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国保東庄病院改革プラン

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国保東庄病院改革プラン
国保東庄病院改革プラン
平成21年3月
東庄町・国保東庄病院
1
2
国保東庄病院改革プラン
目
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
次
はじめに
1 改革プラン策定の背景 ・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・
2 公立病院を取り巻く環境 ・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・
(1) 国における制度改革 ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・
(2) 医師の不足 ・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・
(3) 看護師の不足 ・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・
(4) 医療技術の高度化と医 療ニーズの多様化 ・・・・・・・・・・・・・・・
(5) 療養型病床の見直し ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・
(6) 周辺の医療機関 ・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・
1
1
1
2
2
2
2
2
東庄病院の現状と課題
1 東庄病院の現状 ・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・
2 東庄病院が果たしてきた 役割 ・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・
3 東庄病院が抱える課題 ・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・
(1) 人口減少と少子高 齢化 ・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・
(2) 療養型病床の見直 し ・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・
(3) 安定した医師の確 保 ・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・
3
6
6
6
6
6
東庄病院が果たすべき 役割
1 果たすべき役割
(1) 地域に密着した病 院 ・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・
(2) 保健医療福祉の連携 ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・
(3) 救急医療の提供 ・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・
(4) 東総地域における医療 連携 ・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・
(5) 疾病構造変化への対応 ・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・
2 改革に向けた取り組み
(1) 医師・スタッフの 確保 ・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・
(2) 再編・ネットワーク 化 ・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・
(3) 経営形態の見直し ・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・
(4) 経営の効率化 ・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・
(5) 安心・安全な病院 ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・
(6) 患者さんの立場に 立った医療をめざ して ・・・・・・・・・・・・ ・・・
(7) 職員の意識改革 ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・
(8) 経営基盤の確保 ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・
