...

NOTA : ユーザー主導型コミュニティ活動支援システム

by user

on
Category: Documents
19

views

Report

Comments

Transcript

NOTA : ユーザー主導型コミュニティ活動支援システム
ISBN
978-4-87762-174-2
SFC-MT 2006-004
OTA:ユ
ー ザ ー主 導 型
コミュニティ活 動 支援 システムの 研 究
2006年
永 田 周一
政策・
メディア研究科修士課程
安村 通晃
研 究 プロ ジェク ト
慶應義 塾 大 学 湘 南 藤 沢 学 会
N
優秀修士論文推薦の ことば
こ の修 士 論 文 で は 、 「
共 生 開 発 ス タ イ ル 」 と よ ぶ 、 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ を念 頭 に 置 い た
新 た な ソ フ トウ ェ ア 開 発 の 手 法 を提 唱 し、 実 際 にNOTAと
り開 発
呼 ぶ ソ フ トを この 手 法 に よ
展 開 、発 展 させ た 内 容 に つ い て 具 体 的 な 事 例 を交 え て 説 明 して い る。 これ は 、
これ ま で に な い 新 た な ソ フ トウ ェ ア 開 発 手 法 と して 注 目 され る だ け で は な く 、 実 際 に
い く つ か の 地 域 コ ミュ ニ テ ィ にお い て 、 実 践 的 に使 用 さ れ て い る 点 が 高 く評 価 され る 。
以 上 述 べ た 理 由 に よ り本 論 文 を 、 優 秀 修 士 論 文 と して 、 強 く推 薦 す る 。
慶應義塾大学
環境情報学部教授
安村
通晃
NOTA:ユ
ー ザ ー主 導型 コ ミュニ テ ィ
活 動 支 援 シス テ ム の 研 究
永 田周 一
2007年1月15日
修 士論 文要 旨2006年
NOTA:ユ
度(平 成18年
度)
ー ザ ー 主 導 型 コ ミ ュニ テ ィ
活 動 支援 シ ス テ ムの研 究
近 年 イ ン タ ー ネ ッ トの 普 及 に よ り、 市 民 が 地 域 コ ミ ュニ テ ィ 活 動 の た め に ウ ェ ブ ロ グ や
SNSな
どを 利 用 す る需 要 が 高 ま っ て い る 。 しか し、 ウ ェ ブ サ ー ビ ス や 製 品 と して 開 発 され
た ソ フ トウ ェ ア で は 、 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィで 必 要 と され る細 か な要 求 を満 た せ な い とい う問
題 を抱 えて い る 。
そ こで 本 研 究 は、 市 民 が ソ フ トウ ェ ア を 開 発 し、 コ ミュ ニ テ ィで 運 用 す る中 で 得 られ る
フ ィ ー ドバ ッ ク を元 に継 続 的 に 改 良 して い く 「
共 生 開 発 ス タ イ ル 」 を提 案 し、 事 例 を 通 じ
て 有 効 性 を 示 す こ と を 目的 とす る。 共 生 開 発 ス タイ ル は 、(D効
テ ム を 継 続 して 開 発 で き る、(2)利
率 を あ ま り考 え ず に シ ス
用 者 の フ ィー ドバ ッ ク が た だ ち に得 られ る、(3)開
者 と コ ミュ ニ テ ィが 一 体 に な っ て い る た め必 要 な機 能 だ け を 作 れ ば よい 、(4)高
発
いモ チベ
ー シ ョ ン を保 っ て 楽 し く開 発 で き る、 な どの メ リ ッ トが あ る。
次 に 、 共 生 開 発 ス タ イ ル の 事 例 と して 私 が 開 発 し た 「NOTA」
イ ル が 広 が っ た プ ロ セ ス を 明 らか に す る。NOTAは2005年
コ ミュ ニ テ ィで 利 用 され 、そ の 後NOTAを
を 利 用 して 共 生 開 発 ス タ
よ り横 浜 市 の い くつ か の地 域
改 良 した い と い う要 望 を もつ 利 用 者 の 有 志 が 集
ま って 開 発 コ ミ ュニ テ ィ を 形 成 し、 共 生 開 発 ス タ イ ル が 始 ま っ た 。NOTAは
、複数 の人が
同 時 に ブ ラ ウザ ー 上 で 文 字 や 図 、 写 真 な どを 好 き な 位 置 に書 き込 み 、 蓄 積 で き る な ど、 汎
用 性 の 高 い イ ン タ フ ェー ス を 持 つ シ ス テ ム で あ る。
本 研 究 で 得 られ た成 果 は 以 下 の 通 りで あ る。 共 生 開 発 ス タ イ ル に よ る 開 発 を 促 進 す る た
め に、 利 用 者 がNOTAを
拡 張 で き る プ ラ グ イ ン機 能 を追 加 した 。 こ の 結 果 、 NOTAを
応
用 し た地 図 シ ス テ ム や 、 ビ デ オ会 議 シ ス テ ム 、 障 害 者 コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン シ ス テ ム な どが
地 域 コ ミュ ニ テ ィ 内 で 開 発 さ れ た 。 これ らの 事 例 は 、 コ ミュ ニ テ ィ の 細 か な要 求 に応 え る
機 能 を 的確 か つ 迅 速 に 開 発 す る こ とに 成 功 して お り、 共 生 開 発 ス タ イ ル の 有 効 性 を 示 し た
とい え る。
キー ワー ド
コ ミ ュ ニ テ ィ活 動 支 援 シ ス テ ム
オー プ ン コンテ ン ツ
共 生 開発 ス タイル
慶応義塾大学大学院 政策 ・メデ ィア研究科
修士課程
永田 周一
Abstract
of Master
Thesis
Academic
NOTA:
Community
User
Driven
Activity
Approach
Support
Year
2006
for
System
Today, through the spread of Internet, demands that citizen uses Weblog or SNS for
local community activity are increasing. However, it carries problems that software
developed as web services or products cannot fulfill detailed demands of local
communities.
Therefore, in this study, the author proposed concepts of "civil software development"
by which the citizens develop software, and improve it continuously based on feedback
provided while putting it into practice in communities. Civil development has following
advantages.
(1) The system can be continuously developed without concerning efficiency excessively.
(2) Feedback from users is provided immediately.
(3) They make only necessary features because developers collaborate with the community.
(4) It is possible to enjoy developing software while keeping motivations high.
Next, the author identifies developing processes of civil development in the case of
"NOTA" that the author developed . NOTA have been used in some local communities in
Yokohama city since 2005. Development
communities
were organized and civil
development was adopted when volunteers of users who wished to improve NOTA
gathered. With NOTA, users can put texts, figures, and photos, etc in optional positions at
the same time on web browsers.
The achievements of this study are as follows: In order to promote development by
civil development, the author added plug-in features that users are able to extend the usage
of NOTA by themselves. As a result, extensions for NOTA were developed in local
communities. A map system, a video conferencing system, and a communication system for
the handicapped are some of the examples of such extensions. The effectiveness of civil
development has been shown by those cases that succeeded to fulfill detailed demands of
communities by archiving adequate and prompt development.
Keywords:
Community
Software
Activity
Support
System,
Open
Content,
Civil
Development.
Graduate
School of Media and Governance,
Keio University
Shuichi
NAGATA
目次
-←
第1章
序論
研 究 の 目 的.
1.3
論 文の構 成
.
﹂4
1.2
.
9θ
.
●
研 究 の 背景
●
1.1
.
rO
第2章
.
.
7
従 来 の開 発 ス タイル
.
2.1
は じめ に
2.2
アジ ャイル 開発 手法
2.3
オ ー プ ン ソ ー ス ・コ ミ ュ ニ テ ィ
2.4
従 来 の開 発 ス タイ ル の問題 点
2.5
共 生 プロ グ ラ ミン グ
2.6
ま とめ
第3章
...........
9
9
.
.
11
共 生 開 発 ス タ イ ル の 提 案
.
共 生 開 発 ス タ イ ル の 提 案.....
..............
.
3.2.1
共 生 開 発 ス タ イ ル の 定 義
3.2.2
共 生 開 発 ス タ イ ル の 特 徴
3.2.3
共 生 開 発 ス タ イ ル の メ リ ッ ト
NOTAネ
12
.
3.3.2
NOTAネ
ッ ト ワ ー ク の 実 践.
......,........
NOTAの
設 計 と開発
4.1
は じめ に
4.2
従 来 の シ ス テ ム..
4.3
NOTA
4.4
NOTAの
15
.
15
18
.
.
18
21
......
.
,
.
22
22
.
.
23
25
使 い 方.
基 本 ツ ー ル 。.
14
.
ッ ト ワ ー ク の 形 成.
ま と め
12
.
ッ ト ワ ー ク........
NOTAネ
12
12
.
3.3.1
4.4.1
10
10
.........
3.2
第4章
.
.
は じめ に
3.4
8
_.。.
3.1
3.3
8
.
25
●-昌
●-
目次
4.5
4.6
4.4.2
認 証................9.9.............
4.4.3
写 真 の 貼 り付 け...........
4.4.4
フ ァ イ ル の 貼 り 付 け.........
4.4.5
手 書 き 線 の 描 画...........
4.4.6
手 書 き 線 の 消 去...........
4.4.7
リ ン ク................
4.4.8
リ ン ク か ら の 新 規 ペ ー ジ 作 成....
4.4.9
オ ブ ジ ェ ク トの 操 作 と部 品 の 重 な り順
NOTAの
.27
...
..27
.
27
..28
...2g
29
..
..30
...31
実装
32
4.5.1
リア ル タ イ ム編 集 の 実 装
4.5.2
ユ ー ザ ー ア カ ウ ン ト と編 集 権 限
33
4.5.3
HTMLと
34
4.5.4
手 書 き 線 の 実 装........
4.5.5
機 能 の 比 較...........
...
......32
の 互 換 性 とデ ー タ構 造
34
..35
ま とめ
38
リ ケ
5.1
は
じ め
5.2
プ
ラ グ イ
5.3
プ
ラ
ー
シ
に
ョ ン
・プ
ラ
ッ
ト フ
ォ ー ム
と
し て
Qゾ 0
3 4
ア プ
第5章
...
のNOTA
...........5.......................
...
0
4
ン の 使
い 方.................
.
.。.
0
4
ッ
ト フ ォ ー
ム の
実 装...............
......
2
4
NOTA
APIを
用
い た 開
5.3.2
NOTA
APIを
利
用
発...........
..
4
4
5.3.1
し た 作
品 例........
5
4
5.4
ま
と め
........................
6
4
NOTAの
第6章
利 用 事 例 と応 用
7
4
は じ め に
6.2
NOTAの
................。...,..................
7
4
6.1
使 い 方 を 工 夫
し た 事 例.........
。.
...
7
4
サ バ イ バ ル ジ ュ ニ ア プ ロ ジ ェ ク ト.....
6.2.2
っ づ き]}af丑c
.
7
4
6.2.1
Pr0ject
...-......
...
...
8
4
6.3
NOTAの
プ ラ グ イ ン を 開 発 した 事 例
........
8
4
障 害 者 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 支 援 プ ラ グ イ ン...
6.3.2
NOTAビ
6.3.3
C-Shirtsプ
.
_.
9
4
6.3.1
デ オ 会 議 室 プ ラ グ イ ン
.....
.
1
5
..
4
ρ
0
﹁
0
1
5
0U
利 用 経 験
.....................
4
5
ま と め
........................
RJ
5
第7章
ラ グ イ ン.......。....
関 連 研 究
7.2
Web技
..................................一....
術 の 新 領 域
..
ρ0
FO
は じめ に
ρ0
F
O
7.1
目次
7.3
7.4
iii
7.2.1
非 同 期 通 信...................................56
7.2.2
WebのAPL...........
オ ー プ ン コ ン テ ン ツ........
7.3.2
Consumer
7.3.3
Creative
第9章
Generated
.
..57
Media.
59
Commons
59
開 発 形 態 に 関 す る 関 連 研 究.....
59
よ びCSCW....
参加 デ ザ イ ン
59
..........
60
共 生 開 発 ス タ イ ル の 考 察 と今 後 の 展 望
共 生 開 発 ス タ イ ル の 考 察...........................
8.1.1
8.2
57
7.3.1
7.4.2
8.1
,.56
コ ン テ ン ツ 流 通 の 新 領 域......
7.4.1CSCLお
第8章
.
オー プン ソー スか らオー プン コ ンテ ンツへ
今 後 の 展 望........,...........
結 論
62
...63
....63
..63
65
9.1
研 究 の 成 果...................................。..66
9.2
論 文 の 総 括 と結 論
..
参考文献
66
69
付 録A
NOTAネ
ッ トワー クの活 動履 歴
72
付 録B
NOTAネ
ッ トワ ー ク 運 営 方 針
73
.
iv
図 目次
1.1
論
2.1
Waterfall Model
文
の
構
成..
..............
....
。..
...........
6
8
3
り0
市
民 活
動
き 人
交 流
フ ェ ス
NOTAバ
支 援
セ
ン タ ー
に お
タ の 活 動
け るNOTAの
講 座
の 様
子
......,.....
の 様 子....................
....
ッ ジ.............._.,.....
(U
り右
り右
づ
0り
■⊥
0
0
浜 市
っ
7・
-⊥
-
3
横
.........
3
2
1
4
NOTAの
的
集
の
ワ ー
なWikiの
編
ク
集 画
フ ロ ー................
......
....
4
2
2
4
一 般
編
面
.-..........................
5
2
3
4
協
調
的 編
NOTAの
編
集 画
集
の 概
念
図............................
4
4
6
2
NOTAの
面
の 例...........。.........
...
...
.
8
2
5
4
フ
ァ イ ル の
貼
り 付
け.....................
9
2
6
4
き 線
の
描 画.......................
.
手 書
き 線
の
消 去.........................
.....
.
7
4
9
2
手 書
...
0
3
8
4
リ ン ク の 選 択.......................
...
1
3
9
4
NOTAに
よ
る 相
互
リ ン ク
................
.
3
3
0
1
4
リ ア ル
タ イ
集
の 確
保
の 流
れ.....,..................
......
5
3
1←
1
4
ム 編
表 示
互 換
性
..............................。...
6
3
り右
1
4
Flash上
で 、
ス
ム
ー ズ
な 手 書
き 線
を 描
画
す
る
プ ロ
ト タ
イ
プ
6
3
3
1
4
で 、
手
書
き 線
NOTAプ
ラ グ イ ン を 貼
を 用
い て
レ
タ
ッ チ
し た 例
り 付 け た 画 面 例......
.
ニ ュ ア ル
..
。....
...
.........
.......
.....
..
表 ペ ー ジ.............-.
つ づ きTraf丘c
Projectの
詳 細 ペ ー ジ
。.....
...
...
....
.
........
1←
rO
4
ρU
障 害 者 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 支 援 シ ス テ ム の 利 用 例....
..
0
﹁
り
0δ
ρ0
Projectの
...........
0り
4
∩
∠
ρ
0
っ づ きTraffic
......
8
﹂
4
-←
ρ0
サ バ イ バ ル ジ ュ ニ ア プ ロ ジ ェ ク トの 作 品 例
.
00
4
4
ビ
0
APIマ
.
.........
り白
4
00
ビ0
ラ グ イ ン の 例..........
.
.。.
-←
4晶
9臼
EO
NOTA
...
...
簡 易 掲 示 板 プ ラ グ イ ン.............
NOTAプ
-...
-⊥
4ム
-←
ビO
NOTA上
図 目次
v
7`
7.
-⊥
7-
りθ
......................
C-ShirtsのQRコ
Google
ー
ドを 携 帯 電 話 を 利 用 し て 読 み 込 む 様 子
Maps.
.
8
E
O
ρ
0
作 例
7`
EO
ρ0
C-Shirtsの
4
ドO
ρ0
。.........
0
δ
﹁
0
民﹂
デ オ 会 議 室 プ ラ グ イ ン の 利 用 例
9白
EO
ρ0
NOTAビ
Willustrator..........................
vi
.
表 目次
3.1
コ ミ ュ ニ テ ィ 活 動 支 援 シ ス テ ム の 分 類 ......
ー ジ作成 シス テ ムの基 本機 能 の比較
78
0
0
りθ
4
各 種Webペ
4
3
-⊥
4
ア カ ウ ン ト別 実 行 可 能 操 作 表
14
1
第1章
序論
本 章 で は研 究 の 目 的 、 論 文 の 構 成 に つ い て 述 べ る。
第1章
1.1
序論
2
研 究 の背 景
近 年 イ ン タ ー ネ ッ トの 普 及 に よ り、 市 民 が 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ の 活 動 の た め に ウ ェ ブ ロ グ やSNS
な ど を 利 用 す る需 要 が 高 ま っ て い る 。 情 報 技 術 が 普 及 す る 以 前 か ら存 在 す る地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ の
活 動 を 支 援 す る た め に 、Webを
利 用 す る事 例 が 増 え て き た 。 従 来 の コ ン ピ ュ ー タ に よ る コ ミ ュ ニ
テ ィ活 動 支 援 は 、 製 品 と して 開 発 さ れ た 企 業 内 グ ル ー プ ウ ェ ア の よ う に ユ ー ザ ー の コ ン ピ ュ ー タ
リテ ラ シ ー が あ る こ と を前 提 と した シ ス テ ム や 、 ウ ェ ブ サ ー ビ ス と して 開 発 さ れ た 不 特 定 多 数 の
エ ン ドユ ー ザ ー を 対 象 と した 仮 想 的 な コ ミ ュ ニ テ ィ支 援 の シ ス テ ム の 利 用 が 中 心 だ っ た 。 そ れ に
対 して 、 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ に お け る シ ス テ ム の 利 用 は 、 下 記 の よ う な特 徴 を持 っ て い る 。
・ 利 用 者 の リテ ラ シ ー の ば らつ き が 比 較 的 大 き い 。
● 組 織 と して の 利 用 目的 は 明 確 に定 ま っ て い な い 。
● 階 層 的 で は な く、 人 的 な ネ ッ トワ ー ク に よ っ て ゆ るや か に 組 織 化 さ れ て い る。
● 地 域 独 自 の 利 用 形 態 に合 わ せ て 、 複 数 の シ ス テ ム を組 み 合 わ せ て 利 用 す る(必
要 な場 合 は、
自 ら開 発 す る こ と も あ る)。
● 情 報 は 完 全 に 秘 匿 に す る わ け で も な く、 か と い っ て 積 極 的 に公 開 して い くわ け で も な い 。
・ シ ス テ ム を 開 発 す るた め の 予 算 は 少 な い 。
上 記 の よ う に 地 域 コ ミュ ニ テ ィ は 、従 来 の 利 用 と は 異 な る ユ ー ザ ー を 対 象 と して い る もの の 、 そ
の た め に 最 適 化 さ れ た シ ス テ ム は ほ と ん ど存 在 して い な い 。 既 存 の シ ス テ ム を 流 用 し、地 域 コ ミ ュ
ニ テ ィ に 辛 う じて 適 合 させ 利 用 して い る 例 が 多 く、 コ ミ ュ ニ テ ィ の た め に 独 自 に 開 発 を 行 っ て い
る こ と は ま れ で あ る 。 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ に必 要 な シ ス テ ム の 要 求 を定 義 し開 発 して い く プ ロ セ ス
に 、 企 業 関 係 者 や 研 究 者 が 持 続 的 に 参 加 す る こ とは 少 な く、 一 時 的 な実 験 な い しは 調 査 と して しか
関 わ って い ない よ うに見受 け られ る。
筆 者 は 、NOTAと
い う情 報 共 有 シ ス テ ム を 開 発 す る過 程 で 、2005年
地 域 コ ミュ ニ テ ィ にNOTAが
よ り横 浜 市 都 筑 区 に お い て
持 ち 込 ま れ 、 有 志 に よ り開 発 コ ミュ ニ テ ィが 形 成 さ れ 、 一 般 市 民 の
コ ミ ュ ニ テ ィ に普 及 して い く とい う過 程 を 経 験 した 。NOTAの
普 及 は 、 開 発 者(筆
者)だ
けで は
成 立 せ ず 、 地 域 コ ミ ュニ テ ィの 中 で 利 用 さ れ る過 程 に お い て 、 地 域 内 に お い て 協 力 者 が 増 え 、 開 発
と普 及 が 同 時 に繰 り返 し進 行 した 。NOTAに
は 、 ア プ リケ ー シ ョ ン ・プ ラ ッ トフ ォ ー ム と して 容
易 に シ ス テ ム を拡 張 で き る機 能 を 実 装 し た た め 、 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ の 中 で 、NOTAを
独 自に発 展
させ る者 が 現 れ た 。 この 過 程 は 、 共 著 『科 学 技 術 実 践 の フ ィ ー ル ド ワー ク』 の 「学 習 環 境 の デ ザ イ
ンの た め の ネ ッ トワ ー ク指 向 ア プ ロ ー チ 」[上 野06b]に
テ ム を普 及 させ る者(以
お い て 詳 し く述 べ て い る。 す な わ ち 、 シ ス
後 、 「普 及 者 」 と呼 ぶ)、 利 用 す る者 、 そ れ ら を 改 良 す る者 の 重 層 的 な ネ ッ
ト ワ ー ク が 構 築 さ れ 、 開 発 者-普
及 者-利
用 者 が 一 体 とな っ た コ ミ ュ ニ テ ィ が 形 成 さ れ た 。 従 来
の オ ー プ ン ソ ー ス コ ミ ュニ テ ィ は 、 「ソ ー ス コ ー ドが 共 通 言 語 」 と呼 ば れ る よ う に専 門 的 な 開 発 者
に 閉 じた コ ミ ュ ニ テ ィ だ っ た が 、NOTAの
コ ミ ュ ニ テ ィ は 、 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ の 活 動 と持 続 的 な
関 わ りを 持 ち 、 日常 的 な 活 動 の 一 部 と して 組 み 込 ま れ な が ら 開 発 が 継 続 さ れ て い る 点 が 特 徴 的 で
あ る。
第1章
序論
3
上 記 の よ う に、コ ミ ュ ニ テ ィ活 動 と持 続 的 な 関 わ りを 持 ち 、開 発 者 が 市 民 の 中 か ら現 れ 、利 用 者 と
一 体 と な っ て 設 計 し開 発 す る と い う視 点 は 、 従 来 のCSCL(Computer
Supported
Collaborative
Learning、
Supported
Collaborative
Work、
コ ン ピ ュ ー タ に 支 援 さ れ た 協 同 学 習)、 CSCW(Computer
コ ン ピ ュ ー タ に 支 援 さ れ た 協 同 作 業)研
(Participatory
Design)の
究 に も な か っ た も の で あ る。 ま た 参 加 デ ザ イ ン
ア プ ロ ー チ[BG96][KB98][KSB98]は
、ワー クプ レイ ス にお け るシ ス
テ ム 、 人 工 物 の 設 計 へ の 「ユ ー ザ ー 」 の 参 加 を め ざ した も の で あ り、 ワ ー ク シ ョ ッ プ の 企 画 や ユ ー
