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測位航法学会 全国大会「GNSS 受信機セミナー」
測位航法学会 全国大会「GNSS 受信機セミナー」 セミナー①「GNSS 受信機の概要(アンテナ信号入力から、擬似距離出力まで) 」 講師:荒井 修氏 セミナー②「GNSS ディファレンシャル補正技術(擬似距離による位置計算と SBAS/MSAS の使い方)」 講師:坂井丈泰氏(電子航法研究所) **************************************************************************************** セミナー① 1. タイトル GNSS 受信機の概要(アンテナ信号入力から、擬似距離出力まで) 2. 講 師 3. 対 象 荒井 修氏 (略歴 P.2 に掲載) 初中級者・電子回路や信号処理について一通りの知識をお持ちの学部4年~修士課程の方を中心と考えてお りますが、GNSS、特に受信機そのものにご興味のある方ならどなたでも歓迎です。 4. 日 時: 平成24年4月18日(水) 、19日(木) 2日間(1日7時間) 5. 方 針: GNSS 受信機の信号入力端であるアンテナから、擬似距離、搬送波位相を観測し、そのデータを出力するま でのハードウエア、ソフトウエアの解説が主な範囲です。 信号は最も基本的な GPS L1 C/A コードを中心に解説致します。数式は出来るだけ用いず、できるだけ物理 的、直感的な理解が進むように致します。 まず GNSS 衛星の本質は、軌道上にある正確な時計(衛星時計)であり、受信機の機能は、図1に示すよ うに、丁度衛星時計を望遠鏡で覗き、受信機内部に準備した時計(レプリカ時計)の時刻を覗いた時刻と一 致させることにあることから解説致します。 このように考えることにより、擬似距離、搬送波位相の概念をより的確に把握することが可能で、信号処理 回路やソフトウエアの理解も容易になります。 測位演算に関しては、基本的なものを紹介するに止めます。 図1 受信機の機能 1 次に、アナログ、デジタル回路、デジタル信号処理ソフトウエアの具体例を示し、各要素をより詳しく解説 致します。最後に高感度受信機やその他のトピックスについて簡単に紹介いたします。 6. セミナー内容(案) 1) GNSS 受信機の概要 ・擬似距離とはなにか(レプリカ時計による解説) ・搬送波位相とはなにか ・信号処理回路、信号処理ソフトウエアの概要 2) 測位演算の原理 ・擬似距離を利用した測位 ・時刻伝達(タイムトランスファー) ・搬送波位相を利用した測位 3) アナログ部の構成、各部解説 ・ 回路構成及び各要素について ・ 帯域幅、サンプリングレートについて ・ サンプリング方法(IQ サンプリング、擬似 IQ サンプリングなど) ・ その他仕様について 4) デジタル信号処理回路 ・回路構成及び各要素について・レプリカ時計構成方法 ・レプリカコード、キャリア生成方法・相関器等各部の詳細解説 5) 信号処理ソフトウエア ・信号捕捉(検出) ・コード追尾、キャリア追尾アルゴリズム ・メッセージ復調等種々の処理アルゴリズムについて解説 6) 高感度受信機やその他のトピックスについて 高感度受信機を実現するために必要な技術はじめ、興味深いいくつかのトピックスについて簡単に紹介 講師紹介:荒井 修氏 略歴 昭和46年古野電気入社。特機部内の研究室にて製鉄所用機器や油圧ロボット制御盤をはじめとする産業用機器 の研究・開発業務を担当 昭和50年研究技術部に移り、NNSS、ロラン、ビデオプロッタ等の航法機器の開発を担当 昭和60年頃 GPS の研究・開発に着手し、船舶用受信機に続きカーナビ用 GPS コア受信機を製品化 平成5年技術研究所に移り、主に高精度 GPS 受信機の研究を担当。 ・MSAS用機上受信機 GPS 掩蔽(えんぺい)観測用受信機(GPS 気象学用で、低仰角の衛星信号が追尾可能な受信機) ・1周波 RTK 受信機 ・2周波数SBAS受信機 ・SQM(Signal Quality Monitor:信号品質モニタ)用受信機 などの研究用受信機についても大学や研究機関向けに提供 平成15年からは、QZS モニタ局用受信機の開発を担当 平成22年8月、モニタ局用受信機が無事完成、納入されるのを見届け、古野電気を退職 その後 AAI-GNSS 技術士事務所を立ち上げ、コンサルタント業務を開始 2 **************************************************************************************** セミナー② 1.タイトル 「GNSS ディファレンシャル補正技術(擬似距離による位置計算と SBAS/MSAS の使い方)」 2.講師 坂井丈泰(電子航法研究所) 3.対象 GPS 受信機内部における測位演算、特にディファレンシャル補正処理の具体的手順や注意点、SBAS/MSAS メ ッセージの構成・内容等に興味のある方。事前の質問等も歓迎しますので、学会事務局にお知らせください。 4.日程 平成24年4月18~19日 5.セミナー内容(案) (1)GPS の測位演算 ・ GPS の基本的事項 ・ 測位演算の概要 ・ 航法メッセージ ・ 単独測位の計算手順 (2)ディファレンシャル補正 ・ ディファレンシャル補正技術の概要 ・ ディファレンシャル補正の性質(どんな誤差を補正できるか) (3)RTCM 補正情報 ・ RTCM SC-104 規格の概要 ・ RTCM メッセージの内容 ・ 実際の RTCM メッセージの例 ・ 補正処理の手順 (4)広域ディファレンシャル補正 ・ 広域ディファレンシャル補正技術の考え方 ・ 広域ディファレンシャル補正の性質(どんな誤差を補正できるか、PPP との違い) (5)ICAO SBAS 補正情報 ・ ICAO SBAS 規格の概要、制定の経緯 ・ SBAS の機能 ・ RTCA MOPS との関係 ・ 各国の SBAS(MSAS/WAAS/EGNOS) (6)SBAS メッセージ ・ RF 形式 ・ メッセージのデコード ・ メッセージタイプ 3 ・ 実際の SBAS が放送したメッセージの例 ・ 補正処理の手順 マスク情報 高速補正(クロック補正) 長期補正(クロック+軌道の補正) 電離層遅延補正 静止衛星エフェメリス ・ 保護レベルの算出 ・ タイムアウト処理 ・ MOPS 受信機の処理(RAIM その他) ※事前の質問等を歓迎します(学会事務局にお知らせください) 。 4