(9) 経営状況の推計 ・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・
8
9
9
9
10
10
11
11
11
改革プランの点検・評 価・公表
点 検(内部点検) ・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・
評 価(外部点検・ 評価) ・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・
公 表 ・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・
14
14
14
Ⅳ
1
2
3
3
7
7
7
7
7
4
Ⅰ
1
はじめに
改 革 プ ラ ン策 定 の 背 景
近 年 、 全国 の 多 くの 公 立 病 院で 経 営 状 況の 悪 化 が進 展 し て いま す 。
ま た 、同時 に 医 師 や看 護 師 の不 足 も 進 行し 、医 療 提 供 体制 の 維 持 が非 常 に 厳
し い状 況 に な って い ま す。
こ のよ うな 状況 のも と総 務省 では 、平 成 19 年1 2月 に「 公立 病院 改 革
ガイ ドラ イン 」 を公 表し 、経 営 が悪 化し てい る 各地 の公 立病 院 で抜 本的 な
改 革が 実 施 さ れる よ う にす る た め 、平 成 2 0年 度 中 の 「公 立 病 院改 革 プ ラ ン」
策 定を 地 方 公 共団 体 に 義務 付 け ま した 。
「公立病院改革ガイドライン」では、公立病院がこれからも地域において
必要な医療を安定した経営のもとで継続して提供できるよう、地方公共団体
に地域と公立病院が置かれた実情を踏まえて公立病院の改革を求めています。
ま た 、 改 革 に あ た っ て は 「 経 営 の 効 率 化 」、「 再 編 ・ ネ ッ ト ワ ー ク 化 」、「 経
営形態の見直し」の3 つの視点に立った 改革を一体的に 推進することと
「 病院 改 革 プ ラン 」 の 公表 を 求 め てい ま す 。
国保東庄病院改革プランは、総務省「公立病院改革ガ イドライン」に
沿って、東庄町における地域医療、更には千葉県保健医療計画における香取
海匝保健医療圏(千葉県二次保健医療圏)内での国保東庄病院の位置づけ、
果たすべき機能、役割を明確にし、経営基盤を強化することで経営の安定化
を図 り、 継続 的 に良 質な 医療 を 地域 住民 の皆 様 に提 供で きる よ うに 本改 革
プ ラン を 策 定 する も の です 。
2
公 立 病 院 を取 り 巻 く環 境
(1 )
国 に お ける 制 度 改 革
病院事業における主たる収入源である医療費は、国が定める診療報酬の
算定基準に基づき、公立・民間病院の区別なく全国一律の単価が設 定され
て いま す 。
この 診療 報酬 によ り医 療の 方向 性が コ ント ロー ルさ れて いる と言 っ て
過言ではありません。ある意味、病院経営は国の医療施策に大きく 左右さ
れ る性 格 が あ ると 言 え ます 。
診 療 報 酬 の改 定 状 況
平 成1 2 年 度
変 化率
△ 1. 7 %
平 成1 4 年 度
△ 2. 7 %
-1-
平 成1 6 年 度
△ 1. 0 %
平 成1 8 年 度
△ 3. 16 %
(2 )
医 師 の 不足
これまで研修医(医師免許取得後2年間)は、出身大学の医局に所属
し、大学やその関連病院を中心に専門診療科のみで 研修を行なうことが
一 般的 で あ っ たた め 、 幅広 い 診 療 能力 を 身 に 付け る こ とが 困 難 で した 。
し かし 、平成 1 6 年 度に 創 設 され た 新 医 師臨 床 研 修 制度 に よ り、研 修医
に 複数 の 診 療 科で の 臨 床研 修 が 義 務付 け ら れ ると と も に 、研 修 先 を自 由 に
選 択で き る よ うに な り まし た 。
研 修医 の 多 く は、大 学病 院 で はな く 、症 例 が 多 く研 修 プ ロ グラ ム も 充実
し てい る 一 部 の病 院 へ 集中 し 、結 果的 に 医 師 不足 に 陥 っ た大 学 病 院が 関 連
病 院へ の 医 師 派遣 が 困 難と な り 、 各地 で 医 師 の不 足 が 発生 し て い ます 。
また、不規則な勤務時間、書類の作成など診療以外の業務など、繁忙
感 の高 ま り に 加え 、訴訟 の リ ス クと い っ た 勤務 医 師 を取 り 巻 く 労働 環 境 は
厳 しい も の が あり ま す。こ の よ うな こ と か ら開 業 医 を希 望 す る 医師 が 増 加
し てい ま す 。
( 3)
看護 師 の 不足
国においては看護師の手厚い配置が評価され、平成18年度の診療報酬
改 定で 7 対 1 入院 基 本 料が 創 設 さ れま し た 。