ザ ー も含 め た デ ザ イ ン場 面 を組 織 化 す る とい っ た 実 践 を 行 っ て きた 。 し か し、 こ う し た 場 面 設 定
は 一 時 的 な も の で あ り、 長 期 的 に 関 係 を持 続 す る 設 計 者 と使 用 者 の ネ ッ トワ ー ク構 築 を め ざ す も
の で は な い 。 さ ら に 、設 計 者 と利 用 者 は 明 確 に 区 分 さ れ て お り、 利 用 者 が 設 計 を サ ポ ー トす る こ と
は な か っ た(第7章
関 連 研 究 で 詳 述)。
本 研 究 で は 、 以 上 の 議 論 を踏 ま え た 上 で 、地 域 に お け る リ ア ル な コ ミュ ニ テ ィ に 焦 点 を 当 て 、 私
が 開 発 し たNOTAを
利 用 して 、 市 民 が コ ミ ュ ニ テ ィ 活 動 の た め の ソ フ トウ ェ ア を 自 ら開 発 す る新
し い 開 発 ス タ イ ル を提 示 す る。
第1章
1.2
4
序論
研 究 の 目的
本 研 究 は 、 地 域 の コ ミ ュ ニ テ ィ活 動 支 援 シ ス テ ム 「NOTA」
を 開 発 し、 そ の 有 効 性 に っ い て 述
べ る。
さ ら に 、 市 民 が ソ フ トウ ェ ア を 開 発 し 、 コ ミ ュ ニ テ ィで 運 用 す る 中 で 得 ら れ る フ ィ ー ドバ ッ ク
を 元 に 継 続 的 に 改 良 して い く 「共 生 開 発 ス タ イ ル 」 を 提 案 す る 。 ま た 、2005年
NOTAの
開 発 と普 及 を進 め る コ ミ ュ ニ テ ィ で あ る 「NOTAネ
か ら形 成 さ れ た
ツ トワ ー ク*1」 の 事 例 を 通 じて 有 効
性 を 示 す こ とを 目 的 とす る。 本 研 究 の 目 的 は 以 下 の よ う に ま と め る こ とが で き る。
1.市 民 が 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ に お い て 開 発 を 行 う 「
共 生 開発 ス タ イル」 の提案
地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ に お け る共 生 開 発 ス タ イ ル は 、 コ ミ ュ ニ テ ィ の 細 か な 要 求 を 満 た し た ソ
フ トウ ェ ア を 開 発 で き る。NOTAの
事 例 に 見 ら れ る よ う な 新 しい 開 発 形 態 を 「共 生 開 発 ス
タ イ ル 」 と名 付 け、 提 案 す る 。 また 、 従 来 の ウ ォ ー タ ー フ ォ ー ル ・モ デ ル や ア ジ ャ イ ル ・モ
デ ル な どの 開 発 手 法 との 違 い を明 らか に す る。
2.コ ミ ュ ニ テ ィ活 動 支 援 シ ス テ ム 「NOTA」
の 開発
本 研 究 で は 、 コ ミュ ニ テ ィ 活 動 支 援 の た め に情 報 共 有 の 基 盤 と して 汎 用 的 に 用 い る こ とが で
き る シ ス テ ム 「NOTA」
を 開 発 し、提 案 す る。 NOTAは
ル タ イ ム に 情 報 を 書 き込 み(協
同 編 集 機 能)、(2>情
して 閲 覧 す る こ とが で き(情 報 共 有 機 能)、(3)直
、(1)複
報 を 蓄 積 して い つ で も ウ ェ ブ ペ ー ジ と
接 操 作 に よ っ て 手 書 き線 や 写 真 を 含 め た
自 由 な レ イ ア ウ トを作 成 可 能 な シ ス テ ム で あ る。NOTAの
3。NOTAを
数 の 人 が ブ ラ ウザ 上 で リア
使 い 方 と実 装 に つ い て 述 べ る。
拡 張 す る ア プ リ ケ ー シ ョ ン ・プ ラ ッ トフ ォ ー ム の 実 現
地 域 コ ミュニ テ ィの ため の シ ス テ ム は、利 用者 の リテ ラ シー や活 動 の様 態 に あわ せ て シ ス
テ ム を コ ミ ュニ テ ィ 内 部 で 改 変 で き る よ う に す る こ とが 重 要 で あ る と考 え 、NOTAに
プ リケ ー シ ョ ン ・プ ラ ッ ト フ ォ ー ム と して の 機 能(NOTA
て 、NOTAの
API)を
利 用 方 法 を 大 き く変 え る よ う な 変 更 をNOTAに
、ア
実 装 した。 これ に よっ
加 え る こ とが 可 能 に な っ た
が 、 そ の 具 体 的 な 仕 様 と、 実 現 可 能 な機 能 に つ い て 述 べ る。
4.NOTAの
利 用 事 例 の 評 価 と有 効 性 の 検 証
実 際 にNOTAを
使 っ て コ ミ ュ ニ テ ィ活 動 に応 用 した 事 例 を 、(1)NOTAの
して 活 用 した 事 例 と(2)NOTA自
ま た 、NOTAの
*1ウ
ェ ブ サ イ トは
使 い方 を工 夫
体 を 改 良 して 利 用 した 事 例 を そ れ ぞ れ 挙 げ 、 詳 述 す る。
有 効 性 を 検 証 し、 評 価 す る。
、http://nota.jp/network/
'
第1章
1.3
5
序論
論 文 の構 成
本 論 文 は 以 下 の よ う に構 成 さ れ る 。 図1.1に
第2章
論 文 の 構 成 を示 す 。
従来 の開発 ス タイル
本 研 究 の 背 景 と して 従 来 の 開 発 ス タ イ ル に 関 す る研 究 に つ い て 述 べ 、 そ れ ら の 問 題 点 を 指
摘 す る。NOTAの
第3章
シ ス テ ム に 関 連 す る研 究 に つ い て は 、 第7章
で 述 べ る。
共生 開 発 ス タイ ルの提 案
コ ミ ュ ニ テ ィ活 動 支 援 の た め の 新 しい 開 発 形 態 で あ る 「共 生 開 発 ス タ イ ル 」 を 提 案 す る。 従
来 の 開 発 手 法 と比 較 し、共 生 開 発 ス タ イ ル の メ リ ッ トを 明 らか に す る 。 本 研 究 を進 め る過 程
に お い て 、 横 浜 市 でNOTAを
第4章
NOTAの
NOTAの
第5章
設 計 と開 発
使 い 方 、 シ ス テ ム構 成 、 実 装 、 新 規 性 に っ い て 詳 細 に 述 べ る 。
ア プ リ ケ ー シ ョ ン ・プ ラ ッ トフ ォ ー ム と して のNOTA
NOTAに
「NOTA
第6章
実 装 し た 、 ア プ リケ ー シ ョ ン ・プ ラ ッ トフ ォ ー ム と して の 機 能 に つ い て 述 べ る 。
API」
NOTAの
NOTAを
と呼 ば れ る-・連 の イ ン タ フ ェ ー ス に つ い て も述 べ る。
利 用 事 例 と応 用
コ ミ ュ ニ テ ィで 利 用 した 事 例 を 紹 介 す る 。 ま た 、 共 生 開 発 ス タ イ ル に よ っ て 開 発
さ れ たNOTAの
第7章
利 用 して 共 生 開 発 ス タ イ ル が 広 が っ た プ ロ セ ス を説 明 す る。
プ ラグイ ンにつ いて述 べ る。
関連 研 究
NOTAに
関 連 す る先 行研 究 を紹 介 し、 本研 究 との 関連 や差 異 を述 べ、 本研 究 の 位 置づ けを
明 らか にす る。
第8章
共生 開 発 ス タ イルの 考察 と今 後 の 展望
共生 開発 ス タイ ルにつ い て、現 在分 か っ て い る課 題や 限 界、今 後 の展 望 につ いて述 べ、本研
究 の さ らな る発 展 につ い て論 述 す る。
第9章
結論
本 論 文 を総 括 す る。
第1章
序論
6
図1.1
論 文 の構 成
7
第2章
従 来 の 開発 ス タイ ル
本 章 で は 本 研 究 の 背 景 と して 従 来 の 開 発 ス タ イ ル に 関 す る研 究 に つ い て 述 べ 、 そ れ ら
の 問 題 点 を 指 摘 す る 。NOTAの
シ ス テ ム に 関 連 す る研 究 に つ い て は 、 第7章
で 述べ る
第2章
2.1
8
従来 の 開発 ス タ イル
は じめ に
第1章
で も触 れ た よ う に 、Webを
利 用 し た コ ミ ュニ テ ィ支 援 シ ス テ ム は 、 地 域 コ ミュ ニ テ ィ な
ど の 広 い 範 囲 の ユ ー ザ ー 層 に も急 速 に 普 及 しつ つ あ る0エ
ン ドユ ー ザ ー の 細 か い 要 求 に 対 応 す る
た め に 、 ソ フ トウ ェ ア の 開 発 手 法 に も従 来 とは 異 な る視 点 が 必 要 に な っ て きて い る。 こ こで は 、 そ
う した 流 れ の 中 で 生 ま れ て き た 新 しい 開 発 手 法 の う ち 、 特 に 本 研 究 と関 わ りの 深 い も の に っ い て
述 べ る。
2.2
ア ジ ャイ ル開 発 手 法
ソ フ トウ ェ ア の 開 発 手 法 と し て 広 く知 ら れ て い る の は 、 ウ ォ ー タ ー フ ォ ー ル 型 と呼 ば れ る 開 発
手 法 で あ る。 プ ロ ジ ェ ク ト全 体 を 「要 求 」 「仕 様 」 「分 析 」 「設 計 」 「プ ロ グ ラ ミ ン グ 」 「検 査 」 「運
用 」 とい っ た 工 程 に分 割 し、 各 工 程 で の 成 果 物 を 明 確 に 定 義 し 、 そ の 成 果 物 に 基 づ い て 後 工 程 の 作
業 を 順 次 行 っ て い く(図2.1)。
後 工 程 に移 行 した 際 に 予 測 し な い 事 態 が 明 ら か に な り前 工 程 に 戻
る こ と も あ る が 、 そ う い っ た 襯 酷 を 引 き 起 こ さ な い た め に 、 仕 様 書 や ドキ ュ メ ン トを 多 く作 成 し、
そ れ ら を 重 視 す る([Rov87])。
ウ ォ ー タ ー フ ォ ー ル 型 は 、 計 画 的 に ソ フ トウ ェ ア 開 発 を進 め る に は 向 い て い る と され る が 、-一方
で 、 開 発 中 に 顧 客 との 交 渉 な ど に よ っ て 頻 繁 に 要 求 が 変 わ る プ ロ ジ ェ ク トに は 、 不 向 き で あ る と
3vεT… 開
臓εQり購 整輪E"マ$
、
、
30「 τwA"ε
靴曜o購Rε 麟彰継▼8
、
、
回
㍉
一1
、
PRO゚RAM
pE81゚N
、
、
回、
、
1'ES
ENG
、
、
OPE円A¥韮0嚇S
図2-1Waterfall
Model
第2章
9
従来 の 開発 ス タイル
指 摘 さ れ て い る 。 ウ ォ ー タ ー フ ォ ー ル 型 に 対 して 、 近 年Beck[Bea]ら
が ア ジ ャ イ ル 開 発 手 法 で あ る*1。 ア ジ ャ イ ル(適
応 型)開
を 中 心 に提 唱 さ れ て い る の
発 手 法 で は 、 最 小 の 単 位 に ソ フ トウ ェ ァ
を分 割 し、 短 い 期 間 を 単 位 と して そ れ ら を 反 復 的 に 開 発 し、 プ ロ ジ ェ ク トを 進 め る。 各 反 復(イ
レ ー シ ョ ン と呼 ば れ る)は
、1つ
テ
の 小 規 模 な プ ロ ジ ェ ク トに 似 た よ う な よ う な 形 態 を と る。 プ ロ
ジ ェ ク トの 全 期 間 を 通 して 「動 い て い る ソ フ トウ ェ ア 」 を作 る こ と を 重 視 す る。 ドキ ュ メ ン トや 文
書 は ウ ォ ー タ ー フ ォ ー ル 型 に 比 べ て 少 な くな る。
ア ジ ャ イ ル 開 発 手 法 は 、 特 に エ ン ドユ ー ザ ー を 対 象 と した ウ ェ ブ シ ス テ ム の 開 発 に 適 して い る。
こ の よ う な シ ス テ ム に お い て は 、 顧 客(エ
ン ドユ ー ザ ー)が
求 め る 要 求 は あ らか じめ 明 確 で は な
い 。 は じ め に 最 小 限 の 機 能 を 実 装 して 試 験 的 に公 開 し、 ユ ー ザ ー の 反 応 を 見 た 上 で 仕 様 を 変 化 さ
せ な が ら シ ス テ ム を 開 発 して い く手 法 は、 迅 速 に ユ ー ザ ー の 要 求 に 応 え る こ とが で き る 。
ま た 、 開 発 組 織 の 形 態 も ウ ォ ー タ ー フ ォ ー ル 型 とア ジ ャ イ ル 型 で は 異 な る。 前 者 が 多 数 の 開 発
者 が い る秩 序 を 重 視 す る組 織 文 化 に 適 して い る の に 対 し て 、 後 者 は 、 少 な い 開 発 者 が 混 沌 と した
状 況 に 意 欲 を 持 っ て 取 り組 む 組 織 文 化 に適 して い る と さ れ る[BT04]。
オ ー プ ン ソー ス ・コ ミ ュ ニ
テ ィ は 、 後 者 の 組 織 文 化 を持 っ て い る こ とが 多 く、 ア ジ ャ イ ル 型 が 適 して い る。
2.3
オ 」 プ ン ソ-ス
・コ ミ ュ ニ テ ィ
オ ー プ ン ソ ー ス ・コ ミ ュ ニ テ ィ[Sta02]は
、 ソ フ トウ ェ ア の ソー ス コー ドを イ ン タ ー ネ ッ トに 公
開 し、 世 界 中 か ら有 志 の プ ロ グ ラ マ ー が 集 ま っ て 仮 想 的 な コ ミ ュ ニ テ ィ を 形 成 し、少 しず っ 開 発 に
貢 献 す る こ とに よ っ て ソ フ トウ ェ ア を 開 発 す る形 態 で あ る 。 こ の よ う な コ ミ ュ ニ テ ィ で 開 発 す る
と、 ソー ス コ ー ドが 公 開 さ れ て い る こ とに よ っ て 学 習 が 可 能 に な っ た り、 バ グ の 原 因 を 自分 で 確 か
め て 修 正 す る こ とが で き た りす る な どの メ リ ッ トが あ る。 「ソ ー ス コ ー ドが 共 通 言 語 」 とい わ れ る
よ う に 、 ソー ス コ ー ドを 理 解 で き る開 発 者 だ け が 参 加 す る コ ミ ュ ニ テ ィで あ る。
2.4
従 来 の開 発 ス タ イル の 問題 点
ウ ォ ー タ ー フ ォ ー ル 型 と ア ジ ャ イ ル 型 は 、 どち ら も企 業 の 工 業 的 な ソ フ トウ ェ ア 開 発 の た め の 手
法 で あ る 。 ア ジ ャ イ ル 型 に よ っ て 、 ユ ー ザ ー の 要 求 に 柔 軟 に 対 応 し な が ら ソ フ トウ ェ ア を 開 発 す
る こ とが 可 能 に な っ た が 、Webサ
ー ビ ス や 製 品 と して 開 発 さ れ た ソ フ トウ ェ ア で は 、 地 域 コ ミ ュ
ニ テ ィで 必 要 と さ れ る細 か な 要 求 を 満 た せ な い とい う問 題 を 抱 え て い る 。 中 に は ソ フ トウ ェ ア を
ユ ー ザ ー が 細 か く カ ス タ マ イ ズ で き る よ う に して い る もの も あ るが 、1つ
の製 品 として開 発 す る
以上 、 限界 が あ る。
一 方 、 オ ー プ ン ソ ー ス ・コ ミ ュ ニ テ ィ で は 、 開 発 者 が 自 ら必 要 とす る ソ フ トウ ェ ア が 多 く作 られ
る と い う特 徴 が あ る 。 オ ー プ ン ソ ー ス ・コ ミ ュ ニ テ ィ で は 、 既 存 の ソ フ トウ ェ ア で は 実 現 で き な
い 細 か な 要 求 が あ っ た 場 合 に 、 自 ら開 発 す る こ とで 対 応 し て い る。 しか し、 前 述 した よ う に 、 オ ー
プ ン ソ ー ス ・コ ミ ュ ニ テ ィ は 、 ソ ー ス コ ー ドを理 解 で き な い 人 が 参 加 す る こ とは で きず 、 コ ミ ュ ニ
*1類
似 の 開発 手法 として
、Scrum(1986)や
エ ク ス ト リ ー ム ・プ ロ グ ラ ミ ン グ(XP)【Bec99エ(1996)な
どが あ る
第2章
従来 の開発 ス タイ ル
10
テ ィ に お い て 開 発 者 で は な い 市 民 と開 発 者 が 協 働 し、 市 民 か ら寄 せ ら れ る要 求 を も とに 開 発 を す
る といった こ とはなか った。
2.5
共 生 プ ログ ラ ミン グ
これ に 対 して 、 近 年 、NPOや
市 民 に よ る社 会 的 な ソ フ トウ ェ ア 開 発 も行 わ れ る よ う に な っ て き
た 。 石 田 ら は 、 筆 者 ら も参 加 した パ ネ ル デ ィ ス カ ッ シ ョ ン[高 崎06]に
お い て 、 開 発 者 と利 用 者 が
入 り交 じ っ た コ ミ ュ ニ テ ィ を 形 成 し、 そ の コ ミ ュ ニ テ ィ に お い て 参 加 者 自 身 の た め の ソ フ トウ ェ
ア を 開 発 す る手 法 と して 「共 生 プ ロ グ ラ ミ ン グ 」 を提 唱 した 。 石 田 は 、 共 生 プ ロ グ ラ ミ ン グ と工 業
的 な ソ フ トウ ェ ア 開 発 の 違 い を 以 下 の よ う に 指 摘 して い る 。
NOTAの
コ ミ ュ ニ テ ィ に お け る 開 発 も こ の 「共 生 プ ロ グ ラ ミ ン グ 」 が 行 わ れ て い る とい っ て よ
い だ ろ う。 しか し、 共 生 プ ロ グ ラ ミ ン グ の 概 念 は ま だ 明 確 で は な く、 そ の 定 義 も曖 昧 で あ る。 本 論
文 で は 、NOTAの
事 例 に お け る 開 発 ス タ イ ル を 「共 生 開 発 ス タ イ ル 」 と名 付 け 、 共 生 プ ロ グ ラ ミ
ン グ を 含 む 概 念 と して 定 義 して い る。 第3章
に お い て 、NOTAの
開 発 形 態 を事 例 と し て 共 生 開 発
ス タ イ ル に つ い て 詳 し く述 べ る 。
2.6
ま とめ
本 章 で は 、 本 研 究 に 関 連 す る研 究 を ソ フ トウ ェ ア の 開 発 形 態 の 側 面 に 着 目 し て 紹 介 した 。 従 来
のWebサ
ー ビ ス や 製 品 と して 開 発 さ れ た ソ フ トウ ェ ア で は 、 地 域 コ ミ ュニ テ ィで 必 要 と さ れ る細
か な 要 求 を 満 た せ な い とい う問 題 を 指 摘 した 。 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ に お い て 市 民 が 開 発 に 参 加 す る
こ とで 、 そ れ らの 問 題 を解 決 して い く必 要 性 が あ る と考 え る 。
11
第3章
共 生 開発 ス タ イル の提 案
本 章 で は 、 市 民 やNPOに
よ る 社 会 的 な ソ フ トウ ェ ア の 開 発 ア プ ロ ー チ で あ る 「
共生
開 発 ス タ イ ル 」 を 提 案 す る 。 本 研 究 を 進 め る 過 程 に お い て 、 横 浜 市 でNOTAを
て共 生 開発 ス タイル が広 が った プロセ ス を説 明 す る。
利用 し
第3章
3.1
共生 開 発 ス タイ ルの提 案
12
は じめ に
本 章 で は 、市 民 やNPOに
発 したNOTAは
よ る社 会 的 な ソ フ トウ ェ ア の 開 発 ア プ ロ ー チ に つ い て 述 べ る 。 私 が 開
、 地 域 の コ ミ ュ ニ テ ィ活 動 と持 続 的 な 関 わ りを 持 ち な が ら、 開 発 者 以 外 の 人 も参
加 す る 開 発 コ ミ ュ ニ テ ィ に お い て 、 開 発 と普 及 が 進 め ら れ た 。 本 研 究 で は、 こ の よ うな 開 発 者 一普
及 者-利
用 者 が 一 体 とな っ た 共 生 的 な コ ミ ュ ニ テ ィ に よ る 開 発 を 、 「共 生 開 発 ス タ イ ル 」 と呼 び 、
そ の 概 念 を 詳 し く述 べ る 。
また 、本 研 究 に お い て 、2005年10月
か ら形 成 さ れ たNOTAの
ネ ッ トワ ー ク 」 に つ い て 述 べ る 。NOTAネ
開 発 コ ミ ュニ テ ィ で あ る 「NOTA
ッ トワ ー ク は 、 NOTAの
開 発 を行 う と同時 に、 メ ン
バ ー ら が 横 浜 市 の 市 民 活 動 に お い て 積 極 的 に 用 い た た め に 、 現 在 約2000∼3000人
のユ ーザ ーが利
用 して い る。 本 研 究 の 共 生 開 発 ス タ イ ル の 提 案 は 、 筆 者 が 実 際 に 関 わ っ た 横 浜 市 に お け るNOTA
ネ ッ トワー ク の 活 動 か ら得 られ た 知 見 を 元 に して い る 。
3.2
3.2.1
共 生 開 発 ス タ イル の 提案
共生 開発 ス タイ ル の定義
本 研 究 は、 市 民 が ソ フ トウ ェ ア を 開 発 し、 コ ミ ュニ テ ィ で 運 用 す る 中 で 得 ら れ る フ ィ ー ドバ ッ ク
を 元 に 継 続 的 に 改 良 して い く開 発 形 態 を 「共 生 開 発 ス タ イ ル 」 と定 義 す る 。 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ に
お い て は 、 シ ス テ ム の 選 択 と開 発 の プ ロ セ ス は 、 従 来 の ソ フ トウ ェ ア 開 発 とは 異 な る もの に な る 。
コ ミ ュ ニ テ ィ活 動 支 援 シ ス テ ム を 研 究 す る に あ た り、 シ ス テ ム だ け で な く、 シ ス テ ム の 背 後 に あ
る コ ミ ュ ニ テ ィ 活 動 や 開 発 手 法 も研 究 の 対 象 と して い る。 な ぜ な ら、 シ ス テ ム は コ ミ ュ ニ テ ィ に
お け る 人 的 な ネ ッ ト ワ ー ク や 社 会 的 な コ ン テ キ ス トの 中 に 位 置 づ け られ 、 そ れ らの 理 解 な し に は 、
有 効 な シ ス テ ム は 開 発 で き な い と考 え る か らで あ る 。
3.2.2
共生 開発 ス タイ ル の特徴
以 下 に 、石 田 が 指 摘 し た 共 生 開 発 ス タ イ ル の 各 項 目 に つ い て 詳 し く述 べ る。 参 考 の た め 、 工 業 的
な 開 発 と共 生 開 発 ス タ イ ル 比 較 を表3.1に
示す。
第3章
13
共生 開発 ス タイ ルの提 案
明確 な 発注 者が い な い
工 業 的 な ソ フ トウ ェ ア 開 発 に お い て は 、 発 注 者 は 対 価 を 払 っ て ソ フ トウ ェ ア の 開 発 を 依 頼 す る
が 、 共 生 開 発 ス タ イ ル に お い て は 、 開 発 者 と利 用 者 が1つ
の コ ミ ュ ニ テ ィ を 形 成 して お り、 開 発 の
仕 様 も開 発 者 だ け が 決 め る わ け で は な い 。 プ ロ セ ス と して は 、複 数 の 組 み 合 わ せ が あ る が 、 ア ジ ャ
イ ル 開 発 の よ う に 小 さ な プ ロ ジ ェ ク ト を反 復 的 に 繰 り返 し、 ソ フ トウ ェ ア を 開 発 す る と い う特 徴
が 見 られ る。 そ の プ ロ ジ ェ ク トの 中 で は、 要 求 定 義 や 開 発 、 バ グ修 正 な ど作 業 に 明 確 な担 当 者 は 存
在 しな い 。NOTAネ
ッ トワ ー ク の 場 合 は 、 運 営 方 針 と して 「この 指 止 ま れ 方 式 」 で 進 め る こ と を
決 め て い る。 こ の 指 止 ま れ 方 式 とは 「何 か を や りた い 人 が メ ー リ ン グ リス トや 会 合 で 提 案 し、 賛 同
者 が 集 ま れ ば そ の 人 を 中 心 に 行 動 す る とい うや り方 の こ と」 で あ る(付
録BNOTAネ
ッ トワ ー ク
運 営 方 針 を 参 照)。
明確 な期 限が な い
開 発 に は 、 明 確 な 期 限 が 設 け られ て い な い 。 た だ し、 ワ ー ク シ ョ ッ プ や セ ミナ ー な ど対 外 的 な イ
ベ ン トが 行 わ れ る と、期 限 を設 定 す る こ と も あ る。 プ ロ ジ ェ ク ト全 体 で 、完 成 の 基 準 が 曖 昧 で あ る
た め 、期 限 が 決 め られ な い と も い え るだ ろ う。 発 注 者 との 金 銭 的 な 授 受 が な い こ とや 、 ビ ジ ネ ス 的
な 競 合 との 競 争 が な い こ とが 原 因 と して 考 え られ る。 た だ し、 完 成 の 基 準 が 明 確 で な い と は い え 、
完 成 度 が 高 くな け れ ば 、 実 際 に は 使 用 され な い 。 そ の た め 、 開 発 に 関 わ る 者 に は 、 コ ミ ュ ニ テ ィ 内
で の 期 待 が 寄 せ ら れ る た め 、 完 成 度 を あ げ る た め の 圧 力 は 存 在 す る と い え る だ ろ う。 共 生 開 発 ス
タ イ ル に お い て は 、 コ ミ ュ ニ テ ィ の 活 動 が 本 流 と して あ り、 ソ フ トウ ェ ア の 開 発 は 、 そ れ に 準 ず る
もの と して 位 置 づ け られ る 。
効 率 を あ ま り考 え な い
第2章
で 挙 げ た よ う な 工 業 的 な 開 発 手 法 は、 い ず れ も、 期 限 内 に で き る だ け 効 率 的 に 開 発 で き る
よ う リス ク を 軽 減 しな が ら開 発 す る た め に 考 案 さ れ た 。 し か し、 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ に お け る共 生
開 発 ス タ イ ル で は 、 効 率 は 重 要 で は な い 。 多 少 効 率 が 悪 くて も メ ンバ ー の 参 加 意 欲 が 重 視 さ れ る。
参 加 意 欲 は 、 プ ロ ジ ェ ク トに 対 す る 自 身 の 仕 事 の 貢 献 度 合 い や 、 プ ロ ジ ェ ク トの構 成 員 の 魅 力 、 プ
ロ ジ ェ ク トを 通 じ て 得 ら れ る学 習 度 合 い な ど に よ っ て 高 め られ る。
ソ フ ト開 発 が コ ミ ュニ テ ィ と-体
化 して いる
繰 り返 し述 べ た よ う に 、 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ と の 持 続 的 な 関 わ りを 持 ち な が ら 開 発 が 行 わ れ る こ
とが 大 き な特 徴 で あ る 。 開 発 は、 コ ミ ュ ニ テ ィ 活 動 の 中 に 組 み 込 ま れ て お り、 活 動 と開 発 は相 補 的
な 関 係 に な る。 コ ミ ュ ニ テ ィ の メ ンバ ー は あ る程 度 固 定 さ れ て い る が 、 す べ て の メ ン バ ー が 定 常
的 に 作 業 を す る わ け で は な い 。 他 人 に依 頼 され た り、 自分 か ら名 乗 り出 た り して 、 興 味 の あ る プ ロ
ジ ェ ク トに 参 加 す る。
第3章
14
共 生開 発 スタ イルの提 案
表3.1
利 用 目的
コ ミ ュ ニ テ ィ活 動 支 援 シ ス テ ム の 分 類
ビ ジネ スの遂 行 支援
仮 想 的 な コ ミュニ テ
地域 活 動 支援
ィ に お け る情 報 交 換
対象
企 業 ユー ザ ー
エ ン ドユ ー ザ ー
地域 コ ミュニ テ ィ
開 発 手法
ウ ォー ター フ ォー ル
ア ジ ャイ ル型 な ど
共 生開 発 ス タイ ル な
ど
型 な ど
開 発 主体
企業
企業
地域 コ ミュニ テ ィ
開 発 者 と利用 者 の 区分
明確
明確
曖昧
評価
個 々人 に対 す るア ン
同左
コ ミュニ テ ィに お い
ユ ーザ ー特性
3.2.3
ケ ー ト等 に よ る 認 知
て 事例 や 組織 を 含 め
心 理学 的 評価
て 総 合 的 に評 価
リテ ラ シー が あ る こ
先 進 的 な ユ ーザ ーか
地 域 活 動 をす る人 が
とが 前 提
