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広葉樹樹皮の利用に関する基礎研究

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広葉樹樹皮の利用に関する基礎研究
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Issue Date
広葉樹樹皮の利用に関する基礎研究
川瀬, 清; 鈴木, 誠
北海道大學農學部 演習林研究報告 = RESEARCH
BULLETINS OF THE COLLEGE EXPERIMENT FORESTS
HOKKAIDO UNIVERSITY, 25(1): 211-234
1967-11
DOI
Doc URL
http://hdl.handle.net/2115/20852
Right
Type
bulletin
Additional
Information
File
Information
25(1)_P211-234.pdf
Instructions for use
Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP
広葉樹樹皮の利用に関する基礎研究
川瀬清*鈴木誠料
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目 次
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1.試
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. 分析用試料…………………………………………………………...・ ・ ・ ・..,……・ 2
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. 繊維観察用の試料...・ ・..…-…….....・ ・..…・・…・-…...・ ・..………………… 2
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. パルプ化試験用シナノキ樹皮・・….................・ ・
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シラカンパ材との混煮試料.......……・…-…………...……・-………………
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. 実験方法.....・ ・..…………・……………………...・ ・..………...・ ・..…・・…・・…… 2
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. 成分分析と顕微鏡による観察.........・ ・
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シラカンパ材との混煮...・ ・..…………………………………………...・ ・
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シナノキ樹皮のパノレプ化.....………………………………...・ ・
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繊維と繊維長・……・・……….....・ ・
… ・ ・-………......・ ・....……・・……・・・・・
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樹皮混入のパノレプへの影響…………...・ ・
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.
・ ・..………………………
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2
3
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. シナノキ内皮のパルプ…………………………………………...・ ・-・…・……ー・
お わ り に ・ ・・
.
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参考文献・・…....・ ・
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228
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. 結果と考察………一.........…………………...・ ・
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Summary
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……ー・・・・・・・・・……・・ ・・・
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・
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… ・
・・ 2
3
2
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はじめに
わが国における樹皮利用の歴史はふるしそれは和紙への利用の歴史でもある。した
がって利用の対象となったものはコウゾ,
ミツマタ,ガンピといった小木の優良靭皮繊維
と,これにつぐクワノキなどの樹皮であって, 1950年以前に国内文献で扱っているものは,
ホ
料
北海道大学農学部演習林助教授農学博士
河合楽器製作所(当時北海道大学農学部林産学科学生)
2
1
2
北海道大学農学部演習林研究報告
第2
5巻 第 1号
ほとんどがこれである。
木材ノ勺レプ工業の発展するにともなって,調木のさいに除かれる樹皮が年々多量に産
出されるにいたり,
さらには世界的に木材の不足が目立ってくるにおよんで,いままで工
業資源として取扱われていなかった樹皮の利用に対する関心が,北アメリカや北部ヨーロ
ツパの国々の聞に急速に高まり,樹皮の研究が行なわれるようになった。 1956-7年,そ
9)
れまでの樹皮に関する文献を MARIAN と WISSING4
即時)が利用の立場からひろく集録した
