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ニュースを読む - LCJE日本支部
ニュース
ローザンヌ・ユダヤ人伝道協議会 日本支部発行
169
2013.11
一部 ¥
2013.11.01発行
〒541-0041 大阪市中央区北浜2-3-10 VIP関西センター3F
TEL. 090-6947-2980 FAX. 072-867-6721
Eメール [email protected]
ホームページ LCJEJAPAN.com
郵便振替 LCJE日本支部・00950-4-25633
P2 4
本部ニュース111号より
P5
ミッション・宣教の声
黒田 禎一郎
P6
シオンとの懸け橋
石井田 直二
P7
アルコイリス・ミニストリー
早川 衛
P8
日本伝道隊 名草キリスト教会牧師 三宅 弘之
お知らせ
事務局より
主の召しのみことばをいただいてイスラエルに行ったのが今から 17 年ほど前になります。そして、2007 年に日本に戻るまで滞在し
ていました。召しのみ言葉とは、イザヤ書 45 章 2 節から続くことばです。そのみことばが強く心に迫り、その中に「ヤコブのため。
イスラエルのため」とあったのです。主を信じる者にとって、主の御手の中にあること、主の御心の内に生きる者でありたいと願うも
のですが、私もその願いに動かされ、家内と共にイスラエルに行くこととなりました。
イザヤ書 45 章には、
一連の中の一つの目的として 3 節に
「イ
スラエルの神であることをあなたが知るためだ」とあります。
私が、イスラエルで思い知らされたことは、そのことでした。
イスラエルに対する神の御心は終わっていない。イスラエルに
対する神の愛は決して変わっていないということです。今でも、
神は「イスラエルの神」と呼ばれるお方であるということです。
私は 1995 年の 12 月にイスラエルに行きましたが、その
年の 12 月 21 日にベツレヘムは、パレスチナの自治区となり、
1996 年のクリスマス・イブにベツレヘムを訪れたときは、地
域の人々は喜びに沸き立っていました。こうしたイスラエルの
領土的な妥協は、平和につながって行くかと期待されましたが、
その期待は見事に裏切られ、その後、自爆テロや銃の乱射事
件が次々に起こったのです。そうしたテロを阻止するためのイ
スラエルの行動が海外のメディアでは、大きく取り上げられ、
テロが起こるのはイスラエルの責任であるかのような論調で語
られていました。また、国連会議では、イスラエルにその非難
が集中しました。しかし、実際にイスラエルにいて見聞きする
ことは、それらと相反するものであり、私は、そうした現実を
現地にいる者として発信する責任があると感じました。
そして、ニュースをまとめ、メールを通して発信するようにな
りました。それ以来、毎日のようにウィルスが送りつけられた
り、また、インターネットのサイトで私のコメントに対する非難
を目にすることもありましたが、理解を示してくださる方々もお
り、後に中川健一先生の目にもとまるようになり、イスラエル
のニュース雑誌「イスラエル・トゥデイ」の発行に関わらせてい
ただくようになりました。また、LCJE の皆さんもそうしたイ
スラエルの現状を理解してくださっている方々であり、私にとっ
ては、大きな励ましとなりました。
イスラエルは、政治的な方法で和平の達成を目指していまし
たが、そのことが却って平和から遠のく結果となり、イスラエ
ルに敵意を持つ者たちが益々強くなっていくのを見る時に、旧
約に見るイスラエルと神との関係がそのまま再現されているよ
うに見えました。
士師記において、イスラエルが神への信頼を捨て、カナン人
との和合の道に向かって行った時に、神は敵の手を強くされ、
イスラエルを苦しめられました。ベツレヘムがパレスチナ自治
区となった翌年から、テロが頻発し、ヘブロンにおいてもそう
でした。イスラエルがレバノン南部の国境地域から撤退した後
にはヒズポラがそこに入り込み、彼らがイスラエルを追い出し
たかのような形となり、その後、イスラエルを苦しめるように
なりました。また、ガザからの撤退は、ハマスの手にガザの支
配を委ねる結果となり、毎日のようにロケット弾で苦しめられ
るようになりました。
そうした色々なことの中に、今もイスラエルのために働かれ
る神、また、歴史の中に働かれる神を体験的に知ることがで
きました。神は「イスラエルの神」であると知ることによって、
聖書の預言は、現実のものとなり、永遠の御国に至る神の救
いのご計画と現実の歴史の流れが一つとなりました。
日本に戻って、早 6 年半となりました。今は生まれ故郷の和
歌山の地で、日本伝道隊の名草キリスト教会の牧師として伝道
牧会をさせていただいています。イスラエルに関して目立った
働きは一つもしておらず、周りから見る時にイスラエルのこと
はどうなったのかと思われる方もいらっしゃるのではないかと
思います。
私自身、日本に戻ってくる日が来るなどとは夢にも思っていま
せんでした。召しのみことばから、私に対する主の御心はイス
ラエルにあると思っていたからです。しかし、日本に帰るよう
にとの導きを受け、確信を与えられた時に、躊躇することなく
日本に戻って来ました。そして、今、この名草キリスト教会で
仕えることを主の御心として喜んでいます。私にとっての喜び
は主の御手の中にあること、主の御心の中に生きることです。
一つの絵がばらばらにされたパズルを組み立てる時にある
時に一つの部分をつなぎ合わせていき、それから、飛んで別の
部分を組み上げていくことがあります。そして、ある時には一
色のピースを手にしてそれが一体どの部分に属するのかわから
ないようなときもあります。しかし、最後の一つのピースによっ
てすべての隙間が埋められる時、完成した一つの絵として見る
ことができます。
イスラエルでの働き、そして、今の働き、そこにはあまり強
い関係が見出されないように見えても最後には一つの絵として
完成される時が来ると信じています。また、たとえ一色のピー
スを手にして、それが一体どこに属するのかわからない瞬間が
あったとしても、そこに神の御心を信じて、今という一つのピー
スを埋め続けていきたいと思っています。
No.169 LCJE 日本支部発行
1
本部ニュース 110 号 (2013 年 2 月発行 ) より
欧州・LCJE2012 年度 活動報告
欧州 LCJE 地域コーディネイター 【デンマーク】
デンマークでは
デンマークにおける私たちの活動の中心は、主の御からだとして
