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14/16 ビットD/Aコンバータ
シリアル入力・電流出力 14/16ビットDAC AD5543/AD5553 特長 機能ブロック図 16ビット分解能:AD5543 AD5543/AD5553 14ビット分解能:AD5553 RFB VDD 微分非直線性:±1 LSB 積分非直線性:±2 LSB (AD5543) D/A コンバータ VREF 積分非直線性:±1 LSB (AD5553) ローノイズ:12nV/√Hz I OUT 16または14 低消費電力:I DD=10μA 制御 ロジック CS セトリング時間:0.5μs DACレジスタ 16または14 4象限の乗算リファレンス入力 CLK 2mAのフル・スケール電流、VREF=10Vで±20% 電流-電圧変換を可能にするRFBを内蔵 GND 16/14ビット・シフト レジスタ SDI 3線式インターフェース 超小型のMSOP-8またはSOIC-8パッケージ 1.0 0.8 自動テスト装置 0.6 計装機器 0.4 デジタル制御のキャリブレーション 0.2 INL – LSB アプリケーション 65536 61440 57344 53248 49152 45056 40960 定されます。内蔵の帰還抵抗(RFB)により、外付けオペアンプと組合わ 36864 –1.0 32768 外部接続のリファレンスVREFによって、フル・スケール出力電流が決 28672 –0.8 24575 単電源で動作するようにデザインされています。 20480 –0.6 16384 ビットD/Aコンバータで、±10Vマルチプライング・リファレンスを使い5V 8152 –0.4 12288 AD5543/AD5553は、電流出力の低消費電力で小型の高精度16/14 –0.2 0 概要 0 4096 工業用制御PLC コード せて、電圧変換用のR-2Rと温度トラッキング機能が可能になります。 図1. シリアル・データ・インターフェースでは、シリアル・データ入力(SDI)、 _ クロック(CLK)、チップ・セレクト(CS)を使用して、高速な3線式マイクロ コントローラ互換入力を提供します。 AD5543/AD5553は、超小型(3mm×4.7mm)のMSOP-8またはSOIC8パッケージを採用しています。 FFFFH 8000H 4000H 2000H 1000H 0800H 0400H 0200H 0100H 0080H 0040H 0020H 0010H 0008H 0004H 0002H 0001H REF LEVEL 0.000dB 積分非直線性誤差 /DIV 12.000dB MARKER 4 311 677.200Hz MAG (A/R) –2.939dB 0000H アナログ・デバイセズ社が提供する情報は正確で信頼できるものを期していますが、その情報の利 用または利用したことにより引き起こされる第3者の特許または権利の侵害に関して、当社はいっ さいの責任を負いません。さらに、アナログ・デバイセズ社の特許または特許の権利の使用を許 諾するものでもありません。 *日本語データシートは、REVISIONが古い場合があります。最新の内容については英語版をご 参照ください。 10 100 START 10.000Hz 図2. 1k 10k 100k 1M 10M STOP 50 000 000.000Hz リファレンス・マルチプライングの帯域幅 REV.0 アナログ・デバイセズ株式会社 本 社/東京都港区海岸1-16-1 電話03 (5402)8200 〒105-6891 ニューピア竹芝サウスタワービル (6350)6868 (代)〒532-0003 大阪営業所/大阪府大阪市淀川区宮原3-5-36 電話06 新大阪MTビル2号 AD5543/AD5553―仕様 電気的特性 (特に指定のない限り、VDD=5V±10%、VSS=0V、IOUT=仮想GND、GND=0V、VREF=10V、 TA=動作温度レンジ全域) パラメータ 記号 条件 5V±10% 単位 N VREF=10Vのとき、1 LSB=VREF/216=153μV (AD5543) VREF=10Vのとき、1 LSB=VREF/214=610μV (AD5553) グレード:AD5553C グレード:AD5543B モノトニック データ=0000H、TA=25℃ データ=0000H、TA=TA