のがきっかけとなって,樹皮の利用に関する報告が目立っておおくなっている。とくにタ
ンニンなどのようなこれまで利用の対象となっていた抽出物のほかに,新たに数おおくの
抽出成分が研究され,工業的に生産されている例もある。しかし今日までの樹皮利用は量
的にみてほとんどが燃料としてであって,これに関する研究や特許はおおくみられる。一
方樹皮の利用方法としては土壌改良剤や根囲い,しきわらなどの農業用や,繊維板原料,
プラスチックの補強剤,循環泥水への利用,マッシユルームの培養などきわめて多方面にわ
たっていて,これらについては PEARL と ROWNE78) や BROWNING10)などのくわい、解説
3
) は樹皮中のリグニン分布を組織化学的に研究し,針葉樹 22
がある。最近 SRIVASTAVA9
,
4種類について報告している。
広葉樹 7
また針葉樹皮の組織については島地8へ 重 松 邸
m
師)
の報告があるが,組織に関する研究もきわめてすくない。北海道においてはパルプ工場か
ら出るきわめて安価な樹皮を原料として,北海道林業
K Kが旭川市において樹皮のみの繊
維板やオガタンの製造を行なっている例がある。
さて筆者らの行なった研究では,まず北海道産広葉樹樹皮の中に,和紙の原料となる
ような良質の靭皮繊維があるかどうかを検索し,とくに北海道における蓄積がおおく,剥
皮が容易で,ふるくから補助紙料として考えられていたシナノキ内皮については,
くわし
く検討した。つぎに小径木の調木に当っては,剥皮がとくに困難なので,剥皮しないでチ
ップ化 Lた場合,混入した樹皮がパルフに対してどのように影響するかを樹種別に検討し
た。チップ中に混入する樹皮がパルプの性質にどのように影響するかの研究は,
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KP43J,
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J,
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), Sp5),
3
5
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4
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) なと、についてすでに行なわれているので,筆者らの結果と,これら
の既往の結果を比較検討することも合わせて行なった。
1
. 試 料
供試木は北海道大学苫小牧地方演習林で 1
9
6
5年 6月 24日伐採した。供試木には胸高
直径 10cm内外のものをえらび,胸高部分をはさんで1.5 mの長さに玉切り,全生材重量,
剥皮後の樹皮および材の重量を測定後,一部をとって樹皮および材部の水分を測定した。
4種類である。
実験に用いた樹種はつぎの 1
2
1
3
広葉樹樹皮の利用に関する基礎研究(川瀬・鈴木)
ケヤマハンノキ
Alnush
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シラカンパ
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ヤマモミジ
AcerpalmatumTHUNB.v
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aSIMONKAI
供試木の樹高,胸高直径,樹齢,水分および皮付丸太の絶乾重量に対する樹皮の割合
(樹皮率とする)を示すと,第 1表のようである。
樹高は 5
.
9
1
2
.
7m, 胸 高 直 径 は 7.7-
13.0cm,樹齢は 21-72年で,ハルニレのみが 72年ととびぬけて高かった。
水分は樹皮
21-51%で 20%台はアサタ¥ヤマグワ, カツラ,ヤマモミジの 4種,残りのほとんどは
30-50%の間で,ホウノキが最高の 51%であった。樹皮の水分は材に近いものがおおい
が,材より高いものにミズナラ,ハルニレ
ホウノキ
イタヤカエデ,シナノキ,の 5種
類があった。樹皮率は 10-21%,平均 14%であった。
a
. 分析用試料
樹皮を丸鋸で 2cm平方の大きさに切断し,小万を用いて内皮を分離した。
内皮の重
量の全樹皮重量に対する割合を測定したものを第 1表にのせである。ケヤマハンノキ,ホ
ウノキ,ヤマモミジは外皮がきわめてうすく,かつ境界が不明瞭なものもあったので分離
が困難であったから,内外皮の比率は求められなかったが,外部をけずりとったものを内
皮として実験に用いた。
内皮は Wileym
i
l
lにかけて粉砕し, 40-60moshをホロセルロ
ース, 1%NaOH抽出物,リグニンおよびベントサンの定量に, 60-100moshを灰分およ
びアルコール・ベンゼン抽出物の定量に用いた。なお樹皮はハンノキ,シラカンパのよう
にサラサラした粉末のものもあり,またハルニレ,ホウノキ,シナノキのように粉砕する
と粉末と毛状の部分に分離するものがあって,後者のタイプはふるい分けした試料の状態
が前者とかなりことなっていた。
b
. 繊維観察用の試料
内皮を縦に小割りしてマッチの軸状の細片をつくり,これを熱水で処理後, SCHULZE
氏液を加えて 40-50C で 3
2時間処理し,半透明となったときよく水洗し,試験管を振っ
0
N]
広
第 1表 供 試 木
Table 1
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Samplet
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水 分
樹 種
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ケヤマハンノキ
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皮可能期間65)
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* 測定に失敗したため直径 10cmの材 3本について測定 Lた値の平均を用いた。
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2
1
5
広葉樹樹皮の利用に関する基礎研究 (
}
J
I瀬・鈴木)
て解離するか,やや困難なものは 1G4のグラスフィルターに移し,
ガラス棒の先で軽く
つぶして解離させた。
C.
シラカンパ材との混煮試料
シラカンバ材は苫小牧地方演習林の樹高 1
1
.
