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Improving Your Chances for Success

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Improving Your Chances for Success
Editorials
Preparation of Manuscripts for Publication:
Improving Your Chances for Success
James C. Boyd1, Nader Rifai2 and Thomas M. Annesley3,a
1
Department of Pathology, University of Virginia Health System, Charlottesville, VA;2 Departments of
Laboratory Medicine and Pathology, Children’s Hospital Boston and Harvard Medical School, Boston, MA;3
Department of Pathology, University of Michigan Health System, Ann Arbor, MI.
a
Address correspondence to this author at: Department of Pathology, University of Michigan Health System,
Room 2G332, 1500 East Medical Center Drive, Ann Arbor, MI 48109-5054. Fax 734-763-4095; e-mail
[email protected].
Clinical Chemistry 2009;55:1259-1264
論文投稿の際の、成功のチャンスを増やすための準備
科学的な出版物は、研究者の業績の生産性を示すひとつの重要な指標である。科学者は彼らの仕
事の成果について、研究者仲間にその結果を知らせたり、研究費や協賛金を得るため、また自らの
昇級の可能性を増すために、論文発表をしなければならない。それゆえに、論文発表へのプレッシ
ャーは大きい。科学者はしばしば権威あるジャーナル、例えばインパクトファクターが高い、公正
な査読プロセスのあるジャーナルで、自分の仕事を出版したいと望んでいる。
一方、ジャーナルの編集者たちは、優秀な論文をより多く引きつけ、それらを選別する競争に没
頭しており、限られたページの割当を維持しながらも、そのジャーナルが興味深いものであり続け
るようにと努力している。Clinical Chemistry の編集者たちは、新しい技術そしてその応用や、生化
学的指標、プロテオミクス、分子診断、そして臨床的、疫学的な研究に対し、高い潜在的な興味イ
ンパクトを有する論文を引きつけることに関心がある。論文は我々の分野への現在及び将来の潜在
的重要性、目新しさ、読者との関連性、プレゼンテーションの明快さに基づいて選択されている。
多くの研究者に、優れた科学的研究をデザインする能力があるが、我々編集者は、全ての研究者が
1
系統だった科学的論文として、彼らの得た結果についてはっきりと、理路整然と述べることができ
ているわけではないということを知っている。Clinical Chemistry は現在、投稿された原著論文のう
ち、約 15%をアクセプト(受理)している。論文をリジェクト(拒否)するよくある理由は、新
規性の欠如または不十分な研究デザインだが、その論文が結果を最も明確に提示し、ピアレビュー
[査読]や意思決定プロセスにおいて、明らかに利点があること主張することが重要である。
我々の編集の経験では、約 1/3 の投稿論文が Information for Authors (1) に記載されているジャーナ
ルの、必要事項と資料準備についての詳細なチェックリストを、少なくとも一つは満たしていない。
一般的なミスは、余りにも多くの参考文献、誤った参照の書式、不正確な単位、および論文の主な
内容に補足的なファイルと説明文を含めてしまうなどである。ピアレビューの後でさえも、論文の
およそ2/3は編集の最終段階で、文章の明確化、追加の方法についての情報、または明確化ない
しは追加の結果、改訂または要約の短縮、不明瞭な図表、不適当な結論、および統計の不適切な使
用などと言ったことで、副編集者によって著者に再度校正が求められる。
Clinical Chemistry では、論文は審査プロセスのどの段階においても拒否できる。査読者の批判が満
たされたという理由だけでは、原稿が出版を正当化するのに十分な質を備えていることを示すもの
ではない。確かに査読者は原稿の科学内容に関する勧告を行うが、それに加えて各原稿に対し、結
論の妥当性、書式と文法、そして原稿の質など、7 項目の優先順位スコアをつける。学問的な出版
論文を選ぶためには、編集者はこれらの優先順位スコアを考慮に入れ、それぞれの論文を、他の論
文や関連する重要性の文脈を見て評価する必要がある。この全体的な選択プロセスは、論文の読み
易さ、明確なデータの提示がされているかどうかの影響を受けるであろう。つまり読みにくい論文