max データ=FFFFH 16 14 ±1 ±2 ±1 10 20 ±1/±4 1 ビット ビット LSB max LSB max LSB max nA max nA max mV typ/max ppm/℃ typ -15/+15 5 5 V min/max kΩ typ3 pF typ 2 mA typ 200 pF typ 1 精度 分解能 積分非直線性 INL 微分非直線性 出力漏れ電流 DNL IOUT フル・スケール・ゲイン誤差 フル・スケール温度係数2 GFSE TCVFS リファレンス入力 VREF入力範囲 入力抵抗 入力容量2 VREF RREF CREF アナログ出力 出力電流 IOUT 出力容量2 COUT データ=FFFFH (AD5543) データ=3FFFH (AD5553) コードに依存 デジタルI/O ロジック入力ロー電圧 ロジック入力ハイ電圧 入力リーク電流 入力容量2 VIL VIH IIL CIL 0.8 2.4 10 10 V max V min μA max pF max インターフェース・タイミング2、4 クロック入力周波数 ハイレベルのクロック幅 ロー _ レベルのクロック幅 CSからクロッ_ クまでのセットアップ クロックからCSまでのホールド データのセットアップ データのホールド fCLK tCH tCL tCSS tCSH tDS tDH 50 10 10 0 10 5 10 MHz ns min ns min ns min ns min ns min ns min 電源特性 電源電圧レンジ 正電源電流 消費電力 対電源感度 VDD RANGE IDD PDISS PSS 4.5/5.5 10 0.055 0.006 V min/max μA max mW max %/% max AC特性4 出力電圧セトリング・タイム tS 0.5 μs typ 4 7 MHz typ nV-s typ -65 7 -85 12 dB nV-s typ dB typ_ nV/√Hz リファレンス・マルチプライング帯域幅 DACグリッチ・インパルス BW Q フィードスルー誤差 デジタル・フイードスルー 全高調波歪み 出力スポット・ノイズ電圧 VOUT/VREF Q THD eN 各ロジック入力=0V 各ロジック入力=0V ΔVDD=±5% フル・スケールの±0.1%まで データ=0000H→FFFFH→ 0000H (AD5543) データ=0000H→3FFFH→ 0000H (AD5553) VREF=5Vp-p、データ=FFFFH VREF=0V、データ=7FFFH→8000H (AD5543) データ=1FFFH→2000H (AD5553) データ _ =0000H、VREF=100mV rms、同一チャンネル CS=1、かつfCLK=1MHz VREF=5Vp-p、データ=FFFFH、f=1kHz f=1kHz、BW=1Hz 注 1 すべての精度テスト(IOUTを除く)は、外付けの高精度OP177 (I/Vコンバータ・アンプ)を使ったクローズ・ループ・システムで実施。AD5543のR FBピンはアンプ出力に接続。オペアンプの+INはグラウン ドに接続し、DACのIOUTはオペアンプの-INに接続。Typ値は、25℃での測定値平均。 2 設計上保証しますが、出荷テストは行いません。 3 すべてのAC特性テストは、AD841(I/Vコンバータ・アンプ)を使用したクローズ・ループ・システムで実施。 4 すべての入力制御信号はtR=tF=2.5ns (3Vの10%∼90%)で規定し、1.5Vの電圧レベルからの時間とします。 2 REV.0 AD5543/AD5553 絶対最大定格* ピン機能の説明 VDD∼GND ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・−0.3V、+8V VREF∼GND ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・−18V、+18V ロジック入力∼GND ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・−0.3V、+8V V(IOUT) ∼GND ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・−0.3V、VDD+0.3V 電源ピン以外の全ピンの入力電流・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ±50mA ピン 番号 記号 機能 1 CLK クロック入力。