の教会の中でユダヤ人の役割と彼らに福音を伝える必要について、
関心と理解を喚起し続けることである。私たちはこのことを定期
刊行誌、ウェブサイト、諸集会、他の機関誌や文書に載せた記事
などをとおして実行している。
ユダヤ人のルーツを強調するため、また教会にメシアニック運動
に知ってもらうために、メシアニックの過越祭の食事を用いた活動
を行なってきた。近年は、スコト(仮庵の祭)を理解する一助とし
て交互に収穫と感謝の礼拝を行なっている。
最近発行した私たちの機関誌に、反ユダヤ主義と反イスラエル
主義について記事を載せた。特集記事はデンマークのユダヤ人社
会内部の「安全」についての討論である。反ユダヤ主義と戦うこと
自体は私たちの使命とは関係ないが、重要案件であることに変わ
りない。この記事はデンマークのユダヤ人社会と私たちとの関係を
深め、またデンマーク人と結婚したイスラエル人たちとの関係を深
める機会を与えている。
イスラエルでは
ジャン・ポール・レンプ
(CPM-Chosen People Ministries のダニエル・ニシムによる報告)
英 国・CMJ(Church’s Ministry among Jewish)は 2012
年英国における伝道活動に積極的に活動してきた。スタッフチー
ムは「1 対 1」の個人的なコンタクトに加えて、オリンピック期間中
JFJ(Jews for Jesus)と CWI(Christian Witness to Israel)
に導かれた宣教チームに加わった。それはスタンフォードヒル(ロ
ンドン)で行われている定期的な路傍伝道であり、
ニューエイジ・
フェ
スティバルにおける伝道支援であった。CMJ は英国で、私たちの
活動を支援する161 の教会と密接関な関係を持って活動している。
現在、そのような教会に対して、地域のユダヤ人(非ユダヤ人も含む)
に焦点をあてた伝道が霊的かつ効果的に行えるように、新しい宣
教コースが準備されている。
CMJ はまたメシアニック・ジューイッシュ運動のさまざまな局面
と良好なつながりを持っている。CMJ は現代のメシアニック・ジュー
イッシュ運動「誕生」200 回目の記念日を祝うために特別訓練とイ
ベントを主催する予定である。これは 2013 年 9 月にロンドンで開
催されるので、多くの LCJE メンバーを迎えるのを楽しみにしてい
る。
英国・CMJ はイスラエルの CMJ と連携しながら活動しており、
イスラエルの伝道活動継続のための支援資金を提供している。 (CMJ のアレックス・ジェイコブの報告)
イスラエルでは、私たちの地域パートナー及び他の組織とも緊密
な関係を保ちながら活動を続けている。私たちは地域の信者団体
を支援し、現在取り組んでいるさまざまなプロジェクトにおいて彼
らを励ます活動をしている。その中でも、
「和解」は私たちの取り
組む重要なテーマである。それゆえにバイブルランドチームとカス
パリセンターとムサラハの活動を通して、イスラエルの学生運動の
活動、地域の聖書協会の働きに優先的に取り組んでいる。
また長期奉仕の宣教師家族と 6 ヶ月間の短期ボランティア・グ
ループを送り出している。2012 年秋には「ミッション・パイロット」
という名の若者向けの新しいプログラムを始めた。これに参加する
青年たちは 3 ヶ月間現地に滞在し、その地について学び、宣教学
と実際のプロジェクトについて取り組む。滞在期間中彼らは財政支
援を強化し、実際的な援助をするための特定のプロジェクトに参加
し活動するのである。
今年初め、香港 CWI のワーカーと友人たちの代表団がイスラエ
ルの土地と人々への理解を深め、伝道を応援するためイスラエルに
やってきた。
2013 年、CWI の出版部門であるハゲフェン社がマシュー・ヘ
ンリー著のヨハネの福音書注解を出版した。マシュー・ヘンリーは
16-17 世紀に活躍したピューリタンの学者である。これはイスラエ
ルで出版されたピューリタンによる初めての本であり、現在は詩篇
の注解の出版にとりかかっているところである。テッド・トリップの
著作「子どもの心をはぐくむ」のアラビア語版が出版された。ナザ
レとハイファのアラブ人教会がこの本を配布するのを手伝ってくれ
ている。簡潔な現代へブル語版の聖書の最終巻も完成間近でまも
なく印刷される予定である。
他の地域では
ニューエイジ
私たちの組織は小さいため、他の組織と共同して活動したり、彼
らが進めているプログラムに参加させてもらっている。昨夏、私た
ちの組織の青年たちがオリンピック期間中ロンドンで行なった JFJ
の伝道活動に加わった。私たちの青年グループは NCMI が開催す
る 2014 年春の研修ツアーに参加の予定である。
(DIM-Danish Israel Mission のボディル・スコットの報告)
【英国からの報告】
オールネイションズカレッジは放送大学によって認可されたメシ
アニック・ジューイッシュ神学の番組の中で神学修士課程を継続し
て放送している。最近の学位論文のタイトルは、
「西暦 1 世紀から
4 世紀における聖書的、歴史的、神学的発展の中で、イエスの神
性に関するクリスチャンの理解は初期のユダヤ教にどのようにして
受け入れられなくなっていったか?」であり、また「エハッド・ユバ
ルミニストリーは芸術にどのような貢献ができるか:芸術における
メシアニック・ジューイッシュの宣教学をめざして」である。
(All nations Christian College のリチャード・ハーベイの報告 )
「昨年英国では特にこれといった LCJE の活動はしなかった。し
かし支部組織の指導者たちが毎年 3 ~ 4 回共に集まって、協議し、
祈り、
意見交換するのは注目に値する出来事であった。これらのディ
スカッションに出席した支部組織や参加者は LCJE のメンバーであ
り、これは報告に値することだと思っている」
。
2 LCJE 日本支部発行 No.169
イスラエル
第 3 年目になるが、私たちはニューエイジのイベント「the
Vitality Show and the Mind Body Spirit Festival(略してバイ
タリティ)
」に対して「イエスを経験する」(Jesus Experience) 運
動を紹介した。私たちはボランティアチームの支援を受けて、CMJ
と協力して活動した。バイタリティの行事の全体の数は少なかった
が、スチュアート・コーヘンはユダヤ人と今までよりも実質のある
会話ができたと述べた。その中には心から真理を求めている若い