は、研究の真の科学的価値を伝えることに失敗する場合がある。
科学的な原稿を書くための唯一最良の方法はないが、ここでは投稿論文を準備する際に考慮すべき
事を提案し、特に Clinical Chemistry への投稿の必要事項を提供することによって、若い科学者や
ポスドクや研究助手の一般的な出版のチャンスを改善し、役に立ちたいと願っている。
投稿原稿の準備のガイダンス
著者名
2
著者名は、投稿原稿の準備前に対処する必要がある。誰が著者として含まれるべきであるかと、著
者の一覧ならびに順序の決定は、この時点でなされるべきだ。Information for Authors(1)に示した通
り、ジャーナルの原著者の 3 要件を満たす人のみが、著者として記載される必要がある。
概要
ある著者は、論文の各セクションで説明する箇条書きのアウトラインや、そのリストをあらかじめ
準備しておくと便利なことを知っている。このようなリストは、著者が示したい重要なポイントの
漏れを回避するのに役立ち、原稿の基礎となる枠組みを提供する。より多くの経験豊富な著者は、
このようなリストを必要としないかもしれないが、新規または経験の浅い著者にとっては、このよ
うなリストは非常に便利であることがわかる。
投稿原稿の準備の順序
序文、方法、結果、考察といった情報について、論文で提示される順序は必ずしもこれらのセクシ
ョンが書かれた順序を反映していない。表 1 は多くの人々のために役立つ、投稿原稿を準備するた
めの順序を示す。始めることが難しい著者にとっては、材料および方法の項を準備することは、書
く勢いを得る助けとなる。なぜならこれは単純に方法論の詳細な記載と組見立てを必要とするが、
通常はあまり科学的推論を必要としないからだ。著者にとって最も重要なステップは、データにつ
いての明確な理解と、意図するメッセージを伝えるためのプレゼンテーションの最良の手段を持つ
ことである。多くの著者が、使用する表や図の準備にかなりの時間を費やしている。コンピュー
タ・ソフトウェアが広く手に入ることにより、このプロセスを大幅に容易にする。表や図は、原稿
の方向性を定め、ストーリーを示す。つまりデータを提示するための、最良で明確な方法を決定す
るためには、表や図の作成に十分な時間を費やす価値がある。以下に我々は、各セクションが論文
に表示される順に、これらの各セクションの準備のための特定の推奨事項を提供する。
表 1.原稿を書く際のお薦めする順序
1.表や図は、原稿の方向性を定め、ストーリーを示す。どのようなデータを提示するかについて、
最良で明確な方法で決定するために、表や図の作成に十分な時間を費やすことは価値がある。
2.材料と方法:このセクションから書き始めることは、勢いを得る良い方法だ。
3
3.結果:このセクションの準備は、どのようなデータを図または表に含めるかを決定する。
4.考察
5.はじめに
6.タイトルと抄録
表題
表題はそのままで明確な簡単な要約を提供し、論文への関心を引き出し、論文の内容に関する情報
を提供する。何千もの読者が表題を見て、どんなトピックがカバーされているかを確認するために、
抄録を走り読みする。魅惑的なタイトルは、読者が抄録または論文自体を読むように誘い込む、唯
一の機会かもしれない。同様に重要な事実は、ほとんどの科学者は多くの雑誌を購読していないの
で、読者の大半は検索エンジン(例えば、グーグル)または電子データベース(例えば、
PUBMED)で見つけた表題のキーワードを介して、論文を認識するわけである。
表題は簡潔でわかりやすくする必要がある。ほとんどの場合、言葉が追加されるよりも削除された
場合に、表題はわかりやすくなる。表題にはインデックス・サービスと、読者が彼らの論文に関連
付けることができるような、重要な単語や用語を含める必要がある。論文を書く作業のときには、
表題が最後に残されていることが望ましい。一度キーワードや用語のリストが作成され、要約が書
き込まれた後の方が、著者が示したいポイントを反映した表題を簡単につくることができる。
要約
要約は、研究論文の概要を説明し、主要な研究結果と結論を強調する。要旨はほとんどの場合、編
集者がさらに提出書類を検討するかどうかきめるための、初期の意思決定ポイントだ。同様に抄録
はまた、レビューの際の論文の価値の第一印象を査読者に提供し、レビュープロセスの結果に影響
を与える。一度出版されれば、事実上すべての抄録は、電子文献のインデックス·サービス(例え
ば、PUBMED、ISI)を介して容易に入手可能であり、論文の全文を読むかどうかを決めかねてい
る潜在的な読者に、論文を最初に紹介してくれる。不十分な情報や、サポートされていない結論な
どで下手に書かれた抄録は、おそらく論文の読者の関心を低めるだろう。よく書かれた抄録には、
なぜ研究が行われたかの根拠を提示し、使用した方法、論文の主な主張がサポートされているデー
4
タ、研究結果を越えて拡張し過ぎない結論などの要約がある。抄録は引用を避けて、過去形で簡潔
に記述されるべきであり、許容文字数の範囲を超えないようにするべきだ。
序論
論文の序論は簡潔(ダブルスペースで2ページ以内)で、以下の顕著な3つの側面が含まれている
べきだ。
1.論文の中で、主題の内容を確認する簡単な背景が報告されている。
2.