立ち上がりエッジ・トリガー、 データをシフトレジスタに入力するクロック。 2 SDI シリアル・レジスタ入力。データは、直接シフ トレジスタにMSB先頭でロードされます。先頭 にある余分なビットは無視されます。 3 RFB 内蔵マッチング帰還抵抗。電圧出力を得るとき、 外付けオペアンプに接続します。 4 VREF DACリファレンス入力ピン。DACのフル・スケ ール電圧を設定します。入力抵抗はコードに依 存せず一定です。 5 IOUT DACの電流出力。電圧出力を得るとき、外付け の高精度I/V変換オペアンプの反転ピンに接続し ます。 パッケージ消費電力 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (TJ Max−TA )/θJA 熱抵抗θJA 8ピン表面実装(MSOP-8)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 150℃/W 8ピン表面実装(SOIC-8)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 100℃/W 最大接合温度(TJ Max) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 150℃ 動作温度レンジ モデルB、C ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・−40℃∼+85℃ 保存温度レンジ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・−65℃∼+150℃ ピン温度 RN-8、RM-8 (蒸着、60秒)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 215℃ RN-8、RM-8 (赤外線、15秒)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 220℃ *上記の絶対最大定格を超えるストレスを加えるとデバイスに恒久的な損傷を与えることがありま す。この規定はストレス定格の規定のみを目的とするものであり、この仕様の動作セクションに 記載する規定値以上でのデバイス動作を定めたものではありません。デバイスを長時間絶対最大 定格状態に置くとデバイスの信頼性に影響を与えます。 6 GND アナログおよびデジタル・グラウンド。 7 VDD _ CS 正電源入力。動作仕様レンジ5V±10%。 8 チップ・セレクト。アクティブ・ローのデジタ ル入力。シフトレジスタのデータが、立ち上が りエッジでDACレジスタに転送されます。動作 については真理値表を参照。 ピン配置 MSOPおよびSOIC-8 CLK 1 SDI 2 AD5543/ AD5553 8 CS 7 VDD 上面図 6 GND (実寸ではありません) VREF 4 5 I OUT RFB 3 オーダー・ガイド * 製品モデル INL(LSB) RES(LSB) 温度レンジ AD5543BR ±2 16 −40℃∼+85℃ SOIC-8 パッケージ RN-8 パッケージ・オプション AD5543BRM ±2 16 −40℃∼+85℃ MSOP-8 RM-8 AD5553CRM ±1 14 −40℃∼+85℃ MSOP-8 RM-8 *AD5543は1040個のトランジスタを内蔵。チップ・サイズは、55ミル×73ミル(4,015平方ミル)です。 注意 ESD(静電放電)の影響を受けやすいデバイスです。4000Vにおよぶ高圧の静電気が人体やテスト装置に容易に帯 WARNING! 電し、検知されることなく放電されることがあります。本製品には当社独自のESD保護回路を備えていますが、高 エネルギーの静電放電を受けたデバイスには回復不可能な損傷が発生することがあります。このため、性能低下や 機能喪失を回避するために、適切なESD防止措置をとるようお奨めします。 REV.0 3 ESD SENSITIVE DEVICE 1.0 1.0 0.8 0.8 0.6 0.6 0.4 0.4 0.2 0.2 DNL – LSB INL – LSB AD5543/AD5553―代表的な性能特性 0 –0.2 0 –0.2 –0.4 –0.4 –0.6 –0.6 –0.8 –0.8 –1.0 –1.0 0 8192 16384 TPC 1. 