6 mのもので,剥皮後チッパーにかけ,長
さ 12mmのチップをつくり,スクリーンにかけてから,さらに節その他の不純物を取除い
たものを用いた。混煮用樹皮は内皮,外皮に分けないで,全樹皮を 3cm平方の大きさに
切断したものを用いた。
d
. パルプ化試験用シナノキ樹皮
9
6
4年 1
1月シナノキ樹皮を伐木現場ではぎとった。これ
苫小牧地方演習林において 1
の外層部をナタでけずりとってから,丸鋸を用いて 3cmの長さに切断したものをパルプ
化用樹皮チップとした。一方,マッチの軸状に割ったものを亜塩素酸ソーダで処理してか
ら
, 1G4のグラスフィルター中でガラス棒で押しつぶして繊維を離解し,繊維長の測定
に用いた。さらに丸鋸による切断のさいに生じたノコクズをふるい分けして 40-60メ y
シュをホロセルロース用に, 60-100メッシュをその他の成分分析用とした。
2
. 実験方法
&.
成分分析と顕微鏡による観察
分析は木材分析法に従って行なった。灰分はルツボを用いて完全に灰化後,秤量ピン
0
に入れて 1
0
5C で 30分間加熱,デシケーター中で 30分間冷却後,デシケーターから取出
してから 5分目に秤量した。アルコール・ベンゼン抽出物はソックスレー抽出器を用い,
アルコール・ベンゼン 1:2の混液を用いて 8時間抽出した。
ソーダ法で 3回脱リグニンしてから,
ホロセルロースは亜塩素酸
リグニンと灰分を補正した。顕微鏡による観察には
、40倍で観察し,写真をとった。
ニコン S-Ke型顕微鏡写真撮影装置を用 L
b
. シラカンパ材との混煮
樹皮率 15%の混合チップ,すなわちシラカンパ材チップ 8
5,樹皮チップ 1
5の割合の
試料を絶乾 400g相当量とり , 4tのオートクレーブを用いて活性アルカリ 25%,硫化度
0
0
25%,液比 4で 1
7
0
C,60分間 (
1
7
0
C まで上昇に 60分間)で蒸解し,冷却後パルプをサ
ラシの袋の中に入れて洗襟してから脱水し,水分含有率をもとめて収量を測定した。この
パルプを王研式ラパス型ビーターにかけて,フリーネス 400mt内外のパルプをつくり,
TAPPIS
t
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dシートマシンを用いて手すき紙葉をつくり,
HUNTER式比色光度計を用
いて白色度を, MULLEN式破裂度試験機を用いて破裂度, ELMENDORF式引裂試験機を用い
て引裂度, SCHOPPER型抗張力試験機を用いて抗張力を測定し,裂断長としてあらわした。
2
1
6
北海道大学農学部演習林研究報告
第2
5巻 第 1号
c
. シナノキ樹皮のパルプ化
絶乾 600g相当量のチップを 4&のオートクレーブにとり,カセイソーダを絶乾チッ
プに対しそれぞれ 15%,30%,炭酸ソーダを 15%加え,液比 5で 2時間ボイルする方法と,
0
絶乾チップに対し亜硫酸ソーダ 6%と重曹 3%を加え,それぞれ 1
5
0
C お よ び 1650C で
30分間蒸解した。えられたパルプを水洗し,中性亜硫酸ソーダ法によるもののみはあらか
じめ O.lmmのクリヤランスでデスクリファイナーにかけて解織してから,他は直ちにラ
ンベンミルに 5分聞かけて叩解処理したものから前記同様の方法で子すき紙葉を調製して
紙力試験に供した。なお比較参考のためシラカンバ材とササを同様蒸解した。
3
. 結果と考察
8.
成分組成
内皮の成分組成を示すと第 2表のようである。またパノレプ化に用いたシナノキ内皮の
成分組成は第 3表のようである。さらに参考のために材の成分組成田)を附表 1に示した。
これによると樹皮は木材とことなり,それぞれの成分が樹種によって大きくことなってい
る。また灰分と抽出物の量は木材にくらべておおく,ホロセルロースはすくない。またベ
ントサンとリグニンは木材の場合とほとんどことならない。それぞれの成分についてみる
と,灰分は 2.
4-13.0%,平均 6.3%で木材の 0.23-0.91%,平均 0.54%にくらべて 1
1倍に
達している。
5.
