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金融行政の取組みについて~ファンド業務を中心として

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金融行政の取組みについて~ファンド業務を中心として
金融行政の取組みについて
~ファンド業務を中心として~
平成23年12月8日
金融庁監督局 証券課長
有泉 秀
○ 証券会社数の推移
・証券会社数は、バブル期を経て概ね横ばいに推移。
・金商法施行(平成19年9月30日)に伴って増加し、平成20年にピーク。
・その後、リーマンショック等以降、低下傾向となっている。
350
300
272
270
267
265
268
元
2
3
4
5
282
285
288
294
288
297
296
290
298
281
266
269
15
16
310
318
319
301
284
250
200
150
100
50
0
6
7
8
9
10
11
12
13
14
17
18
19
20
21
22
1
○ 株式市況と証券会社の損益の推移
(売買代金:億円)
35,000
(TOPIX:ポイント)
2,800
【TOPIXと東証一部(1日平均)売買代金の推 移】
30,000
2,400
TOPIX
(期末終値)
25,000
2,000
20,000
1,600
15,000
1,200
10,000
800
東証一部1日平均売買代金
5,000
400
0
0
元.3期
2.3期
3.3期
4.3期
5.3期
6.3期
7.3期
8.3期
9.3期
10.3期
11.3期
12.3期
13.3期
14.3期
15.3期
16.3期
17.3期
18.3期
19.3期
20.3期
21.3期
22.3期
23.3期
売 買 代金
11,954
11,438
6,585
3,410
2,440
3,806
3,019
3,538
3,823
4,359
4,021
9,280
8,658
8,124
7,290
11,452
13,287
22,521
26,631
28,790
20,079
15,299
15,324
TO PIX
2,469
2,227
1,971
1,419
1,432
1,563
1,308
1,637
1,373
1,252
1,267
1,706
1,277
1,060
788
1,179
1,182
1,728
1,714
1,213
774
979
869
(億円)
25,000
【経常損益と当期純損益の推移】
20,000
経常損益
15,000
10,000
当期純損益
5,000
0
-5,000
-10,000
元.3期
2.3期
3.3期
4.3期
5.3期
6.3期
7.3期
8.3期
9.3期
10.3期
11.3期
12.3期
13.3期
14.3期
15.3期
16.3期
17.3期
18.3期
19.3期
20.3期
21.3期
22.3期
経 常 損益
23,276
21,674
6,928
-3,006
-4,827
279
-4,045
1,849
1,061
-861
561
11,792
4,816
151
642
6,689
6,127
13,844
9,553
6,322
-1,907
3,279
23.3期
823
当 期純 損 益
9,712
10,039
3,708
-3,995
-4,888
-994
-4,040
552
-7,686
-2,466
-6,312
3,723
2,414
-2,557
-1,622
4,329
3,918
7,921
5,165
-1,374
-2,697
1,801
-2,713
(注)1.日本証券業協会調べ。国内証券会社の合計。
2.元年3月期は、決算期の変更に伴う半期決算のため、グラフでは実績を2倍した。
2
○ 国内証券会社の収益構造の推移
(単位:億円)
営業収益
受入手数料
委託手数料
そ の 他
手 数 料
(うち投信)
9年3月期
22,577
16,372
72.5%
10年3月期
17,120
12,022
6,442