0 24576 32768 40960 49152 57344 65536 コード―10進数 2048 AD5543の積分非直線性誤差 TPC 4. 6144 8192 10240 コード―10進数 12288 14336 16384 AD5553の微分非直線性誤差 1.5 1.0 VREF = 2.5V TA = 25℃ 0.8 1.0 0.6 直線性誤差 – LSB 0.4 DNL – LSB 4096 0.2 0 –0.2 –0.4 0.5 INL 0 DNL –0.5 –0.6 –1.0 GE –0.8 –1.0 0 8192 16384 TPC 2. –1.5 24576 32768 40960 49152 57344 65536 コード―10進数 4 AD5543の微分非直線性誤差 1.0 1 6 電源電圧 VDD – V 0 8 TPC 5. 直線性誤差対VDD 1.0 2.0 5 VDD = 5V TA = 25℃ 0.8 0.6 4 電源電流 I DD – mA 0.4 INL – LSB 2 0.2 0 –0.2 3 2 –0.4 –0.6 1 –0.8 –1.0 0 2048 4096 TPC 3. 6144 8192 10240 コード―10進数 12288 14336 0 16384 0 0.5 1.5 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 ロジック入力電圧 VIH – V AD5553の積分非直線性誤差 TPC 6. 4 電源電流対ロジック入力電圧 REV.0 AD5543/AD5553 3.0 2.5 電源電流 – mA 2.0 5555H 1.5 8000H 1.0 FFFFH 0000H 0.5 0 10k 100k TPC 7. 1M クロック周波数 – Hz 10M 100M AD5543の電源電流対クロック周波数 TPC 10. セトリング時間 90 VDD = 5V ± 10% VREF = 10V 80 70 CS (5V/DIV) PSRR – dB 60 VDD = 5V VREF = 10V コード変化 8000H 50 7FFFH 40 30 VOUT (50mV/DIV) 20 10 0 10 100 1k TPC 8. REF LEVEL 0.000dB 10k 周波数 – Hz 100k 0s 1M 電源除去比対周波数特性 /DIV 12.000dB TPC 11. MARKER 4 311 677.200Hz MAG (A/R) –2.939dB FFFFH 8000H 4000H 2000H 1000H 0800H 0400H 0200H 0100H 0080H 0040H 0020H 0010H 0008H 0004H 0002H 0001H 0000H 10 100 START 10.000Hz TPC 9. REV.0 1k 10k 0.5 100k 1M 10M STOP 50 000 000.000Hz リファレンス・マルチプライング帯域幅 5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 時間 – μs 3.5 4.0 4.5 5.0 ミッド・スケール変化時のデジタル・フィードスルー AD5543/AD5553 SDI D15 D14 D13 D12 D11 D10 D9 D1 D8 D0 CLK t tDS tCH DH tCL tCSH t CSS CS 図3a. SDI D13 D12 D11 D10 D9 D8 AD5543のタイミング図 D7 D1 D6 D0 CLK t tDS tCH DH tCL tCSH t CSS CS 図3b. AD5553のタイミング図 表 I. 制御ロジックの真理値表 CLK CS シリアル・シフトレジスタの機能 DAC レジスタ X ↑+ X X H L H ↑+ 影響なし シフトレジスタのデータが1ビット・シフトされます 影響なし シフトレジスタのデータがDACレジスタへ転送されます ラッチ ラッチ ラッチ シリアル・レジスタから新しいデータがロードされます。 ↑+:立ち上がりロジック変化。X :Don't Care。 