に マ ウ ス や ペ ン タ ブ レ ッ トで 入 力 す る 。
「色 」 か ら好 き な 色 を 選 択 し 、 「太 さ 」 か ら ペ ン の 太 さ を 選 択 す る 。
A轟
轟
設 計 と開 発
29
!
o蓑
NOTAの
M饗
第4章
鋸
図4.6
手 書 き線 の 描 画
一
図4.7
4.4上6
手書 き線 の消 去
手 書 き線 の 消 去
入 力 した 手 書 き線 を 消 去 し た い と き に は 「消 し ゴ ム ツ ー ル 」 を使 用 す る。 な お 、 「消 し ゴ ム ツ ー
ル 」 を選 択 して い る 状 態 の と き に 画 像 や 図 形 の.ヒで ド ラ ッ グ操 作 を す る と、 画 面 上 で は そ れ ら も 消
去 さ れ て 表 示 され るが 、 実 際 に は 消 去 さ れ な い 。 「消 し ゴ ム ツ ー ル 」 で 消 去 で き る の は 「ペ ン ツー
ル 」 に よ る 手 書 き線 だ け で あ る。 削 除 の 方 法 を 以 下 に 示 す 。
1.ツ
ー ルバ ー か ら
「消 し ゴ ム ツ ー ル 」 を 選 択 す る 。 マ ウ ス カ ー ソ ル が
「消 し ゴ ム 」 に 変 更 さ
れ る。
2.消
4.4-7
去 し た い 手 書 き 線 の ヒを マ ウ ス で ド ラ ッ グ す る(図4.7)。
リ ン ク
NOTAに
お い て 「リ ン ク 」 機 能 は 重 要 な 意 味 を 持 っ て い る 。 Webが
普及 した の は、 異 な る リ
ソー ス 間 を結 び つ け る リン ク機 能 が あ っ た た め と も考 え られ るが 、 これ まで のHTMLで
作 成 は タ グ に よ る マ ー ク ア ッ プ が 必 要 で 、HTMLに
の リン ク
つ い て の 知 識 が な い全 くの パ ソ コ ン初 心 者 が
行 う に は い さ さ か 敷 居 が 高 く、 操 作 も直 感 的 で は な か っ た 。
そ こ で 、NOTAは
た 。NOTAで
リ ン ク の 作 成 ・修 正 を 誰 もが 簡 単 、 か つ 直 感 的 に行 え る よ う な機 能 を 実 装 し
の リ ン ク の 設 定 方 法 は 以 下 の よ う に 行 う。
1.リ ン ク を 設 定 した い テ キ ス トを マ ウ ス で 範 囲 選 択 す る 。
第4章
NOTAの
30
設 計 と開 発
醸驚
文寧
取
覇
榔
【新 規 ベ ー ジ を作 戴 】
【リン ウを 解 饒 】
手 書 き入 力
梅溝開
図形色々
ト
≦(貰ムへ の 招 祷
キ やプ チャ ー リスト
文 字 を書 く
i▼
外 部 のURL:
http://nota.jp/
燐黙樋
図4.8
2.ツ
ー ルバ ー下 部 の
臨
リンクの選 択
「リ ン ク 」 に マ ウ ス カ ー ソ ル を あ わ せ る と 、 自 動 的 に リ ン ク 設 定 メ ニ ュ ー
が 表 示 さ れ る(図4.8)。
3.NOTAサ
イ ト内 の ペ ー ジ へ の リ ン ク を 設 定 し た い 場 合 に は 、 リ ス トか ら ペ ー ジ を 選 択 す る0
外 部 の ペ ー ジ ヘ リ ン ク を 張 り た い 場 合 に は 、 「外 部 のURL」
欄 に ア ドレス を入力 す る。
な お 、 文 字 を 範 囲 選 択 して い な い 状 態 で 、 「リ ン ク 」 か らペ ー ジ を 選 ぶ と、 カ ー ソ ル 位 置 に ペ ー
ジ タ イ トル が 挿 入 され 、 そ の ペ ー ジ に 対 す る リ ン ク を張 る こ とが で き る 。
II・
NOTAに
リ ン ク か ら の 新 規 ペ-ジ
作成
お い て 、 新 規 ペ ー ジ を 作 成 す る方 法 は ツ ー ル バ ー の 「新 規 作 成 」 ボ タ ン を 押 す 以 外 に、
も う1つ 、 リ ン ク か ら作 成 す る 方 法 が あ る。
任 意 の 文 字 を 選 択 し、 「新 し い ペ ー ジ ヘ リ ン ク を 張 る 」 を 選 ぶ と、 選 択 し た テ キ ス トを タ イ トル
とす る新 規 ペ ー ジ が 作 成 され る。 新 規 ペ ー ジ に は 、元 の ペ ー ジ へ の リ ン ク が 自 動 で 作 成 され る。 リ
ン ク 先 と リ ン ク元 が 相 互 に リ ン ク さ れ る こ とで 、 リ ン ク構 造 が 構 築 さ れ る 。 新 規 作 成 ボ タ ン を押 し
て 作 成 した 新 規 ペ ー ジ で は 、 ペ ー ジ の タ イ トル は 常 に 「新 規 ペ ー ジ(作
成 日)」 と な る が 、 リ ン ク
機 能 か ら作 成 した ペ ー ジ で は 、 そ の ペ ー ジ へ の リ ン ク を 設 定 し た テ キ ス トの 内 容 が 自動 的 に ペ ー
ジ タ イ トル に設 定 さ れ る 。
も う ひ とっ の 特 徴 と して 、 リ ン ク機 能 か ら作 成 し た 新 規 ペ ー ジ で は 自動 的 に 作 成 元 ペ ー ジ へ の
リ ン クが 「リン ク 元 へ 戻 る 」 と し て 作 成 さ れ る。 つ ま り、 設 定 元 ペ ー ジ か ら設 定 先 ペ ー ジ へ の 一 方
向 リ ン ク の 作 成 だ け で な く、 自 動 的 に 相 互 リ ン クが 作 成 さ れ る(図4.9)。
リ ン ク か らの 新 規 ペ ー ジ 作 成 方 法 は 以 下の よ う に 行 う。
第4章
NOTAの
31
設 計 と開 発
H撒 に よるリン クの 作 威
当 畠
幽:畿 灘 繍撫、
聾銭荒 ヘージ
轄哉先ベー ジ
NOTAに よるリンクの 作 戚
∋鳶
麹:裂 撫 籏_
作哉 光ベー ジ
炸餓先べ一 ジ
図4.9
1.リ
NOTAに
よ る相 互 リ ン ク
ン ク を 設 定 した い テ キ ス トを マ ウ ス で 範 囲 選 択 す る。
2.ッ ー ル バ ー 下 部 の 「リ ン クJに
マ ウ ス カ ー ソル を あ わせ る と、 自動 的 に リ ン ク設 定 メ ニ ュ ー
が 表 示 さ れ る の で 、 「【新 規 ペ ー ジ を 作 成 】」 を 選 択 す る 。
範 囲 選 択 した テ キ ス トを タ イ トル に 持 つ 新 規 ペ ー ジ が 作 成 さ れ 、 「リ ン ク 元 へ 戻 る 」 に は 自動 的
に 作 成 元 ペ ー ジ へ の リ ン クが 設 定 され る。
4.4上9
オ ブ ジ ェ ク トの 操 作 と 部 品 の 重 な り順
部 品 の移 動
部 晶 を 移 動 す る に は 、 部 品 選 択 時 に 左 上 に 表 示 され て い る 「移 動 」 部 分 を マ ウ ス で ドラ ッ グ す る
(画 像 ・図 形 ・プ ラ グ イ ン で は 、 各 部 品 本 体 の ド ラ ッ グ操 作 で も移 動 可 能)。 削 除 す る に は 、 右 上 に
表 示 さ れ て い る赤 い 「×」 印 を マ ウ ス で ク リ ッ ク す る 。
部品 の 削除
誤 っ て 部 晶 を 削 除 し て し ま っ た 場 合 に は 、 ツ ー ル バ ー の 「取 り消 し」 ボ タ ン を 押 す 。 「取 り消 し」
ボ タ ン を 押 す た び に 、 実 行 し た 操 作 が1つ
ず つ 取 り消 さ れ る(た
だ し、 他 の ペ ー ジ に 移 動 した 場
合 に は 、 移 動 前 の ペ ー ジ の 操 作 を 取 り消 す こ とは で き な い)。 取 り消 した 操 作 を 復 帰 した い 場 合 に
は 、 同 じ くツ ー ル バ ー の 「取 り消 しを 戻 す 」 ボ タ ン を 押 す 。
色 の 指 定 と部 品 の 重 な り順
色 は 「文 字 入 力 領 域 」 「図 形 」 に お い て の み 設 定 が 可 能 で あ る 。 図 形 で は 塗 りつ ぶ し色 を 、 文 字
入 力 領 域 で は 文 字 色 と背 景 色 を 設 定 で き る。 また 、 「図 形 」 と 「画 像 」 「挿 し絵 」 に は 「透 明 効 果 」
第4章
NOTAの
32
設 計 と開発
を つ け る こ と もで き る。
透 明 効 果 が 有 効 に さ れ た 部 品 は 薄 い 色 で 表 示 され 、 そ の 部 品 の 下 に 重 ね られ て い る 部 品 を透 過
表 示 す る よ うに な る。 設 定 方 法 は 、 どち ら も ツ ー ル バ ー の 「色 」 「透 」 か ら行 う。
異 な る 部 品 を 何 層 に も上 下 に 重 ね る こ と も で き るが 、 よ り面 積 の 小 さ い 部 品 が 自動 的 に 上 に 表
示 さ れ る 。 こ れ に よ り、 部 品 の 重 な り順 を 変 更 す る コ マ ン ドを用 い な くて も 、 小 さ な 部 品 が 下 に
隠 れ る こ とが な い た め 、 部 品 の 操 作 が しや す い 。
4.5
NOTAの
実 装
本 節 で は 、NOTAの
4.5.1
NOTAに
シ ス テ ム の 新 規 性 を4つ
に 分 類 して 、 詳 述 す る。
リア ル タ イ ム 編 集 の 実 装
は 、 ク ラ イ ア ン ト ・ソ フ トウ ェ ア やCGIで
用 い られ る 「保 存 」 や 「送 信 」 と い っ た コ
マ ン ドが 、 ユ ー ザ ー に 対 して 用 意 さ れ て い な い 。 入 力 した 文 字 や 、 手 書 き の 線 な ど は 書 き込 み が
行 わ れ た 直 後 にCGIを
通 じ て サ ー バ ー に送 信 さ れ 、 保 存 さ れ る。 同 時 に 、 ペ ー ジ を 閲 覧 して い る
他 の ユ ー ザ ー の 表 示 に更 新 が 反 映 され る。 一 般 にHTMLか
FORM要
素 内 に お い てSubmitボ
らCGIを
用 い る た め に は 、 HTMLの
タ ン を 配 置 し、 そ れ を マ ウ ス で ク リ ッ ク す るか 、 キ ー ボ ー ドの
キ ー を押 す 必 要 が あ り、 自動 的 に ユ ー ザ ー の 入 力 を 検 知 し、 サ ー バ ー に 送 信 す る こ と は で き な い 。
ま た 、 自 動 で 送 信 さ れ 、サ ー バ ー に保 存 され た デ ー タ の 更 新 を 別 の ク ラ イ ア ン トが ユ ー ザ ー か らの
入 力 を 受 け る こ とな く行 う こ と は で き な い 。
サ ー バ ー に送 信 す る際 に 、 ユ ー ザ ー に よ る 保 存 や 送 信 等 の 入 力 が 必 要 な シ ス テ ム は 、 い ず れ も 、
最 新 の デ ー タ を 表 示 し、 そ れ を 編 集 し、 サ ー バ ー に 送 信 して 更 新 す る とい う過 程 に お い て タ イ ム ラ
グが 発 生 す るの で 、 同 一 デ ー タ を 異 な る端 末 に お い て 同 時 に 編 集 作 業 を 行 っ た 場 合 、 い ず れ か の 更
新 は破 棄 さ れ る こ と とな る 。
Web上
で 動 的 な ペ ー ジ の 作 成 を行 う際 に 、 こ れ ら の コ マ ン ド を選 択 しな け れ ば 情 報 が 送 信(も