5,874
1,062
2,241
2,019
70.2%
(53.6%)
(48.9%)
(8.8%)
(18.6%)
(16.8%)
11,495
5,290
4,901
1,365
2,295
2,162
66.0%
(46.0%)
(42.6%)
(11.9%)
(20.0%)
22,283
13,029
12,721
1,713
76.6%
(58.5%)
(57.1%)
11年3月期
12年3月期
17,417
29,093
8,801
(53.8%)
引受・売出・特 募集・売出・特
定投資家向け 定投資家向け
(うち株式) 売付け勧誘等 売付け勧誘等
の手数料
の取扱手数料
7,788
2,557
2,545
(47.6%)
(15.6%)
(15.6%)
2,172
(13.3%)
2,467
(15.1%)
ト レ ー
ディング
損 益
(うち投信)
金融収益
1,809
(11.1%)
3,262
14.4%
2,942
13.0%
2,275
1,614
2,023
3,075
(18.9%)
(13.4%)
11.8%
18.0%
2,544
1,764
3,560
2,362
(18.8%)
(22.1%)
(15.3%)
20.4%
13.6%
4,407
3,949
3,133
2,013
5,356
1,453
(7.7%)
(19.8%)
(17.7%)
(14.1%)
(9.0%)
18.4%
5.0%
1,881
13年3月期
22,235
14,560
7,117
6,884
1,341
2,604
2,162
3,496
2,331
5,794
65.5%
(48.9%)
(47.3%)
(9.2%)
(17.9%)
(14.9%)
(24.0%)
(16.0%)
26.1%
8.5%
14年3月期
16,893
11,161
5,319
5,079
1,000
1,544
0
3,295
0
3,817
1,896
66.1%
(47.7%)
(45.5%)
(9.0%)
(13.8%)
(0.0%)
(29.5%)
(0.0%)
22.6%
11.2%
15年3月期
16,195
9,698
4,125
3,907
807
1,411
1,073
3,354
1,001
4,867
1,575
59.9%
(42.5%)
(40.3%)
(8.3%)
(14.6%)
(11.1%)
(34.6%)
(10.3%)
30.1%
9.7%
1,626
16年3月期
24,025
14,522
7,662
7,417
1,347
2,050
1,490
3,461
866
7,804
60.4%
(52.8%)
(51.1%)
(9.3%)
(14.1%)
(10.3%)
(23.8%)
(6.0%)
32.5%
6.8%
17年3月期
25,378
16,430
8,183
7,954
1,855
2,250
1,616
4,141
1,040
6,730
2,127
64.7%
(49.8%)
(48.4%)
(11.3%)
(13.7%)
(9.8%)
(25.2%)
(6.3%)
26.5%
8.4%
18年3月期
36,967
23,350
12,230
11,954
2,181
3,487
2,859
5,451
1,422
10,289
3,170
63.2%
(52.4%)
(51.2%)
(9.3%)
(14.9%)
(12.2%)
(23.3%)
(6.1%)
27.8%
8.6%
19年3月期
40,977
25,943
9,538
9,224
2,078
4,156
3,508
10,170
2,057
8,237
6,546
20年3月期
40,882
63.3%
25,646
(36.8%)
8,366
(35.6%)
8,026
(8.0%)
1,175
(16.0%)
3,743
(13.5%)
3,398
(39.2%)
12,360
(7.9%)
2,539
20.1%
6,349
16.0%
8,656
21年3月期
28,494
62.7%
16,628
(32.6%)
5,542
(31.3%)
5,275
(4.6%)
903
(14.6%)