ら使 い 始 め る
利 用 し、 普 及 す る
共生 開発 ス タイル の メ リッ ト
共 生 開 発 ス タ イ ル を 行 う メ リ ッ トは 以 下 の 通 りで あ る。 こ こ で は 、 従 来 の 開 発 ス タ イ ル と比 較
して 優 位 点 を 述 べ る 。
共生 開 発 ス タイル の メ リッ ト
● 効 率 を あ ま り考 え ず に シ ス テ ム を継 続 して 開 発 で き る。
● 利 用 者 の フ ィー ドバ ッ クが た だ ち に 得 ら れ る 。
● 開 発 者 と コ ミ ュ ニ テ ィが 一 体 に な っ て い るた め 必 要 な 機 能 だ け を作 れ ば よ い 。
・ 高 い モ チ ベ ー シ ョ ン を保 っ て 楽 し く開 発 で き る。
効 率 を あ ま り考 え ず に シ ス テ ム を 継 続 して 開 発 で き る
す で に 指 摘 した よ う に 、 工業 的 な 開 発 手法 は 、 ビ ジ ネ ス 的 な 要 請 か らで き る だ け 速 く少 な い 経 費
で 効 率 的 に 開 発 す る必 要 が あ るが 、 共 生 開 発 ス タ イ ル に お い て は そ の 必 要 が な い 。 そ の た め 、 効 率
を あ ま り考 え ず に 開 発 す る こ とが で き、 プ ロ ジ ェ ク トは 経 済 的 な 理 由 で 終 了 す る こ とが な い。
利 用 者 の フ ィ ー ドバ ッ ク が た だ ち に 得 ら れ る
ソ フ トウ ェ ァ 開 発 と コ ミ ュ ニ テ ィ の 活 動 が 一 体 に な っ て い る た め 、 開 発 した ソ フ トウ ェ ア は す
ぐ に コ ミ ュ ニ テ ィ 内 で 試 験 的 に 利 用 さ れ 、 フ ィ ー ドバ ッ ク を 得 る こ とが で き る 。 オ ー プ ン ソ ー ス
コ ミ ュニ テ ィ に お い て は 、 一 部 の 先 進 的 な ユ ー ザ ー か らの フ ィー ドバ ッ ク を 得 る こ と は で き る が 、
一 般 の ユ ー ザ ー か ら の フ ィ ー ドバ ッ ク を 得 る こ と は 難 し い
。共 生開 発 ス タイ ルで は 、 ソ フ トウェ
第3章
15
共生 開 発 ス タイ ルの提 案
ア 開 発 以 外 の コ ミ ュ ニ テ ィ活 動 に 参 加 し て い る ユ ー ザ ー も ソ フ ト ウ ェ ア を 利 用 す る た め 、 フ ィ ー
ドバ ッ ク を 得 る こ とが で き る 。
開発 者 と コ ミュニ テ ィが 一体 にな って い るた め必 要 な機 能 だ けを作 れ ば よ い
工 業 的 な 開 発 に お い て は 、 顧 客 の た め に 開 発 す る こ とが 当 た り前 だ っ た 。 しか し、共 生 開 発 ス タ
イ ル で は 、 コ ミ ュ ニ テ ィ 内 で 要 求 が あ る もの だ け を 開 発 す る た め 、 自 分 も し くは 自 分 に近 い ユ ー
ザ ー の た め に 開 発 す る こ と に な る。
高 い モ チ ベ-シ
ョ ン を 保 っ て 楽 し く開 発 で き る
共 生 開発 ス タイ ル に お け る開 発者 の モ チペ ー シ ョン は高 い 。 コ ミュニ テ ィ内で ユ ー ザ ー の要 求
が あ る もの だ け を 開 発 す るた め 、 ユ ー ザ ー の 顔 が 見 え る こ とや 、 そ も そ も興 味 の あ る プ ロ ジ ェ ク ト
に しか 参 加 し な い こ とが 、 そ の 要 因 で あ る 。
3.3
NOTAネ
3.3.1
NOTAネ
ッ ト ワ-ク
ッ ト ワ-ク
筆 者 は 、NOTAと
の形 成
い う情 報 共 有 シ ス テ ム を 開 発 す る過 程 で 、2005年
地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ にNOTAが
よ り横 浜 市 都 筑 区 に お い て
持 ち 込 まれ 、 有 志 に よ り開 発 コ ミ ュ ニ テ ィ が 形 成 され 、 共 生 開 発 ス
タ イ ル が 広 が っ て い く過 程 を 経 験 した 。
NOTAが
横 浜 市 の コ ミ ュ ニ テ ィ に広 が っ た 過 程 は 以 下 の4つ
つ ず つ 説 明 す る 。 よ り詳 細 な デ ー タ は 「付 録ANOTAネ
の 段 階 に 分 け る こ とが で き る。1
ッ トワ ー ク の 活 動 履 歴 」 に 記 載 した 。
な お 、 本 節 に お け る引 用 文 は 、 共 著 『科 学 技 術 実 践 の フ ィ ー ル ド ワ ー ク』 の 「学 習 環 境 の デ ザ イ
ン の た め の ネ ッ トワ ー ク指 向 ア プ ロ ー チ 」[上 野06b]か
開 発 者 が-人
NOTAは
で 開 発 して い た 段 階(2003年
、 「Webの
ら抜 粋 した も の で あ る。
∼2004年12月)
コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 容 易 に す る 」 と い う コ ンセ プ トの も と に 私 が 一 人 で
開 発 して い た 。
筆 者 の 一 人 がNOTAを
ル ー プ の た め に 、NOTAの
初 め て 知 っ た と き 、 あ るITベ
ン チ ャ ー が 、 こ の 開 発 者 と学 生 グ
普 及 、 展 開 、 ビ ジ ネ ス 化 を 担 当 して い た 。 こ のITベ
ンチ ャー
第3章
16
共 生 開発 ス タ イル の提案
は 、 ま ず 、 あ る 商 用 サ イ トで100ア
カ ウ ン トを フ リー で 配 布 した 。 し か し、 こ こ でNOTA
は ほ とん ど使 わ れ る こ と は な か っ た 。 例 え ば 、 こ のITベ
ン チ ャ ー のNOTAの
営 業担 当者
に よれ ば 、 この サ イ トの ほ と ん ど の ユ ー ザ ー は 、 一 度 だ け 少 し落 書 き や 書 き込 み を す る だ け
で 、 そ れ 以 降 、NOTAに
ア クセ ス す る こ とは な か っ た 。 こ う した こ とか ら 、 従 来 的 な ビ ジ
ネ ス モ デ ル の 観 点 で 、NOTAは
この企 業 内 で収 益 の 出 な いシ ス テム とみ な された 。 そ の中
で 、 担 当 者 は 苦 闘 して い た 。
横 浜 市 に お い て 一 部 の コ ミ ュ ニ テ ィ に 利 用 さ れ 始 め た 段 階(2004年12月
NOTAは
∼2005年
冬)
、 横 浜 市 に お い て 「市 民 グ ル ー プ の 間 で 、 さ ま ざ ま な コ ミ ュ ニ テ ィ が コ ラ ボ レ ー シ ョ
ン した り、 お 互 い の 存 在 や 活 動 を 可 視 化 す るた め の ツ ー ル の 要 求 」 が あ り、 そ の た め の ツ ー ル と し
て利用 され始 め た。
そ の よ う な と き、2004年12月
会 でNOTAの
、 た また ま この 論 文 の 執 筆 者 の 一 人 が 、京 都 で の あ る研 究
存 在 を知 り、 この 京 都 の 学 生 グ ル ー プ の 一 人 か らア カ ウ ン トを提 供 して も ら
い 、 地 域 の 市 民 グ ル ー プ に 紹 介 した 。 ま ず 、 筆 者 は 、 地 域 のWeb技
域 に 普 及 す る の に 熱 心 だ っ た 市 民 にNOTAを
を 行 っ た 。 こ の 市 民 は 、NOTAに
紹 介 し、 ま た 、 ア カ ウ ン トの 提 供 の ア レ ン ジ
つ い て の 情 報 を た だ ち に地 域 の メ ー リ ン グ ・リ ス トで 流
し、 これ を 見 た 他 の 何 人 か の 市 民 もNOTAの
て1ヶ
月 以 内 に 少 な く と も3つ
術 に 詳 し く、 技 術 を 地
のNOTAサ
ア カ ウ ン トを得 た 。 筆 者 がNOTAを
イ トが 作 られ 、 そ こへ1000か
紹介 し
ら2000の
アク
セ ス が な され た 。
メ ー リ ン グ ・リス トや 直 接 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 通 して 、た ち ま ち 、NOTAは
トワ ー ク の 中 で 有 名 に な り、 さ ま ざ ま なNOTAサ
地域 ネ ツ
イ トが 作 られ る よ うに な っ た 。 横 浜 の 地
域 の 市 民 グ ル ー プ は 、 い ろ い ろ な テ ー マ で の コ ミ ュ ニ テ ィ を形 成 して お り、大 学 と も い ろ い
ろ な 活 動 を 通 し て 、 も と も とつ な が りが あ る 程 度 で きて い た 。 この よ う な状 況 の 中 で 、 市 民
グ ル ー プ の 間 で は 、 さ ま ざ ま な コ ミ ュ ニ テ ィ が コ ラ ボ レ ー シ ョ ン した り、 お 互 い の 存 在 や 活
動 を可 視 化 す る た め の ツ ー ル の 要 求 が 高 か っ た 。 こ う い う こ とか ら、 こ こ2、3年
ル ー プ は 、Blog、 Xoops、
Wikiな
ど 自 らサ ー バ ー に イ ン ス トー ル して 、 試 験 的 に 運 用 、 あ
る い は 、 実 際 の 運 用 を 行 っ て きた 。 こ うい う と こ ろ にNOTAは
に 、NOTAは
、 市民 グ
紹 介 さ れ た の で あ り、 ま さ
、 市 民 グ ル ー プ に とっ て さ ま ざ ま な こ と を 可 能 に し、 約 束 す る道 具 だ っ た の
で あ る。
NOTAの
開 発 コ ミ ュ ニ テ ィ 「NOTAネ
階(2005年
NOTAの
冬 ∼2006年
ッ トワ ー ク 」 が 形 成 さ れ 、 共 生 開 発 ス タ イ ル が 始 ま っ た 段
春)
利用 方 法 や改 良 方法 に興 味 を持 つ有 志 が集 ま って地 域 コ ミュニ テ ィの 活動 と リンク し
た 開 発 コ ミ ュ ニ テ ィ を形 成 し、 共 生 開 発 ス タ イ ル が 始 ま っ た 。
実 際 に こ れ まで 見 て き た よ う な 形 でNOTAが
さ まざ ま に用 い られ る中 で 明確 に オ ー プ
ン ソ ー ス 的 な コ ミ ュ ニ テ ィ を 形 成 して い こ う と い う 方 向 が 出 て き た 。2005年
の初 夏 に、
第3章
17
共生 開発 ス タイ ルの提 案
NOTA開
発 者 の 永 田 お よ び 関 係 して い たITベ
NOTAの
技 術 的 な 情 報 を 提 供 し、 ま た 、 NOTAの
ンチ ャー が 、上 野 に コ ン タ ク トを と り、
使 用 例 を紹 介 す るNOTAポ
ー タ ルサ イ
トを構 築 す る こ とを 提 案 した 。 こ う した こ と を き っ か け に、地 域 市 民 グ ル ー プ、永 田 、ITベ
ン チ ャー 、学 生 、院 生 、 上 野 な どが 参 加 して 、数 回 の 会 議 が 行 わ れ 、 「NOTAネ
と呼 ば れ る コ ミ ュ ニ テ ィが 形 成 さ れ た 。 こ の 会 議 の 中 で 、NOTAの
ッ トワ ー ク 」
プ ロ グ ラ ム を 「NOTA
ネ ッ トワ ー ク」 の 参 加 者 に フ リー で 配 布 す る こ と、 ポ ー タ ル サ イ トは 、 こ の 会 議 の メ ンバ ー
に よ っ て 運 営 し て い く こ とが 決 定 さ れ た 。 こ の 会 議 、 お よ び 、 メ ー リ ン グ リ ス トの 中 で 、
NOTA使
NOTAを
(2006年
NOTAは
用 上 の 規 約 な ど も議 論 され た 。
拡 張 す るプ ラグ イ ンが コ ミ ュ ニ テ ィ 内 で 開発 さ れ 多 くの コ ミ ュニ テ ィに 普 及 した段 階
春 ∼2007年)
、 汎 用 性 の 高 い シ ス テ ム だ っ た た め 、 NOTAネ
さ ま ざ ま な 形 で 工 夫 し て 用 い ら れ て い た が 、NOTA自
ッ トワ ー ク 内 で 無 料 で 配 布 して 以 後 、
体 を 拡 張 で き る よ う に す る た め 、2005年
11月 に プ ラ グ イ ン ・プ ロ ジ ェ ク ト ・ミー テ ィ ン グ を 開 き、NOTAを
か が 話 し合 わ れ た 。 私 は 、2006年
がNOTAを
どの よ う に拡 張 し て い き た い
夏 よ り共 生 開 発 ス タ イ ル に よ る開 発 を促 進 す る た め に 、 利 用 者
拡 張 で き る プ ラ グ イ ン機 能 を 追 加 し た 。 こ の 結 果 、 NOTAを
応用 した地 図 シ ステ ム
や 、 ビデ オ会 議 シ ス テ ム 、 障 害 者 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン シ ス テ ム な どが 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ 内 で 開 発 さ
れ た(詳
NOTAの
細 は第6章
を 参 照)。2006年9月
に は 横 浜 市rf∫
民 活 動 支援 セ ン タ ー に お け るIT講
講 座 が 行 わ れ た(図3.1),
図3.1横
浜 市 市 民 活 動 支 援 セ ン タ ー に お け るNOTAの
講 座 の様 子
習 会で
第3章
共 生 開発 ス タイル の提 案
3.3-2
NOTAネ
18
ッ トワ ー ク の 実 践
上 述 した よ うに 、NOTAの
開 発 コ ミ ュ ニ テ ィ 「NOTAネ
ッ トワ ー ク 」 に は 、 さ ま ざ ま な 立 場 の
人 が 参 加 し て い る。 も と も と、 市 民 の コ ミュ ニ テ ィか ら派 生 した コ ミ ュ ニ テ ィ で あ る た め 、 当 初 か
ら 「プ ロ グ ラ マ ー で は な い 人 も参 加 で き る オ ー プ ン ソ ー ス 的 ネ ッ ト ワ ー ク 」 で あ る こ と を表 明 し
て い た 。 現 在 の メ ンバ ー は 、 横 浜 の 市 民 、 大 学 の 研 究 者 、 学 生 、 小 学 校 教 諭 な ど約50人
れ て い る 。 これ は 、Linuxな
で構成 さ
どの い わ ば プ ロ集 団 に 閉 じた オ ー プ ン ソ ー ス で は な く、新 しい 形 態 の
オ ー プ ン な 開 発 コ ミ ュ ニ テ ィ を 志 向 して い る 。
NOTAで
は 、 開 発 が 容 易 なFlashア
プ リケ ー シ ョ ン や ク リ ッ プ ア ー トをNOTA上
で 簡 単 に貼
り付 け て 動 作 さ せ る こ とが で き る た め 、 今 まで 開 発 に 参 加 した こ とが な い 人 た ち が 開 発 に加 わ る
こ とが で き る 。NOTAがWebア
プ リ ケ ー シ ョ ン の 基 盤 を 提 供 し、 ユ ー ザ ー が 求 め る ア プ リケ ー
シ ョ ン を 普 及 させ る た め の 触 媒 と して 働 く。 そ の 結 果 、 た だ ち に コ ミ ュ ニ テ ィ活 動 で 利 用 可 能 な
ソ フ トウ ェ ア が 開 発 で き る 。
ま た 、NOTAネ
ッ トワ ー ク お よ び 周 辺 の コ ミ ュ ニ テ ィ で は 、 市 民 活 動 の 支 援 の た め に ワ ー ク
シ ョ ッ プ や 教 室 、 地 域 イ ベ ン トな どでNOTAの
2006年3月
利 用 につ いて 他 の 市 民 に伝 えて い る。 例 え ば、
に は 横 浜 市 の 「つ づ き人 フ ェ ス タ 」 でNOTAの
め にNOTAネ
展 示 を し た(図32)。
この展 示 の た
ッ トワ ー ク の メ ンバ ー が 協 力 した 。 ノ ー トパ ソ コ ン を 持 ち 込 ん で そ の 場 で ワ ー ク
シ ョ ッ プ を し た り 、 大 型 タ ッ チ パ ネ ル デ ィ ス プ レ イ を 研 究 室 か ら運 ん でNOTAの
体験 ブー ス を
設 け た り した 。 会 場 に は 、 市 民 活 動 を して い る 市 民 や 、 お 年 寄 り、 子 供 が 立 ち 寄 っ た 。 この と き、
NOTAネ
ッ トワ ー ク で は 、 ユ ー ザ ー 、 サ ポ ー タ ー 、 エ ン ジ ニ ア と書 か れ た3種
し、 配 布 した(図3.3)。
じで あ る(比
類 の バ ッ ジ を制 作
バ ッ ジ の 数 は 、 エ ン ジ ニ ア が 最 も少 な く、 サ ポ ー タ ー とユ ー ザ ー が ほ ぼ 同
率 は 、 ユ ー ザ ー:サ
ポ ー タ ー:エ
ン ジ ニ ア=5:4:1)。
実際 に は、 デザ イ ナ ー、 プロ
グ ラ マ ー 、 サ ポ ー タ ー 、 サ ー バ ー 提 供 者 、 市 民 活 動 の リー ダ ー 、 利 用 者 、 研 究 者 な ど に 細 か く分 類
で き るが 、NOTAネ
3.4
ッ トワ ー ク の お お よ そ の 構 成 を 示 して い る と い え る 。
ま とめ
本 章 で は 、 市 民 やNPOに
よ る社 会 的 な ソ フ トウ ェ ア の 開 発 ア プ ロ ー チ で あ る 「共 生 開 発 ス タ イ
ル 」 と、横 浜 市 に お け るNOTAの
て 述 べ た 。NOTAは
開 発 コ ミ ュニ テ ィ 「NOTAネ
ッ トワ ー ク 」 の 形 成 と実 践 に っ い
、 さ ま ざ ま な 用 途 に 利 用 で き る プ ラ ッ トフ ォ ー ム 志 向 の 設 計 を 持 っ て い た コ
ミ ュ ニ テ ィ に 受 け 入 れ ら れ 、 ま た コ ミ ュニ テ ィの 活 動 に よ っ てNOTA自
が 加 え られ た 。 共 生 開 発 ス タ イ ル に 関 す る よ り詳 し い 考 察 は 第8章
体 もそれ に合 わせ て改 良
で 行 う。
第3章
19
共生 開 発 ス タ イルの提 案
図3.2
つ づ き人 交 流 フ ェ ス タの 活 動 の 様 子
第3章
共 生 開発 ス タイ ルの 提案
20
詮 N
讐
蕊鐸
夢
、ご 犠
ノ ∵ 、
蝋 \\
図33
NOTAバ
ッジ
21
第4章
NOTAの
設 計 と開 発
本 章 で は 本 研 究 に お い て 開 発 したNOTAの
い 方 を 示 し、 シ ス テ ム の 新 規 性 を 以 下 の4つ
シ ス テ ム に つ い て 述 べ る 。 NOTAの
に分 類 し、 説 明 す る 。NOTAを
使
ユ ーザ ー
が 拡 張 す る こ とが で き る ア プ リケ ー シ ョ ン ・プ ラ ッ トフ ォ ー ム の 機 能 に つ い て は、 特 に
重 要 な 部 分 な の で 、 第5章
で 詳 し く述 べ る。
● リ ア ル タ イ ム編 集 の 実 装
● ユ ー ザ ー ア カ ウ ン トと編 集 権 限
●HTMLと
の 互 換 性 とデ ー タ構 造
● 手 書 き線 の 実 装
第4章
4ユ
NOTAの
22
設 計 と開発
は じめ に
近 年 、 ブ ラ ウ ザ 上 で ウ ェ ブ ペ ー ジ を編 集 し た い と い う要 求 か ら 、 ブ ラ ウ ザ か らWebに
画像 を
ア ッ プ ロ ー ド し て 画 像 を共 有 で き る掲 示 板 シ ス テ ム や 、 ブ ラ ウ ザ 上 で ペ ー ジ の 内 容 の 編 集 を 行 う
こ と が で き る シ ス テ ム が 普 及 し た りす る な ど、 動 的 な ウ ェ ブ ペ ー ジ の 作 成 シ ス テ ム が 普 及 しっ っ
あ る。 ブ ラ ウ ザ 上 で 動 的 に ウ ェ ブ ペ ー ジ を 作 成 す る こ と は 、 従 来 の よ う に ク ラ イ ア ン トで 作 成 し
た ペ ー ジ を サ ー バ ー に ア ッ プ ロ ー ドす る手 法 と比 較 し て 、 以 下 の よ うな メ リ ッ トが あ る 。
・ ウ ェ ブ ブ ラ ウ ザ が あ れ ば ど の 端 末 か ら で も 利 用 で き る。
・ ク ラ イ ア ン トの ソ フ トウ ェ ア の 設 定 が 不 要 で あ る 。
● 複 数 人 で ペ ー ジ を 協 調 的 に 編 集 で き る。
しか し、 今 日普 及 して い る こ れ らの シ ス テ ム で は 、編 集 の イ ン タ フ ェ ー ス と し てCGIとHTML
フ ォ ー ム を 連 携 させ て 用 い る こ とが 多 く、 ク ラ イ ア ン ト側 で 用 い る一 般 の ホ ー ム ペ ー ジ 作 成 ソ フ
トウ ェ ア と比 較 し て 、 イ ン タ フ ェ ー ス と機 能 に 多 くの 制 約 が あ る 。 この た め 、 直 接 操 作 を 用 い て
WYSIWYGな
編 集 環 境 を 実 現 した り、 リア ル タ イ ム で ペ ー ジ の 更 新 を行 っ た りす る シ ス テ ム を 構
築 す る こ と は 難 しか っ た 。
こ れ に代 え て 、 ブ ラ ウ ザ 上 で 手 軽 に 編 集 で き る とい う メ リ ッ トを 活 か し な が ら、 上 記 の 欠 点 を 克
服 した ソ フ トウ ェ ア を 開 発 す る こ とが 求 め られ て い る。 本 論 文 で は 、Wikiと
同 様 の 手 軽 さで 、 リ
ァ ル タ イ ム に 動 的 な ペ ー ジ の 更 新 を 行 い 、 か つ 自 由 な レ イ ア ウ トの ペ ー ジ を 直 接 操 作 に よ っ て 作 成
で き る ウ ェ ブ ペ ー ジ の 共 有 シ ス テ ム 「NOTA」
一 般 の ブ ラ ウザ 上 で 動 作 す る。HTMLの
ジ を 、 ドラ ッ グ&ド
サ ポ ー トす る
知 識 が な く と も 、 テ キ ス ト、 画 像 、 図 形 が 混 在 した ペ ー
ロ ッ プ を 多 用 した 分 か りや す い 操 作 方 法 に よ り、 複 数 の メ ンバ ー で 協 調 的 に作
成 お よ び 管 理 す る こ とが で き る。NOTAに
4.2
を 提 案 す る 。 本 シ ス テ ム はFlashを
お け るペ ー ジ の 編 集 の ワ ー ク フ ロ ー を 図4.1に
示 す。
従 来 の シス テム
ロ ー カ ルHTMLペ
ー ジ を 作 成 し、 サ ー バ ー に ア ッ プ ロ ー ドす る従 来 の 方 式 に は 、 二 っ の 欠 点 が
あ る 。 ロ ー カ ル で 管 理 す る た め 、 ペ ー ジ を修 正 す る た び に ア ッ プ ロ ー ド作 業 が 必 要 で あ る こ と と、
ロ ー カ ル ペ ー ジ が 共 有 で き な い た め 、 複 数 人 で の 編 集 作 業 が 難 しい こ とで あ る。 こ の た め 、Web
上 で 手 軽 に ペ ー ジ を 更 新 し た り、 複 数 人 で 協 調 的 に ペ ー ジ を 作 っ て い く こ と は 困 難 だ っ た 。 こ れ
ら の 問 題 を解 決 す る た め に 、 ブ ラ ウ ザ 上 でCGI、
ス テ ム が 考 案 さ れ た 。 そ の 代 表 例 と し てWikiが
wikiは
、 ブ ラ ウ ザ 上 でHTMLペ
Java等
を 利 用 し、 ペ ー ジ の 編 集 を可 能 に す る シ
あ る。
ー ジ 全 体 の 編 集 が 行 え る 点 と、 HTMLタ
グを使用 せ ず に簡 単
な 記 号 を 記 述 す る こ とで 、段 落 の 修 飾 や 、 動 的 な リ ン ク の 作 成 が 可 能 で あ る点 が 優 れ て い る 。 ペ ー
ジ の 編 集 は 各 ペ ー ジ の 最 上 部 に あ る[編 集]と い う リ ン ク を 開 き 、HTMLのFORMタ
グ を利 用 し
た テ キ ス トボ ッ ク ス を 表 示 させ 、 そ の 中 で 本 文 を 編 集 し、[送 信]も し くは[保 存]ボ タ ン を 押 す こ
とに よ っ て 行 う(図4.2)。Wikiに
は 、 編 集 開 姶 と編 集 完 了 後 の 送 信 の 間 の 時 間 差 が あ るた め 、 同
第4章NOTAの
設 計 と開 発
23
NOTAの 制 作 工 程
従 来 の ウ ェ ブ サ イ ト制作 工 程
璽
醗織
.鰹灘 撫鍵,
w
力
加
入成け追
ト作 付 の
ス板貼ク
キ示像 ン
テ掲画 リ
i
轍 膿 認ご鷹 ン
J`」7瓢 鯉
公騨
⊃
⊃
3STEPで 公 開
\
\___
図4.l
NOTAの
編 集 の ワ ー ク フm
時 に 複 数 人 が 編 集 作 業 を 行 っ た 場 合 に は 編 集 内 容 の 衝 突 が 起 こ る。 この 問 題 の 回 避 策 は な い 。 ま
た 、Wikiは
本 文 の 編 集 は 簡 単 に 行 え る が 、 文 の 修 飾 を 変 更 した り、 画 像 を 貼 り付 け た りす る こ と
は 難 しい 。 多 くのWikiプ
ロ グ ラ ム で は 、定 め られ た タ グで 文 字 を 囲 ん だ り、 別 途 フ ァ イ ル を ア ツ
プ ロ ー ド し、 フ ァ イ ル 名 を 指 定 す る こ とで こ れ ら を 実 現 して い る が 、 テ キ ス トベ ー ス で あ る た め 、
GUIに
親 し ん だ ユ ー ザ ー に は 受 け 入 れ ら れ ず 、 結 果 と してWikiは
こ れ らの ユ ー ザ ー に は あ ま り
利 用 され て い な い と い え る。
4.3
NOTA
前 述 の よ う な 問 題 を 解 決 す る た め に 、NOTAと
HTIII、
い う シ ス テ ム を 開 発 し た 。 NOTAは
を 利 用 した ウ ェ ブ ペ ー ジ の 動 的 作 成 シ ス テ ム の 問 題 を 解 決 し、 Flashを
イ ン タ フ ェ ー ス を持 つ 、∼℃bの 共 有 シ ス テ ム で あ る 。NOTAを
、従 来 の
用いた直感的 な
利 用 す る こ と に よ り、Wiki同
様
の 手軽 さ で 、 表 現 力 が 高 い ペ ー ジ の 作 成 ・共 有 を 手軽 に 行 え る 。 す な わ ち 、 マ ウ ス 操 作 に よ る
WYSIWYGの
ペ ー ジ の 編 集 機 能 を 持 ち 、 手 書 き線 や 、 図 形 の 貼 り込 み な ど が 簡 単 に 行 え る 。 ま
た 、送 信 コ マ ン ドを 押 さ な くて も非 同 期 で サ ー バ ー と通 信 し、編 集 す る た び に 保 存 お よ び 更 新 を 行
う。 これ に よ っ て 、 複 数 の ク ラ イ ア ン トで 編 集 中 の 画 面 を 共 有 す る こ とが で き 、複 数 の メ ン バ ー で
協 調 的 に作 成 お よ び管 理 す る こ とが で き る(図4.3)。
Webに
お け る動 的 な ペ ー ジ の 作 成 と共 有 を 可能 に す るた め の ソ フ トウ ェ ア と してFlashを
た 。Flashが
用い
非 常 に 多 くの プ ラ ッ ト フ ォ ー ム を サ ポ ー トし、 ウ ェ ブ ペ ー ジ の 不 可 欠 な 部 分 を 占 め て
い る こ と に 着 日 し、FlashとCGIを
連 携 さ せ 、 動 的 な ウ ェ ブ ペ ー ジ の 作 成 を 行 う こ とを 試 み た 。
具体 的 に は以 下の 機能 を持 つ。
● す べ て の 書 き 込 み が 、∼℃b上
でw'YSI≪'YGに
共 有 口∫能 で あ る 。
第4章
NOTAの
24
設 計 と開 発
ぢ」
ご
概フ7イルq=》鯛B纂転) 轟示(ψ
ジャンフ⑨
.レ
フッウマーク⑧
ツールΦ
ウィンドウq哩) ヘルフq沙
、huo/ん 鵬s併 鼠布嵌-〆
℃:edltD=脳4燃4馴)311C6%FE%MXA触5船
。
轟 晶&燕
癬_、__蹴_。
鞭2燃4紙)E*)5%DO.MCFlfBF¥3
一 、 騨.
