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会津若松市猪苗代湖水環境保全推進計画

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会津若松市猪苗代湖水環境保全推進計画
会津若松市猪苗代湖水環境保全推進計画
(改訂版)
平成21年7月
会津若松市
会津若松市猪苗代湖水環境保全推進計画
目 次
第1章 基本的な考え方
1 計画の趣旨 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
2 計画の性格 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
3 計画の期間 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
4 対象地域 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
5 計画の内容 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
6 計画の骨子 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
第2章 猪苗代湖および流入河川の水質等の現状
1 猪苗代湖(湖心) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
2 会津若松市の湖岸及び流入河川 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
7
第3章 水環境保全目標
1 保全と活用の基本目標 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
12
2 水質保全目標 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
12
3 水辺の環境目標 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
14
第4章 目標達成のための総合的な施策
1 施策の体系 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
15
2 現状及び課題並びに具体化方策の内容 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
18
A 自然汚濁・面的汚濁の低減 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
18
B 人為汚濁の低減 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
20
C 水辺環境の保全・整備推進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
25
D 市民参加による水環境保全活動の活性化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
27
E 水環境保全思想の啓発推進、地域交流・水文化の形成 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
29
F 水環境保全に関する調査研究等の充実 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
31
3 施策項目に係る事業達成水準 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
33
第5章 進行管理
1 水質の進行管理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
34
2 具体化の方策等の進行管理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
34
参考資料 用語の解説 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
35
第1章 基本的な考え方
1 計画の趣旨
(1) 猪苗代湖は、本県の水資源や観光資源であり、現在もなお、多様な生態系の維持、自然景観の形成に
資する湖であるが、近年は、湖水の中性化が見られるほか、湖岸付近で、黒色浮遊物が見られるよう
になりました。こうした状況を踏まえ、福島県、関係4市町村、国、関係団体により「猪苗代湖・裏
磐梯湖沼水環境保全対策協議会」を組織して、水環境保全対策の推進に努めてきています。
(2) 湖沼などの閉鎖性水域は、いったん、水質汚濁が進行すると、その回復が極めて困難であることか
ら、水環境悪化を未然に防止する観点に立ち、県では、「福島県猪苗代湖及び裏磐梯湖沼群の水環境
の保全に関する条例」が制定されるとともに、同条例に基づき、「福島県猪苗代湖及び裏磐梯湖沼水
環境保全推進計画」が策定され、猪苗代湖の良好な水資源を、将来にわたって保全していくために、
県民、地域住民、利用者、事業者県及び関係市町村が、それぞれの果たすべき責務と内容が明らかに
されました。
(3) 全県的な取組みに対応して、市町村においても、猪苗代湖に隣接する郡山市、猪苗代町、会津若松市
の2市1町により、「猪苗代湖環境保全推進連絡会」を設立し、相互に連携を図りながら、その水質
の保全対策を総合的に推進しています。
(4) 流域自治体の一員たる本市としても、上記の広域的な取組みに主体的に参画するとともに、本市独自
の施策に取り組んでいくことが必要です。
(5) 猪苗代湖の水環境保全のための施策を具体的、体系的に示す基本的な計画として「会津若松市猪苗代
湖水環境保全推進計画」を策定します。
(6) 推進計画の策定により、猪苗代湖の水環境保全に向けて、会津若松市として取り組むべき具体化の方
策を明らかにするとともに、行政内部においても、猪苗代湖の水環境保全の視点から、事業を計画・
立案する体制を浸透させることで、全庁的な連携と相互理解を深め、より効果的な事業を期待するも
のであります。
(7) 平成21年度には、計画策定後の水環境保全に関する状況変化や施策動向などを踏まえ、目標の達成
に向けてより効果的に水環境保全に取り組めるよう、具体化の方策や施策項目に係る事業達成水準な
どについて一部見直しを行いました。
2 計画の性格
(1) この計画は、「福島県猪苗代湖及び裏磐梯湖沼群の水環境の保全に関する条例」に基づく基本的な計
画である「福島県猪苗代湖及び裏磐梯湖沼水環境保全推進計画」の具体的な推進に向け、会津若松市
が果たすべき役割と取組みの方向を示す、基本的な計画として位置付けます。
1
(2) この計画は、「第6次会津若松市長期総合計画」並びに「会津若松市環境基本計画」及びこれに関連
する個別計画等との整合性を保つとともに、側面からこれら計画を補完するものであります。
(3) この計画は、行政が自ら行うもの、市民、団体等の活動を支援・促進することにより行うもの、関係
機関等と連携して行うもの等、市が事業を実施していくうえでの基本的な指針となるものです。
(4) この計画は、水質汚濁機構解明のための調査研究結果等を踏まえ、より有効な対策等を講じることが
できるよう、適切な見直し等を行います。
3 計画の期間
計画の期間は、平成21年度から平成23年度までの3年間とし、適切な進行管理に努めるとともに、必要
に応じ調整を行います。
4 対象地域
この計画の対象とする地域は、会津若松市のうち、猪苗代湖及びそれに流入する公共用水域とします。
5 計画の内容
この計画は、猪苗代湖の水環境保全に関する施策の体系化を図るとともに、施策の展開にあたっての「現
状と課題」とこれに対応する「具体化の方策」を明らかにします。
6 計画の骨子
この計画は、「福島県猪苗代湖及び裏磐梯湖沼水環境保全推進計画」の推進に向けた、会津若松市の基本
的な計画としての位置付けを踏まえ、同計画の施策の体系の柱である「自然汚濁・面的汚濁の低減」、「人
為汚濁の低減」、「水辺環境の保全・整備推進」、「市民参加による水辺環境保全活動の活性化」、「水辺
環境保全思想の啓発推進、地域交流・水文化の形成」及び「水環境保全に関する調査研究等の充実」を基本
骨子とします。
2
出所:福島県猪苗代湖及び裏磐梯湖沼水環境保全推進計画
3
第2章 猪苗代湖及び流入河川の水質等の現状
1 猪苗代湖(湖心)
(1) COD、全窒素及び全りんの推移
① COD(シーオーディ:化学的酸素要求量)
湖沼の汚れ分(有機物による水質汚濁)の程度を表す代表的な指標で、この値が大きいほど汚れて
いることを示します。
猪苗代湖では、平成13年までは、測定限界の0.5mg/ℓ以下の非常にきれいな水質でしたが、平成
14年頃から少しずつ上昇し始め、平成19年度には0.7mg/ℓまで上昇しています。
② 全窒素及び全りん
いろいろな形態で水中にある窒素とりんを全て測定した値で、湖沼の富栄養化を図る代表的な指標
です。
猪苗代湖では、全窒素は、概ね0.25mg/ℓ前後で推移しています。また、全りんは、猪苗代湖の