し く は保 存)さ
れ な い の は 、 即 時 性 や 手 軽 さ を 考 慮 し た 場 合 に 障 害 とな る と考 え る。NOTAで
文 字 の 変 更 、 図 形 の 移 動/サ
イ ズ 変 更/回
は、
転 、 画 像 の 貼 り付 け な ど 内 容 が 変 更 され た 直 後 に ク ラ イ
ァ ン トか らサ ー バ ー に 差 分 デ ー タ を送 信 し、 サ ー バ ー 上 に保 存 す る。 図4-10に
、流 れ を示 す 。各
ク ラ イ ア ン トは 、 サ ー バ ー の デ ー タ が 更 新 され る と、 更 新 情 報 を サ ー バ ー か ら取 得 し、 ク ラ イ ァ ン
トの 描 画 を更 新 す る。
NOTAに
お い て は 、 部 品 ご と に 更 新 日 時 デ ー タ を 持 っ て い る た め 、 各 ク ラ イ ア ン トが 同 時 に
別 々 の 部 品 を操 作 して も衝 突 が 起 こ る こ とは な い 。 ま た 、 同 一 の 部 品 を操 作 す る場 合 に お い て も、
あ る ク ラ イ ア ン トが 部 品 を 移 動 し(X、Y値
縮 小 す る(WIDTH、
HEIGHTを
を変 更 す る)、 同 時 に別 の ク ラ イ ア ン トが 部 品 を 拡 大 ・
変 更 す る)な
ど の よ う に 異 な る属 性 値 を 変 更 す る 場 合 は衝 突 は
起 こ ら な い 。 同 一 の 部 品 の 同 一 の 属 性 を 二 つ 以 上 の ク ラ イ ア ン トが 同 時 に 操 作 し た 場 合 は 、 衝 突
が 生 じ る。 こ の 場 合 は 、 時 間 的 に 前 に操 作 し た ク ラ イ ア ン トの 操 作 は 、 後 に 操 作 した ク ラ イ ァ ン ト
の 操 作 に よ っ て デ ー タ が 上 書 き され 、 無 効 に な る。
第4章
NOTAの
33
設 計 と開発
インターネ ッ ト
ク ライ ア ン ト①
サ 酬バ ー
轡
ク ライ ア ン ト②
Webブ
ラウザ
Flashプ
ラ グイ ン
添新
表更
本 図 の よ うな デ ー タ の流 れ に よ り、デ ー タ に
ア ク セ ス す る全 て の ク ラ イ ア ン トコ ン ピ ュ
-タ の ブ ラ ウザ の表 示 が リア ル タ イ ム に 更
新 され 、即 時 の文 書 の 編 集 が 可 能 にな る。
図4.10
4.5.2
リアル タ イム編 集 の流 れ
NOTAで
ユ ー ザ ー ア カ ウ ン トと編 集 権 限
は ペ ー ジ 内 の 各 部 品 に つ い て 、 誰 が 最 初 に 作 成 し た の か を 簡 単 に 確 認 す る こ とが で き
る 。 確 認 す る に は 、 「編 集 画 面 」 に お い て 、 作 成 者 情 報 を 確 認 し た い 部 品 を マ ウ ス で 選 択 す る と、
部 品 の す ぐ上 に 作 成 者 情 報 と作 成 日が 表 示 され る。 更 新 され た 部 品 に は 、 「作 成 日」 の 下 に 「更 新
日」 が 追 加 され 、 更 新 日時 が 表 示 さ れ る 。
NOTAで
は サ イ トを 開 設 し た 管 理 人 以 外 の 人 もペ ー ジ を 編 集 す る こ とが で き る 。 し か し、 ユ ー
ザ ー が 操 作 可 能 な 権 限 は3種
類 に分 類 され て い る 。 ユ ー ザ ー ア カ ウ ン トを 持 っ て い る 人 は 、 そ の
ア カ ウ ン トに 許 容 され た 範 囲 内 の 編 集 操 作 を 行 う こ とが で き る。
NOTAに
用 意 さ れ て い る ユ ー ザ ー ア カ ウ ン トは 「管 理 者 」 「会 員 」 「ゲ ス ト」 の3種
て い る。 そ れ ぞ れ の ア カ ウ ン トで 実 行 可 能 な 操 作 を 表4.1に
類 に分 か れ
示 す。
「管 理 者 」権 限 の ユ ー ザ ー は 、新 規 ア カ ウ ン トの 作 成 や 他 人 が 作 成 した ペ ー ジ の 削 除 な ど、NOTA
サ イ トの 運 営 に 関 わ る操 作 権 限 を 有 して い る。 そ の た め 、 「管 理 者 」 権 限 は 信 頼 で き る 人 に の み 発
行 す る。
第4章
NOTAの
34
設 計 と開 発
表4ユ
4.5.3
HTMLと
NOTAは
管理者
会員
ゲス ト
追加 書 き込 み
可能
可能
可能
自分 の 部 品 の 編 集 ・削 除
可能
可能
可能
他 人の 部品 の編 集
可能
可能
不可
新規 ペ ー ジの 作成
可能
可能
不可
自分 の ペ ー ジ の 削 除
可能
可能
不可
他 人 の部 品の 削 除
可能
不可
不可
他 人 のペ ー ジの 削除
可能
不可
不可
ペ ー ジの凍 結
可能
不可
不可
ユ ーザ ー管 理
可能
不可
不可
第 三者 の 閲覧 制 限
可能
不可
不可
の 互 換 性 と デ-夕
、 既 存 のHTMLに
NOTAの
ペ ー ジ1つ
アカ ウン ト別実 行 可能 操 作表
にURLが1つ
構造
よ るWWWと
の 互 換 性 を最 大 限 保 つ よ うに設 計 され て い る。
与 え られ る の で 、HTMLペ
リ ン ク を 張 る こ とが で き る。 逆 にNOTAか
ら外 部 のURLに
ー ジ か らNOTAの
ペ ー ジ に 対 し、
対 しリン クを張 る こ とも可能 で あ る
(図4.11)。
デ ー タ構 造 と して 、 サ ー バ ー 内 に ペ ー ジ ご とにXMLフ
ァ イ ル で オ ブ ジ ェ ク トを 管 理 して い る。
ペ ー ジ 内 で 最 上 位 に 位 置 す る テ キ ス トの 一 行 目 を タ イ トル と して 利 用 す る が 、 フ ァ イ ル 名 は 他 と
重 複 しな い 固 有 のIDで
管 理 され て お り、 タ イ トル が 変 更 さ れ た り、 リ ン ク 元 の 文 字 列 が 変 更 さ れ
て も、 リ ン クが 切 れ る こ とは な い 。 オ ブ ジ ェ ク トも 固 有 のIDを
持 っ て お り、 IDご
とに作 成 者 の
情 報 を管 理 して い るの で 、 オ ブ ジ ェ ク ト単 位 で 作 成 者 を識 別 で き る 。
4.5.4
手 書 き線 の実装
NOTAは
、 Adobe
Flashを
を描 画 で き る こ とが 特 徴 の1つ
利 用 す る こ と に よ り、 マ ウ ス の ドラ ッ グ 操 作 でV
℃b-ヒ で 手 書 き線
で あ っ た 。 し か し、 マ ウ ス に よ る描 画 は 、 カ ー ソ ル 位 置 の 検 出 点 を
直 線 で 結 ぶ とい う仕 様 で あ っ た た め 、 マ ウ ス の 動 作 の ぶ れ に よ っ て 描 画 す る線 に も ぶ れ が 生 じて
し ま う とい う欠 点 を持 っ て い た 。 特 に 、 ラ ッ プ トッ プ 型 のPCに
お いて、 タ ッチパ ネ ルを用 い て き
れ い な 線 を 描 画 す る の は 難 しか っ た 。 こ れ を解 消 す るた め 、 検 出 点 の ぶ れ を補 正 し、各 点 の 間 を ベ
ジ ェ 曲 線 を用 い て 曲線 で つ な ぐ こ とで 、 な め らか で 自然 な 手 書 き線 を描 画 す る手 法 を 開 発 した(図
4.12)。 これ を 用 い てNOTAで
実 際 に 絵 を描 い た 例 を 図4。13に 示 す 。
マ ウスで描 いた線 をス ムー ズ に補正 す るため に は、多少 の ぶれ は吸 収 す るが、ユ ー ザー の意 図 的
な ぶ れ(方
向転 換 や 、 角 な ど)は 確 実 に 反 映 す る必 要 が あ る 。 また 、 ス ム ー ズ な 線 を生 成 す る タ イ
第4章NOTAの.設
o
o
i欝 誓ぐ 嘩
ー
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⑳
35
晦 γ飛呂
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溝
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一
鵬
診 ◎ 纏灘
蕪ミ
廉
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験
き無 点N♂
計 と開 発
1
レ
細、 博 詠
ぴi
・・"… 槻 肺 齢 ・w
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、
、
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瞭
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・
\
Flash版 の 表 示
\
一
」ご
窯・ ・ド
RSS版 の 表 示
図4-11
表 示 互換 性 の確 保
ミ ン グ に は 、 ユ ー ザ ー が マ ウ ス の ド ラ ッ グ を 終 了 した の ち 検 出 点 を ま と め て 計 算 し生 成 す る方 法
と、 ド ラ ッ グ して い る 途 中 で 現 在 の 検 出 点 を 元 に 、 随 時 ス ム ー ズ な 線 を 生 成 して い く方 法 が あ る。
今 回 は 後 者 を 選 択 し た 。 具 体 的 な ベ ジ ェ 曲 線 の ア ル ゴ リズ ム に つ い て 述 べ る 。 ま ず 、 最 初 の 検 出
点Aを
記 録 す る 。 次 に検 出 点 が 変 更 され る た び に、 現 在 の 検 出 点Bと
検 出 点A∼B問
幅Dを
の す べ て の 検 出 点 に つ い て 、 線 分Cと
超 え た と き に 、 そ の 点Eを
検 出 点Aを
結 び、
の 距 離 を測 る 。 こ の 距 離 が 定 義 され た ぶ れ
意 図 的 な ぶ れ とみ な す 。 この と き、A-E間
の 間 に あ る検 出 点 の 距 離 を す べ て 測 り、 最 も遠 い 点Fを
線 分Cで
頂 点 とす る 曲 線A-F-Eを
で 、 線 分A-Eと
そ
描 画 す る。 こ れ
を繰 り返 し、 な め らか な 曲線 を 描 画 す る 。 さ ら に、 曲線 と曲 線 の ベ ジ ェの 補 助 線 の 角 度 が 水 平 に 近
い と き は 、補 助 線 を 水 平 に 補 正 す る こ とで 、 曲 線 通 し の つ な ぎ を ス ム ー ズ に して い る。 ま た 、 描 画
す る線 の 太 さ に よ り、 ぶ れ 幅Dの
値 を 変 化 させ る こ とで 、 太 さ に 応 じ た 最 適 な な め ら か な 線 の ぶ
れ の 閾 値 を 設 定 して い る。
ス ム ー ズ な 手 書 き線 の 描 画 は 、Adobe
Illustratorな
ど で 採 用 さ れ て い る が 、 Flash上
て い る も の は な い 。 本 手 法 は ア ル ゴ リ ズ ム も単 純 な た め 、Flashな
で実 現 し
ど の 軽 快 さ を 求 め ら れ る環 境 に
