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PREPULSE CONTROL OF AN INTENSE FEMTOSECOND LASER

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PREPULSE CONTROL OF AN INTENSE FEMTOSECOND LASER
Proceedings of the 1st Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan
and the 29th Linear Accelerator Meeting in Japan (August 4 - 6, 2004, Funabashi Japan)
PREPULSE CONTROL OF AN INTENSE FEMTOSECOND LASER
PULSE BY PROPAGATION THROUGH A THIN FOIL PLASMA
,A)
K. Kinoshita1
A)
B)
A)
B)
, T. Hosokai , A. Zhidkov , T. Ohkubo , M. Uesaka
B)
Department of Accelerator Physics and Engineering, National Institute of Radiological Sciences,
Anagawa 4-9-1, Inage, Chiba, 263-8555 Japan
B)
Nuclear Engineering Research Laboratory, University of Tokyo,
Shirakatashirane 2-22, Tokai, Naka, Ibaraki, 319-1188 Japan
Abstract
Interaction between an intense laser pulse and laser-produced plasma strongly depends on the level of the prepulse. The
prepulse affects on the preplasma condition with which the main pulse interact. Prepulse control is necessary to optimise
the X-ray, ion, and electron generation via an ultraintense ultrashort laser pulse. Improvement of the laser contrast is
desirable for this optimisation. In order to reduce the nanosecond prepulse of the intense laser pulse, effects of the thin
foil filter was investigated.
薄膜プラズマ中での伝播による高強度フェムト秒レーザーのプリパルス
制御
えているためレーザーはプラズマ中を伝播できな
い。その後プラズマの膨張によって密度が臨界密
高 強 度 レ ー ザ ー 照 射 プ ラズマは電子、イオン、
度より下がる。メインパルスがこの膨張後にプラ
X線等の高エネルギー粒子を発生する一つの効果
ズマに到達すれば、それはプラズマを透過する事
的 な 手 法 で あ る [1-5] 。それによって発生する粒
ができる。このようにレーザーパルスが薄膜を通
子はピコ秒からサブピコ秒の時間幅を持つ。この
過 す る 事 で 、 メ インパルスの消耗を抑えてプリパ
高エネルギー粒子発生過程は高強度レーザーパル
ルスを低減する事ができると期待される。初期プ
スに先行するレーザープレパルスに強く依存する。
ラズマの大きさが十分小さければナノ秒時間領域
フェムト秒レーザーにおけるレーザーコントラス
での3次元的急膨張が起きると考えられる。この
ト、即ちメインパルスとレーザーの裾野との強度
技法は、X線発生、イオン発生、電子発生、中性
比 は ナ ノ 秒 前 で 10 -6 程度である。メインパルスの
子発生など様々なレーザープラズマ応用実験のプ
集 光 強 度 が 10 19W/cm 2程度であるとすればプリパル
リプラズマ条件を最適化するのに役立つと期待さ
ス 強 度 は 10 13W/cm 2 となり、プラズマ生成に十分な
れる。
強 度 と な る 。 メ イ ン パルスはプリパルスによって
生成されたプリプラズマと相互作用する。しかし
2.実験
このようなプリプラズマは高エネルギー粒子発生
にとって必ずしも最適ではない。従ってプリパル
この実験で使用されるレーザーはチャープパル
スの低減が望まれる。プリパルスの遮断法には、
ス増幅に基づいたテラワットレーザーである。そ
ポ ッ ケ ル ス セ ル [6-8]、プラズマミラー[9]、増幅
のシステムはオシレーター、ストレッチャー、再
用 種 パ ル ス の 整 形 [10]などいくつか存在する。こ
生増幅器、マルチパス増幅器、圧縮器から較正さ
こでは薄膜上に生成したプラズマと高強度フェム
れ る 。 中 心 波 長 790nm 、 最 大 パ ル ス エ ネ ル ギ ー
ト秒レーザーとの相互作用を用いたプリパルス制
600mJ 、 圧 縮 後 の パ ル ス 幅 50fs、ナノ秒領域での
御を検討する。
レーザーコントラストは2×10 -6である。実験体系
