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環境配慮型建築物の普及に向けて ∼環境不動産市場の構築∼
環境配慮型建築物の普及に向けて ∼環境不動産市場の構築∼ 細田衛士研究会23期 神田 匠 近藤 慧 陳 僚禧 三木菜都実 1 OUTLINE 現状分析 問題提起 政策提言 参考文献・URL 2 2 現状分析 3 3 産業別CO2排出割合 5.6% 5.4% 1.8% 8.0% 58.6% 非住宅新増改築 住宅新増改築 補修 非住宅運用エネルギー 住宅運用エネルギー 土木工事 その他の産業分野 12.1% 8.4% 建設関連分野だけで41.3%を占める 建設関連分野のCO2を早急に削減する必要性がある 出典:板ガラス協会 4 4 家庭部門(1990=100) 業務部門(1990=100) 140 150 140 130 120 110 100 90 80 70 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 130 120 110 100 90 80 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 世帯数 CO2排出量 CO2排出量/世帯数 床面積 CO2排出量 CO2排出量/床面積 1990年水準に戻すには負荷をさらに小さくする必要がある =環境配慮型建築物への転換が必要である 参考:国立環境研究所 温暖化効果ガスインベントリオフィス EDMCエネルギー・経済統計要覧 5 5 Q. 環境配慮型建築物を増やすために どのような事が行われているか? →官民が協力して環境不動産市場の構築を進めている 出典:環境価値を重視した不動産市場形成のあり方について とりまとめ概要版 6 6 Q. 環境不動産市場とは...? A. 環境性能のより高い建築物が、 商品としての価値が高くなる市場 ・エネルギー効率 ・入居者の居住性 ・仕事の生産性 etc... 7 7 Q. 環境性能の高さはどう測るのか...? 慶應ビル 福澤ビル 省エネ設備 省エネ設備 再生可能エネルギー利用 再生可能エネルギー利用 耐震性能 耐震性能 細田ビル 省エネ設備 廃棄物利用 廃棄物利用 自然との協調 自然との協調 不動産価値に換算するには、各々に対する共通する評価軸が必要 不動産市場の構築の際、環境性能評価指標の存在が非常に重要 8 8 日本に存在する環境性能評価指標 産業別CO2排出割合 5.6% 5.4% 1.8% 8.0% ・東京都建築物環境計画書 部分的な評価制度 ・PAL ・ERR etc... 58.6% 12.1% 8.4% 総合的な評価制度である必要 現在日本ではCASBEEが主流 非住宅新増改築 住宅新増改築 補修 非住宅運用エネルギー 住宅運用エネルギー 土木工事 その他の産業分野 9 9 Q. CASBEEとは...? ・国土交通省支援のもと、建築環境・省エネルギー機構(IBEC)が開発 ・米国のLEEDを参考に設計した日本独自の制度 ・建築物の環境性能をライフサイクルの観点から評価・格付け 10 10 CASBEEの普及状況 評価件数 新着工 非住居棟数(民間建築主) 600 110000 450 82500 300 55000 150 27500 0 0 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2005 2006 2007 2008 2009 2010 →新築着工数から見ると非常に少なく普及しているとは言い難い 参考:日建連会員会社における 環境配慮設計(建築)の推進状況 建築着工統計調査報告 H23年度計 11 11 問題提起 12 12 Q. CASBEEはなぜ普及していないのか? CASBEE取得を義務化していない地域が多い CASBEE取得・建設にか CASBEEと不動産価値の CASBEE取得物件の需要 かる負担 関係性が不明瞭 の有無 13 13 認証取得コスト ◎評価項目が多い・時間がかかる 不動産マーケット普及版 103項目→17項目 現在計画が進められ、対策が講じられている CASBEEによる負担 費用や時間・手間が多くかかる 川崎市の例 「B+」→「A」 5%増 「B+」→「S」10%増 建築コスト 現在の市場では増加分の費用回収は 価格への転嫁によってしか出来ない 14 14 Q. CASBEEはなぜ普及していないのか? CASBEE取得を義務化していない地域が多い CASBEE取得・建設にか CASBEEと不動産価値の CASBEE取得物件の需要 かる負担 関係性が不明瞭 の有無 15 15 Q. 環境不動産の不動産価値は何で決まるのか? ・投資利益率 ・環境配慮により生まれる経済的メリットの程度 情報収集・データ化が十分に行われていないため、 明示化する事が出来ていない 16 16 Q. CASBEEはなぜ普及していないのか? CASBEE取得を義務化していない地域が多い CASBEE取得・建設にか CASBEEと不動産価値の CASBEE取得物件の需要 かる負担 関係性が不明瞭 の有無 17 17 Q. 環境不動産と非環境不動産、本当に環境不動産は選 ばれるのか? 