こ れに 伴 い 病 院間 で の 看護 師 の 獲 得競 争 が 起 こり 、全 国的 な 看 護 師不 足 に
つ なが っ て い ます 。
(4)
医 療技 術 の 高度 化 と 医 療ニ ー ズ の 多様 化
医療技術の進歩はめざましく、様々な高度先進医療技術の提供が可能に
なってきました。しかし、高度に専門化された技術を駆使するには 、高額
の医療機器や薬剤の購入が必要で、同時に専門医等の確保や育成が 必要と
な って き て い ます 。
また、医療ニーズという面では高度医療技術への期待やメディア、イン
ターネット等からの多種多様な情報によって健康や医療に対する関 心は高
ま る一 方 で す 。
(5)
療 養型 病 床 群の 見 直 し
国では、医療費の増加、治療程度の低い患者の長期入院などを抑制するた
め 介護 型 病 床 の削 減 転 換を 平 成 2 3年 度 末 ま でに 行 な うよ う 求 め てい ま す 。
(6)
周 辺の 医 療 機関
本院は、千葉県保健医療計画において香取海匝保健医療圏に属し、圏域内
の21病院(うち公立病院6)と各診療所と共に約32万人の人口を抱えて
い ます 。
ま た、町 内に は 本 院 のほ か 民 間に よ る 診 療所 が 4 院、歯 科 診療 所 4 院 が開 業
し てい ま す 。
-2-
Ⅱ
1
東庄病院の現状と課題
現
状
国 保東 庄 病 院 は 194 8 年 ( 昭 和 2 3 年 ) 診 療所 と し て 発足 し 、 195 5 年 ( 昭 和
30 年 )に 東庄 病 院 と なり 、19 96 年( 平 成 8 年 )か ら は 現 在の 地 に 新 築移 転
さ れま し た 。
一 般 病棟 ・ 療 養 病 棟を 持 ち 、 救 急か ら 外 来 ・ 入院 診 療 、 訪 問診 療 を 実 施 し、
介 護療 養 型 入 所・短 期入 所 に も 応じ て い ます 。ま た、東 庄 町保 健 福 祉総 合 セ ン
タ ー を併 設 し 、 そ の中 に あ る デ イサ ー ビ ス セ ンタ ー 、 訪 問 看護 ス テ ー シ ョン 、
地 域包 括 支 援 セン タ ー 、保 健セ ン タ ーと 協 力 し て医 療・保 健・福 祉・介 護 サ ー
ビ スを 総 合 的 に提 供 し、地 域 に密 着 し た 病院 と し て、重 要 な役 割 を 担っ て い ま
す。
現 在は 、常勤 医 師 4 名に よ る 診 療と 、整形 外 科 、眼 科 の 各 非常 勤 医 師 によ る
診 療に 併 せ 、千 葉 県 保健 医 療 計 画に お い て 香取 海 匝 保健 医 療 圏 に属 し 救 急 告示
病 院と し て 、 24 時 間 体制 で の 救 急患 者 の 受 け入 れ を 行っ て お り ます 。
ま た、千 葉県 2 次 保 健医 療 圏(香 取 海 匝)に お ける 中 核 的 な役 割 を 果 たし て
い る総 合 病 院 国保 旭 中 央病 院 の 支 援の も と 、緊 密 な連 携 を 維持 し 、地 域 住 民が
安 心で き る 医 療体 制 に 努め て い ま す。
-3-
直
(歳
近
入
4
関
年
の
東
庄
病
院
決
算
状
況
係)
区
分
1.標榜診療科
2.病床数
平成 16 年度
平成 17 年度
平成 18 年度
平成 19 年度
決算状況
決算状況
決算状況
決算状況
4科
4科
4科
4科
80 床
80 床
80 床
80 床
一般・療養型(医療型14・介護型34) 32 床・48 床 32 床・48 床
32 床・48 床 32 床・48 床
3.病床利用率
63.4%
74.5%
66.3%
69.3%
4.平均在院数
26.0 日
24.6 日
23.3 日
19.8 日
5.一日平均患者数(入院)
51 人
60 人
53 人
55 人
6.一日平均患者数(外来)
109 人
107 人
100 人
102 人
769,672
818,216
765,005
822,696
696,705
763,922
710,434
763,450
① 入院収益
317,144
353,623
329,458
345,221
② 外来収益
350,498
362,074
331,818
360,013
計
667,642
715,697
661,276
705,234
③ その他医業収益
29,063
48,225
49,158
58,216
−
−
−
−
72,253
54,265
54,571
58,965
(うち国・都道府県補助金)
1,084
−
−
−
(うち他会計補助・負担金)
69,562
52,523
52,892
54,235
714
29
−
281
−
−
−
−
7.総収益
(1) 医
診
( 千 円)
業
療
収
収
益
入
(うち 他会 計負 担金 )
(2) 医業外収益
(3) 特別利益
(うち他会計繰入金)
-4-
(歳
出
関
係)
区
分
8.総費用
(千 円)
平成 16 年度
平成 17 年度