表 II. AD5543のシリアル入力レジスタ・データ・フォーマット、データはMSB先頭フォーマットでロード MSB LSB ビット位置 B15 B14 B13 B12 B11 B10 B9 B8 B7 B6 B5 B4 B3 B2 B1 B0 データ・ワード D15 D14 D13 D12 D11 D10 D9 D8 D7 D6 D5 D4 D3 D2 D1 D0 表 III. AD5553のシリアル入力レジスタ・データ・フォーマット、データはMSB先頭フォーマットでロード MSB ビット位置 LSB B13 B12 B11 B10 B9 B8 データ・ワード* D13 D12 D11 D10 D9 D8 B7 B6 B5 B4 B3 B2 B1 B0 D7 D6 D5 D4 D3 D2 D1 D0 _ *AD5553のシリアル入力レジスタには16ビットのデータ・ワード全部をロードできますが、CSがハイレベルに戻るとき、下位14ビットだけがDACレジスタに転送されます。 6 REV.0 AD5543/AD5553 と容量値を示します。外付けアンプの選択では、AD5543によって発生 回路動作 AD5543/AD5553には、14/16ビットの電流出力D/Aコンバータ、シリ されるアンプ反転入力ノードでのインピーダンス変動を考慮する必要が アル入力レジスタ、DACレジスタが内蔵されています。両コンバータと あります。DACのラダー抵抗と並列に接続されている帰還抵抗が、出力 も、3線式のシリアル・データ・インターフェースを採用しています。 電圧ノイズを支配します。良好なアナログ性能を維持するには、0.01μF ∼0.1μFのセラミックまたはチップ・コンデンサと1μFのタンタル・コンデ ンサの並列接続による電源パイパスが推奨されます。周波数による電 D/Aコンバータ部 源変動除去比の低下があるため、スイッチング電源の使用は避けてく DACアーキテクチャは、電流切替型のR-2Rラダー・デザインを採用 ださい。 しています。図4に、代表的な等価DAC構造を示します。このDACに は、外付けオペアンプと組合わせて使用するマッチング帰還抵抗が内 シリアル・データ・インターフェース _ AD5543/AD5553は3線式(CS、SDI、CLK)のシリアル・データ・インタ 蔵されています(図5参照)。RFBピンとIOUTピンをそれぞれオペアンプの 出力と反転ノードに接続すると、次式で示す高精度電圧出力を得るこ ーフェースを採用しています。新しいシリアル・データは、AD5543の場合 とができます。 16ビットのデータ・ワード・フォーマットでシリアル入力レジスタに入力され VOUT = – VREF × D / 65, 536 ( AD 5543) (1) ます。MSB先頭でロードされます。表IIに、16ビットのデータ・ワードを示 VOUT = – VREF × D / 16, 384 ( AD 5553) (2) します。データはSDIピンに入力されて、CLKの立ち上がりエッジでレジ 出力電圧の極性は、DCリファレンス電圧のVREF極性と反対になるこ るデータのセットアップ・タイムとホールド・タイム条件を満たしている必要 _ があります。シリアル・レジスタに入力された最後の16ビットだけが、CS スタに入力されます。このとき、インターフェース・タイミング仕様で定め とに注意してください。 ピンの立ち上がりエッジで、シリアル・レジスタからDACレジスタへ転送 これらのDACは、負または正のいずれかのリファレンス電圧で動作す るようにデザインされています。VDD電源ピンは、内部ロジックがDACス されます。多くのマイクロコントローラはシリアル・データを8ビット・バイト イッチのONおよびOFF状態を駆動するときにのみ使います。 で出力するため、2個のデータ・バイトをAD5543/AD5553に書き込むこ _ とができます。シリアル・レジスタをロードした後、CSの立ち上がりエッジ でシリアル・レジスタのデータがDACレジスタに転送されるため、このス VDD R R R RFB VREF 2R 2R 2R トローブ期間中にCLKをトグルすることはできません。AD5553では、16 R ビット・クロック・サイクルの場合、下位2ビットは無視されます。 5kΩ S2 ESD保護回路 S1 IOUT すべてのロジック入力ピンでは、逆バイアスされたESD保護ツェナー・ ダイオードがグラウンド(GND)とVDDの間に接続されています(図6)。 GND VDD デジタル・インターフェースは省略。