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リテーナ入りボールスプライン SLS/SLF

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リテーナ入りボールスプライン SLS/SLF
新製品
Caged Ball
Spline
リテーナ入りボールスプライン
SLS/SLF
ボールリテーナを採用。
高速・低騒音・長寿命を実現。
SLF形
SLS形
SLS-L形
CATALOG No.360-2
011-0026_H1.indd 1
12.10.5 1:07:01 PM
ボールリテーナ搭載。
Caged Ball
Spline
高速、低騒音、長寿命を実現。
THKの技術とノウハウを結集したリテーナ技術を、ボールスプラインへ展開しました。
ボールリテーナの採用により、整列循環運動を保持し高速対応を可能としました。また、
ボール同士の衝突や相互摩擦をなくし、低騒音、好音質、低発塵を実現。グリース保持力
の向上により、長期にわたるメンテナンスフリーも実現しています。
1
011-0026_P01-P02.indd 1
10.11.2 2:11:26 PM
ボールリテーナ採用による4つのメリット。
SLS形(中荷重形)
スプラインナット外 径 がストレ ートな
円筒 形 状で す。キーを用 いてハウジン
ボール同士の干渉音がない
ボール同士の干渉音が発生
グとの固定や、
トルク伝達が可能です。
高速対応
SLS/SLF形は、ボールリテーナの採用により整列循環運動を保持し、
高速対応を可能としたため、装置の高タクト化が可能となります。
低騒音、好音質、低発塵
SLS-L形(重荷重形)
SLS形と同一外径でスプラインナットを
長くした重荷重形です。スペースのない
SLS/SLF形は、ボールリテーナの採用により、ボール同士の衝突や相互
摩擦をなくし、低騒音、好音質、低発塵を実現しています。
箇所で大トルクを負荷する場合や、オー
バーハング荷重やモーメントがかかる
場合に最適です。
長期メンテナンスフリー
SLS/SLF形は、ボールリテーナの採用によるグリース保持能力の大幅な
向上により、長期メンテナンスフリーを実現しています。
滑らかな動作(小さい転がり変動)
SLS/SLF形は、ボールリテーナと新循環方式の採用により、小さい転がり
変動で安定したスムーズな動きを実現しています。
SLF形
ハウジングにボルトで固定できるフラン
ジ付タイプです。組付けが簡単でキーを
用いた固定に比べ、ハウジング長さを短
かくすることが可能です。
●SLS形
(SLS25
SLS30
SLS40
SLS50
SLS60
SLS70
SLS80
SLS100)
●SLS-L形(SLS25L
SLS30L
SLS40L
SLS50L
SLS60L
SLS70L
SLS80L
SLS100L)
●SLF形
SLF30
SLF40
SLF50
SLF60
SLF70
SLF80
SLF100)
(SLF25
2
011-0026_P01-P02.indd 2
10.11.2 2:11:27 PM
Caged Ball
Spline
[高速性]
■ 条件
試験機外観(高速耐久試験)
使用形番
SLS50
試験環境
22∼27.5℃
ストローク
1000mm
最高速度
200m/min
加減速度
5G(49m/s 2)
負荷荷重
軽予圧(CL)
潤滑剤
THK AFB-LFグリース
試験品外観
■試験結果
10000km走行で異常なし
[低騒音・好音質]
■ 条件
騒 音レベル比 較
SLF50/LBF50
ストローク
600mm
速度
30,50,100,150m/min
測定機器
騒音計
[dBA]
使用形番
試験機概要
近接センサ
騒音計
試験品
[m/min]
駆動装置
[低発塵]
使用形番
SLF50CL+350LP/LBS50CL+350LP
最高速度
30m/min
加速度
2.84m/s2
測定器
ストローク
200mm
空気供給量
1ℓ/200sec
潤滑剤
THK AFE-CAグリース
使用機器
パーティクルカウンタ
試験品
ボールスプラインL B S形(総ボール)
500
400
300
200
232
160
180
124
146
96
84
100
54
46
21
0
0.1以上
0.15以上
0.2以上
試験機外観
0.3以上
0.5以上
発塵量
[個/200秒・リットル]
発塵量
[個/200秒・リットル]
■ 条件
アクチュエータ
最大値
平均値
リテーナ入りボールスプラインS L F 形