俳優や、正統派ユダヤ人女性とその娘がいて 1 時間以上も話がで
きたそうである。スコットランドから到着したばかりのイスラエル人
旅行者は、反イスラエルの立場に立つ攻撃的なクリスチャングルー
プと遭遇したことを話してくれた。このグループはこのイスラエル
人旅行者とイスラエル人をモンスター呼ばわりした。彼は私たちの
チームが「イエスを経験する」運動を紹介してくれたことを感謝し、
「イスラエルの真の友人」であると語った。
オリンピック
ロンドンオリンピックの最初の週に、英国、米国、極東と東欧か
らの計 21 人のボランティアから成るチームが集合して、オリンピッ
ク観戦に来た人々とロンドンのユダヤ人社会に対して伝道した。ま
た地域教会と共にロンドン中心部で、郊外のユダヤ人の住む地域で
伝道した。私たちはロンドン中心部で屋外でのメッセージと路傍伝
道、ユダヤ人地域で戸別訪問を展開し、各地域で伝道用のチラシ
やキリスト教小冊子や水のボトルを配って歩いた。多くの訪問者と
観光客が特別伝道イベントに参加してくれたが、その中には教会に
行ったこともなければ、これまでクリスチャンに会ったこともないと
いう人もいたのである。
正統派ユダヤ教徒への伝道
CWI の事務長であるマイク・ムーアは、毎年ウェールズのアベリス
トィスで休暇を過ごすハシディック(正統派ユダヤ教の敬虔派)の
ユダヤ人数千人に伝道するためそこに出かけた。しかしユダヤ人が
そこに到着した最初の日に、皆から尊敬されていたラビが、ミクベー
(宗教的儀式)を実践しているとき海に流され、溺死体で発見され
るという事件が起きたので、彼の弟子たちは葬儀に出るため帰って
しまった。今年マイクはハシディックのユダヤ人伝道は休み、ブタ
ペストで伝道する予定である。
教会を教育する
私たちは「ユダヤ人とあなた」というユダヤ人の聖書観を表現し
たユーチューブの 5 分間シリーズのビデオを作成し、また ONE16
というオンラインの神学雑誌を刊行した。1 号はすでに配布され、
2 号も手に入れることができる。
2013 年
今年は、
「ユダヤ・ニューエイジ大会」への伝道に加えて、ブダベ
ストの 8 万人のユダヤ人への伝道も計画している。無神論者と不可
知論者のユダヤ人のためのシリーズだけでなく、ユーチューブで見
られるシリーズとして「ユダヤ人とあなた」を継続することを計画し
ている。以下は CWI のマイク・ムーアによる報告である。
このキャンペーンで私たちはイザヤ書 49 章 6 節をビジョンとし
て掲げた。
:
「ただ、あなたがわたしのしもべとなって、ヤコブの諸
部族を立たせ、イスラエルのとどめられている者たちを帰らせる
だけではない。わたしはあなたを諸国の民の光とし、地の果てに
までわたしの救いをもたらす者とする。
」
地の果てから諸国の民がオリンピックの開催地ロンドンにやって
くるとき、ロンドンに住むユダヤ人をターゲットに、この神のビジョ
ンを遂行したいと願って次のような作戦を立てている。その作戦と
はイエスのイメージをロンドンの町に植え付けることである。
・私たちの活動はロンドン中心部に集中する。オリンピックを見る
ためにロンドンにやってくる観光客が多いところである。
・日曜日に、全チームでロンドンに繰り出して、ユダヤ人社会に住む
イエスを信じるユダヤ人のイメージを強めるために活動する。
・第一の作戦は路傍伝道である。多くの人々が集まる地域、例え
ば公園で大スクリーンをセットし、会話を主体にした伝道を繰り
広げる。
・キャンペーンの最終金曜日に賛美集会を開くことを決めて、ワー
シップチームに賛美するよう協力を求めた。通りがかるユダヤ人
に配る招待状を印刷して配布したところ、100 人以上がやってき
た。最終的な統計は以下の通りである:96,925 枚のトラクト配
布をした結果、1012 人と何らかのコンタクトができた。その内訳
としては 101 人の未信者ユダヤ人、367 人の異邦人未信者、31
人のユダヤ人信者、460 人のクリスチャン、5 人がユダヤ人で信仰
を表明し、48 人が信仰を表明した異邦人である。
(JFJ の Y・B・デイビッドの報告による)
フィンランド
2012 年の LCJE フィンランド(略称 JUST)の活動として、フィ
ンランド聖書協会で「イスラエルにイエスを」セミナーを開催した。
ゲストスピーカーは「エルサレム正義協会」のマイケル・デッカーで、
主題は
「イスラエルにおける法的チャレンジ」
であった。このセミナー
はユダヤ人伝道の専門家のために企画され、40 人の参加者があっ
た。JUST は 6 つの集会を開いた。フィンランドにユダヤ人と異邦
人の宣教組織のネットワーク多くあり、また数人が個人の資格でこ
のネットワークに属している。2009 年以来、LCJE フィンランドは
フィンランドの福音同盟にも加盟し、このネットワークの一員でも
ある。JUST には 3 つの新メンバーが加わった。
(LCJE フィンランドの J・コイビストの報告による)
フランス
フランスで、モイシェ・ローゼンの最新の著作が JFJ から出版さ
れ、またミッチ・グレイサーまたはガイ・アシアのどちらかの最新
著作が CPM から出版される予定である。
私の著作「イスラエル:民族・信仰・土地」がフランスと外国の
さまざまな福音派の教会で広く受け入れられ読まれ続けていること
を神に感謝している。
夏の間、ローザンヌⅢについて 70 ページの長い論文を書くのに
奮闘した。これは主としてケープタウン誓約の分析であり、
「宣教
論」という神学雑誌の最近号に掲載された。この論文は主として
フランス語圏で読まれる論文である。私はこの論文の中で、ユダヤ
人宣教に関して、神の民が同胞ユダヤ人に証しする必要があると強
く強調して次のように述べた。
「私は全教会が、ユダヤ人にとってメ
シアであり、主であり、救い主であるイエスの福音をユダヤ人に伝
えねばならないと強調し続けたい。ロマ書 14 -15 章の精神に則
り、異邦人信者が、同胞に証しするメシアニック・ジューを受け入れ
励まし彼らのために祈るよう切に求める」
。
(CWI のジャン・ポールレンプの報告)
【ドイツからの報告】
2012 年の状況報告
ベイトサルシャロームはドイツの 17 の都市で、メシアニックコン
グリゲーションを建設し、伝道し、新しい信者を教育しながら、奉
仕を続けている。ドイツの宣教師の報告によれば、
約 20人の人々
(主
にユダヤ人)がイエスを信じたということである。
2012 年、
いろいろなセミナーや会議でドイツの教会にメシアニッ
ク運動とユダヤ人伝道の聖書的重要性を説くという有意義な計画