スイッチS1およびS2は閉じられ、 VDDに電源を接続します。 図4. デジタル 入力 R-2R DACの等価回路 5kΩ 内蔵の5kΩ帰還抵抗と直列にマッチング用スイッチが使用されてい ることに注意してください。RFBを測定する際には、連続性を維持する DGND ためVDDに電源を接続してください。 図6. 等価ESD保護回路 VDD PCBレイアウトと電源バイパス U1 VDD VREF RFB I OUT VREF 小型かつ最短の線でPCBレイアウト・デザインすることが重要です。 U2 GND 入力までの配線はできるだけ短くして、IR電圧降下と浮遊インダクタンス V+ AD8628 V– VO を小さくする必要があります。 最高の安定性を得るには、高品質のコンデンサを使って電源をバイ パスすることも大切です。デバイスまでの電源線は、0.01μF∼0.1μFの AD5543/AD5553 ディスク型またはチップ型セラミック・コンデンサを使ってバイパスする必 –5V 図5. 要があります。ESRが小さい1μF∼10μFのタンタルまたは電解コンデ 電圧出力の構成 ンサも電源に接続して、過渡電圧を抑え、かつ低周波リップルを除去す る必要があります。 VREFとRFBの間のPCBメタル・パターンも、ゲイン誤差を小さくするため これらのDACは、ACリファレンス信号も入力できるようにデザインされ にマッチングさせる必要があります。 ています。AD5543には、-12V∼+12Vのリファレンス電圧を入力するこ とができます。このリファレンス電圧入力の入力抵抗は一定で5kΩ± 30%(nominal) です。DAC出力(IOUT)はコードに依存し、種々の抵抗値 REV.0 7 AD5543/AD5553 バイポーラ出力 アプリケーション 安定性 AD5543/AD5553は、元来2象限の乗算型D/Aコンバータです。す なわち、容易にユニポーラ出力動作用に設定することができます。 フル・スケール出力の極性は、リファレンス入力電圧と反対にな VDD ります。 U1 VDD C1 RFB バイポーラ出力振幅の発生が必要となることがあります。これは、 IOUT VREF VREF アプリケーションによっては、フル4象限の乗算機能、すなわち AD8628 GND 加算アンプとして構成された外付けアンプU4を追加することで容 VO 易に実現できます(図9)。この回路では、2つ目のアンプU4がゲイ ン2を提供して出力振幅を5Vに増幅します。リファレンス電圧か U2 AD5543/AD5553 ら2.5Vのオフセットに外付けアンプをバイアスすると、フル4象限 の乗算回路が得られます。この回路の伝達関数は、入力データ(D) 図7. ゲイン・ピーキング防止用のオプション補償コンデンサ がコード・ゼロ(VOUT=−2.5V)→ミッド・スケール(VOUT=0V)→フ ル・スケール(VOUT=+2.5V)へ増加するのに対応して、負と正の I/V変換の構成では、DACのIOUTとオペアンプの反転ノードをで 両出力電圧が発生することを示しています。 きるだけ短い配線で接続する必要があるため、正しいPCBレイア ウト技術を使う必要があります。各コード変化はステップ関数に 対応するため、オペアンプのGBPが制限されている場合、および 反転ノードの寄生容量が大きい場合に、ゲイン・ピーキングが発 VOUT = ( D / 32, 768 – 1)×VREF ( AD 5543) (3) VOUT = ( D / 16, 384 – 1)×VREF ( AD 5553) (4) AD5543の場合、抵抗偏差が注意すべき支配的な誤差になりま 生することがあります。 す。 安定性を維持するために、オプションの補償コンデンサC1を追 加することができます(図7)。C1は経験的に決めることができます R1 R2 10kΩ± 0.01% 10kΩ± 0.01% が、補償としては一般的に20pFが適当です。 C2 正電圧出力 U4 +5V 正電圧出力を得るには、抵抗偏差誤差の影響を受けるので、反 ADR03 転アンプを使って出力の反転を行い、DACの入力に負のリファレ ンスを接続することが望まれます。