お い て 利 用 可能 で あ る 。 また 、 同 様 の 研 究 の 例 と して 、 田 川 氏 の 「Afterglow」[田 川]が あ る 。
4.5.5
機 能 の比較
表4,2にNOTAと
他 の シ ス テ ム との 比 較 す る。
第4章NOTAの
36
設 計 と開 発
ファイル〈
三》 蓑示rn
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割御Q}
i、
3
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》
・
精 度(2∼33)
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鉱
図4.12
Flash上
図4-13
で 、 ス ム ー ズ な 手 書 き線 を描 画 す る プ ロ トタ イ プ
NOTA上
で、 手 書 き線 を用 い て レ タ ッチ した例
第4章
NOTAの
表4-2:各
ペー ジ の作成
ペ ージ の作成
リン クの作成
書式 の設 定
画像 の貼 り付 け
手書 きペ ン
37
設 計 と開 発
種Webペ
ー ジ作 成 シ ス テ ム の 基 本 機 能 の 比 較
手作 業 管理 方 式
Wiki方
×動 的 な 作 成 は不 可 。
○ 単語 による リンクも
○単語の リンクも しく
し く は新 規 作 成 ボ タ ン。
は新 規 作 成 ボ タ ン 。
0単
0単
×動 的 な 作 成 は 不 可 。
式
NOTA方
語 に よ る リン ク も
式
語の リンクも しく
し く は 新 規 作 成 ボ タ ン。
は新 規 作 成 ボ タ ン 。
× フ ァ イ ル 名 に よ る指
△ 単 語(WikiWord)に
○既存の ページの一覧
定 が必 要 。
対 し自動 で リ ン クが 作
か ら選 ぶ と リ ン ク が 作
成 され る。
成 され る。
× 定 め られ た 書 式 を タ
○ サ イ ズ 、 色 な ど基 本
書 式 すべ て。
グで 指 定 。
的 な こ との み 可 。
○ 画 像 フ ァ イル を フ ァ
△ 画 像 フ ァ イ ル を 別途
◎ 画 像 を ア ッ プ ロー ド
イ ル 名で 指定 。
ア ッ プmド
す れ ば 、直 ち に ペ ー ジ
◎HTMLの
範 囲内 の
×手 書 き で 描 い た 画 像
し、 フ ァ
イ ル名 を指 定。
に貼 り付 け られ る 。
×同左 。
0ペ
を用意 す れ ば、 可。
ー ジ 上 に マ ウス の
ド ラ ッ グ に よ り手 書 き
入 力可 。
図形 の描 画
× 図 形 編 集 した 画 像 を
×同左 。
○ ペ ー ジ 上 で簡 易 作 図
が 行 え る。
用 意 すれ ば、可 。
リア ル タ イ ム の
×ロ ー カ ル で 編 集 した
△Web上
更新
も の をFTPで
伺
ア ッ プ
で 編 集 し、[送
ボ タ ン を 押 す と更 新
◎ 変 更 が あ るた び に保
存 し、表 示 が更 新 され
ロ ー ドす る。
され る。
ブ ラウザ 上 での
× エ デ ィ タ 、ホ ー ム ペ ー
OHTMLの
編集
ジ 作 成 ソ フ トを 用 い て
を 用 いて ブ ラウ ザ 上で
て ブ ラウ ザ 上 で 編 集 で
行 う。
編 集 で きる。
き る。
WYSIWYGな
○ ホ ー ム ペ ー ジ作 成 ソ
× テ キ ス トベ ー ス で 編
◎ 編 集 画 面 と出 力 結 果
編集
フ トの 中 に は 、WYSI-
集 し な け れ ば な らず 、タ
は 全 く同 一 で あ る。
WYGな
グ や フ オ ー マ ツ トの 知
編 集 をサ ポ ー
る。
フ ォーム
OFIash
Pryerを
用 い
トし て い る もの が 多 い。
識 が必 要。
ユ ー ザ ー ご との
×そ もそ も管 理 者 一 人
△ペ ージの凍結や、パ
○ ユ ー ザ ー ご とに 、 ど
権 限の変 更
しか 編 集 で き な い 。
ス ワ ー ドに よ る編 集 制
こ まで 編 集 で き るか 細
限 な どが で き る。
か い設 定 が行 え る
○ 同左 。
△Flash
互換1生
○ 一 般 の ブ ラ ウザ で表
示 で きる。
Player6.0以
上 が 導 入 され た ブ ラ ウ
ザ が必 要。
第4章
NOTAの
ま とめ
38
設 計 と開 発
ペ ー ジの 体 裁 な どを 思
グ ル ー プ コ ミュニ ケ ー
複 数 人 で リア ル タ イ
い 通 りに 編 集 で き るが 、
シ ョ ン ツ ー ル と して 優
ム に 編 集 で き る。 図形
複 数 人 に よ る リア ル タ
れ て い る点 が 多 い が 、凝
や 画 像 の 貼 りつ け も
イ ム の 協 同編 集 は で き
っ た書 式 や 、 画 像 中心
可 能 で ほ ぼ 思 い 通 りの
な い 。
のペ ージを作成す るに
ペ ー ジ を 作 成 で き るが 、
は不 向 きで あ る。
Flashが
導 入 され て い
な い 端 末 か らは編 集 で
き な い。
4.6
ま とめ
現 在 、 ホ ー ム ペ ー ジ を 作 成 ・管 理 す る 際 に は 、HTMLの
管 理 とサ ー バ ー へ の ア ッ プ ロ ー ド作 業
が 必 須 で あ るが 、 こ れ は面 倒 で 難 解 な作 業 で あ り、初 心 者 の み な らず 、 多 くの ユ ー ザ ー の 制 作 意 欲
を 削 い で い る。NOTAは
Web上
、 自 由 な レ イ ア ウ ト作 成 機 能 と リ ア ル タ イ ム の 協 同 編 集 機 能 に よ っ て 、
で 、 グ ラ フ ィ カ ル な ペ ー ジ を複 数 人 で 同 時 に編 集 す る と い う新 しい 利 用 方 法 を可 能 に した 。
39
第5章
ア プ リ ケ ー シ ョ ン ・プ ラ ッ ト フ ォ-ム
と し て のNOTA
NOTAに
よ り、NOTAの
、 ア プ リ ケ ー シ ョ ン ・プ ラ ッ トフ ォ ー ム と して の 機 能 を 実 装 した 。 こ れ に
利 用 方 法 を 大 き く変 え る よ う な 変 更 をNOTAに
加 え る こ とが 可 能 に
な っ た 。 本 章 で は 、 そ の 具 体 的 な仕 様 と、 実 現 可 能 な機 能 に つ い て 述 べ る。
第5章
5.1
40
ア プ リ ケ ー シ ョ ン ・プ ラ ッ トフ ォ ー ム と して のNOTA
は じめ に
共 生 開 発 ス タイ ル に よ る開 発 を促 進 す るた め 、 利用 者 の 細 か い要 求 に あ わせ て シ ス テ ム を コ
ミ ュ ニ テ ィ 内 部 で 改 変 で き る こ とが 必 要 で あ る と考 え 、NOTAに
フ ォ ー ム と して の 機 能 を 実 装 した 。 これ に よ っ て 、NOTAの
をNOTAに
加 え る こ とが 可 能 に な っ た 。 NOTAの
す れ ば 、NOTA上
で 「NOTAプ
ア プ リ ケ ー シ ョ ン ・プ ラ ッ ト
利 用 方 法 を 大 き く変 え る よ うな 変 更
ア プ リ ケ ー シ ョ ン ・プ ラ ッ トフ ォ ー ム を 利 用
ラ グ イ ン」 と呼 ば れ る さ ま ざ ま なFlashア
させ る こ とが で き る。 ま た そ れ ら の プ ラ グ イ ン は 、 「NOTA
API」
プ リケ ー シ ョ ン を動 作
と呼 ば れ る-・連 の イ ン タ フ ェ ー
ス を 利 用 して 、 サ ー バ ー サ イ ドに 情 報 を 蓄 積 し、 そ れ らの 情 報 を ク ラ イ ア ン トで 同 期 して 利 用 す る
ア プ リ ケ ー シ ョ ン を 容 易 に 開 発 す る こ とが で き る環 境 を 実 現 し た 。 そ の 具 体 的 な 仕 様 と、 実 現 可
能 な 機 能 に つ い て 説 明 す る。
5.2
NOTAで
NOTAに
プ ラグ イ ンの使 い方
は 、 ペ ー ジ に さ ま ざ ま な 機 能 を 追 加 す る 「プ ラ グ イ ン 機 能 」 が 利 用 で き る 。 現 在 、
は初 期 状 態 で 、 「ア ク セ ス カ ウ ン タ ー
「簡 易 掲 示 板 」 「ツ ー ル バ ー 色 変 更 」 「Webカ
窓 」 プ ラ グ イ ンが 搭 載 さ れ て い る。 プ ラ グ イ ン をNOTAの
メラ
ペ ー ジ に 挿 入 す る方 法 は 以 下 の 通 りで
あ る。
1.画 面 右 側 の 「一 覧 」 で 「貼 る 」 タ ブ を 選 択 す る 。
2.「NOTAプ
ラ グ イ ン」 欄 か ら貼 り付 け た い プ ラ グ イ ン を選 択 す る 。
プ ラ グ イ ン は 、1ペ
ー ジ に い くつ で も貼 り付 け る こ とが で き る(図5.1)。
貼 り付 け られ た プ ラ
グ イ ン は 、 図 形 や 画 像 と同 じ よ う に 、 左 上 の 「移 動 つ ま み 」 か ら 好 き な 位 置 に 移 動 で き る。 ま た 他
の 部 品 と重 ね て 表 示 し た り、 プ ラ グ イ ン の 上 か ら手 書 き線 を 描 画 す る こ とが で き る 。 不 要 に な っ
た プ ラ グ イ ン は 、選 択 して 「×」 ボ タ ン を 押 す こ とで 削 除 で き る 。 これ に よ っ て 、 単 体 と して は 高
度 で は な い ア プ リケ ー シ ョ ン で あ っ て も、NOTAの
と連 携 し、NOTAの
プラ ッ トフォー ム上 で他 の部 品 や プ ラ グイ ン
用 途 を 拡 張 す る。
簡 易 掲示 板 プ ラグイ ン
簡 易 掲 示 板 プ ラ グ イ ン(図5.2)を
利 用 す れ ば 、NOTA上
で 、掲 示 板 の機 能 を使 う こ とがで き
る 。 「簡 易 掲 示 板 」 プ ラ グ イ ンで は、 管 理 者 権 限 の ユ ー ザ ー の み が 発 言 の 削 除 を 行 う こ とが で き る。
特 定 の 発 言 を 削 除 す る場 合 に は 、 名 前 の 右 横 に 表 示 さ れ て い る 「×」 印 部 分 を マ ウ ス で 押 す 。
5.3
NOTA上
プ ラ ッ トフ ォ-ム
でFlashア
述 べ た 。 さ ら に 、NOTA
の 実装
プ リ ケ ー シ ョ ン を 自 由 に動 か す こ とが で き る機 能 を 開 発 した こ とは す で に
APIと
呼 ば れ る一 連 の 関 数 を 利 用 す れ ば 、 サ ー バ ー と デ ー タ を や り と り
第5章
41
ア プ リ ケ ー シ ョ ン ・ プ ラ ッ ト フ ォ ー ム と し て のNOTA
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簡 易掲 示板 プ ラ クイ ン。何 個 でも 貼 り付 け られ ます 。
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図5.1
NOTAプ
ラ グ イ ン を 貼 り付 け た 画 面 例
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締 榊臨 繍 憲無 職 懸濾 ㎞ 撫"磁
論
蒲 論 鵬,馳 が。講.