自然の浄化機能が働いているため測定限界の0.003mg/ℓ以下と非常に低い値です。
全窒素(mg/ℓ)
0.9
猪苗代湖の水質の変化(COD、全窒素、全りん)
全りん(mg/ℓ)
0.018
0.8
0.016
0.7
0.014
0.6
0.012
0.5
0.01
0.4
0.008
0.3
0.006
0.2
0.004
0.1
0.002
0
S55 S56 S57 S58 S59 S60 S61 S62 S63
H1
H2
H3
H4
H5
H6
COD
H7
H8
H9
H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19
全窒素
全りん(右目盛り)
0
(年度)
※COD:湖心全層年間75%値、全窒素及び全りん:湖心表層年間平均値
※資料:福島県水質年報
(2) 透明度
白色円板(直径25~30cm)を水中に沈め、白色物体として識別できなくなったときの深さを示
します。
猪苗代湖では、過去に27.5mという記録もありますが、平成13年までは概ね8m前後で推移し、
近年では透明度は上昇傾向にあり、概ね10m前後で推移しています。
(m)
猪苗代湖の透明度の推移(湖心)
14.0
13.0
12.0
11.0
10.0
9.0
8.0
7.0
6.0
5.0
S55 S56 S57 S58 S59 S60 S61 S62 S63
H1
H2
H3
H4
H5
H6
透明度
H7
H8
H9
H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19
(年度)
※資料:福島県水質年報
4
(3) pHの上昇(中性化傾向)
猪苗代湖は、安達太良山の中腹にある硫黄鉱山跡からの強酸性の地下水や沼尻温泉と中ノ沢温泉の
強酸性の源泉を供給源として、酸川・長瀬川を経由して流入するために、湖岸付近以外では、湖水の
pHは5前後の弱酸性を保ってきました。
また、硫酸や金属(鉄イオンやアルミニウムイオン)を多く含む強酸性の水が、長瀬川を経由して
猪苗代湖に流れ込み中和する過程で、他の河川から流入する有機物やりんなどの有機性汚濁成分を、
吸着、結合して沈殿物として湖底に沈めるという自然の浄化機構を持っています。
このため、湖岸付近を除けばCODに大きな変化は見られず、湖心では 0.5㎎/ℓ(測定限界)以下
の非常にきれいな水質で推移してきました。
しかし、近年、pH5前後の弱酸性を保ってきた猪苗代湖が、平成8年頃から中性化が進み、平成
19年度にはpHが6.5まで上昇しました。
この中性化している理由としては、様々な要因が考えられますが、これまでの調査や専門家による
検討(猪苗代湖pH上昇原因検討委員会)などの結果から、幾つかの要因か複合的に関連してpHが
上昇していると考えられています。
猪苗代湖のpHの推移(湖心)
6.8
(中性)
6.5
6.2
5.9
5.6
5.3
5
4.7
(酸性)
S55 S56 S57 S58 S59 S60 S61 S62 S63
H1
H2
H3
H4
H5
H6
H7
H8
H9
H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19
pH
(年度)
※資料:福島県水質年報
猪苗代湖の中性化の原因
②源流域の酸性水の性状変化
長瀬川の源流域から供給される金属イオンの
量が昭和50年代と比べて減少
①硫酸供給量の減少
長瀬川の源流域から供給される硫酸の
量が昭和50年代と比べて15%減少
鉄イオン:15%減少
アルミニウムイオン:35%減少
pHの上昇
影響の程度
は不明
③降水量の増加
過去30年間では、猪苗代湖の流域の
年降水量が増加傾向
④その他の考えられる要因
・裏磐梯湖沼の水質の変化(COD上昇)
・水生植物による影響(光合成による影響)
・道路で使用される融雪剤の影響
・地下水の変化 など
※資料:福島県水・大気環境課
5
(4) 黒色浮遊物の発生
猪苗代湖では、平成5年ごろから郡山市の湖南地区を中心に、黒色のすす状浮遊物が湖岸に漂着す
る現象が確認され始め、その後、猪苗代町や会津若松市の湖岸でも漂着が確認されました。さらに、
褐色の浮遊物などが頻繁に観察されたり、各種の陸上植物が多量に湖岸に漂着するなど、湖全体の水
環境の悪化の前兆として懸念される現象が発生しています。黒色浮遊物は、その成分のほとんどが植
物の腐敗物で、こうした植物の湖内への流入を抑制することが重要です。
(5) 大腸菌群数の増加
猪苗代湖では、平成17年ごろから大腸菌群数が増加傾向にあり、平成18年には、環境基準(1,0
00MPN/100mℓ以下)を超え、平成14年からの水質日本一からランキング対象外になりました。
増加の要因は、水温が高くなる時期に加え、湖水の中性化により微生物の生息に適した環境となって
いるためと考えられています。
※大腸菌と大腸菌群数
人や動物のふん便から検出される「大腸菌」と環境基準項目である「大腸菌群」では対象が若干異
なり、大腸菌群は、指定の細菌検査法(BGLB法)で測定され、大腸菌を含む細菌を意味し、大腸菌
のほかに、土壌などの一般環境に生息する微生物を含まれます。
猪苗代湖における水質浄化機構のしくみ(概念図)
その他の河川
長瀬川
アルミニウムの水酸化物
汚濁物質(有機物、りん等)
鉄の水酸化物
流入
鉄イオン
アルミニウムイオン
吸着
フロック化して沈殿
堆積
※資料:福島県水・大気環境課
6
2 会津若松市の湖岸及び流入河川
会津若松市では、猪苗代湖の湖岸及び流入河川の中田浜、赤井川及び原川の3地点において、昭和59年
から継続して水質調査を実施しています。
(1) 湖岸(中田浜)
中田浜では、pH及びCODの上昇傾向が見られ、これは、湖心の水質調査結果と同様です。ま
た、全窒素については、近年、減少傾向にあります。
中田浜(湖水)
(mg/ℓ)
3.0
(pH)
7
2.5
6.5
2.0
6
1.5
5.5
1.0
5
0.5
4.5
0.0
S58 S59 S60 S61 S62 S63
H1
H2
H3
H4
H5
H6
H7
H8
BOD
H9
H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20
COD
4
(年度)
pH
※COD:表層年間75%値
中田浜(湖水)
(mg/ℓ)
0.5
(mg/ℓ)
0.05
0.45
0.045
0.04
0.4
0.035
0.35
0.03
0.3
0.025
0.25
0.02
0.2
0.015
0.15
0.01
0.1
0.005
0.05
0
S58 S59 S60 S61 S62 S63
H1
H2
H3
H4
H5
H6
H7
全窒素
※全窒素及び全りん:表層年間平均値
7
H8
H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20
全りん
0
(年度)
(2) 赤井川
赤井川(戸ノ口橋)でのBODやCODの値には、傾向としての大きな変化は見られませんが、全
窒素濃度、全りん濃度ともに、過去5年間の推移を見ると、毎年5月の調査時には高い値を示してい
ます。この原因の一つには、水田の代かきが考えられるが、さらに明確な把握に向け、今後の動向に
引き続き注視を行います。
赤井川(戸ノ口橋)
(mg/ℓ)
12
8
7.5
10
8
7
6
6.5
4
6
2
5.5
0
S58 S59 S60 S61 S62 S63
H1
H2
H3
H4
H5
H6
H7
H8
BOD
H9
H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20
COD
5
(年度)
pH
※調査地点は「戸ノ口橋」
※データは全て年間平均値
赤井川(戸ノ口橋)
全窒素(mg/ℓ)
4.5
全りん(mg/ℓ)
0.450
4
0.400
3.5
0.350
3
0.300
2.5
0.250
2
0.200
1.5
0.150
1
0.100
0.5
0.050
0
S58 S59 S60 S61 S62 S63
H1
H2
H3
H4
H5
H6
H7
H8
全窒素
H9
H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20
全りん
※全窒素及び全りん:表層年間平均値
8
0.000
(年度)
(mg/ℓ)
全窒素(過去5年間の月別)
7.00
6.00
5.00
4.00
3.00
2.00
1.00
0.00
4月
5月
6月
7月
8月
H16
(mg/ℓ)
9月
H17
H18
10月
H19
11月
12月
H20
3月
(月)
全りん(過去5年間の月別)
0.600
0.500
0.400
0.300
0.200
0.100
0.000
4月
5月
6月
H16
7月
8月
H17
9月
H18
9
10月
H19
11月
H20
12月
3月
(月)
(3) 原川
原川(崎川橋)は、BOD及びCODとともに、傾向としての大きな変化は見られず、その値も、
赤井川と比較しても低めで安定しています。原川も、赤井川と同様に水質環境基準の類型指定はない
が、更に良好な水質を維持しています。また、これまでの推移から、全窒素及び全リン濃度に係る季
節変動は見られません。
※平成15年度は、河川工事あり。