平成 18 年度
平成 19 年度
決算状況
決算状況
決算状況
決算状況
876,563
870,059
851,374
871,563
799,578
815,049
797,639
816,193
① 職員給与費
380,833
384,304
379,716
383,270
② 材
240,821
238,494
235,896
249,846
199,569
197,372
197,606
209,414
36,148
34,873
32,502
33,574
③ 減価償却費
84,526
101,342
93,181
85,739
④ 経
92,466
89,607
87,550
96,059
47,086
48,020
46,667
53,937
⑤ 研究研修費
888
1,092
1,183
1,211
⑥ 資産減耗費
44
210
113
68
54,580
54,823
53,530
53,802
38,259
38,185
36,947
35,413
(3) 特 別 損 失
22,405
187
205
1,568
経 常 損 益
△ 85,200
△ 51,685
△ 86,164
△ 47,580
△ 106,891
△ 51,843
△ 86,369
△ 48,867
69,562
52,523
52,892
54,235
69,059
52,055
51,731
53,245
901,164
953,007
1,039,376
1,088,243
12.経 常 収 支 比 率
90.0%
94.1%
89.9%
94.5%
13.医 業 収 支 比 率
87.1%
93.7%
89.1%
93.5%
14.職
57 人
61 人
60 人
60 人
医 師 数
4人
4人
4人
4人
看 護 師
16 人
20 人
21 人
21 人
准看護師
6人
6人
4人
4人
医療技術員
7人
8人
8人
8人
事務職員
7人
6人
6人
6人
17 人
17 人
17 人
17 人
(1) 医業費用
料
費
(うち薬品費)
(うち薬品費以外の医薬材料費)
費
(うち委託料)
(2) 医業外費用
(うち支払利息)
9.純
利
益(千円)
10.当年度繰入金(千円)
うち基準内繰入金(千円)
11.累 積 欠 損 金
員
数
そ の 他(看護補助者・給食等)
-5-
2
東 庄 病 院 が果 た し てき た 役 割
東庄病院は一般病床32床、療 養型病床48床の計8 0床を備え、診療科
4科(内科、小児科、整形外科、眼科)に より、急性期医療から在宅医 療、
施 設介 護 ま で 地域 に 密 着し た 一 次 、二 次医 療 を 担 い 、2 4 時 間 体制 で 2 次 救急
医 療も 提 供 し てい ま す 。
他 にも 、生活 習 慣 病 の増 加 に 対応 す る た め糖 尿 病 教 育入 院 や 日帰 り 教 室、ニ
コ チン 依 存 症 管理 対 応 医療 な ど 予 防医 療 に も 力を 注 い でい ま す 。
ま た、町 の 保 健福 祉 総 合 セン タ ー と 一体 の 敷 地に あ る こ とか ら 、保 健・医 療・
福 祉・ 介 護 にお け る 連 携や 情 報 共 有 が円 滑 に 行 な える こ と を 活か し 、 町 に おけ
る 保健 ・ 医 療 ・福 祉 施 策の 中 心 的 役割 を 果 た して い ま す。
さ らに 平 成 8 年か ら は 国保 旭 中 央 病院 と の 連 携を 深 め るこ と で 、三 次 医療 と
の 掛け 橋 と し て、住 民に 安 心 感 を与 え る 存 在意 義 も 大き な も の とな っ て き てい
ま す。
3
東 庄 病 院 が抱 え る 課題
( 1)
人口 減 少 と少 子 高 齢 化
本 町 にお け る 人口 の 動 態 を見 る と 198 5 年 (昭 和 60 年 ) 以 降ほ ぼ 減 少 傾
向にあり、近年は毎年1%強の減少となっています。これに併せ少 子化と
急 激な 高 齢 化 が進 展 し てい ま す 。
このような人口構造の変化、特に高齢者の増加は、要治療者や要介護者
の増加に直結するだけでなく、町全体として医療費の増加にもつな がりま
す。
そ の よう な 意 味か ら も 積 極的 な 予 防 医療 が 望 まれ て い ま す。
(2 )
療 養 型 病床 の 見 直 し
現在、療養型病床48床については、医療型14床と介護型34床を運
営 して い ま す が、 国 の 制度 改 正 に 伴い 早 急 な 見直 し を 求め ら れ て いま す 。
(3) 安 定 し た 医師 の 確 保
現 在 、 4 人の 常 勤 医師 と 非 常 勤医 師 に よ り4 科 診 療を 行 な っ てい ま す 。
医 師 の 確 保に つ い ては 国 保 旭 中央 病 院 と の連 携 、支 援 の もと 、現 状 の 医師
確 保は で き て い るも の の 、 今 後も 地 域 に 安 定し て 医 療 を提 供 す る た めに は 、