4-46.6%,平均 29.7%で木材の
抽出物のうち 1%カセイソーダ抽出物は 1
14.7-27.6%,平均 18.8%にくらべて1.6倍となっている。アルコール・ベンゼン抽出物は
2.6-22.3%,平均 10.3%で木材の 0.7-8.6%,平均 2.3%の約 4倍となっている。また冷水
抽出物は濃過困難のため測定で、きないものがおおかった。温水抽出物は第 3表シナノキ樹
皮の 22.0~もやシラカンパ内皮の 18.5% の例でわかるように,他の抽出物と同様木材よりも
おおいことがうかがわれる。つぎにホロセルロースは 31
.6-79.8%,平均 55.2%で木材の
72.1-82.8%,平均 73.6%にくらべて低く,とくにケヤマハンノキの 31
.6%はきわめて低
い。これは抽出物とリグニンがおおいことと共にケヤマハンノキの特色である。ベントサ
ンは 11.7-20.8%,平均 17.6%で,木材の 19.6-25.8%,平均 20.2%とくらべてやや低い
が大差なく,
リグニンは 15.0-34.8%,平均 22.7%で,木材の 16.5-23.8%,平均 19.1%
にくらべてやや高いが,平均値は木材と大差ないということができる。これらの成分組成
4
0
),
4
1
),
5
9
) ともほぼ一致している。
に関する{直は既往の報告 12),
b
. 繊維と繊維長
内皮をSc
HULZE液で分解したものの顕微鏡写真と繊維長の分布を平均繊維長の大き
なものから順にならべて示すと,
カツラ(第 1図,第 2図),シナノキ(第 3図,第 4図
)
,
ホウノキ(第 5図,第 6図),ハルニレ(第 7図,第 8図),ヤマモミジ(第 9図,第 1
0図
)
,
広葉樹樹皮の利用に関する基礎研究(J
I
I瀬・鈴木)
217
第 2表 内 皮 の 成 分 組 成
Table2
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第 3表
バノレプ化に用いたシナノキ内皮の成分組成
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第 1号
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二
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再2
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シラカンノ〈
U
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2.
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9
9
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2
3
広 葉 樹 樹 皮 の 利 用 に 関 す る 基 礎 研 究 り 1瀬・鈴木)
アサダ(第 1
1図,第 1
2図),ヤチダモ(第 1
3図,第 1
4図
)
,
ミズナラ(第 1
5図,第 1
6図
)
,
キハ夕、(第 1
7図,第 1
8図),ヤマグワ(第 1
9図,第 20図),サワシパ(第 2
1図,第 22図
)
,
3図
)
,
イタヤカエデ(第 2
シラカンバ(第 2
4図
)
,
ケヤマハンノキ(第 2
5図)のようであ
る。またこれらを総合したものは第 4表のようである。
繊維の種類や形は木材の場合にくらべてきわめて複雑で,折損,切断,ねじれなどに
よる変形が目立ち,ハルニレやヤマグワは一応繊維長を測定したが,参考程度のものであ
る
。
測定できたものについてみると,最大 2.3mm,最小 O.3mm,平均 O.99mmとなって
いる。細胞膜の厚さは測定できなかったが,一般にうすいことが顕微鏡の観察でうかかわ
れた。総括的にみると,ケヤマハンノキとシラカンパ内皮にはパルプとして利用できる繊
維状の細胞はきわめてすくなく,ヤマグワやイタヤカエデ内皮には繊維状以外の細胞が目
0種類の内皮には繊維状細胞がおおかった。繊維長の分布をみると,
立ち,カツラなど 1
広範囲に分布するものにハルニレ,ヤマグワ,カツラ,シナノキ,ホウノキの内皮があり,
小範囲にかたまっているものに,サワシパ,キハダ,
ミズナラ,アサダ,ヤチダモ,ヤマ
モミジの内皮がある。ハルニレとヤマグワに長繊維がみられるが,平均繊維長は小さく,
かっ分布が不規則であるのは,長繊維が切断
6
0
されたためと思われる。
O
皮の繊維を NaCIOzによって離解し ,500本
の繊維長を測定したものは第 2
7図のようで
あって, SCHULZE氏液による解織の場合より
HW
Eさ も 主 璽 ぞ 語 MRnE謙譲
つぎにパルプ化に用いた別のシナノキ内
も損傷がすくなかった。繊維長が前記シナノ
キ内皮のそれよりもやや大きいのは,そのた
めとも考えることができょう。
C.