.。
。穣 麟 勲
醸
ミ 罰、
報ミ 難
艦 獺 鰍 辮 却 デ翼 繋勢
脳譲
モの豊緑
黛謙慰"
タイトル 飛U入0テ
vo「 馳b上碗 図共有手法とNOT邸E搬
の提案」
永 田周一(同 志 社大掌)
17主.「
酵.細
廿磁
作rr
"ミミ
予定 、店 舗、 写真 な どを地 点情 報 と結 ひつ けて表 示す る イ ンター フ ■一 ス
の 提案 です 。
この 他 ネ ッ ト版 「
紙 」 を展示 します 。
イ.[…O.-FF'$_,
キー ワートh得1こ1つ記述してください)
1馳「ページの 凛緒 パス ワード
を参照してくださしb
書き方がわ からない場含は
GenenleE ev
㎞mdby
藤ミ
、Qltew-唆
、 、180Ma
隅 り阻
・
轟 避
簿了
図4.2.一
般 的 なWikiの
編 集画 面
● 画 面 上 の どの 位 置 に 対 して も文 字 を 貼 り込 む こ とが で き る。
● ド ラ ッ グ に よ り手 書 きで 線 を 引 く こ とが で き る 。
● 基 礎 的 な 図 形 作 成 機 能 を備 え る。
・JPEG,
PNG,
GIF,
き る。Flashは
BMPな
ど の 画 像 を ア ッ プ ロ ー ド し、 ど の 位 置 に も 自 由 に貼 る こ とが で
、 外 部 の 画 像 の 読 み 込 み でJPGの
プ ロ ー ド した 際 に 、ImageNlagickを
・Windows、
Mac、
み を サ ポ ー ト して い る の で 、 画 像 を ア ッ
用 い て 、 画 像 の 形 式 をJPGに
Linux、 携 帯 端 末(一
部)な
変 換 して い る。
ど ほ ぼ す べ て の プ ラ ッ トフ ォー ム で そ の ま ま
動 作 す る0
・ ペ ー ジ 間 に リ ン ク構 造 を 持 た せ 、 容 易 に ペ ー ジ 間 で リ ン ク を 作 成 で き る 。 リ ン ク を構 築 す
る 際 に 、Wikiと
異 な り、 単 語 に よ る リ ン ク は 採 用 し な か っ た 。 NOTAで
リン ク を張 るに
は 、既 存 の ペ ー ジ の 一 覧 か らペ ー ジ を選 ぶ だ け で よ く、 自動 で リ ン ク を 貼 る機 能 が 必 要 で な
い と考 え た か らで あ る。
・ 作 成 者 の 情 報 を 記 録 し、 オ ブ ジ ェ ク トを 作 成 者 単 位 で 管 理 で き る。
第4章
NOTAの
25
設 計 と開発
イン ターネ ッ ト
ク ラ イ ア ン ト②
ク ラ イ ア ン ト①
ク ラ イ ア ン ト③
図4.3
NOTAの
協 調 的編 集 の概 念 図
● 複 数 人 で 同 時 に 書 き込 み を行 っ た 場 合 、 他 人 の 編 集 が た だ ち に反 映 さ れ る 。
●PDF並
4-4
の 印 刷 機 能 を持 っ 。
NOTAの
NOTAの
使
い 方
編 集 画 面 を 図4-4に
示 す 。 画 面 上 部 の 「ツ ー ル バ ー 」、 画 面 右 のL覧
中 央 の 「ペ ー ジ 本 文 」 の 領 域 か ら構 成 さ れ る 。NOTAの
4.4.1
」、 そ して 画 面
使 い 方 を説 明 す る。
基本 ツー ル
以 下 に編 集 画 面 の 各 領 域 に つ い て 、 簡 単 に 述 べ る(詳
細 は 各 機 能 の 解 説 で 述 べ る)。
1.「 編 集 」 ツ ー ル
画 像 な ど の オ ブ ジ ェ ク トを選 択 し、 移 動 ・編 集 す る た め に使 用 す る。
編 集 画 面 に 切 り替 え た 直 後 は 、 こ の ツ ー ル を 選 択 した 状 態 に な る 。
2.「 ペ ン」 ツ-ル
手 書 き線 の 入 力 を 行 う た め に使 用 す る 。
この ツ ー ル が 選 択 さ れ て い る と、 ツ ー ル バ ー 下 部 に 「色 」 「太 さ」 が 表 示 され る。
第4章NOTAの
惑 鱒◎↑A一 糠
ファイル(E)
26
設 計 と開 発
鹸NOTA-M。ziFfe
繍集(旦) 表示(V)
履歴 ⑤
f'saf。Y
ブッウマーク(旦) ツールm
ヘルプ(豊
識 無 §燃 叙 姦釜 ∴ 譲 劃、
嘉
、蕊轟 心
叙 愚螺 ←
辮
織
saki.s通il管
理 人1さ んが 使 用 中
膨'
友 人に教える ヘルプ
懇
全画 面
淵English
一覧
_観 、
設定
貼る
、㌧ ミご
、へ
、
A
識
細、
茎
雛
曲
、⋮
、
︽ 識
溝 厄
εk
溝
蕪
騨磨
騨
蓄
い
ジ 斡
、
.
"
、
騨
斡
㍗"
函
・﹂
二 ・㍉
感
M二
、ミ ε、購
.三門
、.薄
・鳳
、
1'e・
レ
v
転1ぶ
認 淋 ・。慧 、_
_N
葡 地 坦 からテ ータを転 逮 しています.
、、\"、N
図4,4
NOTAの
編 集画 面 の例
3.「 消 し ゴ ム 」 ツ ー ル
手 書 き線 を 消 す の に 使 用 す る 。
4-「 図 形 」 ツ-ル
丸 ・ 三 角 ・四 角 ・星 型 な ど 、 多 彩 な 図 形 を 描 画 す る 際 に 使 用 す る 。
この ツ ー ル が 選 択 さ れ て い る と、 ツ ー ル バ ー 下 部 に
「色 」 と 図 形 の 選 択 メ ニ ュ ー が 表 示 さ
れ る。
5.「 文 字 」 ツ ー ル
文 字 を 入 力 す る 際 に 使 用 す る。
文 字 の 色 、 サ イ ズ 、 フ ォ ン トを ワ ン ク リ ッ ク で 簡 単 に 変 更 で き る 。 文 字 を 選 択 し て い な い 状
態 で 色 を 選 ぶ と 、 テ キ ス ト ボ ッ ク ス 全 体 の 背 景 色 と な る 。 な お 、NOTAは
ユニ コー ドに対
応 して い る た め 、 多 言 語 の 人 力 もで き る 。
6.「 一 覧 」
ベ ー ジ や ア カ ウ ン ト の 管 理 、 画 像 ・フ ァ イ ル ・プ ラ グ イ ン の 貼 り付 け 、 全 ペ ー ジ を 対 象 に し
た 検 索 な ど を 行 う。
第4章
NOTAの
27
設 計 と開発
7。 「
ペ ー ジ本 文」
編 集 領 域 で あ る。 こ こ に 文 字 を 入 力 した り、 手 書 き線 を 入 力 し た りす る 。
4.4.2
言忍言正
「閲 覧 画 面 」 か ら 「
編 集 画 面 」 に 切 り替 え る に は 、 ツ ー ル バ ー の 「編 集 開 始 」 ボ タ ン を 押 す 。 パ
ス ワ ー ドの 入 力 ダ イ ア ロ グ が 表 示 さ れ る の で 、 サ イ トの 管 理 者 か ら発 行 さ れ た ユ ー ザ ー 名 とパ ス
ワ ー ドを 入 力 す る 。
4.4.3
写 真 の 貼 り付 け
次 に 、NOTAの
ペ ー ジ 上 に 画 像 を 貼 り付 け る 方 法 を 述 べ る。 ロ ー カ ル の 画 像 を 選 択 し、 ア ッ プ
ロ ー ドす る と、 た だ ち に ペ ー ジ 中 央 に 画 像 が 貼 り付 け ら れ る 。 画 像 の サ イ ズ や 位 置 は 自 由 に 決 め
る こ とが で き る。
1.画 面 右 の 「貼 る」 タ ブ を選 択 して 、 「参 照 」 ボ タ ン を押 す(図4.5)。
2.「 フ ァ イ ル の 選 択 」 ダ イ ア ロ グ が 表 示 さ れ るの で 、 ペ ー ジ に 貼 り付 け た い 画 像 フ ァ イ ル を 選
択 す る。
3.「 参 照 」 ボ タ ン の 左 側 に 貼 り付 け た フ ァ イ ル の パ ス が 表 示 さ れ る の で 、 確 認 後
「貼 り付 け 」
ボ タ ンを押 す 。
NOTAに
貼 り付 け られ た 画 像 は 自 動 的 にJPEG形
式 で 圧 縮 さ れ 、 幅700ピ
クセ ル 、50KB前
後
の サ イ ズ に な る。 しか しデ ィ ス プ レ イ 上 で は 元 画 像 と の 差 は ほ とん ど分 か ら な い 。 美 し く見 せ た
い ときに は、 「
高 精 細 」 と い う チ ェ ッ ク ボ ッ ク ス を 有 効 に して か ら 「貼 り付 け 」 ボ タ ン を 押 す 。 高
精 細 で 貼 り付 け られ た 画 像 は 、 幅1000ピ
ク セ ル 、200KB前
後 の サ イ ズ に 圧 縮 さ れ る。 デ ジ タ ル
カ メ ラ で 撮 影 し た 風 景 写 真 な ど を貼 り付 け る と き に は 「高 精 細 」 を 有 効 に した 方 が よ い 。
対 応 画 像 フ ァ イ ル は 、JPEG、
シ ョ ンGIF、
透 過GIF、
PNG、
透 過PNG形
TIFF、
BMP、
PICT形
式 の フ ァ イ ル で あ る。 ア ニ メ ー
式 には対 応 してい な い。
貼 り付 け た 画 像 の 大 き さ を 変 更 す る に は 、 図 形 や 文 字 領 域 の 大 き さ変 更 と同 様 、 右 下 の 「サ イ
ズ 調 節 っ ま み 」 を マ ウ ス で ドラ ッ グ し て 行 う。 元 画 像 の 縦 横 比 を 維 持 して の サ イ ズ 変 更 を 行 い た
い と き に は 、Shiftキ
ー を 押 しな が ら ド ラ ッ グ す るか 、 画 像 の 左 上 と右 下 の 対 角 線 上 に マ ウ ス を ド
ラ ッ グ す る 。 縦 横 比 を 維 持 した 位 置 の と き に は マ ウ ス カ ー ソ ル が 吸 着 した よ うな 動 作 を す る。
4.4.4
フ ァ イ ル の 貼 り付 け
NOTAで
は 、 貼 り付 け る フ ァ イ ル と して 画 像 フ ァ イ ル(JPEG、
PNG、
TIFF、
GIF形
式 な ど)
が 選 択 さ れ た 場 合 に は ペ ー ジ 上 に そ の ま ま イ メ ー ジ と し て 貼 り付 け ら れ る 。 画 像 以 外 の フ ァ イ ル
(PDF、
DOC、
け ら れ る。
XLS形
式 な ど)が 選 択 され た 場 合 に は 、 フ ァ イ ル 名 つ け の ア イ コ ン と し て 貼 り付
第4章
NOTAの
28
設計 と開発
編齢AOヂ
禽 ミ
緑
友人に教えるiヘ ルゴiご 意見i
璽 慧鯉
壌 獅shi
囲
一覧
管理
貼る
A
、
フ7イ ル の 貼 り付け
iC:蔑D◎{⊃ur貸ents
← 貼 り付上
and
lご
1〕
呂
口 高精細
ギ董 照 鐙 £
押 して フ7イ ル 魔 三
聾ん
だ 後 、ギ貼 り 醤i懲 ガ タン 魔押 し
て 、しば らくあ 祷 ちくだ 蓼いG
図4-5
フ ァ イ ル の 貼 り付 け
貼 り付 け た フ ァ イ ル の 種 類 に よ っ て 、 表 示 され る ア イ コ ンが 異 な る。 フ ァ イ ル の 種 類 とア イ コ
ン の 対 応 は 以 下 とな る。
4.4.5
NOTAの
手 書 き線 の 描 画
特 徴 の1つ
あ る が 、NOTAの
に 、 手 書 き線 の 描 画 機 能 が あ る 。 描 画 の イ ン タ フ ェ ー ス は-一般 的 な も の で
場 合 は 、 Web上
で な め らか な線 を 描 画 す る た め に 独 自 の ア ル ゴ リズ ム を 実 装 し
た 。 ア ル ゴ リズ ム に つ い て は、 後 述 す る。
画 用 紙 に ペ ン で 絵 を描 く よ う に 、 ペ ー ジ 内 の 好 き な 位 置 に 、 好 き な 色 ・太 さで 手 書 き線 を 書 くこ
とが で き る。 ペ ン の 先 端 部 分 が 入 力 位 置 に な る 。 ドラ ッ グす る こ とで 、 線 が 描 画 さ れ る(図4.6)。
他 の 色 や 太 さ に 変 更 し た い 場 合 に は 、 そ の 都 度 ツ ー ル バ ー の 「色 」 「
太 さ 」 か ら選 択 す る 。 ペ ン タ
ブ レ ッ トを 利 用 す れ ば 、 よ り精 緻 な絵 を描 くこ と もで き る 。 以 下 に 利 用 方 法 を示 す 。
1.ツ
ー ル バ ー か ら 「ペ ン ツ ー ル 」 を 選 択 す る 。 マ ウ ス カ ー ソ ル が ペ ン に 変 更 さ れ る 。
2.ツ
ールバ ー 上部 の
3.好
き な 位 置 に マ ウ ス や ペ ン タ ブ レ ッ トで 入 力 す る 。
「色 」 か ら好 き な 色 を 選 択 し 、 「太 さ 」 か ら ペ ン の 太 さ を 選 択 す る 。
A轟
轟
設 計 と開 発
29
!
o蓑
NOTAの
M饗
第4章
鋸
図4.6
手 書 き線 の 描 画
一
図4.7
4.4上6
手書 き線 の消 去
手 書 き線 の 消 去
入 力 した 手 書 き線 を 消 去 し た い と き に は 「消 し ゴ ム ツ ー ル 」 を使 用 す る。 な お 、 「消 し ゴ ム ツ ー
ル 」 を選 択 して い る 状 態 の と き に 画 像 や 図 形 の.ヒで ド ラ ッ グ操 作 を す る と、 画 面 上 で は そ れ ら も 消
去 さ れ て 表 示 され るが 、 実 際 に は 消 去 さ れ な い 。 「消 し ゴ ム ツ ー ル 」 で 消 去 で き る の は 「ペ ン ツー
ル 」 に よ る 手 書 き線 だ け で あ る。 削 除 の 方 法 を 以 下 に 示 す 。
1.ツ
ー ルバ ー か ら
「消 し ゴ ム ツ ー ル 」 を 選 択 す る 。 マ ウ ス カ ー ソ ル が
「消 し ゴ ム 」 に 変 更 さ
れ る。
2.消
4.4-7
去 し た い 手 書 き 線 の ヒを マ ウ ス で ド ラ ッ グ す る(図4.7)。
リ ン ク
NOTAに
お い て 「リ ン ク 」 機 能 は 重 要 な 意 味 を 持 っ て い る 。 Webが
普及 した の は、 異 な る リ
ソー ス 間 を結 び つ け る リン ク機 能 が あ っ た た め と も考 え られ るが 、 これ まで のHTMLで
作 成 は タ グ に よ る マ ー ク ア ッ プ が 必 要 で 、HTMLに
の リン ク
つ い て の 知 識 が な い全 くの パ ソ コ ン初 心 者 が
行 う に は い さ さ か 敷 居 が 高 く、 操 作 も直 感 的 で は な か っ た 。
そ こ で 、NOTAは
た 。NOTAで
リ ン ク の 作 成 ・修 正 を 誰 もが 簡 単 、 か つ 直 感 的 に行 え る よ う な機 能 を 実 装 し
の リ ン ク の 設 定 方 法 は 以 下 の よ う に 行 う。
1.リ ン ク を 設 定 した い テ キ ス トを マ ウ ス で 範 囲 選 択 す る 。
第4章
NOTAの
30
設 計 と開 発
醸驚
文寧
取
覇
榔
【新 規 ベ ー ジ を作 戴 】
【リン ウを 解 饒 】
手 書 き入 力
梅溝開
図形色々
ト
≦(貰ムへ の 招 祷
キ やプ チャ ー リスト
文 字 を書 く
i▼
外 部 のURL:
http://nota.jp/
燐黙樋
図4.8
2.ツ
ー ルバ ー下 部 の
臨
リンクの選 択
「リ ン ク 」 に マ ウ ス カ ー ソ ル を あ わ せ る と 、 自 動 的 に リ ン ク 設 定 メ ニ ュ ー
が 表 示 さ れ る(図4.8)。
3.NOTAサ
イ ト内 の ペ ー ジ へ の リ ン ク を 設 定 し た い 場 合 に は 、 リ ス トか ら ペ ー ジ を 選 択 す る0
外 部 の ペ ー ジ ヘ リ ン ク を 張 り た い 場 合 に は 、 「外 部 のURL」
欄 に ア ドレス を入力 す る。
な お 、 文 字 を 範 囲 選 択 して い な い 状 態 で 、 「リ ン ク 」 か らペ ー ジ を 選 ぶ と、 カ ー ソ ル 位 置 に ペ ー
ジ タ イ トル が 挿 入 され 、 そ の ペ ー ジ に 対 す る リ ン ク を張 る こ とが で き る 。
II・
NOTAに
リ ン ク か ら の 新 規 ペ-ジ
作成
お い て 、 新 規 ペ ー ジ を 作 成 す る方 法 は ツ ー ル バ ー の 「新 規 作 成 」 ボ タ ン を 押 す 以 外 に、
も う1つ 、 リ ン ク か ら作 成 す る 方 法 が あ る。
任 意 の 文 字 を 選 択 し、 「新 し い ペ ー ジ ヘ リ ン ク を 張 る 」 を 選 ぶ と、 選 択 し た テ キ ス トを タ イ トル
とす る新 規 ペ ー ジ が 作 成 され る。 新 規 ペ ー ジ に は 、元 の ペ ー ジ へ の リ ン ク が 自 動 で 作 成 され る。 リ
ン ク 先 と リ ン ク元 が 相 互 に リ ン ク さ れ る こ とで 、 リ ン ク構 造 が 構 築 さ れ る 。 新 規 作 成 ボ タ ン を押 し
て 作 成 した 新 規 ペ ー ジ で は 、 ペ ー ジ の タ イ トル は 常 に 「新 規 ペ ー ジ(作
成 日)」 と な る が 、 リ ン ク
機 能 か ら作 成 した ペ ー ジ で は 、 そ の ペ ー ジ へ の リ ン ク を 設 定 し た テ キ ス トの 内 容 が 自動 的 に ペ ー
ジ タ イ トル に設 定 さ れ る 。
も う ひ とっ の 特 徴 と して 、 リ ン ク機 能 か ら作 成 し た 新 規 ペ ー ジ で は 自動 的 に 作 成 元 ペ ー ジ へ の
リ ン クが 「リン ク 元 へ 戻 る 」 と し て 作 成 さ れ る。 つ ま り、 設 定 元 ペ ー ジ か ら設 定 先 ペ ー ジ へ の 一 方
向 リ ン ク の 作 成 だ け で な く、 自 動 的 に 相 互 リ ン クが 作 成 さ れ る(図4.9)。
リ ン ク か らの 新 規 ペ ー ジ 作 成 方 法 は 以 下の よ う に 行 う。
第4章
NOTAの
31
設 計 と開 発
H撒 に よるリン クの 作 威
当 畠
幽:畿 灘 繍撫、
聾銭荒 ヘージ
轄哉先ベー ジ
NOTAに よるリンクの 作 戚
∋鳶
麹:裂 撫 籏_
作哉 光ベー ジ
炸餓先べ一 ジ
図4.9
1.リ
NOTAに
よ る相 互 リ ン ク
ン ク を 設 定 した い テ キ ス トを マ ウ ス で 範 囲 選 択 す る。
2.ッ ー ル バ ー 下 部 の 「リ ン クJに
マ ウ ス カ ー ソル を あ わせ る と、 自動 的 に リ ン ク設 定 メ ニ ュ ー
が 表 示 さ れ る の で 、 「【新 規 ペ ー ジ を 作 成 】」 を 選 択 す る 。
範 囲 選 択 した テ キ ス トを タ イ トル に 持 つ 新 規 ペ ー ジ が 作 成 さ れ 、 「リ ン ク 元 へ 戻 る 」 に は 自動 的
に 作 成 元 ペ ー ジ へ の リ ン クが 設 定 され る。
4.4上9
オ ブ ジ ェ ク トの 操 作 と 部 品 の 重 な り順
部 品 の移 動
部 晶 を 移 動 す る に は 、 部 品 選 択 時 に 左 上 に 表 示 され て い る 「移 動 」 部 分 を マ ウ ス で ドラ ッ グ す る
(画 像 ・図 形 ・プ ラ グ イ ン で は 、 各 部 品 本 体 の ド ラ ッ グ操 作 で も移 動 可 能)。 削 除 す る に は 、 右 上 に
表 示 さ れ て い る赤 い 「×」 印 を マ ウ ス で ク リ ッ ク す る 。
部品 の 削除
誤 っ て 部 晶 を 削 除 し て し ま っ た 場 合 に は 、 ツ ー ル バ ー の 「取 り消 し」 ボ タ ン を 押 す 。 「取 り消 し」
ボ タ ン を 押 す た び に 、 実 行 し た 操 作 が1つ
ず つ 取 り消 さ れ る(た
だ し、 他 の ペ ー ジ に 移 動 した 場
合 に は 、 移 動 前 の ペ ー ジ の 操 作 を 取 り消 す こ とは で き な い)。 取 り消 した 操 作 を 復 帰 した い 場 合 に
は 、 同 じ くツ ー ル バ ー の 「取 り消 しを 戻 す 」 ボ タ ン を 押 す 。
色 の 指 定 と部 品 の 重 な り順
色 は 「文 字 入 力 領 域 」 「図 形 」 に お い て の み 設 定 が 可 能 で あ る 。 図 形 で は 塗 りつ ぶ し色 を 、 文 字
入 力 領 域 で は 文 字 色 と背 景 色 を 設 定 で き る。 また 、 「図 形 」 と 「画 像 」 「挿 し絵 」 に は 「透 明 効 果 」
第4章
NOTAの
32
設 計 と開発
を つ け る こ と もで き る。
透 明 効 果 が 有 効 に さ れ た 部 品 は 薄 い 色 で 表 示 され 、 そ の 部 品 の 下 に 重 ね られ て い る 部 品 を透 過
表 示 す る よ うに な る。 設 定 方 法 は 、 どち ら も ツ ー ル バ ー の 「色 」 「透 」 か ら行 う。
異 な る 部 品 を 何 層 に も上 下 に 重 ね る こ と も で き るが 、 よ り面 積 の 小 さ い 部 品 が 自動 的 に 上 に 表
示 さ れ る 。 こ れ に よ り、 部 品 の 重 な り順 を 変 更 す る コ マ ン ドを用 い な くて も 、 小 さ な 部 品 が 下 に
隠 れ る こ とが な い た め 、 部 品 の 操 作 が しや す い 。
4.5
NOTAの
実 装
本 節 で は 、NOTAの
4.5.1
NOTAに
シ ス テ ム の 新 規 性 を4つ
に 分 類 して 、 詳 述 す る。
リア ル タ イ ム 編 集 の 実 装
は 、 ク ラ イ ア ン ト ・ソ フ トウ ェ ア やCGIで
用 い られ る 「保 存 」 や 「送 信 」 と い っ た コ
マ ン ドが 、 ユ ー ザ ー に 対 して 用 意 さ れ て い な い 。 入 力 した 文 字 や 、 手 書 き の 線 な ど は 書 き込 み が
行 わ れ た 直 後 にCGIを
通 じ て サ ー バ ー に送 信 さ れ 、 保 存 さ れ る。 同 時 に 、 ペ ー ジ を 閲 覧 して い る
他 の ユ ー ザ ー の 表 示 に更 新 が 反 映 され る。 一 般 にHTMLか
FORM要
素 内 に お い てSubmitボ
らCGIを
用 い る た め に は 、 HTMLの
タ ン を 配 置 し、 そ れ を マ ウ ス で ク リ ッ ク す るか 、 キ ー ボ ー ドの
キ ー を押 す 必 要 が あ り、 自動 的 に ユ ー ザ ー の 入 力 を 検 知 し、 サ ー バ ー に 送 信 す る こ と は で き な い 。
ま た 、 自 動 で 送 信 さ れ 、サ ー バ ー に保 存 され た デ ー タ の 更 新 を 別 の ク ラ イ ア ン トが ユ ー ザ ー か らの
入 力 を 受 け る こ とな く行 う こ と は で き な い 。
サ ー バ ー に送 信 す る際 に 、 ユ ー ザ ー に よ る 保 存 や 送 信 等 の 入 力 が 必 要 な シ ス テ ム は 、 い ず れ も 、