を立てた。しかし残念なことに、ドイツの多くの教会はいまだにそ
の重要性を理解していない。
2012 年の重要なしかも幸いな出来事はベルリンで私たちが開催
した第 1 回ユダヤ人イスラエル会議であった。それはドイツのすべ
てのメシアニック指導者たちを団結させた最初の会議であった。私
たちはかつて無かったような霊の一致を経験した。このイベントに
参加した数百人の人々はそこに目に見える形でイエスの愛が表され
たことに深く感動を覚えた。この会議はメシアニック運動とユダヤ
人伝道を促進したただけでなく、
メシアを大きく証しするものであっ
た。
2012 年 11 月、ベイトサルシャロームはベルリンに住むイスラエル
人に伝道を開始した。ベルリンには 18000 ~ 20000 人のユダヤ
人が住んでいる。私たちはすでに福音を伝え、数人とコンタクトを
拡げることができるようになった。現在、語学コース、ベルリンに
移住してくる人々への実際的援助、イスラエルのバックパッカーと
旅行者のホストファミリーとなってくれるクリスチャン家族のネット
ワーク作りの可能性を探っているところである。2013 年にはさら
にこの伝道活動を進めていきたい。
2013 年の計画
現在進行中の伝道者たちによる教育とコングリゲーションによる
種まき活動の他に、ベイトサルシャロームは次のことに積極的に取
り組んでいる。2013 年私たちはベルリンで第 2 回ヨーロッパ・メ
シアニック神学会議を主催する。テーマは「今日のヨーロッパにお
けるメシアニック・ジューの役割」である。2013 年 5 月、イスラエ
ルから 25 人のホロコースト生存者を招く予定である。彼らにドイ
ツでゆっくりすごしてもらい、メシアニックの信者とクリスチャンた
ちに会ってもらうことになっている。この機会を用いて、彼らに福
音を伝えるため伝道集会を計画している。
第 2 回ユダヤ人イスラエル会議は 2013 年 8 月に開かれる。こ
の会議のテーマは「イェシュアの再臨に備えて」である。私たちは
この会議を第 1 回会議の成功の上に積み上げたいと願っている。
2013 年 8 月にこの会議に先立ち、ユダヤ人に福音を伝えたいと願
う人々のために伝道訓練会を計画している。
( ベイトサルシャロームのウラジミール・ピックマンの報告 )
【ドイツ、ヨーロッパ、旧ソ連からの報告】
2012 年ヨーロッパにおけるジューズフォージーザスの活動のハ
イライト:
この半年間のヨーロッパと旧ソ連におけるジューズフォージーザ
スの活動のハイライトはドイツ、ハンガリー、ポーランド、ウクライ
ナ、英国において実施することのできた 8 つのキャンペーンであっ
No.169 LCJE 日本支部発行
3
本部ニュース 110 号 (2013 年 2 月発行 ) より
た。これらのキャンペーンの内 3 つすなわちベルリン、ワルシャワ、
ブダペストで実施した伝道は、私たちが「死者からのいのち」と呼
んでいる進行中のプロジェクトの一部である。このプロジェクトの
主眼点は同胞の多くが死んだ町々に福音と永遠のいのちの希望を
届けることである。他のキャンペーンとしては、ロンドンのオリン
ピックやキエフとカルコフで開かれているヨーロッパサッカー選手
権大会のような人気のある大きな行事の期間中の伝道に集中して
力を注いだことである。私たちユダヤ人の口から福音を聴くために
諸国から人々を集めてくださった主イエスは実に素晴らしい御方で
ある! (JFJ のアビ・スナイダーの報告による)
指導者に教えるための組織でもある。ヤッフォーのインマヌエル教
会とつながりのある「イスラエルへのジョイントミッション」と連携
して、特にオープンチャーチプログラムとコンサートを開いて、さら
に多くのイスラエル市民とコンタクトを持つことができるのは実に
うれしいことである。正統派ユダヤ教徒である人々が個人的に私
たちのところにやって来て質問したり、実存的な事柄に関して答え
を求めてくる。
NCMI は「エリヤの家」コングリゲーション、
イスラエル聖書協会、
ジューズフォージーザス、マハセ連合、ムサラハ和解ミニストリーを
支援し、良い関係を築いている。
オランダ
東ヨーロッパ
2012 年主の恵みにより、私たちはメシア・イエスの福音のため
に多くの良きわざをなすことができたそのひとつは。オランダの教
会によって計画された集会で証しする機会を持てたことである。12
〜16 歳の若い人々向きの集会をいくつか開催し、またイスラエル
を取り扱われる神の素晴らしいご計画に興味を持ちもっと知りた
いと願う熱心な大人の男女のためにも集会を開いた。また、ヤハド
(オランダ・改革派教会の連合組織)に加盟している説教者の一人
が教理に関する 5 つの講義を青年向きにシリーズにまとめて作成し
た。ユダヤ人の青年たちが福音書はユダヤ人について何と語ってい
るかを知ることは非常に重要なことだからである。
最近の若者たちは教会の未来を担う人々である。彼らに伝道す
ることは全教会に伝道することである。2012 年 3 月イスラエルの
メシアニックコングリゲーション出身の牧師夫妻がヤハドと私たち
の国オランダを訪れました。彼は通訳付きでいくつかの教会で説
教し、高校で生徒たちと話し合い、キリスト教団体が経営する老人
ホームを訪問した。老人たちは彼の訪問を喜び、彼の話すことに大
きな関心を持ったようであった。
2013 年も私たちは、イスラエルとオランダでお互いに訪問し合
い、コンタクトを取り続け合うことによってメシアニック・ジューの
支援を続けたいと願っている。またイスラエルで福音を伝えるため
に具体的な計画とプロジェクトを立てて支援し続けたい。私たちが
お互いから学び合えるように、イスラエルのワーカーたちの研修期
間を設けたい。
今年ヤハドのメンバーはイスラエルに行き、私たちと連携してい
るイスラエルの組織とコンタクトを取ることを願っている。この訪
問でオランダ出身のイスラエルで働くワーカーたちとも出会い、同
労者と新たなコンタクトを見出したいと考えている。また私たちは
オランダの教会のために特別企画「イスラエルデイ・シンポジウム」
を開く計画を持っている。このシンポジウムの目的は、教会のルー
ツと神がイスラエルに持っておられる計画、そしてまたなぜこのこ
とが私たちにとって重要なのか、私たちの国の教会が気づくように
したいということである。
これ以外に、2012 年に行われた諸集会が今年も開かれる予定
である。どうか神が皆様を祝福してくださるように、私たちに良き
業を続けさせてくださるように!