繊 維 長 万b
e
rl
e
n
g
t
h,mm
樹皮混入のパルプへの影響
第
実験に用いた 1
4種類の丸太の樹皮率(皮
付丸太の絶乾重量に対す樹皮の絶乾重量の割
合)はシナノキの 21%か ら ケ ヤ マ ハ ン ノ キ
2
7図
シナノキ内皮の繊維長分布
(NaC102による解繊)
F
i
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.2
7
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五b
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dw
i
t
hNaC102)
の 10%,平均 14%である。丸太の樹皮率は直径の小さいものほど高く,たとえばシナノ
キについてみると,直径 4cmの場合 42%と高く,直径 10cmでは 21%となっている。
体積率については測定した結果川もあるが,筆者の測定では直径 4cmの場合 29%,直径
10cmの場合 17%となっている。
したがって,直径lOcm内外の小径木をノ 4ルプ化する
場合は樹皮率 15%とみて大差ないことを考え,かつ 15-16%の樹皮率についてのパルプ
化試験の倒的刈), 59) もみられるので, これを用いた。
シラカンパ材に 15%の樹皮を混入し
北海道大学農学部演習林研究報告
224
第 25巻 第 1号
て行なった試験の結果をまとめると第 5表のようである。これによると,
量: 樹皮を混入した場合のパルプ収量は 37-42%,平均 40%で標準シラカンパ
収
材パルプ収量の 41% よりやや低い。
これは一般に樹皮にはアルカリ可溶性の成分が木材
にくらべて多量に含まれていることから理解できる。
白色度: 樹皮た混入したパルプの白色度は 18-29%,平均 24%で,標準シラカンパ
材の 28% よりかなり低くなっている。樹皮混入によって白色度の高くなったものはホウ
9
7
0のみで,これは樹皮全体の色が比較的明るいことからも理解できる。
ノキの 2
この紙
葉は肉眼による観察でも標準シラカンパ材紙葉にくらべてやや白いと判定できた。つぎに
樹皮の混入によって白色度が低下したものを低下度合の少ない順に説明すると,ヤマモミ
第 5表
シラカンバ材の
1
5
7
0樹皮混煮試験成績
Table5
. E妊e
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.
4
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20
6
.
8
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.
5
4.
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5
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2
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.
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4
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40
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.
6
4
.
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40
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4
6
.
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.
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6.
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5
9
1
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ヤ チ ダ モ
シラカンパ材
Birchwooda
l
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n
e
局
広 葉 樹 樹 皮 の 利 用 に 関 す る 基 礎 研 究 り 1瀬・鈴木)
2
2
5
ジ樹皮混入紙葉の白色度は 26%で標準シラカンパ材紙葉と肉眼的にはほとんど同じ程度
である。
キハダ樹皮混入紙葉の白色度もヤマモミジと同じ 26%であるけれども,紙葉の
全面にわたって最大 0.5xO.5mm内外の不定形黒灰色の斑点を多数生じ,外観をいちじる
しくそこなっていて,肉眼的には樹皮混入の影響がはっきり判断で、きた。イタヤカエデ樹
皮混入紙葉の白色度は 25%であるが,肉眼的には標準シラカンバ材紙葉との差を判定する
ことはできない程度であった。
~
ヤマグワおよびヤチダモ樹皮混入の場合も白色度が 25%
で,前者はやや赤味をおび,黒色の斑点がともに散在する。
4,24,
つぎにシナノキ,アサダ,カツラの樹皮を混入した紙葉の白色度はそれぞれ 2
23%で,この順序にわずかずつ次第に低下していることが肉眼的に観察できるが,散在す
る黒灰色の斑点が,カツラの場合に目立っている。シラカンバ,サワ、ンノ¥ハルニレの樹
皮を混入した紙葉の白色度はいずれも 23%でカツラと差がないが, ~ 、ずれも黒灰色の斑点
は目立たないところがカツラとことなっている。また肉眼的にはシラカンパ樹皮混入の紙
葉は赤味のつよい特色のあるものである。
ミズナラ,ケヤマハンノキの樹皮の混入した紙
葉の色白度はそれぞれ 20,18%であって,肉眼的観察でもこの両者は全体を通じて目立っ
て暗色で,黒灰色の斑点も多い。
樹皮混入による影響を総合してみると白色度の低下,着色および濃色爽雑物による斑
点状の汚染の 3つが考えられる。ケヤマハンノキとミズナラは白色度の低下,斑点状の汚染
がともにひどく,紙葉の外観がいちじるしくそこなわれ,キハ夕、は斑点状の汚染が目立ち,
シラカンパは赤味をおひ、た着色に特色がある。なおパルプ。のフリーネスが低下するに Lた
がって白色度がやや低下するが,標準シラカンバ材のフリーネスが 412msで,樹皮混入パ
ルプのフリーネスは 300-413msの範囲にあるのでほとんど影響はないものと考えた。
パルプ強度: 強度はフリーネス 400msの場合の比較である。実際には最高ケヤマハ
ンノキ樹皮混入の 413msから最低ヤマグワの 300ms,平均 370msで,シラカンパ材パ
ルプの 412msよりもやや低い。
裂断長は最高シナノキ樹皮混入の 8.0kmか ら 最 低 イ タ
ヤカエデ樹皮混入の 5.8km,平均 6.7kmで標準シラカンパ材パルプ。の 6.7kmとほとんど
差がない。比破裂度は最高シラカンパ樹皮混入の 5
.