最 新 の デ ー タ を 表 示 し、 そ れ を 編 集 し、 サ ー バ ー に 送 信 して 更 新 す る とい う過 程 に お い て タ イ ム ラ
グが 発 生 す るの で 、 同 一 デ ー タ を 異 な る端 末 に お い て 同 時 に 編 集 作 業 を 行 っ た 場 合 、 い ず れ か の 更
新 は破 棄 さ れ る こ と とな る 。
Web上
で 動 的 な ペ ー ジ の 作 成 を行 う際 に 、 こ れ ら の コ マ ン ド を選 択 しな け れ ば 情 報 が 送 信(も
し く は保 存)さ
れ な い の は 、 即 時 性 や 手 軽 さ を 考 慮 し た 場 合 に 障 害 とな る と考 え る。NOTAで
文 字 の 変 更 、 図 形 の 移 動/サ
イ ズ 変 更/回
は、
転 、 画 像 の 貼 り付 け な ど 内 容 が 変 更 され た 直 後 に ク ラ イ
ァ ン トか らサ ー バ ー に 差 分 デ ー タ を送 信 し、 サ ー バ ー 上 に保 存 す る。 図4-10に
、流 れ を示 す 。各
ク ラ イ ア ン トは 、 サ ー バ ー の デ ー タ が 更 新 され る と、 更 新 情 報 を サ ー バ ー か ら取 得 し、 ク ラ イ ァ ン
トの 描 画 を更 新 す る。
NOTAに
お い て は 、 部 品 ご と に 更 新 日 時 デ ー タ を 持 っ て い る た め 、 各 ク ラ イ ア ン トが 同 時 に
別 々 の 部 品 を操 作 して も衝 突 が 起 こ る こ とは な い 。 ま た 、 同 一 の 部 品 を操 作 す る場 合 に お い て も、
あ る ク ラ イ ア ン トが 部 品 を 移 動 し(X、Y値
縮 小 す る(WIDTH、
HEIGHTを
を変 更 す る)、 同 時 に別 の ク ラ イ ア ン トが 部 品 を 拡 大 ・
変 更 す る)な
ど の よ う に 異 な る属 性 値 を 変 更 す る 場 合 は衝 突 は
起 こ ら な い 。 同 一 の 部 品 の 同 一 の 属 性 を 二 つ 以 上 の ク ラ イ ア ン トが 同 時 に 操 作 し た 場 合 は 、 衝 突
が 生 じ る。 こ の 場 合 は 、 時 間 的 に 前 に操 作 し た ク ラ イ ア ン トの 操 作 は 、 後 に 操 作 した ク ラ イ ァ ン ト
の 操 作 に よ っ て デ ー タ が 上 書 き され 、 無 効 に な る。
第4章
NOTAの
33
設 計 と開発
インターネ ッ ト
ク ライ ア ン ト①
サ 酬バ ー
轡
ク ライ ア ン ト②
Webブ
ラウザ
Flashプ
ラ グイ ン
添新
表更
本 図 の よ うな デ ー タ の流 れ に よ り、デ ー タ に
ア ク セ ス す る全 て の ク ラ イ ア ン トコ ン ピ ュ
-タ の ブ ラ ウザ の表 示 が リア ル タ イ ム に 更
新 され 、即 時 の文 書 の 編 集 が 可 能 にな る。
図4.10
4.5.2
リアル タ イム編 集 の流 れ
NOTAで
ユ ー ザ ー ア カ ウ ン トと編 集 権 限
は ペ ー ジ 内 の 各 部 品 に つ い て 、 誰 が 最 初 に 作 成 し た の か を 簡 単 に 確 認 す る こ とが で き
る 。 確 認 す る に は 、 「編 集 画 面 」 に お い て 、 作 成 者 情 報 を 確 認 し た い 部 品 を マ ウ ス で 選 択 す る と、
部 品 の す ぐ上 に 作 成 者 情 報 と作 成 日が 表 示 され る。 更 新 され た 部 品 に は 、 「作 成 日」 の 下 に 「更 新
日」 が 追 加 され 、 更 新 日時 が 表 示 さ れ る 。
NOTAで
は サ イ トを 開 設 し た 管 理 人 以 外 の 人 もペ ー ジ を 編 集 す る こ とが で き る 。 し か し、 ユ ー
ザ ー が 操 作 可 能 な 権 限 は3種
類 に分 類 され て い る 。 ユ ー ザ ー ア カ ウ ン トを 持 っ て い る 人 は 、 そ の
ア カ ウ ン トに 許 容 され た 範 囲 内 の 編 集 操 作 を 行 う こ とが で き る。
NOTAに
用 意 さ れ て い る ユ ー ザ ー ア カ ウ ン トは 「管 理 者 」 「会 員 」 「ゲ ス ト」 の3種
て い る。 そ れ ぞ れ の ア カ ウ ン トで 実 行 可 能 な 操 作 を 表4.1に
類 に分 か れ
示 す。
「管 理 者 」権 限 の ユ ー ザ ー は 、新 規 ア カ ウ ン トの 作 成 や 他 人 が 作 成 した ペ ー ジ の 削 除 な ど、NOTA
サ イ トの 運 営 に 関 わ る操 作 権 限 を 有 して い る。 そ の た め 、 「管 理 者 」 権 限 は 信 頼 で き る 人 に の み 発
行 す る。
第4章
NOTAの
34
設 計 と開 発
表4ユ
4.5.3
HTMLと
NOTAは
管理者
会員
ゲス ト
追加 書 き込 み
可能
可能
可能
自分 の 部 品 の 編 集 ・削 除
可能
可能
可能
他 人の 部品 の編 集
可能
可能
不可
新規 ペ ー ジの 作成
可能
可能
不可
自分 の ペ ー ジ の 削 除
可能
可能
不可
他 人 の部 品の 削 除
可能
不可
不可
他 人 のペ ー ジの 削除
可能
不可
不可
ペ ー ジの凍 結
可能
不可
不可
ユ ーザ ー管 理
可能
不可
不可
第 三者 の 閲覧 制 限
可能
不可
不可
の 互 換 性 と デ-夕
、 既 存 のHTMLに
NOTAの
ペ ー ジ1つ
アカ ウン ト別実 行 可能 操 作表
にURLが1つ
構造
よ るWWWと
の 互 換 性 を最 大 限 保 つ よ うに設 計 され て い る。
与 え られ る の で 、HTMLペ
リ ン ク を 張 る こ とが で き る。 逆 にNOTAか
ら外 部 のURLに
ー ジ か らNOTAの
ペ ー ジ に 対 し、
対 しリン クを張 る こ とも可能 で あ る
(図4.11)。
デ ー タ構 造 と して 、 サ ー バ ー 内 に ペ ー ジ ご とにXMLフ
ァ イ ル で オ ブ ジ ェ ク トを 管 理 して い る。
ペ ー ジ 内 で 最 上 位 に 位 置 す る テ キ ス トの 一 行 目 を タ イ トル と して 利 用 す る が 、 フ ァ イ ル 名 は 他 と
重 複 しな い 固 有 のIDで
管 理 され て お り、 タ イ トル が 変 更 さ れ た り、 リ ン ク 元 の 文 字 列 が 変 更 さ れ
て も、 リ ン クが 切 れ る こ とは な い 。 オ ブ ジ ェ ク トも 固 有 のIDを
持 っ て お り、 IDご
とに作 成 者 の
情 報 を管 理 して い るの で 、 オ ブ ジ ェ ク ト単 位 で 作 成 者 を識 別 で き る 。
4.5.4
手 書 き線 の実装
NOTAは
、 Adobe
Flashを
を描 画 で き る こ とが 特 徴 の1つ
利 用 す る こ と に よ り、 マ ウ ス の ドラ ッ グ 操 作 でV
℃b-ヒ で 手 書 き線
で あ っ た 。 し か し、 マ ウ ス に よ る描 画 は 、 カ ー ソ ル 位 置 の 検 出 点 を
直 線 で 結 ぶ とい う仕 様 で あ っ た た め 、 マ ウ ス の 動 作 の ぶ れ に よ っ て 描 画 す る線 に も ぶ れ が 生 じて
し ま う とい う欠 点 を持 っ て い た 。 特 に 、 ラ ッ プ トッ プ 型 のPCに
お いて、 タ ッチパ ネ ルを用 い て き
れ い な 線 を 描 画 す る の は 難 しか っ た 。 こ れ を解 消 す るた め 、 検 出 点 の ぶ れ を補 正 し、各 点 の 間 を ベ
ジ ェ 曲 線 を用 い て 曲線 で つ な ぐ こ とで 、 な め らか で 自然 な 手 書 き線 を描 画 す る手 法 を 開 発 した(図
4.12)。 これ を 用 い てNOTAで
実 際 に 絵 を描 い た 例 を 図4。13に 示 す 。
マ ウスで描 いた線 をス ムー ズ に補正 す るため に は、多少 の ぶれ は吸 収 す るが、ユ ー ザー の意 図 的
な ぶ れ(方
向転 換 や 、 角 な ど)は 確 実 に 反 映 す る必 要 が あ る 。 また 、 ス ム ー ズ な 線 を生 成 す る タ イ
第4章NOTAの.設
o
o
i欝 誓ぐ 嘩
ー
、
⑳
35
晦 γ飛呂
く「
並
号"- ー
・
難
榔
に 蹴 ジ鰯 、
溝
t
騨'
一
鵬
診 ◎ 纏灘
蕪ミ
廉
代加
験
き無 点N♂
計 と開 発
1
レ
細、 博 詠
ぴi
・・"… 槻 肺 齢 ・w
ワ
、
、
.、
瞭
¥tiAS¥:
・
\
Flash版 の 表 示
\
一
」ご
窯・ ・ド
RSS版 の 表 示
図4-11
表 示 互換 性 の確 保
ミ ン グ に は 、 ユ ー ザ ー が マ ウ ス の ド ラ ッ グ を 終 了 した の ち 検 出 点 を ま と め て 計 算 し生 成 す る方 法
と、 ド ラ ッ グ して い る 途 中 で 現 在 の 検 出 点 を 元 に 、 随 時 ス ム ー ズ な 線 を 生 成 して い く方 法 が あ る。
今 回 は 後 者 を 選 択 し た 。 具 体 的 な ベ ジ ェ 曲 線 の ア ル ゴ リズ ム に つ い て 述 べ る 。 ま ず 、 最 初 の 検 出
点Aを
記 録 す る 。 次 に検 出 点 が 変 更 され る た び に、 現 在 の 検 出 点Bと
検 出 点A∼B問
幅Dを
の す べ て の 検 出 点 に つ い て 、 線 分Cと
超 え た と き に 、 そ の 点Eを
検 出 点Aを
結 び、
の 距 離 を測 る 。 こ の 距 離 が 定 義 され た ぶ れ
意 図 的 な ぶ れ とみ な す 。 この と き、A-E間
の 間 に あ る検 出 点 の 距 離 を す べ て 測 り、 最 も遠 い 点Fを
線 分Cで
頂 点 とす る 曲 線A-F-Eを
で 、 線 分A-Eと
そ
描 画 す る。 こ れ
を繰 り返 し、 な め らか な 曲線 を 描 画 す る 。 さ ら に、 曲線 と曲 線 の ベ ジ ェの 補 助 線 の 角 度 が 水 平 に 近
い と き は 、補 助 線 を 水 平 に 補 正 す る こ とで 、 曲 線 通 し の つ な ぎ を ス ム ー ズ に して い る。 ま た 、 描 画
す る線 の 太 さ に よ り、 ぶ れ 幅Dの
値 を 変 化 させ る こ とで 、 太 さ に 応 じ た 最 適 な な め ら か な 線 の ぶ
れ の 閾 値 を 設 定 して い る。
ス ム ー ズ な 手 書 き線 の 描 画 は 、Adobe
Illustratorな
ど で 採 用 さ れ て い る が 、 Flash上
て い る も の は な い 。 本 手 法 は ア ル ゴ リ ズ ム も単 純 な た め 、Flashな
で実 現 し
ど の 軽 快 さ を 求 め ら れ る環 境 に
お い て 利 用 可能 で あ る 。 また 、 同 様 の 研 究 の 例 と して 、 田 川 氏 の 「Afterglow」[田 川]が あ る 。
4.5.5
機 能 の比較
表4,2にNOTAと
他 の シ ス テ ム との 比 較 す る。
第4章NOTAの
36
設 計 と開 発
ファイル〈
三》 蓑示rn
さ
割御Q}
i、
3
ヘルブ(廿
》
・
精 度(2∼33)
\
鉱
図4.12
Flash上
図4-13
で 、 ス ム ー ズ な 手 書 き線 を描 画 す る プ ロ トタ イ プ
NOTA上
で、 手 書 き線 を用 い て レ タ ッチ した例
第4章
NOTAの
表4-2:各
ペー ジ の作成
ペ ージ の作成
リン クの作成
書式 の設 定
画像 の貼 り付 け
手書 きペ ン
37
設 計 と開 発
種Webペ
ー ジ作 成 シ ス テ ム の 基 本 機 能 の 比 較
手作 業 管理 方 式
Wiki方
×動 的 な 作 成 は不 可 。
○ 単語 による リンクも
○単語の リンクも しく
し く は新 規 作 成 ボ タ ン。
は新 規 作 成 ボ タ ン 。
0単
0単
×動 的 な 作 成 は 不 可 。
式
NOTA方
語 に よ る リン ク も
式
語の リンクも しく
し く は 新 規 作 成 ボ タ ン。
は新 規 作 成 ボ タ ン 。
× フ ァ イ ル 名 に よ る指
△ 単 語(WikiWord)に
○既存の ページの一覧
定 が必 要 。
対 し自動 で リ ン クが 作
か ら選 ぶ と リ ン ク が 作
成 され る。
成 され る。
× 定 め られ た 書 式 を タ
○ サ イ ズ 、 色 な ど基 本
書 式 すべ て。
グで 指 定 。
的 な こ との み 可 。
○ 画 像 フ ァ イル を フ ァ
△ 画 像 フ ァ イ ル を 別途
◎ 画 像 を ア ッ プ ロー ド
イ ル 名で 指定 。
ア ッ プmド
す れ ば 、直 ち に ペ ー ジ
◎HTMLの
範 囲内 の
×手 書 き で 描 い た 画 像
し、 フ ァ
イ ル名 を指 定。
に貼 り付 け られ る 。
×同左 。
0ペ
を用意 す れ ば、 可。
ー ジ 上 に マ ウス の
ド ラ ッ グ に よ り手 書 き
入 力可 。
図形 の描 画
× 図 形 編 集 した 画 像 を
×同左 。
○ ペ ー ジ 上 で簡 易 作 図
が 行 え る。
用 意 すれ ば、可 。
リア ル タ イ ム の
×ロ ー カ ル で 編 集 した
△Web上
更新
も の をFTPで
伺
ア ッ プ
で 編 集 し、[送
ボ タ ン を 押 す と更 新
◎ 変 更 が あ るた び に保
存 し、表 示 が更 新 され
ロ ー ドす る。
され る。
ブ ラウザ 上 での
× エ デ ィ タ 、ホ ー ム ペ ー
OHTMLの
編集
ジ 作 成 ソ フ トを 用 い て
を 用 いて ブ ラウ ザ 上で
て ブ ラウ ザ 上 で 編 集 で
行 う。
編 集 で きる。
き る。
WYSIWYGな
○ ホ ー ム ペ ー ジ作 成 ソ
× テ キ ス トベ ー ス で 編
◎ 編 集 画 面 と出 力 結 果
編集
フ トの 中 に は 、WYSI-
集 し な け れ ば な らず 、タ
は 全 く同 一 で あ る。
WYGな
グ や フ オ ー マ ツ トの 知
編 集 をサ ポ ー
る。
フ ォーム
OFIash
Pryerを
用 い
トし て い る もの が 多 い。
識 が必 要。
ユ ー ザ ー ご との
×そ もそ も管 理 者 一 人
△ペ ージの凍結や、パ
○ ユ ー ザ ー ご とに 、 ど
権 限の変 更
しか 編 集 で き な い 。
ス ワ ー ドに よ る編 集 制
こ まで 編 集 で き るか 細
限 な どが で き る。
か い設 定 が行 え る
○ 同左 。
△Flash
互換1生
○ 一 般 の ブ ラ ウザ で表
示 で きる。
Player6.0以
上 が 導 入 され た ブ ラ ウ
ザ が必 要。
第4章
NOTAの
ま とめ
38
設 計 と開 発
ペ ー ジの 体 裁 な どを 思
グ ル ー プ コ ミュニ ケ ー
複 数 人 で リア ル タ イ
い 通 りに 編 集 で き るが 、
シ ョ ン ツ ー ル と して 優
ム に 編 集 で き る。 図形
複 数 人 に よ る リア ル タ
れ て い る点 が 多 い が 、凝
や 画 像 の 貼 りつ け も
イ ム の 協 同編 集 は で き
っ た書 式 や 、 画 像 中心
可 能 で ほ ぼ 思 い 通 りの
な い 。
のペ ージを作成す るに
ペ ー ジ を 作 成 で き るが 、
は不 向 きで あ る。
Flashが
導 入 され て い
な い 端 末 か らは編 集 で
き な い。
4.6
ま とめ
現 在 、 ホ ー ム ペ ー ジ を 作 成 ・管 理 す る 際 に は 、HTMLの
管 理 とサ ー バ ー へ の ア ッ プ ロ ー ド作 業
が 必 須 で あ るが 、 こ れ は面 倒 で 難 解 な作 業 で あ り、初 心 者 の み な らず 、 多 くの ユ ー ザ ー の 制 作 意 欲
を 削 い で い る。NOTAは
Web上
、 自 由 な レ イ ア ウ ト作 成 機 能 と リ ア ル タ イ ム の 協 同 編 集 機 能 に よ っ て 、
で 、 グ ラ フ ィ カ ル な ペ ー ジ を複 数 人 で 同 時 に編 集 す る と い う新 しい 利 用 方 法 を可 能 に した 。
39
第5章
ア プ リ ケ ー シ ョ ン ・プ ラ ッ ト フ ォ-ム
と し て のNOTA
NOTAに
よ り、NOTAの
、 ア プ リ ケ ー シ ョ ン ・プ ラ ッ トフ ォ ー ム と して の 機 能 を 実 装 した 。 こ れ に
利 用 方 法 を 大 き く変 え る よ う な 変 更 をNOTAに
加 え る こ とが 可 能 に
な っ た 。 本 章 で は 、 そ の 具 体 的 な仕 様 と、 実 現 可 能 な機 能 に つ い て 述 べ る。
第5章
5.1
40
ア プ リ ケ ー シ ョ ン ・プ ラ ッ トフ ォ ー ム と して のNOTA
は じめ に
共 生 開 発 ス タイ ル に よ る開 発 を促 進 す るた め 、 利用 者 の 細 か い要 求 に あ わせ て シ ス テ ム を コ
ミ ュ ニ テ ィ 内 部 で 改 変 で き る こ とが 必 要 で あ る と考 え 、NOTAに
フ ォ ー ム と して の 機 能 を 実 装 した 。 これ に よ っ て 、NOTAの
をNOTAに
加 え る こ とが 可 能 に な っ た 。 NOTAの
す れ ば 、NOTA上
で 「NOTAプ
ア プ リ ケ ー シ ョ ン ・プ ラ ッ ト
利 用 方 法 を 大 き く変 え る よ うな 変 更
ア プ リ ケ ー シ ョ ン ・プ ラ ッ トフ ォ ー ム を 利 用
ラ グ イ ン」 と呼 ば れ る さ ま ざ ま なFlashア
させ る こ とが で き る。 ま た そ れ ら の プ ラ グ イ ン は 、 「NOTA
API」
プ リケ ー シ ョ ン を動 作
と呼 ば れ る-・連 の イ ン タ フ ェ ー
ス を 利 用 して 、 サ ー バ ー サ イ ドに 情 報 を 蓄 積 し、 そ れ らの 情 報 を ク ラ イ ア ン トで 同 期 して 利 用 す る
ア プ リ ケ ー シ ョ ン を 容 易 に 開 発 す る こ とが で き る環 境 を 実 現 し た 。 そ の 具 体 的 な 仕 様 と、 実 現 可
能 な 機 能 に つ い て 説 明 す る。
5.2
NOTAで
NOTAに
プ ラグ イ ンの使 い方
は 、 ペ ー ジ に さ ま ざ ま な 機 能 を 追 加 す る 「プ ラ グ イ ン 機 能 」 が 利 用 で き る 。 現 在 、
は初 期 状 態 で 、 「ア ク セ ス カ ウ ン タ ー
「簡 易 掲 示 板 」 「ツ ー ル バ ー 色 変 更 」 「Webカ
窓 」 プ ラ グ イ ンが 搭 載 さ れ て い る。 プ ラ グ イ ン をNOTAの
メラ
ペ ー ジ に 挿 入 す る方 法 は 以 下 の 通 りで
あ る。
1.画 面 右 側 の 「一 覧 」 で 「貼 る 」 タ ブ を 選 択 す る 。
2.「NOTAプ
ラ グ イ ン」 欄 か ら貼 り付 け た い プ ラ グ イ ン を選 択 す る 。
プ ラ グ イ ン は 、1ペ
ー ジ に い くつ で も貼 り付 け る こ とが で き る(図5.1)。
貼 り付 け られ た プ ラ
グ イ ン は 、 図 形 や 画 像 と同 じ よ う に 、 左 上 の 「移 動 つ ま み 」 か ら 好 き な 位 置 に 移 動 で き る。 ま た 他
の 部 品 と重 ね て 表 示 し た り、 プ ラ グ イ ン の 上 か ら手 書 き線 を 描 画 す る こ とが で き る 。 不 要 に な っ
た プ ラ グ イ ン は 、選 択 して 「×」 ボ タ ン を 押 す こ とで 削 除 で き る 。 これ に よ っ て 、 単 体 と して は 高
度 で は な い ア プ リケ ー シ ョ ン で あ っ て も、NOTAの
と連 携 し、NOTAの
プラ ッ トフォー ム上 で他 の部 品 や プ ラ グイ ン
用 途 を 拡 張 す る。
簡 易 掲示 板 プ ラグイ ン
簡 易 掲 示 板 プ ラ グ イ ン(図5.2)を
利 用 す れ ば 、NOTA上
で 、掲 示 板 の機 能 を使 う こ とがで き
る 。 「簡 易 掲 示 板 」 プ ラ グ イ ンで は、 管 理 者 権 限 の ユ ー ザ ー の み が 発 言 の 削 除 を 行 う こ とが で き る。
特 定 の 発 言 を 削 除 す る場 合 に は 、 名 前 の 右 横 に 表 示 さ れ て い る 「×」 印 部 分 を マ ウ ス で 押 す 。
5.3
NOTA上
プ ラ ッ トフ ォ-ム
でFlashア
述 べ た 。 さ ら に 、NOTA
の 実装
プ リ ケ ー シ ョ ン を 自 由 に動 か す こ とが で き る機 能 を 開 発 した こ とは す で に
APIと
呼 ば れ る一 連 の 関 数 を 利 用 す れ ば 、 サ ー バ ー と デ ー タ を や り と り
第5章
41
ア プ リ ケ ー シ ョ ン ・ プ ラ ッ ト フ ォ ー ム と し て のNOTA
⑳膿 欝%
轟 蕪i息 急 誌
NOTAプ
ラグイン
繍懸
勲
,s…
糊
/蕊 懸
・人・・
・… 勲鱒ブし魎
灘
1爾 、
一覧
貼る
設竃
r諒 滅 勧 、
榔繍 融 濾蝋_論 、
。
、
臆轍 齢 漁 蝋蝋 ミ
r
こ
こきい摺"{
13・Lusき¶
こん にち は
"
`嚢旺
層,
懸
ア クセサ リ
.
ー
轟臓
轟
旧hlsail管 理 人1さんm使 用 中
授愚
瓢一 ル
﹁
ア クセ スカ ウ ンタ ー
…
・
・'・
ンー-・
ル
、・
・
一邑 婆:更
・
ミ わ ウ ン1}一
ミ 、
用 紙
簡 易掲 示板 プ ラ クイ ン。何 個 でも 貼 り付 け られ ます 。
さ 一.繍
〉:
ノ粍()貸-}
こんにちは
蕪
、
薫蜘
繍齢"漁
.餓 一
投賦
長
il驚
縄 鹸ratusni
"メ_..11,
デ ザ イ ン
§"瞭
、
職 一 磁 轍 識 瀟 献 粛 、a…'o濬.e..、
。_濾
鷺∵
黛 矯 繊 麟)
ザ ;{一
』ユ、
獣 薫 」峨;藤 首
馳
由 ミ}
、3さ、
・
v
し
図5.1
NOTAプ
ラ グ イ ン を 貼 り付 け た 画 面 例
熱鎌
顯 蕪 蕪搬.ミ 蕪 継羅 蕪 ミ
締 榊臨 繍 憲無 職 懸濾 ㎞ 撫"磁
論
蒲 論 鵬,馳 が。講.