現在の環境不動産は... ▷通常の価格より割高 ▷入居後の環境・経済的メリットが十分に明示化出来ていない 不動産を選ぶ際に環境要素が重視されにくい 18 18 政策提言 19 19 建設コストの増加 環境配慮型不動産の 不動産購入者に 価値が明示化されていない 選択されにくい 事業者に対する フィードバック体制の 金利優遇制度 構築 標章の導入 環境性能評価制度導入の義務化 20 20 ▷事業者に対する金利優遇制度 地方自治体負担では財源が限られてい 補助金 自治体 金利 優遇 民間銀行 × るため急速な普及は困難 →民間の関与の必要性 事業者 金利優遇分の利益の減少 銀行の事業参入の障害となっている →CSRによる優遇制度の導入を積極的に目指す 21 21 ▷例:SMBC-ECOローン(三井住友銀行) 環境配慮事業を行っている企業に対する支援 通常のビジネスローン対比で0.25%優遇 条件:マネジメントシステム規格に基づく環境認証を取得済み、又 は東京都の「地球温暖化対策報告書制度」に基づき、報告書 を提出済みの企業 22 22 ▷フィードバック体制の構築 環境配慮型不動産 環境負荷 運用コスト 統計データ 不動産市場 市場価格 空室率 IBEC 情報 入居者の快適度 仕事の生産効率 23 23 ▷購買者の行動 ▷通常の価格より割高 事業主に対する金利優遇により増加分の費用は価格転嫁なされない ▷入居後の環境・経済的メリットが十分に明示化出来ていない 購買者に情報を明示する必要がある 24 24 ▷購買者の行動 ▷例:川崎市の例 分譲共同住宅の広告での標章の掲載義務付け →消費者の認識上昇の1つに 25 25 建設コストの増加 環境配慮型不動産の 不動産購入者に 価値が明示化されていない 選択されにくい 事業者に対する フィードバック体制の 金利優遇制度 構築 標章の導入 環境性能評価制度導入の義務化 26 26 ▷環境性能評価制度の義務化 想定している環境性能評価制度義務化の内容 ・対象地域:全国各都道府県 →各市町村を対象とするより効率的 ・対象物件:新築・増築・改築物件 →既存建築物を現在対象にしづらい 27 27 ▷環境性能評価制度の義務化 例:川崎市 「床面積2000m2を超える建築物の新築・増築または改築」を対象に 環境建築計画の提出義務化 →環境政策の現状・認識改善、さらなる環境配慮型不動産の普及 28 28 ▷政策により想定される効果 環境性能評価制度の義務化 導入物件の増加(CASBEEの普及) + 高ランクの物件割合の増加 ・可視化による環境への認識改善 ・環境配慮型建築物の導入件数の増加 金利優遇制度 ランクによって優遇率に傾斜をつけることで 高い環境を目指す動機付けになる 29 29 ▷CASBEE導入の効果 エネルギー効率(Non-Certified=100) 100 LEEDの場合 75 導入時は非導入時と比較して 50 エネルギー消費量が低い 25 →CASBEEにも削減ポテンシャルは あると考える =建設関連分野のCO2削減に 0 Gold-plantinum Silver Certified Non-Certified 参考:Energy Performance of LEED for New COnstruction Buildings 30 30 参考文献・URL 31 31 ▷FW先 ▷環境建築・省エネルギー機構 建築環境部 吉澤様 ▷CSRデザイン&ランドスケープ株式会社 代表取締役 平松様 ▷川崎市 環境局 環境評価室 渡辺様 32 32 ▷参考文献・URL ▷板硝子協会 http://www.itakyo.or.jp/kankou/pdf/kenchiku8.pdf ▷日本国温室効果ガスインベントリ報告書 2012年4月 http://www-gio.nies.go.jp/aboutghg/nir/2012/NIR-JPN-2012-v3.0-J_web.pdf ▷環境価値を重視した不動産市場の形成のあり方について とりまとめ概要版 http://tochi.mlit.go.jp/kankyo/info/data/h2203Report.pdf ▷参考:日建連会員会社における 環境配慮設計(建築)の推進状況 http://www.nikkenren.com/publication/pdf/37/2011_CASBEE_SHOENE.pdf ▷建築着工統計調査報告 H23年度計 http://www.mlit.go.jp/common/000206282.pdf ▷CASBEE不動産マーケット普及版(2012年度版)公開シンポジウム資料 33 33 ▷参考文献・URL ▷CASBEEホームページ http://www.ibec.or.jp/CASBEE/about_cas.htm ▷米国グリーンビルディング市場の最新動向と日本市場への示唆 http://www.ares.or.jp/works/pdf/j03/ares_j_003_044_50.pdf ▷CASBEE 新築(簡易版)評価マニュアル 2010 年度版 http://www.stbri.co.jp/file/pdf/report/report_20080508.pdf ▷環境と不動産投資 ∼第2回 環境配慮型建築物の経済価値∼ http://www.tokiomarine-pim.com/market/report/report_100618.pdf ▷Energy Performance of LEED for New COnstruction Buildings https://wiki.umn.edu/pub/PA5721_Building_Policy/WebHome/LEEDENERGYSTAR_STUDY.pdf 34 34