(mg/ℓ)
(pH)
原川(崎川橋)
12
8
10
7.5
8
7
6
6.5
4
6
2
5.5
0
S58 S59 S60 S61 S62 S63
H1
H2
H3
H4
H5
H6
H7
H8
BOD
H9
5
H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20
COD
pH
(年度)
※調査地点は「崎川橋」
※データは全て年間平均値
原川(崎川橋)
全窒素(mg/ℓ)
全りん(mg/ℓ)
0.45
4.5
0.4
4
0.35
3.5
0.3
3
0.25
2.5
0.2
2
0.15
1.5
0.1
1
0.05
0.5
0
S58 S59 S60 S61 S62 S63
H1
H2
H3
H4
H5
H6
H7
H8
全窒素
H9
H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20
全りん
※全窒素及び全りん:表層年間平均値
10
0
(年度)
(mg/ℓ)
全窒素(過去5年間の月別)
7.00
6.00
5.00
4.00
3.00
2.00
1.00
0.00
4月
5月
6月
7月
H16
(mg/ℓ)
8月
H17
9月
H18
10月
H19
11月
12月
H20
3月
(月)
全りん(過去5年間の月別)
0.600
0.500
0.400
0.300
0.200
0.100
0.000
4月
5月
6月
H16
7月
8月
H17
9月
H18
11
10月
H19
11月
H20
12月
3月
(月)
第3章 水環境保全目標
1 保全と活用の基本目標
(1) 福島県猪苗代湖及び裏磐梯湖沼群の水環境の保全に関する条例、水質汚濁防止等の関連法令を遵守
し、水環境の保全を推進します。
(2) 保全と利活用との均衡については、水環境の保全を基軸とし、そのうえで、利活用にあたっては、現
在の良好な自然環境や景観を損なわないよう、猪苗代湖水面利活用基本計画(平成6年3月策定)の
基本理念及び基本方針に配慮しながら、秩序ある水面利活用のための制限と誘導を図ります。
2 水質保全目標
(1) 猪苗代湖の湖心の水質目標値
環境基本法に基づき、河川・湖沼等の公共用水域の水質汚濁にかかる環境上の条件について、人の
健康の保護及び生活環境の保全の上で、維持することが望ましい基準(以下「水質環境基準」とい
う。)が定められており、猪苗代湖については、次の基準が設定されています。
生活環境の保全に関する水質環境基準
(環境基準点は湖心)
COD
全りん
水 系
猪苗代湖
類型
達成期間
類型
達成期間
A
イ
Ⅱ
イ
【備 考】
◇A類型
COD:3mg/ℓ以下
◇Ⅱ類型
全りん:0.01mg/ℓ以下
全窒素:0.2mg/ℓ以下、当分の間適
用しない
◇達成期間
イ:直ちに達成
ロ:5年以内で可及的速やかに達成
湖心の水質目標については、福島県猪苗代湖及び裏磐梯湖沼水環境保全推進計画に掲げる水質目標
値の達成に寄与できるよう努めます。
項 目
現況値
目標値(平成23年度)
(平成12年度)
(平成19年度)
COD
<0.5 mg/ℓ
0.7 mg/ℓ
000.5 mg/ℓ以下
全窒素
0.27 mg/ℓ
0.26 mg/ℓ
00.20 mg/ℓ以下
全りん
0.003 mg/ℓ
0.003 mg/ℓ未満
0.003 mg/ℓ以下
透明度
7.1 m
11.2 m
10.0 m 以上
※COD:全層年間75%値 全窒素及び全りん:表層年間平均値
※現況値は、平成20年度の県発表値を使用
12
(2) 本市の湖岸(中田浜)及び流入河川における水質目標値
中田浜については、現行の水質環境基準値の継続達成はもとより、湖心の目標値をも勘案して、目
標値を設定します。
また、赤井川及び原川については、水質環境基準の類型指定はないが、全体的に良好な水質を維持
しているとみることができるため、現況水質を踏まえた水質目標値とします。
区
分
中
田
浜
赤
井
川
原
川
項 目
現況値
目標値(平成23年度)
(平成12年度)
(平成20年度)
COD
000.8 mg/ℓ
000.9 mg/ℓ
000.8 mg/ℓ以下
全窒素
00.34 mg/ℓ
00.30 mg/ℓ
00.25 mg/ℓ以下
全りん
0.006 mg/ℓ
0.006 mg/ℓ
0.005 mg/ℓ以下
BOD
002.4 mg/ℓ
001.4 mg/ℓ
001.6 mg/ℓ以下
全窒素
00.87 mg/ℓ
01.66 mg/ℓ
01.13 mg/ℓ以下
全りん
0.105 mg/ℓ
0.047 mg/ℓ
0.081 mg/ℓ以下
BOD
001.7 mg/ℓ
000.8 mg/ℓ
001.0 mg/ℓ以下
全窒素
00.46 mg/ℓ
00.45 mg/ℓ
00.43 mg/ℓ以下
全りん
0.046 mg/ℓ
0.016 mg/ℓ
0.024 mg/ℓ以下
※COD及びBOD:年間75%値 全窒素及び全りん:年間平均値
※現況値は、市独自調査の最新値を使用
※目標値については、過去5年間の平均値より算出
13
3 水辺の環境目標
「活力ある営みの中で、猪苗代湖と人とが共生する姿」を水辺の環境目標とし、以下のイメージを「水辺
の環境目標」として掲げます。
猪苗代湖の水は、澄みわたり、清らかな水面をたたえ、沿岸湖底にはミズスギゴケがひっそ
りと群落しています。
そして、その水辺には、四季折々に、自然の様々な姿が映し出されています。
◇ 春には、原川、赤井川で産卵されたメダカ、アカヒレタビラがふ化し、周囲の山並みにはやわ
らかな若葉が鮮やかな彩りを見せます。
◇ 夏には、爽やかな風が湖面をわたり、崎川浜、中田浜そして小石ケ浜の浜辺には、水遊びに興
じる家族連れの笑い声がこだまし、太古からその歴史を連綿と受け継ぐ赤井谷地には、ホロム
イイチゴが、そっと白い花を咲かせます。日が暮れてからは、満天の夜空の中に夏の大三角形
を探し、田の畦のほとりでは、子どもたちがゲンジボタルの乱舞に目を輝かせます。
◇ 初秋の訪れを告げる水面には、アサザが黄色い花を浮かべ、周囲の山々は、木の葉を紅く染め
はじめます。
◇ 雪化粧をすませた磐梯山を背景に、オオハクチョウが優美な姿をかもし出し、湖辺では、マガ
モやオナガガモなどの冬鳥たちが羽をやすませています。
霞ヶ浦では、汚濁が進行し、国家的プロジェクトによる巨額の費用を投入するなど必死の努力が続けられ
ています。
その霞ヶ浦も、昭和40年代の中ごろまでは湖岸のいたるところで湖水浴が楽しめたと言われています。
今、霞ヶ浦の地元、土浦市では、社団法人霞ヶ浦市民協会により、「泳げる霞ヶ浦2020市民計画」が策
定され、様々な取組みが、市民運動として本格始動し始めています。
「泳げる霞ヶ浦」を20年かけて取り戻すための行動を展開しています。
一方、猪苗代湖に目を転じれば、上記に掲げたような姿は、「あるべき姿」というよりは、今も当たり前
に見られる風景です。
しかし、猪苗代湖の水質や水辺には、変調の兆しが見られるのもまた事実です。
そこで敢えて、水辺の環境目標として、今の姿を守り、継承していくべきことを、水辺の環境目標として
掲げます。
14
第4章 目標達成のための総合的な施策
1 施策の体系
猪苗代湖の水環境保全対策は、本市のみならず、市民、関係団体、事業者、関係市町村、福島県をはじめ
とする関係機関との役割分担を踏まえながら、相互に連携・協力しながら、総合的に推進していく必要があ
ります。
これらの施策は、行政自らが実施するもの、市民や団体等の活動を促進することにより行うもの、県等の
関係機関への要望・働きかけ等により行うものなどに大別されるが、これらを流域自治体の一員たる会津若
松市の立場から認識し、その体系化を図ったものです。
水質保全策に係る具体的な施策については、その性質上、水質汚濁の原因とのその解決方策についての実
証的な検証を踏まえて行うことが必要であるが、一方で、猪苗代湖の水質汚濁メカニズム等については、そ
の解明に向けた本格的な調査研究が着手されたばかりであり、また、これらの中には相当の期間や費用を要
するものもあります。
こうした状況を踏まえ、水環境保全関連施策の実施に当たっては、着手状況や事業見通し等を勘案しなが
ら、その効果的な展開に努めます。
15
施策の体系
【施策の大綱】
【施 策 の 方 向】
A自然汚濁・面的
(1)かん養機能の高い農地や森林の育成・保存
◎会津若松市森林整備計画の推進
農林課
汚濁の低減
(2)裸地・開発地などからの土砂等の汚濁負荷
◎開発許可における指導
都市計画課
◎会津若松市開発事業指導要綱における指導
都市計画課
◎中山間地域等直接支払事業
農政課
◎環境保全型農業推進事業
農政課
◎エコファーマー支援対策
農政課
◎雨水利用桝に係る調査研究
環境生活課
(4)河川などからの除伐草の流入の防止
◎中山間地域等直接支払事業(再掲)
農政課
(5)環境影響評価の運用に係る情報提供等
◎環境影響評価制度の運用に係る情報提供
環境生活課
(1)農業集落排水処理施設への高度処理施設の
◎農業集落排水処理施設への高度処理施設の導入
下水道課
導入
(2)農業集落排水処理施設への加入促進
◎農業集落排水処理施設への加入促進
下水道課
◎水洗便所改造資金融資あっせん制度の推進
下水道課