2,215
(13.2%)
1,992
(48.2%)
7,965
(9.9%)
2,082
15.5%
4,764
21.2%
6,405
22年3月期
31,911
58.4%
19,981
(33.3%)
5,217
(31.7%)
4,955
(5.4%)
2,327
(13.3%)
4,367
(12.0%)
3,947
(47.9%)
8,066
(12.5%)
1,889
16.7%
7,997
22.5%
3,605
62.6%
(26.1%)
(24.8%)
(11.6%)
(21.9%)
(19.8%)
(40.4%)
(9.5%)
25.1%
11.3%
23年3月期
27,688
18,280
4,722
4,400
1,424
4,438
4,162
7,693
2,069
5,157
3,753
66.0%
(25.8%)
(24.1%)
(7.8%)
(24.3%)
(22.8%)
(42.1%)
(11.3%)
18.6%
13.6%
(注)1.国内証券会社の合計 (20年3月期までは日証協公表資料等 より、21年3月期以降は決算状況表集計 データより)
2.比率は、営業収益に対する比率。(
)書きの比率は、受入手数料に対する比率。
3.14年3月期の募集・売出取扱手数料の(うち投信)及びその他手数料の(うち投信)は未集計。
3
○ 受入手数料に対する株式委託及び投資信託取扱手数料の割合の推移
100%
株式委託手数料
投資信託取扱手数料
90%
80%
70%
60%
57.1%
50%
47.3%
48.9%
51.1%
48.4%
51.2%
45.5%
47.6%
42.6%
40%
40.3%
35.6%
31.3%
30%
14.8%
16.8%
13.3%
24.1%
24.8%
18.8%
20%
10%
31.7%
11.1%
17.7%
NA
12.2%
10.3%
13.5%
22.8%
13.2%
19.8%
9.8%
12.0%
0%
9年3月期 10年3月期 11年3月期 12年3月期 13年3月期 14年3月期 15年3月期 16年3月期 17年3月期 18年3月期 19年3月期 20年3月期 21年3月期 22年3月期 23年3月期
4
○ トレーディング損益の推移
5
日経平均株価の推移
○ 足許は8,000円台で推移。
○ 景気は、東日本大震災の影響により、依然として厳しい状況にあるなかで、引き続き
持ち直しているものの、そのテンポは緩やかになっている。
6
日米欧のソブリンCDSの推移
(bp)
9500
8500
7500
6500
5500
4500
3500
2500
1500
米 ソブリンCDS
204.0 212.5 227.6 237.5
279.7
欧
154.1 158.3 162.1 173.5
185.5
日
245.5 245.5 265.1 290.8
331.6
ギリシャ 9141bp
1500
1400
1300
1200
1100
ポルトガル 1048bp
1000
900
800
アイルランド 704bp
700
600
500
イタリア 456bp
400
スペイン 384bp
300
フランス 194bp
200
日本 128bp
100
米国 51bp
0
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
(注)日・米・イタリア・スペイン・ギリシャ・ポルトガル・アイルランドの5年物ソブリンCDS
9月
10月
11月
12月
7
世界的な金融市場の混乱と対応の推移 - 1
第1段階(2007年夏)
2007年
2008年
2009年
2009年
6月22日
ベアー・スターンズ、傘下ファンドへ資金支援
8月 9日
BNPパリバ、傘下ファンドの新規募集や解約を凍結
9月14日
英当局、ノーザンロックに緊急融資(英で140年ぶりの取付け騒ぎ)
1月22日
NY州保険当局、モノライン保険会社への資本増強策等を公表
3月16日
JPモルガン、ベアー・スターンズを買収
9月 7日
米当局、ファニーメイ及びフレディマックへの支援策を公表
9月15日