更 なる 医 師 の 確保 が 欠 かせ ま せ ん 。
-6-
Ⅲ
1
東庄病院が果たすべき 役割
果たすべき役割
(1)
地域に密着した病 院
東庄町で唯一の公立病 院である東庄病 院は、今後も町 民にとって一番 身近な
医療機関として地域に密着 した安全で良質な 医療を安定的に継続 して提供でき
るよう努めてまいります。
(2)
保健医療福祉の連携
町保健福祉総合センターと ともに保健・医療・ 福祉から介護まで の各種サービ
スに関する提供、助言、指 導など様々な角度 から関わっていきま す。
(3)
救急医療の提供
千葉県保健医療計画に基づ く救急告示病院と して今後も救急患 者の受け入れ
を行なってまいります。
(4)
東総地域における医療 連携
国保旭中央病院との連携 を密にし、3次医 療との架け橋とし て、また、機能
の分担をはかり、地域の皆 さんが安心して掛 かれる身近な病院を 目指して病院
の改革に取り組みます。
(5)
疾病構造変化への対応
人々の生活習慣の変化 に伴い、疾病構 造も変化してきて います。近年は 生活
習慣病の増加が社会的に問 題となっています 。
こ の よ うな 生 活習 慣病 を 未然 に 予防 す るた め 、町 保 健福 祉 総合 セン タ ーと
協力して、町民の健康を保 持、増進するため 特定健康診査・特定 保健指導・人
間ドックなどを実施、強化 する取組みを行い ます。
-7-
2
改革に向けた取組み
(1)
医師・スタッフの 確保
当院では、地域に 安全で良質な医療 を安定的に継続して 提供していくこと を
目指していますが、安全で 良質な医療提供に は医師や医療関連 スタッフの確保
が欠かせません。今後も継 続して医師やスタ ッフの確保に努めま す。
◆
病院ホームページでの 医師等の募集活動 に取り組みます
内科常勤医、後期研修医 、非常勤医師の募 集を継続中
◆
国保東庄病院医師研究 資金貸付制度の活 用による募集活動を 展開します
平成20年4月から展開 中
概要
県外の医療機関等 に勤務する内 科医師のうち 医師免許取得 後5年以上診
療 に従 事 し た 者で 、東 庄 病院 に お い て常 勤 医 師 とし て 勤 務す る 意 思 のあ る 方
に 対し て 、国 保 東庄 病 院 への 転 任 に 伴い 実 施 す る地 域 医 療の 向 上 の ため の 研
究 に要 す る 資 金を 貸 し 付け る も の です 。
貸 付金 額 は 、 24 0 万 円/ 年 ∼ 最 高3 年 で 7 20 万 円 。
東 庄病 院 に お いて 医 師 の業 務 に 従 事し た 期 間 が、貸付 期 間 に 達し た と き は
免 除す る 制 度 です 。
◆
地域医療後期研修プロ グラムによる後期 研修医確保に努めま す
研修期間2年を 経過した医師 を後期研修医 として積極的 に受け入れま
す。
概要
町 保 健 福 祉総 合 セ ンタ ー を 併 設し て い る こと を 活 かし た 、予 防 、保健 衛 生、
福 祉、 介 護 まで の 幅 広 い対 応 か ら、 医 療 連 携に 基 づ き 症例 が 豊 富で 、 教 育 病
院としても有 名な国保 旭中央病 院での専 門研修が 受けられ るという研 修環
境 を活 か し 、地 域 の 第一 線 医 療 機関 に お け る幅 広 い 診療 が で き る高 い 臨 床 能
力 を有 し 、 介護 保 険 サー ビ ス と の連 携 や 保 健事 業 の 立案 と 実 行 など に 参 画 で
きるなど他職 種の人々 との良好 なコミュ ニケーシ ョンが取 れるように なる
こ とを 目 指 し てい ま す 。
ま た、 自 治医 科 大 学と の 関 係 も深 く 、自 治 医 科 大学 地 域 医療 後 期 研 修プ ロ
グ ラム の 地 域 研修 医 療 機関 に も 認 定さ れ て い ます 。
-8-
(2) 再編・ネットワーク化
千葉県保健医療計画に おける、香取海 匝保健医療圏内での 連携を図りながら、
東総地域医療連携の協議に 積極的に加わり、 機能分担を図りな がら病院間の連
携を更に密にします。
平成18年から東 総地域の4自治体 と公立病院間で連携 を協議中。
(3) 経営形態の見直し
公立病院改革ガイ ドラインでは経営 形態の見直しについ て、地方公営企業 法
の全部適用・地方独立行政 法人化・指定管理 者制度・民間譲渡 のパターンを例
として示しています。
当院がおかれている立地 条件(不採算地 区)の状況を勘案 して、今後は地 方
公営企業法の全部適用とし 、人事・予 算等に係る権限を病 院に付与すること で、
医師にも病院経営に積極的 に参画してもらう 体制とします。
目標
:
地方公営企業法 の全部適用
東総地域医療連 携協議との 整合性を図 りながら、 平成23年 度を
目標に平成21年度から検 討を開始する。
(4) 経営の効率化