灘
紬、
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自分 が公 開 した作 品 に対 するコメントを記 載 してもらうなと.の
便 い方 もできます。
管 理 者 権 限 のユーザ ーのみ発 言 の削 除 ができます 。
削 除 したいときには、名 前 横 の 「×」を押 します。
轟
撫舗1贈
軸 メ-…
」し
幾鶴
図5.2簡
す るFlashア
易 掲示 板 プ ラグイ ン
プ リ ケ ー シ ョ ン を 迅 速 に 開 発 で き る 。 ま た プ ラ グ イ ン 同 士 を連 携 させ る こ とが 可 能
で あ る 。Flashア
プ リケ ー シ ョ ン を 開 発 す る こ と は 、 特 に サ ー バ ー との デ ー タ 通 信 に お い て 技 術 的
に難 し い が 、NOTAで
は こ の 通 信 部 分 が 関 数 化(NOTA
ら の 機 能 を そ の ま ま利 用 で き る 。XMLを
API)さ
れ て お り、 プ ラ グ イ ンで も こ れ
用 いた サー バ ーへ の デー タ保 存、 読 み込 み がで きる。複
数 人 で 情 報 を共 有 し、 利 用 す る た め のFlashア
プ リケ ー シ ョ ン を短 時 間 で 開 発 で き る 。
第5章
42
ア プ リ ケ ー シ ョ ン ・ プ ラ ッ ト フ ォ ー ム と し て のNOTA
アクセ サ 彗
繍 簡 潟 撮 攣簾
…
蕪w麟
熱メ勝慧
i錨脚 眠 麟 灘 ミ
継
i懸 寮 一 趨 バ ー蓮 変 蔓
i論cシ ャツ響
悔 蕊フ零一 ム
図53
53.1
NOTA
NOTAプ
APIを
NOTAプ
ラ グイ ンの例
用 いた開発
ラ グ イ ン は 、 サ ー バ ー のpluginsフ
す れ ば 、 ブ ラ ウ ザ 上 でNOTAの
ォ ル ダ にFlashフ
ァ イ ル(swfフ
ァ イ ル)を
設 置
メ ニ ュ ー に プ ラ グ イ ン 名 が 表 示 され る 。 メ ニ ュ ー を ク リ ッ クす る
とペ ー ジ に 配 置 す る こ とが で き る た め 、 ユ ー ザ ー が 手 軽 に 利 用 で き る。
NOTAのAPIを
呼 び 出 す た め に は 、 FlashのAction
Scriptの
中 で 、 NOTA
APIク
ラス を呼
び 出 して 利 用 す る 。
:VotaAPI=new
NotaAPI(this);
上 記 の よ う にNOTA
るMovieClipを
APIの
オ ブ ジ ェ ク ト を 呼 び 出 す 。 引 数 に は 、 NOTAの
イ ベ ン トを受 け 取
指 定 す る 。 通 常 、 「this」 を 入 れ る 。 こ の 記 述 は 、 ス ク リ プ ト の は じ め の 方 で 、 プ
ロ ジ ェ ク ト1つ
に つ き一 度 だ け 呼 び 出 す 。
サ ーバ ー の保 存場 所
NOTAプ
ラ グ イ ン は 、 プ ラ グ イ ンの 部 品 ご と に 固 有 の 情 報(プ
て お くこ とが で き る 。 情 報 はXti1L形
のID名-xml」
式 で 、 サ ー バ ー のNOTAデ
と い う 名 前 で 保 存 され る 。 プ ラ グ イ ン は 、 NOTAが
ロパ テ ィ)を
サ ー バ ー に保 存 し
ー タ フ ォ ル ダ 内 に 「プ ラ グ イ ン
自動 で 決 定 す る フ ァ イ ル と は
異 な る フ ァ イ ル に ア ク セ ス こ とは で き な い 。 しか し 、下 記 の 関 数 を 用 い る こ とで 、 サ ー バ ー の フ ァ
イ ル に 関 し て 意 識 す る こ とな く、 情 報 を 扱 う こ とが で き る。
具体 的な コーデ ィ ング 方法
具 体 的 な コ ー デ ィ ン グ の 流 れ を ソ ー ス コ ー ド5.1に
APIマ
ニ ュ ア ル[永 田](図5.4)に
掲 載 して い る 。
示 す 。 よ り詳 細 な 情 報 に 関 して は 、NOTA
第5章
43
ア プ リ ケ ー シ ョ ン ・ プ ラ ッ ト フ ォ ー ム と し て のNOTA
麟 羅 欝鞭 ㌶ 灘 羅 欝 欝騨蝉騨辮 饗 懲 鍵難黙
耀 ㈱徽難燃 羅燃一
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ヘルゴ
お圃い 合わ せ
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隷諏 撫短1嚇 賊ll蓬 フンイル を鮎 も」か ら懲 琴越 けi鱒
猛 蘭発 蜜
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定義
撫 重く
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法
方
用
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∫
解 説:サ ー バ ・
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タ釜轍iみ 鍛 蓉す る
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壷麟 戚沁婁
心_禽
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ぎ
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毒ミ毒(resultObj)..禽
…
陰…,主
ミ}輪
韮..t》
ベミ
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£}・
蜜∼
韮(resultObD ☆
藩辞 、
練懸
灘 繋 総.ジ
の鰯 細 辱マる
getObjectlD
getObjectProperiy
getPagelD
備 黙
韮
一
一 一 一
図5.4NOTA
ソ ー ス コ ー ド5.1NOTA
APIマ
一一 …
一 一一 …一 一 … 一 層
ニ ュア ル
APIの
利用 例
1
2
3
4
5
6
7
8
9
0
1
第5章
44
ア プ リ ケ ー シ ョ ン ・プ ラ ッ ト フ ォ ー ム と し て のNOTA
1
1
2
1
3
1
4
1
5
1
6
1
7
1
8
1
9
1
0
2
1
2
2
2
3
2
4
2
5
2
6
2
7
2
8
2
9
2
0
3
NOTA
APIの
使 用例
例 え ば 、 ア ク セ ス カ ウ ン タ ー の プ ラ グ イ ン を 作 る こ とを 想 定 す る 。 ア ク セ ス カ ウ ン タ ー は 、サ ー
バ ー に 現 在 の ア ク セ ス 回 数 が 記 録 さ れ て お り、 ブ ラ ウ ザ で ペ ー ジ が 読 み 込 ま れ る た び に 、 そ の
回 数 を 取 得 し 、 数 字 を1足
loadData関
数 を 呼 び 出 し 、 onLoadDataイ
後 、 値 を1足
53.2
NOTAプ
し て 、 ま た サ ー バ ー に 保 存 す る 。 こ の 場 合 、NOTA
し 、writeData関
NOTA
APIを
APIを
ベ ン トで 受 信 し た 値 をMovieClipに
利 用 して
表 示 させ 、 そ の
数 を 呼び 出す 。
利 用 した作品例
ラ グ イ ンで 、 考 え ら れ る 作 品 は 以 下 に 列 挙 す る 。 NOTAの
プ ラグイ ンを開発 す る とき
は 、 常 に リア ル タ イ ム に 複 数 人 が 使 用 す る こ とを 考 慮 す る必 要 が あ る 。 ま た 、NOTA
て 、 リア ル タ イ ム 性 を活 か し た 開 発 が 可 能 で あ る。
APIを
使っ
第5章
5.4
NOTAの
ア プ リ ケ ー シ ョ ン ・プ ラ ッ トフ ォ ー ム と して のNOTA
45
ま とめ
ア プ リ ケ ー シ ョ ン ・プ ラ ッ ト フ ォ ー ム 機 能 の 具 体 的 な 仕 様 と、 実 現 可 能 な 機 能 に っ い
て述 べ た 。本 機 能 は、 プ ラ グイ ンを ユー ザ ー が必 要 な ときに ク リッ ク してペ ー ジ の好 き な位置 に
貼 り付 け て 使 う と い う新 し い 利 用 方 法 を 持 っ て い る こ と を 説 明 した 。 ま た 、 サ ー バ ー との 通 信 を
簡 略 に 実 装 で き るNOTA
APIと
呼 ば れ るイ ン タ フ ェ ー ス を 利 用 して 、複 数 の ユ ー ザ ー が 同 時 に 情
報 を や り と りす る よ う な機 能 を 持 つ プ ラ グ イ ン を 開 発 可 能 で あ る こ とを 述 べ た 。
46
第6章
NOTAの
NOTAネ
利 用 事 例 と応 用
ッ ト ワ ー ク の 活 動 に よ り、NOTAは
及 した 。 本 章 で は 、 そ れ ら のNOTAを
げ 、NOTAの
利 用 事 例 を述 べ る 。
横 浜 市 を 中 心 に 多 くの 市 民 団 体 に 普
活 用 し た コ ミュ ニ テ ィ の う ち い くっ か を 取 り上
第6章
6ユ
NOTAの
47
利 用 事例 と応用
は じめ に
NOTAは
、 自 由 度 の 高 い プ ラ ッ ト フ ォ ー ム 指 向 の シ ス テ ム で あ り、 市 民 な ど の 一 般 ユ ー ザ ー を
対 象 に 設 計 さ れ て い る こ と は前 章 ま で に す で に 述 べ た 。
2004年
以 降 は 、NOTAネ
ッ トワ ー ク の 活 動 に よ り、NOTAは
に 普 及 し た 。 本 章 で は 、 そ れ らのNOTAを
NOTAの
テ ィ 内 でNOTAの
使 い 方 を 工 夫 して コ ミ ュ ニ テ ィ活 動 に 合 わ せ て 利 用 した 事 例 と、 コ ミ ュニ
プ ラ グ イ ン を 開 発 してNOTAを
NOTAの
NOTAの
6.2.1
活 用 し た コ ミ ュ ニ テ ィ の う ち い くっ か を 取 り上 げ 、
利 用 事 例 を 紹 介 す る。
こ こ で は 、NOTAの
6.2
横 浜 市 を 中 心 に 多 くの 市 民 団 体
拡 張 して 利 用 し た 事 例 の 二 つ に分 け て 論 じ る 。
使 い 方 を 工 夫 した 事 例
使 い 方 を 工 夫 して コ ミ ュ ニ テ ィ活 動 に合 わ せ て 利 用 し た 事 例 に つ い て 述 べ る 。
サバ イバ ル ジュニ ア プ ロジ ェク ト
小 学3年
∼6年
お い てNOTAが
まで の 子 供 た ち が 防 災 に つ い て 学 び 、 地 域 の 防 災 情 報 を 調 査 す る プ ロ ジ ェ ク トに
利 用 さ れ た 。 本 プ ロ ジ ェ ク トは 、 地 域 の 防 災 情 報 を 学 校 外 の 活 動 と して 大 学 、 地
域 が 連 携 して 実 施 した もの で あ る。
2005年8月
た 。NOTAを
∼9月
に か け て 行 わ れ た 防 災 キ ャ ン プ とシ ン ポ ジ ウ ム に お い てNOTAが
用 い られ
自分 の 住 む 地 域 の 防 災 情 報 を 調 べ た こ とを 書 き込 み 、発 表 す る 場 と して 使 っ て い る 。
そ れ ぞ れ の 地 図 は 子 供 が 自 分 で 歩 い て 調 べ 、NOTAに
書 き 込 ん だ 。 こ れ ら の 情 報 はNOTAを
使
う こ と に よ っ て 、 い つ で も新 し い 情 報 を 自分 た ち が 更 新 す る こ とが で き る 。
6.2.2
つ づ きTraffic
「っ づ きTra田c
Project
Pr0ject」 で は 、 横 浜 市 都 筑 区 に お け る 道 路 や 交 通 の 状 況 を 市 民 がNOTA上
で
報 告 し、 そ の ペ ー ジ を 市 に 提 出 す る こ と に よ っ て 実 際 に そ の 場 所 の 道 路 の 改 善 に つ な げ る と い う
試 み が 行 わ れ た 。 交 差 点 ご と にNOTAの
ペ ー ジ を 作 成 し、 そ の ペ ー ジ に 交 差 点 の 写 真 が ア ツ プ
ロ ー ドさ れ て い る。 そ の 写 真 に 注 釈 を つ け た り、 場 所 に 関 して の 議 論 が そ の ペ ー ジ 上 で 展 開 さ れ
る。 各 交 差 点 の ペ ー ジ へ は 、 市 全 体 の 地 図 を ア ッ プ ロ ー ド した ペ ー ジ か ら リ ン ク が 張 られ 、 地 図
上 の 地 点 を ク リ ッ ク す る こ とで 、 移 動 で き る よ う に な っ て い る 。 写 真 や 手 書 き 文 字 な どの リ ッ チ
コ ン テ ン ツ がWeb上
で 書 き 込 め る 点 と、 誰 で も参 加 で き る 点 が 有 効 に 利 用 され た 。 こ のNOTA
の ペ ー ジ を 市 に 提 出 し、 実 際 に 道 路 が 改 善 さ れ る とい う成 果 も得 られ た 。NOTAは
最 初 か ら リッ
チ コ ン テ ン ツ を 作 成 で き る が ゆ え に 、 行 政 に 提 出 す る際 に 改 め て デ ザ イ ン を作 り直 す 必 要 が な い 。
そ の た め 、説 得 力 の あ る 文 書 を す ぐ に作 成 で き、 結 果 的 に市 民 の 意 見 を政 策 に 反 映 す る ま で の 時 間
を 短 縮 で き た 可 能 性 が あ る。 こ の プ ロ ジ ェ ク トは 現 在 も進 行 中 で あ る 。
第6章
NOTAの
利用 事例 と応用
48
麟 践◎
轍 騰
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6-3
NOTAの
黒
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鵬麺 醗 礁 一 蕪lll讐
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㌦ 磁lll欝 魏 一
諮 ㌦
バ イ バ ル ジ ュニ ア プ ロ ジ ェ ク トの 作 品 例
プ ラ グ イ ン を 開 発 した 事 例
コ ミ ュ ニ テ ィ 内 でNOTAプ
ラ グ イ ン を 開 発 してNOTAを
拡 張 して 利 用 した 事 例 に っ い て 検 討
す る。
6.3.1
障 害 者 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン支 援 プ ラ グ イ ン
障 害 者 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン支 援 プ ラ グ イ ン は 、 京 都 の 養 護 学 校 に お い て 、 障 害 者 を 持 っ 生 徒 が ア
イ コ ン で 意 志 を 伝 え る た め に制 作 さ れ た 。 画 面 例 を 図6.4に
か れ た ア イ コ ン を 選 択 し、NOTAの
示 す。 ユ ーザ ー は、伝 えた い 内容 が描
ペ ー ジ に ア イ コ ン を 貼 り付 け る。 ア イ コ ン は プ ラ グ イ ン と し
て 制 作 され て お り、 ク リ ッ ク す る とア イ コ ン の 意 味 を 日 本 語 の 音 声 で 再 生 す る 。NOTA上
でプラ
グ イ ン を 自 由 に 移 動 で き る とい う機 能 を利 用 し て 、 ユ ー ザ ー は 、 ア イ コ ン を 並 べ 替 え た り、 サ イ ズ
を 変 更 した りす る こ とに よ っ て よ り複 雑 な 意 志 を 伝 え る こ とが 可 能 に な っ て い る 。
第6章
NOTAの
49
利 用事 例 と応 用
叢 翻 息&瞭(雌
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ログインしていません
友人に教え3ヘ ルプ 金舜面
都 筑 区 交 通 事 数 多発 地 帯 マ ッ フ
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〔2003年デー タ)
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NOTAの
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図6.2
6.3.2
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§
1…
つ づ き'll-affic
Projectの
v
表 ペ ージ
デ オ会 議 室 プラ グイ ン
プ ラ グ イ ン と して 、 ビ デ オ 会 議 室 プ ラ グ イ ン が 開 発 さ れ た(図6.5)。
開 発 はNOTA
ネ ッ トワ ー クの メ ー リ ン グ リ ス トを 通 じて 千 葉 恭 弘 氏 を 中 心 に 行 わ れ た 。 こ の プ ラ グ イ ン を 利 用
す る と、NOTAの
ペ ー ジ 上 に会 議 室 プ ラ グ イ ン を 貼 り付 け る だ け で 、 多 地 点 のWebカ
メ ラの映
像 を 同 時 に ス ト リー ム 配 信 す る こ とが で き る。 音 声 に も対 応 して お り、 マ イ ク を 使 用 す る こ と で 、
多 地 点 の 音 声 の 相 互 配 信 が で き る 。 本 シ ス テ ム の 新 規 性 は 、 ク ラ イ ア ン トに特 殊 な ソ フ トウ ェ ァ
を イ ン ス トー ル す る必 要 が な い 点 に あ る。 ま た 、NOTA上
で 動 作 す る た め 、 ビ デ オ会 議 室 を し な
が ら、 同 時 に 図 を 利 用 した 情 報 共 有 が 可 能 で あ る 。 普 及 レベ ル に あ る ビ デ オ 会 議 室 シ ス テ ム と し
てSkypeとMSN
Messengerが
あ る が 、 多 地 点 の 映 像 の 相 互 配 信 は サ ポ ー ト して い な い 。 ビ デ オ
会 議 室 プ ラ グ イ ン で は 、 多 地 点 の 映 像 の 相 互 配 信 に 加 え 、不 特 定 多 数 の ク ラ イ ア ン トに 映 像 を 配 信
す る こ とが で き る 。 つ ま り、 会 議 の 「聴 講 」 が 可 能 で あ る。
第6章
§
NOTAの
熱
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利 用事 例 と応 用
50
麟 践 ◇ 、轟
1無 焦 熱(許 囎
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ログインしていま せん
一 友人に教える ヘルゴ 全画面
蟹
纒E・gli・h
ヴ北 山 田"交 差 点 付 近 事 故 状 況
i探 す
・一覧
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頁 西南 北 に 右折 信 号 が あ る事
か ら も、 交 通量 が゚゚そ う な交
差 点。 今 は 特に 、 すみ れ が 丘
方面 か ら 来 て右 折 す る車 が 多
く、後 緕 の 重が イ ラ イ ラ し
て 、 ク ラク シ ョンを鳴 らす 様
子 も見 ら れ る。 とに か く渋 滞
す るの で す 。 こ うい うこ とが
(イ う〆 う と、 あせ-り)事 故
に 繋が って い る よ うだ 。
謄璽難騨
懲-:叉
、-.'翫熟 、
⊃1-iLi::'..:
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蕊 編 熱謙 漁撫 蕪 繍 無撚
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撫 総 漁 無繍
2き鱗'「30}気 ミo⊇製 藁
だ北山田躍から"城山"にかけての直線 這路では
、地 下鉄 工事のために道路が一車 線になっガ ー
いた。また、路 上に車を停める「違 法駐 車」があることにより交通の流れが悪く
なっているのがヨ
これは渋滞にもつながるし、また、そういった場所にある交差点があることで事 故が゚y(,1。
という
違法駐
璽が悪い!