6から最低イタヤカエデ樹皮混入の 4
.
0
平均 4
.
7で標準シラカンパ材パルプの 4
.
5と引張り強度同様ほとんど差がない。つぎに比
0
1から最低キハダ樹皮混入の 70,平均 8
3で,標
引裂度は最高ケヤマハンノキ樹皮混入の 1
準シラカンパ材の 9
1よりやや低い。
これらの結果から,樹皮混入による強度への影響は
15%程度の混入であればきわめて少ないということができる。これは用いた蒸解条件がか
なり強いため,アルカリ可溶成分の多い樹皮の影響が小さかったと考えられる面もある。
(
1
9
5
2
)
これらの結果は既往の結果とほぼ一致している。すなわち MARTINと BROWN59)
はs
h
o
r
t
l
e
a
fp
i
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e材に 0,8,1
6,2
4,100%の樹皮を混入 Lて試験した結果,樹皮の混入に
第 6表
援
シナノキ内皮のパノレプ化試験成績
Table6
. Pulpingt
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2
Na
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NaOH
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Na2S03
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1
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7
1
7
.
6
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320
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2
.
7
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2
.
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0
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.
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2.
4
1
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.
9
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.
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.
0
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.
5
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7
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0
.
5
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4
2
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4
4
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77
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8
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.
0
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斗
Chemicals added
1
伺
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1
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パルプの組成(%)
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アルコール・ベンゼン抽出物
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ン
戦
ベント叶ン
Pentosan
リ グ ニ
π曜相臨汁特瀬川 W時百頭脳禁事哨吋冊揮命
薬品添加量(%)
0
.
3
2
広葉樹樹皮の利用に関する基礎研究(川瀬・鈴木)
2
2
7
よって 1
) 収量が低下, 2
) 白色度が低下, 3
) 薬品消費量が増加することをみとめている。
16%の樹皮混入の場合を標準木材パルプと比較すると収量は 44%から 40%に,白色度は
未さらしの場合 27%から 16%に,さらしパルプでは 68%から 58%に低下し,薬品消費量
1
9
5
6
)はセミクラフト法によって Douglasf
i
r
は 68%から 74%に増加している。 KURTH(3)(
材に樹皮を混入して試験した結果,収量が低下し,薬品消費量は増加するが 9ポイント段ボ
ール芯には充分使える製品が 15%以下の混入率で得られた。
〈
8
)(
さらに BROWN
1
9
5
6
)は易
漂白とセミケミカルパルプ級の K Pについて r
e
doakおよび whiteoakの 樹 皮 混 煮 を 行
ない, 1
)釜当りの収量は低下するが皮付材当りの収量は増加する, 2
) 白色度は低下する,
3
)強度が低下すると報告し, 16%の樹皮を混入した場合の易漂白ノ ζ ルプの強度は遠心式ク
リーナーで,剥皮材からのパルプと同程度の強度がえられるとしている。またセミクラフ
トの場合は 16%混入すると使用できないほど強度が低下すると述べている。また PIPER,
COWGILLおよび LAUER79)(
1
9
6
4
)は r
e
doak材を樹皮と混煮し,節などにくらべて汚染が
大きいとしている。
このほかにも樹皮からのパルプ (0) や,広葉樹
NSSCPに 及 ぼ す 樹 皮 の 影 響 39),SPへ
の影響4),
3
5
) などがあり各方面において検討が行なわれている。
d
. シナノキ内皮のパルプ
シナノキ内皮のノ ζ ルプ試験の結果は第 6表のようである。シナノキ内皮はカセイソー
ダや炭酸ソーダを用いて常庄下で、煮て容易にパノレプ化することができるが,炭酸ソーダで
煮た場合は紙葉を調製することができなかった。すなわち抄紙機にかけた場合,繊維聞の