500
400
300
200
100
32
25
12
9
21
7
16
9
4
2
0
0.1以上
0.15以上
粒子径
[μm]
0.2以上
0.3以上
0.5以上
粒子径
[μm]
[滑らかな動作(小さい転がり変動)]
転がり抵抗 試 験
■ 条件
SLF50
20
SLF50
速度
10mm/sec
負荷荷重
中予圧(CM)
潤滑剤
THK AFB-LFグリース
15
転がり抵抗
[N]
使用形番
1.5[N]
10
5
0
-5
-10
-15
-20
0
100
200
300
400
500
600
700
800
900
ストローク
[mm]
3
011-0026_P03-P14.indd 3
10.11.10 10:26:27 AM
製品概要
リテーナ入りボールスプライン〈SLS/SLF〉
精度規格
表2 A
表1
表2 B
AB
スプライン外筒
表3 A
A
表3 B
B
部品取付部
部品取付部
支持部
スプライン部
支持部
表4 AB
表1 スプライン軸の支 持 部に対するスプライン外筒外 径 の振れ
精度
振れ(MAX)
[μm]
呼び軸径
25,30
40,50
60,70,80
100
スプライン軸全長(mm)
こえる
以下
並
上
精
並
上
精
並
上
精
並
上
精
ー
200
53
32
18
53
32
16
51
30
16
51
30
16
200
315
58
39
21
58
36
19
55
34
17
53
32
17
315
400
70
44
25
63
39
21
58
36
19
55
34
17
400
500
78
50
29
68
43
24
61
38
21
57
35
19
500
630
88
57
34
74
47
27
65
41
23
60
37
20
630
800
103
68
42
84
54
32
71
45
26
64
40
22
800
1000
124
83
ー
97
63
38
79
51
30
69
43
24
1000
1250
ー
ー
ー
114
76
47
90
59
35
76
48
28
1250
1600
ー
ー
ー
139
93
ー
106
70
43
86
55
33
1600
2000
ー
ー
ー
ー
ー
ー
128
86
54
99
65
40
2000
2500
ー
ー
ー
ー
ー
ー
156
ー
ー
117
78
49
2500
3000
ー
ー
ー
ー
ー
ー
ー
ー
ー
143
96
61
表2 軸の支 持 部に対する軸 部 端 面の直 角度
精度
表3 軸の支 持 部に対する部 品 取付部の同 軸 度
直角度(MAX)
[μm]
呼び軸径
並級
上級(H)
25,30
33
13
精度
精密級(P)
9
同軸度(MAX)
[μm]
呼び軸径
並級
25,30
53
上級(H)
精密級(P)
22
13
15
40,50
39
16
11
40,50
62
25
60,70,80
46
19
13
60,70,80
73
29
17
100
54
22
15
100
86
34
20
表4 軸の支 持 部に対するフランジ 取付面の直 角度
精度
直角度(MAX)
[μm]
呼び軸径
並級
25,30
39
上級(H)
精密級(P)
16
11
13
40,50
46
19
60,70,80
54
22
15
100
63
25
18
4
011-0026_P03-P14.indd 4
10.11.10 10:26:29 AM
製品概要
リテーナ入りボールスプライン〈SLS/SLF〉
回転方向すきま
ボールスプラインでは、円周方向のすきまの総和を回転方向すきまとして規格化しています。すきまの値は、それぞれ軸径ご
とに規格化されているため、使用条件に合わせたすきまの選定が行えます。詳しくは総合カタログをご参照ください。
表5 回 転 方 向すきまの 測 定
単位:μm
呼び軸径
回転方向すきま
回転方向すきま
普通
CL
CM
-6∼-10
25,30,40
+1∼-2
-2∼-6
50,60
+2∼-4
-4∼-8
-8∼-12
70,80,100
+4∼-8
-8∼-12
-12∼-20
スプライン軸最大製作長さ
表6 S L S/S L F 形スプライン軸 最 大製 作 長さ
単位:mm
呼び軸径
最大製作長さ:L
並級(無記号)
上級(H)
精密級(P)
25
2000
1500
1000
30
2000
1600
1250
40
2000
2000
1500
50
3000
2000
1500
60
4000
2000
2000
L
70