研究の理論的根拠の説明(知識の特定分野の内容(知識ベース)の隙間を識別し、例えば、今
までにない応用、以前の仕事の問題点、または論争のポイントなど)。
3。現在の研究目標や、問題を解決するために検証する仮説の概要が表示されている。研究の対象、
方法、結果の詳細は、序論で提示するべきではない。
材料(対象)と方法
解析の詳細
材料と方法のセクションには、読者が論文内容を再現でき、十分に成果を評価し、他の公表された
研究での調査結果と比較できるように、十分な情報を含める必要がある。強いていえば、方法は綿
密に詳述する必要がある。 一般的なエラーとして、pH や緩衝液の濃度、試料と溶剤、化学物質の
等級;カラムの長さ、直径、粒子サイズ、および収集した検体の量の種類やタイプ、使用した抗凝
固剤、コレクションまたはストレージコンテナの種類(ポリスチレン、ポリプロピレン、ガラス)、
貯蔵条件など情報の書き落としがある。例として、LC-MS アッセイにおける試薬は、販売会社や
純度の説明なしで、メタノールまたはアセトニトリルを含むもの、として説明されることがある。
しかしそれは、メタノール、アセトニトリルとも異なる販売会社から、または異なる純度では、
LC-MS アッセイに影響を与えることが示されている(2)(3)。詳細は重要だが、すでに公開された方
法については、徹底的な説明の必要ない。しかし論文が新たに開発した方法を記述する場合は、広
範で詳細な記述が必要だ。
動物/ヒト被験者。
5
ヒト被験者が研究対象の一部であった場合、ジャーナルは研究に対して、適切な倫理委員会、また
はレビューボードからの承認が得られたものであり、インフォームドコンセントが得られたもので
あるということことを文書化する必要がある。同様に動物を使用した場合も、地方、国または国際
基準に基づく取扱い基準に従っていることを宣言する必要がある。
診断の研究と臨床試験
多くの投稿論文は、臨床検査法の診断としての有用性、疾患のバイオマーカーまたは薬物の治療効
果の判定結果について述べている。このような種類の研究では、最低でも表2に記載されている情
報を提供することが不可欠である。主に疾患のマーカーの有無を見ているように思われる研究の場
合でさえ、読者が研究内容やその見出した結果の適用性を評価するために、これらの情報の多くは
依然として重要だ。
表 2.重要な診断内容と臨床試験データ
1.研究対象または試料が得られたヒトの年齢、性別、人種。
2.被験者の採用方法(または後ろ向き研究での選択)。
3.どのようにサンプルサイズを決定したか。
4.被験者の募集の設定方法について(三次医療病院、地域病院、外来クリニック、集中治療室、コ
ミュニティのボランティアなど)。
5.研究がランダム化、または非ランダム化されているか。
6.被験者(または収集された標本)が採用された期間。
7.対象者の選択基準と除外基準。
8.コントロール(対照群)と疾患群の定義、または肯定的ないしは否定的な結果の定義。
9.一次的、二次的なエンドポイント(研究のゴール)の定義。
6
10.フォローアップでどれだけの被験者が脱落した理由。
11.データがどのように、誰によって検討されたか。
ガイドラインの多くが、様々なタイプの研究の実施ならびにその発表する著者を支援するために公
開されている。このジャーナルに論文を投稿する著者は、必要に応じて以下に箇条書きにしたガイ
ドラインを参考にすることをお勧めする。これらすべてに、Equator Network (http://www.equatornetwork.org)を介して、アクセスすることができる。

•CONSORT:無作為化比較試験。

•STARD:診断法の精度の研究;

•QUOROM:システマティックレビューとメタアナリシス。

•STROBE:疫学における観察研究。

•MOOSE:疫学における観察研究のメタアナリシス。
. 統計処理
データ解析に使用される統計的手法の説明は、記述されなければならない。コンピュータソフト・
ウェアパッケージが統計解析に使用された場合は、この情報を記載しなければならない。データ
(スプレッド)を要約するために使用される標準偏差(SD)、中央値(範囲)、または中央値[四
分位範囲(IQR)1]などを指定する必要がある。基になるデータの分布が正規でないか、知られて