リーマン・ブラザーズの米国持株会社が倒産手続開始
9月16日
FRB、AIG救済策を公表
9月18日
日米欧の6中央銀行、流動性供給のための協調対応策を発表
10月 3日
米国で緊急経済安定化法成立
11月14-5日
第1回G20首脳会合(ワシントン・サミット)
11月23日
米当局、シティグループに対する救済策を発表
1月16日
米当局、バンク・オブ・アメリカに対する救済策を発表
2月10日
米当局、新たな金融安定化策(ストレステストの実施等)を公表
3月18日
英当局、国際的な銀行規制に関するターナーレビューを発表
4月1-2日
第2回G20首脳会合(ロンドン・サミット)
5月 7日
米当局、ストレステストの結果を公表
9月24-5日
第3回G20首脳会合(ピッツバーグ・サミット)開催、首脳声明を採択
12月17日
バーゼル委、市中協議文書を公表
サブプライム・ローン問題の発生
↓
証券化商品など、問題の原因と
なった商品・取引に着目した議論
第2段階(2008年9月)
リーマン・ショックの発生
↓
金融システム全体の脆弱性に着目
した議論
第3段階(2009年春)
各国の政策対応の効果もあり
金融危機は小康状態に
↓
金融危機後の規制 の再構築
を展望した議論
8
世界的な金融市場の混乱と対応の推移 – 2
2010年
2011年
1月21日
米国、「金融機関の規模及び活動範囲に関する制限」を公表
4月23日
ギリシャ、資金支援策の発動を要請
5月 7日
ユーロ圏首脳会合、ギリシャ支援内容を承認
5月10日
EU財務相理事会、「欧州金融安定メカニズム」の創設に合意
6月17日
英国、金融監督体制の改革案を公表
6月26-7日
第4回G20首脳会合(トロント・サミット)
7月21日
米国、金融規制改革法が成立
7月23日
欧州、ストレステストの結果を公表
7月26日
GHOS、自己資本及び流動性に関する広範な合意に到達
9月12日
GHOS、より高い国際的な最低自己資本基準を公表
11月11-2日
第5回G20首脳会合(ソウル・サミット)
11月28日
ユーロ圏財務相会合・EU財務相理事会、アイルランド支援に合意
12月16日
バーゼル委、バーゼルIIIのテキスト及びQISの結果を公表
1月 1日
EU、新たな金融監督体制(欧州金融監督システム)が始動
5月16日
ユーロ圏財務相会合・EU財務相理事会、ポルトガル支援に合意
6月25日
GHOS、グローバルにシステム上重要な銀行に関する措置に合意
7月15日
欧州、ストレステストの結果を公表
7月19日
FSB・バーゼル委、G-SIFIsに関する市中協議文書を公表
7月21日
ユーロ圏首脳会合、ギリシャ追加支援に合意
8月2日
8月11日
第4段階
ギリシャなど一部の国に
おけるソブリン・リスクへの
警戒感の高まり 等
米国、債務上限引上法が成立
イタリア・フランス・スペイン・ベルギーの証券当局による空売り禁止措置の実施
10月13日
EFSF機能拡充をユーロ圏内全17カ国で承認
10月26日
EU・ユーロ圏首脳会合、欧州債務危機に対処すべく包括的な施策に合意
11月3-4日
第6回G20首脳会合(カンヌ・サミット)
9
○ 金融商品取引業者等に対する監督方針のポイント(平成23年8月26日公表)
1.総論
1.金融資本市場を取り巻く環境
・東日本大震災等による国内経済への影響(電力供給の制約、原子力災害、海外景気の下振れ懸念、為替レート・株価の変動等)
・世界経済が金融システムに与える影響(新興国のインフレ懸念、欧米の財政状況等)
2.監督当局の取組姿勢等
・ベター・レギュレーションの一層の定着・深化を図ることを基本に、以下の監督姿勢で臨む。
① リスク感応度の高い行政(個々の金融機関や金融システムに蓄積するリスクをフォワード・ルッキングに特定・把握、システム・業務継続体制の
再点検)
② 国民の目線・利用者の立場に立った行政(顧客保護や利用者利便の一層の向上、東日本大震災の発生を受けた金融商品取引業者等の対応の確認)
③ 将来を見据えた行政(国際的議論の動向も十分把握、環境変化を展望、我が国金融機関が抱える共通の構造的課題も念頭に置く)