(ヤハドのエリカ・メデンドープの報告)
ノルウェー
NCMI(イスラエルに対するノルウェー教会ミニストリー)はルー
テル派を土台とした宣教団体で、クリスチャンがユダヤ人に対する
責任に気づき、ユダヤ人に福音を伝え、キリストの愛をもってユダヤ
人に仕えていくという目的を持って活動している。ノルウェーにはご
く少数のユダヤ人市民がいるのみなので、私たちの主な焦点はイス
ラエルと東ヨーロッパである。
NCMI はギスレ・ジョンソン協会を通して、ハンガリーの福音ルー
テル教会及び地域宣教団体と連携した活動をしている。2012 年
にはルーテル国内ミッションは、クリスチャンの信仰のユダヤ的ルー
ツについて講演会を開いた。
NCMI はまた、セミナーを開き、ベラルーシでウェブ放送と地域
のメシアニック牧師を経済的に支援することを通して「主の瞳ミッ
ション・ロシア支部」と連携している。ラトビアと AMZI の地域メ
シアニックコングリゲーションと連携して、地域信者たちや教会指
導者のための履修コースを開設して、メシアニックのユダヤ的アイ
デンティティ、ユダヤ人と異邦人信者が共に世の光となるために召
されていることについて学びの機会を提供した。NCMI はまたポー
ランドのルーテル教会の夏期会議に招かれ、ユダヤ人に福音を伝え
る責任について講演を行なった。
NCMI はまた、ウクライナと旧ソ連の JFJ と共に活動し、ノル
ウェーの会計管理者を支援し、ルーマニアのブカレストのメシアニッ
クコングリゲーションを支援している。私たちの神学的立場につい
ての声明文は 2012 年ポーランドとラトビアで発表されて、6 ヶ国
語で読むことができる。
ノルウェー
ノルウェーの少数のユダヤ人社会と NCMI は良好な関係を築い
ている。2012 年 NCMI はユダヤ人指導者と教会指導者を招いて、
ノルウェー社会一般と特に教会の中に見られる反ユダヤ主義につい
て討論した。この討論会はユダヤ人社会によって高く評価された。
この討論会を設定したことにより、私たちはメシアニック・ジュー
と彼らのアイデンティティを支持すると表明することができた。 (NCMI のロルフ・ハイトマンの報告)
【ポーランドからの報告】
国内会議
ウィスラで 10 月13 日開かれた「神の計画によるリバイバル」と
いう国内会議のことで神にご栄光を帰したい。この会議の主講師
は最近出版された「誰がアブラハムと昼食を食べたのか?」の著者
であるアシェル・イントレーターであった。彼は、イスラエルのリバ
イブミニストリーズ主幹であり、
「アハバトイェシュア」というメシア
ニックコングリゲーションの設立者である。この会議にポーランド、
チェコ、ドイツ英国、アメリカから約 700 人が参加した。出席者
の一人は次のように感想を語ってくれた:
「個人的な感想を言えば、
教会とイスラエルというテーマは実にバランスの取れた会議であっ
たと思う。私たちは個人的な関係においても、教会全体において
も神の時刻表によるリバイバルに向かって働くように励まされ感銘
を受けた」
。
ポーランド - イスラエルミッション
イスラエル
NCMI とその連携団体によって設立されたエルサレムのカスパリ
センターは今年で 30 年目を迎え、
「従うように選ばれて」を出版
した。これはイエスを信じるユダヤ人信者の歴史、現代のメシアニッ
ク運動とその神学に焦点をあてて書かれたものである。世界中の
教会指導者用コースと地域信者たちのための教育的プログラムが
組み合わされた実際的な訓練は現在継続中の活動である。
ハイファのエベネゼル老人ホームは独自の組織として発展してい
るが、老人伝道のために、また老人の抱える霊的カウンセリングの
4 LCJE 日本支部発行 No.169
ポーランド - イスラエルミッションは 10 月1日〜 9 日の期間、
「仮
庵の祭」を計画した。1 週間以上毎日会ってお祝いをし、
賛美、
祈り、
聖書の節を朗読、この聖書の祭の意味についての短い講演などを
行なった。
(ライフアンドミッションミニストリー・ポーランドのシルビア・ピン
カスの報告)
ロシア—リガに行く
私たち「主の瞳ミッション・ロシア支部」がノルウェーの NCMI
とドイツの AMZI と共にリガ(ラトビア)に行きユダヤ人伝道会議
を開き、第 2 次世界大戦中にリガのゲットーの市民たちが殺害さ
れた地で追悼礼拝をしたのは今年で 2 回目である。ラトビアの教
会指導者たち、ラトビアのユダヤ人、神の選びの民を心から愛する
人々がその地にいつも招かれる。
今回の旅において私の人生と私に最も近しい者たちの人生に神
の御手があるのをしばしば見てきた。
モスクワ出発する数時間前、私は病気になった。私の血圧を測っ
た妻アヤは震え上がった。通常私の血圧は 160/90 なのに、その
時 80/60 であったからだ。しかし祈りの後、人の生と死は父なる
神の御手のなかにあると決めて、私はリガに出発したのである。
それは奇跡の始まりにすぎなかった。起こった奇跡とラトビアで
の宣教についてお話ししよう。リガ会議が始まる直前にロシア語版
の「シャローム」誌の新刊を印刷して、リガに持っていきたかった
のだが、残念なことに、印刷会社に予期せぬ問題が生じたが、私
たちはベラルーシで雑誌を印刷することができた。霊的な力がこ
の国に働いていた。国境を越えて雑誌を運ぶという問題に直面し
たのであるが、主は生きておられる!それも可能になるように神は
私たちを助けてくださった!リガの伝道は 3 日間続いた。
1日目=ルンブラの森で追悼礼拝を捧げた。ここはラトビアとヨー
ロッパのユダヤ人が大量虐殺された場所である。その晩、ラトビア
の教会の指導者と牧師たちのためにハヌカの食事を行なった。40
人以上が参加した。イスラエルの国会議員であるリア・シェムトフ
がこの晩餐に加わった。私たちはまたユダヤ人に福音を伝える必要
があること、クリスチャンの信仰がへブルの起源に帰る必要がある
ことを語った。
2日目= 率直に言えば、
多くの人が参加するのを期待していなかっ
たが、色々な教会から100 人の人がこの会議に参加したのである。
イスラエルとユダヤ人を愛する人々が集ったのだ。この会議の後、
スペシャルハヌカコンサートが開かれた。そこにはロシア・ラトビア・
ベラルーシの著名なメシアニック音楽家が演奏した。コンサートは
多くの人々を魅了し、私たちは「シャローム」誌の新刊を配ること
ができたのである。またユダヤ
人にラトビア語に翻訳した NCMI のパンフレット「福音と約束」
を渡した。
3 日目 =3 日目もメシアニック音楽祭を続いて開き、またハヌカ
の意味について参加者たちに説明した。
(
「主の瞳・ロシア」のアレクセイ・シェペレフの報告)
バンクーバーのユダヤ人
ミッション・宣教の声主幹 黒田 禎一郎
ある日、一人のメシアニック・ラビが礼拝を中止させるため私の元に来ました。そして私に、非常に高価なタリートをおごそかに渡し、神が次のよう
に語られたと言いました。
「あなたは、
これからバンクーバー在住のロシア語を話すユダヤ人に、
仕える人になるでしょう。
」その私とは、
イゴール・ゴー
ルダンスキー師のことです。彼は現在、その言葉どおり米国バンクーバーのメシアニック・ジュー集会(コングリゲーション)責任者となっています。
ここに、彼の証しを紹介します。
★イェシュアに出会い回心
イゴール・ゴールダンスキー師は、ウクライナのユダヤ人
家庭に生まれました。家ではイーデイシュ語を日常使う、二言
語生活でした。家では神に関して話すことは一切なく、ウクラ
イナ正教教会とはなんの関係もありませんでした。両親は町
ではよく知られた存在で、父は数学者、母は劇場支配人でし
た。そのような家庭で育った私は、
14 歳にして薬物に手を出し、
それ以後 12 年間薬から離れることできませんでした。その間、
いろんな窃盗グループに入り、社会的損害を与える者でした。