4000
2000
2000
80
4000
2000
2000
100
4000
3000
3000
材質:S55C相当
硬度:H R C58∼64
スプライン軸断面形状
表7 S L S/S L F 形スプライン軸 断 面 形状
単位:mm
中空軸
質量
質量
[kg/m]
[kg/m]
3.51
2.62
25
大径
φD 0
h7
25
ボール
中心径
φdp
25.2
30
30
30.2
25.8
16
5.05
40
40
40.6
35.2
22
9.18
6.19
50
50
50.6
44.4
25
14.45
10.59
60
60
61.0
54.0
32
21.23
14.90
呼び軸径
小径
φd
穴径
φd 4
21.6
12
dp
φ
dp
φ
φd
φd
φd4
3.47
70
70
71.0
62.8
ー
28.57
ー
80
80
80.8
71.3
52.5
37.49
20.48
100
100
101.2
90.0
67.5
58.97
30.85
φD
0
φD
0
スプライン軸断面形状 標準中空スプライン軸断面形状
5
011-0026_P03-P14.indd 5
12.10.5 1:30:48 PM
取付方法
スプラインナットとハウジングとのはめあいは、一般的に
中間ばめとします。ボールスプラインの精度をさほど必要
としない場合は、すきまばめを推奨します。
ハウジング
内径公差
一般的な使用条件
H7
すきまをおさえる場合
J6
SLS形の取付け
SLF形の取付け
●スプラインナット取付例
●スプラインナット取付例
スナップリングによる取付け
フランジによる取付け
押さえフランジによる取付け
取付け時の注意
●リテーナ入りボールスプラインSLS形のスプラインナットの両端は、樹
脂製のエンドキャップです。
叩いたり・強く押し付けたりすると破損する場合がありますので、無理
な荷重を加えないように注意が必要です。
●スプラインの軸方向の固定強度はさほど必要ありませんが、打込みだ
けで保持させることは避けてください。
止め板による取付け
スプライン軸の強度設計
ボールスプラインのスプライン軸は、ラジアル荷重やトルクを受けることができる複合軸ですが、荷重やトルクが大きい場合
は、スプライン軸の強度を考慮する必要があります。
表8 スプライン軸の断 面 特 性
中実軸
断面2次モーメント
I mm4
1.61×104
断面係数
Z mm3
1.29×103
極断面2次モーメント
IP mm4
3.22×104
極断面係数
ZP mm3
2.57×103
中空軸
1.51×104
1.20×103
3.01×104
2.41×103
中実軸
3.33×104
2.22×103
6.65×104
4.43×103
中空軸
3.00×104
2.00×103
6.01×104
4.00×103
中実軸
1.09×105
5.47×103
2.19×105
1.09×104
中空軸
9.79×104
4.90×103
1.96×105
9.79×103
中実軸
2.71×105
1.08×104
5.41×105
2.17×104
中空軸
2.51×105
1.01×104
5.03×105
2.01×104
中実軸
5.83×105
1.94×104
1.17×106
3.89×104
中空軸
5.32×105
1.77×104
1.06×106
3.54×104
中実軸
1.06×106
3.02×104
2.11×106
6.04×104
中実軸
1.82×106
4.55×104
3.64×106
9.10×104
中空軸
1.45×106
3.62×104
2.90×106
7.24×104
中実軸
4.50×106
9.00×104
9.00×106
1.80×105
中空軸
3.48×106
6.96×104
6.96×106
1.36×105
呼び軸径
25
30
40
50
60
70
80
100
6
011-0026_P03-P14.indd 6
10.11.10 10:26:30 AM
製品概要
リテーナ入りボールスプライン〈SLS/SLF〉
[曲げを受けるスプライン軸]
ボールスプラインのスプライン軸に曲げ荷重が作用する場合、
(1)式によりスプライン軸径を求めます。
M =σ • Z および Z =
M
σ
M:曲げ
モーメント
…………(1)
M : スプライン軸に作用する最大曲げモーメント[N・mm]
σ : スプライン軸の許容曲げ応力[98N/mm2]
Z : スプライン軸の断面係数[mm3]
[ねじりを受けるスプライン軸]
