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歴史と街づくり活動の経緯

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歴史と街づくり活動の経緯
歴史と街づくり活動の経緯
1.まちなみ形成の時期
足利氏の城下町として繁栄し、江戸時代には旧奥州街道の宿場町として、この地方
の商業、政治、文化の中心地であった喜連川町の中心部から、北へ約 2km の地点に、
温泉付きの大規模林間住宅地として開発されたのが、「フィオーレ喜連川」です。開
発者は、東日本旅客鉄道株式会社で、1992 年より宅地販売を開始しました。総区画数
1,117 戸、建築済み戸数約 670 戸であり、シンボルツリーを備えたクルドサック道路と
緑の木々の間のゆったりした敷地に建てられた個性豊かな家々が、特徴的なまちなみ
を形成しています。
2.活動の開始時期と活動の経緯
1992 年の販売と同時に建築協定が締結されました。建築協定では協定区域を 4 つの
地域に分け、それぞれに、建築物の敷地、位置、構造、用途、建築設備等の基準が設
定されました。その後 1998 年に「フィオーレ喜連川管理組合」が設立され 、組合内に
フィオーレ喜連川建築協定委員会を置き、さらにその中にフィオーレ喜連川建築協定
運営委員会を設置し、建築協定を運用しました。また、行政サービスや生活保障の基
本単位であり、行政機関との連絡や交渉窓口ともなる「行政区」および地域住民の交
流、親睦、地域活動の組織としての「自治会」があり、それぞれ活動を行ってきまし
た。
3.現在の活動状況
1)建築・まちづくりデザインルールの創設と運営
1992 年に締結された建築協定が、有効期間 10 年および協定で定められた自動更新の
10 年を経て、2012 年に有効期間を終えました。これに伴い、実情に合った建築制限を
実施するため、管理組合規約の中に「建築・まちづくりデザインルール」として、建
築協定的要素を組み込む方式を取り入れました。これにより、建築協定の場合、全員
合意でしか変更できなかった内容が、規約の改定として変更できるようになり、運用
の柔軟性が向上しました。
2)管理組合等の体制
現在、管理組合の役員は、任期 2 年で、理事長 1 名、副理事長および理事 4 名、監
事 1 名です。また管理組合内に建築・まちづくりデザインルール委員会を置き、委員
は役員 3 名が兼任しています。
3)住宅地の課題把握と対策
フィオーレ喜連川では、開発後 20 年を経て、汚水処理施設、温泉施設、テレビ共視
聴施設、調整池、緑地・緑道等に関する施設管理の課題、高齢化に伴う買い物の不便
さや、移動手段等の交通問題、またコミュニティの形成や災害時の要支援者のサポー
ト方法などの課題が、顕在化し始めています。そこで、フィオーレ喜連川を取り巻く、
自然環境や社会環境に始まり、居住者属性や要支援世帯の把握、管理施設の現状など
を、データベース化し地図として可視化および共有化できるシステム(GIS:地理情報
システム)を導入し、現状把握と今後の対策検討を進めています。これについては、
昨年度より筑波大学発ベンチャー企業であり、住宅地管理やコミュニティ問題に取り
組んでいる、㈱プレイスメイキング研究所(茨城県つくば市)と共同研究で実施して
います。
4)関係組織間の連動
フィオーレ喜連川では、地権者による施設の運用・管理を目的とした「管理組合」
のほかに、行政機関との連絡窓口である「行政区」、住民の相互交流・地域活動の場
である「自治会」の 3 つの組織があり、これら組織の有用性を考慮し、各組織の特徴
や独立性を保ちながら協働体制を維持する効率的な運営を目指しています。
5)まちづくり情報メディア
情報共有と情報伝達の手段として全住宅地に張られた CATV 網の空きチャンネル
(Channel-9)を利用した自主番組放送を 10 年以上続けており、住宅地管理やイベン
ト等に関するお知らせを随時放送しています。放送法に基いた手続きにより CATV 放送
局として正式認可を受けており、運用当初からパソコンと連携した簡単操作により専
任者を持つことなく運用を行ってきました。デジタル放送への対応も完了し、次の活
用ステップに向けた「まちづくり情報メディア」としての検討を行っています。
6)イベントおよびサークル活動によるコミュニ ティ形成
団体やサークル活動は活発で、行政関連の子供育成会や交通安全協会、自治会サー
クルでは体育係のソフトボールやバレーボール、ゴルフ、水泳、ハイキング、卓球、
太極拳から文化系の囲碁・将棋、英会話、麻雀、絵手紙まで、様々な団体が活動して
います。また、行政区単位での野球大会や運動会などにも積極的に参加しているほか、
夏祭りや自治会公民館でのコンサート開催など、地域住民の交流活動も充実していま
す。
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