26 歳になって、私は生まれてはじめてキリストの福音を聞き
ました。私に福音を語ってくれた人たちは、いずれも苦い苦し
い過去があった人たちでした。私はその時、最後のチャンスと
思いました。なぜなら、
私はその頃大量の薬物を飲まなければ、
生きていけない男であったからです。
私はイェシュアにおすがりしました。それは無力になった泥
酔者のようでした。私は神に向かい、ほんとうの助けが必要で
あると、救済の叫びをしました。すると、ただちに生活変化が
起こりました。すなわち、私を虜にしていたあの薬物から完全
に解放され、昼も夜も喜びに包まれるようになりました。私の
そのような人生を見ていた母は、イェシュアを救い主と信じま
した。2008 年、父は召天直前にイェシュアは受け入れ信じま
した。私は父が人生最後の時に、創造神と和解し召されていっ
たことを嬉しく思いました。後日になって判明したことでした
が、私の先祖の二代前までは熱心なユダヤ教徒でありました。
★イェシュアを信じて
私は回心して 3 年後、はじめて教会へ行きました。そこで
後の妻となったレーナに出会い、結婚することになりました。
それから私たちは、薬物中毒者の解放とリハビリを目的とした
センターを始めました。文字通り、昼も夜も休むことなく、薬
物中毒者のために働きました。彼らこそ以前の自分の姿であっ
たからでした。彼らに私が経験した証しを語り、刑務所伝道も
しました。
現在は、旧ソ連邦の各地に薬物リハビリセンターが建てら
れ、そこでイェシュアこそ真のメシアであることが伝えられて
います。さらにイェシュアを信じる人が、解放され新しい生活
が始まっています。
★ロシア語のメシアニック・ジュー集会
1998 年、私たちは米国へ移住しました。そこで初めてメシ
アニック・ジューに出会いました。彼らは密かに英語で話す集
会を開いていましたが、同じユダヤ人としてイェシュアを信じ
る同胞に会い、私は涙が溢れて止まりませんでした。集会を
リードしていたメシアニック・ラビは、不思議なことに、私が
バンクーバー在住のロシア語を話すユダヤ人に、イェシュアを
語り伝えると言いました。それから 10 年間、私はこの集会の
メンバーとし労し、霊的にも養われました。そして 2008 年 8
月、ロシア語を話す多くのユダヤ人たちが生まれました。その
群れはメシアニック・ジュー集会を開くため、メシアニック・
ラビに土曜日のどの時間帯に会堂を使用できるか尋ねました。
しかし、土曜日に使用可能な時間帯がないことが分かり、私
たちはやむを得ず家々に集まり、
集会を始めることにしました。
それは主のご臨在の元で開かれた幸いな礼拝となりました。
その後、私たちはユダヤ人にあまり心を開いていない、と言
われるルター派教会と接点が生まれました。彼らは自分たち
の会堂を喜んで提供してくださり、そこに私たちは集まり集会
を開くことが可能となりました。それから早くも 5 年の年月
が経過しました。彼らも、キリスト信仰がユダヤとの接点があ
ることを学んでいます。今ではともにイベントを計画するよう
になり、すでに 2 度合同集会を開いています。私たちの集会
には、多数のユダヤ人ファミリーが加わり、その人数は約 150
人にもなりました。それを見た未信者のユダヤ人たちが、私
たちの集会を訪ねて来て、主がご臨在されることを感じとって
います。私の妻は音楽部門の責任を担っていますが、通訳(ロ
シア語、英語、ヘブル語)部門の重荷も持っています。
このようにして、主は私を不思議な道に導いてくださいまし
た。イェシュアは私の生涯のメシアであり、同胞ユダヤ人のメ
シアであり、そして全人類のメシアです。主をほめたたえ賛美
します。ハレルヤ!
No.169 LCJE 日本支部発行
5
シオンとの架け橋 石井田 直二
世界は滅ぼされるのか、それとも回復するのか
9 月末から10 月初めに来日された、
レオン・マジン師は
「世界の回復」
という、
ユニークな視点から語って下さいました。
マジン師はイスラエルのメシアニック運動の次世代指導者の一人で、ロシア語の神学校(ハイファ神学校)を経営する
など、影響力のあるリーダーです。
「世界の回復」というメッセージを、私たちはどう受け止めればいいのでしょうか。
■「万物更新の時」とは
マジン師が最初に引用されたのは、
ペテロの説教の一節「イ
エスは、神が聖なる預言者たちの口をとおして、昔から預
言しておられた万物更新の時まで、天にとどめておかれね
ばならなかった」
(使徒 3:21)という箇所です。この「万物
更新」は、ヘブライ語で「ティックン・オラム」と言われる概
念です。
「ティックン」は「修理」であり、正しく動かないものを正
しく動かすことです。昔、私はテレビの修理のアルバイトをや
りましたが、当時のテレビは真空管式で、真空管やコンデン
サや抵抗など劣化している部品を交換すると、たいてい修理
できました。これが「ティックン」です。しかし最近では、故
障した製品をまるごと捨てて、新品に交換する例が増えてい
ます。
「故障」したこの世界を、
神は
「修理」されるのか、
それとも
「新
品と交換」されるのでしょうか。マジン師は、
あくまで「修理」
(ティックン)なのだと、教えられました。
Ⅱペテロ 3:7 には「今の天と地とは、……不信仰な人々が
さばかれ、滅ぼさるべき日に火で焼かれる時まで、そのまま
保たれている」と書かれています。このイメージは「交換」
のようです。しかし、この言葉を書いたペテロが、前述の「万
物更新」に言及していることに注意しなければなりません。
■創造は完全だったのか
では、神がはじめに創造された世界は完全だったのでしょ
うか。はじめから
「使い捨て」
用の製品に、
修理はありえません。
日本では「憂き世」という言葉のように、伝統的に、この世
は仮の世だというイメージがあるためか、クリスチャンも現世
を滅びるべき
「使い捨て」だと考える人が多いように思います。
❖❖❖❖❖❖
しかし、ユダヤ的な世界観では、神はこの世界を完全に創
造されたと考えます。最初、人間は完全であって、罪に抵抗
できる力を持っていた、というのです。パウロは「わたしは、
なんというみじめな人間なのだろう」
(ローマ 7:24)と、自
分が罪の支配下にあることを嘆いていますが、
「アダムが創造
された時にはそうではなかった」と、マジン師は指摘されま
した。カインに神が「罪を治めよ」
(創世記 4:7)と命じて
おられる以上、カインでさえも、罪を治める能力があったは
ずだというのです。
だから、人間の罪によって破壊されてしまった世界を元通
りに「修理」するのが神のご計画なのだと、マジン師は説か
れました。クリスチャンには馴染みの無い視点ですが、刺激
的なメッセージだったと思います。
■「回復」は神の基本的な方針
新約聖書の他の個所にも「回復」という考え方は登場しま
す。たとえば、パウロはローマ 8:19-21 で、虚無に服した被
造物にも「滅びのなわめから解放されて、神の子たちの栄光
の自由に入る望み」があると書いています。この語法は故障
した被造物の「交換」ではなく、
「修理」を示していると言え
るでしょう。
イスラエルの民もまた、
神は
「交換」されるのではなく
「修理」
をされます。黙示録の七つの教会のうち、最悪のラオデキヤ
でさえ、
神は
「使い捨て」ではなく
「修理」を目指されるのです。
機器を修理する時、壊れた状態をいくら見ても、修理の方
法は見えて来ません。本来のあり方を考えた時、初めて修理
の道筋が見えるのです。その意味で「神に創造された本来の
人間」を語ったマジン師のメッセージは参考になりました。
マジン師のセミナーDVDは、完成が年末ごろになると思
われますが、ぜひ観ていただきたいと思います。
ヨセフ・シュラム師来日セミナー
❖❖❖❖❖❖
マーシャ夫人とイスラエル政府公認ガイドのハナ・コブナー
■大阪集中セミナー さんも来日されます。京都では女性のセミナーも開催!