◎地区において整備する給水施設に対する補助
健康増進課
低減
(3)農用地や市街地からの汚濁負荷の低減
B人為汚濁の低減
(3)窒素除去型浄化槽の設置促進
【具 体 化 の 方 策】
【所管課】
◎個別生活排水事業の推進
下水道課
◎水洗便所改造資金融資あっせん制度の推進(再掲)
下水道課
◎湊四浜環境整備事業(公衆便所等便益施設整備)
観光課
◎地区において整備する給水施設に対する補助(再掲) 健康増進課
(4)工場・事業場排水対策の推進
◎関係法令等に即応した監視等
環境生活課
(5)畜産排水対策の推進
◎畜産排水対策の推進
農政課
◎家畜ふん尿の資源化
農政課
◎福島県における水質浄化に関する調査研究の動向
環境生活課
(6)生態系(水生植物等)を活用した水質浄化
把握
◎溜水池等による水質浄化に係る調査研究の動向把
環境生活課
握
(7)キャンプ場の排水処理対策の推進
◎キャンプ場排水処理等適正化対策
環境生活課
観光課
◎負荷の低減につながる適切な排水方法、浄化設備
環境生活課
等の研究
◎キャンプ場利用者への啓発活動
環境生活課
観光課
廃棄物対策課
(8)冬期間の道路における凍結抑制剤の適正使
◎凍結抑制剤の影響に係る調査研究の動向把握及び
環境生活課
用の推進
適正利用
道路維持課
(9)釣りの撒き餌対策や渡り鳥の給餌方法の検
◎給餌方法等の適正化対策
環境生活課
討
(10)プレジャーボート等からの汚濁負荷低減
観光課
◎猪苗代湖水面利活用基本計画に基づくゾーニング
地域振興課
対策
観光課
◎湖水面利用に係るPR活動
地域振興課
観光課
◎プレジャーボート環境負荷低減対策
環境生活課
観光課
(11)湊地区給水施設整備に対する補助
◎地区において整備する給水施設に対する補助(再掲) 健康増進課
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【施策の大綱】
C水辺環境の保全
【施 策 の 方 向】
(1)水辺の動植物の生息環境の保護・育成
・整備促進
【具 体 化 の 方 策】
◎野生生物生息環境保全事業における地域エリア指
【所管課】
環境生活課
定による動向把握
(2)散乱ごみ・打ち上げごみの撤去活動の促進
◎湊四浜環境整備事業(清掃管理等)
観光課
◎環境美化推進事業
廃棄物対策課
◎猪苗代湖環境保全推進連絡会との連携による砂浜
環境生活課
清掃
(3)景観と調和のとれた水辺環境の整備
◎会津若松市景観条例に基づく助言・指導
都市計画課
◎湖水面利用に係るPR活動(再掲)
地域振興課
観光課
D市民参加による
(1)家庭、地域での実践活動の促進、参加促進
◎市民への啓発活動の推進
環境生活課
水環境保全活動
(2)水環境保全活動団体等の支援、育成
◎環境美化推進事業(再掲)
廃棄物対策課
◎水環境保全団体等への支援・助成等
環境生活課
◎会津若松市環境大賞の実施
環境生活課
◎市民の自主的活動の活性化・促進
環境生活課
◎猪苗代湖・裏磐梯湖沼水環境保全対策推進協議会
環境生活課
の活性化
(3)流域が一体となった組織による対策
への参画及び事業等促進
◎猪苗代湖水環境保全関係団体等連絡会議への参画
環境生活課
及び事業等の促進
◎清らかな湖、美しい猪苗代湖の水環境研究協議会
環境生活課
への参画及び事業等の促進
◎猪苗代湖環境保全推進連絡会への参画及び事業等
環境生活課
の促進
(4)水環境保全のための基金の創設・運用
◎「きらめく水のふるさと磐梯」湖美来基金事業の
環境生活課
普及促進
E水環境保全思想
(1)水辺利用者に対する環境教育の推進
◎環境学習・教育の推進
環境生活課
の啓発推進、地
(2)シンポジウムやセミナーの開催
◎シンポジウム、セミナー等の開催
環境生活課
域交流・水文化
(3)水文化資源の保全
◎赤井谷地保存調査事業
文化課
(4)環境情報の提供
◎猪苗代湖に関する適切な情報収集
環境生活課
◎情報提供の充実
環境生活課
◎猪苗代湖周辺水質調査の充実
環境生活課
◎水質汚濁機構に係る調査研究の動向把握
環境生活課
◎水道水源パトロールの実施充実
浄水課
◎野生生物生息環境保全事業における地域エリア指
環境生活課
の形成
F水環境保全に関
(1)水質保全に関する調査研究等の推進等
する調査研究等
の充実
(2)水辺環境に関する調査研究等の推進
定による動向把握(再掲)
(3)中核的調査研究施設の整備要望
◎水環境に関する中核的な調査研究施設の整備要望
環境生活課
(4)研究者の確保・育成
◎調査研究体制の整備及び人材の育成
環境生活課
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2 現状及び課題並びに具体化方策の内容
A 自然汚濁・面的汚濁の低減
(1)かん養性の高い農地や森林の育成・保存
【現状・課題】
■ 森林は国土保全、水資源の涵養など多様な機能を有しており、その多目的機能に対する市民の
ニーズは今後ますます高まるものと予想されます。
■ 特に、水源かん養機能は、地域の水量調節や土砂の流出抑制、さらには水質の浄化機能などの
大きな役割を持っています。
【具体化の方策】
◎ 会津若松市森林整備計画の推進
会津若松市森林整備計画に基づき、適切な森林施業を実施することにより、水源かん養の高
い森林等の育成・保全を図り、もって、流入河川等の水量の維持や湧水等の保全を図ります。
(2)裸地・開発地などからの土砂等の汚濁負荷低減
【現状・課題】
■ 土砂の湖沼への流入は、底質環境を著しく変化させることから、開発等に伴って土砂等が流出
しないよう土砂の浸食防止対策や土砂の流出防止対策を講じる必要があります。
【具体化の方策】
◎ 開発許可における指導
市街化調整区域及び都市計画区域外における1ha以上の開発計画については、都市計画法上
の開発許可が必要になることから、開発計画に土壌の浸食防止や土砂浸食防止対策がとられる
よう指導します。
◎ 会津若松市開発事業指導要綱による指導
都市計画区域外で3,000㎡以上でかつ湖沼に排水が流入する開発計画については会津若松市
開発事業指導要綱に基づき指導します。
(3)農用地や市街地からの汚濁負荷の低減
【現状・課題】
■ 中山間地域においては、担い手の減少や高齢化・経営耕作面積の減少などにより、農業生産活
動の維持低下や農地の持つ国土保全機能、水源かん養機能等の低下が懸念されます。
■ 農業が自然環境に与える負荷を低減するとともに、消費者の求める安全、安心な農作物を提供
することが必要となっています。
■ 福島県においては、水環境にやさしい農業の推進計画に基づき、実証実験等のモデル事業を実
施しており、これらの成果を踏まえた事業実施が計画されています。
■ 市街地において降雨時に流出する雨水は建屋の屋根や道路面等の表面を洗い流すため、水質汚
濁の一因と考えられています。
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【具体化の方策】
◎ 中山間地域等直接支払事業
集落内での話し合いにより、耕作放棄の防止に向け、泥あげ、草刈り等を行うことにより水
路・農道の適切な管理を図るとともに、景観作物の作付け・体験農業の施設、グリーンツーリ
ズムへの取り組みなど集落協定に基づく生産活動により、農地の持つ様々な機能の確保を図り
ます。
◎ 環境保全型農業推進事業
県とともに有機農業、減農薬・減化学肥料の生産方式による環境保全型農業を推進します。
◎ エコファーマー支援対策
環境保全型農業に取り組む農業者については、県のエコファーマー制度の活用や市独自の認
定制度を設けながら、生産・販売への支援を行います。
◎ 雨水利用枡に係る調査研究
家庭の敷地内に雨水利用枡を設置することにより、建築物の屋根等からの雨水等の流出を防
げるとともに、貯蔵した雨水については、中水道としての利活用対策に係る調査研究を行いま
す。
(4)河川などからの除伐草の流入の防止
【現状・課題】
■ 用水路や河川を通して湖内に流入する稲わら等は、湖内で腐敗し、水質を悪化させる原因の一
つになっています。
■ これらの稲わら等は、黒色浮遊物の構成物の一つと考えられています。
【具体化の方策】
◎ 中山間地域等直接支払事業(再掲)
集落内での話し合いにより、耕作放棄の防止に向け、泥あげ、草刈り等を行うことにより水
路・農道の適切な管理を図るとともに、景観作物の作付け・体験農業の施設、グリーンツーリ
ズムへの取り組みなど集落協定に基づく生産活動により、農地の持つ様々な機能の確保を図り
ます。
(5)環境影響評価の運用に係る情報提供等
【現状・課題】
■ 事業者が大規模な開発事業を行う際には、環境影響評価法及び福島県環境影響評価条例に基づ
き、当該事業が環境に及ぼす影響についてあらかじめ調査、予測、評価を行い、環境を保全す
るための対策を講じるなどの環境影響評価の手続きが義務付けられています。
■ 市では、これら手続きの一環としての事業計画の縦覧等に協力しています。
【具体化の方策】
◎ 環境影響評価制度の運用に係る情報提供等
環境影響評価法に基づく手続きの一環としての事業計画の縦覧等に協力するとともに、開発
行為等に当たっての福島県による動植物の生息、生息環境の保全に係る指導等の際には、必要
に応じて適切な情報提供等ができるよう、生息分布・状況等の情報収集に努めます。