公立病院として自立 した経営の下、地 域に安全で良質な医 療を継続的に提供
していくためには、経営の 効率化を図り、安 定した経営を行なう ことが欠かせ
ません。
安定経営を目指し、 次のような取組み を行ないます。
◆
経費の削減
医 薬 品 ・診 療 材料 費 の購 入 契約 方 法に つ い て、 一 般競 争 入札 の 導入 な ど
購入方法の検討とあわせ購 入価格の交渉力を 強化、あるいは薬品 数の絞り込
みなどにも配慮します。
また、管理体制にお いても新規採用 薬品のチェッ クの強化し、在 庫管理を
徹底するとともに後発薬品 の積極的な活用を 図るなど、材料費や 薬品費の削
減に努めます。
目標
:
医業 収益に占める材料 費の割合を30.0 %以内に抑制する 。
-9-
◆
職員手当の見直し
医師を除く職員の特 殊勤務手当の見 直しを行ない、 人件費の適正化 を図り
ます。
削減目標
◆
:
2,500 ,000円(平成 19年度に対して)
病床利用率の向 上
現在、一般病床 32床と療養型病床 48床を運営して いるが、稼働率70 %
前後で推移している。
今後は、各医療機関と の連携を深め、 紹介状等により 、医療機関同士 での
患者の流動化を図ると ともに、リハビ リテーション等 の適切な実施に より、
治療期間の短縮に努め回転 率向上を図ります 。
ま た 、 職員 の 接遇 や 対応 力 の強 化 、改 善 等を 図 り入 院 先と し て選 ば れる
病院経営に努めます。
(5) 安心・安全な病院
患者さんが安心 して、受診できる よう安全な医療を提 供できるよう、医 療
事故の防止や院内感染防止 に努めます。
また、近年懸念 されている新型イ ンフルエンザ等の重 篤な感染症発生時 を
想定して、発生時の患者受 け入れ体制などを 検討します。
(6) 患者さんの立場に 立った医療をめざ して
◆
インフォームド・ コンセント
患者さんが診療の目 的や内容・効果 、方針等を事 前に了解したう えで治療
を受けることは、医師と患 者の信頼関係を醸 成できるだけでなく 、治療過程
に予測さ れる 有害反 応(副 作用等 )な どを事 前に知 らせる こと ができ れば、
患者本人の適切な判断で治 療方法の選択もで きることとなります 。
こ の よ うに 事 前の 説 明に よ る医 師 と患 者 の 相互 理 解は 治 療効 果 の向 上 や
本人の利益保護という面で 期待できるものと 思われます。
患者さんの立 場に立っ た説明が事 前に十分 行なえる よう、今後 もイン
フォームドコンセントには 細心の注意を払い つつ実施します。
◆
診療日の見直し
病院に掛かりた くても仕事などの 関係で受診できない 方は、世の中に大 勢
いらっしゃることと思いま す。
このような方に も受診しやすい体 制を整えることがで きれば受診機会の 拡
大につながるものと思われ ます。
東庄病院では、 医師、スタッフの 体制を勘案しながら 土曜日の診療を検 討
します。
- 10 -
(7)
職員の意識改革
病院を訪れるほと んどの患者さんは 病気による苦痛と慣 れない場所での不 安
が入り混じり心細いことと 思われます。多く の高齢者の方は特 に不安が大きい
ことでしょう。
患者さんに対して、職 員から率先して あいさつや声かけ を行い、不安や 心細
さを少しでも取り除けるよ うに病院全体で接 遇の向上に心がけ、 身近な病院と
して安心して受診いただけ るように努めます 。
また、職員の意識改革 は接遇に限った ことではなく、経 費の節減や患者 さん
の増加につながるアイデア を提案するなど、 職員が一体となって 「自分たちの
病院は自分たちで改善して いく」という意識 のもと、意見交換が できる体制を
整え、身近なできることか ら改善していきま す。
目
標
:
病院内 に経営改善委員会 を設置
接遇 改善部会
コス ト改善部会
衛生 管理改善部会
勤務 (体制)改善部会
(8)
経営基盤の確保
地方公営企業法では、 公立病院は企業 として経済性を 発揮するととも に、そ
の本来の目的である公共の 福祉を増進するよ うに運営されなけれ ばならないと
されています。
東庄病院が安定的に良質な 地域医療を継続し て提供して「公共の福祉 の増進」
という役割を果たすために は、企業として経 済的にも自立した経 営がなければ
なりません。
しかし、効率的な運営 を行なってもな お不採算な部門 があります。町 民の理
解を得ながら、一般会計等 との経費負担を明 確にし、安定した経 営基盤の確保
のため、町の財政状況を勘 案しながら協議し て、不採算部門等の 経費負担を行
ないます。
(9)
経営状況の推計
今後、経営の安定化 を目指し様々な取 り組みを実施する ことで、経営の改
善を図ります。東庄病院の 将来を推計すると 次表のようになりま す。
- 11 -
東庄病院経営シュミレーシ ョン
(歳 入 部 門)
区
分
1.標榜診療科
2.病床数