いない場合、後者の 2 つのアプローチが最適である。
有意差検定に使用されるテストは、有意性を確立するために使用される基本的な P 値や、どのよ
うな方法が複数の統計的検定をするために使用されているか(例えば、Bonferroni, Scheffé, Tukey–
Kramer 法など)について記述するべきである。ノンパラメトリック統計的テストは、一般的に実
験データが正規分布でないか、または基になるデータの分布が知られていない場合には、パラメト
リック検定よりも優先される。分散の一般的な回帰分析や、分析(ANOVA)を含むパラメトリッ
ク手順が採用されている場合、データはこれらの手順[例えば、分散(homeoscedasticity)と正常の
均一性]の基本的な仮定に従わなければならない。そのような手続きが適用される前にこれらの仮
7
定に誤りがあった場合は、データ変換(例えば、対数または平方根変換)の必要性を示すことがあ
る。
科学的データの統計解析の説明と報告を行なう上で、助けになる多くの公開リソースは利用が可能
である。そのうちのいくつかは、References (4)(5)(6)(7)(8)(9)に記載している。複雑な統計処理が必
要な場合には、筆者らは統計学の専門家に相談することをお勧めする。さらに著者らは、雑誌の
Information for Authors (1)の中の統計的手法についてのガイダンスに、慎重に従うことをお勧めする。
結果
結果のセクションでは、余計な解釈無しに実験結果の明確な説明を提示することが、すべての科学
論文においてメッセージの中心となる。結果の中の情報は、実験が行われた順序とは限らず、最も
論理的にメッセージを伝える事ができる順序で提示するべきである。提供される情報は通常、幾つ
かの有益な図や表を中心に構成されている(後述)。
すべてのデータは、論文のメッセージに関連するとは限らないので、著者は報告するデータを選択
する必要がある。高度に技術的、数学的あるいは実験的な手順から得られた結果は、しばしば結果
セクションの中の要約や補足データ·ファイル内に詳細を追加することによってうまく伝達される。
実験結果は可能な限り、最も簡潔な形式で提示すべきである。並列のレポートスタイルの使用は、
しばしば異なる群、例えば結果のいくつかのセットを報告するのに有利に使用できる。"トロポニ
ン平均濃度(SD)は、うっ血性心不全、経皮的インターベンション、冠動脈バイパスグラフト患
者群で、それぞれ、4.3(0.9)μg/ L、0.5(0.3)μg/ L、13.3(1.3)μg/ L であった。それに対し、
これら 3 群における B 型ナトリウム利尿ペプチド(BNP)平均濃度(SD)は、それぞれ 959( 305)
ng / L、89(50)ng / L、136(64)ng / L であった。" データがこのように報告されているときに
は、表または図のデータを繰り返す必要はない。
報告された結果は、適切な統計解析によって保証されるべきである。材料と方法のセクションに示
した統計アプローチの通り、最大でも有効数字2桁の実質的な P 値を含むものでなければならな
い。例えば、有意差がでない結果に注意を向けさせる以下のような言い回しは避けるべきである。
例えば、差が有意でないのにも関わらず“・・・は、わずかに良好な傾向が識別された。”または、
8
“統計的に有意ではないが、著しく2ヶ月の死亡リスクが低減されたことを見いだした。・・・”
などだ。
考察
このセクションでは、研究結果を説明し、先行された研究の内容と比較して、それらの意義と影響
を検討する。ディスカッションの長さは、提示されたデータの量に比例しなければならない。結果
の繰り返しは避けるべきである。それは研究の強みと、その主な結果を示す段落ごとに記述するこ
とをお勧めする。一次解析の結果(主要な結果)は、最初に考察されるべきであり、続いて二次分
析について考察するべきだ。結果の考察の順序は、結果セクションの順序と同じにする必要がある。
研究の意義を論ずるには、統計的ならびに臨床的意義の両方から考察することが重要だ。結果につ
いての可能性のある原因や、研究の潜在的な利点についての推察は、合理的な範囲で保たれるかぎ