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B 人為汚濁の低減
(1)農業集落排水処理施設への高度処理施設の導入
【現状・課題】
■ 「福島県猪苗代湖及び裏磐梯湖沼群の水環境の保全に関する条例」の規制対象となる共和地区
浄化センター及び赤井地区浄化センターのりん除去能力を高度処理化するための整備を行いま
した。
■ 脱りんに対する施設の改善を検討し、実証実験を行った結果、規制値のクリアーが確認されて
います。
【具体化の方策】
◎ 農業集落排水処理施設への高度処理施設の導入
共和地区浄化センター及び赤井地区浄化センターへの高度処理施設の導入については、りん
除去能力を高度処理化するため、平成14年度に実証実験を行い、平成15年度に施設改善、本
格的な施設稼動へ切り替えて脱リン処理を続けています。平成19年4月1日の「福島県猪苗代
湖及び裏磐梯湖沼群の水環境の保全に関する条例」の本格的な施行後も放流水は、常時基準値
以下の数値となる水質を保持しています。
(2)農業集落排水処理施設への加入促進
【現状・課題】
■ 水洗化率は、共和地区で89.6%、赤井地区で93.0%の現状にあります。(平成20年度末)
■ 加入促進に向けては、水洗便所改造資金融資あっせん制度について、農業集落排水事業への加
入者のほか、平成13年度の会津若松市個別生活排水事業条例の制定に対応して、平成14年度
からは個別生活排水事業における水洗化についても新たに融資あっせんの対象とするなど、制
度の充実に努めています。
■ 湊地区において、今後、農業集落排水事業の進捗に加え、個別生活排水事業の推進を図るた
め、事業実施に伴う新たな水需要の増加が見込まれるため、これに即応した安定的な水供給が
必要となります。こうした中、現在、湊地区において、地区で整備する給水施設に対して工事
費を補助することにより、安定的な給水を確保します。
【具体化の方策】
◎ 農業集落排水処理施設への加入促進
全戸加入の達成に向け、3名の下水道協力員による普及活動の推進を図ります。
◎ 水洗便所改造資金融資あっせん制度の推進
水洗便所改造資金融資あっせん制度の利用促進を図ります。
◎ 地区において整備する給水施設に対する補助(再掲)
地区における給水施設整備は、公衆衛生の向上と生活環境の改善を図ることはもとより、個
別生活排水事業の推進などの新たな水需要に対応するうえでも重要な機能を有することから、
地区における給水施設整備工事費に対し補助金を交付します。
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(3)窒素除去型合併処理浄化槽の設置促進
【現状・課題】
■ 平成13年度に、会津若松市個別生活排水事業条例を制定し、猪苗代湖流域において、農業集落
排水処理施設の処理区域以外の地域にあっては、個別生活排水事業による窒素除去型合併処理
浄化槽の設置促進を図っています。
■ 湊地区において、今後、農業集落排水事業の進捗に加え、個別生活排水事業の推進を図るた
め、事業実施に伴う新たな水需要の増加が見込まれるため、これに即応した安定的な水供給が
必要となります。こうした中、現在、湊地区において、地区で整備する給水施設に対して工事
費を補助することにより、安定的な給水を確保します。
【具体化の方策】
◎ 個別生活排水事業の促進
猪苗代湖に流入する生活排水対策のため、窒素除去型合併処理浄化槽の設置を促進します。
◎ 水洗便所改造資金融資あっせん制度の推進(再掲)
水洗便所改造資金融資あっせん制度の利用促進を図ります。
◎ 湊四浜環境整備事業(公衆便所等便益施設整備)
湖岸において、公衆便所等の便益施設を整備する場合、窒素除去型合併処理浄化槽を併設す
る等の対策を施すとももに、その適切な維持管理に努めます。
◎ 地区において整備する給水施設に対する補助(再掲)
地区における給水施設整備は、公衆衛生の向上と生活環境の改善を図ることはもとより、個
別生活排水事業の推進などの新たな水需要に対応するうえでも重要な機能を有することから、
地区における給水施設整備工事費に対し補助金を交付します。
(4)工場・事業場排水対策の推進
【現状・課題】
■ 水質汚濁防止法、福島県生活環境の保全等に関する条例、大気汚染防止法に基づく排出基準及
び水質汚濁防止法に基づく排出基準を定める条例及び猪苗代湖及び裏磐梯湖沼群の水環境保全
に関する条例に基づき、公共用水域に排水する特定施設を有する工場・事業場からの排出水が
規制されています。
【具体化の方策】
◎ 関係法令等に即応した監視等
上記の法令に基づく規制事務は県が行うが、市においても、公共用水域の水質調査等をとお
して適切な監視を行いながら、環境基準の達成と水質汚濁の防止の促進に努めます。
(5)畜産排水対策の推進
【現状・課題】
■ 「家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律」に基づき平成16年度から堆肥舎
の設置義務が施行されることから、法令等に即応した適切な対応が求められています。
【具体化の方策】
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◎ 畜産排水対策
堆肥舎の設置義務への適切な対応に向け、整備が必要となる対象農家を中心に、指導を行いま
す。
◎ 家畜ふん尿の資源化
家畜ふん尿を資源化することで、その有効利用を図りながら、農地への適切な還元を行います。
(6)生態系(水生植物等)を活用した水質浄化
【現状・課題】
■ ヨシ等の水生植物は、水中や土壌中の栄養塩類を吸収するなど、湖沼や河川の水質浄化に一定
の機能を有することから、水質浄化対策として期待されているが、その具体化に当たっては、
管理や有効利用が課題となっています。
■ 水生植物は、窒素、りんを吸収する性質があるが、洗剤に含まれる化学物質などの高度の有機
化合物の吸収は困難といわれています。
■ このような水生植物の機能を補完・強化するため、福島県においては、水生植物等と光触媒を
組み合わせた水質浄化技術の研究開発に着手しています。
【具体化の方策】
◎ 福島県における水質浄化に関する調査研究の動向把握
福島県と日本大学工学部での水生植物による窒素・リンの除去に係る調査研究の成果及び動
向把握に努めます。
◎ 溜水地等による水質浄化に係る調査研究の動向把握
福島県や日本大学工学部での溜水池に関する調査研究の動向成果に努めます。
(7)キャンプ場の排水処理対策の推進
【現状・課題】
■ 湊地区の湖水浴場は、夏季の間は、キャンプ場としての利用も多く見られる状況にあります。
■ 福島県の調査結果では、キャンプ場等からの排水等については、トイレが汲み取り式であるこ
と、生活排水が地下浸透であること、年間の利用者数が約25,000人であることなどから、汚
濁負荷量の総量的な観点からは、これらの猪苗代湖への影響は比較的少ないとされています。
■ 一方、キャンプ場の排水については、「福島県猪苗代湖及び裏磐梯湖沼群の水環境に関する条
例」では、努力規定のため、啓発等の実効性の確保が懸念されています。
■ 地域内にあるキャンプ場は、所有者、開設の形態、管理方法などの形態が多様であり、それぞ
れのキャンプ場ごとに、個別の対応、協議等が求められます。
■ キャンプ場利用者のマナー水準は個々人ごとに異なることから、水質保全につながる行動様
式、ごみ持ち帰り等の啓発等が必要であります。現状では、7月下旬から8月下旬にかけて湖水
浴客によるごみの増加に対処するために、ごみステーションを増設し収集を実施しています。
【具体化の方策】
◎ キャンプ場排水処理適正化対策
排水規制等については、条例上の拘束力はないため、河川法、自然公園法等の関連法令を所
管する県、国等の機関に対し、法令等の期限に基づく指導等を働きかけるとともに、キャンプ
場の関係団体等と連携しながら、指導等の有効性を高めます。
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◎ 負荷の低減につながる適正な排水方法、浄化設備等の研究
キャンプ場経営者への啓発活動の実効性を高めるため、排水の水質検査のあり方、適切な排
水方法・浄化設備等について、県の調査研究の成果と動向も見極めながら、調査研究を行いま
す。
◎ キャンプ場利用者への啓発活動
環境美化推進協議会等の関係団体等と連携しながら、キャンプ場の管理者を通じて、水質保
全意識の向上、ごみ持ち帰りの推進など啓発活動を行います。
(8)冬期間の道路における凍結抑制剤の適正使用の推進
【現状・課題】
■ スキー場では、融雪防止剤として化学肥料である硫酸アンモニウムが散布され、また、道路の
凍結抑制剤については塩化カルシウムを主成分とするものが使用されています。
【具体化の方策】
◎ 凍結抑制剤の影響に係る調査研究の動向把握及び適正利用
凍結抑制剤については、福島県及び日本大学工学部との共同による凍結抑制剤の流入量の調
査など、湖に与える影響に係る調査研究の動向把握に努めながら、その適正な利用に努めま
す。
(9)釣りの撒き餌対策や渡り鳥の給餌方法の検討
【現状・課題】
■ 崎川浜白鳥飛来地において、「湊町白鳥を守る会」が給餌をしています。