④ 金融機関の自主的な経営改善・経営判断に資する行政(金融機関との率直かつ深度ある対話、各金融機関の先進的取組みを他の金融機関に紹介
等)
※ 証券取引等監視委員会、自主規制機関、日本銀行等との一層緊密な連携
※ 金融機関の負担軽減に配意した監督行政(報告等の年1回の定期的な点検等)
2.監督重点分野
1.市場仲介機能の適切な発揮
(1) 市場仲介機能の適切な発揮に向けた対応
状況の検証
内部管理体制の整備、特に公開引受けに
係る審査体制の検証
(2) 顧客情報・法人関係情報の管理の徹底
上場企業による公募増資等の法人関係情
報の内部管理態勢の整備や、役職員による
不正行為の防止に向けた職業倫理の強化の
検証
(3) 反社会的勢力排除の徹底
警察庁との協力も踏まえ、反社会的勢力
データベースの構築を慫慂
2.質の高いリスク管理の促進
(1)
証券会社グループ全体の統合的なリスク
管理の促進
① 早期警戒制度の的確な運用、業界横断
的・時系列的な分析
② 証券会社グループへの連結監督・規制
の導入を踏まえ、グループ全体の経営実
態の適時・的確な把握、統合的なリスク
管理態勢等の重点的検証。
一部金融機関における再建・破綻処理計
画 (RRPs)の策定
(2) 各種ファンドへの対応
ヘッジファンド等各種ファンドの実態
把握
3.顧客保護と利用者利便の向上
(1) デリバティブ等のリスク性商品を販売す
る際の顧客への説明態勢の整備等
(2) 商品販売後の顧客管理(アフターケア)
(3) 苦情・相談処理態勢
(4) 業務の継続性
(5) 証拠金導入規制・強化へのFX業者の対
応
(6) 第二種金融商品取引業に係る投資家保
護に向けた取組み
(7) 格付会社における態勢整備、登録格付
がない場合の証券会社等の説明態勢の
整備等
(8) 金融犯罪等への対応
10
○ 投資信託の販売・勧誘時における説明態勢―1
● 金融庁では、平成22年8月27日付けで公表した「平成22事務年度 金融商品取引
業者等向け監督方針」において、以下の点について重点的に検証する旨、平成22年
11月25日付けで改定。
① 新興国の株式・債券を対象としたファンドや通貨選択型ファンド、毎月分配型ファ
ンドなどの投資信託の販売に当たって、各々の商品特性・リスク特性に応じた適切
な説明が行われているか。
② 投資信託の販売や解約に際し、損益や販売・解約に当たっての手数料、信託報
酬をはじめとする費用等、顧客の投資判断に影響を及ぼす重要な事項について適
切な説明が行われているか。
● 商品販売後の丁寧な顧客管理(アフターケア)は、投資者との信頼関係の確保のた
めには不可欠であることから、以下の点を平成23年8月26日付けで公表した「平成
23事務年度 金融商品取引業者等向け監督方針」に追加。
① 投資商品の価格変動に影響を及ぼす市場動向や発行体の信用力の変化等につ
いて、顧客へ適時・的確にわかりやすい情報を提供し、投資者の理解を深め、投資
判断をきめ細かくサポートすることが重要。
② 高齢の顧客については、短期間に投資判断能力が変化する場合もあり、顧客の
立場に立ってこまめに相談にのるなど、特に丁寧なフォローアップが不可欠。
11
○ 投資信託の販売・勧誘時における説明態勢―2
● 日本証券業協会の「投資勧誘のあり方に関するワーキング・グループ」の検討結果
及び投資信託協会における協議を踏まえ、「毎月分配型」や「通貨選択型」投資信託
の目論見書については、以下の内容が追加記載されることとなった。
① 収益分配金に関する留意事項
・ 分配金は、預貯金の利息とは異なり、投資信託の純資産から支払われるので、
分配金が支払われると、その金額相当分、基準価額は下がる等
② 通貨選択型ファンドの収益のイメージ
・ 通貨選択型の投資信託の収益源
a.アジア・ハイ・イールド債権の利子収入、値上がり/値下がり
b.為替ヘッジプレミアム/コスト
c.為替差益/差損
● 上記を踏まえ、平成23年12月5日、「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針
の一部改正(案) 」を公表、パブリックコメント手続きを開始(受付期間は来年1月10日