11 月 5 日(火) 午後 2:00 ~ 5:00 /午後 6:30 ~ 8:30
11 月 6 日(水) 午前 10:00 ~12:00 /午後 2:00 ~ 5:00
ニューオーサカホテル(JR新大阪駅より徒歩 3 分) ■京都女性セミナー(講師:マーシャ夫人・ハナさん) 午後 2:00 〜 5:00 11 月 7 日(木)
京都グローリーチャーチ(阪急西院駅より徒歩 8 分)
■名古屋セミナー 11 月 8 日(金) 午後 2:00 〜 5:00 /午後 6:30 ~ 8:30
※各セミナーは、参加無料・予約不要で、席上献金があります。
主催:聖書に学ぶ会 開催協力:シオンとの架け橋
連絡先 078-341-7501
6 LCJE 日本支部発行 No.169
愛知県産業労働センター(JR名古屋駅より徒歩 8 分)
■東京セミナー 11 月 9 日(土) 午後 2:00 〜 5:00 TKP 大手町カンファレンスセンター(地下鉄大手町C1出口直結)
第三の時
早川 衛
アルコ・イリスミニストリーズ (Arco Iris Ministries) 代表 LCJE 日本支部関東祈り会は、先月(10 月)をもって 14
周年を迎えた。14 は完全数 7 の倍数である。7 をひとつの
周期、つまりひとつの時ととらえるなら、関東祈り会は、ふ
たつの時を終え、第三の時へ入ったことになる。
1999 年 10 月 2 日に開催された第 1 回関東祈り会には、
新しい時の始まりに接する多くの主にある兄弟姉妹の熱気
があった。その時から14 年が経過したのだ。同祈り会を支
えて下さった多くの方々に心からの感謝を申し上げたい。
私は、この 14 年間のうち 2003 年 3 月から現在に至るま
で、すなわち約 10 年半の間、同祈り会の運営に携わってき
た。そして今、第三の時に入るにあたり、心に覚えることを
書かせて頂きたい。
私はヤコブがラバンの土地で過ごした 20 年間に思いを
馳せている。ヤコブは、最初の 14 年間は、ラバンのふたり
の娘レアとラケルのために、残る 6 年間はラバンの群れのた
めにラバンに仕えたのだった。14 年が経過した際、つまり、
第一と第二の時を過ごした後、ヤコブはラバンに帰郷の許可
を求めた。しかし、ラバンはヤコブを引き留めたのだった。
その際、ヤコブがラバンの土地に留まり続けるための条件と
して求めた報酬は、黒毛の羊とまだら毛ならびにぶち毛のや
ぎだった。普通、羊は白である。また、やぎは黒か濃い茶色
である。つまり、ヤコブは、欲張りではなかった。謙遜な男
であった。彼は数の多いものではなく、数の少ないものを求
めたからである。
勿論ラバンは、ヤコブのこの求めを受け入れた。そして、
ヤコブは第三の時をラバンの土地で過ごすことを選んだので
ある。その後、神はヤコブを大いに祝福し、彼の家畜を増
やしたのである。
関東祈り会もまた、神の許しによって第三の時へ導かれた。
同祈り会は、ヤコブが求めた黒毛の羊やまだら毛とぶち毛
のやぎのように小さな存在である。しかし、神がヤコブの家
畜を祝福し増やしたように、第三の時へ入った関東祈り会を
神は祝福して下さるに違いない。
では、関東祈り会が求めるべき 「 黒毛の羊とまだら毛な
らびにぶち毛のやぎ 」 とは何なのか。主との交わりの中で、
私はふたつの事を教えられている。それは、謙遜と継続で
ある。イザヤ書 6 章からそれらのことを教えられた。
ウジヤ王が死んだ年に、私は、高くあげられた王座に座し
ておられる主を見た。そのすそは神殿に満ち、セラフィムが
その上に立っていた。彼らはそれぞれ六つの翼があり、おの
おのその二つで顔をおおい、二つで両足をおおい、二つで飛
んでおり、互いに呼びかわして言っていた。
「聖なる、聖なる、聖なる、万軍の【主】。その栄光は全
地に満つ。
」
(イザヤ書 6:1 ~ 3)
セラフィムは、主に仕える生き物である。麗しい容姿を持
つに違いない。しかし、彼らは顔と両足とを覆ったのであっ
た。それは、自分自身を隠し、主に仕える者の姿である。
「 ウジヤ王が死んだ年 」 と書かれている。彼は、ツァラア
トに冒されたまま死んだ王である。彼は聖所に入り、香を捧
げようとした。それは、祭司にのみ許されていた行為であっ
た。祭司たちが、それを制止しようとした際、彼の額にツァ
ラアトが発症したのであった。ウジヤは、
そのような王であっ
た。つまり、ウジヤが死んだ年とは、イスラエルに罪の実が
見られた時代であった。そんな時にセラフィムは、
「罪は全
地に満つ。
」とは言わず「聖なる、聖なる、聖なる、万軍の主。
その栄光は全地に満つ。
」と言ったのである。
今も地には罪がある。その実が満ちている。しかし、そ
んな今こそ、私たちは、自分を隠し、セラフィムのように叫
ぶべきではないだろうか。彼らの叫び声のために、
「敷居の
基はゆるぎ、宮は煙で満たされた。
」と同 4 節には記されて
いる。主に仕えるため自分を隠す者たちによって宮が神の臨
在で満ちたのであった。関東祈り会もそのような場として用
いられたい、と思うのである。
さて、イザヤは「行って、この民に言え。
『聞き続けよ。
だが悟るな。見続けよ。だが知るな。
』この民の心を肥え
鈍らせ、その耳を遠くし、その目を堅く閉ざせ。自分の目
で見ず、自分の耳で聞かず、自分の心で悟らず、立ち返っ
ていやされることのないように。
」
(イザヤ書 6:9 ~ 10)
という主からみことばを握りしめた。そして、ユダヤ人が聞
こうが聞くまいが、悟るが悟るまいが、主のみことばを語り
続けて亡くなったのである。
聖書には、このみことばを引用した 2 人の主のしもべが
登場する。イエスとパウロである。イエスは、ユダヤ人たち
にメシヤとして拒否された後、このことばを語っている ( マタ
イ13:13 ~ 17)。しかし、イエスもイザヤ同様、頑なな心の
ユダヤ人を愛し、十字架の死に至るまで彼らに福音を語り続
けた。パウロも、晩年は上着にも困るような生活を強いら
れたようであるが、主に対する信頼が失われることはなかっ