■ 白鳥飛来地では、餌の食べ残しがないように給餌量の調整を図っています。平均1日当たり
60kg(30kg袋×1袋×2食)の米を給餌しています。
■ 餌の確保に当たっては、各種団体、個人などから提供いただいています。
■ 渡り鳥からの鳥インフルエンザ感染が心配されています。
【具体化の方策】
◎ 給餌方法等の適正化対策
給餌量の報告について協力を得ながら、水質への負荷の低減につながる適切な給餌方法等を
調査研究するとともに、給餌者と連携協力を図ります。また、その他の場所においても、給餌
の有無を確認し、適切な給餌方法等の啓発活動を実施します。
なお、渡り鳥からの鳥インフルエンザ感染が心配されていることから、接触機会を少なくす
るとともに、手洗い、うがいなどを行うよう、啓発に努めます。
(10) プレジャーボート等からの汚濁負荷低減
【現状・課題】
■ 船舶及びプレジャーボートの航行等による良好な自然環境への影響、不法係留や不法占有等、
湖面利用における問題が発生しています。
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【具体化の方策】
◎ 猪苗代湖水面利活用基本計画に基づくゾーニング対策
関係団体や地元住民等で構成される猪苗代湖水面利活用基本計画推進協議会会津若松地域部
会への参画を通じて、猪苗代湖水面利活用基本計画に基づいた適切な水面利活用を図るため、
地域住民、民間事業者等の意見を汲み上げながら、本市湖岸利用のゾーニングを行い、船舶利
用区域と禁止区域等を明確にすることにより、環境保全と湖水面利用とが調和した適切な湖岸
の利活用を図ります。
◎ 湖水面利用に係るPR活動
猪苗代湖水面利活用基本計画推進協議会会津若松地域部会への参画を通じて、湖岸利用のゾ
ーニングによる水面利用の啓発を行い、プレジャーボート等の適切な湖水面利用とマナー向上
を促進します。
◎ プレジャーボート環境負荷低減対策
関係機関、関係団体と連携しながら、環境負荷の少ないエンジンオイル、4サイクル・直噴
型エンジンのプレジャーボート利用の呼びかけなど、湖水への負荷低減の促進に努めます。
(11)湊地区給水施設整備に対する補助
【現状・課題】
■ 湊地区にある給水施設は、ほとんどが老朽化が進み、改修が必要になっています。今後は、農
業集落排水処理事業の進捗に加え、個別生活排水事業の推進等により、水需要の増加が見込ま
れるなど、現有施設では対応が困難な状況になりつつあります。
■ 湊地区における給水施設整備については、集落が点在しているため、各地区が実施する給水施
設整備に要する工事費を補助します。
【具体化の方策】
◎ 地区において整備する給水施設に対する補助(再掲)
地区における給水施設整備は、公衆衛生の向上と生活環境の改善を図ることはもとより、個
別生活排水事業の推進などの新たな水需要に対応するうえでも重要な機能を有することから、
地区における給水施設整備工事費に対し補助金を交付します。
24
C 水辺環境の保全・整備促進
(1)水辺の動植物の生息環境の保護・育成
【現状・課題】
■ 猪苗代湖の流域は、様々な生物の生息の場として重要な役割をはたしており、その生態系の保
全が求められています。
■ 開発等に際しては、環境影響評価法等の適正運用等により、水辺の多様な生物の生息環境の保
全が必要です。
【具体化の方策】
◎ 野生生物生息環境保全事業における地域エリア指定による動向把握
野生生物生息環境保全事業において、地域エリアの一つとして猪苗代湖周辺ゾーンを指定
し、その生息・分布状況を調査します。また、継続的に調査・観察することにより、動植物の
生息環境の保護を図ります。
また、これらの調査等の蓄積を踏まえ、県等への適切な情報提供や提言等に努めます。
(2)散乱ごみ・打ち上げごみの撤去活動の促進
【現状・課題】
■ 夏季シーズンをはじめ湖水利用可能期間中は、湖水浴やマリンスポーツ等多くの利用者が訪れ
ているが、繁忙期については応急的に仮設トイレを設置するとともに、適切な維持管理に努め
ています。
■ 夏季以外の期間についても、マリンスポーツ、キャンプ等の利用者が訪れるため、清掃期間の
延長等が必要です。
【具体化の方策】
◎ 湊四浜環境整備事業(清掃管理)
関係団体と連携を図りながら、清掃の期間、回数等の実績を踏まえた適切な清掃管理計画に
基づき、清掃管理を行います。
◎ 環境美化推進事業
湖岸周辺の清掃、ごみ持ち帰り運動の実施等と通じて、水質保全意識の向上、ごみ持ち帰り
運動の推進など、湊町環境美化推進協議会において、ごみ持ち帰り運動の推進を図ります。
(3)景観と調和のとれた窒素除去型合併処理浄化槽の設置促進
【現状・課題】
■ 猪苗代湖の水辺景観は、市民の憩いの場、観光資源として大きな役割をはたしており、湖岸や
地域で行う施設整備に当たっては、周辺景観との調和に配慮する必要があります。
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【具体化の方策】
◎ 会津若松市景観条例に基づく助言・指導
一定規模以上の建築物や工作物、土地の区画形質の変更、屋外における物品の集積、土石類
の採取等について必要な修景措置が講じられるよう助言、指導に努め、調和のとれた景観形成
を推進します。
◎ 湖水面利用に係るPR活動(再掲)
猪苗代湖水面利活用基本計画推進協議会会津若松地域部会への参画を通じて、湖岸利用の
ゾーニングによる水面利用の啓発を行い、プレジャーボート等の適切な湖水面利用とマナー向
上を促進します。
26
D 市民参加による水環境保全活動の活性化
(1)家庭、地域での実践活動の促進、参加促進
【現状・課題】
■ 水環境保全にあたっては、市民、事業者及び行政が、それぞれの役割を踏まえた上で連携し、
実践活動に取り組むことが求められています。
■ 流域住民に対しては、条例をはじめとする制度、節目節目に応じた説明会など適切な対応が必
要であり、これまでも、条例の説明会、啓発のための広報紙の配布などを実施しています。
【具体化の方策】
◎ 市民への啓発の推進
制度や計画の変更時などにおける説明会の実施など、節目節目に応じた適切な情報提供に努
めるとともに、猪苗代湖及び裏磐梯湖沼水環境保全推進員(猪苗代湖・裏磐梯湖沼水環境保全
対策推進協議会の委嘱による)等の有効な活用を図りながら、湖岸等の巡回、流域住民への普
及・啓発を促進します。
(2)水環境保全活動団体等の支援・育成
【現状・課題】
■ 湊地区においては、湊町環境美化推進協議会が組織され、湖岸周辺道路や湖水浴場等の清掃活
動の実践、ごみ持ち帰り運動の推進、花いっぱい運動等の環境美化活動を通して、水環境保全
のための活動を実施しています。
■ 猪苗代湖の水環境保全についての自主的活動に対する適切な支援を行うとともに、団体間の連
携協力を促進するなど、市民活動の活性化のための環境整備が必要です。
【具体化の方策】
◎ 環境美化推進事業の促進(再掲)
流域における先導的な役割を踏まえ、湊町環境美化推進協議会による水環境保全活動の促進
を図ります。
◎ 水環境保全団体等への支援・助成等
「きらめく水のふるさと磐梯」湖美来基金事業における水環境保全団体への助成制度等を活
用し、猪苗代湖の水環境保全のために活動する団体等への助成を行います。
◎ 会津若松市環境大賞の実施
模範的な活動をしている市民を表彰し、顕彰することで、環境への関心を高め、環境保全活
動の一層の促進を図ります。
◎ 市民の自主的活動の活性化・促進
ヨシ刈りなど、猪苗代湖の水環境保全に資する自主的活動について広く市民へ呼びかけるた
め、ホームページや広報紙等を活用します。
27
(3)流域が一体となった組織による対策の推進
【現状・課題】
■ 流域市町村、福島県、関係団体等により、「猪苗代湖・裏磐梯湖沼水環境保全対策協議会」及
び「猪苗代湖水環境保全関係団体等連絡会議」、「清らかな湖、美しい猪苗代湖の水環境研究
協議会」などが組織され、流域が一体となった活動体制が整備されています。
■ 会津若松市、郡山市及び猪苗代町の二市一町により、「猪苗代湖環境保全推進連絡会」が設立
され、流域自治体間の具体的な連携体制も構築されています。
■ 上記の組織への主体的な参加を通して、関係機関、関係団体等と有機的な連携を図りながら、
水環境保全のための活動を促進していく必要があります。
【具体化の方策】
◎ 猪苗代湖・裏磐梯湖沼水環境保全対策協議会への参画及び事業等の促進
本協議会への参画を通じて、流域における官民が一体となって啓発活動、実践活動、調査研
究活動を行うなど、水環境の保全活動を促進するとともに、流域自治体間の具体的な事業連携
を推進すします。
◎ 猪苗代湖水環境保全関係団体等連絡会議への参画及び事業等の促進
本連絡会議への参画を通じて、猪苗代湖の水環境に関する情報の共有化を図るとともに、各
団体が実施すべき水環境保全対策について確認・検討を行います。
◎ 清らかな湖、美しい猪苗代湖の水環境研究協議会への参画及び事業等の促進
本協議会への参画を通じて、産・学・民・官が連携協力し猪苗代湖の水環境保全に関する調
査研究を行うとともに、効果的な水環境保全を推進します。
◎ 猪苗代湖環境保全推進連絡会への参画及び事業等の推進
本連絡会への参画を通じて、猪苗代町及び郡山市と一体となって、啓発活動、砂浜清掃事