薄膜フィルター法の概要は以下の通りである。
は以下の通りである。二つの軸外し放物面鏡
テラワットレーザーの相互作用時の強度は
( OAP ) を 焦 点 を 共 有 す る よ う に 対 向 し て 設 置 す
10 18W/cm 2 ∼10 19W/cm 2を超える。レーザーコントラ
る 。 軸 外 し 角 は 90 °、焦点距離は178mmである。
ス ト が 10 -6とすればこれは10 12∼10 13W/cm 2のプリパ
レ ー ザ ー は 第 一 の OAP によって標的上に集光され
ルスレベルをもたらす。このプリパルスは標的上
る 。 集 光 点 を 通 過 し た レ ー ザ ー 光 は 第 二 の OAPに
にプラズマを生成するのに十分な強度であり、生
よって平行化され測定部に導かれる。薄膜標的は
成されたプラズマはさらにこのプリパルスによっ
垂直入射の角度で焦点近傍に設置される。標的面
て加熱される。初期プラズマ密度は臨界密度を超
を更新するために標的は自動ステージによって標
1.はじめに
1
E-mail: [email protected]
631
Proceedings of the 1st Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan
and the 29th Linear Accelerator Meeting in Japan (August 4 - 6, 2004, Funabashi Japan)
CCD
OAP (90 degree)
f = 178 mm
OAP (90 degree)
f = 178 mm
Foil
Lens
Bandpass
Filter 795 nm
m ovable st age
Screen
(Laser damp)
Dielectri c
mirror
Ti:Sapphire
Laser
(from Las er transport)
Lens
Bandpass
Filter 795 nm
Photodiode
図 1: 実 験 体 系 図
薄膜を透過する。透過率の回復はレーザーの入射
か ら 約 10ns 後 で あ る 。 こ れ に よ り 、 高 強 度 レ ー
ザープリパルスに対応するナノ秒レーザー照射に
よって、ナノ秒時間領域でプラズマの生成、拡散、
低密度化およびそれによるレーザー透過が起きる
事が確認された。
次にフェムト秒パルスに対するプリパルス抑制
の効果を調べるために、フェムト秒ダブルパルス
を 用 い た 測 定 を 行 っ た 。 図 3はダブルパルスによ
るフォトダイオードの波形である。破線は薄膜が
632
0.1
without foil
(a)
(b)
Intensity [a.u.]
0.08
0.06
0.04
0.02
0
0
10
20
30
Time [ns]
0.1
without foil
(c)
(d)
0.08
Intensity [a.u.]
的 面 方 向 に ス ラ イ ド す る 。 集 光 部 は 約 1 ×10 -4
Torr の 真 空 中 に 置 か れ る 。 薄 膜 を 透 過 し た レ ー
ザー強度はフォトダイオードによって測定される。
フォトダイオードはレーザー光を減衰させるため
の誘電体多層膜ミラーの背後に設置される。レー
ザー光を集めるためのレンズが誘電体ミラーと
フォトダイオードの間に設置される。プラズマ光
を 遮 断 す る た め に 中 心 波 長 795nm、バンド幅10nm
のバンドパスフィルターがフォトダイオードの前
に設置される。誘電体ミラーに反射されたレー
ザーはレーザー止めの白板上に投影される。白板
上に映った横方向レーザー分布はCCDカメラで
測定される。実験体系図を図1に示す。
まずナノ秒パルスの薄膜標的に対する影響を調
べた。シードパルスがない場合、再生増幅器はナ
ノ秒パルスを生成する。それらナノ秒パルスを標
的 上 に 集 光 す る 。 図 2 は薄膜透過強度の時間変化
で あ る 。 標 的 と 集 光 点 と の 距 離 は (a)450 μ m 、
(b)250 μ m 、(c)50μm、(d)0μmである。集光強度
の 見 積 は (a)1.4 ×10 11W/cm 2 、 (b)4.5 ×10 11W/cm 2、
(c)5.5 ×10 12W/cm 2、(d)1.0×10 13W/cm 2である。(d)
における集光強度はフェムト秒高強度レーザーを
集光した際のプリパルスレベルに対応する。標的
の 材 質 は 厚 さ 10 μ m のポリ塩化ビニリデンである。
破線は薄膜がない場合の透過強度である。実線は
薄膜がある場合である。ナノ秒パルスのパルス幅
は 8ns である。図2の(a)および(b)からプラズマ生
成に必要なレーザー強度を読み取る事ができる。
標的はプラズマが生成される前はレーザーに対し
て透明である。従って、レーザー強度が低いパル
スの前部は標的を透過している。レーザー強度が
プラズマを作るのに十分な強度に達した時点で標
的は不透明になりレーザー透過率が下がる。その
強 度 は 約 8 ×10 10W/cm 2 と 見 積 も ら れ る 。 図 2の(c)
と (d) で は パ ル ス の 前 部 に 透 過 率 の 抑 制 が 見 ら れ
る。プラズマは数ナノ秒の間不透明であった後、
膨張によって低密度化が起こり、パルスの後部が
~ 1/7
~ 10 ns
0.06
0.04
0.02
0
0
10
20
30
Time [ns]
図 2: ナ ノ 秒 パ ル ス 薄 膜 透 過 の 時 間 変 化 .