負のリファレンスを発生する +5V ときは、リファレンス回路のVOUTピンとGNDピンがそれぞれ仮想 グラウンドと-2.5Vになるように、リファレンスにオペアンプを使 +5V VREF GND GND RFB 図9. +5V VO V+ 1/2AD8620 V– IOUT –5V 1/2AD8620 –2.5 < VO < +2.5 U2 4象限の乗算型アプリケーション回路 VOUT VIN GND V+ 1/2AD8620 V– VOUT VIN R3 C1 AD5553のみ ADR03 +5V U1 VDD U3 ってレベル・シフトすることができます(図8) U4 5kΩ± 0.01% U3 –2.5V U1 VDD VREF C1 RFB IOUT 1/2AD8628 GND VO –5V AD5543/AD5553 図8. U2 0 < VO < +2.5 正電圧出力の構成 8 REV.0 AD5543/AD5553 抵抗が完全にマッチしているとZOは無限大になり、これは非常 プログラマブルな電流源 図10に、Howland電流ポンプを使った多用途V/I変換回路を示し に望ましいことで、理想的な電流源として動作します。これに対 ます。この回路は高精度の電流変換機能の他に、双方向電流機能 して、マッチしていない場合は、ZOは正または負になります。負 と高電圧適合性も可能にします。この回路は、最大500Ω負荷まで の場合は発振の原因になります。そのため、C1を接続して、発振 の4mA∼20mA電流トランスミッタに使うことができます。図10 を防止する必要があります。クリティカルなアプリケーションに に示すように、抵抗ネットワークがマッチしている場合、負荷電 対しては、条件に合うC1値を経験的に探すことができますが、一 流は次式で与えられます。 般的には数pFのレンジです。 IL = ( R 2 + R3) / R1 R3 ×VREF × D VDD (5) U1 VDD 理論的には、R3を小さくして、U3の出力電流駆動能力の範囲内 VREF で、必要な電流を得ることができます。この回路では、AD8510は VREF RFB IOUT AD8628 GND 両方向に±20mAを供給することができ、電圧適合性は15Vに近づ R1' きます。この電圧適合性は主にU3の電源電圧により制限されます。 AD5543/AD5553 ただし、インピーダンス補償について注意が必要です。C1がない C1 U2 10pF VDD R3' 50Ω U3 V+ AD8510 V– R3 50Ω 場合、出力インピーダンスは次のようになります。 ZO = R1' R3( R1 + R 2 ) R1( R2' + R 3' )−R1' ( R 2 + R 3) R2' 150kΩ 15kΩ (6) VSS R1 R2 150kΩ 15kΩ VL 負荷 図10. REV.0 9 双方向電流制御および高電圧適合性を持つ、 プログラマブルな電流源 IL AD5543/AD5553 外形寸法 8ピンMSOPパッケージ[MSOP] (RM-8) サイズはミリメートルで示します。 3.00 BSC 8 5 4.90 BSC 3.00 BSC 1 4 ピン1 0.65 BSC 1.10 MAX 0.15 0.00 0.38 0.22 0.80 0.40 8゜ 0゜ 0.23 0.08 実装面 平坦性 0.10 JEDEC標準MO-187AAに準拠 8ピン標準スモール・アウトライン・パッケージ[SOIC] 小型ボディ (RN-8) サイズはミリメートルと(インチ)で示します。 5.00 (0.1968) 4.80 (0.1890) 4.00 (0.1574) 3.80 (0.1497) 8 5 1 4 1.27 (0.0500) BSC 0.25 (0.0098) 0.10 (0.0040) 平坦性 0.10 実装面 6.20 (0.2440) 5.80 (0.2284) 1.75 (0.0688) 1.35 (0.0532) 0.51 (0.0201) 0.33 (0.0130) 0.50 (0.0196) × 45゜ 0.25 (0.0099) 8゜ 0.25 (0.0098) 0゜ 1.27 (0.0500) 0.41 (0.0160) 0.19 (0.0075) JEDEC標準MS-012AAに準拠 寸法管理はミリメートル。括弧内のインチ寸法は、参考用にミリメータを丸め処理して あるため、設計用には向きません。 10 REV.0 AD5543/AD5553 REV.0 11 PRINTED IN JAPAN TDS04/2003/500 AD5543/AD5553 このデータシートはエコマーク認定の再生紙を使用しています。 12 REV.0