業、関係機関への要望などの共同事業を企画・実施するとともに、流域自治体としての役割を
踏まえ、自治体間の連携・協力体制の強化を図り、水環境の保全を促進します。
(4)水環境保全のための基金の創設・運用
【現状・課題】
■ 猪苗代湖・裏磐梯湖沼水環境保全対策推進協議会において、湖沼流域における水環境の保全に
関する活動の情報発信を通して、これら活動の一層の推進を図り、現在の湖を次代に継承する
ことを目的に、「きらめく水のふるさと磐梯/湖美来基金」が創設されています。
■ この基金は湖美来クラブ会費と募金等から構成されており、その使途については流域内の水環
境保全活動に対する助成事業経費及び普及啓発事業経費が計画されています。
【具体化の方策】
◎ 「きらめく水のふるさと磐梯」湖美来基金事業の普及促進
湖未来クラブについては広く県内外から会員を募集するとともに、本市においても募金箱を
市内公共施設、利便施設等に配置するなど、その普及促進に努めています。また、これらを通
じて猪苗代湖の水環境保全に関する啓発促進を図ります。
28
E 環境保全思想の啓発推進、地域交流・水文化の形成
(1)水辺利用者に対する環境教育の推進
【現状・課題】
■ 本市においては、せせらぎスクール、こどもエコクラブなど国、県等の事業を有効に活用しな
がら、水環境保全に関する学習機会の提供、自主的活動の活性化等に努めています。
■ 環境問題は、社会教育・生涯学習における現代的課題の一つとして、公民館において、自然観
察講座、エコライフ教室等の成人対象講座、自然体験講座等の青少年対象講座等が実施されて
います。
■ 生涯学習出前講座において、環境関連の講座を準備するなど学習機会の提供に努めているが、
水環境の保全思想の啓蒙・啓発につながる取組みについては一層の推進が必要です。
【具体化の方策】
◎ 環境学習・教育の推進
こどもエコクラブのクラブ数の拡充、せせらぎスクールの利用促進、生涯学習出前講座の充
実、さらには、公民館等の社会教育・生涯学習の分野と連携したモデル事業の検討・実施な
ど、水環境の保全思想の啓蒙・啓発につながる活動基盤の整備や学習機会の充実を図ります。
(2)シンポジウムやセミナーの開催
【現状・課題】
■ 猪苗代湖の水環境の保全に向けては、その資源としての多様性を踏まえ、流域のみならず、広
くその重要性を啓発する必要があります。
■ 平成14年度より、流域自治体の会津若松市、猪苗代町及び郡山市の子どもたちにより、次代の
猪苗代湖を考えるパネルディスカッションが開催されるなど、流域内における連携方策も具体
的に行っています。
■ 猪苗代湖・裏磐梯湖沼水環境保全対策推進協議会において、流域内外の意識高揚と水環境保全
活動の推進に向け、水環境保全活動事例発表、講演等を内容とする「猪苗代湖・裏磐梯湖沼水
環境保全フォーラム」を開催しています。
【具体化の方策】
◎ シンポジウム、セミナー等の開催
猪苗代町及び郡山市との流域自治体間の連携によるパネルディスカッション、猪苗代湖・裏
磐梯湖沼水環境保全対策推進協議会への参画等を通じたシンポジウムについて、その充実と促
進に努めます。
(3)水文化資源の保全
【現状・課題】
■ 猪苗代湖流域には、史跡、名勝、文化財等が数多く存しています。
■ 本市には、国指定天然物赤井谷地沼野植物群落は、その生い立ちが磐梯山や猪苗代湖と深い関
わりあいを持つことから、その保存等には、湿原やその周辺の水環境の保全が重要な役割を果
たすとともに、湿原の保存が周辺の水系維持に資するという相互関係を有しています。
■ 貴重な植生を持ち、自然資源が豊富に残存する赤井谷地は、自然体験の場、環境教育の場とし
て、今後一層の保全整備が求められています。
29
【具体化の方策】
◎ 赤井谷地保存調査事業
赤井谷地については、指定地周辺を含めた保護、乾燥化傾向にある湿原の植生回復、継続的
なモニタリングを行い、自然機構の解明を図りながら、その適切な保存と整備を図ります。
(4)環境情報の提供
【現状・課題】
■ 毎年作成している「会津若松市の環境」の中で、猪苗代湖及び流入河川についての水質調査結
果や分析内容等について掲載するなど、猪苗代湖の水環境に係る基礎的な情報提供を行ってい
ます。
■ 環境フェスティバルでは、猪苗代湖の水質に係る自然浄化メカニズムの展示・実演・解説や流
域に生息する動植物の展示等を行うなど、生きた資料・教材等による情報提供を行っていま
す。
■ 福島県と連携し、せせらぎスクールにおける必要器材の無料貸出、猪苗代湖・裏磐梯湖沼水環
境保全対策推進協議会による湖美来通信の配布等を行っています。
【具体化の方策】
◎ 猪苗代湖に関する適切な情報収集
情報提供の前提として、市自ら実施している事業・調査等はもとより、県をはじめとする関
係機関の情報等について、猪苗代湖の水環境保全の観点からの適切な情報収集に努めます。
◎ 情報提供の充実
収集した情報については、基礎データ、学習機会、指導者、団体報、自主的活動支援などの
類型別に整理し、その上で、会津若松市の環境、環境フェスティバル、インターネット等を活
用しながら、適切な情報の提供とその充実に努めます。
30
F 水環境保全に関する調査研究等の充実
【現状・課題】
■ 水環境の保全のためには、水質のみならず、水辺環境の状況や動植物の生息状況などについ
て、流域にわたる多面的な調査研究が必要です。
■ 今後は、富栄養化現象の兆しを的確に把握するとともに、水環境保全対策事業の効果等を検証
するための、実態調査等が必要です。
■ 水環境に関する学術的な調査研究の推進と調査研究体制の拡充が必要です。
■ 本市においては、猪苗代湖の流入河川の水質調査を継続的に実施することにより、その現状並
び推移及び動向の把握に努めています。
■ 水環境保全のための調査研究施設の整備については、関係市町村と連携しながら、会津総合開
発協議会及び猪苗代湖環境保全推進連絡会として福島県への整備を要望しています。
【具体化の方策】
(1)水質保全に関する調査研究等の促進
◎ 猪苗代湖周辺水質調査の充実
市として独自に猪苗代湖及び流入河川の水質状況の把握・監視を行い、水質保全対策への反
映と活用を図ります。
また、県における公共用水域水質常時監視事業、湖水浴場水質検査事業、地下水水質常時監
視事業、湖沼生態系管理指標等調査事業などの調査動向等の把握に努めるとともに、その充実
等を働きかけます。
◎ 猪苗代湖水質汚濁機構に係る調査研究の動向把握
猪苗代湖が長年にわたりその良好な水質を保持してきた仕組みや近年の水質変化との因果関
係についての情報収集に努めます。情報収集に当たっては、福島県及び日本大学工学部との間
で取り組まれている共同研究(①水質や湖底の状況分析、②湖内の水流の測定、③動植物プラ
ンクトンの生態調査、④周辺道路で使用する凍結抑制剤の流入量調査等)の動向把握に努めま
す。
◎ 水道水源パトロールの実施充実
猪苗代湖は、滝沢浄水場の水道水源であり、取水口である小石ケ浜周辺から当浄水場までの
間の堰の状態について、毎月1回の監視を行うなど、水源としての猪苗代湖の水質監視に努め
ます。
(2)水辺環境に関する調査研究等の推進
◎ 野生生物生息環境保全事業における地域エリア指定による動向把握(再掲)
野生生物生息環境保全事業において、地域エリアの一つとして猪苗代湖周辺ゾーンを指定
し、その生息・分布状況を調査します。また、継続的に調査・観察することにより、動植物の
生息環境の保護を図ります。
(3)中核的調査研究施設の整備
◎ 水環境に関する中核的な調査研究施設の整備要望
国、県等の関係研究機関等における調査・研究の成果を猪苗代湖の水環境保全の見地から認
識・把握するとともに、猪苗代湖に即応した研究開発機能と環境教育・学習の推進機能とを併
せ持つ調査研究施設の設置を図るため、関係市町村とも連携しながら、県等の関係機関に対
し、その整備を要望します。
31
(4)研究者の確保・育成
◎ 調査研究体制の整備及び人材の育成
湖沼等の水環境の保全に係る県等における一般的・標準的な調査研究の成果を踏まえ、猪苗
代湖の有する地域性や個別性等を分析するため、水環境の保全のための体制の整備及び人材の
育成に努めます。
32
3 施策項目に係る事業達成水準
次の設定項目について以下に掲げる目標値の達成に努めます。
現況値
事業達成水準設定
目標値
項目
(平成12年度) (平成20年度) (平成23年度)
A 自然汚濁・面的 農用地や市街地から エコファーマー数
汚濁の低減
の汚濁負荷の低減
-
287人
315人
施策項目
環境保全型農業特
別栽培米
-
-
10ha
共和地区
46.8%
89.6%
100%
赤井地区
84.4%
93.0%
100%
4.5%
20.3%
(69基)
29.4%
(100基/
340世帯)
-
2戸
2戸
680人
1,242人
1,000人
4クラブ
5クラブ
10クラブ
B 人為汚濁の低減 農業集落排水処理施 農業集落排水処理
設の整備
施設水洗化率
窒素除去型浄化槽の 個別生活排水事業
設置促進
の普及率(設置済
世帯数/対象世帯
340 世帯)
畜産排水対策の推進 家畜排せつ物処理
のための施設設置
C 水 辺 環 境 の 保 散乱ごみ・打ち上げ 各種クリーンアッ
全・整備促進
ごみの撤去活動の推 プ作戦参加者数