ボールスプラインのスプライン軸にねじり荷重が作用する場合、
(2)式によりスプライン軸径を求めます。
T
T =τa• Z P および Z P=
τa
T:ねじりモーメント
…………(2)
T : 最大ねじりモーメント[N・mm]
τa : スプライン軸の許容ねじり応力[49N/mm2]
Z p : スプライン軸の極断面係数[mm3]
[ねじりと曲げを同時に受ける場合]
ボールスプラインのスプライン軸に曲げ荷重とねじり荷重が同時に作用する場合、相当曲げモーメント(M e)と相当ねじりモ
ーメント(Te)を考えて、別々にスプライン軸の太さを計算し、その大きい方の値をとります。
相当曲げモーメント
2
2
M+ M +T
M
Me =
=
2
2
T
M
2
()
1+ 1+
…………(3)
Me = σ • Z
相当ねじりモーメント
2
Te = M +T
2
T
M
2
()
= M• 1 +
…………(4)
T e = τa • Z p
[スプライン軸のこわさ]
スプライン軸のこわさは、スプライン軸の長さ1mに対するねじれ角で表され、1°/4ぐらいに制限します。
T•L
G•IP
θ= 57.3
軸のこわさ =
ねじれ角
単位長さ
=
θ
・l
L
L
…………(5)
l
<
1°
4
A
B
θ
B'
l
θ : ねじれ角[°]
l : 単位長さ[1000mm]
L : スプライン軸長さ[mm]
I p : 極断面2次モーメント[mm4]
G : 横弾性係数[7.9×10 4N/mm2]
7
011-0026_P03-P14.indd 7
10.11.10 10:26:31 AM
[スプライン軸のたわみとたわみ角]
ボールスプラインのスプライン軸のたわみとたわみ角は、それぞれの条件に合った計算式を用い算出する必要があります。表
9、表10にそれぞれの条件における計算式を示します。
表9 たわみ・たわみ角計算式
支持
方法
両
端
自
由
両
端
固
定
δmax
たわみ計算式
i
P
たわみ角計算式
Pl
48EI
2
l
3
δmax =
l
δmax
l /2
P
i
等分布荷重 p
2
δmax =
l
等分布荷重 p
δmax =
l
5p
l
i
l
i
i
i
i
i
i
l
4
384EI
pl
i
l
Pl
192EI
3
δmax =
l
δmax
両
端
固
定
l /2
δmax
両
端
自
由
使用条件
l
i
l i
4
384EI
i
i
1
=0
2
=
1
=0
2
=0
2
=
2
=0
Pl
2
16EI
pl
3
24EI
表10 たわみ・たわみ角計算式
支持
方法
P
一
端
固
定
l
1
l /2
i
1
δmax
M0
l
i
2
M0
l
M0 l
216EI
2
2
i
i
l
i
l
i
i
l
l
i
i
2
=0
1
=
2
=0
pl
6EI
1
=
M0 l
12EI
2
=
M0 l
24EI
1
=
M0 l
16EI
2
=0
i
i
l
=
3
i
l
1
: 支持点におけるたわみ角
: モーメント[N・mm]
P : 集中荷重[N]
l
: スパン[mm]
p
I
: 断面2次モーメント[mm4]
E : 縦弾性係数2.06×10 5[N/mm 2]
1
3M0 l
δmax =
216EI
δmax =
M0
i
i
i
2
l
i
i
pl
8EI
Pl
2EI
2
i
l
1
δmax
i
i
l
i
4
δmax =
δmax
δmax
δmax : 最大たわみ[mm]
l /2
i
Pl
3EI
1
l
δmax
両
端
固
定
i
たわみ角計算式
3
δmax =
等分布荷重p
一
端
固
定
両
端
自
由
たわみ計算式
δmax
使用条件
: 等分布荷重[N/mm]
: 荷重作用点におけるたわみ角
8
011-0026_P03-P14.indd 8
10.11.10 10:26:32 AM
製品概要
リテーナ入りボールスプライン〈SLS/SLF〉
[スプライン軸の危険速度]
ボールスプライン軸を回転させ動力伝達用に使用する場合、スプライン軸の回転数が高くなるとスプライン軸の固有振動数
に近づき、共振をおこして運動不能になることがあります。従って、最高回転数は危険速度以下の回転数として共振を生じな
い程度におさえる必要があります。危険速度は(6)式により求められます。
(安全係数として0.8を乗じてあります。)
共振点をこえて使用する場合や、共振点付近で使用する場合は、スプライン軸径を再検討する必要があります。
●危険速度
固定
2
Nc =
自由
3
60λ
E 10 • I
2 •