りは許される。さらに、特に臨床研究の場合には、研究の限界と知見(結果)の適用の限界を明確
にしなければならない。最後に、原稿は研究の意義、フィールド(分野)での実践に対する潜在的
影響についての段落で結ぶべきだ。しかし、著者は提示されたデータによって、サポートされてい
ない内容を加えることを避けなくてはならない。
引用文献
Information for Authors (1)では、それぞれのジャーナルのタイプにより許される参照論文数と、必
要な形式が明確に示されている。必要条件のいずれかに従わない場合、著者への投稿原稿の返却と
なり、不必要にレビュープロセスの時間を延長することとなる。多くの人々は、引用論文の電子管
理を便利なツールだと感じている。著者らは、他者の論文を排除し、過度の自己引用を避ける必要
がある。
図
図は、読者が情報を理解し、記憶するのを助ける、データの視覚表現を提供している。各図は、情
報の効果的なビジュアルコミュニケーションにより、テキストに貢献すべきである。有効な数値化
を助けるために、多くのリソースが存在している。代表的なサンプリングは、参照リストに示した
(10)(11)(12)(13)(14)。我々は図の作成に関するいくつかの提案を行っている:
9
1.常にジャーナルの許容範囲内の数とサイズで、図(と表)を使用する。過度の図の数、または
複雑すぎる数字を含む投稿原稿は、ただちに拒否される。
2.複雑すぎる図を避ける。通常、4 つ以下のパネルを設定された図にすべきであり、それらの各
パネルに表示される情報は、関連性の高い必要がある。十分に大きなフォントサイズで、読みやす
いサンセリフのフォントを使用する。図のサイズを 2×2 インチ(5×5 センチ)に小さくし、それ
が出版される際、図内のテキストが読みやすいようにする。
3.再現性の良いで色彩を使用する。灰色と灰色の陰影の使用は、出版されたときに十分に再現で
きないため避ける。図は黒と白で出版する場合は、カラーの使用を避ける。図はカラーから白黒に
変換されたときに、しばしば色の区別ができなくなる。出版のためにカラ―の図を準備する場合に
は、パステルカラーの使用を避ける。Clinical Chemistry では、近々、カラーの図やグラフを望む著
者に対して、特定のカラーパレットの使用を要求するようになる。
4.十分に高い解像度の図を提出すること。タグ付き画像ファイル形式(TIFF)としてビットマッ
プグラフィックスを送信する場合は、インチあたり少なくとも 600 のドット数(dpi)の解像度を
使用する。理想的には、図を調製し、そのようなカプセル化 PostScript(EPS)または Windows
metagraphic(WMG)などのベクターグラフィックス(Vector graphics)形式を使用して、提出しな
ければならない。ベクターグラフィックス形式は、フォントの鮮明さを変更せずに、拡大縮小する
ことができる。
図. 1 は悪い図(上)と良い図(下)の例を示す。
図 1 を参照。悪い図(上)ないしは良い図(下)。
悪い図は不十分な解像度を持つビットマップ形式( "ピクセル"的な外観になる)で作図されてお
り、あまりよくない選択であるパステルカラーを使用し、図の説明のフォントサイズが小さすぎる。
同じデータが下部パネルに、適切な明確な黒と白の図としてベクターグラフィックファイル形式で
再現されている。
表
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表は、データや実験的なパラメータ一覧について、視覚的な要約を提供している。表は研究対象集
団の特性を表現したり、分析法の条件をリストするためにも使用できる。表は慎重に表現されたと
き、その示された情報がテキスト内で提示された場合よりも、はるかに容易に理解することができ
る。そのためには、適切に表の情報を整理することが重要だ。一般的に左ヘッダーと列は、変数の
パラメータ、およびそれ以降の列に、それに対応する結果が含まれている。たとえば、この記事の
オンライン版に付属の、補足表 1 および表 2http://www.clinchem.org/content/vol55/issue7 は、酵素反
応の強さと温度の関係を示す。1、2どちらか一方で、よりデータが明確で視覚的に魅力的だろう
か?