からみ合いがきわめて弱く,ワイヤーから濃紙に移すことができなかった。絶乾チップ重
量に対し, 15%のカセイソーダを加えた場合,パルプの強度はいずれの蒸解条件よりも高
かった。中性亜硫酸ソーダ法により 1
6
50Cで
, 30分間蒸解したパノレプは,同一条件で蒸解
したシラカンバ材パルプより引張り,破裂,引き裂きのいずれの強度もきわめて低かった。
シナノキ内皮の繊維は細胞膜がうすし剛度の低い紙がえられるので,細胞膜の厚いササ
との混煮を行なってみた。ササノミルプはシナノキ内皮パルプと強度的にはほとんど同じで
あるが,混煮の結果は引き裂き強度が両者の平均値を示したほかは,引張り,破裂強度と
も低かった。パルプの成分組成は樹皮パルプのアルコール・ベンゼン抽出物の量が木材パ
ルプにくらべておおく,ベントサンやリグニン含有率には大差がなかった。これらの結果
を総合すると,樹皮ノ ζノレプから造った紙葉はやわらかし、特色のあるものであるが,強度は
木材パルプにとおく及ばなかった。
おわりに
北海道の広葉樹樹皮の中で,多量に産し,剥皮が比較的容易で,靭皮繊維に富むものと
22
泡
第2
5巻 第 1号
北海道大学農学部演習林研究報告
しては,筆者らのえらんだケヤマハンノキ,シラカンパ,サワシパ,アサダ,
ミズナラ,
ハルニレ,ヤマグワ,カツラ,ホウノキ,キハダ,イタヤカエデ,ヤマモミジ,ヤチ夕、、モ,
シナノキの 14種類の中ではシナノキのみである。
しか L 内皮をノ勺レプ化して試験した結
果ではすぐ、れた特色は見出せなかった。したがって北海道産広葉樹樹皮の和紙原料として
の積極的な利用は現段階では考えられない。
一方樹皮の木材パルフ。への混入の影響をみると,紙葉の汚染がもっとも大きいと考え
られる。しかし 15%程度の混入では強度には比較的影響が小さいので,使い方を考えれば
充分利用できる。筆者らの行なった試験は強い蒸解条件の場合であるので,実際に用いる
場合はさらになんらかの検討を要することが配慮されなければならない。
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) 村田藤橘・高村憲男: ファイパーボード原料としての樹皮の利用に関する研究(第 1報
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)東京.
6
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) 日本綜合紙業研究会: 代用ノ勺レプの研究. (
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) 荻山紘一・近藤民雄. クロキ樹皮成分の研究(第 6報
)
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) 岡田元・生源寺廷: 箔皮苛性曹達煮熟について. 紙バ技協誌, 2,No. 1,5(
1
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)
.
6
9
) 岡田元・生源寺廷: 楕皮苛性曹達煮熟について(第 2報). 紙パ技協誌, 3,No.4,2
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) 大平裕・中村源一: 小径丸太の容積重,樹皮率,貯材期間による重量減少および樹皮付着力の変化に
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)
.
ついて. 林業試験場研究報告, 1
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) 太田基・又木義博・河辺純一・河野洋一郎: キハダ内樹皮(特殊成分抽出後)を原料とする硬質繊維板
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)
.
の製造とその品質について. 木材工業, 2
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.
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) 尾崎至誠: 桑皮パルプの精製法. 紙パ技協誌, 1
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) 重松頼生: 針葉樹における樹皮の顕微鏡的構造について (
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) 重松頼生: 針葉樹樹皮の厚膜組織について. 第 1
2回日本木材学会大会研究発表要旨, 1
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2
)
.
8
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) 重松頼生: シロエゾマツの樹皮組織について.第 1
2回日本木材学会大会研究発表要旨, 1
4(
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2
)
.
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) 島地 謙: トドマツの内樹皮組織の構造と発達. 日本林学会誌 4
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)
.
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) 十河村男・幡克美: 樹皮の化学的研究(第 1
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材学会誌, 1
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) 十河村男・幡克美. 樹皮の化学的研究(第 1
2報
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目
Summary
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広葉樹樹皮の利用に関する基礎研究 (
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北海道大学農学部演習林研究報告
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付表 1
第2
5巻 第 1号
北海道産広葉樹材 1
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