まで)し、以下の点を監督上の着眼点に追加。
①
②
③
④
⑤
⑥
顧客属性等の適時適切な把握
通貨選択型投信などのリスクの高い商品を販売する際の販売管理の状況
投信販売後のアフターケアの状況
金融ADR制度の説明の状況
投信の分配金に関する説明の状況
通貨選択型投信販売の際の説明・確認書受入れの状況
12
○ ファンドモニタリング調査 -1
1.調査の概要
ファンドモニタリング調査は、平成22年9月から、ファンド(投資信託、投資法人及び集
団投資スキーム(※)をいう。以下同じ)に関する販売(新規の募集、私募、募集の取扱
い及び私募の取扱いをいう。以下同じ)・運用の実態を把握するため、金融商品取引業
者等向けの総合的な監督指針に基づき、ファンドの販売業者及び運用業者に対し実施
している。
※ 本調査において、集団投資スキームとは、金融商品取引法第2条第2項第5号、6号に基づく権利を有する者から金銭を集
め、何らかの事業・投資を行い、その収益を出資者に分配する仕組みをいう。
2. 調査項目
・ 調査対象業者が販売又は運用を行うファンド名
・ ファンドの形態
・ 設定日
・ 権利者数
・ 権利者属性とその割合
・ 直近1年間の募集等額
・ 運用財産額
・ 分配金
・ レバレッジ
・ 投資対象とその割合
・ 投資対象地域等
※調査項目は、ファンドの形態及び取扱う業務によって回答不要としているものもある。
13
○ ファンドモニタリング調査 - 2
3. 調査対象業者(国内業者のみ)
ファンドの販売業者及び運用業者4,318社・者(金融商品取引業者896、登録金融機
関677、適格機関投資家等特例業務届出者及び特例投資運用業者2,745)
⑴ 本調査において、販売業者とは、以下の者をいう。
・ 第一種金融商品取引業者(投資信託の受益証券及び投資法人の投資証券の販
売を行う者)
・ 第二種金融商品取引業者(集団投資スキーム持分の販売を行う者)
・ 適格機関投資家等特例業務届出者(集団投資スキーム(うちプロ向けファンド)持
分の販売を行う者)
・ 登録金融機関(投資信託の受益証券及び投資法人の投資証券の販売を行う者)
⑵ 本調査において、運用業者とは、以下の者をいう。
・ 投資運用業者(投資信託、投資法人及び集団投資スキームの運用を行う者)
・ 適格機関投資家等特例業務届出者(集団投資スキーム(うちプロ向けファンド)の
運用を行う者)
・ 特例投資運用業務届出者(金商法施行前に募集が終了しているファンドの運用を
行う者)
⇒ 調査対象業者が調査に応じることにより、正確な実態把握が可能に。
14
○ ファンドモニタリング調査の結果「集団投資スキーム」-1
1.販売状況
(1)ファンド数及び販売額合計
平成22年度は平成21年度と比較すると、ファンド数は減っているものの、販売額
合計は増えている。
ファンド数
平成21年度
(平成21年4月~同22年3月)
2,285本
平成22年度
(平成22年4月~同23年3月)
2,255本
販売額合計
1兆2,244億円
1兆5,050億円
(2)商品分類別の販売額等
商品分類別では不動産ファンドが多数を占めている状況。ただし、平成21年度は
販売額全体の過半数を占めていたが、平成22年度は約4割と減少している。
不動産ファンド
平成21年度
(平成21年4月~同22年3月)
(234本)6,388億円:52%
平成22年度
(平成22年4月~同23年3月)
(227本)6,469億円:43%
現物ファンド
(1,522本)910億円:7%
(1,429本)1,149億円:8%
アクティビスト
-
(9本)535億円:4%
ヘッジファンド
-
(96本)517億円:3%
バイアウト
(36本)464億円:4%
(23本)424億円:3%
事業再生
(23本)500億円:4%
(23本)373億円:2%
15
○ ファンドモニタリング調査の結果「集団投資スキーム」-2
2.運用状況
(1)ファンド数及び運用財産額合計
平成22年度は平成21年度と比較すると、ファンド数は若干減少し、運用財産額合
計は約5兆円程度減少している。
ファンド数
平成21年度
(平成21年4月~同22年3月)
5,189本
平成22年度