lγ• A
2π• l b
0.8
…(6)
固定―自由
Nc :
lb :
E :
I :
危険速度[min -1]
取付間距離[mm]
ヤング率[2.06×10 5N/mm2]
軸の最小断面2次モーメント[mm4]
支持
支持
支持―支持
π
I = d 4
64
d:小径[mm]
固定
支持
γ : 密度(比重)
[7.85×10 -6kg/mm3]
π
A = d 2
4
固定―支持
d:小径[mm]
A : スプライン軸断面積[mm2]
λ : 取付方法による係数
(1)固定 ‒ 自由 λ=1.875
(2)支持 ‒ 支持 λ=3.142
(3)固定 ‒ 支持 λ=3.927
(4)固定 ‒ 固定 λ=4.73
固定
固定
固定―固定
9
210-0112_P03-P14.indd 9
12.10.10 9:23:32 AM
寿命の予測
[定格寿命]
ボールスプラインの寿命は、同じように製作されたものを同一運転条件で使用しても、バラツキがあります。このためボールス
プラインの寿命を求める目安として、つぎのように定義された定格寿命を使用します。
定格寿命とは、一群の同じボールスプラインを同じ条件で個々に運動させたとき、そのうちの90%がフレーキング(金属表面
のうろこ状のはく離)をおこすことなく到達できる総走行距離をいいます。
[定格寿命の算出]
ボールスプラインは、トルクを負荷しながら運動する場合と、ラジアル荷重を負荷しながら運動する場合およびモーメントを
負荷した場合に分けられ、定格寿命は(7)∼(10)式によりそれぞれ求められます。
(各負荷方向の基本定格荷重は各形番
の寸法表中に記載されています)
●トルク負荷の場合
Pc
fT• fC CT
•
L=
fW
TC
(
N
Tc
N•m
3
)
50
………(7)
●ラジアル荷重負荷の場合
fT • fC C
•
L=
PC
fW
(
L :
CT :
TC :
C :
3
)
定格寿命[km]
基本動定格トルク[N・m]
計算負荷トルク[N・m]
基本動定格荷重[N]
50
PC :
fT :
fC :
fW :
………(8)
計算ラジアル荷重[N]
温度係数
接触係数
荷重係数
●トルクとラジアル荷重を同時負荷の場合
トルクとラジアル荷重を同時に負荷する場合は、
(9)式により等価ラジアル荷重を求めて定格寿命を算出します。
3
4•TC 10
PE = PC +
i
•dp•cosα
i
………(9)
PE
: 等価ラジアル荷重[N]
cosα : 接触角 =負荷条数
40° 3
dp
: ボール中心径[mm]
i
10
011-0026_P03-P14.indd 10
10.11.10 10:26:33 AM
製品概要
リテーナ入りボールスプライン〈SLS/SLF〉
●スプラインナット1個または2個密着使用でモーメント負荷の場合
(10)式により等価ラジアル荷重を求めて定格寿命を算出します。
Pu = K•M
………(10)
Pu : 等価ラジアル荷重[N]
(モーメント負荷による)
K : 等価係数 (表11参照)
M : 負荷モーメント[N・mm]
ただし、Mは静的許容モーメント内とします。
●モーメントとラジアル荷重を同時負荷の場合
ラジアル荷重と等価ラジアル荷重の総和より定格寿命を算出します。
■モーメント等価係数
表11 S L S/S L F 形モーメント等 価 係 数
呼び形番
スプラインナット1個
スプラインナット2個密着
SLS/SLF25
SLS25L
0.187
0.148
0.030
0.027
SLS/SLF30
SLS30L
0.153
0.129
0.027
0.024
SLS/SLF40
SLS40L
0.114
0.102
0.021
0.019
SLS/SLF50
SLS50L
0.109
0.091
0.018
0.017
SLS/SLF60
SLS60L
0.080
0.072
0.015
0.014
SLS/SLF70
SLS70L
0.101
0.076
0.016
0.014
SLS/SLF80
SLS80L
0.083
0.072
0.013
0.012
SLS/SLF100
SLS100L
0.068
0.056
0.011
0.010
●寿命時間の算出
前記の式で定格寿命(L)が求められるとストローク長さと毎分往復回数が一定の場合、寿命時間は(11)式により求められます。
L =
L
103
n1 60
………(11)
h
2
lS
L h : 寿命時間[h]
l S : ストローク長さ[m]
n1 : 毎分往復回数[min -1]
11