馬:ミ
…;+:..-』
こザ':堺… 艶,泌.三
藻
「北山 田」
から「城山」にかけての直線 這路は、ス_tt_に 買い物にく
る章が逗法 駐璽するた蕊
がUど い。、特に金・土・日の夕方は、バス路 線に影 響を与え迷惑しています。これは運 転者
一σ)間顕です。地 下鉄のセンター駅前 こ現在、警 察の 交香を建 殺中です。人 口が急増して1
北山田、藁山田 地区〔
こ必要な交番は、地下 鉄が開 通後〔
こ頁山田 駅前[こ作られる予定との
です。
冒2∼ミ=}∵
欝 碑等
タリシードライバーによっても要 注意 地点とされています。写 真にもあるようにすみ れが丘 方面t.
る右折 重にとって、反 対方 向の右 折車が邪魔 をして直遵 車がとても見にくいようです。
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図6.3
つ づ きTrafEc
Projectの
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i
1サ
詳 細 ペー ジ
実装
サ ー バ ー 側 はFlash
Media
ン と し て 開 発 し 、NOTA
Serverの
APIを
フ リ ー 版 を 利 用 し た 。 シ ス テ ム は 、 Flashア
利 用 し てNOTAプ
プ リケー シ ョ
ラ グ イ ン と し て 動 作 させ て い る。
運用
2006年1月11日
をNOTAペ
に 開 催 され たNOTAネ
ー ジ で13時
か ら18時
ま で5時
ッ トワ ー ク 関 西 の ミー テ ィ ン グ に お い て 、 発 表 の 様 子
間 連 続 し て ス ト リー ミ ン グ 配 信 し た 。 合 計4っ
ラ イ ア ン トが こ の ペ ー ジ に ア ク セ ス し、 会 場 の 映 像 と音 声 を受 信 した 。1つ
のク
の ク ラ イ ァ ン トで は 、
一 定 間 隔 で ブ ラ ウ ザ が ダ ウ ン す る とい う不 具 合 が 起 き た が 、 そ れ 以 外 の ク ラ イ ア ン トで は 正 常 に
受 信 で き る こ とが 確 認 で き た 。
第6章NOTAの
51
利 用 事 例 と応 用
燕
懸 ミ'い慧ミ
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参 考 文献
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痩 り せ て も ら って い ま した 。
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ボ ルを移 動 きせ ら れる とこ ろ です 。
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τ、 汎 絹 牲 の 筑 忌 二`一Ψ と し て 、 髄 穣 の 活 絹 を 素 気 て『い ま す 。
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ま.す。
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τ、 絃 手 斌 み た い な も の ガ 搾 鞍 な い か
噛撚 沁 噂、
図6.4
6.3.3
C-Shirtsプ
C-Shirtsは
、 NOTAを
でTシ
い うこ と に な り
舞 え てい ます 。
吊
ぎ
、トミ
障 害 者 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン支 援 シ ス テ ム の 利 用 例
ラ グ イ ン
使 っ て 、 CreativeCommonsラ
の デ ザ イ ン を 作 り、 そ れ を 実 際 のTシ
あ る 。NOTA上
ャ ツ ト1)ど
ャ ツ(Cシ
イ セ ン ス の 作 品 を 組 み 合 わ せ てTシ
ャ ツ)と
して 注 文 す る こ と もで き る シ ス テ ム で
ャ ツ の 枠 を表 示 させ 、 注 文 ボ タ ン を 押 す と、 作 成 した デ ザ イ ン を画 像 に 変
換 し 、 購 入 サ イ ト に 移 動 す る 。Cシ
ャ ツ に は 、 QRコ
街 中 で 見 か け たC上ShirtsのURLを
取 得 す る と 、 そ の デ ザ イ ン を も と に リ ミ ッ ク ス(再
て 、 自 分 のC-Shirtsを
6.4
ャツ
ー ド でNOTAのURLが
入 って い るの で、
編 集)し
作 る こ と も で き る(図6.7)。
利用経験
こ こ で は コ ミュ ニ テ ィ に お け る運 用 に よ っ て 得 ら れ た 経 験 に つ い て 述 べ る。 運 用 を 通 じて 、通 常
のCGIを
用 い た 動 的 作 成Webと
は 異 な る、 NOTAな
の 特 徴 的 な 利 用 経 験 を以 下 に ま とめ る。
らで は の 使 わ れ 方 が 分 か っ て き た 。 NOTA
第6章
NOTAの
52
利用 事例 と応 用
⑤鰻 藻 課ll議 議 噛1凝
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図6.5
NOTAビ
デ オ会議 室 プラ グイ ンの 利用 例
画像 の ア ツプ ロー ド
画 像 を 手 軽 に ア ツ プ ロー ド しペ ー ジ に貼 り付 け ら れ る こ と は 、 す で に 見 て き た よ う にNOTAの
特 有 の 機 能 で あ るが 、 こ の 機 能 の 積 極 的 な活 用 を確 認 で きた 。1ペ
は よ くあ り、 中20、30個
ー ジ に10個
の 画 像 を貼 る こ と
の 画 像 を 貼 る ユ ー ザ ー もい た 。 ま た 、 貼 り付 け た 画 像 の サ イ ズ や 配 置 は
た い て い の ユ ー ザ ー が 貼 り付 け た 後 で 見 や す い よ う に 調 整 して い るの が 確 認 で き た 。NOTAの
オ
ブ ジ ェ ク トの 自 由 配 置 の 機 能 が 頻 繁 に 使 わ れ 、 活 用 され て い た とい え る。
他 人 の部 品 へ の注釈
他 人 が 作 成 した テ キ ス トや 写 真 に対 し、 手 書 き入 力 機 能 を 用 い て 、 積 極 的 に線 を 引 く用 い られ 方
が 頻 繁 に 見 ら れ た 。 ま た 他 人 の 部 晶 の 隣 に テ キ ス トを 配 置 し、 注 釈 を 書 く例 も よ く見 ら れ た 。 そ
れ を 参 考 に 元 の テ キ ス トを 修 正 し た り、 そ の 場 で 議 論 を す る な どNOTAな
らで は の 使 い 方 が 違 和
感 な く受 け 入 れ られ た よ うで あ る 。 た だ 、 注 釈 が あ ま りに 多 くな る と、 ペ ー ジ の 視 認 性 が 下 が り、
結 果 と して ペ ー ジ の 本 筋 が 分 か りに く く な る こ と も あ っ た 。 ペ ー ジ の 内 容 を表 示 す る 場 と議 論 を
す る場 が 分 か れ て い な いNOTA特
有 の 問 題 で あ る。
NOTAの
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53
利 用事 例 と応 用
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第6章
AOTA蕊
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図6.6
C-Shirtsの
作 例
チャット
NOTAの
書 き込 み の 手 軽 さ と、 リア ル タ イ ム 性 に よ りペ ー ジ 上 で チ ャ ッ トの 代 わ り と して 用 い
られ る こ と も あ っ た 。 話 題 の 遠 近 に よ り、 文 字 の 配 置 場 所 を 変 え る な どの 工 夫 を ユ ー ザ ー が 自 主
的 に 行 っ て い る こ とが 多 く、 単 に 話 題 を 時 間 軸 で 並 べ た だ け の チ ャ ッ トと比 較 し て 話 題 を 整 理 し、
活 用 す る す るの に有 効 で あ る こ とが 分 か っ た 。
ゲ ス ト投 稿
NOTAは
ペ ー ジ の 編 集 が 可 能 な ゲ ス ト権 限 を用 意 し、 不 特 定 多 数 の ユ ー ザ ー の 書 き込 み を認 め
て い る た め 、第 三 者 に よ っ て ペ ー ジ の 趣 旨 に沿 わ な い 書 き込 み が 投 稿 さ れ 、 トラ ブ ル に な る と い っ
た 危 険1生を孕 ん で い る。 しか し な が ら、 ゲ ス トが 既 存 の オ ブ ジ ェ ク トを 削 除 で きず 、追 加 書 き込 み
だ け が 可 能 で あ る点 と、管 理 者 と コ ミ ュニ テ ィの メ ン バ ー が そ れ ら の 投 稿 を 発 見 次 第 、 削 除 で き る
た め 、 コ ミ ュ ニ テ ィの メ ン バ ー が 常 に 監 視 し て い るペ ー ジ に あ っ て は 、 これ らの ト ラ ブ ル は 起 きて
鞭
第6章NOTAの
54
利 用.事例 と応 月」
図6.7C-ShirtsのQRコ
ー ドを 携 帯 電 話 を 利 用 し て 読 み 込 む 様 子
い ない。
6.5
NOTAの
ま とめ
利 用 事 例 と して 、 NOTAの
例 と、 コ ミ ュ ニ テ ィ 内 でNOTAの
て そ れ ぞ れ 紹 介 した 。 ま た 、NOTAの
使 い 方 を 工 夫 して コ ミュ ニ テ ィ 活 動 に合 わ せ て 利 用 し た 事
プ ラ グ イ ン を 開 発 し てNOTAを
拡 張 して 利 用 した 事 例 に っ い
運 用 か ら分 か っ た 知 見 を ま とめ た 。
55
第7章
関連研 究
本 章 で は、 本研 究 と関連 を持 つ先 行研 究 を挙 げ、 それ らの特徴 や 本研 究 との相 違 点 、
お よび本 研 究 の位 置づ け につ いて述 べ る。
第7章
関連 研 究
7-1
56
は じめ に
本 章 で は 、 本 研 究 と関 連 を持 つ 先 行 研 究 を 挙 げ 、 本 研 究 との 関 連 や 差 異 を 述 べ 、 本 研 究 の 位 置 づ
け を 明 らか に す る。 本 研 究 は 共 生 開 発 ス タ イ ル の コ ン セ プ トお よ び シ ス テ ム の 両 方 を研 究 対 象 と
して い る た め 、 関 連 研 究 も そ れ に 沿 っ た 形 で 述 べ る 。 関 連 研 究 の う ち 、第2章
で 挙 げ た もの は 、 本
章 で は省 略 す る。
7-2
Web技
術 の新 領 ±
或
技 術 的 な 背 景 に は 、 近 年 のWebの
る よ う に 、Webは
進 化 が あ る 。 Web2.0[梅
、 「非 同 期 通 信 」 の 技 術 や
「WebのAPI」
田06]と
い う キ ー ワ ー ドに総 称 さ れ
が 普 及 し、 リ ッ チ ・イ ン タ フ ェ ー ス
の 開 発 や 、 外 部 の シ ス テ ム と連 携 す る機 能 の 開 発 が 盛 ん に な っ た 。 こ れ らのWebの
新 しい技術 的
な概念 につ いて述 べ る。
7.2.1
非 同期通 信
ウ ェ ブ ブ ラ ウ ザ 上 で 画 面 遷 移 す る こ と な く、 情 報 を サ ー バ ー に 対 し て 送 信 し た り取 得 した り
す る こ と をWebの
は 、Webに
GET方
非 同 期 通 信 と呼 ぶ 。 実 装 に は 、 JavaScript*1やAdobe
Flashを
用 い る。 従 来
お い て 動 的 な コ ン テ ン ツ を 生 成 す る と き は 、 ペ ー ジ が 遷 移 し た と き にPOSTも
し くは
式 で 情 報 を サ ー バ ー に 送 信 し、 コ ン テ ン ツ を 書 き換 え て い た 。 非 同 期 通 信 に よ り、 ウ ェ ブ
ブ ラ ウ ザ 上 で 既 存 の 枠 組 み に と ら わ れ な い ユ ー ザ ー イ ン タ フ ェ ー ス を 実 現 す る こ とが で き る。 代
表 的 な 例 で あ るGoogle
Mapsを
図7.1に
示 す 。 Google
Mapsで
は、 ユ ーザ ー が地 図 をマ ウ スで
ド ラ ッ グ す る と、 シ ス テ ム は 、画 面 の 枠 の 外 に あ る地 図 情 報 を 逐 次 サ ー バ ー か ら取 得 して 描 画 す る