一般・療養型
(医療型14・介護型34)
平成 20 年度
平成 21 年度
平成 22 年度
推計
推計
推計
平成 23 年度
推計
4
4
4
4
80 床
80 床
80 床
80 床
32 床・48 床 32 床・48 床 32 床・48 床 32 床・48 床
3.病床利用率
65.0%
72.5%
79.5%
82.0%
4.平均在院数
20.0 日
20.0 日
20.0 日
20.0 日
5.一日平均患者数(入院 )
52 人
58 人
64 人
66 人
6.一日平均患者数(外来 )
114 人
115 人
118 人
120 人
845,339
890,464
925,402
948,001
770,390
831,230
865,402
888,001
① 入院収益
327,000
364,730
388,138
396,295
② 外来収益
389,000
390,000
400,000
406,000
診療収入計
716,000
754,730
788,138
802,295
54,390
76,500
77,264
85,706
−
12,817
12,000
12,000
74,849
59,234
60,000
60,000
(うち国・都道府県補助金)
−
−
−
−
(うち他会計補助・負担金)
72,758
57,234
58,000
58,000
100
−
−
−
−
−
−
−
7.総収益 ( 千 円 )
(1) 医
業
収
益
③ その他医業収益
(うち他会計負担金)
(2) 医業外収益
(3) 特別利益
(うち他会計繰入金)
- 12 -
(歳 出 部 門)
区
分
平成 20 年度
推
平成 21 年度
推
計
計
平成 22 年度
推
計
平成 23 年度
推
計
885,568
927,124
935,323
921,096
834,768
874,996
884,603
871,624
① 職員給与費
372,000
409,392
413,446
417,539
② 材
271,000
275,332
282,244
266,400
197,220
212,795
221,543
227,328
(うち薬品費以外の医薬材料費)
33,897
36,574
38,078
39,072
③ 減価償却費
86,678
84,144
81,737
79,450
103,790
104,828
105,876
106,935
58,600
59,186
59,778
60,376
⑤ 研究研修費
1,200
1,200
1,200
1,200
⑥ 資産減耗費
100
100
100
100
50,000
52,128
50,720
49,472
34,156
32,332
30,726
29,278
(3) 特 別 損 失
800
−
−
−
経 常 損 益
△ 39,529
△ 36,660
9,921
26,905
利
△ 40,229
△ 36,660
△ 9,921
26,905
72,758
70,051
70,000
70,000
72,758
70,051
70,000
70,000
1,128,472
1,165,132
1,175,053
1,148,148
12.経 常 収 支 比 率
95.5%
96.0%
98.9%
102.9%
13.医 業 収 支 比 率
92.3%
95.0%
97.8%
101.9%
59 人
61 人
61 人
61 人
医 師 数
4人
5人
5人
5人
看 護 師
21 人
22 人
22 人
22 人
准看護師
3人
3人
3人
3人
医療技術員
8人
8人
8人
8人
事務職員
6人
6人
6人
6人
そ の 他
17 人
17 人
17 人
17 人
8.総費用 ( 千 円 )
(1) 医業費用
料
費
(うち薬品費)
④ 経
費
(うち委託料)
(2) 医業外費用
(うち支払利息)
9.純
益 (千 円 )
10.当年度繰入金 (千 円 )
うち基準内繰入金 ( 千円 )
11.累 積 欠 損 金
18.職
員
数
- 13 -
△
Ⅳ
改革プランの点検・評 価・公表
この改革プランを着実 に推進するため、 医師と職員が一体と なって目標達成に
向け取り組みます。
この取組みの進捗状況 を定期的に点検、 評価、公表します。
1
点
検(内部点検)
本改革プラン策定委 員会の構成員の役 職の者をメンバーと した、内部点検委 員
会を設置して毎年7月に点 検を実施します。
2
評
価(外部点検・ 評価)
外部からの点検・評 価として町国民健 康保険運営協議会に おいて毎年8月に 評
価を行ないます。
な お 、 改革 プ ラン の 評価 を 行な っ た結 果 、目 標 の 達成 が 著し く 困難 と 認め る
ときは、計画中であっても 改革プランの見直 しを行ないます。
3
公
表
毎年、計画の進捗状況をホ ームページ等で公 表します。
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