011-0026_P03-P14.indd 11
12.10.5 1:30:54 PM
■fT:温度係数
リテーナ入りボールスプラインの使用温度は通常80℃以下のため、fT=1.0になります。
■fC:接触係数
表12 接 触 係 数(f c )
直動案内をするスプラインナットを密着状態で使用する場合、モーメント荷重や
取付面精度が影響して均一な荷重分布を得ることが難しくなります。このために
密着時のスプラインナット数
接触係数fc
2
0.81
複数のスプラインナットを密着使用する場合は、表12の接触係数を基本定格荷
重(C)、
(C 0)に乗じてください。
3
0.72
4
0.66
5
0.61
通常使用
1
注)大型の装置に不均一な荷重分布が予想される場合は表12の接触係数を考慮してく
ださい。
■fW:荷重係数
表13 荷 重係 数(f w)
一般的に往復運動をする機械は、運転中に振動や衝撃を伴うものが多く、特に
高速運転時に発生する振動や、常時繰返される起動停止時の衝撃などのすべて
振動・衝撃
速度(V)
fw
微
微速の場合
V≦0.25m/s
1∼1.2
小
低速の場合
0.25<V≦1m/s
1.2∼1.5
中
中速の場合
1<V≦2m/s
1.5∼2
大
高速の場合
V>2m/s
2∼3.5
を正確に求めることは困難です。実際にボールスプラインに作用する荷重が得ら
れない場合や、速度・振動の影響が大きい場合は、経験的に得られた表13の荷
重係数を基本定格荷重(C)、
(C 0)に除してください。
●静的安全係数の算出
ボールスプラインに作用する荷重を算出する場合は、寿命計算に使う平均荷重と、静的安全係数の算出に使う最大荷重を算出する必要があります。特に、起動
停止が激しい場合や、切削荷重が作用する場合、オーバーハング荷重によるモーメントが大きく作用する場合などには、思わぬ大荷重が作用することがありま
す。形番を選定する際には、その最大荷重(停止時、動作時にかかわらず)に対して適しているかどうか、
(12)式により静的安全係数を算出し、確認してくださ
い。静的安全係数の基準値を表14に示します。
f=
C0
Pmax
………
(12)
s
fS
C0
Pmax
: 静的安全係数
: 基本静定格荷重[N]
: 最大負荷荷重[N]
※基本静定格荷重とは最大応力を受けている接触部において、転動体の永久変形量と転動面の永久変形量との和が、転動体の直径の0.0001倍になるような方向と大きさの一定した静
止荷重を言います。
表14 静 的安 全 係 数(f S )基 準値
使用機械
一般産業機械
工作機械
荷 重 条 件
fSの下限
振動・衝撃のない場合
1.0∼3.5
振動・衝撃が作用する場合
2.0∼5.0
振動・衝撃のない場合
1.0∼4.0
振動・衝撃が作用する場合
2.5∼7.0
※静的安全係数の基準値は、使用環境、潤滑状態、取り付け部の精度や剛性等の使用条件により異なる場合があります。
12
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10.11.10 10:26:34 AM
寸法表
リテーナ入りボールスプライン〈SLS/SLF〉
l0 b
L
φD
φD0
t
3-φd0
(給脂穴)
●SLS形(ストレートタイプ)
単位:mm
スプラインナット
外径
長さ
呼び形番
D
SLS25
SLS25L
37
SLS30
SLS30L
45
SLS40
SLS40L
60
SLS50
SLS50L
75
SLS60
SLS60L
90
SLS70
SLS70L
100
SLS80
SLS80L
120
SLS100
SLS100L
140
許容差
0
-0.016
0
-0.019
0
-0.022
L
b
H8
t
+0.1
0
l0
d0
給脂穴
基本定格トルク
基本定格荷重
CT
[N・m]
CoT
[N・m]
C
[kN]
静的許容モーメント
Co
M A1
M A2
[kN] [N・m] [N・m]
スプライン スプライン
ナット
軸
[kg] [kg/m]
5
3
33
2
25
219.9
261.9
306.8
394.5
18.2
21.7
22.5
29.0
136
220
851
1203
0.15
0.18
3.51
70
80
7
4
41
3
30
366.5
416.4
513.3
616.0
25.4
28.9
31.5
37.8
233
330
1341
1803
0.30
0.34
5.05
10
4.5
55
3
40
818.9
890.0
1135.4
1277.3
42.8
46.5