進
E 水環境保全思想 水辺利用者に対する こどもエコクラブ
の啓発推進
環境教育の推進
数
計画の進行管理
水質調査
湖
心
中
田
浜
赤
井
川
原
川
COD
000.5 ㎎/ℓ 000.7 ㎎/ℓ 000.5 ㎎/ℓ
全窒素
00.27 ㎎/ℓ 00.26 ㎎/ℓ 00.20 ㎎/ℓ
全りん
0.003 ㎎/ℓ 0.003 ㎎/ℓ 0.003 ㎎/ℓ
COD
000.8 ㎎/ℓ 000.9 ㎎/ℓ 000.8 ㎎/ℓ
全窒素
00.34 ㎎/ℓ 00.30 ㎎/ℓ 00.25 ㎎/ℓ
全りん
0.006 ㎎/ℓ 0.006 ㎎/ℓ 0.005 ㎎/ℓ
BOD
002.4 ㎎/ℓ 001.4 ㎎/ℓ 001.6 ㎎/ℓ
全窒素
00.87 ㎎/ℓ 01.66 ㎎/ℓ 01.13 ㎎/ℓ
全りん
0.105 ㎎/ℓ 0.047 ㎎/ℓ 0.081 ㎎/ℓ
BOD
001.7 ㎎/ℓ 000.8 ㎎/ℓ 001.0 ㎎/ℓ
全窒素
00.46 ㎎/ℓ 00.45 ㎎/ℓ 00.43 ㎎/ℓ
全りん
0.046 ㎎/ℓ 0.016 ㎎/ℓ 0.024 ㎎/ℓ
33
第5章 進行管理
1 水質の進行管理
県の水質調査結果等を適切に把握・分析するとともに、市独自の調査等を実施し汚濁負荷量の算定等によ
り水環境保全対策のための事業効果の検証を行います。また、これらの結果等については公表します。
2 具体化の方策の進行管理
具体化の方策については、進捗状況の把握はもとより、各事業間の連携方策の検討及び実施に努め、より
高い効果が得られような事業展開に資する進行管理を行います。また、関係機関、関係団体等が実施する施
策、事業等についても進捗状況を適切に把握します。また、これらの成果等については公表します。
34
用語の解説
あ
《猪苗代湖・裏磐梯湖沼水環境保全対策推進協議会》
猪苗代湖及び裏磐梯湖沼流域の水環境を保全していくために、福島県や流域市町村、関係機関や各種団体を構
成団体として、平成12年11月に設立された。当協議会では、水環境に関するフォーラムの開催や広報紙の発行
など、水環境保全のための普及啓発活動を行っている。
《猪苗代湖環境保全推進連絡会》
猪苗代湖の境界の確定をきっかけにして、周辺の二市一町(会津若松市、郡山市及び猪苗代町)が連携して猪
苗代湖の環境、水質を保全していくために、平成13年2月に設立。
湖岸一斉クリーンアップ作戦の開催、ビーチクリーナーによる砂浜清掃など、二市一町の連携事業を展開してい
る。
《猪苗代湖水環境保全関係団体等連絡会議》
平成19年12月の環境省発表で水質日本一からランキング外になったことを受け、猪苗代湖の水環境に関する
情報の共有化を図ることを目的に、平成20年2月に設立。各団体・機関が実施すべき対策について確認・検討す
る会議。
《エコファーマー》
県の認定を受け、化学肥料・化学農薬の低減とたい肥などによる土作りを一体的に行う農業生産方式を導入し
ている農業者。
《汚濁負荷(量)》
水質を汚濁する物質が、一定期間内に水質に与える影響の総量を表したものであり、排水などの濃度と排水量
の積で算出される。
か
《環境影響評価》
事業の実施に際し、その環境影響について事前に調査、予測及び評価を行うとともに、その結果を公表して地
域住民等の意見を聴き、適切な環境保全の対策を講じていくことをいう。
《環境基準》
国や地方公共団体が公害防止対策を進めるには、環境の質がどの程度のレベルに維持されることが望ましいか
という目標が必要である。この目標が環境基準と呼ばれるもので、環境基本法によって、水質汚濁に係る環境基
準は「人の健康の保護に関する環境基準」と「生活環境の保全に関する環境基準」が定められている。
35
《環境基準点》
水質汚濁の防止を図る必要のある公共用水域には、環境基準の類型が指定される。環境基準点は、この指定さ
れた水域について環境基準の維持達成状況を把握するための地点。
《環境保全型農業》
農業の持つ物質循環機能を生かし、生産性との調和などに留意しつつ、土づくり等を通じて化学肥料・化学農
薬の使用等による環境負荷の低減に配慮した持続的な農業。
《清らかな湖、美しい猪苗代湖の水環境研究協議会》
水質日本一からランキング外になったこと及び近年のpHの上昇、CODの微昇など水質汚濁の進行が懸念され
ていることから、再び水質日本一を取り戻し、猪苗代湖の水環境を美しいまま次代に伝えていくため、民・産・
学・官が一体となって実践活動に取り組むことを目的に、平成20年6月に設立。
《公共用水域》
水質汚濁防止法において、公共用水域とは河川、湖沼、港湾、海岸、海域その他公共の用に供される水域及び
これに接続する公共溝渠、かんがい用水路その他公共の用に供される水路(終末処理場を設置する公共下水道及
び流域下水道(その流域下水道に接続する公共下水道を含む)を除く)をいうと定義されている。
《個別生活排水事業》
市が小型合併処理浄化槽本体を各戸に個別に設置し、維持管理し、使用者からは、公共下水道や農業集落排水
事業と同様に、汚水を排除した量に応じた使用量を徴収する事業。
さ
《COD(化学的酸素要求量)》
Chemical Oxygen Demand の略。水中の有機物を酸化剤で化学的に分解した際に消費される酸素の量で、
湖沼、海域の有機汚濁の程度を示す代表的な指標。この値が大きいほど有機物が多く、汚れていることを示す。
《生活排水》
日常生活に伴う炊事、洗濯、入浴等の際に排出される生活雑排水と、し尿処理に伴う排水を合わせたものを指
す。
《全窒素(T-N)》
窒素は、自然界では植物体などに含まれ、降雨などに伴い山林・田畑から流出し、水中を移動する。また、人
為的には、生活排水及び畜産排水などに含まれている。全窒素は、水中の様々な形態の窒素を全体として測定し
たものであり、湖沼や海域の富栄養化を図る代表的な指標として利用されている。
《全りん(T-P)》
りんは、自然界では地殻を構成する岩石や土壌に含まれ、降雨などに伴い山林・田畑から流出し、水中を移動
する。また、人為的には、生活排水、工場排水及び畜産排水などに含まれている。全りんは、水中の様々な形態
の燐を全体として測定したものであり、湖沼や海域の富栄養化を図る代表的な指標として利用されている。
36
た
《窒素除去型浄化槽》
窒素除去能力を有する高度処理型の合併処理浄化槽をいう。
《透明度》
直径25cm~30cmの白色円板を水中に静かに沈めていった時、白色物体として識別できなくなった時の深さ
をいう。
な
《農業集落排水処理施設》
合併処理浄化槽と同じ機能を持っており、農業集落において、農業用排水の水質保全や機能維持を目的として、家庭
などからの排水を処理する施設をいう。
は
《BOD(生物化学的酸素要求量)》
Biochemical Oxygen Demand の略。水中の有機物が微生物の働きによって分解されるときに消費される酸
素の量で、河川の有機汚濁の程度を示す代表的な指標です。この値が大きいほど有機物が多く、汚れていること
を示している。
《富栄養化》
湖沼などの閉鎖性水域で、藻類や植物性プランクトンが、窒素やりんなどの栄養塩類を吸収し、太陽光線を受
けて増殖し、有機物を再生産していく現象のこと。本来は数千年かかるこの現象が、近年では、生活排水や肥料
などが流れ込むことによって急激に加速される。富栄養化になると、植物プランクトンが異常繁殖し、赤潮やア
オコが発生し、これが進むと、水中の溶存酸素が不足し、魚類や藻類が死滅し、水は悪臭を放つようになる。
《pH(水素イオン濃度指数)》
水の酸性とアルカリ性の度合いを示す指標。中性の水はpH7で、7より小さいものは酸性、7より大きなも
のはアルカリ性という。通常の淡水はpH7前後で、海水はややアルカリ性でpH8前後。pHは水中の化学的
作用や生物作用に大きな影響を与える。強い酸性やアルカリ性の水の中では微生物は活動できず、アルカリ側で
は金属の水酸化物が生成して透明度が下がったり、底泥の堆積量が増えやすく、酸性側では土壌や底泥中の重金
属類が溶出しやすくなる。
《プレジャーボート》
海、湖沼又は河川において行うスポーツやレクリエーション等のレジャーを主目的に使用されるヨット、ク
ルーザー、モーターボート、水上オートバイなどの船舶の総称で、漁船、貨物船以外の船舶をいう。
《閉鎖性水域》
外部との水の交換が少ない湖沼、内湾、内海などを指す。流入してくる汚濁物質が外部に流出しにくいため、
水質の汚濁が進みやすい性質がある。
出所:福島県猪苗代湖及び裏磐梯湖沼水環境保全推進計画
37
(表紙の写真の説明)
○猪苗代湖と磐梯山
(裏面のマーク説明)
○エコまつ
会津若松市の市章を基本に作成されたマークです。
名称は、「エコロジー」な「わかまつ」を表現しています。
会津若松市猪苗代湖水環境保全推進計画(改訂版)
編集発行
平成21年7月
会津若松市 市民部 環境生活課
〒965-8601 会津若松市東栄町3番46号
電話0242-39-1221 FAX0242-39-1420
HP:http://www.city.aizuwakamatsu.fukushima.jp/
E-mail:[email protected]
エコまつ
会津若松市
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