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メヘレン宣言 - SCWS 2014

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メヘレン宣言 - SCWS 2014
メヘレン宣言
2014 年 3 月 19 日
前言
2014 年 3 月 17 日~19 日、世界 58 ヶ国の博物館や科学館のリーダーたちがベルギーのメヘレ
ンに集い、世界科学館サミット (Science Centre World Summit= SCWS) を開催した。総勢 443 名
が参加したこのハイレベルな国際会議は、1996 年から各大陸で開かれた 6 回に及ぶ Science
Centre World Congress の成果に基づいたものである。今回のサミットでは、科学館のリーダー達は
世界の政策立案者や科学者、一流企業の代表者などと、科学や、科学への市民関与、そして急
速に変容し続ける社会の中で科学コミュニケーションと科学館が果たすべき役割について、意見を
交わした。我々世界中の科学館は、社会へ貢献し続けることを決意し、この宣言を行動方針として
掲げていく。
1996 年以降、気候・エネルギー、伝染病、デジタルプライバシー、研究など、科学に関わる公共
政策における課題が急増している。科学への市民関与が増え、人間とテクノロジーの関係を大きく
変えたデジタル革命により、コミュニケーションと学習の新しい手法が作り出された。地域性への適
用、社会ニーズへの対応、政策参加の反映など、これまで科学館は様々な取り組みを行ってきた。
政府、科学関連企業、国際組織、多国籍企業および教育界は、地球規模な科学技術の課題への
市民関与が、人類の進歩・繁栄・幸福には不可欠であると認識している。約 3000 がある世界の科
学館は参加型、探求型学習を率先して推進しており、年間 3 億 1 千万人以上の来館者から高い評
価を受けている。
科学館は、これまでの伝統的な体験型の展示にとどまらなくなってきている。多くの科学館は地
球規模課題への対応について来館者と語り合い、彼らが社会の中でより主導的な役割を果たすよ
う働きかけることにより、国連のミレニアム開発目標や 2015 年に発表予定の持続可能開発目標の
実現に貢献している。
Science Centre World Impact
2011 年の World Congress 以降は、科学館の世界は目覚ましい進歩が遂げられている。特にア
フリカ、ラテンアメリカ、地中海沿岸、東欧やアジアでは、地域性や在来知、また来館者の多様性を
より留意した上で、数多くの新しい科学館が設立された。科学者と一般市民の対話が増え、それに
より科学技術に対する一般市民の意見が政策決定に取り入れられる事例が数多く現れている。
人々は今、科学への投資や政策策定過程に対し、以前に増して発言できるようになった。また、地
球規模課題や地域問題への対処についても活発に意見できるように教育が施され、意見しやすい
環境が整っている。科学館は創造力、発明、イノベーションをより強く推進し、その努力が持続可能
な生活へと繋がったのである。
The Science Centre World Summit 2014
文化的・政治的・経済的・地理的な境界を越えた協力体制や、科学に対しての意識醸成、関与
は目覚ましい発展を遂げてきた。世界における公式学校教育・芸術・ビジネス・政策立案者および
メディアの間ではより強いつながりが作られている。SCWS2014 は、これまでの経緯を継承したり、
既存の協力体制を再構築したり、更に未来へのビジョンを共有する新たな協力体制を作り上げたり
する機会となった。つまり、科学館とそのパートナーたちが、日々変貌する多様な状況により生み
出された課題を共に取り組む貴重な機会となったと言えるのである。
2014 年のサミットは、より多くの政策立案者、科学者、グローバル企業、国際組織に世界中の科
学館と協力することの重要性を認識させることに成功した。このような協力は、市民と科学技術の間
を橋渡しし、そして多数の地球規模問題を解決するという、共通目標への一歩となる。科学館は、
単によい学習体験をしたり、雨の日の午後を素敵に過ごしたりするような場所では無く、あらゆる世
代の考え方や行動を変えるユニークな施設である。協力体制を強化するによって、科学技術への
市民関与をより戦略的なレベルまで推し進めることができる。同時に、このような協力体制により、
お互いの発信や取り組みについて協力し合える風土が構築されていくであろう。
ここで世界中の科学館と、そのパートナーは、未来にむけて以下の取り組みを宣言する。
1. 参画における性差を常に意識しつつ、より効果的に地域社会や多様化する来館者の関与
を促すためにどう取り込むべきかを探究する。
2. 人類の持続的進歩において科学技術がもたらす可能性を世界中の人が認識できるように、
グローバル的な影響のある行動を効果的にとり続ける。
3. 際立つグローバルな活動を通じて、政策立案者やメディアに科学技術への市民関与の重
要性を認識させる。
4. 科学館は、社会に新しい科学的解決策や持続可能な技術を紹介し、その活用を促進する
“信頼できる場所”としての地位を確立できるように努める。
5. 様々な背景において適切なテクノロジーを駆使し、公式と非公式の両方の場面で学習者
の参画と教育の最適化ができるよう、より良い方法を率先して開発していく。
6. 一般市民をより直接に研究活動に参画させる。参画させることで人々を力づけ、考え方を
拡げると同時に、大学や研究機関の活動を社会や、より広範囲な地球規模的な社会問題
に対して意義のあるものにする。
7. 2019 年の国際科学館年を成功させるために協力し、世界中の人々が科学技術と社会の
関係についてお互いの経験を共有するように推進する。
Science Centre World Summit を参加した下記の個人・組織は、上記の目標を達成するために科
学館が同じ志を共有する組織との対話を始めることを喜ばしく思う。また、この宣言を自らの組織で
推進し、将来のパートナーシップについて話し合うことに賛同する。
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