(平成22年4月~同23年3月)
5,071本
運用財産額合計
23兆5,713億円
18兆9,899億円
(2)商品分類別の運用財産額等
商品分類別では不動産ファンドが多数(70%)を占めている状況。また、バイアウ
ト、ベンチャー、メザニンといった主に企業に対して投資するファンドが、5,000億円
~8,000億円規模で存在。なお、不動産ファンドの収益は、平成21年度は1兆
1,017億円のプラスとなっていたが、平成22年度は▲2,018億円のマイナスとなって
いる。
不動産ファンド
平成21年度
(平成21年4月~同22年3月)
(1,841本)15兆8,708億円:67%
平成22年度
(平成22年4月~同23年3月)
(1,459本)13兆4,476億円:70%
バイアウト
(156本)7,097億円:3%
(150本)8,648億円:5%
ベンチャー
(1,034本)9,444億円:4%
(1,020本)7,577億円:4%
メザニン
(57本)6,365億円:3%
(46本)5,496億円:3%
事業再生
(153本)4,782億円:2%
(138本)4,025億円:2%
16
○ (参考)ファンドモニタリング調査 の集計結果(全体)-1
○ 調査対象ファンドの販売(新規募集等)状況(平成22年4月~同23年3月)
うち「ヘッジファンド」
販売本数
販売金額
販売本数
販売金額
(本)
(億円)
(本)
(億円)
国内投資信託
18,124
688,747
80
3,549
国内投資法人
11
722
外国投資信託・
1,053
49,043
62
1,320
外国投資法人
集団投資スキーム
2,255
15,050
97
518
合計
21,443
753,562
239
5,387
※ 販売本数については、複数の販売業者が一のファンドを販売している場合があるため、実際の本数とは
異なる。
○ 調査対象ファンドの運用状況(平成23年3月末時点)
運用本数
(本)
国内投資信託
国内投資法人
外国投資信託・
外国投資法人
集団投資スキーム
合計
運用財産額
(億円)
うち「ヘッジファンド」
運用本数
運用財産額
(本)
(億円)
203
10,823
-
8,556
54
1,502,146
83,791
721
274,538
74
18,958
5,071
189,899
169
569
14,402
2,050,374
446
30,350
※ 外国投資信託・外国投資法人の運用状況については、当該ファンドの代行協会員(設置されていない場
合は販売業者)が回答している。
17
○ (参考)ファンドモニタリング調査 の集計結果(全体)-2
○ 調査対象ファンドの販売状況(平成21年4月~同22年3月)
販売本数
(本)
販売金額
(億円)
うちヘッジファンド
販売本数
販売金額
(本)
(億円)
10
41
国内投資信託
16,177
656,761
国内投資法人
9
350
-
-
912
44,142
69
2,651
19,383
713,497
144
2,945
外国投資信託・
外国投資法人
合計
※販売本数については、複数の販売業者が一のファンドを販売している場合があるため、実際の本数とは異なる。
○ 調査対象ファンドの運用状況(平成22年3月末時点)
運用本数
(本)
運用財産額
(億円)
うちヘッジファンド
運用本数
運用財産額
(本)
(億円)
193
8,774
国内投資信託
8,253
1,522,882
国内投資法人
50
84,279
-
-
外国投資信託・
外国投資法人
599
244,053
73
23,935
14,091
2,086,927
357
33,071
合計
※外国投資信託・外国投資法人の運用状況については、当該ファンドの代行協会員(設置されていない場合は販
売業者)が回答している。
18
○ 2種業者の処分事例-1
処分日
業者名
H20.8.7
A社
H21.6.25
B社
H21.6.26
C社
H21.7.10
D社
H21.8.6
E社
H21.9.11
H21.10.29
F社
G社
H21.12.3
H社
H22.2.1
I社
H22.2.8
J社