52.5
59.1
520
652
2801
3529
0.69
0.79
9.18
15
5
60
4
50
1373.4
1571.2
1783.1
2165.2
57.6
65.9
66.2
80.4
687
996
4156
5349
1.30
1.47
14.45
3321.0
3736.2
87.8
95.3
103.0
115.8
1452
1820
7733
9570
2.25
2.50
21.23
90
100
100
112
0
-0.3
127
140
18
6
68
4
60
2506.7
2723.2
110
135
18
6
68
4
70
2986.3
3708.4
3474.7
4738.2
89.7
111.4
92.5
126.1
1038
1867
6392
10135
2.13
2.71
28.57
20
7
80
5
80
4664.6
5195.3
5477.4
6390.4
122.8
136.8
127.7
148.9
1739
2327
11482
14491
4.22
4.77
37.49
28
9
93
5
100
8922.3
10424.4
10211.6
12764.6
188.2
219.8
190.7
238.4
3155
4816
19118
26463
5.20
6.22
58.97
160
185
0
-0.4
M A2
M A1
呼び 形 番 の 構 成 例
質量
60
70
140
155
0
-0.025
許容差
スプライン
軸径
D0
h7
キー溝寸法
2
SLS50
呼び形番
UU
CL
+7 0 0 L
回転方向すきま記号
(P.5参照)
防塵用部品記号
無記号:
シールなし
UU:両側ゴムシール付き
U:片側ゴムシール付き
P
精度記号
(P.4参照)
K
スプライン軸記号
無記号:中実スプライン軸
K:中空スプライン軸
スプライン軸全長
(mm表示)
1軸に付くスプライン外筒の個数
(1個の場合は表示しない)
13
011-0026_P03-P14.indd 13
10.11.10 10:26:34 AM
L
F
H
φD
φD0
φD1
φd2
φd1
h
D
PC
3-φd0
(給脂穴)
●SLF形(フランジタイプ)
単位:mm
スプラインナット
外径
長さ
フランジ径
許容差
L
許容差
H
F
PCD
取付穴
d1×d 2×h
2
9
21
47
5.5×9.5×5.4
25
219.9
306.8
18.2
22.5
136
851
0.26
3.51
3
10
25
54
6.6×11×6.5
30
366.5
513.3
25.4
31.5
233
1341
0.45
5.05
90
3
14
31
72
9×14×8.6
40
818.9 1135.4
42.8
52.5
520
2801
1.06
9.18
113
4
16
34
91
11×17.5×11
50
1373.4 1783.1
57.6
66.2
687
4156
1.90
14.45
4
18
45.5 107 11×17.5×11
60
2506.7 3321.0
87.8 103.0
1452
7733
3.08
21.23
4
20
47.5 117
70
2986.3 3474.7
89.7
1038
6392
3.25
28.57
5
22
48
138 16×23×15.2
80
4664.6 5477.4 122.8 127.7
1739 11482
5.82
37.49
5
25
55
162 18×26×17.5
100
8922.3 10211.6 188.2 190.7
3155 19118
7.66
58.97
D1
SLF25
37
SLF30
45
SLF40
60
90
SLF50
75
0
100
-0.019
SLF60
90
127
129
SLF70
100
110
142
SLF80
120
SLF100
140
0
-0.016
0
-0.022
60
60
70
70
140
0
160
-0.025
0
-0.3
許容差
0
-0.2
0
-0.3
168
0
-0.4
質量
スプライン 基本定格トルク 基本定格荷重
軸径
スプライン スプライン
D0
CT
CoT
C
Co
M A1
M A2
ナット
軸
h7
[N・m] [N・m] [kN] [kN] [N・m] [N・m]
[kg] [kg/m]
給脂穴
呼び形番
D
静的許容
モーメント
195
0
-0.4
d0
14×20×13
92.5
M A2
M A1
呼び 形 番 の 構 成 例
2
S LF5 0