た め 、 地 図 を ス ム ー ズ に ス ク ロ ー ル す る こ とが で き る 。
NOTAに
お い て は 、 複 数 人 が 同 時 に1つ
の ド キ ュ メ ン トに 対 してNOTA上
で 書 き込 み を行 う
と き に 、 非 同 期 通 信 を 利 用 して 、 同 一 の 画 面 を 共 有 で き る よ う に して い る。
7.2.2
WebのAPI
WebのAPI(Application
Program
Interface)は
、用 途 に よって
「外 部 の シ ス テ ム と の 連 携 」
と 「プ ラ グ イ ン に よ る シ ス テ ム の 拡 張 」 の 二 つ に 分 類 さ れ る 。
外部 の システ ム との連 携
従 来 、Webを
利 用 した シ ス テ ム は 、1つ
の ドメ イ ン に お い て 単 独 で シ ス テ ム を 運 用 す る こ とが
多 か っ た が 、 近 年 は 、 外 部 の シ ス テ ム と連 携 す る た め に、 積 極 的 に 情 報 の 相 互 利 用 を 行 う も の が 増
え て きた 。 これ ら を 実 現 す る た め に 、 ドメ イ ン を 超 え て 他 の シ ス テ ム の 情 報 を 取 得 した り、 送 信 し
*1JavaScriptを
用 い て 非 同 期 通 信 を 行 う こ と を 特 に 「Ajax(Asynchronous
JavaScript+XMLの
略 称)」 と呼 ぶ
。
第7章
57
関連 研究
G◎ 懸 娩 臨
一ゴ
、』
』照 懸 ご
マツブ
翻 婁】
劇 区郎
L 淋 曜筆
[璽=コ[画
筋ゴリ冠
.㌧ど
コ[亜
B園[ヨ
灘一
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Maps
た りす る 際 に 利 用 可 能 な 関 数 や プ ロ トコ ル の 集 合 をWebのAPIと
呼ぶ。
プラ グイ ン によ る システ ム の拡 張
また、 ウ ェブ シ ステ ム の 中 に は、 そ の ウ ェ ブ シス テ ム 自体 を拡 張 す る こ とが可 能 な プロ グ ラム
(プ ラ グ イ ン と呼 ば れ る)を
、 外 部 の 開 発 者 が 追 加 す る こ とが で き る も の も あ る。 こ の 場 合 も、 そ
の シ ス テ ム 上 で 多 くの プ ラ グ イ ン が 共 通 し て 利 用 す る機 能 は 、APIと
NOTAに
お い て も、 NOTAを
拡 張 す る プ ロ グ ラ ム に 対 して 、 NOTA
して 提 供 され る。
APIと
呼 ば れ る一 連 の 関
数 群 を 提 供 し、 コ ミ ュニ テ ィ支 援 の た め に 有 効 な 機 能 を 開 発 しや す くな っ て い る(詳
し くは 、 第5
章 で 述 べ る)。
7.3
7-3,1
Webの
コ ンテ ン ツ流 通 の 新領 域
オ-プ
ン コンテ ン ツ
技 術 的 な 進 化 に よ り 、 コ ン テ ン ツ の 流 通 や 利 用 に も 変 化 が 起 き て い る 。 Webの
間 の 連 携 が 容 易 に な っ た た め 、 従 来 は1つ
え て 流 通 す る よ う に な っ た 。 ま た 、Webの
シス テ ム
の シ ステ ム に蓄 積 され て い コ ンテ ンツが シス テ ム を超
ユ ー ザ ー イ ン タ フ ェ ー ス の 進 化 に よ り、Web上
で の
直 接 コ ン テ ン ツ の 作 成 、 編 集 、 複 製 が で き る よ う に な り、 コ ン テ ン ツ の 利 用 形 態 が 変 化 し た 。 こ
の よ う に コ ン テ ン ツ がWeb上
で 作 成 、 編 集 さ れ 、 シ ス テ ム を 超 え て 流 通 す る 現 象 を 、 「オ ー プ ン
コ ン テ ン ツ 」 と 呼 ぶ 。 ま た 、 シ ス テ ム が オ ー プ ン コ ン テ ン ツ の 作 成 や 流 通 を サ ポ ー トす る こ と を 、
ADOC[鈴
木06](Application
Driven
Open
Contents、
ア プ リ ケ ー シ ョ ン駆 動 型 オ ー プ ン コ ン テ
¥
第7章
58
関連 研究
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図7-2Willustrator
ン ッ)と
呼 ぶ 。NOTAも
、 ADOCの1つ
と して 捉 え る こ とが で き る。
Wi一lustrator
`'illustrator[神
ら れ たWebの
原06]は
、 「"鴇
」二で の 協 同 イ ラ ス ト レ ー シ ョ ン 」 と い う コ ン セ プ トの 元 に 作
ドロ ー ツ ー ル で あ る 。 複 数 ユ ー ザ ー で 利 用 で き る ウ ェ ブ ア プ リ ケ ー シ ョ ンで あ り、
ブ ラ ウ ザ 上 で 利 用 で き る ド ロ ーUIを
持 つ(図7.2)。
ペ イ ン ト ツ ー ル と違 い 、 ド ロ ー ツ ー ル で あ
る こ と を 活 か した 再 編 集 機 能 や 他 の ユ ー ザ ー の 絵 を 簡 単 に再 利 用 す る た め の 仕 組 み を 持 っ て い る 。
Wilhlstratorの
ド ロ ー 機 能 はNOTAよ
り細 か な 制 御 が 可 能 で あ る 。 し か し 、 制 作 し た 絵 を 他 の
ツ ー ル や コ ン テ ン ツ に 埋 め 込 ん で 利 用 す る こ と を 想 定 し て お り 、NOTAの
よ うに ウ ェブペ ー ジ を
作 る こ と は で き な い 。 ま た 、 プ ラ グ イ ン に よ っ て 拡 張 し 、 ア プ リ ケ ー シ ョ ン ・プ ラ ッ ト フ ォ ー ム
と し て 利 用 す る 機 能 は な い 。NOTAは
フ ォ ー ム を指 向 し て い る。
、 文 字 や 写 真 、 図 、 プ ラ グ イ ン な ど を貼 り付 け る プ ラ ッ ト
第7章
59
関 連研 究
7.3.2 Consumer Generated Media
ウ ェ ブ サ イ トの コ ン テ ン ツ を 、 従 来 の よ う な プ ロ の コ ン テ ン ツ 制 作 者(作
サ ー な ど)で
は な く 、 エ ン ド ユ ー ザ ー が 作 成 し 提 供 す る こ と を 、Consumer
(CGMと
略 す)と
NOTAも
、 CGMの1つ
7.3.3
家 、記 者 、 プロ デ ュー
呼 ぶ 。 Social
Bookmarkや
、 ウ ェ ブ ロ グ 、 SNSな
Generated
Media
ど は そ の 代 表 的 な 例 で あ る。
で あ る。
Creative Commons
Creative
Commons[LesOO][LesO1][L.02]と
は、 さま ざ まな コンテ ンツ に対 して著 作権 を保 持 し
な が ら一 定 の 自 由 を 事 前 に 許 諾 して い る こ と を 、 分 か りや す く表 示 す る こ とが で き る ラ イ セ ン ス
群 の こ とで あ る 。 例 え ば 、 あ る ア ー テ ィ ス トの 曲 を ミ ッ ク ス して 新 た な 作 品 を 作 りた い と い う場
合 、 従 来 は 、 作 者 と管 理 団 体 に説 明 、 交 渉 、 契 約 準 備 、 確 認 と い っ た こ とが 必 要 で あ っ た 。 し か
し、Creative
Creative
Commonsの
Commonsに
ラ イ セ ン ス を適 用 して い れ ば 、 こ の よ うな 煩 雑 な 手 続 き は 必 要 な い 。
対 応 す る た め に は 、 コ ン テ ン ツ を公 開 す る 際 に ラ イ セ ン ス の 条 件 の マ ー
ク を選 択 し、 表 示 して お くだ け で よ い 。 ラ イ セ ン ス の 条 件 の マ ー ク に は 、例 え ば 、 原 著 作 者 の 「氏
名 表 示 」 が 必 要 か ど う か 、 非 営 利 の 活 動 の み に使 用 可 能 か ど う か 、 原 著 作 者 と 同 じ ラ イ セ ン ス で
発 表 し な け れ ば な ら な い か 、 表 現 や ソ フ トウ ェ ア を 改 変 して 用 い て い い か ど うか と い っ た も の が
あ る。
Creative
Commonsは
、 ラ イ セ ン ス の 提 供 だ け で は な く、 ラ イ セ ン ス を シ ス テ ム が 識 別 す る
た め の 仕 様 の 提 案 も 行 っ て い る 。 例 え ば 、HTMLフ
ァ イ ル や 画 像 フ ァ イ ル に 対 し て 、 Creative
Commonsが
規 定 す る 方 法 で ラ イ セ ン ス を記 述 す る こ とに よ っ て 、G00gleやFlickrか
Commonsに
対 応 した コ ン テ ン ツ を 検 索 す る こ とが で き る 。
Creative
Commonsに
らCreative
よ り、7.3.1に 示 した オ ー プ ン コ ン テ ン ツ の 流 通 の 法 的 、 技 術 的 な煩 雑 さ
が 解 消 され る こ とが 期 待 さ れ る 。NOTAも
、複 数 人 で 協 同作 成 した コ ンテ ン ツの ライセ ンス に関
して 複 雑 な課 題 を 抱 え て お り、 こ う した コ ン テ ン ツ の 新 し い ラ イ セ ン ス 方 式 と深 く関 係 して い る 。
7.4
開発 形 態 に関 す る 関連 研 究
7-4.1CSCLお
NOTAの
よ びCSCW
よ う に コ ミ ュ ニ テ ィ活 動 と持 続 的 な 関 わ りを 持 ち 、開 発 者 が 市 民 の 中 か ら現 れ 、利 用 者
と一 体 とな っ て 設 計 し開 発 す る と い う視 点 は 、従 来 のCSCL(Computer
Supported
Collaborative
Learning、
Supported
Collaborative
Work、
コ ン ピ ュ ー タ に 支 援 さ れ た 協 同 学 習)、 CSCW(C0mputer
コ ン ピ ュ ー タ に 支 援 さ れ た 協 同 作 業)研
究 に も な か っ た も の で あ る 。 こ う した 研 究 に ユ ー
ザ ー の 実 践 を 見 た 上 で デ ザ イ ン す る とい う観 点 は あ っ た に して も、 設 計 者(開
発 者 ・デ ザ イ ナ ー)
は 、 ユ ー ザ ー を 個 々 に 分 解 し、 一 人 の ユ ー ザ ー の 視 点 か ら使 い 勝 手 や 効 果 を 評 価 して い た に す ぎ な
か っ た 。 っ ま り、 シ ス テ ム の 設 計 に お い て 、 設 計 者 と利 用 者 を 含 め た ネ ッ トワ ー ク 構 築 の あ り方 に
第7章
関連研 究
60
焦 点 を 当 て た も の は ほ とん ど な か っ た 。*2
7.4.2
参 加 デザ イ ン
参 加 デ ザ イ ン(Participatory
Design)の
ア プ ロ ー チ は ど うだ っ た だ ろ うか([BG96][KB98]
[KSB98])。
参加 デザ イ ンの ア プロー チ は、 ワー ク プ レイ ス にお け る シス テ ム、人 工 物 の設 計 へ の
「ユ ー ザ ー 」 の 参 加 を め ざ した もの で あ り
、 ワ ー ク シ ョ ッ プ の 企 画 や ユ ー ザ ー も含 め た デ ザ イ ン場
面 を 組 織 化 す る とい っ た 実 践 を 行 っ て き た 。 しか し、 こ う した 場 面 設 定 は 一 時 的 な も の で あ り、長
期 的 に 関 係 を 持 続 す る 設 計 者 と使 用 者 の ネ ッ トワ ー ク構 築 を め ざ す も の で は な い 。 さ ら に 、 設 計
者 と利 用 者 は 明 確 に 区 分 さ れ て お り、 利 用 者 が 設 計 を サ ポ ー トす る こ と は な い 。 こ の ア プ ロ ー チ
で は 、 設 計 者 は 、 ユ ー ザ ー の ニ ー ズ や 注 文 を 聞 くが 、 実 際 の 開 発 は 、 あ く ま で 設 計 者 が 行 っ て い
た 。 も ち ろ ん 、 実 際 に 参 加 デ ザ イ ン を 組 織 化 す る た め に は 、 コ ミ ュ ニ テ ィ が 必 要 と な るが 、 参 加 デ