灘
紬、
、"
自分 が公 開 した作 品 に対 するコメントを記 載 してもらうなと.の
便 い方 もできます。
管 理 者 権 限 のユーザ ーのみ発 言 の削 除 ができます 。
削 除 したいときには、名 前 横 の 「×」を押 します。
轟
撫舗1贈
軸 メ-…
」し
幾鶴
図5.2簡
す るFlashア
易 掲示 板 プ ラグイ ン
プ リ ケ ー シ ョ ン を 迅 速 に 開 発 で き る 。 ま た プ ラ グ イ ン 同 士 を連 携 させ る こ とが 可 能
で あ る 。Flashア
プ リケ ー シ ョ ン を 開 発 す る こ と は 、 特 に サ ー バ ー との デ ー タ 通 信 に お い て 技 術 的
に難 し い が 、NOTAで
は こ の 通 信 部 分 が 関 数 化(NOTA
ら の 機 能 を そ の ま ま利 用 で き る 。XMLを
API)さ
れ て お り、 プ ラ グ イ ンで も こ れ
用 いた サー バ ーへ の デー タ保 存、 読 み込 み がで きる。複
数 人 で 情 報 を共 有 し、 利 用 す る た め のFlashア
プ リケ ー シ ョ ン を短 時 間 で 開 発 で き る 。
第5章
42
ア プ リ ケ ー シ ョ ン ・ プ ラ ッ ト フ ォ ー ム と し て のNOTA
アクセ サ 彗
繍 簡 潟 撮 攣簾
…
蕪w麟
熱メ勝慧
i錨脚 眠 麟 灘 ミ
継
i懸 寮 一 趨 バ ー蓮 変 蔓
i論cシ ャツ響
悔 蕊フ零一 ム
図53
53.1
NOTA
NOTAプ
APIを
NOTAプ
ラ グイ ンの例
用 いた開発
ラ グ イ ン は 、 サ ー バ ー のpluginsフ
す れ ば 、 ブ ラ ウ ザ 上 でNOTAの
ォ ル ダ にFlashフ
ァ イ ル(swfフ
ァ イ ル)を
設 置
メ ニ ュ ー に プ ラ グ イ ン 名 が 表 示 され る 。 メ ニ ュ ー を ク リ ッ クす る
とペ ー ジ に 配 置 す る こ とが で き る た め 、 ユ ー ザ ー が 手 軽 に 利 用 で き る。
NOTAのAPIを
呼 び 出 す た め に は 、 FlashのAction
Scriptの
中 で 、 NOTA
APIク
ラス を呼
び 出 して 利 用 す る 。
:VotaAPI=new
NotaAPI(this);
上 記 の よ う にNOTA
るMovieClipを
APIの
オ ブ ジ ェ ク ト を 呼 び 出 す 。 引 数 に は 、 NOTAの
イ ベ ン トを受 け 取
指 定 す る 。 通 常 、 「this」 を 入 れ る 。 こ の 記 述 は 、 ス ク リ プ ト の は じ め の 方 で 、 プ
ロ ジ ェ ク ト1つ
に つ き一 度 だ け 呼 び 出 す 。
サ ーバ ー の保 存場 所
NOTAプ
ラ グ イ ン は 、 プ ラ グ イ ンの 部 品 ご と に 固 有 の 情 報(プ
て お くこ とが で き る 。 情 報 はXti1L形
のID名-xml」
式 で 、 サ ー バ ー のNOTAデ
と い う 名 前 で 保 存 され る 。 プ ラ グ イ ン は 、 NOTAが
ロパ テ ィ)を
サ ー バ ー に保 存 し
ー タ フ ォ ル ダ 内 に 「プ ラ グ イ ン
自動 で 決 定 す る フ ァ イ ル と は
異 な る フ ァ イ ル に ア ク セ ス こ とは で き な い 。 しか し 、下 記 の 関 数 を 用 い る こ とで 、 サ ー バ ー の フ ァ
イ ル に 関 し て 意 識 す る こ とな く、 情 報 を 扱 う こ とが で き る。
具体 的な コーデ ィ ング 方法
具 体 的 な コ ー デ ィ ン グ の 流 れ を ソ ー ス コ ー ド5.1に
APIマ
ニ ュ ア ル[永 田](図5.4)に
掲 載 して い る 。
示 す 。 よ り詳 細 な 情 報 に 関 して は 、NOTA
第5章
43
ア プ リ ケ ー シ ョ ン ・ プ ラ ッ ト フ ォ ー ム と し て のNOTA
麟 羅 欝鞭 ㌶ 灘 羅 欝 欝騨蝉騨辮 饗 懲 鍵難黙
耀 ㈱徽難燃 羅燃一
,。イル(F)編 集(E)表 細
㊥
・・
魑
一
傭.。
顧
縫
A◎
⑤
プ・クマーク⑧
ツー畑
ヘル細
・
。i
麟 ・ttp:〃
・
…j・〆
・1・g・
・/
聯 一
懲懸繍㊥1欝
脚撃
蝋腿
蝿欝駅
聯 ・一
一
禽:鰻1・
:lllミ
・
・…
1,
一』
』
-'翼
\
唱
・"辱
写 轟 ぴ 一タ蒸
難聖本 語i襲籍り薯
華
曲
撒
礎
㎜
そ
こ
、
つ
よ
謎 して み よう
ダ ウンロ ー ド
簡単ガイド
ヘルゴ
お圃い 合わ せ
蜜
べ罐
1関 数 一 覧
-
醜
こゴ
縁趣 驚)詑 ミ
隷諏 撫短1嚇 賊ll蓬 フンイル を鮎 も」か ら懲 琴越 けi鱒
猛 蘭発 蜜
'
'∫APIの
定義
撫 重く
ミ
蓋ジ1ニnew臨 婁
麟 沿1(this);
イ
グ
ラ
A
T
O
N
轟
幽
Ψ.
.
、
"
!1オブジェクト操系関 数
∫
解 説=ツ 」
…}グィン寮避 駅 し去ll琴
六ξ
緊∼
き蒼変 憂-嘗為
.
曽P県
し
=
s←沁ミ
凍§
、
導睡やミ:ミ
総s捻賦細"ミ'窒
法
方
用
使
"デ ータの 読み書 き系関 数
∫
解 説:サ ー バ ・
一まこ
⑳1罫・-…
タ釜轍iみ 鍛 蓉す る
韮
く
癖毒)躍
恥_禽
壷麟 戚沁婁
心_禽
幸隷》∼
轟鍵ミ
》
ぎ
ミ
毒ミ毒(resultObj)..禽
…
陰…,主
ミ}輪
韮..t》
ベミ
韮
£}・
蜜∼
韮(resultObD ☆
藩辞 、
練懸
灘 繋 総.ジ
の鰯 細 辱マる
getObjectlD
getObjectProperiy
getPagelD
備 黙
韮
一
一 一 一
図5.4NOTA
ソ ー ス コ ー ド5.1NOTA
APIマ
一一 …
一 一一 …一 一 … 一 層
ニ ュア ル
APIの
利用 例
1
2
3
4
5
6
7
8
9
0
1
第5章
44
ア プ リ ケ ー シ ョ ン ・プ ラ ッ ト フ ォ ー ム と し て のNOTA
1
1
2
1
3
1
4
1
5
1
6
1
7
1
8
1
9
1
0
2
1
2
2
2
3
2
4
2
5
2
6
2
7
2
8
2
9
2
0
3
NOTA
APIの
使 用例
例 え ば 、 ア ク セ ス カ ウ ン タ ー の プ ラ グ イ ン を 作 る こ とを 想 定 す る 。 ア ク セ ス カ ウ ン タ ー は 、サ ー
バ ー に 現 在 の ア ク セ ス 回 数 が 記 録 さ れ て お り、 ブ ラ ウ ザ で ペ ー ジ が 読 み 込 ま れ る た び に 、 そ の
回 数 を 取 得 し 、 数 字 を1足
loadData関
数 を 呼 び 出 し 、 onLoadDataイ
後 、 値 を1足
53.2
NOTAプ
し て 、 ま た サ ー バ ー に 保 存 す る 。 こ の 場 合 、NOTA
し 、writeData関
NOTA
APIを
APIを
ベ ン トで 受 信 し た 値 をMovieClipに
利 用 して
表 示 させ 、 そ の
数 を 呼び 出す 。
利 用 した作品例
ラ グ イ ンで 、 考 え ら れ る 作 品 は 以 下 に 列 挙 す る 。 NOTAの
プ ラグイ ンを開発 す る とき
は 、 常 に リア ル タ イ ム に 複 数 人 が 使 用 す る こ とを 考 慮 す る必 要 が あ る 。 ま た 、NOTA
て 、 リア ル タ イ ム 性 を活 か し た 開 発 が 可 能 で あ る。
APIを
使っ
第5章
5.4
NOTAの
ア プ リ ケ ー シ ョ ン ・プ ラ ッ トフ ォ ー ム と して のNOTA
45
ま とめ
ア プ リ ケ ー シ ョ ン ・プ ラ ッ ト フ ォ ー ム 機 能 の 具 体 的 な 仕 様 と、 実 現 可 能 な 機 能 に っ い
て述 べ た 。本 機 能 は、 プ ラ グイ ンを ユー ザ ー が必 要 な ときに ク リッ ク してペ ー ジ の好 き な位置 に
貼 り付 け て 使 う と い う新 し い 利 用 方 法 を 持 っ て い る こ と を 説 明 した 。 ま た 、 サ ー バ ー との 通 信 を
簡 略 に 実 装 で き るNOTA
APIと
呼 ば れ るイ ン タ フ ェ ー ス を 利 用 して 、複 数 の ユ ー ザ ー が 同 時 に 情
報 を や り と りす る よ う な機 能 を 持 つ プ ラ グ イ ン を 開 発 可 能 で あ る こ とを 述 べ た 。
46
第6章
NOTAの
NOTAネ
利 用 事 例 と応 用
ッ ト ワ ー ク の 活 動 に よ り、NOTAは
及 した 。 本 章 で は 、 そ れ ら のNOTAを
げ 、NOTAの
利 用 事 例 を述 べ る 。
横 浜 市 を 中 心 に 多 くの 市 民 団 体 に 普
活 用 し た コ ミュ ニ テ ィ の う ち い くっ か を 取 り上
第6章
6ユ
NOTAの
47
利 用 事例 と応用
は じめ に
NOTAは
、 自 由 度 の 高 い プ ラ ッ ト フ ォ ー ム 指 向 の シ ス テ ム で あ り、 市 民 な ど の 一 般 ユ ー ザ ー を
対 象 に 設 計 さ れ て い る こ と は前 章 ま で に す で に 述 べ た 。
2004年
以 降 は 、NOTAネ
ッ トワ ー ク の 活 動 に よ り、NOTAは
に 普 及 し た 。 本 章 で は 、 そ れ らのNOTAを
NOTAの
テ ィ 内 でNOTAの
使 い 方 を 工 夫 して コ ミ ュ ニ テ ィ活 動 に 合 わ せ て 利 用 した 事 例 と、 コ ミ ュニ
プ ラ グ イ ン を 開 発 してNOTAを
NOTAの
NOTAの
6.2.1
活 用 し た コ ミ ュ ニ テ ィ の う ち い くっ か を 取 り上 げ 、
利 用 事 例 を 紹 介 す る。
こ こ で は 、NOTAの
6.2
横 浜 市 を 中 心 に 多 くの 市 民 団 体
拡 張 して 利 用 し た 事 例 の 二 つ に分 け て 論 じ る 。
使 い 方 を 工 夫 した 事 例
使 い 方 を 工 夫 して コ ミ ュ ニ テ ィ活 動 に合 わ せ て 利 用 し た 事 例 に つ い て 述 べ る 。
サバ イバ ル ジュニ ア プ ロジ ェク ト
小 学3年
∼6年
お い てNOTAが
まで の 子 供 た ち が 防 災 に つ い て 学 び 、 地 域 の 防 災 情 報 を 調 査 す る プ ロ ジ ェ ク トに
利 用 さ れ た 。 本 プ ロ ジ ェ ク トは 、 地 域 の 防 災 情 報 を 学 校 外 の 活 動 と して 大 学 、 地
域 が 連 携 して 実 施 した もの で あ る。
2005年8月
た 。NOTAを
∼9月
に か け て 行 わ れ た 防 災 キ ャ ン プ とシ ン ポ ジ ウ ム に お い てNOTAが
用 い られ
自分 の 住 む 地 域 の 防 災 情 報 を 調 べ た こ とを 書 き込 み 、発 表 す る 場 と して 使 っ て い る 。
そ れ ぞ れ の 地 図 は 子 供 が 自 分 で 歩 い て 調 べ 、NOTAに
書 き 込 ん だ 。 こ れ ら の 情 報 はNOTAを
使
う こ と に よ っ て 、 い つ で も新 し い 情 報 を 自分 た ち が 更 新 す る こ とが で き る 。
6.2.2
つ づ きTraffic
「っ づ きTra田c
Project
Pr0ject」 で は 、 横 浜 市 都 筑 区 に お け る 道 路 や 交 通 の 状 況 を 市 民 がNOTA上
で
報 告 し、 そ の ペ ー ジ を 市 に 提 出 す る こ と に よ っ て 実 際 に そ の 場 所 の 道 路 の 改 善 に つ な げ る と い う
試 み が 行 わ れ た 。 交 差 点 ご と にNOTAの
ペ ー ジ を 作 成 し、 そ の ペ ー ジ に 交 差 点 の 写 真 が ア ツ プ
ロ ー ドさ れ て い る。 そ の 写 真 に 注 釈 を つ け た り、 場 所 に 関 して の 議 論 が そ の ペ ー ジ 上 で 展 開 さ れ
る。 各 交 差 点 の ペ ー ジ へ は 、 市 全 体 の 地 図 を ア ッ プ ロ ー ド した ペ ー ジ か ら リ ン ク が 張 られ 、 地 図
上 の 地 点 を ク リ ッ ク す る こ とで 、 移 動 で き る よ う に な っ て い る 。 写 真 や 手 書 き 文 字 な どの リ ッ チ
コ ン テ ン ツ がWeb上
で 書 き 込 め る 点 と、 誰 で も参 加 で き る 点 が 有 効 に 利 用 され た 。 こ のNOTA
の ペ ー ジ を 市 に 提 出 し、 実 際 に 道 路 が 改 善 さ れ る とい う成 果 も得 られ た 。NOTAは
最 初 か ら リッ
チ コ ン テ ン ツ を 作 成 で き る が ゆ え に 、 行 政 に 提 出 す る際 に 改 め て デ ザ イ ン を作 り直 す 必 要 が な い 。
そ の た め 、説 得 力 の あ る 文 書 を す ぐ に作 成 で き、 結 果 的 に市 民 の 意 見 を政 策 に 反 映 す る ま で の 時 間
を 短 縮 で き た 可 能 性 が あ る。 こ の プ ロ ジ ェ ク トは 現 在 も進 行 中 で あ る 。
第6章
NOTAの
利用 事例 と応用
48
麟 践◎
轍 騰
鱒
嚇1畑
く 葦・
黙
麟
爲
.
ミ'"ミ
総
蔓い
懲Er脚1
μ・{
型
脚1一 函 國 白螺
一薄
A
葦
<、 ・
㍉
し
モ
愈
・
幸
\
\
図6.1サ
6-3
NOTAの
黒
"
』 ■
鵬麺 醗 礁 一 蕪lll讐
憲
㌦ 磁lll欝 魏 一
諮 ㌦
バ イ バ ル ジ ュニ ア プ ロ ジ ェ ク トの 作 品 例
プ ラ グ イ ン を 開 発 した 事 例
コ ミ ュ ニ テ ィ 内 でNOTAプ
ラ グ イ ン を 開 発 してNOTAを
拡 張 して 利 用 した 事 例 に っ い て 検 討
す る。
6.3.1
障 害 者 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン支 援 プ ラ グ イ ン
障 害 者 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン支 援 プ ラ グ イ ン は 、 京 都 の 養 護 学 校 に お い て 、 障 害 者 を 持 っ 生 徒 が ア
イ コ ン で 意 志 を 伝 え る た め に制 作 さ れ た 。 画 面 例 を 図6.4に
か れ た ア イ コ ン を 選 択 し、NOTAの
示 す。 ユ ーザ ー は、伝 えた い 内容 が描
ペ ー ジ に ア イ コ ン を 貼 り付 け る。 ア イ コ ン は プ ラ グ イ ン と し
て 制 作 され て お り、 ク リ ッ ク す る とア イ コ ン の 意 味 を 日 本 語 の 音 声 で 再 生 す る 。NOTA上
でプラ
グ イ ン を 自 由 に 移 動 で き る とい う機 能 を利 用 し て 、 ユ ー ザ ー は 、 ア イ コ ン を 並 べ 替 え た り、 サ イ ズ
を 変 更 した りす る こ とに よ っ て よ り複 雑 な 意 志 を 伝 え る こ とが 可 能 に な っ て い る 。
第6章
NOTAの
49
利 用事 例 と応 用
叢 翻 息&瞭(雌
・
鍛
轟
ログインしていません
友人に教え3ヘ ルプ 金舜面
都 筑 区 交 通 事 数 多発 地 帯 マ ッ フ
鐵
〔2003年デー タ)
オリシナル.ペ-シ
酬
一覧
事
㌣
ト(い
占 、
烹
}
、
n
n
剛
h、 ・
'.
ノ.
'﹁
'.
口
謎E
≧
戴'
愈
耀㌫
獺
ま した ・
へ
・}`
ド
騨驚
嚢
ミー
贈 へ
き
誉
、蝉
査
NOTAビ
NOTAの
酒.癖
蒸
、、 "・
ト
図6.2
6.3.2
m矯
、
鶏 段 篤
賎
\ 鼠、
§
1…
つ づ き'll-affic
Projectの
v
表 ペ ージ
デ オ会 議 室 プラ グイ ン
プ ラ グ イ ン と して 、 ビ デ オ 会 議 室 プ ラ グ イ ン が 開 発 さ れ た(図6.5)。
開 発 はNOTA
ネ ッ トワ ー クの メ ー リ ン グ リ ス トを 通 じて 千 葉 恭 弘 氏 を 中 心 に 行 わ れ た 。 こ の プ ラ グ イ ン を 利 用
す る と、NOTAの
ペ ー ジ 上 に会 議 室 プ ラ グ イ ン を 貼 り付 け る だ け で 、 多 地 点 のWebカ
メ ラの映
像 を 同 時 に ス ト リー ム 配 信 す る こ とが で き る。 音 声 に も対 応 して お り、 マ イ ク を 使 用 す る こ と で 、
多 地 点 の 音 声 の 相 互 配 信 が で き る 。 本 シ ス テ ム の 新 規 性 は 、 ク ラ イ ア ン トに特 殊 な ソ フ トウ ェ ァ
を イ ン ス トー ル す る必 要 が な い 点 に あ る。 ま た 、NOTA上
で 動 作 す る た め 、 ビ デ オ会 議 室 を し な
が ら、 同 時 に 図 を 利 用 した 情 報 共 有 が 可 能 で あ る 。 普 及 レベ ル に あ る ビ デ オ 会 議 室 シ ス テ ム と し
てSkypeとMSN
Messengerが
あ る が 、 多 地 点 の 映 像 の 相 互 配 信 は サ ポ ー ト して い な い 。 ビ デ オ
会 議 室 プ ラ グ イ ン で は 、 多 地 点 の 映 像 の 相 互 配 信 に 加 え 、不 特 定 多 数 の ク ラ イ ア ン トに 映 像 を 配 信
す る こ とが で き る 。 つ ま り、 会 議 の 「聴 講 」 が 可 能 で あ る。
第6章
§
NOTAの
熱
燕燈弊戴 鯛隙
利 用事 例 と応 用
50
麟 践 ◇ 、轟
1無 焦 熱(許 囎
噛=』
ログインしていま せん
一 友人に教える ヘルゴ 全画面
蟹
纒E・gli・h
ヴ北 山 田"交 差 点 付 近 事 故 状 況
i探 す
・一覧
A
頁 西南 北 に 右折 信 号 が あ る事
か ら も、 交 通量 が゚゚そ う な交
差 点。 今 は 特に 、 すみ れ が 丘
方面 か ら 来 て右 折 す る車 が 多
く、後 緕 の 重が イ ラ イ ラ し
て 、 ク ラク シ ョンを鳴 らす 様
子 も見 ら れ る。 とに か く渋 滞
す るの で す 。 こ うい うこ とが
(イ う〆 う と、 あせ-り)事 故
に 繋が って い る よ うだ 。
謄璽難騨
懲-:叉
、-.'翫熟 、
⊃1-iLi::'..:
ミTぐ・
≦
こ'幽'…1)
、.囎 蹴r::・ 支通 事 さ婦 幾:亀
帯 マ ∵ツ
ゴ2憩 三
隊
亭 一
r
・漂 習 照 ペ ー・㌦
}
一
,﹁
設嚇
(
﹁﹄U
、
撚 鞭
蕊 編 熱謙 漁撫 蕪 繍 無撚
繍
憾蕊 ミ
撫 総 漁 無繍
2き鱗'「30}気 ミo⊇製 藁
だ北山田躍から"城山"にかけての直線 這路では
、地 下鉄 工事のために道路が一車 線になっガ ー
いた。また、路 上に車を停める「違 法駐 車」があることにより交通の流れが悪く
なっているのがヨ
これは渋滞にもつながるし、また、そういった場所にある交差点があることで事 故が゚y(,1。
という
違法駐
璽が悪い!
馬:ミ
…;+:..-』
こザ':堺… 艶,泌.三
藻
「北山 田」
から「城山」にかけての直線 這路は、ス_tt_に 買い物にく
る章が逗法 駐璽するた蕊
がUど い。、特に金・土・日の夕方は、バス路 線に影 響を与え迷惑しています。これは運 転者
一σ)間顕です。地 下鉄のセンター駅前 こ現在、警 察の 交香を建 殺中です。人 口が急増して1
北山田、藁山田 地区〔
こ必要な交番は、地下 鉄が開 通後〔
こ頁山田 駅前[こ作られる予定との
です。
冒2∼ミ=}∵
欝 碑等
タリシードライバーによっても要 注意 地点とされています。写 真にもあるようにすみ れが丘 方面t.
る右折 重にとって、反 対方 向の右 折車が邪魔 をして直遵 車がとても見にくいようです。
..-{噛
\群 る
1紺
搾-・
ー㍗'fτ
、 脚'・・-サ
ト「
一
㌧乙し
爵 構 鄭ミ 綱
Vr…
・1ミ.
喪謎
.1青 マ ー 奴
い て
車 を 運 転1.て
亀 ないな と思うと
こ ろ♪
、・母 マ ー 飯 ここ で 交 通 事
数 を § 撃 した コと:が悉
る 、
.、鐸 櫓・・
一^、渉 い た づ
§ 事云
軍 …こ葉 赦:い て 造 な い な
"韻 一
と,・'.ヌ.、
■
噛}露'山`騨
ザ、ー-'_ .5
iま
超 小 ス ジ… ルソー.、纒
し・ ・炬
畦{.'ミt
ミ{}(1-試
4
図6.3
つ づ きTrafEc
Projectの
ごさ雲,ミ
査腰 …
欝 頂
.購,。,,1-∴
ξ:)
i
1サ
詳 細 ペー ジ
実装
サ ー バ ー 側 はFlash
Media
ン と し て 開 発 し 、NOTA
Serverの
APIを
フ リ ー 版 を 利 用 し た 。 シ ス テ ム は 、 Flashア
利 用 し てNOTAプ
プ リケー シ ョ
ラ グ イ ン と し て 動 作 させ て い る。
運用
2006年1月11日
をNOTAペ
に 開 催 され たNOTAネ
ー ジ で13時
か ら18時
ま で5時
ッ トワ ー ク 関 西 の ミー テ ィ ン グ に お い て 、 発 表 の 様 子
間 連 続 し て ス ト リー ミ ン グ 配 信 し た 。 合 計4っ
ラ イ ア ン トが こ の ペ ー ジ に ア ク セ ス し、 会 場 の 映 像 と音 声 を受 信 した 。1つ
のク
の ク ラ イ ァ ン トで は 、
一 定 間 隔 で ブ ラ ウ ザ が ダ ウ ン す る とい う不 具 合 が 起 き た が 、 そ れ 以 外 の ク ラ イ ア ン トで は 正 常 に
受 信 で き る こ とが 確 認 で き た 。
第6章NOTAの
51
利 用 事 例 と応 用
燕
懸 ミ'い慧ミ
ノ 昨llを
ノゴ
(隷
・
謙 譲羅 灘 鱒霧慧㊤
懸薬黒羅 藤
灘・
・ ノご さ い 、 管 声
い
鵬
・
穫
・
ま 丁 、
な
い く
/5
興 蟻
ね\出
FlashMeker3を
使 う と、 ク
-ノ ンク し た ら 、WAVEフ
ル を 再 生 す るSWFフ
ァイ
ァイ ル
が 簡 単 に で ぎ ま した 。
、
一
訴
・2縣
雪
)
参 考 文献
票盤
NOTAぎ
試騨"㈱ 蝋融、
.