呼び形番
UU
CL
+7 0 0 L
回転方向すきま記号
(P.5参照)
防塵用部品記号
無記号:
シールなし
UU:両側ゴムシール付き
U:片側ゴムシール付き
P
精度記号
(P.4参照)
K
スプライン軸記号
無記号:中実スプライン軸
K:中空スプライン軸
スプライン軸全長
(mm表示)
1軸に付くスプライン外筒の個数
(1個の場合は表示しない)
14
011-0026_P03-P14.indd 14
10.11.10 10:26:35 AM
リテーナ入りボールスプライン SLS/SLF
ご使用上の注意点
●スプライン外筒とスプライン軸について
・スプライン外筒をスプライン軸からむやみに外さないでください。やむを得ず外した場合に再度セットする際には、 スプライン外
筒内のボール位置とスプライン軸の溝位置を合わせ、スプライン外筒に対して真直ぐにゆっくりスプライン軸を挿入してください。
スプライン軸が斜めになった状態で挿入しますと、ボールが飛び出したり、循環部品を破損する場合がありますのでご注意下さい。
・挿入の際、途中でひっかかる場合には無理をせず、一度抜いて、ボール位置とスプライン軸の溝位置を再度確認して、真直ぐ
にゆっくりと挿入してください。
・スプライン外筒とスプライン軸をセットした際には、スプライン外筒またはスプライン軸がスムーズに動作するか確認してく
ださい。無理に挿入した場合には、外観に破損が見られなくとも機能の損失が考えられますので、ご注意ください。
●取扱いについて
・各部を分解しないでください。ごみの侵入や各部の組み立て精度を悪くする原因になります。
・スプライン外筒とスプライン軸がセットされた状態でスプライン外筒またはスプライン軸を傾けますと、自重で落下する場合
がありますので、ご注意ください。
・ボールスプラインを落下させたり、叩いたりしないでください。破損することがありますのでご注意ください。また、衝撃を
与えた場合、外観に破損が見られなくとも機能の損失が考えられますので、ご注意ください。
●潤滑について
・防 油をよく拭き取り、潤滑剤を封入してからお使いください。
・性状の異なる潤滑剤を混合しての使用は避けてください。
・常に振動が作用する箇所、クリーンルーム、真空、低温・高温など特殊環境下での使用は、通常の潤滑剤を使用できない場合
がありますので、THKまでお問い合わせください。
・特殊な潤滑剤を使用される場合は、THKまでお問い合わせください。
・油潤滑にて使用される場合、外筒の取付姿勢によっては、潤滑油が行き渡らないことがありますので、THKまでお問い合わせください。
・給脂間隔は使用条件により異なりますので、THKまでお問い合わせください。
●使用上について
・異物が侵入すると、ボール循環部品の破損や機能の損失を引き起こしますので、ごみ、切り粉など異物の侵入は防止してください。
・クーラントが外筒内部に侵入するような環境下で使用される場合は、クーラントの種類によって製品の機能に支障をきたす場
合がありますので、THKまでお問い合わせください。
・80℃を超えての使用は避けてください。80℃を超えて使用されたい場合は、THKまでお問い合わせください。
・ごみ、切り粉などの異物が付着した場合は、洗浄した後、潤滑剤を再封入してください。使用する洗浄液の種類は、THKまでお問い合わせください。
・常に振動が作用する箇所、クリーンルーム、真空、低温・高温などの特殊環境下で使用される場合は、THKまでお問い合わせください。
・外筒をシャフトから抜いて再度組付ける場合は、ボールが脱落する可能性がありますので、取扱いには十分注意してください。
・フランジ付きボールスプラインにノック穴等の追加工を行う場合は、THKまでお問い合わせください。
●保管について
・ボールスプラインは、弊社の梱包および荷姿で、高温、低温、多湿を避け、水平な状態で保管してください。
●「LMガイド」
「ボールリテーナ」
「
®
」はTHK株式会社の登録商標です。
●本カタログ記載の図・写真と実際の製品とでは異なる場合があります。
●改良のため予告なしに外観、仕様等変更することがありますので、ご採用の時は事前にお問い合わせください。
●カタログの制作には慎重を期しておりますが、誤字・脱字等により生じた損害については、責任を負いかねますのでご了承ください。
●弊社製品・技術の輸出及び輸出の為の販売につきましては、外国為替及び外国貿易法、及びその他の法令の遵守を基本方針としております。
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