た(Ⅱテモテ 4:9 ~ 18)
。そして、イザヤやイエスと同様、
どのような場合にも困難に耐え、自分の務めを十分に果た
し、この世を去って行ったのである。
今の時代にも、イザヤのことばを握りしめ、福音をユダヤ
人に伝え続け、同時に地の果てまでも語り続ける者が必要で
ある。第三の時にまで導かれた関東祈り会が、そのために
用いられることを願わずにはいられない。
No.169 LCJE 日本支部発行
7
LCJE日本支部事務局レター LCJE は、ユダヤ人伝道団体の情報交換ネットワークです。加盟しているユダヤ人伝道団体それぞれの
立場・活動を尊重して、機関紙などに情報を掲載しています。しかし特定の立場・教理などを、LCJE と
して支持するものではありません。読者におかれましては、個々の見識によって提供される情報を判断し
てくださいますよう、お願いいたします。
2013年度祈祷会予定
11月
9日
14日
場 所
東京(1:30より)
大阪(6:30より)
12月
14日
12日
2014 / 1月
11日
9日
会 場
御茶ノ水クリスチャンセンター4F 415号室
北浜スクエア(VI
P関西センター8F)
※【東京祈り会ご参加の方へ】11 月以降は、会場の確約が取れていませんので、OCC 玄関に告知されている
会場案内プレートをご覧になりお越しください。
LCJE大阪祈祷会の祝福 講 師:C . クリンゲンスミス
2013 年 10 月10 日(木)
今月の祈り会は「ユダヤ人とは何か?」というタイトルで米国のピュウリサーチセンターが行った 10 年ぶりの【米国ユダヤ人
人口調査】をベースにメッセージを取り次いでくださいました。この団体の宗教調査に対しての客観性は信頼できるものです。
ご興味のあるフレンズの皆様はご自分でHPを開き(英語のみ)ご覧になってみてください。
「Pew Research Center's Religion and Public Life Project(www.pewforum.org)」一部ご紹介します。
Ⅰ、ユダヤ人人口の定義
d.100,000 キリスト教とユダヤ教両方
a.4,200,000 宗教や信仰によってユダ
と主張している人々
ヤ人
(あらゆるユダヤ教・教派を含めて)
b.5,300,000 宗教や世俗を合わせて
(1,100,000 人は信仰無し)
e.400,000 宗教はその他
f. < 50,000 宗教はその他やユダヤ教
両方と主張している人々
c.7,800,000 ユダヤ人としての育ちか
d.9,000,000 ユダヤルーツのある人
を含めて
A. 少なくとも一人の親がユダヤ人の家庭
の子どもたち
e.1,800,000 ユダヤ人家庭の子ども人口
a.900,000 育ちはユダヤ教のみ
f.11,800,000 もっと幅広い人数
b.100,000 信仰無しの家庭の子ども
人口
Ⅱ、信仰的なこと
b.1,100,000 〜 1,200,000 信仰無し
c.1,600,000 所属している宗 教はキ
a. 40% 国家イスラエルの土地は神がユ
ダヤ人に与えたと信じる人口(ただし、
この問いは宗教はユダヤ教と主張し
b.80% 国家イスラエルの土地は神がユ
ダヤ人に与えたと信じる正統派の人口
c.60% 二か国解決を支持する率
d.50% イスラエルの現在の政府はパレス
チナ人に対して誠実でないと思う人口
e.44% 西岸入植地はイスラエルの保安
c.300,000 ユダヤ教や他の宗教両方
a.4,200,000 信仰はユダヤ教信仰
A. 国家イスラエルに対して
た人々のみにされた)
Ⅲ、子どもたち
少なくても片親がユダヤ人
Ⅳ、国家イスラエルに関するつながりや態度
の育ち
を損なうと思う人口
f.54% 米国政府のイスラエルへの方針
d.300,000 宗教も文化もユダヤ教の
影響無し
に満足する人口
g.11% 米国がイスラエルを甘やかして
リスト教
いると思う人口クリスチャン人口
○この資料はごく一部ですが、参加されたフレンズの中に祖父が「ユダヤ人」という姉妹が参加されていて驚きました。
また、クリンゲンスミス牧師への質疑応答でも多くのディスカッションが生まれ、後に続くお祈りの時間が短くなってしまうほど
でした。ユダヤ人がユダヤ人である事を忘れてしまうことのないように、一日も早く「福音」を届け、1 人でも多くのユダヤ人が
イエスは【主】ですと、受け入れることが出来ますようお祈りください。
LCJE日本支部2013年9月度会計
収入・献金
科 目 金 額 科 目 金 額
献 金
大阪席上献金
お知らせ
支出・現金
130,000 事
費
12,800
26,000 NEWSレター製作費
50,120
務
費
45,700
郵便振替手数料
3,000
郵
送
費
6,520
賃借・管理費
31,500
通
信
東京祈り会・大阪祈り会が今月も祝福の内に終了できましたこと感
謝します。お祈りに感謝いたします。
2013 年も早いもので、あと 2 か月となりました。2013 年の仕上
げにあたり、益々混迷と謎に満ちた中東情勢のことを覚えてお祈りし
たいと思います。また、1人でも多くのユダヤ人の救いのために祈って
まいりましょう。
事務局では、時の流れに翻弄され、本当にあっという間の一か月を
過ごしています。LCJE日本支部委員の牧師のお働きと霊性、健康
交 通 旅 費
20,000
LCJE年会費
20,000
156,000 合 計
192,010
(高瀬)までお知らせください。よろしくお願いいたします。
残 高
-36,010
LCJE日本支部事務局長 高瀬真理
300,783 翌 月 へ の 繰 越
264,283
が守られますようお祈りください。
お願い : 住所変更や、その他の連絡事項は→FAX 072-867-6721
合 計
前月よりの繰越
8 LCJE 日本支部発行 No.169
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