…一
璽
\
。
、
鍵/
趨
脳 撮
㌘く夢
厩
窓 ノ
潔 鐙 盛藝
黛蓋
、埠 書 を 持 つ子 の こ
】ミ ュ ニ':r一 シ ョ ン や 情 報 突 流 に 段 に 立 つ ソ ー ル ζ い つ 二 と
て 、 こ の ネ ・1、
ト ワ ー ウ に 蓼 抽 させ て』も ら ゴ ぐー
痩 り せ て も ら って い ま した 。
駅囎 て も そ う で マ が 、 〔bshJ)護 こい こ:こ るは 、 も ン」
ボ ルを移 動 きせ ら れる とこ ろ です 。
ス タ!ド
ァ 〔】一 ノ7は
こ.u;N7TAマ
な ・'一
τ、 汎 絹 牲 の 筑 忌 二`一Ψ と し て 、 髄 穣 の 活 絹 を 素 気 て『い ま す 。
伴 一」た ホ ・
』
』
』ム ベ ・
・ゾ ρ 、 ず な わ ち 、=ノ
ー ルrチ
ま.す。
バ し一リ トか ら も っ て き ー
τ、 絃 手 斌 み た い な も の ガ 搾 鞍 な い か
噛撚 沁 噂、
図6.4
6.3.3
C-Shirtsプ
C-Shirtsは
、 NOTAを
でTシ
い うこ と に な り
舞 え てい ます 。
吊
ぎ
、トミ
障 害 者 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン支 援 シ ス テ ム の 利 用 例
ラ グ イ ン
使 っ て 、 CreativeCommonsラ
の デ ザ イ ン を 作 り、 そ れ を 実 際 のTシ
あ る 。NOTA上
ャ ツ ト1)ど
ャ ツ(Cシ
イ セ ン ス の 作 品 を 組 み 合 わ せ てTシ
ャ ツ)と
して 注 文 す る こ と もで き る シ ス テ ム で
ャ ツ の 枠 を表 示 させ 、 注 文 ボ タ ン を 押 す と、 作 成 した デ ザ イ ン を画 像 に 変
換 し 、 購 入 サ イ ト に 移 動 す る 。Cシ
ャ ツ に は 、 QRコ
街 中 で 見 か け たC上ShirtsのURLを
取 得 す る と 、 そ の デ ザ イ ン を も と に リ ミ ッ ク ス(再
て 、 自 分 のC-Shirtsを
6.4
ャツ
ー ド でNOTAのURLが
入 って い るの で、
編 集)し
作 る こ と も で き る(図6.7)。
利用経験
こ こ で は コ ミュ ニ テ ィ に お け る運 用 に よ っ て 得 ら れ た 経 験 に つ い て 述 べ る。 運 用 を 通 じて 、通 常
のCGIを
用 い た 動 的 作 成Webと
は 異 な る、 NOTAな
の 特 徴 的 な 利 用 経 験 を以 下 に ま とめ る。
らで は の 使 わ れ 方 が 分 か っ て き た 。 NOTA
第6章
NOTAの
52
利用 事例 と応 用
⑤鰻 藻 課ll議 議 噛1凝
辮
麟
覇 ◎
轟'
楽・
駅 冷 ム 謝懸
鮮い亡
'"懸
継
一
鱒 曲
揮可
ミ ミ ミ 、
、
淵憲
、"
・憎
ミ
聾01∵一テレビ会 議 鍵
管製
§
レ
繍(o'幽
鮎雨
送{§ツ ィ盛
-raknsai
rakus.3 i
冑澱
§
潔 慧骨 耳 卜m
rakn>a三
'_。_滋
・
陣 嚇 騨 協 糊
ミ
一1藤
愈
、
繭r
.、ぎ・ ぐ
'・
くミ、'
零燃
ミ溝 ミr、宇・
ミ
様 濾 轟酌 響
へ
1ワ
、'こ 蕃
こ
ご
〕ミ'㍉
受
図6.5
NOTAビ
デ オ会議 室 プラ グイ ンの 利用 例
画像 の ア ツプ ロー ド
画 像 を 手 軽 に ア ツ プ ロー ド しペ ー ジ に貼 り付 け ら れ る こ と は 、 す で に 見 て き た よ う にNOTAの
特 有 の 機 能 で あ るが 、 こ の 機 能 の 積 極 的 な活 用 を確 認 で きた 。1ペ
は よ くあ り、 中20、30個
ー ジ に10個
の 画 像 を貼 る こ と
の 画 像 を 貼 る ユ ー ザ ー もい た 。 ま た 、 貼 り付 け た 画 像 の サ イ ズ や 配 置 は
た い て い の ユ ー ザ ー が 貼 り付 け た 後 で 見 や す い よ う に 調 整 して い るの が 確 認 で き た 。NOTAの
オ
ブ ジ ェ ク トの 自 由 配 置 の 機 能 が 頻 繁 に 使 わ れ 、 活 用 され て い た とい え る。
他 人 の部 品 へ の注釈
他 人 が 作 成 した テ キ ス トや 写 真 に対 し、 手 書 き入 力 機 能 を 用 い て 、 積 極 的 に線 を 引 く用 い られ 方
が 頻 繁 に 見 ら れ た 。 ま た 他 人 の 部 晶 の 隣 に テ キ ス トを 配 置 し、 注 釈 を 書 く例 も よ く見 ら れ た 。 そ
れ を 参 考 に 元 の テ キ ス トを 修 正 し た り、 そ の 場 で 議 論 を す る な どNOTAな
らで は の 使 い 方 が 違 和
感 な く受 け 入 れ られ た よ うで あ る 。 た だ 、 注 釈 が あ ま りに 多 くな る と、 ペ ー ジ の 視 認 性 が 下 が り、
結 果 と して ペ ー ジ の 本 筋 が 分 か りに く く な る こ と も あ っ た 。 ペ ー ジ の 内 容 を表 示 す る 場 と議 論 を
す る場 が 分 か れ て い な いNOTA特
有 の 問 題 で あ る。
NOTAの
轟
轡騨
賊
悪
醗縣 灘薇 欝
嬢鞭 ・
雛辱
瓢瀬
縣鯛麟__
OSGn
rem
③
灘
藷
一一 一
… 一
難難難 噸露
一 一 一一 … 糊"㎜ …"一
馳 ⑳
/淵1・
⑪ 嘩i表Trn舩
1鮫
戦
力(
禰
53
利 用事 例 と応 用
畑
騨
第6章
AOTA蕊
…一
一
㎜…
一
…一
一 一li
《o'轟
噛
・aku・
雌 理燃 ・が使用中1
灘
織 表人に教える ヘルプ 全画面
纒
灘English
i x[×]
圃
ミ
擬
(
庶 蕪_。貼る
§
ミ
ミ
塾 盤璽
タ 幣 さi蕊し;Li・
「\
・
こ シ ヤ.3
・糖
了llV='v
.N
-・「1
§
ヤダ 幽
腎
"
坤
主
︺
、♂
﹁層
ご
/
X
\
映、
聡
、
雪
・
ア・ 細
礁
虫冒
齢
α
①
こ
L,
・ 警
P、
げ目
i…
…
馳
馳sδ
巡 馳{
・lc$hrt職聯s喚
、、
N
、特
閥閥\
、ぺぺ
、
ぺぺ"
"
"
ミN
、N
"
…
…蕊 一 一 …魏i
、、、へ、、
からデータを転 逢していま凱
図6.6
C-Shirtsの
作 例
チャット
NOTAの
書 き込 み の 手 軽 さ と、 リア ル タ イ ム 性 に よ りペ ー ジ 上 で チ ャ ッ トの 代 わ り と して 用 い
られ る こ と も あ っ た 。 話 題 の 遠 近 に よ り、 文 字 の 配 置 場 所 を 変 え る な どの 工 夫 を ユ ー ザ ー が 自 主
的 に 行 っ て い る こ とが 多 く、 単 に 話 題 を 時 間 軸 で 並 べ た だ け の チ ャ ッ トと比 較 し て 話 題 を 整 理 し、
活 用 す る す るの に有 効 で あ る こ とが 分 か っ た 。
ゲ ス ト投 稿
NOTAは
ペ ー ジ の 編 集 が 可 能 な ゲ ス ト権 限 を用 意 し、 不 特 定 多 数 の ユ ー ザ ー の 書 き込 み を認 め
て い る た め 、第 三 者 に よ っ て ペ ー ジ の 趣 旨 に沿 わ な い 書 き込 み が 投 稿 さ れ 、 トラ ブ ル に な る と い っ
た 危 険1生を孕 ん で い る。 しか し な が ら、 ゲ ス トが 既 存 の オ ブ ジ ェ ク トを 削 除 で きず 、追 加 書 き込 み
だ け が 可 能 で あ る点 と、管 理 者 と コ ミ ュニ テ ィの メ ン バ ー が そ れ ら の 投 稿 を 発 見 次 第 、 削 除 で き る
た め 、 コ ミ ュ ニ テ ィの メ ン バ ー が 常 に 監 視 し て い るペ ー ジ に あ っ て は 、 これ らの ト ラ ブ ル は 起 きて
鞭
第6章NOTAの
54
利 用.事例 と応 月」
図6.7C-ShirtsのQRコ
ー ドを 携 帯 電 話 を 利 用 し て 読 み 込 む 様 子
い ない。
6.5
NOTAの
ま とめ
利 用 事 例 と して 、 NOTAの
例 と、 コ ミ ュ ニ テ ィ 内 でNOTAの
て そ れ ぞ れ 紹 介 した 。 ま た 、NOTAの
使 い 方 を 工 夫 して コ ミュ ニ テ ィ 活 動 に合 わ せ て 利 用 し た 事
プ ラ グ イ ン を 開 発 し てNOTAを
拡 張 して 利 用 した 事 例 に っ い
運 用 か ら分 か っ た 知 見 を ま とめ た 。
55
第7章
関連研 究
本 章 で は、 本研 究 と関連 を持 つ先 行研 究 を挙 げ、 それ らの特徴 や 本研 究 との相 違 点 、
お よび本 研 究 の位 置づ け につ いて述 べ る。
第7章
関連 研 究
7-1
56
は じめ に
本 章 で は 、 本 研 究 と関 連 を持 つ 先 行 研 究 を 挙 げ 、 本 研 究 との 関 連 や 差 異 を 述 べ 、 本 研 究 の 位 置 づ
け を 明 らか に す る。 本 研 究 は 共 生 開 発 ス タ イ ル の コ ン セ プ トお よ び シ ス テ ム の 両 方 を研 究 対 象 と
して い る た め 、 関 連 研 究 も そ れ に 沿 っ た 形 で 述 べ る 。 関 連 研 究 の う ち 、第2章
で 挙 げ た もの は 、 本
章 で は省 略 す る。
7-2
Web技
術 の新 領 ±
或
技 術 的 な 背 景 に は 、 近 年 のWebの
る よ う に 、Webは
進 化 が あ る 。 Web2.0[梅
、 「非 同 期 通 信 」 の 技 術 や
「WebのAPI」
田06]と
い う キ ー ワ ー ドに総 称 さ れ
が 普 及 し、 リ ッ チ ・イ ン タ フ ェ ー ス
の 開 発 や 、 外 部 の シ ス テ ム と連 携 す る機 能 の 開 発 が 盛 ん に な っ た 。 こ れ らのWebの
新 しい技術 的
な概念 につ いて述 べ る。
7.2.1
非 同期通 信
ウ ェ ブ ブ ラ ウ ザ 上 で 画 面 遷 移 す る こ と な く、 情 報 を サ ー バ ー に 対 し て 送 信 し た り取 得 した り
す る こ と をWebの
は 、Webに
GET方
非 同 期 通 信 と呼 ぶ 。 実 装 に は 、 JavaScript*1やAdobe
Flashを
用 い る。 従 来
お い て 動 的 な コ ン テ ン ツ を 生 成 す る と き は 、 ペ ー ジ が 遷 移 し た と き にPOSTも
し くは
式 で 情 報 を サ ー バ ー に 送 信 し、 コ ン テ ン ツ を 書 き換 え て い た 。 非 同 期 通 信 に よ り、 ウ ェ ブ
ブ ラ ウ ザ 上 で 既 存 の 枠 組 み に と ら わ れ な い ユ ー ザ ー イ ン タ フ ェ ー ス を 実 現 す る こ とが で き る。 代
表 的 な 例 で あ るGoogle
Mapsを
図7.1に
示 す 。 Google
Mapsで
は、 ユ ーザ ー が地 図 をマ ウ スで
ド ラ ッ グ す る と、 シ ス テ ム は 、画 面 の 枠 の 外 に あ る地 図 情 報 を 逐 次 サ ー バ ー か ら取 得 して 描 画 す る
た め 、 地 図 を ス ム ー ズ に ス ク ロ ー ル す る こ とが で き る 。
NOTAに
お い て は 、 複 数 人 が 同 時 に1つ
の ド キ ュ メ ン トに 対 してNOTA上
で 書 き込 み を行 う
と き に 、 非 同 期 通 信 を 利 用 して 、 同 一 の 画 面 を 共 有 で き る よ う に して い る。
7.2.2
WebのAPI
WebのAPI(Application
Program
Interface)は
、用 途 に よって
「外 部 の シ ス テ ム と の 連 携 」
と 「プ ラ グ イ ン に よ る シ ス テ ム の 拡 張 」 の 二 つ に 分 類 さ れ る 。
外部 の システ ム との連 携
従 来 、Webを
利 用 した シ ス テ ム は 、1つ
の ドメ イ ン に お い て 単 独 で シ ス テ ム を 運 用 す る こ とが
多 か っ た が 、 近 年 は 、 外 部 の シ ス テ ム と連 携 す る た め に、 積 極 的 に 情 報 の 相 互 利 用 を 行 う も の が 増
え て きた 。 これ ら を 実 現 す る た め に 、 ドメ イ ン を 超 え て 他 の シ ス テ ム の 情 報 を 取 得 した り、 送 信 し
*1JavaScriptを
用 い て 非 同 期 通 信 を 行 う こ と を 特 に 「Ajax(Asynchronous
JavaScript+XMLの
略 称)」 と呼 ぶ
。
第7章
57
関連 研究
G◎ 懸 娩 臨
一ゴ
、』
』照 懸 ご
マツブ
翻 婁】
劇 区郎
L 淋 曜筆
[璽=コ[画
筋ゴリ冠
.㌧ど
コ[亜
B園[ヨ
灘一
慶 鳳 義 塾 大 学 湘 南 藤 沢 キ ャンパ ス
大学鷹棟
雁、
尺rTiiS65322
警 二.毫
埜主 一饗§蚤葺畢
。
編
織濾藤
曹 難 徽 木獺 藤 撫'マ
研蝋
礒沢 市遠 願5322
、
聯'"
寧 響緊 獅 欝 騨 警 一
・
寸
『
零盤 盤 鵠 窮無'
c3:謹
欝
ヨ 、3」
寧 饗 繍
瀞
・
軽'・
筆ウンジ
難T「 礪・
・く壁
Y
\、
、
yt卜
\
新宿区偉濃町35
撃繰 雑 。
譜 署細
葦≒夢
霞塁
⑱騨奪戴塾 ⊥僻鞭.←
謙o『r;壱
図7.1Google
一■臼テーう灘 霞駆減融・"ミ
、
い$c
罵
.
\」
Maps
た りす る 際 に 利 用 可 能 な 関 数 や プ ロ トコ ル の 集 合 をWebのAPIと
呼ぶ。
プラ グイ ン によ る システ ム の拡 張
また、 ウ ェブ シ ステ ム の 中 に は、 そ の ウ ェ ブ シス テ ム 自体 を拡 張 す る こ とが可 能 な プロ グ ラム
(プ ラ グ イ ン と呼 ば れ る)を
、 外 部 の 開 発 者 が 追 加 す る こ とが で き る も の も あ る。 こ の 場 合 も、 そ
の シ ス テ ム 上 で 多 くの プ ラ グ イ ン が 共 通 し て 利 用 す る機 能 は 、APIと
NOTAに
お い て も、 NOTAを
拡 張 す る プ ロ グ ラ ム に 対 して 、 NOTA
して 提 供 され る。
APIと
呼 ば れ る一 連 の 関
数 群 を 提 供 し、 コ ミ ュニ テ ィ支 援 の た め に 有 効 な 機 能 を 開 発 しや す くな っ て い る(詳
し くは 、 第5
章 で 述 べ る)。
7.3
7-3,1
Webの
コ ンテ ン ツ流 通 の 新領 域
オ-プ
ン コンテ ン ツ
技 術 的 な 進 化 に よ り 、 コ ン テ ン ツ の 流 通 や 利 用 に も 変 化 が 起 き て い る 。 Webの
間 の 連 携 が 容 易 に な っ た た め 、 従 来 は1つ
え て 流 通 す る よ う に な っ た 。 ま た 、Webの
シス テ ム
の シ ステ ム に蓄 積 され て い コ ンテ ンツが シス テ ム を超
ユ ー ザ ー イ ン タ フ ェ ー ス の 進 化 に よ り、Web上
で の
直 接 コ ン テ ン ツ の 作 成 、 編 集 、 複 製 が で き る よ う に な り、 コ ン テ ン ツ の 利 用 形 態 が 変 化 し た 。 こ
の よ う に コ ン テ ン ツ がWeb上
で 作 成 、 編 集 さ れ 、 シ ス テ ム を 超 え て 流 通 す る 現 象 を 、 「オ ー プ ン
コ ン テ ン ツ 」 と 呼 ぶ 。 ま た 、 シ ス テ ム が オ ー プ ン コ ン テ ン ツ の 作 成 や 流 通 を サ ポ ー トす る こ と を 、
ADOC[鈴
木06](Application
Driven
Open
Contents、
ア プ リ ケ ー シ ョ ン駆 動 型 オ ー プ ン コ ン テ
¥
第7章
58
関連 研究
1'載誌 謬 欝 檬號 黛 講 繊'濃 詳=撰6ジ 訟 騰6鰍
1フ ァイル(f>
編 集(E)
表 示(V>
ブッケマーク(旦)
履歴③
い
一
ツール①
.へ駅"""樫
野
\"憎
\へ
'
ヘル7tiH)
wrttustratar
無 、、
9蝕 「・&PU琩゚f/ll拍
raku$創}しogout
∼1、
Open
F用
Strake
丁就
lose Fath
翻 貫猷 こ
10PX
口
l▼
懲 賦… ・
熱
Edit.
3
こ 月2
r PatYt
嚢 § 睾華
しayer
Size
蓑
﹄
レ
▼ き欄
"蒸
strator.orbか
愚
らデ ータを転 送 して い ます.
\ミ・
図7-2Willustrator
ン ッ)と
呼 ぶ 。NOTAも
、 ADOCの1つ
と して 捉 え る こ とが で き る。
Wi一lustrator
`'illustrator[神
ら れ たWebの
原06]は
、 「"鴇
」二で の 協 同 イ ラ ス ト レ ー シ ョ ン 」 と い う コ ン セ プ トの 元 に 作
ドロ ー ツ ー ル で あ る 。 複 数 ユ ー ザ ー で 利 用 で き る ウ ェ ブ ア プ リ ケ ー シ ョ ンで あ り、
ブ ラ ウ ザ 上 で 利 用 で き る ド ロ ーUIを
持 つ(図7.2)。
ペ イ ン ト ツ ー ル と違 い 、 ド ロ ー ツ ー ル で あ
る こ と を 活 か した 再 編 集 機 能 や 他 の ユ ー ザ ー の 絵 を 簡 単 に再 利 用 す る た め の 仕 組 み を 持 っ て い る 。
Wilhlstratorの
ド ロ ー 機 能 はNOTAよ
り細 か な 制 御 が 可 能 で あ る 。 し か し 、 制 作 し た 絵 を 他 の
ツ ー ル や コ ン テ ン ツ に 埋 め 込 ん で 利 用 す る こ と を 想 定 し て お り 、NOTAの
よ うに ウ ェブペ ー ジ を
作 る こ と は で き な い 。 ま た 、 プ ラ グ イ ン に よ っ て 拡 張 し 、 ア プ リ ケ ー シ ョ ン ・プ ラ ッ ト フ ォ ー ム
と し て 利 用 す る 機 能 は な い 。NOTAは
フ ォ ー ム を指 向 し て い る。
、 文 字 や 写 真 、 図 、 プ ラ グ イ ン な ど を貼 り付 け る プ ラ ッ ト
第7章
59
関 連研 究
7.3.2 Consumer Generated Media
ウ ェ ブ サ イ トの コ ン テ ン ツ を 、 従 来 の よ う な プ ロ の コ ン テ ン ツ 制 作 者(作
サ ー な ど)で
は な く 、 エ ン ド ユ ー ザ ー が 作 成 し 提 供 す る こ と を 、Consumer
(CGMと
略 す)と
NOTAも
、 CGMの1つ
7.3.3
家 、記 者 、 プロ デ ュー
呼 ぶ 。 Social
Bookmarkや
、 ウ ェ ブ ロ グ 、 SNSな
Generated
Media
ど は そ の 代 表 的 な 例 で あ る。
で あ る。
Creative Commons
Creative
Commons[LesOO][LesO1][L.02]と
は、 さま ざ まな コンテ ンツ に対 して著 作権 を保 持 し
な が ら一 定 の 自 由 を 事 前 に 許 諾 して い る こ と を 、 分 か りや す く表 示 す る こ とが で き る ラ イ セ ン ス
群 の こ とで あ る 。 例 え ば 、 あ る ア ー テ ィ ス トの 曲 を ミ ッ ク ス して 新 た な 作 品 を 作 りた い と い う場
合 、 従 来 は 、 作 者 と管 理 団 体 に説 明 、 交 渉 、 契 約 準 備 、 確 認 と い っ た こ とが 必 要 で あ っ た 。 し か
し、Creative
Creative
Commonsの
Commonsに
ラ イ セ ン ス を適 用 して い れ ば 、 こ の よ うな 煩 雑 な 手 続 き は 必 要 な い 。
対 応 す る た め に は 、 コ ン テ ン ツ を公 開 す る 際 に ラ イ セ ン ス の 条 件 の マ ー
ク を選 択 し、 表 示 して お くだ け で よ い 。 ラ イ セ ン ス の 条 件 の マ ー ク に は 、例 え ば 、 原 著 作 者 の 「氏
名 表 示 」 が 必 要 か ど う か 、 非 営 利 の 活 動 の み に使 用 可 能 か ど う か 、 原 著 作 者 と 同 じ ラ イ セ ン ス で
発 表 し な け れ ば な ら な い か 、 表 現 や ソ フ トウ ェ ア を 改 変 して 用 い て い い か ど うか と い っ た も の が
あ る。
Creative
Commonsは
、 ラ イ セ ン ス の 提 供 だ け で は な く、 ラ イ セ ン ス を シ ス テ ム が 識 別 す る
た め の 仕 様 の 提 案 も 行 っ て い る 。 例 え ば 、HTMLフ
ァ イ ル や 画 像 フ ァ イ ル に 対 し て 、 Creative
Commonsが
規 定 す る 方 法 で ラ イ セ ン ス を記 述 す る こ とに よ っ て 、G00gleやFlickrか
Commonsに
対 応 した コ ン テ ン ツ を 検 索 す る こ とが で き る 。
Creative
Commonsに
らCreative
よ り、7.3.1に 示 した オ ー プ ン コ ン テ ン ツ の 流 通 の 法 的 、 技 術 的 な煩 雑 さ
が 解 消 され る こ とが 期 待 さ れ る 。NOTAも
、複 数 人 で 協 同作 成 した コ ンテ ン ツの ライセ ンス に関
して 複 雑 な課 題 を 抱 え て お り、 こ う した コ ン テ ン ツ の 新 し い ラ イ セ ン ス 方 式 と深 く関 係 して い る 。
7.4
開発 形 態 に関 す る 関連 研 究
7-4.1CSCLお
NOTAの
よ びCSCW
よ う に コ ミ ュ ニ テ ィ活 動 と持 続 的 な 関 わ りを 持 ち 、開 発 者 が 市 民 の 中 か ら現 れ 、利 用 者
と一 体 とな っ て 設 計 し開 発 す る と い う視 点 は 、従 来 のCSCL(Computer
Supported
Collaborative
Learning、
Supported
Collaborative
Work、
コ ン ピ ュ ー タ に 支 援 さ れ た 協 同 学 習)、 CSCW(C0mputer
コ ン ピ ュ ー タ に 支 援 さ れ た 協 同 作 業)研
究 に も な か っ た も の で あ る 。 こ う した 研 究 に ユ ー
ザ ー の 実 践 を 見 た 上 で デ ザ イ ン す る とい う観 点 は あ っ た に して も、 設 計 者(開
発 者 ・デ ザ イ ナ ー)
は 、 ユ ー ザ ー を 個 々 に 分 解 し、 一 人 の ユ ー ザ ー の 視 点 か ら使 い 勝 手 や 効 果 を 評 価 して い た に す ぎ な
か っ た 。 っ ま り、 シ ス テ ム の 設 計 に お い て 、 設 計 者 と利 用 者 を 含 め た ネ ッ トワ ー ク 構 築 の あ り方 に
第7章
関連研 究
60
焦 点 を 当 て た も の は ほ とん ど な か っ た 。*2
7.4.2
参 加 デザ イ ン
参 加 デ ザ イ ン(Participatory
Design)の
ア プ ロ ー チ は ど うだ っ た だ ろ うか([BG96][KB98]
[KSB98])。
参加 デザ イ ンの ア プロー チ は、 ワー ク プ レイ ス にお け る シス テ ム、人 工 物 の設 計 へ の
「ユ ー ザ ー 」 の 参 加 を め ざ した もの で あ り
、 ワ ー ク シ ョ ッ プ の 企 画 や ユ ー ザ ー も含 め た デ ザ イ ン場
面 を 組 織 化 す る とい っ た 実 践 を 行 っ て き た 。 しか し、 こ う した 場 面 設 定 は 一 時 的 な も の で あ り、長
期 的 に 関 係 を 持 続 す る 設 計 者 と使 用 者 の ネ ッ トワ ー ク構 築 を め ざ す も の で は な い 。 さ ら に 、 設 計
者 と利 用 者 は 明 確 に 区 分 さ れ て お り、 利 用 者 が 設 計 を サ ポ ー トす る こ と は な い 。 こ の ア プ ロ ー チ
で は 、 設 計 者 は 、 ユ ー ザ ー の ニ ー ズ や 注 文 を 聞 くが 、 実 際 の 開 発 は 、 あ く ま で 設 計 者 が 行 っ て い
た 。 も ち ろ ん 、 実 際 に 参 加 デ ザ イ ン を 組 織 化 す る た め に は 、 コ ミ ュ ニ テ ィ が 必 要 と な るが 、 参 加 デ
ザ イ ン は 、 こ う した こ と に 焦 点 を 当 て て こ な か っ た 。
NPOパ
ンゲ ア
NPOパ
ン ゲ ア[高 崎06][NPOパ]は
、 「世 界 の 子 供 た ち を つ な ぐ」 と い う コ ン セ プ トを持 ち 、 「絵
文 字 コ ミ ュニ ケ ー タ ー 」、 「コ エ ツ ナ 」、 「パ ン ゲ ア ネ ッ ト」 な ど複 数 の ソ フ トウ ェ ア を 開 発 し、 そ れ
らの ソ フ トウ ェ ア を利 用 して 世 界 中 で 「ア ク テ ィ ビ テ ィ 」 と呼 ば れ る交 流 活 動 を行 っ て い る。 ソ フ
トウ ェ ア は 、 一 部 の 常 任 メ ンバ ー を 中 心 に 、 多 くは ボ ラ ン テ ィ ア に よ っ て 開 発 さ れ て い る 。 ソ フ ト
ウ ェ ァ の 開 発 は 、 「まず は動 く こ と を 重 視 」 「プ ロ グ ラ ミ ン グ 言 語 は ボ ラ ン テ ィ ア の 得 意 な 言 語 で 開
発 す る た め さ ま ざ ま な 言 語 が 入 り交 じ る 」 「ネ ッ トの セ キ ュ リ テ ィ に は 配 慮 」 「ア ドバ イ ス を い た
だ い た 後 、 即 反 映 さ せ るか 待 つ か ど う か はNPOの
実 証 活 動 フ ェ ー ズ も含 め た 全 体 傭 鰍 の 上 、 担 当
責 任 者 が 決 定 す る」 とい っ た プ ロ セ ス で 開 発 を 進 め る。NOTAの
NPOの
コ ミ ュニ テ ィ と同 様 、 開 発 者 は
コ ミ ュ ニ テ ィ メ ンバ ー で あ る国 内 外 の 多 様 な 人 た ち と コ ミ ュニ ケ ー シ ョ ン を しな が ら開 発
す る。 そ れ に は 、 小 中 学 生 、 小 中 学 校 の 先 生 、 ベ ン チ ャ ー 企 業 人 、 大 企 業 役 員 、 保 護 者 、 デ ザ イ
ナ ー 、 記 者 、 研 究 者 、 ミ ュー ジ シ ャ ン、 学 生 、 官 僚 、 フ リー ター な どが 含 ま れ る 。 開 発 に は 、 モ チ
ベ ー シ ョ ン が 重 要 視 さ れ る 。 ボ ラ ン テ ィ ア は 、 モ チ ベ ー シ ョ ン が 低 い 人 は 、 も と も と参 加 し な い た
め 、 金 銭 的 な イ ン セ ン テ ィ ブ が 低 く、 開 発 者 モ チ ベ ー シ ョ ン が 極 め て 高 い と い う特 徴 を 持 っ 。 モ
チ ベ ー シ ョ ン は 、 新 規 開 発 時 に は、 「楽 し い 、 社 会 的 意 義 を感 じ る 、 誇 ら し い 」 な どの 感 情 に よ っ
て 高 ま り、 デ バ ッ グ時 に は 、 「
恥 ず か しい 、 教 わ れ て 勉 強 に な る 、 必 要 性 を実 感 す る」 な どの 感 情
よ っ て 保 た れ る 。NPOパ
ン ゲ ア で は 、(1)プ
トウ ェ ァ 品 質 を人/環 境 の せ い に し な い 、(3)ソ
ロ ジ ェ ク トの ミ ッ シ ョ ン を ぶ ら さ な い 、(2)ソ
フ ト ウ ェ ア職 人 を惹 き つ け る 、(4)感
性 を キ ー プす る、 な ど を 組 織 的 に 重 視 して い る。NPOパ
フ
動 で き る感
ンゲア の開 発形 態 は、 本研 究 で提 案 す る
「共 生 開 発 ス タ イ ル 」 と類 似 して い る
。 開 発 者 が コ ミ ュ ニ テ ィ の 中 で 多 様 な 人 た ち と協 働 し な が ら
開 発 を 進 め る 点 や 、 ボ ラ ン タ リー な 動 機 を 重 視 して い る 点 が 共 通 して い る 。 そ の 一 方 で 、NPOパ
*2ニ
ュ ー マ ン[New98]は
、 ア ク タ ー ネ ッ ト的 な 観 点 を 用 い な が ら、 あ る ミ ドル ウ ェ ア の デ ザ イ ン の 事 例 を 分 析 し、 シ
ス テ ム を デ ザ イ ン す る こ とが 、 さ ま ざ ま な 技 術 や 人 々 の ネ ッ ト ワ ー ク を 構 築 す る こ と に 等 し い と い う こ と を 示 して
い る。
第7章
関連研 究
ン ゲ ア で は 、 常 任 の リー ダ ー が 開 発 を 指 揮 を執 っ て い るの に対 し、NOTAの