Proceedings of the 1st Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan
and the 29th Linear Accelerator Meeting in Japan (August 4 - 6, 2004, Funabashi Japan)
0.6
0.5
Intensity [a.u.]
で観測される薄膜なしでの横方向レーザー分布は
レーザー輸送光学系におけるミラーの損傷などの
影響でホットスポットや窪みを持った分布となっ
て い る ( 図 4 左上および左下)。薄膜プラズマ透
過後のナノ秒パルスの空間分布は初期分布と比べ
て 滑 ら かで、よりガウス分布に近い形状となる。
これは焦点位置におけるプラズマ透過が空間フィ
ルターの役目を果たしているためと考えられる。
焦点位置に置かれた微小ピンホールはレーザー分
布の高次成分を遮断し遠方での分布をガウス分布
に 近 づ け る 働 き を 持 つ 。 図 4の結果は薄膜プラズ
マがレーザー透過時に微小ピンホールとなってい
る可能性を示唆する。
without foil 2nd pulse
with foil
1.2×10 18 W/cm2
0.4
1st pulse
5.8×10 17 W/cm2
0.3
0.2
0.1
< 1/10
0
-0.1
0
10
20
30
40
Time [ns]
図 3: フ ェ ム ト 秒 ダ ブ ル パ ル ス の 薄 膜 透
過率
3.まとめ
ない場合、実線は薄膜がある場合である。集光点
に お け る 強 度 は 第 一 パ ル ス が 1×10 18W/cm 2、第二
パ ル ス が 2 ×10 18W/cm 2である。標的の材質は厚さ4
μ mのポリプロピレンである。第一パルスと第二
パ ル ス の 時 間 間 隔 は 約 8ns で あ る 。 薄 膜 透 過 に
よ っ て 第 一 パ ル ス は 1/10以下に減少している。第
一 パ ル ス 到 達 時 に は プラズマ密度が臨界密度以上
であり、そのプラズマによってレーザーが遮断さ
れたためと考えられる。第二パルスはほぼ減衰せ
ずに透過している。従って、10ns程度の拡散時間
であっても薄膜プラズマ透過時におけるフェムト
秒レーザーの消耗は大きな問題とはならないと考
えられる。
薄膜透過によって横方向レーザー分布が影響を
受 け る 事 が 考 え ら れ る 。 図 4にナノ秒パルスにお
ける横方向レーザー分布の変化を示す。白板位置
without foil
with foil
Hot spot Damage on
a mirror
参考文献
Dark at the center
30000
6000
25000
20000
5000
15000
10000
5000
3000
4000
2000
1000
0
100
200
300
400
500
高強度超短パルスレーザーによるX線発生、イ
オン発生、電子発生等を最適化するためにはナノ
秒プリパルスの制御が必要である。そのために
我々は薄膜フィルターによるレーザーコントラス
ト 向上について研究を行い、薄膜標的上へのナノ
秒レーザーパルスの集光とプラズマ生成、レー
ザー透過、フェムト秒パルスとの相互作用につい
て実験的に調べた。初期高密度プラズマによるナ
ノ秒パルスの遮断と膨張低密度化によるパルス後
部の透過が確認された。フェムト秒パルスが薄膜
プラズマを透過可能であることを確認した。薄膜
プラズマの空間フィルター効果によってナノ秒パ
ルスの横方向レーザー分布が変化する事を確認し
た。今後、空間分布やスペクトル変化等、メイン
パルスと薄膜プラズマとの相互作用のさらなる調
査を行う予定である。
0
100
200
300
400
500
図 4: 薄 膜 透 過 に よ る レ ー ザ ー 空 間 分 布 の 変
化
[1] J. A. Cobble, et al., J. Appl. Phys. 69, 3369 (1991).
[2] T. Feurer, et al., Phys. Rev. E 56, 4608 (1997).
[3] F. N. Beg, et al., Phys. Plasmas 4, 447 (1997).
[4] M. Yoshida, et al., Appl. Phys. Lett. 73, 2393 (1998).
[5] E. L. Clark, et al., Phys. Rev. Lett. 85, 1654 (2000).
[6] M. Nantel, et al., IEEE J. Sel. Top. Quantum Electron. 4,
449 (1998).
[7] A. V. V. Nampoothiri, et al., Rev. Sci. Instrum. 69, 1240
(1998).
[8] M. D. Perry, et al. Opt. Lett. 24, 160 (1999).
[9] Ch. Ziener, J. Appl. Phys. 93, 768 (2003).
[10] J. Itatani, et al., Opt. Commun. 148, 70 (1998).
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