ザ イ ン は 、 こ う した こ と に 焦 点 を 当 て て こ な か っ た 。
NPOパ
ンゲ ア
NPOパ
ン ゲ ア[高 崎06][NPOパ]は
、 「世 界 の 子 供 た ち を つ な ぐ」 と い う コ ン セ プ トを持 ち 、 「絵
文 字 コ ミ ュニ ケ ー タ ー 」、 「コ エ ツ ナ 」、 「パ ン ゲ ア ネ ッ ト」 な ど複 数 の ソ フ トウ ェ ア を 開 発 し、 そ れ
らの ソ フ トウ ェ ア を利 用 して 世 界 中 で 「ア ク テ ィ ビ テ ィ 」 と呼 ば れ る交 流 活 動 を行 っ て い る。 ソ フ
トウ ェ ア は 、 一 部 の 常 任 メ ンバ ー を 中 心 に 、 多 くは ボ ラ ン テ ィ ア に よ っ て 開 発 さ れ て い る 。 ソ フ ト
ウ ェ ァ の 開 発 は 、 「まず は動 く こ と を 重 視 」 「プ ロ グ ラ ミ ン グ 言 語 は ボ ラ ン テ ィ ア の 得 意 な 言 語 で 開
発 す る た め さ ま ざ ま な 言 語 が 入 り交 じ る 」 「ネ ッ トの セ キ ュ リ テ ィ に は 配 慮 」 「ア ドバ イ ス を い た
だ い た 後 、 即 反 映 さ せ るか 待 つ か ど う か はNPOの
実 証 活 動 フ ェ ー ズ も含 め た 全 体 傭 鰍 の 上 、 担 当
責 任 者 が 決 定 す る」 とい っ た プ ロ セ ス で 開 発 を 進 め る。NOTAの
NPOの
コ ミ ュニ テ ィ と同 様 、 開 発 者 は
コ ミ ュ ニ テ ィ メ ンバ ー で あ る国 内 外 の 多 様 な 人 た ち と コ ミ ュニ ケ ー シ ョ ン を しな が ら開 発
す る。 そ れ に は 、 小 中 学 生 、 小 中 学 校 の 先 生 、 ベ ン チ ャ ー 企 業 人 、 大 企 業 役 員 、 保 護 者 、 デ ザ イ
ナ ー 、 記 者 、 研 究 者 、 ミ ュー ジ シ ャ ン、 学 生 、 官 僚 、 フ リー ター な どが 含 ま れ る 。 開 発 に は 、 モ チ
ベ ー シ ョ ン が 重 要 視 さ れ る 。 ボ ラ ン テ ィ ア は 、 モ チ ベ ー シ ョ ン が 低 い 人 は 、 も と も と参 加 し な い た
め 、 金 銭 的 な イ ン セ ン テ ィ ブ が 低 く、 開 発 者 モ チ ベ ー シ ョ ン が 極 め て 高 い と い う特 徴 を 持 っ 。 モ
チ ベ ー シ ョ ン は 、 新 規 開 発 時 に は、 「楽 し い 、 社 会 的 意 義 を感 じ る 、 誇 ら し い 」 な どの 感 情 に よ っ
て 高 ま り、 デ バ ッ グ時 に は 、 「
恥 ず か しい 、 教 わ れ て 勉 強 に な る 、 必 要 性 を実 感 す る」 な どの 感 情
よ っ て 保 た れ る 。NPOパ
ン ゲ ア で は 、(1)プ
トウ ェ ァ 品 質 を人/環 境 の せ い に し な い 、(3)ソ
ロ ジ ェ ク トの ミ ッ シ ョ ン を ぶ ら さ な い 、(2)ソ
フ ト ウ ェ ア職 人 を惹 き つ け る 、(4)感
性 を キ ー プす る、 な ど を 組 織 的 に 重 視 して い る。NPOパ
フ
動 で き る感
ンゲア の開 発形 態 は、 本研 究 で提 案 す る
「共 生 開 発 ス タ イ ル 」 と類 似 して い る
。 開 発 者 が コ ミ ュ ニ テ ィ の 中 で 多 様 な 人 た ち と協 働 し な が ら
開 発 を 進 め る 点 や 、 ボ ラ ン タ リー な 動 機 を 重 視 して い る 点 が 共 通 して い る 。 そ の 一 方 で 、NPOパ
*2ニ
ュ ー マ ン[New98]は
、 ア ク タ ー ネ ッ ト的 な 観 点 を 用 い な が ら、 あ る ミ ドル ウ ェ ア の デ ザ イ ン の 事 例 を 分 析 し、 シ
ス テ ム を デ ザ イ ン す る こ とが 、 さ ま ざ ま な 技 術 や 人 々 の ネ ッ ト ワ ー ク を 構 築 す る こ と に 等 し い と い う こ と を 示 して
い る。
第7章
関連研 究
ン ゲ ア で は 、 常 任 の リー ダ ー が 開 発 を 指 揮 を執 っ て い るの に対 し、NOTAの
確 な 開 発 の リー ダ ー が 存 在 しな い とい う点 が 異 な っ て い る 。
61
事例 にお い て は、明
62
第8章
共 生 開発 ス タ イル の考 察 と今 後 の展 望
本 章 で は 、共 生 開 発 ス タ イ ル につ い て 、 現 在 分 か っ て い る課 題 や 限 界 、今 後 の 展 望 に
っ い て 述 べ 、 本 研 究 の さ ら な る発 展 に つ い て 論 述 す る 。
第8章
8ユ
8.1.1
63
共 生 開発 ス タイル の考 察 と今 後 の展 望
共 生 開発 ス タイ ル の 考 察
オ-プ
ン ソ ー ス か らオ ー プ ン コ ン テ ン ツ へ
す で に 述 べ た 通 り、 私 が 開 発 したNOTAは
、 開 発 者 以 外 の 人 も参 加 す る 地 域 コ ミ ュニ テ ィ の 中
で 開 発 が 進 め られ 、 改 良 が 加 え ら れ た 。 こ の よ う に ボ ラ ン タ リー な 動 機 か ら開 発 が 進 め られ る と
い う点 は 、 オ ー プ ン ソ ー ス ・ソ フ トウ ェ ア の 開 発 と類 似 点 が あ る。
近 年 、 他 人 の コ ン テ ン ツ を流 用 し、 そ こ に 自分 の 著 作 を 追 加 して 公 開 す る と い うオ ー プ ン コ ン
テ ン ツ の 現 象 が 注 目 され て い る。 オ ー プ ン ソ ー ス の 開 発 コ ミュ ニ テ ィ に お い て は 「ソ ー ス コ ー ド」
を オ ー プ ン に して 複 数 の 人 が 少 しず つ 創 作 に貢 献 す る こ とで ソ フ トウ ェ ア を 開 発 す る 手 法 が 定 着
して い る が[StaO2]、
一 般 の コ ン テ ン ツで は 、 技 術 的 な 課 題 や 法 整 備 の 遅 れ な どか ら 、 この よ う な
創 作 手 法 は一 部 を 除 い て あ ま り行 わ れ て い な い 。
そ れ ら を解 決 す る た め 、一 般 の コ ン テ ン ツ を オ ー プ ン ソ ー ス 的 に 生 成 、 伝 播 さ せ る こ とが で き る
シ ス テ ム が 必 要 で あ る と考 え る。NOTA(第4章
で 詳 述)は
このた め の プ ラ ッ トフォー ム を提 供
す る。 オ ー プ ン コ ン テ ン ツ の 実 現 に は、 コ ン テ ン ツ に 多 人 数 で 同 時 に編 集 可 能 で あ る こ と と、 コ ン
テ ン ッ を他 人 が 容 易 に再 利 用 可 能 で あ る こ とが 必 要 で あ る 。 オ ー プ ン コ ン テ ン ツ を 実 装 す る ア プ
リケ ー シ ョ ン の 設 計 を ま とめ る と、 以 下 の よ う に な る。
横 浜 市 の コ ミ ュ ニ テ ィ に お い て 、 共 生 開 発 ス タ イ ル の 手 法 が 成 立 した 背 景 と して 、NOTAが
こ
れ ら の オ ー プ ン コ ン テ ン ツ の 要 件 を 満 た し て い た とい う点 は 重 要 で あ る。 専 門 的 な ソ ー ス コ ー ド
で は な く、 文 書 、 写 真 、 ア イ コ ン 、 プ ラ グ イ ン と い っ た コ ン テ ン ツ の 協 同 編 集 と派 生 を シ ス テ ム
が サ ポ ー ト した こ と に よ っ て 、 開 発 者 以 外 の 人 が 開 発 コ ミ ュ ニ テ ィ に 参 加 す る こ とが で き た と い
え る。
8.2
今 後 の展 望
共 生 開 発 ス タイ ル は、 地域 コ ミュニ テ ィに お いて必 要 な機 能 を コ ミュニ テ ィ内で 開 発 で き る と
い う点 で 利 点 が あ る 一 方 で 、 課 題 も あ る 。
1っ 目 は 、 プ ラ グ イ ン な ど を コ ー デ ィ ン グ で き る 開 発 者 が ま だ 限 定 的 な も の に と ど ま っ て い る
点 で あ る 。FlashやNOTA
APIを
誰 もが 使 え る とは い え な い 。Flashは
利 用 し た 開 発 は 、 従 来 の 開 発 と比 べ て 敷 居 が 下 が っ て い る が 、
、 コ ー デ ィ ン グ を しな くて も条 件 や 関 数 を 選 択 し て 組 み 合 わ
せ る こ とで 簡 易 的 な ス ク リ プ トを 作 成 で き る が 、 今 後 は こ の よ う に コ ー デ ィ ン グ と い う行 為 を す
る こ と な く開 発 が で き る よ う な 工 夫 を して い く必 要 が あ るだ ろ う。
二 っ 目 は 、 共 生 開 発 ス タ イ ル に よ っ て 開 発 さ れ た ソ フ トウ ェ ア は 、 汎 用 性 が 低 くな りが ち に な る
第8章
共生 開 発 ス タイ ルの考 察 と今 後 の展 望
64
点 で あ る 。 そ も そ も コ ミ ュ ニ テ ィ に お け る狭 い ニ ー ズ に応 え る た め に 開 発 す る た め 、 開 発 され た
ソ フ トウ ェ ア は 、 同 じ よ う な 条 件 の コ ミ ュ ニ テ ィ に お い て しか 有 効 で な い こ とが 多 い 。 汎 用 性 が
低 くな る と、 ソ フ ト ウ ェ ア の 蓄 積 が な さ れ ず 、 どの コ ミュ ニ テ ィ に お い て も似 た よ う な機 能 を 再
生 産 す る こ と に な る 。 この 課 題 は 、 ユ ー ザ ー が 作 成 した シ ス テ ム か ら汎 用 性 の あ る機 能 を 抽 出 し、
蓄 積 で き る よ う な フ レー ム ワ ー ク を考 案 す る こ とで 解 決 で き る可 能 性 が あ る。
今 後 は 、 これ ら の 課 題 を 解 決 す る た め に継 続 的 に 研 究 に 取 り組 ん で い く予 定 で あ る。
65
第9章
結論
本 章 で は本論 文 を総 括 す る。
第9章
9.1
結論
66
研 究 の成 果
本 研 究 の 成 果 は 、 以 下 の4つ
に ま とめ る こ とが で き る 。
● 市 民 が 地 域 コ ミュ ニ テ ィ に お い て 開 発 を 行 う 「共 生 開 発 ス タ イ ル 」 を 提 案 した 。
● コ ミュ ニ テ ィ 活 動 支i援シ ス テ ム 「NOTA」
を 開 発 した 。
●NOTAを
拡 張 す る ア プ リ ケ ー シ ョ ン ・プ ラ ッ ト フ ォ ー ム を 実 現 した 。
●NOTAの
利 用 事 例 を 評 価 し、 有 効 性 を 検 証 した 。
ま ず 、 市 民 が ソ フ トウ ェ ア を 開 発 し、 コ ミ ュ ニ テ ィ で 運 用 す る 中 で 得 ら れ る フ ィ ー ドバ ッ ク を 元
に 継 続 的 に 改 良 して い く 「共 生 開 発 ス タ イ ル 」 を 提 案 した 。 共 生 開 発 ス タ イ ル は 、 以 下 の よ う な メ
リ ッ トが あ る こ と を 示 した 。
1.効 率 を あ ま り考 え ず に シ ス テ ム を継 続 して 開 発 で き る 。
2.利 用 者 の フ ィー ドバ ッ クが た だ ち に得 ら れ る 。
3.開 発 者 と コ ミ ュ ニ テ ィ が 一 体 に な っ て い る た め 必 要 な機 能 だ け を 作 れ ば よ い 。
4-高
い モ チ ベ ー シ ョ ン を保 っ て 楽 し く開 発 で き る 。
次 に 、 共 生 開 発 ス タ イ ル の 事 例 と して 私 が 開 発 し た 「NOTA」
広 が っ た プ ロ セ ス を 明 らか に した 。NOTAは2005年
で 利 用 さ れ 、 そ の 後NOTAを
よ り横 浜 市 の い くつ か の 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ
改 良 した い とい う要 望 を 持 つ 利 用 者 の 有 志 が 集 ま っ て 開 発 コ ミ ュ ニ
テ ィ を形 成 し、 共 生 開 発 ス タ イ ル が 始 ま っ た 。
NOTAは
を 利 用 して 共 生 開 発 ス タ イ ル が
.