確 な 開 発 の リー ダ ー が 存 在 しな い とい う点 が 異 な っ て い る 。
61
事例 にお い て は、明
62
第8章
共 生 開発 ス タ イル の考 察 と今 後 の展 望
本 章 で は 、共 生 開 発 ス タ イ ル につ い て 、 現 在 分 か っ て い る課 題 や 限 界 、今 後 の 展 望 に
っ い て 述 べ 、 本 研 究 の さ ら な る発 展 に つ い て 論 述 す る 。
第8章
8ユ
8.1.1
63
共 生 開発 ス タイル の考 察 と今 後 の展 望
共 生 開発 ス タイ ル の 考 察
オ-プ
ン ソ ー ス か らオ ー プ ン コ ン テ ン ツ へ
す で に 述 べ た 通 り、 私 が 開 発 したNOTAは
、 開 発 者 以 外 の 人 も参 加 す る 地 域 コ ミ ュニ テ ィ の 中
で 開 発 が 進 め られ 、 改 良 が 加 え ら れ た 。 こ の よ う に ボ ラ ン タ リー な 動 機 か ら開 発 が 進 め られ る と
い う点 は 、 オ ー プ ン ソ ー ス ・ソ フ トウ ェ ア の 開 発 と類 似 点 が あ る。
近 年 、 他 人 の コ ン テ ン ツ を流 用 し、 そ こ に 自分 の 著 作 を 追 加 して 公 開 す る と い うオ ー プ ン コ ン
テ ン ツ の 現 象 が 注 目 され て い る。 オ ー プ ン ソ ー ス の 開 発 コ ミュ ニ テ ィ に お い て は 「ソ ー ス コ ー ド」
を オ ー プ ン に して 複 数 の 人 が 少 しず つ 創 作 に貢 献 す る こ とで ソ フ トウ ェ ア を 開 発 す る 手 法 が 定 着
して い る が[StaO2]、
一 般 の コ ン テ ン ツで は 、 技 術 的 な 課 題 や 法 整 備 の 遅 れ な どか ら 、 この よ う な
創 作 手 法 は一 部 を 除 い て あ ま り行 わ れ て い な い 。
そ れ ら を解 決 す る た め 、一 般 の コ ン テ ン ツ を オ ー プ ン ソ ー ス 的 に 生 成 、 伝 播 さ せ る こ とが で き る
シ ス テ ム が 必 要 で あ る と考 え る。NOTA(第4章
で 詳 述)は
このた め の プ ラ ッ トフォー ム を提 供
す る。 オ ー プ ン コ ン テ ン ツ の 実 現 に は、 コ ン テ ン ツ に 多 人 数 で 同 時 に編 集 可 能 で あ る こ と と、 コ ン
テ ン ッ を他 人 が 容 易 に再 利 用 可 能 で あ る こ とが 必 要 で あ る 。 オ ー プ ン コ ン テ ン ツ を 実 装 す る ア プ
リケ ー シ ョ ン の 設 計 を ま とめ る と、 以 下 の よ う に な る。
横 浜 市 の コ ミ ュ ニ テ ィ に お い て 、 共 生 開 発 ス タ イ ル の 手 法 が 成 立 した 背 景 と して 、NOTAが
こ
れ ら の オ ー プ ン コ ン テ ン ツ の 要 件 を 満 た し て い た とい う点 は 重 要 で あ る。 専 門 的 な ソ ー ス コ ー ド
で は な く、 文 書 、 写 真 、 ア イ コ ン 、 プ ラ グ イ ン と い っ た コ ン テ ン ツ の 協 同 編 集 と派 生 を シ ス テ ム
が サ ポ ー ト した こ と に よ っ て 、 開 発 者 以 外 の 人 が 開 発 コ ミ ュ ニ テ ィ に 参 加 す る こ とが で き た と い
え る。
8.2
今 後 の展 望
共 生 開 発 ス タイ ル は、 地域 コ ミュニ テ ィに お いて必 要 な機 能 を コ ミュニ テ ィ内で 開 発 で き る と
い う点 で 利 点 が あ る 一 方 で 、 課 題 も あ る 。
1っ 目 は 、 プ ラ グ イ ン な ど を コ ー デ ィ ン グ で き る 開 発 者 が ま だ 限 定 的 な も の に と ど ま っ て い る
点 で あ る 。FlashやNOTA
APIを
誰 もが 使 え る とは い え な い 。Flashは
利 用 し た 開 発 は 、 従 来 の 開 発 と比 べ て 敷 居 が 下 が っ て い る が 、
、 コ ー デ ィ ン グ を しな くて も条 件 や 関 数 を 選 択 し て 組 み 合 わ
せ る こ とで 簡 易 的 な ス ク リ プ トを 作 成 で き る が 、 今 後 は こ の よ う に コ ー デ ィ ン グ と い う行 為 を す
る こ と な く開 発 が で き る よ う な 工 夫 を して い く必 要 が あ るだ ろ う。
二 っ 目 は 、 共 生 開 発 ス タ イ ル に よ っ て 開 発 さ れ た ソ フ トウ ェ ア は 、 汎 用 性 が 低 くな りが ち に な る
第8章
共生 開 発 ス タイ ルの考 察 と今 後 の展 望
64
点 で あ る 。 そ も そ も コ ミ ュ ニ テ ィ に お け る狭 い ニ ー ズ に応 え る た め に 開 発 す る た め 、 開 発 され た
ソ フ トウ ェ ア は 、 同 じ よ う な 条 件 の コ ミ ュ ニ テ ィ に お い て しか 有 効 で な い こ とが 多 い 。 汎 用 性 が
低 くな る と、 ソ フ ト ウ ェ ア の 蓄 積 が な さ れ ず 、 どの コ ミュ ニ テ ィ に お い て も似 た よ う な機 能 を 再
生 産 す る こ と に な る 。 この 課 題 は 、 ユ ー ザ ー が 作 成 した シ ス テ ム か ら汎 用 性 の あ る機 能 を 抽 出 し、
蓄 積 で き る よ う な フ レー ム ワ ー ク を考 案 す る こ とで 解 決 で き る可 能 性 が あ る。
今 後 は 、 これ ら の 課 題 を 解 決 す る た め に継 続 的 に 研 究 に 取 り組 ん で い く予 定 で あ る。
65
第9章
結論
本 章 で は本論 文 を総 括 す る。
第9章
9.1
結論
66
研 究 の成 果
本 研 究 の 成 果 は 、 以 下 の4つ
に ま とめ る こ とが で き る 。
● 市 民 が 地 域 コ ミュ ニ テ ィ に お い て 開 発 を 行 う 「共 生 開 発 ス タ イ ル 」 を 提 案 した 。
● コ ミュ ニ テ ィ 活 動 支i援シ ス テ ム 「NOTA」
を 開 発 した 。
●NOTAを
拡 張 す る ア プ リ ケ ー シ ョ ン ・プ ラ ッ ト フ ォ ー ム を 実 現 した 。
●NOTAの
利 用 事 例 を 評 価 し、 有 効 性 を 検 証 した 。
ま ず 、 市 民 が ソ フ トウ ェ ア を 開 発 し、 コ ミ ュ ニ テ ィ で 運 用 す る 中 で 得 ら れ る フ ィ ー ドバ ッ ク を 元
に 継 続 的 に 改 良 して い く 「共 生 開 発 ス タ イ ル 」 を 提 案 した 。 共 生 開 発 ス タ イ ル は 、 以 下 の よ う な メ
リ ッ トが あ る こ と を 示 した 。
1.効 率 を あ ま り考 え ず に シ ス テ ム を継 続 して 開 発 で き る 。
2.利 用 者 の フ ィー ドバ ッ クが た だ ち に得 ら れ る 。
3.開 発 者 と コ ミ ュ ニ テ ィ が 一 体 に な っ て い る た め 必 要 な機 能 だ け を 作 れ ば よ い 。
4-高
い モ チ ベ ー シ ョ ン を保 っ て 楽 し く開 発 で き る 。
次 に 、 共 生 開 発 ス タ イ ル の 事 例 と して 私 が 開 発 し た 「NOTA」
広 が っ た プ ロ セ ス を 明 らか に した 。NOTAは2005年
で 利 用 さ れ 、 そ の 後NOTAを
よ り横 浜 市 の い くつ か の 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ
改 良 した い とい う要 望 を 持 つ 利 用 者 の 有 志 が 集 ま っ て 開 発 コ ミ ュ ニ
テ ィ を形 成 し、 共 生 開 発 ス タ イ ル が 始 ま っ た 。
NOTAは
を 利 用 して 共 生 開 発 ス タ イ ル が
.
、 複数 の人 が 同時 に ブラ ウザ上 で 文 字や 図 、写 真 な どを好 きな位 置 に書 き込 み、 蓄積
で き る シ ス テ ム で あ る 。NOTAの
実 装 に つ い て 述 べ 、 汎 用 性 の 高 い イ ン タ フ ェ ー ス を持 つ シ ス テ
ム で あ る こ とを 説 明 した 。
共 生 開 発 ス タ イ ル に よ る 開 発 を促 進 す る た め に 、 利 用 者 がNOTAを
を追 加 した 。 こ の 結 果 、NOTAを
拡 張 で きる プ ラグイ ン機 能
応 用 した地 図 シ ス テム や、 ビデ オ会 議 シ ス テム 、障 害者 コ ミュ
ニ ケ ー シ ョンシ ス テ ムな どが地 域 コ ミュニ テ ィ内 で 開発 され た。 これ らの事 例 は、 コ ミュニ テ ィ
の 細 か な 要 求 に 応 え る機 能 を 的 確 か つ 迅 速 に 開 発 す る こ と に成 功 して お り、 共 生 開 発 ス タ イ ル の
有 効 性 を示 した とい え る 。
9.2
論 文 の 総 括 と結 論
市 民 が 地 域 コ ミュ ニ テ ィ活 動 の た め に 自 ら ソ フ トウ ェ ア を 開 発 す る と い う 「共 生 開 発 ス タ イ ル 」
は 、 今 後 、 そ の 重 要 性 が 高 ま る と考 え る。 本 研 究 は 、 工 業 的 な ソ フ ト ウ ェ ァ 開 発 や オ ー プ ン ソ ー
ス ・コ ミ ュ ニ テ ィ に お け る開 発 の 限 界 を 指 摘 し、Webの
汎 用 的 な情 報 共 有 シ ス テ ム 「NOTA」
を
利 用 して 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ に お い て 共 生 開 発 ス タ イ ル が 成 り立 つ こ と を 示 し た 。 共 生 開 発 ス タ イ
ル が 広 が る こ とに よ っ て 、 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ で 必 要 と され る 細 か な 要 求 を 満 た す ソ フ トウ ェ ァ が
よ り多 く開 発 さ れ る こ と を 願 う。
s7
謝辞
慶應
義 塾 大 学 大 学 院 入 学 以 来 、 研 究 を ご指 導 を い た だ い た慶應 義 塾 大 学 安 村 通 晃 教 授 に 深 く感
謝 致 し ま す 。 ま た 、 本 研 究 の 副 査 と して 、 ご 意 見 、 ご 助 言 を い た だ い た慶應 義 塾 大 学 徳 田 英 幸 教
授 、横 浜 の 地 域 コ ミュ ニ テ ィ を紹 介 して い た だ き 、 コ ミ ュ ニ テ ィ の 理 論 と実 践 の 両 面 に お い て ご指
導 い た だ い た 武 蔵 工 業 大 学 上 野 直 樹 教 授 に感 謝 致 し ま す 。
研 究 の 進 め 方 や 論 文 の 構 成 に つ い て 細 部 に わ た っ て 助 言 を い た だ い た イ ン タ ラ ク シ ョ ン ・デ ザ
イ ン ・プ ロ ジ ェ ク トの 樋 口文 人 先 生 、 渡 邊 恵 太 さ ん に 感 謝 し ま す 。 ま た 、 同 期 と して 共 に励 ま し
合 っ た 赤 池 輝 幸 君 、 後 藤 孝 行 君 、 佐 藤 公 宣 君 、 あ りが と う。
本 研 究 を 通 して 、 改 め て 開 発 コ ミ ュニ テ ィ の 大 切 さ 、 有 り難 さ を 実 感 致 し ま した 。NOTAの
研
究 は 、 多 くの 方 の 献 身 的 な協 力 に よ っ て 成 り立 っ て い ま す 。 さ ま ざ ま な 形 で 開 発 を 支 援 して くだ
さ っ た み な さ ん に こ の 場 を 借 りて 深 く感 謝 申 し上 げ ま す 。NOTAの
開 発 を 協 力 して い た だ き、 簡
易 セ ツ トア ツ プ プ ロ グ ラ ム や セ ツ トア ツ プ マ ニ ュ ア ル を書 い て い た だ い た慶應 義 塾 大 学 秋 元 慶 太
さ ん 、 テ ン プ レ ー トイ ラ ス トや ロ ゴ を提 供 して い た だ い た 武 蔵 工 業 大 学 真 行 寺 由 郎 さ ん 、 テ レ ビ
会 議 室 プ ラ グ イ ン を 開 発 した 他 、 さ ま ざ ま な 開 発 の 助 言 を い た だ い た 千 葉 恭 弘 さ ん 、 あ りが と う
ご ざ い ま した 。NOTAネ
ッ トワ ー ク の メ ー リ ン グ リ ス トで 、 多 くの 方 の 技 術 的 な 質 問 に答 え て く
だ さ っ た 王 子 全 主 さ ん 、 國 松 基 さ ん 、NOTAの
分 か りや す い マ ニ ュ ア ル を 作 成 して くだ さ っ た 檜
垣 健 太 郎 さ ん 、 横 浜 市 の コ ミ ュ ニ テ ィ の た め に 無 償 でNOTAの
田 幸 子 さ ん 、NOTAの
サ ー バ ー を 提 供 して くだ さ っ た 藤
ワ ー ク シ ョ ッ プ な ど で 指 導 に あ た っ て い た だ い た 川 辺 さつ き さ ん 、 桜 井 得
倫 さ ん 、 あ りが と う ご ざ い ま した 。 最 後 に 、 こ こで お 名 前 を 挙 げ る こ と は で き ませ ん が 、NOTA
ネ ッ トワ ー ク の メ ン バ ー 全 員 に 感 謝 致 し ま す 。 み な さ ん の お か げ で 、 この 論 文 を 完 成 させ る こ と
が で き ま した 。
ss
本 研 究 に関 す る発 表
書籍
[1]上
野 直 樹,ソ
ロ ー チ 」.科
ー ヤ ー り え こ,永
田 周 一:「 学 習 環 境 の デ ザ イ ン の た め の ネ ッ ト ワ ー ク 指 向 ア プ
学 技 術 実 践 の フ ィ ー ル ド ワ ー ク.pp.56-74.せ
りか 書 房.
Dec,2006.
学 会 講演 会 ・シ ンポ ジ ウム
[1]永
田 周 一:な
め ら か な フ ァ イ ル 操 作 体 系 の 構 築 と 実 用 化.平
成15年
度 未 踏 ソ フ トウ ェ ア 創 造
事 業 成 果 報 告 書.Feb,2004.
[2]永
田 周 一:NOTA-Webの
新 し い コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ツ ー ル.第12回
ス テ ム と ソ フ ト ウ ェ ア に 関 す る ワ ー ク シ ョ ッ プ(WISS
[3]永
田 周 一:市
イ ン タ ラ クテ ィブ シ
2004).Dec,2004.
民 メ デ ィ ア に お け る 新 し い ネ ッ ト ツ ー ル の 活 用.第4回
市 民 メ デ ィア全 国交 流
集 会.Sep,2006.
[4)永
田 周 一:NOTA:あ
た ら し い ウ ェ ブ の カ タ チ.第
三 回Creative
Commons
Japanセ
ミ ナ ー.
Sep,2006.
[5]高
崎 俊 之,永
田 周 一,安
川 直 樹:パ
ネル
の デ ザ イ ン シ ン ポ ジ ウ ム2006.Dec,2006.
「共 生 プ ロ グ ラ ミ ン グ が 情 報 社 会 を 救 う 」.情
報 社会
69
TC
gsWA
[Bea]
Kent Beck and et. al. Manifesto for agile software development.
http://www.agilemanifesto.org/.
[Becgg]
K. Beck. Extreme Programming Explained: Embrace Change. Addison-Wesley,
[BGg6]
Boston, 1999.
S. Bodker and K. Gronbak. Users and designers in mutual activity: An analysis
of cooperative activities in system design. In Cambridge University Press: New
York, Vol. 2, pp. 130-158. Cambridge University Press: New York, 1996.
[BKCol]
P. B. Bailey, J.A. Konstan, and J.V. Canis. Demais: Designing multimedia applications with interactive storyboards. In Proceedings of ACM Multimedia 2001,
Vol. 5, pp. 241-250, 2001.
[BTo4]
B. Boehm and R. Turner. Balancing Agility and Discipline: A Guide for the
[Caios]
Perplexed. Addison-Wesley, Boston, 2004.
M. Callon. The role of hybrid communities and socio-technical arrangements in
the participatory design. In Journal of the center for information studies, Vol. 5,
[CLgi]
pp. 3-10, 2003.
M. Callon and J. Law. After the individual in society: Lessons on collectivity
from science, technology and society. In Canadian journal of sociology,Vol. 2, pp.
165-182, 1997.
[HTOHg6] K. Harada, E. Tanaka, R. Ogawa, and Y. Hara. Anecdote: A multimedia storyboarding system with seamless authoring support. In Proceedings of ACM International Multimedia Conference 96. Boston, MA, pp. 18-22, 1996.
[KBg8]
F. Kensing and J. Blomberg. Participatory design: Issues and concerns. In Com-
[KSBg8]
puter Supported Cooperative Work, Vol. 7, pp. 167-185, 1998.
F. Kensing, J. Simonsen, and S. Bodker. Participatory design at a radio station.
In Computer Supported Cooperative Work, Vol. 7, pp. 243-271, 1998.
[L.02]
L. L ~~i'>
[Lesoo]
L. Lessig. Code and Other Laws of Cyberspace. Basic Books, 2000.
L. Lessig. The Future of Ideas: The Fate of the Commons in a Connected World.
[Lesol]
I [l'
Random House, 2001.
'~ ~Z. "i]c~, 2002.
?0
参考文献
[LW91]
J.Lave
and
E.
Wenger.
S伽
Cambridge:Cambridge
[New98]
Here,
in
Vol.11,
An
there,
postmodern
and
吻'Legitimate
peripheral
participation.
Press,1991.
nowhere
at
ethnography
and
all:Distribution,
negotiation,
engineering.
In
Knowledge
and
and
vir-
Society,
pp.235-267,1998.
[NLHLO3]Mark
W. Newman, James Lin, Jason I.Hong, and James A. Landay.
informal
web
Compacter
[NOT]
University
S.Newman.
tuality
α孟ed五eαTπ
site
design
Interaction,
tool
Vol.18,
inspired
by
observations
of practice.
Denim:
In∬umα
π-
pp.259-324,2003.
NOTA.
http://www.nota.jp/.
[NPOパ]
NPOパ
ン ゲ ア.
http://www.pangaean.org/.
[Rov87]
Winston
and
W.
Royce.
techniques.
In
Engineering,
[StaO2]
R.M.
[Wen90]
Free
development
Proceedings
Free
of
Software,
Software
E.Wenger.
of the
the
the
of large
gth
software
international
systems:concepts
conference
on
Software
pp.328-338,1987.
Stallman.
man.
Managing
and
Society:Selected
Essays
of Richard
M.
Stall-
Foundation,2002.
Toward
visible
Free
a theory
the
of
culture
invisible-.
PhD
transparency-Elerraents
thesis,
of a social
Irvine:University
of
discourse
California
Irvine,
University
Press,
1990.
[Wen98]
E.Wenger.00mm祝
η伽e80f
practice.
Cambridge:Cambridge
1998.
[永田]
永 田 周 一.Nota
apiマ
ニ ュ ア ル.
http://nota.jp/plugin/.
[永 田04a]
永 田 周 一.Nota-webの
新
し い コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ツ ー ル.第12回
ブ シ ス テ ム と ソ フ ト ウ ェ ア に 関 す る ワ ー ク シ ョ ッ プ(WISS
[永田04b]
永 田 周 一.な
め らか な フ ァ イ ル 操 作 体 系 の 構 築
と 実 用 化.平
イ ン タ ラ ク テ ィ
2004),2004.
成15年
度 未 踏 ソ フ トウ ェ
ァ 創 造 事 業 成 果 報 告 書,2004.
[高崎06]
高 崎 俊 之,永
年
田 周 一,安
川 直 樹,石
田 亨.共
生 プ ロ グ ラ ミ ン グ が 情 報 社 会 を 救 う.2006
「情 報 社 会 の デ ザ イ ン 」 シ ン ポ ジ ウ ム(第1回),2006.http://www.ai.soc.i.kyot0-
u.ac.jp/infosociety2006/panel_discussion1130.htm1.
[上野06a]
上 野 直 樹.ネ
ッ ト ワ ー ク と し て の 状 況 論.文
ア ク セ ス の デ ザ イ ン.凡
[上野06b]
[神原06]
上 野 直 樹,ソ
化
と 状 況 的 学 習-実
践 、 言 語 、 人 工 物 へ の
人 社,2006.
ー ヤ ー り え こ,永
田 周 一.学
ア プ ロ ー チ.科
学 技 術 実 践 の フ ィ ー ル
神 原 啓 介.Web上
で の 協 同 イ ラ ス
習 環 境 の デ ザ イ ン の た め の ネ ッ トワ ー ク 指 向
ド ワ ー ク,pp.56上74.せ
り か 書 房,2006.
ト レ ー シ ョ ン シ ス テ ム の 制 作.慶應
義 塾 大 学
修 士 論
文,2006.
[増井03]
増 井 俊 之.イ
ン タ ー ネ ッ ト 上 の 新 し い コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ツ ー ル.情
報 処 理 学 会 ヒ ュー
参考文献
71
マ ン イ ン タ フ ェ ー ス 研 究 会 研 究 報 告(招
[田川]
田 川 欣 哉.レ
ー ザ ー ドロ ー イ ン グ ッ ー ル
待 講 演),2003.
「afterglow」.
http://www.11eedd.com/afterglow/.
晦 田06]
梅 田 望 夫.ウ
[鈴木06]
鈴 木 健Adocと
ェ ブ 進 化 論.筑
摩 書 房,2006.
呼 ば れ る 新 潮 流.情
報 通 信 ジ ャ ー ナ ル,第24巻,2006.
72
付 録A
NOTAネ
2005/07/31武
ッ トワ ー ク の 活 動 履 歴
蔵 工 大 でNOTAワ
2005/10/30NOTAネ
2005/11/19プ
ー ク シ ョ ッ プ開 催
ツ トワ ー ク メ ー リ ン グ リス ト立 ち 上 げ
ラ グ イ ン ・プ ロ ジ ェ ク ト ミー テ ィ ン グ を開 催
2005/12/18nota◎ba■
を開催
2006/01/09NOTAネ
ツ トワ ー ク 関 西 キ ッ ク オ フ ミ ー テ ィ ン グ を 開 催
2006/01/23NOTAプ
ラ グ イ ン 仕 様 書 を公 開
2006/02/17NOTAネ
ッ トワ ー ク横 浜 ミー テ ィ ン グ
2006/06/01ト
ラ イ ア ル 版 に8つ
2006/06/01NOTAサ
の テ ー マ のNOTAを
設置
イ トを リニ ュ ー ア ル
2006/07/24ト
ライ アル版 の デザ イ ン を改良
2006/07/30ワ
ー ク シ ョ ッ プ 「ウ ェ ブ と コ ミ ュ ニ テ ィ形 成 」 を 開 催
2006/09/08市
民 メ デ ィ ア サ ミ ッ ト06の
セ ッ シ ョ ンでNOTAを
2006/09/08NOTAダ
「市 民 メ デ ィ ア に お け る 新 しい ネ ッ トツ ー ル の 活 用 」 と い う
発表
ウ ン ロ ー ド版 を 一 般 公 開
2006/09/13横
浜 市 市 民 活 動 支 援 セ ン タ ー のIT講
2006/09/26ク
リエ イ テ ィ ブ ・コ モ ン ズ セ ミナ ー でNOTAお
ジ ェ ク トを 発 表
2006/10/26REMIX
TOKYOでNOTAを
発表
習 会 に て 、 NOTAの
講 習会 を行 う
よ びNOTAを
利 用 した 「C-Shirts」 プ ロ
?3
付 録B
NOTAネ
NOTAの
ッ トワ ー ク 運 営 方 針
プ ロ ジ ェ ク トは 、 「こ の 指 止 ま れ 方 式 」 で 進 ん で い ます 。
この 指 止 まれ 方 式 とい うの は 、 何 か を や りた い 人 が メ ー リ ン グ リ ス トで 提 案 し、 賛 同 者 が 集 ま れ
ば そ の 人 を 中 心 に 行 動 す る とい うや り方 の こ とで す 。
具 体 的 に は 、 以 下 の3つ
に ま とめ られ ま す 。
1.フ ィ ー ドバ ック を 尊 重 し て い ま す
提 案 や 投 稿 に対 して 、「よ い ア イ デ ア だ ね 」 とい う よ う に積 極 的 に 意 見 や 感 想 を 返 信(フ
ドバ ッ ク)し
ィー
ま し ょ う。 フ ィ ー ドバ ッ ク は 、 や る気 の み な も とで す 。
2.全 員 で 共 有 し ま す
考 え て い る こ と は 必 ず メ ー リ ン グ リス トで 提 案 し ま す 。 そ う す る こ とで 、 一
一部 の 人 だ け で
プ ロ ジ ェ ク トが 進 ま な い よ う に 気 を つ け ま す 。 逆 に い う と、 提 案 す れ ば 誰 で も 好 き な プ ロ
ジ ェ ク トを立 ち 上 げ て 、 進 め る こ とが で き ま す!
3.外
に 対 して オ-プ
ンに
こ こで 出 て き た 成 果 は 、 ど ん ど ん 外 に 出 して い き ま し ょ う。NOTAネ
ッ トワ ー ク で 得 た 体
験 や 知 識 を メ ン バ ー が そ れ ぞ れ 持 ち帰 っ て 、 様 々 な 媒 体 で 伝 え て い き ま し ょ う。
作 成 日:2005/10/29
NOTA:ュ
2007年3月30日
ー ザ ー 主 導 型 コ ミュ ニ テ ィ活 動 支 援 シス テ ムの 研 究
初版発行
著者
永田周一
監修
安村通晃
発行 慶應 義塾大学 湘南藤沢学会
〒252-0816神
奈 川 県 藤 沢 市 遠 藤5322
TEL:0466-49-3437
Printed
in Japan
ISBN
印 刷 ・製 本
978-4-87762-174-2
SFC-MT
2006-004
ワ キ プ リン トピ ア
本論 文 は修士論文 にお いて優 秀と認 められ 、出版されたも の です 。
Fly UP