問題点
①人的構成を有しない者(法第29条の4第1項第1号ニ)
②変更登録前の第一種業(法第31条第4項)
○人的構成を有しない者(法第29条の4第1項第1号ニ)
①虚偽・誤解表示(業府令第117条第1項第2号)
②著しく誤認させる広告(法第37条第2項)
③名義貸し(法第36条の3)
○営業管理態勢・内部管理態勢の不備(法第51条)
処分内容
・登録取消し
・業務改善命令
・業務停止(3か月)
・業務改善命令
・業務停止(6か月)
・業務改善命令
・業務改善命令
①純財産額の最低基準額割れ(法第29条の4第1項第5号ロ)
②分別管理義務違反(法第42条の4)
③名義貸し(法第36条の3)
①名義貸し(法第36条の3)
②ファンド出資金の流用等(法第52条第1項第9号)
③誤解を生じさせる広告及び表示等(法第37条第2項・業府令第117条第
1項第2号)
④変更登録前の私募の取扱い(法第31条第4項)
⑤不正の手段による変更登録(法第52条第1項第5号)
①虚偽・誤解表示(法第38条第6号・業府令第117条第1項第2号)
②分別管理義務違反(法第42条の4)
③有価証券報告書の虚偽記載(法第24条第5項で準用する同条第1項)
④虚偽の告知(法第38条第1号)
○自己の利益を図るためファンド出資者の利益を害する行為(法第42条
の2第7号・業府令第130条第1項第2号)
①出資金の使途が不明な状況(法第51条)
②分別管理が確保されていない状況で行う私募(法第40条の3)
③収益が上がらない状況で配当金を支払いつつ、行った私募(法第51条)
・業務停止(6か月)
・業務改善命令
①重大な管理不備がありながら行った、ファンド持分の販売(法第52条1
項9号)
②無登録業者にファンド持分の勧誘を行わせている状況(法第51条)
・業務停止(3か月)
・業務改善命令
二種業協会
未加入
未加入
未加入
未加入
未加入
・登録取消し
・業務改善命令
未加入
・登録取消し
・業務改善命令
・業務停止(3か月)
・業務改善命令
・業務停止(2か月)
・業務改善命令
未加入
未加入
未加入
未加入
19
○ 2種業者の処分事例-2
処分日
業者名
H22.4.16
K社
H22.4.19
H22.4.20
H22.6.3
H22.6.29
H23.4.7
H23.4.19
H23.4.28
L社
M社
N社
O社
P社
Q社
P社
問題点
処分内容
①ファンド運用に係る無登録営業(法第29条)
・業務停止(6か月)
②無登録業者の運営するファンドへの出資等(法第51条)
・業務改善命令
③金融商品取引契約の締結又は勧誘に関し、虚偽のことを告げる行為 (警告等)
(法第38条第1号)
○ファンド持分の取得勧誘に係る虚偽表示等(法第38条第6号・業府令 ・業務停止(2ヶ月)
第117条第1項第2号)
・業務改善命令
○名義貸し(法第36条の3)
①分別管理が確保されていない状況で私募を行う行為(法第40条の3)
②契約締結前交付書面等の記載とは異なる業務運営の状況(法第51
条)
③法令遵守態勢の欠如(法第51条)
・業務停止(2か月)
・業務改善命令
二種業協会
未加入
未加入
未加入
・業務停止(1か月)
・業務改善命令
未加入
①誤解を生ぜしめるべき表示(法第38条第6号・業府令第117条第1項第 ・業務停止(2ヶ月)
2号)
・業務改善命令
②契約締結前交付書面の不備(法第37条の3第1項)
未加入
①金融商品取引契約につき、顧客に対し、特別の利益の提供を約する ・業務停止(3ヶ月)
行為(法第38条第6号・業府令第117条第1項第3号)
・業務改善命令
②分別管理が確保されていない状況で私募を行う行為(法第40条の3)
未加入
〇集団投資スキーム持分の私募の取扱いに関して、顧客に対し特別の ・業務停止(3ヶ月)
利益の提供を約する行為(法第38条第6号・業府令第117条第1項第3号) ・業務改善命令
未加入
○業務停止命令期間中の営業行為(法第52条第1項第6号)
・登録取消し
・業務改善命令
未加入
20
○ 最後に
21
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