データを表として提示する必要がないときもある。たとえば、オンラインの補足表 2 に、酵素 1 の
データのみが報告されていると仮定する。酵素は 40°C 以下または 60℃以上で活性を示さなかっ
た。同じ結果がテキスト内で 1、2 の文章で説明できるのに、表によってページ·スペースを使う理
由はあるだろうか?文章では“酵素位置のシグナル強度は 40℃で 31、50℃で 78、60℃では 26 と
なり、60℃以上では測定可能なシグナルは無かった。”となる。
査読者のコメントへの応答
編集長、そして/または、副編集長はジャーナルへの適合性を決定するため、受けとり時に各原稿
を評価し、査読へ送るか否かを指定する。初期スクリーニングプロセスを生き残った原稿は、2 人
以上の査読者に送られる。著者らは、査読者によって提供されたコメントを注意深く読んで、それ
らに対応するためあらゆる努力をするべきである。追加実験、統計解析の実行、文章の変更の必要
があるかもしれない。著者は査読者の提案に同意しない場合は、彼らは如才なく意見の相違を明確
にし、その理論的根拠を明記する。著者は、査読者のコメントにポイントごとに応答して、編集者
が簡単に改訂版を評価し、意思決定を返答できるように、文章の追加や変更をマーカー等で強調す
ることをお勧めする。再投稿の前に中立的な立場の同僚に、改訂版原稿と査読者のコメントへの返
答を読んでもらい、評価してもらうことは非常に役立つ。副編集長と査読者は投稿論文を改善し、
プレゼンテーションの仕方を良くすることを目的として、かなりの時間を費やすボランティアであ
ることを覚えておくことが重要だ。したがって、著書の批評を読んで、提案された変更に適応する
ためにイライラすることがあっても、原稿を向上させるために、彼らの時間とアドバイスをくれる
査読者と編集者に、真摯に感謝することは大切なことである。
非英語圏の著者のためのアドバイス
11
原稿を書くことはだれにとっても困難な作業となり得るが、英語で考えを明確に表現することが困
難な、非英語圏のネイティブスピーカーにとっては特に難しい。そのような著者は、英語を母国語
とする同僚や、提出する前に編集言語サービスによって、その原稿についてアドバイスをもらうこ
とを勧める。著者は彼らの意図するメッセージが、校正サービスによって変更されていないことを
確認するため、編集後、提出前にその原稿を見直すべきである。ジャーナルはこれらの機関のいず
れとも、特別な経歴や協がないことをご理解願うとともに、著者の利益のため Clinical Chemistry
は、Information for Authors (1) に、いくつかの英文校正サービスのリストを提供する。
結論
研究の目的と成果の明確な区別、使用した方法の十分な説明、およびデータの適切なプレゼンテー
ションは、編集者、査読者、読者が、出版のために提出された論文について、より全体的な品質と
価値を評価することを可能にする。この内容(Editorials)の対処方法の提案に従うことによって、
わたしたちは著者が自分の研究のプレゼンテーションを向上させ、著者の原稿が出版されるための
チャンスを増大すると確信している。
(訳者:陣内 遥)
謝辞
著者の貢献:すべての著者らはこの論文の知的内容に寄与し、次の 3 つの要件を満たしていること
を確認する:(a)構想と設計、データの取得や、データの分析と解釈に対する多大な貢献(b)作
図または知的内容の文章の見直し、および(c)出版された論文の最終承認。
Authors’ Disclosures of Potential Conflicts of Interest: Upon manuscript submission, all
authors completed the Disclosures of Potential Conflict of Interest form. Potential conflicts of
interest:
12
Employment or Leadership: N. Rifai, Editor-in-Chief, Clinical Chemistry; T.M. Annesley,
Deputy Editor, Clinical Chemistry; J.C. Boyd, Deputy Editor, Clinical Chemistry.
Consultant or Advisory Role: None declared.
Stock Ownership: None declared.
Honoraria: None declared.
Research Funding: None declared.
Expert Testimony: None declared.
Role of Sponsor: The funding organizations played no role in the design of study, choice of
enrolled patients, review and interpretation of data, or preparation or approval of manuscript.
Acknowledgments: We thank Drs. Mitchell Scott and Amy Saenger for their thoughtful
comments on the manuscript.
Footnotes
1
Nonstandard abbreviations: IQR, interquartile range; BNP, B-type natriuretic peptide; TIFF,
tagged image file format; dpi, dots per inch; EPS, encapsulated postscript; WMG, Windows
metagraphic.
参照
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Fig1
15
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