、 複数 の人 が 同時 に ブラ ウザ上 で 文 字や 図 、写 真 な どを好 きな位 置 に書 き込 み、 蓄積
で き る シ ス テ ム で あ る 。NOTAの
実 装 に つ い て 述 べ 、 汎 用 性 の 高 い イ ン タ フ ェ ー ス を持 つ シ ス テ
ム で あ る こ とを 説 明 した 。
共 生 開 発 ス タ イ ル に よ る 開 発 を促 進 す る た め に 、 利 用 者 がNOTAを
を追 加 した 。 こ の 結 果 、NOTAを
拡 張 で きる プ ラグイ ン機 能
応 用 した地 図 シ ス テム や、 ビデ オ会 議 シ ス テム 、障 害者 コ ミュ
ニ ケ ー シ ョンシ ス テ ムな どが地 域 コ ミュニ テ ィ内 で 開発 され た。 これ らの事 例 は、 コ ミュニ テ ィ
の 細 か な 要 求 に 応 え る機 能 を 的 確 か つ 迅 速 に 開 発 す る こ と に成 功 して お り、 共 生 開 発 ス タ イ ル の
有 効 性 を示 した とい え る 。
9.2
論 文 の 総 括 と結 論
市 民 が 地 域 コ ミュ ニ テ ィ活 動 の た め に 自 ら ソ フ トウ ェ ア を 開 発 す る と い う 「共 生 開 発 ス タ イ ル 」
は 、 今 後 、 そ の 重 要 性 が 高 ま る と考 え る。 本 研 究 は 、 工 業 的 な ソ フ ト ウ ェ ァ 開 発 や オ ー プ ン ソ ー
ス ・コ ミ ュ ニ テ ィ に お け る開 発 の 限 界 を 指 摘 し、Webの
汎 用 的 な情 報 共 有 シ ス テ ム 「NOTA」
を
利 用 して 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ に お い て 共 生 開 発 ス タ イ ル が 成 り立 つ こ と を 示 し た 。 共 生 開 発 ス タ イ
ル が 広 が る こ とに よ っ て 、 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ で 必 要 と され る 細 か な 要 求 を 満 た す ソ フ トウ ェ ァ が
よ り多 く開 発 さ れ る こ と を 願 う。
s7
謝辞
慶應
義 塾 大 学 大 学 院 入 学 以 来 、 研 究 を ご指 導 を い た だ い た慶應 義 塾 大 学 安 村 通 晃 教 授 に 深 く感
謝 致 し ま す 。 ま た 、 本 研 究 の 副 査 と して 、 ご 意 見 、 ご 助 言 を い た だ い た慶應 義 塾 大 学 徳 田 英 幸 教
授 、横 浜 の 地 域 コ ミュ ニ テ ィ を紹 介 して い た だ き 、 コ ミ ュ ニ テ ィ の 理 論 と実 践 の 両 面 に お い て ご指
導 い た だ い た 武 蔵 工 業 大 学 上 野 直 樹 教 授 に感 謝 致 し ま す 。
研 究 の 進 め 方 や 論 文 の 構 成 に つ い て 細 部 に わ た っ て 助 言 を い た だ い た イ ン タ ラ ク シ ョ ン ・デ ザ
イ ン ・プ ロ ジ ェ ク トの 樋 口文 人 先 生 、 渡 邊 恵 太 さ ん に 感 謝 し ま す 。 ま た 、 同 期 と して 共 に励 ま し
合 っ た 赤 池 輝 幸 君 、 後 藤 孝 行 君 、 佐 藤 公 宣 君 、 あ りが と う。
本 研 究 を 通 して 、 改 め て 開 発 コ ミ ュニ テ ィ の 大 切 さ 、 有 り難 さ を 実 感 致 し ま した 。NOTAの
研
究 は 、 多 くの 方 の 献 身 的 な協 力 に よ っ て 成 り立 っ て い ま す 。 さ ま ざ ま な 形 で 開 発 を 支 援 して くだ
さ っ た み な さ ん に こ の 場 を 借 りて 深 く感 謝 申 し上 げ ま す 。NOTAの
開 発 を 協 力 して い た だ き、 簡
易 セ ツ トア ツ プ プ ロ グ ラ ム や セ ツ トア ツ プ マ ニ ュ ア ル を書 い て い た だ い た慶應 義 塾 大 学 秋 元 慶 太
さ ん 、 テ ン プ レ ー トイ ラ ス トや ロ ゴ を提 供 して い た だ い た 武 蔵 工 業 大 学 真 行 寺 由 郎 さ ん 、 テ レ ビ
会 議 室 プ ラ グ イ ン を 開 発 した 他 、 さ ま ざ ま な 開 発 の 助 言 を い た だ い た 千 葉 恭 弘 さ ん 、 あ りが と う
ご ざ い ま した 。NOTAネ
ッ トワ ー ク の メ ー リ ン グ リ ス トで 、 多 くの 方 の 技 術 的 な 質 問 に答 え て く
だ さ っ た 王 子 全 主 さ ん 、 國 松 基 さ ん 、NOTAの
分 か りや す い マ ニ ュ ア ル を 作 成 して くだ さ っ た 檜
垣 健 太 郎 さ ん 、 横 浜 市 の コ ミ ュ ニ テ ィ の た め に 無 償 でNOTAの
田 幸 子 さ ん 、NOTAの
サ ー バ ー を 提 供 して くだ さ っ た 藤
ワ ー ク シ ョ ッ プ な ど で 指 導 に あ た っ て い た だ い た 川 辺 さつ き さ ん 、 桜 井 得
倫 さ ん 、 あ りが と う ご ざ い ま した 。 最 後 に 、 こ こで お 名 前 を 挙 げ る こ と は で き ませ ん が 、NOTA
ネ ッ トワ ー ク の メ ン バ ー 全 員 に 感 謝 致 し ま す 。 み な さ ん の お か げ で 、 この 論 文 を 完 成 させ る こ と
が で き ま した 。
ss
本 研 究 に関 す る発 表
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ッ トワ ー ク の 活 動 履 歴
蔵 工 大 でNOTAワ
2005/10/30NOTAネ
2005/11/19プ
ー ク シ ョ ッ プ開 催
ツ トワ ー ク メ ー リ ン グ リス ト立 ち 上 げ
ラ グ イ ン ・プ ロ ジ ェ ク ト ミー テ ィ ン グ を開 催
2005/12/18nota◎ba■
を開催
2006/01/09NOTAネ
ツ トワ ー ク 関 西 キ ッ ク オ フ ミ ー テ ィ ン グ を 開 催
2006/01/23NOTAプ
ラ グ イ ン 仕 様 書 を公 開
2006/02/17NOTAネ
ッ トワ ー ク横 浜 ミー テ ィ ン グ
2006/06/01ト
ラ イ ア ル 版 に8つ
2006/06/01NOTAサ
の テ ー マ のNOTAを
設置
イ トを リニ ュ ー ア ル
2006/07/24ト
ライ アル版 の デザ イ ン を改良
2006/07/30ワ
ー ク シ ョ ッ プ 「ウ ェ ブ と コ ミ ュ ニ テ ィ形 成 」 を 開 催
2006/09/08市
民 メ デ ィ ア サ ミ ッ ト06の
セ ッ シ ョ ンでNOTAを
2006/09/08NOTAダ
「市 民 メ デ ィ ア に お け る 新 しい ネ ッ トツ ー ル の 活 用 」 と い う
発表
ウ ン ロ ー ド版 を 一 般 公 開
2006/09/13横
浜 市 市 民 活 動 支 援 セ ン タ ー のIT講
2006/09/26ク
リエ イ テ ィ ブ ・コ モ ン ズ セ ミナ ー でNOTAお
ジ ェ ク トを 発 表
2006/10/26REMIX
TOKYOでNOTAを
発表
習 会 に て 、 NOTAの
講 習会 を行 う
よ びNOTAを
利 用 した 「C-Shirts」 プ ロ
?3
付 録B
NOTAネ
NOTAの
ッ トワ ー ク 運 営 方 針
プ ロ ジ ェ ク トは 、 「こ の 指 止 ま れ 方 式 」 で 進 ん で い ます 。
この 指 止 まれ 方 式 とい うの は 、 何 か を や りた い 人 が メ ー リ ン グ リ ス トで 提 案 し、 賛 同 者 が 集 ま れ
ば そ の 人 を 中 心 に 行 動 す る とい うや り方 の こ とで す 。
具 体 的 に は 、 以 下 の3つ
に ま とめ られ ま す 。
1.フ ィ ー ドバ ック を 尊 重 し て い ま す
提 案 や 投 稿 に対 して 、「よ い ア イ デ ア だ ね 」 とい う よ う に積 極 的 に 意 見 や 感 想 を 返 信(フ
ドバ ッ ク)し
ィー
ま し ょ う。 フ ィ ー ドバ ッ ク は 、 や る気 の み な も とで す 。
2.全 員 で 共 有 し ま す
考 え て い る こ と は 必 ず メ ー リ ン グ リス トで 提 案 し ま す 。 そ う す る こ とで 、 一
一部 の 人 だ け で
プ ロ ジ ェ ク トが 進 ま な い よ う に 気 を つ け ま す 。 逆 に い う と、 提 案 す れ ば 誰 で も 好 き な プ ロ
ジ ェ ク トを立 ち 上 げ て 、 進 め る こ とが で き ま す!
3.外
に 対 して オ-プ
ンに
こ こで 出 て き た 成 果 は 、 ど ん ど ん 外 に 出 して い き ま し ょ う。NOTAネ
ッ トワ ー ク で 得 た 体
験 や 知 識 を メ ン バ ー が そ れ ぞ れ 持 ち帰 っ て 、 様 々 な 媒 体 で 伝 え て い き ま し ょ う。
作 成 日:2005/10/29
NOTA:ュ
2007年3月30日
ー ザ ー 主 導 型 コ ミュ ニ テ ィ活 動 支 援 シス テ ムの 研 究
初版発行
著者
永田周一
監修
安村通晃
発行 慶應 義塾大学 湘南藤沢学会
〒252-0816神
奈 川 県 藤 沢 市 遠 藤5322
TEL:0466-49-3437
Printed
in Japan
ISBN
印 刷 ・製 本
978-4-87762-174-2
SFC-MT
2006-004
ワ キ プ リン トピ ア
本論 文 は修士論文 にお いて優 秀と認 められ 、出版されたも の です 。
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